JP6047337B2 - 固形燃料、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents
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Description
そこで、近年では有機性廃棄物が保有している熱量を燃料として有効利用するための方法が盛んに検討されるようになってきた。ところが、有機性廃棄物を燃料として利用する場合、汚泥特有の悪臭が発生すること、および石炭などの代替燃料としては発熱量がやや低いという問題点があった。
炭化処理で製造された製品は、大部分の臭気成分が除去されているため、悪臭発生に関する問題性は比較的少ない。ところが、乾燥処理と比較すると炭化処理工程は多大な投入エネルギーを必要とすることや、有機性廃棄物から多くの有機質成分を揮発させることから、炭化処理で製造された製品はコスト面および有機性廃棄物が持つ熱量を低下させるという欠点があった。
また、特許文献2では、混合廃棄物から不燃物を除去して抽出した可燃廃棄物および廃プラスチックと、高水分の有機性廃棄物に乾燥処理を施した乾燥有機物とを用いてRPFを製造する方法が記載されている。
すなわち、主として下水汚泥などの有機性廃棄物およびRPF製造原料から製造される固形燃料であって、悪臭を発生し難い固形燃料ならびにその製造方法およびその製造装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の(1)〜(9)である。
(1)水分含有率を10質量%超60質量%未満に調整した有機性廃棄物を、15℃超80℃未満の温度雰囲気内に6時間超168時間未満保持して、熟成廃棄物を得る熟成工程と、
前記熟成廃棄物とRPF製造原料とを含む混合原料を得る混合工程と、
前記混合原料から成型体を得る成型工程と、
を備える固形燃料の製造方法。
(2)さらに、前記熟成廃棄物、前記混合原料、および前記成型体からなる群から選ばれる少なくとも1つに消臭剤を付ける付着工程を備える、上記(1)に記載の固形燃料の製造方法。
(3)前記付着工程が、
前記熟成廃棄物、前記混合原料および前記成型体からなる群から選ばれる少なくとも1つに前記消臭剤を含む溶液を噴霧する工程であるか、または、前記消臭剤を含む溶液に前記成型体を浸漬する工程である、上記(2)に記載の固形燃料の製造方法。
(4)前記熟成工程が、
前記有機性廃棄物を前記温度雰囲気内に保持する際に、さらに通気処理を施して、熟成廃棄物を得る工程である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の固形燃料の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の固形燃料の製造方法によって製造される固形燃料。
(6)水分含有率を10質量%超60質量%未満に調整した有機性廃棄物を得ることができる乾燥機と、
内部を15℃超80℃未満の温度雰囲気に保ち、その内部に前記有機性廃棄物を6時間超168時間未満保持することができる熟成槽と、
前記熟成廃棄物とRPF製造原料とを混合して混合原料を得ることができる混合機と、
前記混合原料から成型体を得ることができる成型機と、
前記熟成槽および/または前記成型機から排出される排ガスを処理するための脱臭装置と、
を有する固形燃料の製造装置。
(7)前記熟成廃棄物、前記混合原料および前記成型体からなる群から選ばれる少なくとも1つに、前記消臭剤を含む溶液を噴霧する付着手段を有する、上記(6)に記載の固形燃料の製造装置。
(8)前記成型機から排出された前記成型体を、前記消臭剤を含む溶液に浸漬する浸漬槽を有する、上記(6)または(7)に記載の固形燃料の製造装置。
(9)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の固形燃料の製造方法を行うことができる、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の固形燃料の製造装置。
また、本発明の好ましい態様によれば、悪臭を発生し難いうえに、さらに製造直後であっても冷却されていて、取扱い上安全な固形燃料ならびにその製造方法およびその製造装置を提供することができる。
本発明は、水分含有率を10質量%超60質量%未満に調整した有機性廃棄物を、15℃超80℃未満の温度雰囲気内に6時間超168時間未満保持して、熟成廃棄物を得る熟成工程と、前記熟成廃棄物とRPF製造原料とを含む混合原料を得る混合工程と、前記混合原料から成型体を得る成型工程と、を備える固形燃料の製造方法である。
このような固形燃料の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
このような固形燃料の製造装置を、以下では「本発明の装置」ともいう。
本発明の製造方法が備える熟成工程について説明する。
熟成工程では、初めに、水分含有率を10質量%超60質量%未満に調整した有機性廃棄物を得る。
有機性廃棄物の水分含有率が高すぎると、本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度が高くなる傾向がある。例えば有機性廃棄物として下水汚泥を用いる場合、水分含有率が高すぎると汚泥に由来する硫化水素臭、脂肪酸臭およびアンモニア臭などの臭気が強くなる傾向がある。この場合、RPF製造原料に対する有機性廃棄物の比率を低くする必要が生じる可能性がある。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度がより低くなる傾向があるからである。
このような含水率が80質量%程度の汚泥に乾燥処理を施して水分含有率を10質量%超60質量%未満に調整した有機性廃棄物を用いることが好ましい。ここで、含水率が80質量%程度の汚泥を乾燥処理するための方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法を適用することができるが、乾燥処理の対象である汚泥に過度の熱が加わらないように、間接加熱方式や減圧加熱方式の乾燥機を用いて乾燥することが好ましい。
下水汚泥等の汚泥を乾燥して前記有機性廃棄物を得る場合、水分含有率を10質量%よりも低くしてしまうと、いわゆるこげ臭と呼ばれるアルデヒド臭が強くなり、加えて、乾燥処理に使用する投入エネルギーが多くなることから、過度の乾燥処理は好ましくない。
また、袋状の容器内に前記有機性廃棄物を詰め、上記の所定温度に調整した建屋内に、上記の所定時間、載置することでも、熟成廃棄物を得ることができる。
また、前記有機性廃棄物を上記の所定温度に調整した建屋内において単に山状に積み上げて、上記の所定時間、載置することでも、熟成廃棄物を得ることができる。
また、前記有機性廃棄物が加熱処理等を施して調整された場合、容器、袋状の容器内に前記有機性廃棄物を詰め、上記の所定時間、保持(貯留)することで、熟成廃棄物を得ることができる。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度がより低くなる傾向があるからである。
通気処理とは、前記有機性廃棄物を特定温度雰囲気内に存在させる際に、その雰囲気内の気体(通常は空気)が停滞しない状態とする処理を意味する。具体例としては、解放された雰囲気に前記有機性廃棄物を存在させる方法が挙げられる。より具体的には、外気と通じる穴を有するタンク内へ前記有機性廃棄物を入れて、タンク内の温度を上記の所定温度に調整し、上記の所定時間、貯留する方法が挙げられる。他にも、メッシュ状の袋の中に前記有機性廃棄物を詰め、上記の所定温度に調整した建屋内に載置する方法が挙げられる。また、前記有機性廃棄物を上記の所定温度に調整した建屋内に、単に山状に積み上げて載置する方法が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度がより低くなる傾向があるからである。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度がより低くなる傾向があるからである。
本発明の製造方法が備える混合工程について説明する。
混合工程では、前記熟成廃棄物とRPF製造原料とを含む混合原料を得る。
RPFとは、通常、産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な廃プラスチックや古紙を原料とした高カロリー固形燃料を意味する。本発明の製造方法においてRPF製造原料とは、このような通常のRPFを製造するために用いることができる廃プラスチックや古紙を主成分とする原料を意味するが、すでに固形燃料の態様となっているRPFも含まれるものとする。
また、プラスチックおよび/または紙を主成分(プラスチックと紙との合計が概ね50質量%以上の含有率とする)とする原料であれば、本発明の製造方法におけるRPF製造原料に含まれるものとする。
また、前記熟成廃棄物とRPF製造原料との合計質量(ドライベース)に対する前記熟成廃棄物の質量(ドライベース)の割合(質量%)が1〜30質量%となるように混合比を調整することがさらに好ましい。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度がより低くなる傾向があるからである。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料は、熟成廃棄物の比率を高くしても、臭気強度が低い。
本発明の製造方法によって得られる固形燃料の臭気強度がより低くなる傾向があるからである。
その他の成分の含有率は、混合原料中において20質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
次に、本発明の製造方法が備える成型工程について説明する。
成型工程では、前記混合原料から成型体を得る。
前記混合原料から成型体を得る方法は特に限定されず、例えばRPFを製造する際に適用する従来公知の方法を適用することができる。
具体的には、例えば前記混合原料をブリケットマシンの型に入れ、加熱しながら、または加熱した後に、圧縮加工することで、所望の形状の成型体を得ることができる。ここで加熱は、混合原料が含むプラスチックを軟化する温度(通常130〜160℃程度)で行うことが好ましい。表面における撥水性が向上し、水を接触しても水を吸収し難く型崩れし難い固形燃料が得られるからである。
また、従来公知の押し出し成型機を用いて、前記混合原料から成型体を得ることもできる。また、従来公知のペレットミルを用いて、前記混合原料から成型体を得ることもできる。
本発明の製造方法は、さらに、前記熟成廃棄物、前記混合原料、および前記成型体からなる群から選ばれる少なくとも1つに消臭剤を付ける付着工程を備えることが好ましい。
このような付着工程を備える好ましい態様の本発明の製造方法によれば、得られる固形燃料は、より悪臭を発生し難いうえに、さらに製造直後であっても冷却されていて、取扱い上、非常に安全であるので好ましい。
前記成型体は臭気強度が低いので、ここで用いる消臭剤の量は少なくすることができる。具体的には、消臭剤の含有率を0.1〜3.0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%とした溶液に浸漬すると、臭気強度がより低い固形燃料を得ることができるので好ましい。
両性界面活性剤は、以下の一般式:
固形燃料の形状や大きさは特に限定されない。例えば断面直径が3〜40mm(好ましくは6〜30mm)で長手方向の長さが1〜10cm(好ましくは2〜7cm)の円柱状のものが挙げられる。
以下に説明する本発明の装置の好適態様(固形燃料製造装置10)は、前記熟成廃棄物、前記混合原料および前記成型体からなる群から選ばれる少なくとも1つに、前記消臭剤を含む溶液を噴霧する付着手段を有し、さらに、前記成型機から排出された前記成型体を、前記消臭剤を含む溶液に浸漬する浸漬槽を有するものである。
本発明の装置は、これらの付着手段および浸漬槽を有さなくてもよいが、付着手段および/または浸漬槽を有することが好ましい。
固形燃料製造装置10は、水分含有率を10質量%超60質量%未満に調整した有機性廃棄物12を得ることができる乾燥機1と、内部を15℃超80℃未満の温度雰囲気に保ち、その内部に有機性廃棄物12を6時間超168時間未満保持することができる熟成槽2と、熟成廃棄物13とRPF製造原料14とを混合して混合原料15を得ることができる混合機3と、混合原料15から成型体16を得ることができる成型機4と、熟成槽2および成型機4から排出される排ガス33を処理するための脱臭装置6と、熟成廃棄物13および混合原料15に、消臭剤を含む溶液を噴霧する付着手段31と、成型機4から排出された成型体16へ消臭剤を含む溶液を噴霧する付着手段32とを有する。
乾燥機1としては、従来公知の乾燥機を適用することができるが、乾燥処理の対象物である汚泥11に過度の熱が加わらないように、間接加熱方式や減圧加熱方式の乾燥機を用いて乾燥する乾燥機であることが好ましい。
このような乾燥機1から、水分含有率が10質量%超60質量%未満に調整された有機性廃棄物12が排出される。
ここで、搬送コンベア23による熟成廃棄物13の搬送量(t/時間)と、搬送コンベア22によるRPF製造原料14の搬送量(t/時間)とを調整することで、熟成廃棄物13とRPF製造原料14との混合比を調整することができる。
付着手段31は、熟成廃棄物13の他に、混合原料15へも消臭剤を含む溶液を噴霧することができる。付着手段31としてのスプレーによって、混合機3内の混合原料15へ、必要に応じて、消臭剤を含む溶液を噴霧することができる。
成形機4は従来公知のものを用いることができる。例えば、成型時に混合原料15を加熱できる圧縮造粒方式や押出し造粒方式の成型機を好ましく用いることができる。
成型直後の成型体16は高温のため、悪臭成分を放出しやすい。また、貯留場所で大量の成型体16を放置する際に発火対策が必要な場合、成型直後の成型体16を水で冷却することが好ましい。また、成型体16は保管時に悪臭を生じる場合がある。そこで、付着手段32によって、成型体受入れ部5および/または搬送コンベア25で液状の消臭剤を成型体16へ付着させることで、悪臭の発生を防止し、かつ高温の成型体16を速やかに冷却することができる。
また、付着手段32としては、成型体受入れ部5に消臭剤の水希釈液を溜めておく方法が挙げられる。このような方法によって成型体受け入れ部5において成型体16を消臭剤の水希釈液に浸漬することができる。悪臭の発生を防止し、かつ高温の成型体16を速やかに冷却することができる。
下水処理場で発生した有機性汚泥および食品系廃棄物を原料として嫌気性消化を行って含水汚泥を得た。そして、得られた含水汚泥を130℃に調整した乾燥機内に保持して乾燥処理を施した。ここで乾燥時間を調整することで、含水率が60質量%、50質量%、45質量%、35質量%、20質量%、および10質量%の6種類の有機性廃棄物を、各々5kg得た。
次に、6種類の有機性廃棄物について、各々、別々のガラス製ビーカーに入れ、その状態で40℃に設定した密閉された恒温室内に7日間、保管した。そして、恒温室内の有機性廃棄物を定期的にサンプリングし、有機性廃棄物の臭気強度をモニタリングした。
なお、臭気強度の測定方法は、得られた有機性廃棄物について、各々200gを分取し、各々を別々の5L容の臭気分析用袋に入れた。そして、袋内に臭気除去処理を施した空気を充填した後、袋を30℃で保存した。24時間後、袋内の臭気強度をにおいセンサーを用いて分析した。
以下の各実験において臭気強度は同様の方法で測定するものとする。
結果を第1表に示す。
有機性廃棄物の含水率が50質量%および20質量%の場合、初期の臭気強度はそれぞれともに4となり、6時間目まで変化は認められなかったが、12時間目から48時間目にかけて臭気強度は3から2へと時間の経過とともに徐々に弱くなり、その後、48時間目から120時間目まで安定であった。しかしながら、含水率が50質量%の場合では、168時間目に臭気強度が4に上昇した。
有機性廃棄物の含水率が45質量%および35質量%の場合、初期の臭気強度はそれぞれ4および3であり、6時間目まで変化は認められなかったが、12時間目から48時間目にかけて臭気強度は2から1へと時間の経過とともに徐々に弱くなり、その後、48時間目から120時間目まで安定であった。しかしながら、168時間目になると、有機性廃棄物の含水率が45質量%および35質量%の場合は、それぞれ臭気強度は3および2に上昇した。
一方、168時間目に臭気強度が高くなった有機性廃棄物はアンモニア臭が顕著に増えていたことから、いわゆる発酵の反応により、高分子の有機化合物の分解反応が開始されたものと考えられた。
下水処理場で発生した有機性汚泥を130℃に昇温した乾燥機内に保持して乾燥処理を施し、含水率を45質量%とした有機性廃棄物を得た。そして、6つ用意したガラス製ビーカーの各々へ、得られた有機性廃棄物を5kgずつ入れ、15℃、20℃、28℃、45℃、65℃および80℃の各々に設定した密閉された恒温室内に7日間、保管した。そして、恒温室内の有機性廃棄物を定期的にサンプリングし、有機性廃棄物の臭気強度をモニタリングした。
また、有機性廃棄物5kgを通気が可能なカラム容器に入れ、0.1L/L−汚泥・分の速度でカラムに通気を施しながら、28℃で保温した。
結果を第2表に示す。
反応温度が20℃または65℃の場合、12時間目に臭気強度は3となり、その後、72時間目までに臭気強度は2まで低下した。しかしながら、65℃の場合では、168時間目に臭気強度は4に上昇した。
反応温度が28℃または45℃の場合、12時間目に臭気強度は2となり、その後、48時間目までに臭気強度は1まで低下した。その後、120時間目まで臭気強度は安定したが、28℃および45℃の場合でそれぞれ、168時間目に臭気強度は2および3に上昇した。
また、28℃の温度設定で通気処理を行った場合、通気処理を行わなかった場合より早い段階で臭気強度の低減効果が認められた。
また、緩やかな通気を行うと、熟成効果による臭気強度の低減速度が促進した。
下水処理場で発生した有機性汚泥および食品系廃棄物を原料として嫌気性消化を行って含水汚泥を得た。そして、得られた含水汚泥を乾燥機内に保持して乾燥処理を施し、含水率を38質量%とした有機性廃棄物を得た。
次に、得られた約1トンの有機性廃棄物をフレコンバックに入れ、4日間建屋内に保持して熟成廃棄物を得た。フレコンバック内の有機性廃棄物の温度は1日後に約45℃となり、4日目で約30℃となった。
実験3における固形燃料[1]の製造方法と同様に、有機性汚泥および食品系廃棄物を原料として嫌気性消化を行い、得られた含水汚泥に乾燥処理を施して、含水率を38質量%とした有機性廃棄物を得た後、この有機性廃棄物を4日間、建屋内に保持して熟成廃棄物を得た。そして、この熟成廃棄物とRPF製造原料とを、各々、0.2t/h、0.8t/hの速度で(すなわち、RPF製造原料:熟成廃棄物=8:2の質量比で)、原料搬送コンベアを用いて、混合装置を装備した成型機へ投入した。
ここで、熟成廃棄物を原料搬送コンベアに載せる地点において、ベタイン型界面活性剤を主成分とした液状消臭剤を5L/hの速度で、熟成廃棄物に噴霧した。
そして、熟成廃棄物とRPF製造原料とを十分に混合した後、170℃の温度設定で混合原料を圧縮、成型し、固形燃料を得た。得られた固形燃料を「固形燃料[3]」とする。
また、実験3によって得られた固形燃料[1]についても同様にして、積載された直後の内部の温度を温度センサーを用いて測定した。
結果を第3表に示す。
臭気の評価結果を第4表に示す。
また、人の感覚による評価では、消臭剤を噴霧して作成した固形燃料は微臭であったのに対し、消臭剤を使用せずに作成した固形燃料では、汚泥臭を認識できた。
実験3に示した方法で得られた、製造直後の固形燃料[1]を、ベタイン型界面活性剤を主成分とした液状消臭剤を添加した水溶液に約2秒間浸漬した。浸漬した後の固形燃料を、「固形燃料[4]」とする。
そして、固形燃料[4]を、1m3のコンテナへ積載し、積載された直後の内部の温度を温度センサーを用いて測定した。
また、実験3によって得られた固形燃料[1]および実験4によって得られた固形燃料[3]の各々についても同様にして、積載された直後の内部の温度を温度センサーを用いて測定した。
結果を第5表に示す。
液体消臭剤を噴霧して製造した固形燃料[3]では、製造直後および1時間経過後の温度はそれぞれ101℃および86℃であった。
消臭剤に浸漬処理を施した固形燃料[4]では、製造直後および1時間経過後の温度はそれぞれ70℃および45℃であった。
臭気の評価結果を第6表に示す。
また、人の感覚による評価では、消臭剤の浸漬処理を施した場合および消臭剤を噴霧した場合は芳香臭であったのに対し、消臭剤を使用せずに作成した固形燃料では、汚泥臭を認識できた。
2 熟成槽
3 混合機
4 成形機
5 成型体受け入れ部
6 脱臭装置
10 固形燃料製造装置
11 汚泥
12 有機性廃棄物
13 熟成廃棄物
14 RPF製造原料
15 混合原料
16 成型体
17 固形燃料
21、22、23、24、25搬送コンベア
31、32 付着手段
33 排ガス
34 排気ガス
Claims (6)
- 下水汚泥、し尿汚泥、食品廃棄物、畜産廃棄物またはこれらの消化汚泥について乾燥処理を施して、水分含有率を20〜50質量%に調整した有機性廃棄物を、20〜65℃の温度雰囲気内に12〜120時間保持して、熟成廃棄物を得る熟成工程と、
前記熟成廃棄物とプラスチックおよび/または紙を合計で50質量%以上含むものであるRPF製造原料とを含む混合原料を得る混合工程と、
前記混合原料から成型体を得る成型工程と、
を備える固形燃料の製造方法。 - さらに、前記成型体を、消臭剤を含む溶液に浸漬する付着工程を備える、請求項1に記載の固形燃料の製造方法。
- 前記熟成工程が、
前記有機性廃棄物を前記温度雰囲気内に保持する際に、さらに通気処理を施して、前記温度雰囲気内に6〜48時間保持して、熟成廃棄物を得る工程である、請求項1または2に記載の固形燃料の製造方法。 - 下水汚泥、し尿汚泥、食品廃棄物、畜産廃棄物またはこれらの消化汚泥について乾燥処理を施して、水分含有率を20〜50質量%に調整した有機性廃棄物を得る乾燥機と、
内部を20〜65℃の温度雰囲気に保ち、その内部に前記有機性廃棄物を12〜120時間保持して熟成廃棄物を得る熟成槽と、
前記熟成廃棄物とプラスチックおよび/または紙を合計で50質量%以上含むものであるRPF製造原料とを混合して混合原料を得ることができる混合機と、
前記混合原料から成型体を得ることができる成型機と、
前記熟成槽および/または前記成型機から排出される排ガスを処理するための脱臭装置と、
を有し、前記乾燥機の後段かつ前記混合機の前段に、前記熟成槽を有する固形燃料の製造装置。 - 前記成型機から排出された前記成型体を、前記消臭剤を含む溶液に浸漬する浸漬槽を有する、請求項4に記載の固形燃料の製造装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の固形燃料の製造方法を行う、請求項4または5に記載の固形燃料の製造装置。
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