JP6047680B1 - レース編地の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】端部が斬新なデザイン性を有するレース編地の製造方法を提供する。【解決手段】製品部31と、該製品部と幅方向に隣接する捨て部32とを1つの経編地30として編成した後、製品部31と捨て部32との境界34で経編地30をカットして捨て部32を除去してレース編地を得る方法であって、前記編成において、境界34より製品部31の部分をネット状にするとともに、境界34に隣接する捨て部32側の部分にカット用糸54を編み込み、前記編成後に、カット用糸54の編み込み部分37に沿って経編地30をカットして、カット用糸54の編み込み部分37を含む捨て部32を除去することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明はレース編地の製造方法に関する。
レース編地において編地幅方向の端部がスカラップ形状となっているものが知られている。このようなレース編地は、編地幅方向の端部がスカラップ形状である製品部と、製品部と前記幅方向に隣接する捨て部とを1つの経編地として編成した後、製品部と捨て部との境界で経編地をカットして捨て部を除去することにより製造される。
経編地の幅方向の端部がスカラップ形状となっているレース編地として、特許文献1に記載されているような、スカラップ形状の端部がピコットで縁取りされているものが広く普及している。特許文献1の製造方法では、段落0004及び段落0013に記載のように、スカラップ形状の部分から編地外側へ向けてピコットが形成された製品部(細幅レース部)と、製品部より編地外側の捨て部(連結編地部)とが一体として編成される。その後、ピコットの先端の外側に沿ってカットされ、捨て部(連結編地部)が除去される。
また、特許文献2に記載されているように、スカラップ形状の部分から編地外側へ延びる房部が設けられているレース編地も知られている。特許文献2の製造方法では、段落0028〜段落0032に記載のように、スカラップ形状の端部を有する製品部(経編レース地)と製品部より編地外側の捨て部(捨て編み生地部)とが房構成糸により連結されて編成される。その後、房構成糸の捨て部(捨て編み生地部)側の先端に沿ってカットがなされ、捨て部(捨て編み生地部)が除去される。
特開平10−245753号公報 実用新案登録第3129453号公報
しかし、ピコット等の糸で縁取りされたスカラップ形状の端部や、編地外側へ延びる房部が設けられているスカラップ形状の端部は、現在では、広く知られたものとなっており、使用者の目を引くほどのデザイン性を有するものでは無くなっている。
そこで本発明は、端部が斬新なデザイン性を有するレース編地の製造方法を提供することを課題とする。
実施形態のレース編地の製造方法は、 製品部と、該製品部と幅方向に隣接する捨て部とを1つの経編地として編成した後、前記製品部と前記捨て部との境界で前記経編地をカットして前記捨て部を除去してレース編地を得るレース編地の製造方法において、前記編成において、前記境界より前記製品部側の部分をネット状にするとともに、前記境界に隣接する前記捨て部側の部分にカット用糸を編み込み、その編み込み部分を、該カット用糸の編み込み部分より製品部側の部分よりも前記経編地の表面へ突出させ、前記編成後に、前記カット用糸の編み込み部分より前記製品部側の位置にカッターを当てた状態で、前記経編地が前記カッターに向かうように前記経編地を移動させることにより、前記カット用糸の編み込み部分に沿って前記経編地をカットして、前記カット用糸の編み込み部分を含む前記捨て部を除去し、前記カットにあたり、前記カッターの手前に、前記経編地の前記カット用糸の編み込み部分は通過できないが該カット用糸の編み込み部分より製品部側の部分は通過できる隙間を有するガイドを設け、前記カット用糸の編み込み部分より前記製品部側の部分を前記ガイドの前記隙間に通しながら、前記経編地を後方の前記カッターに向かわせ、前記隙間の後ろで前記カット用糸の編み込み部分より前記製品部側の位置に前記カッターを当てることを特徴とする。
実施形態のレース編地の製造方法によれば、レース編地の端部を、ネット部がカットされたままの状態の端部という、斬新なデザイン性を有する端部にできる。
経編機の編成部を示す図。 経編地30の平面図。 スカラップ形状を例示する図。(a)は波形状を示す図。(b)は弧がウェール方向に連続する形状を示す図。(c)ジグザグ形状を示す図。 製品部31と捨て部32とが一体となっている経編地30の境界34付近の平面図。 地糸及びジャカード糸による組織図。(a)は地糸56を示す図。(b)はジャカード糸50、51、52、53を示す図。 ジャカード機構を作用させる前のジャカード筬の運動のみに基づく組織図。 カット用糸54及び熱融着糸55の組織図。 カッター60が経編地30をカットする様子を示す斜視図。 カッター60が経編地30をカットする様子を図8のA方向から見た図。 カッター60が経編地30をカットする様子を図8のB方向から見た図。 カッター60が経編地30をカットする様子を図8のC方向から見た図。 レース編地33の幅方向端部43近傍を示す平面図。 変更例においてカッター60が経編地30をカットする様子を図8のA方向から見た図。
本実施形態について図1〜図13に基づき説明する。本実施形態のレース編地の製造方法は、工程順に、経編地の編成を行う編成工程、編成された経編地に対し染色及びヒートセットを行う染色加工工程、経編地をカットして複数のレース編地を得るカット工程を含む。以下ではそれぞれの工程について説明する。
以下の編成工程の説明において、左右方向、経編機の幅方向、及び経編地の幅方向は、同じ方向である。
本実施形態の編成工程で用いられる経編機として、例えばシングルラッシェル機を用いることができる。経編機はその幅方向に一列に並ぶ複数の編み針を備える。また、経編機はその前後方向に並ぶ複数の筬(ガイドバーとも言う)を備え、各筬は経編機の幅方向に一列に並ぶ複数のガイドを備える。複数のガイドはそれぞれ編み針に向けて糸を導糸する。前記の複数の筬として、少なくとも地糸を導糸する地筬と後述するカット用糸を導糸する柄筬とを備える。そのような編成部の一例を図1に示す。図1では、複数の筬として、前から順に、1枚の地筬10、1枚の柄筬11、2枚のジャカード筬12、13、複数の柄筬14、1枚の地筬15、が並んでいる。また図示しない落下板が設けられていても良い。
地筬10、15及び柄筬11、14では、それぞれの筬に設けられた複数のガイドは、筬の運動に従って一体となって動く。また、ジャカード筬12、13は、複数のジャカードガイドが経編機の幅方向に一列に並べて設けられたものである。1枚のジャカード筬12(又は13)に設けられた複数のジャカードガイドは、ジャカード筬12(又は13)の運動に従って一体となって動くのに加え、ジャカード機構の作用により、それぞれ独立して左右どちらか一方向に変位できる。
後で説明するように、例えば、地筬10は地糸56を、柄筬11は熱融着糸55を、ジャカード筬12、13はジャカード糸50、51、52、53を、複数の柄筬14はカット用糸54及び柄糸を、地筬15は弾性糸を、それぞれ導糸するために用いられる。
このように例示される経編機により、図2に示す経編地30が編成される。経編地30の編成では、複数の製品部31が幅方向に並ぶように編成される。製品部31と製品部31との間及び経編地30の幅方向両側には捨て部32が設けられる。そのため製品部31と捨て部32とが幅方向に隣接して設けられることになる。複数の製品部31と複数の捨て部32とは1つの経編地30として編成される。なお、製品部31は後述するカット工程においてレース編地33として取り出される部分であり、捨て部32はカット工程において除去される部分である。
製品部31と捨て部32との境界34はスカラップ状となってウェール方向へ延びている。従って製品部31の幅方向の端部はスカラップ形状となる。スカラップ形状とは左右に曲がりながらウェール方向に延びる形状のことである。スカラップ形状には、波形状(図3(a))のように曲線部35を有し角部36を有さない形状、弧がウェール方向に連続する形状(図3(b))のように曲線部35及び角部36を有する形状、ジグザグ形状(図3(c))のように曲線部35を有さず角部36を有する形状、等が含まれる。
経編地30の編成について、より詳細に説明する。図4に製品部31と捨て部32とが一体となっている経編地30を示す。この経編地30の編成において、製品部31と捨て部32との境界34(図4において破線で示されている)より製品部31側の部分を、少なくとも幅方向に一定の長さだけ、ネット状の部分であるネット部40として編成する。言い換えれば、製品部31のうち少なくとも幅方向端部を含む一定幅の部分を、ネット部40として編成する。ネット状とは複数の透孔41が二次元的に広がっている状態のことである。また透孔41とは、経編地30をその表面に垂直な方向から見たときに、経編地30の向こう側が見える孔のことである。
ネット部40の組織は、限定されないが、例えば図5(a)に示すように、地筬10により導糸される地糸56を同一ウェールで編み目形成する鎖編みとする。さらに、ジャカード筬12、13により導糸されるジャカード糸を左右方向に横渡りさせながら挿入して、鎖編みの隣接するウェール同士を所定のコースにおいて連結する。
この例におけるジャカード筬12、13による編成の具体例を図5(b)に示す。図5(b)の編成にあたり、オフセットとなる2枚のジャカード筬12、13に、それぞれ糸を導糸し、2枚のジャカード筬12、13全体でフルセットの糸が揃うようにする。そして、ジャカード糸50、52をジャカード筬12により導糸し、ジャカード糸51、53をジャカード筬13により導糸する。
そして、図6に示すように、各ジャカード糸をジグザグ状に挿入するように、2枚のジャカード筬12、13を運動させる。さらに、図6の運動を行いながら、ジャカード機構を作用させて、それぞれのジャカードガイドを、それぞれの所定のコースで変位させる。その結果、図5(b)の編成を行うことになる。図5(b)に示すように、この組織には、隣接するウェール同士がジャカード糸により連結されない部分a、b、cが生じる。これらの部分a、b、cが経編地30における透孔41となる。ジャカードガイドを変位させるコース及び変位させる方向の選択の仕方により、透孔41の大きさや形成される場所を変えることができる。なお図5(b)及び図6には一部のジャカード糸50〜53しか図示されていないが、図示されているジャカード糸50〜53と同じ動きをするジャカード糸が左右に展開される。
さらに、ネット部40には、地筬15により導糸される弾性糸を経方向に挿入しても良い。また、ネット部40には、柄筬14から導糸される柄糸を編み込んで、柄糸による柄を形成しても良い。ただし、柄糸は、次に述べるカット用糸54から2ウェール以上離すことが望ましい。
図4に示すように、製品部31と捨て部32との境界34より捨て部32側の部分には、カット用糸54を、スカラップ形状を描くように編み込む。このことは、カット用糸54の編み込み部分37より製品部31側の位置に製品部31と捨て部32との境界34があることを意味する。カット用糸54の編み込み部分37と境界34とは隣接していることが望ましい。
カット用糸54を導糸する筬は、例えば複数の柄筬14のうちのいずれかとする。カット用糸54は、挿入によって編み込むことが望ましいが、編み目を形成して編み込んでも良い。また、編み目を形成するように筬を動作させつつ一部の編み目を落下板で外して挿入状態にする、いわゆるフォールプレートラップにより、カット用糸54を編み込んでも良い。
カット用糸54の挿入方法の一例を図7に示す。図7においてカット用糸54は実線で描かれている。図7の説明において、幅方向とは製品部31の幅方向のことであり、凹部及び凸部とは製品部31のスカラップ形状の凹部及び凸部のことである。凸部は捨て部32側にあり、凹部は製品部31側にある。
この例では、カット用糸54を、まず、1つ目の凹部の頂点44となるウェールw1において、複数コースにわたりジグザグに挿入する。次に、カット用糸54を、1つ捨て部32側のウェールw2に渡し、そのウェールw2において複数コースにわたりジグザグに挿入する。このように、カット用糸54を、1つのウェールにおいて複数コースにわたりジグザグに挿入した後、1つ捨て部32側のウェールに渡すことを繰り返す。そして、カット用糸54を凸部の頂点45となるウェールw5にジグザグに挿入し終えたら、今度は、1つ製品部31側のウェールw4に渡し、そのウェールw4において複数コースにわたりジグザグに挿入する。このように、カット用糸54を、1つのウェールにおいて複数コースにわたりジグザグに挿入した後、1つ製品部31側のウェールに渡すことを繰り返す。そして、2つ目の凹部の頂点44となる場所のウェールw1において、複数コースにわたりジグザグに挿入する。以上の挿入を多数のコースにわたって繰り返すことにより、カット用糸54をスカラップ形状に挿入する。
経編地30において、カット用糸54の編み込み部分37は、それより製品部31側の部分よりも、経編地30の表面へ突出する。そのため、カット用糸54の編み込み部分37は、それより製品部31側の部分よりも厚くなる。
カット用糸54の編み込み部分37を経編地30の表面へ突出させるため、カット用糸54はある程度太いものとする。カット用糸54はジャカード糸50〜53よりも太いことが望ましく、600dtex以上であることがより望ましい。ちなみにジャカード糸50〜53は例えば30〜55dtexである。
カット用糸54に加えて、ネット部40の少なくとも一部には熱融着糸55を編み込むことが望ましい。熱融着糸55は、所定温度で所定時間加熱されると少なくともその一部が融解し、他の2以上の糸同士を接着する糸である。このような接着を熱融着と言う。本実施形態で用いられる熱融着糸55は、染色加工工程におけるヒートセットにより熱融着するものであれば良い。熱融着糸55として、例えば、100〜130℃で熱融着する低融点ナイロン糸が挙げられる。
熱融着糸55を編み込む場所は、少なくとも、カット用糸54が編み込まれるウェール(基準ウェールxとする)より製品部31側の、基準ウェールxの1つ隣のウェールy(図7参照)である。熱融着糸55を編み込む場所は、少なくとも前記ウェールyを含んでいれば良く、前記ウェールyのみであっても良いが、基準ウェールxより製品部31側の連続する複数のウェールであることがより望ましい。また、基準ウェールxより製品部31側のウェールに加えて、基準ウェールxにも熱融着糸55を編み込んでも良い。
熱融着糸55の挿入方法の一例を図7に示す。なお図7において熱融着糸55は破線で描かれている。この例では5本の熱融着糸55を挿入する。そして、いずれのコースにおいても、少なくとも基準ウェールxと、基準ウェールxの1つ隣のウェールyと、さらにその隣のウェールzとに、熱融着糸55をジグザグに挿入する。
熱融着糸55の編み込み方は、図7に例示したように挿入による編み込みが望ましいが、編み目を形成する編み込み方でも良い。なお熱融着糸55は例えば柄筬11により導糸される。
製品部31の主要部42(図4参照)、すなわちネット部40より幅方向内側の部分については、様々なレース地とすることができる。レース地とは、複数の透孔41の配置、それぞれの透孔の形状、糸の量の疎密等により、模様が形成された編地のことである。図4のように主要部42もネット状になっていても良い。主要部42がネット状であっても、主要部42とネット部40とでは編み組織が異なる。図1の編成部を有する経編機を用いる場合、例えば、地筬10で地組織を形成する地糸を導糸し、また、柄筬14で柄を描く柄糸を導糸して、主要部42をレース地として編成する。経編機がジャカード筬12、13を備える場合は、さらに、一定の運動をするジャカード筬12、13でジャカード糸を導糸しながら、ジャカードガイドを左右方向に適宜変位させることにより、主要部42に穴地部分、厚地部分、薄地部分を形成し、これらの部分による柄を形成することができる。
捨て部32の組織は限定されない。図4に示すようにネット部40と異なる組織としても良いが、ネット部40と同じ組織としても良い。
本実施形態の染色加工工程では、以上のように編成された経編地30に対し、染色を行い、染色の後にヒートセットを行う。ヒートセットの際のヒートセット温度及びその温度での保持時間は、熱融着糸55が熱融着する温度及び時間であれば良い。例えば、ヒートセット温度は180〜190℃で、ヒートセット温度での保持時間は30〜90秒である。ヒートセットにより、経編地30のネット部40等において透孔41の形状が安定化し、その結果透孔41等からなる柄が安定化する。また熱融着糸55が編み込まれている部分では、熱融着糸55が融解して、熱融着糸55以外の糸同士が熱融着する。熱融着後、熱融着糸55自身は、糸としての形状を保っていない場合もあるし、糸としての形状を保っている場合もある。熱融着によりネット部40の透孔41の形状が固定される。
本実施形態のカット工程では、カット用糸54の編み込み部分37に沿って製品部31と捨て部32との境界34で経編地30をカットし、カット用糸54を含む捨て部32を除去する。前記境界34はウェール方向に延びているため、カットの方向はウェール方向となる。好ましいカット方法として、製品部31と捨て部32との境界34にカッターを当て、その状態で経編地30をカッターに向かわせる方法が採用される。この好ましいカット方法において、経編地30がカッターに向かうように経編地30とカッターとを相対的に移動させれば良いので、経編地30又はカッターの少なくともいずれか一方を移動させれば良い。つまり、カッターを移動させずに経編地30のみを移動させても良いし、経編地30を移動させずにカッターのみを移動させても良いし、カッターと経編地30の両方を移動させても良い。またカッターは経編地30をカットできるものであれば何でも良い。
上記の好ましいカット方法のさらに好ましい例を示す。まず、カット工程で用いられるカット装置は、図8〜図10に示すように、回転する円形の刃であるカッター60を備える。またカッター60の手前には隙間61を有するガイド62が設けられる。ガイド62は隙間61を有してさえいればどのようなものであっても良い。隙間61は前後左右に開口している。なおカット装置及びカット工程の説明において、前後とは隙間61を前、カッター60を後ろとした場合の表現で、左右とは前から後ろを見た場合の表現である。
図8〜図10の実施形態のガイド62は上下一対の棒状又は板状の部材からなり、その上下一対の部材の間に隙間61が形成されている。隙間61の大きさは、経編地30のうちカット用糸54の編み込み部分37より製品部31側の部分は通過できるが、カット用糸54の編み込み部分37は通過できない大きさに設定される。本実施形態の場合、カッター60は、図9に示すようにガイド62の右側の開口端63の後ろの位置にあることが望ましい。
このカット装置を用いてカットする場合、まずカッター60を回転させ、次にガイド62の手前から後ろへ向かってヒートセット後の経編地30を送り出す。その際、経編地30の製品部31を左側、捨て部32を右側にする。図8〜図10における矢印Mは経編地30の進行方向である。カッター60の手前にガイド62があるため、経編地30の一部をガイド62の隙間61に通しながら、経編地30を後方のカッター60に向かわせる。
図8、図9、図11に示すように、経編地30をガイド62の隙間61に通すときは、カット用糸54の編み込み部分37をガイド62の隙間61の右側(すなわち捨て部32側)への開口端63に当てながら、カット用糸54の編み込み部分37より左側(すなわち製品部31側)の部分をガイド62の隙間61に通す。これにより、経編地30とカッター60との左右方向の位置関係を決め、かつ、経編地30をカッター60へ向かわせる。経編地30がカッター60に到達すると、カット用糸54の編み込み部分37より製品部31側の位置(この位置に製品部31と捨て部32との境界34がある)にカッター60が当たり、経編地30がカット用糸54の編み込み部分37に沿ってカットされる。
なお、経編地30を送り出す際、図8、図9、図11の場合とは左右逆にして、製品部31を右側、捨て部32を左側にしても良い。その場合は、経編地30をガイド62の隙間61に通すとき、カット用糸54の編み込み部分37をガイド62の隙間61の左側(すなわち捨て部32側)への開口端に当てながら、カット用糸54の編み込み部分37より右側(すなわち製品部31側)の部分をガイド62の隙間61に通せば良い。この場合において、カッター60は、隙間61の左側の開口端の後ろの位置にあることが望ましい。
以上のようにカットされて分離された製品部31及び捨て部32を、それぞれ、カット後の進行方向にある図示しない巻き取り装置により巻き取る。このようにして捨て部32を除去した後の製品部31が、製品となるレース編地33である。
カット工程後のレース編地33は、図12に示すように、その幅方向端部を含む一定幅の部分がネット部40となっている。そしてその幅方向の端部43はネット部40をカットしたままの状態となっている。そのため、レース編地33の幅方向の端部43では、ネット部40を構成する糸のカットされた端部が、ネット部40の透孔41の大きさと同等の間隔を空けながら、並んでいる。さらに、レース編地33の幅方向の端部43はスカラップ形状になっている。ネット部40に上記のように熱融着糸55を編み込んだ場合は、レース編地33の幅方向の端部43において糸同士が接着されている。
なお、図12のネット部40は全体にわたってほぼ均一なネット状となっている。つまり、図12のネット部40は全体にわたって同じ編み組織からなり、柄が形成されていない。ただし、ネット部40はこのようなネット状でなくても良く、例えばネット形状を部分的に変えてネットのみで柄が形成されていても良いし、編成工程で説明したようにネット部40に柄糸が編み込まれて柄が形成されていても良い。
このレース編地33は、ショーツやブラジャー等の下着、アウター、その他の様々な衣料の一部として、縫製等の手段により取り付けられる。
本実施形態の効果は次の通りである。まず、本実施形態のレース編地33の製造方法によれば、レース編地33の幅方向の端部43を、スカラップ形状でかつネット部40がカットされたままの状態の、斬新なデザイン性を有する端部にできる。しかも、カット用糸54の編み込み部分37に沿って経編地30をカットするだけで、容易にこのような端部43を有するレース編地33を得ることができる。
特に本実施形態では、カット用糸54の編み込み部分37より製品部31側の位置にカッター60を当てた状態で経編地30をカッター60に対して移動させることによりカットするため、容易にカット用糸54に沿って経編地30をカットできる。
さらに本実施形態では、経編地30のカット用糸54の編み込み部分37をガイド62の隙間61の開口端63に当てながら経編地30の一部をガイド62の隙間61に通すことにより、隙間61の後ろにあるカッター60と経編地30との左右方向の位置関係を決めるため、カッター60を確実かつ容易にカット用糸54の編み込み部分37より製品部31側の位置に当てることができ、そのためカット用糸54の編み込み部分37に沿って確実かつ容易に経編地30をカットできる。
また、本実施形態では、編成工程において、少なくとも、カット用糸54が編み込まれているウェールより製品部31側であって、カット用糸54が編み込まれているウェールの1つ隣のウェールに熱融着糸55を編み込み、ヒートセットにより熱融着させる。そのため、ヒートセット後にカット用糸54の編み込み部分37より製品部31側の部分をカットしても、製品部31側の端部すなわちレース編地33の幅方向の端部43にほつれが生じにくい。
また、熱融着糸55が挿入によって編み込まれている場合は、編み目を形成して編み込まれている場合よりも、熱融着糸55の使用量が少なく済む。そのため、熱融着糸55が編み込まれている部分が硬くなりにくく、また、コストもかからない。
また、製品部31の幅方向の端部が、図3(a)に示す波形状や、図3(b)に示す弧がウェール方向に連続する形状のように曲線部35を有するスカラップ形状であれば、カットの速度を上げてもカット用糸54に沿って滞り無くカットできる。特に、製品部31の幅方向の端部が波形状であれば、カッター60の進行方向に角部が無いため、カットの速度を相当上げてもカット用糸54に沿って滞り無くカットできる。
また、ネット部40を全体にわたって均一なネット状となるように編成すれば、カット工程においてカットし易く、また、レース編地33の端部43近傍がより斬新に見える。
以上の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以上の実施形態に対して、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な変更、置換、省略等を行うことができる。
まず、上記実施形態のカット工程において、図9のようにカッター60を経編地30のウェール方向に平行に当てていたが、図13のようにカッター60を経編地30のウェール方向に対して傾けて当てても良い。カッター60を経編地30のウェール方向に対して傾ける場合、カッター60の刃先がカット用糸54の方を向くようにカッター60を傾ける。カッター60と経編地30のウェール方向とのなす角θは限定されない。ただし望ましい形態としては前記の角θは45度以下である。このようにカッター60を傾けることにより、経編地30をカット用糸54の編み込み部分37に沿って綺麗にカットすることができる。
また、上記実施形態の好ましい形態では、ネット部40の一部において、糸同士が熱融着することによりネット形状が固定されるが、熱融着以外の方法により糸同士が接着され、それによりネット形状が固定されても良い。
また、上記実施形態の製造方法は、少なくとも幅方向の端部の一部がスカラップ形状であるレース編地の製造に使用することができる。つまり、上記実施形態の製造方法は、幅方向両側の端部の全体がスカラップ形状であるレース編地だけでなく、幅方向一方側の端部の全体がスカラップ形状であり幅方向他方側の端部はスカラップ形状でないレース編地、幅方向両側の端部のそれぞれ一部のみがスカラップ形状であるレース編地、幅方向一方側の端部の一部のみがスカラップ形状であるレース編地、等の製造にも使用することができる。
また、上記の通り、ネット部40の組織は上記実施形態のものに限定されない。例えば、1本の地糸を1つのウェールでのみ編み目形成するのではなく、1本の地糸を、1つのウェールで複数コース連続して編み目形成した後、隣のウェールへ移行させ、移行先のウェールで複数コース連続して編み目形成した後、元のウェールへ戻す、ということを繰り返しても良い。この場合もジャカード糸の挿入方法次第で任意の大きさの透孔を形成することができる。
また、上記実施形態の方法は、幅方向の端部がスカラップ形状でないレース編地、例えば幅方向の端部が直線状であるレース編地の製造にも用いることができる。幅方向の端部が直線状であるレース編地を製造する場合、経編地の編成において、製品部と捨て部との境界(この場合の境界は直線状である)より製品部側の部分をネット状にするとともに、製品部と捨て部との境界に隣接する捨て部側の部分にカット用糸を直線状に編み込む。そして編成後に、上記実施形態と同様の方法で、カット用糸の編み込み部分に沿って経編地をカットして、カット用糸の編み込み部分を含む捨て部を除去する。すると、レース編地の幅方向の端部を、直線状でかつネット部がカットされたままの状態の、斬新なデザイン性を有する端部にできる。
10・地筬、11…柄筬、12、13…ジャカード筬、14…柄筬、15…地筬、30…経編地、31…製品部、32…捨て部、33…レース編地、34…境界、35…曲線部、36…角部、37…カット用糸54の編み込み部分、40…ネット部、41…透孔、42…主要部、43…端部、44…凹部の頂点、45…凸部の頂点、50、51、52、53…ジャカード糸、54…カット用糸、55…熱融着糸、56…地糸、60…カッター、61…隙間、62…ガイド、63、64…開口端

Claims (3)

  1. 製品部と、該製品部と幅方向に隣接する捨て部とを1つの経編地として編成した後、前記製品部と前記捨て部との境界で前記経編地をカットして前記捨て部を除去してレース編地を得るレース編地の製造方法において、
    前記編成において、前記境界より前記製品部側の部分をネット状にするとともに、前記境界に隣接する前記捨て部側の部分にカット用糸を編み込み、その編み込み部分を、該カット用糸の編み込み部分より製品部側の部分よりも前記経編地の表面へ突出させ、
    前記編成後に、前記カット用糸の編み込み部分より前記製品部側の位置にカッターを当てた状態で、前記経編地が前記カッターに向かうように前記経編地を移動させることにより、前記カット用糸の編み込み部分に沿って前記経編地をカットして、前記カット用糸の編み込み部分を含む前記捨て部を除去し、
    前記カットにあたり、前記カッターの手前に、前記経編地の前記カット用糸の編み込み部分は通過できないが該カット用糸の編み込み部分より製品部側の部分は通過できる隙間を有するガイドを設け、
    前記カット用糸の編み込み部分より前記製品部側の部分を前記ガイドの前記隙間に通しながら、前記経編地を後方の前記カッターに向かわせ、
    前記隙間の後ろで前記カット用糸の編み込み部分より前記製品部側の位置に前記カッターを当てる、レース編地の製造方法。
  2. 前記編成において、前記境界に隣接する前記捨て部側の部分にカット用糸をスカラップ形状に編み込み、前記編成後に、前記カット用糸の編み込み部分に沿って前記経編地をカットして、幅方向端部がスカラップ形状となったレース編地を得る、請求項1に記載のレース編地の製造方法。
  3. 前記編成において、少なくとも、前記カット用糸が編み込まれるウェールより前記製品部側の、前記カット用糸が編み込まれるウェールの1つ隣のウェールに、熱融着糸を編み込み、前記編成後かつ前記カット前に前記経編地を加熱して熱融着させる、請求項1又は2に記載のレース編地の製造方法。
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