JPH08176568A - 燃料の製造方法及び燃料 - Google Patents
燃料の製造方法及び燃料Info
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Abstract
泥とプラスチックス廃棄物の両者を原料として、適度な
発熱量を有する燃料を製造することにより、廃棄物の有
効利用を図ることを目的とする。 【解決手段】 乾燥処理した有機性の湿汚泥とプラスチ
ックス廃棄物とを混練して、加熱して、成形することに
より燃料を製造する。必要により、生石灰などの添加物
を併用する。
Description
排水処理場等から多量に排出される有機性の湿汚泥を原
料とする燃料の製造方法、及びそれによって得られる燃
料に関する。
た汚泥を遠心脱水機、圧縮脱水機等により含水率を80
重量%程度の粘土状の軟質体としたものである。従来、
この種の湿汚泥の2〜3割程度は堆肥等に再利用されて
いるが、残りはそのまま埋立て処分されるか、あるいは
更に脱水した後、焼却処分されている。また、一部では
湿汚泥を脱水した後、乾燥して燃料化したり、油を含浸
させて燃料化しているが、その量は極めて少ない。一
方、プラスチックス廃棄物の一部は再利用されている
が、大半は埋立て処分するか焼却処分されているのが現
状である。
0重量%と高いので、そのままでは腐敗しやすく、悪臭
を発生しやすい。また、湿汚泥は廃棄物の中では排出量
が非常に多く、埋立処分をした場合、水分が多いため運
搬コストがかかり、更に、埋立地の不足からも処理費用
が増大しつつあり、将来、埋立処分は困難になると予想
されている。
再利用が検討されている。しかし堆肥化の場合、完熟さ
せるまでに長い時間を必要とするため、処理施設として
広大な敷地が必要であり、そのうえ、季節的に需要の偏
りがあるため一年を通して需要が一定していないので、
再利用は容易ではない。建設用骨材も高温の溶融炉が必
要で膨大な費用がかかる。また、単に湿汚泥のみを原料
として燃料化した場合には、発熱量が小さいので、補助
燃料としてしか利用できない。また、油を含浸させて発
熱量を増加して燃料化する方法もあるが、後処理として
過剰な油を除去する工程が必要であるほか、保存時に油
が染み出すなど保存性にも問題がある。
されているが、大部分は湿汚泥同様埋立て処理されてい
る。しかし、プラスチックスは分解され難いため、埋立
て地がいつまでも安定せず利用できないと言う問題があ
り。また、焼却した場合には、プラスチックスの発熱量
が高いため、従来の炉では炉体を傷めやすいなどの問題
点もあった。
で、上記の様な問題点のある湿汚泥及びプラスチックス
廃棄物を原料として使用して、適度な発熱量を有する燃
料を製造する方法、及びそれによって得られる燃料を提
供することを目的とする。
処理した乾汚泥とプラスチックスとを混練しながら加熱
し、次いで所定形状に成形することを特徴とする燃料の
製造方法である。更に、上記原料に腐敗防止、臭気抑制
及び中和作用のうち少なくとも一つの機能を有する添加
剤を配合することによって、製造される燃料から異臭を
除去することができる。添加剤としては生石灰、酸化カ
リウムあるいは酸化ナトリウム等が適している。なお、
添加剤を使用する場合は、プラスチックスを配合する前
に、予め乾汚泥と添加剤とを混練しておくとよい。
ス廃棄物が使用できる。また、湿汚泥の乾燥処理の際、
及び前記プラスチックスとの混練時の加熱の際のうち少
なくとも一方に、湿汚泥を原料として製造した燃料を用
いることができる。
て、プラッスチックスを40〜200重量部配合するこ
とによって、製造される燃料の発熱量を4,000〜
7,000kcal/kgに調整することができる。
乾燥処理して乾汚泥とした後、これにプラスチックスを
配合する。これは、含水率が80重量%程度の湿汚泥
に、そのままプラスチックスを配合して加熱乾燥する
と、プラスチックスが軟化して湿汚泥の粒子を封じ込
め、水分の蒸発を阻害するためである。この意味から、
乾汚泥の水分は30重量%以下、好ましくは5〜10重
量%程度とする。乾汚泥にプラスチックを配合した後、
混練、加熱の後、成形して適度な発熱量を有する燃料と
する。また、必要により乾汚泥には、予め、生石灰、酸
化カリウムあるいは酸化ナトリウム等の添加剤を加えて
おく。
が、燃焼により有毒ガスを生じないものがよく、ポリス
チレン(発熱量9,600kcal/kg)、ポリエチ
レン(発熱量11,000kcal/kg)、ポリプロ
ピレン(発熱量11,000kcal/kg)などが好
適である。これらプラスチックスとして、サイズが適当
な場合にはプラスチックス廃棄物をそのまま混練しても
よいが、通常は、破砕、減容等の物理的あるいは化学的
な前処理を施してから混練する。
として、これらが持っている発熱量と、製造される燃料
の設定発熱量とを考慮して決められる。一般には、製造
される燃料が4,000〜7,000kcal/kgと
なるようにする。この値は、発熱量が4,000kca
l/kg程度の燃料は、一般的な植物性の燃料と同様に
取り扱うことができるので用途が広く、発電ボイラ用燃
料や大型給湯ボイラ用燃料等に利用でき、他方、発熱量
が7,000kcal/kg程度の燃料は、小型特殊ボ
イラ用燃料や小型焼却炉用燃料等に利用できることによ
る。
を3,500kcal/kg、プラスチックスの発熱量
を9,600kcal/kgとした場合、発熱量4,0
00kcal/kgの燃料を製造するためには、乾汚泥
の固形分100重量部に対し、プラスチックスを約40
重量部配合する。また、発熱量7,000kcal/k
gの燃料を製造するためには、プラスチックスの配合量
は約200重量部となる。但し、これらの値は添加剤の
量によって若干変動する。なお、発熱量を増やすため
に、プラスチックスの配合量を増加して、乾汚泥の固形
分100重量部に対するプラスチックスの配合量が20
0重量部を超えるようになると、燃焼の際に燃料が軟
化、流動化して変形し、燃焼性が悪化する。従って、プ
ラスチックスを過大に配合することは好ましくなく、上
記の200重量部程度に止めることが好ましい。一方、
プラスチックスの配合量の下限は、得られる燃料の賦形
性および保形性を考慮して決める必要があり、これらを
総合すると、乾汚泥の固形分100重量部に対しプラス
チックスの配合量は40〜200重量部とすることが適
切である。
て、更に溶融するために行うもので、プラスチックスの
軟化点温度以上とし、通常は130〜200℃とする。
なお、プラスチックスには、乾汚泥の固形分の粒子を封
じ込め、吸湿性を抑えるとともに臭気の発生を抑えて、
長期保存を可能にする機能を持たせることが好ましく、
このためには混練度を高めるとともに加熱温度を高める
必要がある。なお、製造する燃料を長期間、保存するこ
となく使用する場合には、プラスチックスには上記の発
熱量調整機能と単なる結合剤的機能(賦形機能および保
形機能)を持たせるのみでよい。更に、プラスチックス
に加えて、おがくずなどの可燃性物質を添加することに
より燃焼性や発熱量を調整してもよい。
することによって、貯蔵時の腐敗を防止して、臭気の発
生を抑制するほか、その中和作用により燃焼時に生じる
有毒ガスの発生を抑える働きをする。このような添加剤
として、生石灰の他に酸化カリウム、酸化ナトリウム等
を用いることができる。乾汚泥の含水率を上限の30重
量%として、添加剤として生石灰を使用した場合には、
乾汚泥の固形分100重量部に対して生石灰の添加量と
しては35重量部程度で、上記の効果が得られる。但
し、この値は乾汚泥の組成によって若干変動する。
図1のブロック図を参照して説明する。下水処理場にて
発生した汚泥は、遠心脱水機あるいは圧搾脱水機等によ
り脱水されて、湿汚泥となる。この湿汚泥の含水率は約
80重量%、発熱量は約3,500kcal/kgであ
る。この湿汚泥10kg(固形分2kg)を減圧下で間
接熱風乾燥機によって含水率10重量%以下まで下げ、
重量2.2kgの乾汚泥を得る。また、魚箱や梱包材な
どの使用済み発泡スチロール(発熱量約9600kca
l/kgのプラスチックス廃棄物)を加熱して、気泡を
ある程度追い出して体積を小さく(減容化)したものを
用意しておく。次に、乾汚泥が冷えないうちに、この乾
汚泥2.2kg(固形分2kg)とプラスチックス廃棄
物である発泡スチロール1.6kgと生石灰0.67k
gを添加して、2軸エクストルーダにて混練する。この
時、乾燥時の残留熱と混練による摩擦熱によって発泡ス
チロールが軟化して、乾汚泥と混ざり合う。
らに乾燥する。混練物は、直径が15〜25mm、長さ
が30〜50mmのロッド状、またはこれより小さい粒
状、粉状に成形され、ハンドリングしやすい燃料が得ら
れる。この燃料の発熱量は約5,000kcal/kg
である。
当該製造装置に戻されて、乾燥工程や混練成形工程で必
要な熱を得るために熱風炉の燃料として使用することが
できる。このため、始動時以外、他の燃料は必要としな
い。乾燥工程で発生した排ガスは一部、熱風炉に戻さ
れ、燃焼または分解されて大気中に放出される。
強制的に送入する形式のボイラであれば、ボイラの構造
の相違によらず完全燃焼させることができる。また、汚
泥中の固形分及び添加剤がプラスチックスによって封じ
込められているため、吸湿性が低く、臭気の発生も抑え
られて、保存性がよく、長期間保存しても燃料同志の固
着もなく、実用性が高い。
すブロック図である。乾汚泥にプラスチックスを混入す
る前に、先ず、添加剤を加えて攪拌して乾燥し、添加剤
と乾汚泥との反応が十分に進行したところで、プラスチ
ックスを混入するようにしたものである。このようにす
れば、添加剤の機能とプラスチックスの機能とを有効に
発揮させることが可能になる。
従来、大半が埋立処分されていた有機性の湿汚泥とプラ
スチックス廃棄物とを出発原料として使用して、燃料化
しているので、廃棄物の有効利用が図れる。この結果、
埋立処分される廃棄物の量を減らし、埋立地の延命を図
ることができる。
整することにより、製造される燃料に保形性を付与する
とともに、発熱量の調節が可能である。また、生石灰等
の添加物を併用することによって、製造された燃料の腐
敗を防ぎ、異臭がなく、長期間の保存に耐える燃料とな
る。
って、当該燃料を製造するために必要な熱エネルギー量
を十分、賄うことができるので、化石燃料の節約にも役
立っている。
示すブロック図。
を示すブロック図。
Claims (10)
- 【請求項1】 湿汚泥を乾燥処理した乾汚泥とプラスチ
ックスとを混練しながら加熱し、次いで所定形状に成形
することを特徴とする燃料の製造方法。 - 【請求項2】 湿汚泥を乾燥処理した乾汚泥と、腐敗防
止、臭気抑制及び中和作用のうち少なくとも一つの機能
を有する添加剤と、プラスチックスとを混練しながら加
熱し、次いで所定形状に成形することを特徴とする燃料
の製造方法。 - 【請求項3】 前記添加剤は生石灰、酸化カリウム及び
酸化ナトリウムのうちのいずれか1つであることを特徴
とする請求項2に記載の燃料の製造方法。 - 【請求項4】 前記乾汚泥と前記添加剤とを先に混練
し、次にプラスチックスを加えて混練しながら加熱し、
次いで所定形状に成形することを特徴とする請求項2ま
たは3に記載の燃料の製造方法。 - 【請求項5】 前記プラスチックスはプラスチックス廃
棄物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
かに記載の燃料の製造方法。 - 【請求項6】 湿汚泥の乾燥処理の際、及び前記プラス
チックスとの混練時の加熱の際のうち少なくとも一方
に、湿汚泥を処理して製造した前記燃料を使用すること
を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料
の製造方法。 - 【請求項7】 前記乾汚泥中の固形分100重量部に対
して、プラッスチックスを40〜200重量部配合し
て、製造される燃料の発熱量を4,000〜7,000
kcal/kgに調整したことを特徴とする請求項1な
いし6のいずれかに記載の燃料の製造方法。 - 【請求項8】 乾汚泥中の固形分100重量部に対し
て、プラッスチックス40〜200重量部を含有し、発
熱量が4,000〜7,000kcal/kgであるこ
とを特徴とする燃料。 - 【請求項9】 腐敗防止、臭気抑制及び中和作用のうち
少なくとも一つの機能を有する添加剤を含有することを
特徴とする請求項8に記載の燃料。 - 【請求項10】 前記添加剤は生石灰、酸化カリウム及
び酸化ナトリウムのうちのいずれか1つであることを特
徴とする請求項9に記載の燃料。
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---|---|---|---|
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JP26252194 | 1994-10-26 | ||
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0894846A3 (de) * | 1997-07-22 | 1999-04-14 | Mutabor GmbH, Management für Umwelt Technologie, Abfallwirtschaft Beratung Organisation und Verkauf Recycling | Feinteiliger Brennstoff, sowie Verfahren zur Herstellung desselben |
KR100407374B1 (ko) * | 2001-09-21 | 2003-11-28 | 최종보 | 재활용 제지의 슬러지를 이용한 고체 연료의 제조 방법 |
JP2010059420A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-18 | Litesso-Anstalt | 汚泥を処理して再生する方法 |
JP2013072051A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Taiheiyo Cement Corp | 有機汚泥の燃料化方法 |
-
1995
- 1995-08-03 JP JP19868095A patent/JP3578522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100407374B1 (ko) * | 2001-09-21 | 2003-11-28 | 최종보 | 재활용 제지의 슬러지를 이용한 고체 연료의 제조 방법 |
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JP2013072051A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Taiheiyo Cement Corp | 有機汚泥の燃料化方法 |
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