JP6046531B2 - 漏水防止方法及び漏水防止構造 - Google Patents

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Description

本願発明は、主にコンクリート構造物の漏水防止に関するものであり、より具体的には、打継ぎ面とひび割れ誘発部との交差部において部材厚方向に流れる漏水を防止する方法と構造に関するものである。
コンクリートは鋼材とともに重要な建設材料であり、ダム、トンネル、橋梁といった土木構造物や、集合住宅、オフィスビルといった建築構造物など、様々な構造物に用いられている。このコンクリート構造物は、あらかじめ工場等で製作されて所定の場所まで運搬されることもあるが、土木構造物や建築構造物の場合、所定の場所に直接コンクリートを打設して構築されることが多い。いずれにしろ、セメントと水、骨材等を練り混ぜた状態のコンクリート(フレッシュコンクリート)を型枠の中に打設し、コンクリートの硬化を待って型枠を外すことでコンクリート構造物を構築するのが一般的である。
コンクリート構造物として代表的なものに擁壁がある。図6は、擁壁Cを示す斜視図である。この図に示す擁壁Cは、基礎部にあたる底版Cbと、その上に立ち上がる竪壁Chで主に構成されており、竪壁Chは同一断面が軸方向に連続する壁体である。なおここでは便宜上、同一断面が連続する軸方向を「延長方向」といい、竪壁Chの壁厚(部材厚)の方向を「部材厚方向」ということとする(図6)。
擁壁Cは、地山を掘削した空間を利用するための土留め壁として構築されることが多く、この場合、竪壁Chの背面側(図6)には土砂等で埋め戻されるのが一般的である。竪壁Chを備えたコンクリート構造物(以下、「竪壁構造物」という。)には、擁壁Cに限らず様々な形式のものがあるが、いずれも竪壁Chは土圧など種々の荷重を支えるものである。例えば、ボックスカルバートは地下に構築されることが多く、その竪壁Chは土圧のほか地下水圧を負担している。あるいは竪壁Chの背面側が湛水するコンクリート構造物もあり、この場合、竪壁Chは水圧を負担することになる。
ところで、大量のコンクリートを一度に打設して硬化させると、「温度ひび割れ」が発生することが知られている。打設後のコンクリートは、水和熱によって温度が上昇し、これに伴い体積膨張するが、その後、徐々に冷却されて収縮していく。コンクリートボリュームが大きいと表面側と中心側の温度変化が著しく異なり、その結果、体積の変化過程に大きな差が生じることからひび割れが生じるわけである。また、打設したコンクリートの一部が外部から拘束された場合は、外部拘束された部分と他の部分で体積変化に大きな差が生じることでひび割れが生じる。
擁壁Cをはじめとする竪壁構造物は、断面寸法(部材厚や高さ)に比べ延長方向に長いのが特徴であり、通常は数十mの長さで構築され、長いものでは数百mの延長となることもある。このような竪壁構造物では、温度ひび割れ対策としてひび割れ誘発目地が設置される。このひび割れ誘発目地は、所望する計画位置にひび割れを集中させるものであり、竪壁構造物の延長方向に所定間隔でひび割れ誘発部V(図6)を設け、ひび割れ誘発目地はこのひび割れ誘発部Vに設けられる。
また、一度に打設するコンクリート量を抑えるため、竪壁構造物を高さ方向に分割することもある。いわゆるリフト高さの抑制であり、この場合、分割された上下の打設ブロック間には打継ぎ面H(図6)が形成される。打継ぎ面Hは、いわば人為的に作られた不連続面であり、供用後にこの不連続面を通って漏水することが考えられることから、通常はここに止水板が設置される。
図7は、打継ぎ面とひび割れ誘発部が交差する部分(以下、単に「交差部」という。)における構造を示す詳細図であり、(a)は水平面で切断して上方から見た水平断面図で、(b)は鉛直面で切断して延長方向から見た鉛直断面図である。この図に示すように止水板Sは、竪壁に沿って(つまり延長方向に)配置され、しかも打継ぎ面Hと略直交するように交差して設置される。このように止水板Sを設置することで、打継ぎ面Hを流れる漏水を、竪壁Ch全体にわたって遮断するわけである。
ところが、図6にも示すように、止水板Sを設置してもなお交差部だけは漏水が生じていた。その漏水のメカニズムについて、図7を用いて説明する。本来、ひび割れ誘発目地は、積極的にひび割れを発生させることを目的としてひび割れ誘発部に設置される。図7では、鉄筋の外側(表面側)にひび割れ誘発目地J1,J2を設置し、鉄筋の内側(中心側)にひび割れ誘発目地J3を設置することで、図7(a)に示すひび割れを発生させている。このひび割れは、多数でしかも様々な方向に発生していることが考えられ、すなわちこのひび割れが通水路となり得るわけである。その結果、背面側から打継ぎ面Hに侵入した水はひび割れを利用し、図7(b)の矢印で示すように止水板Sを越えて(あるいは潜って)前面側に達し、漏水として流れ出る。
このような理由から、これまで交差部では頻繁に漏水が発生していたが、これを防止する手法はいまだ確立されていない。そのため、交差部における的確な漏水対策が求められていた。交差部を対象としたものではないが、特許文献1ではひび割れ誘発目地の設置箇所における漏水対策を提案している。
特許第3935562号公報
特許文献1では、ひび割れ誘発目地の設置によって形成されるひび割れ誘発領域に、注入管を埋設したコンクリート構造物を開示している。この手法によれば、コンクリート構造物の完成後、ひび割れ誘発領域に発生したひび割れに対して、注入管を通じて補修材を充填できるため、ひび割れに侵入する漏水を防ぐことができる。
しかしながら、特許文献1で開示される手法を採用すると、打設時に注入管を設置する手間が増えるうえ、コンクリート硬化後ひび割れの発生を見計らって注入作業を行う手間も増える。すなわち、打設時における手間とコストがかかるだけでなく、打設後の別工程として注入作業が必要となる手法といえる。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち交差部において的確に漏水を防止するとともに、比較的手間とコストをかけず、しかも打設後の工程が不要である漏水防止方法及び漏水防止構造を提供することである。
本願発明は、打継ぎ面とひび割れ誘発部の交差部における漏水に注目してなされたものであって、従来の止水板に加えてこれに直交する漏水防止材を設置することに着眼したものであり、これまでになかった発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の漏水防止方法は、コンクリート部材のうち打継ぎ面とひび割れ誘発部が交差する「交差部」において、部材厚方向に流れる漏水を防止する方法である。部材厚方向に略直交するように、しかも打継ぎ面と交差するように止水板を設置する。また交差部では、止水板及び打継ぎ面と交差するように、しかも止水板と連結して漏水防止材を設置する。そして、交差部のうち漏水防止材よりも漏水の流出側となるように、漏水防止材と連結して鉛直防水材を設置する。
本願発明の漏水防止方法は、鉛直防水材として防水機能を具備するひび割れ誘発目地を設置することもできる。
本願発明の漏水防止構造は、コンクリート部材のうち打継ぎ面とひび割れ誘発部が交差する「交差部」において、部材厚方向に流れる漏水を防止する構造であり、止水板と漏水防止材と鉛直防水材を備えたものである。このうち止水板は、部材厚方向に略直交するように、しかも打継ぎ面と交差するように配置される。また漏水防止材は、交差部で止水板及び打継ぎ面と交差するように配置されるとともに止水板に連結される。鉛直防水材は、交差部のうち漏水防止材よりも漏水の流出側となるように配置され、漏水防止材に連結される。
本願発明の漏水防止構造は、鉛直防水材として、防水機能を具備するひび割れ誘発目地を用いることもできる。
本願発明の漏水防止方法及び漏水防止構造には、次のような効果がある。
(1)打継ぎ面とひび割れ誘発部が交差する「交差部」で生じる漏水を、的確に防止することができる。特に、水密性を必要とするコンクリート構造物において、確実にその機能を発揮することができる。
(2)従来の手法に比べると手間がかからず、しかも特別な材料は交差部だけで足りるので、全体施工費のコストアップを抑制することができる。
(3)コンクリート打設後の作業を必要としないので、全体工程への影響が極めて小さい。
コンクリート構造物の一部を切り欠いた斜視図。 (a)は、本願発明による交差部を水平面で切断して上方から見た水平断面図、(b)は本願発明による交差部を鉛直面で切断して延長方向から見た鉛直断面図。 止水板と漏水防止材が連結された状態を示す平面図。 ひび割れ誘発目地の一例を示す斜視図。 鉛直防水材の一例を示す斜視図。 擁壁を示す斜視図。 (a)は従来の交差部を水平面で切断して上方から見た水平断面図、(b)は従来の交差部を鉛直面で切断して延長方向から見た鉛直断面図。
本願発明の漏水防止方法及び漏水防止構造の実施形態の例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、コンクリート構造物10の一部を切り欠いた斜視図である。このコンクリート構造物10は、延長方向に長方形の断面が連続する竪壁である。このコンクリート構造物10は、上下2回の打設により構築されるもので、つまり上段ブロック11と下段ブロックの間には打継ぎ面20が形成されている。なお、本実施形態では竪壁を例として説明するが、本願発明を実施する上では竪壁以外のコンクリート構造物であっても構わない。
図1に示す打継ぎ面20は略水平な平面であり、平面視すれば、部材厚方向の寸法に比べ延長方向の寸法が長い長方形を呈している。この打継ぎ面20の略中央には、略全延長にわたって止水板30が設置されている。この止水板30は、打継ぎ面20に侵入してくる水を遮断するためのものであり、図では上段ブロック11にある止水板30しか見えていないが、実際は下段ブロック12内にも挿入されている。
図1のコンクリート構造物10には、延長方向に所定間隔でひび割れ誘発部40が設けられている。このひび割れ誘発部40は、計画的にひび割れ発生を集中させる箇所であり、コンクリート構造物10の延長に応じて適当な位置及び箇所で設計される。そして、ひび割れ誘発部40には、切欠き部41、ひび割れ誘発目地42、漏水防止材43、及び鉛直防水材44が設けられる。
切欠き部41は、コンクリート構造物10の表面を鉛直方向に溝状で切り欠いたものであり、この切欠きによって断面欠損を構成している。また、ひび割れ誘発目地42は、コンクリート構造物10内に埋設されることで断面欠損を構成するもので、通常は鉄筋のかぶり位置において鉛直方向に沿って配置される。
漏水防止材43は、防水機能を持つもので、止水板30と略直交するように設置される。ひび割れ誘発部40では、多数のひび割れが縦横無尽に生じることが予測され、このひび割れがいわば“水みち”となって止水板30を越流していくことが考えられる。したがって、部材厚方向に止水する止水板30に加え、延長方向に止水する漏水防止材43を設置すれば、多くの水みちを遮断し、結果的に止水板30を越流する流水の低減を図ることができるわけである。そのため、漏水防止材43と止水板30とは連結されており、両者が交わる部分で水流を遮断できるような構造としている。なお、止水板30と同様、図1では上段ブロック11にある漏水防止材43しか見えていないが、実際は下段ブロック12内にも挿入されている。
鉛直防水材44は、防水機能を有するもので、一方のひび割れ誘発目地42と漏水防止材43の間に、鉛直方向に沿って設置される。この鉛直防水材44は、止水板30と漏水防止材43を設置してもなお止水板30を越流した水を遮断するものであり、予測される水の流れの流出側(下流側)に設置される。通常は、コンクリート構造物10の背面側にある地下水等が水源(つまり上流側)となり、打継ぎ面20から侵入して部材厚方向に流れ、コンクリート構造物10の前面側から漏水として現れる。したがって鉛直防水材44は、前面側のひび割れ誘発目地42と漏水防止材43との間に配置されることとなる。図1は、図面手前側がコンクリート構造物10の背面側であり、図面奥側がコンクリート構造物10の前面側であるので、鉛直防水材44は、図の奥側(つまり前面側)のひび割れ誘発目地42と漏水防止材43の間に配置されている。
以下、本願発明の漏水防止方法及び漏水防止構造を、それぞれ構成する要素ごとに詳述する。
2.交差部
本願発明は、図1に示す打継ぎ面20と、ひび割れ誘発部40が交差する「交差部」に生じる漏水を特に対象としている。なお厳密には、打継ぎ面20とひび割れ誘発部40が交差するのは“線”であるが、ここでは便宜上この交差する線の周辺空間を含んで「交差部」としている。
3.止水板
本願発明に使用する止水板30は、止水効果のある板状の材料であり、従来から用いられている止水板を採用することができる。図1にも示すように止水板30は、部材厚方向に略直交して(つまり延長方向に)配置され、打継ぎ面20と略直交して交差するように、上段ブロック11と下段ブロック12に跨って設置される。
図2は、本願発明が交差部の漏水を防止することを説明する模式図であり、(a)は、交差部を水平面で切断して上方から見た水平断面図、(b)は交差部を鉛直面で切断して延長方向から見た鉛直断面図である。図2(a)に示す矢印は水の流れを表したものであり、左側の矢印を見ると止水板30が水の流れを遮断していることが分かる。このように、止水板30は打継ぎ面20に侵入してきた水を遮断する機能を有し、特にひび割れ誘発部40以外の箇所では止水板30のみで十分に機能するものである。
4.漏水防止材
本願発明に使用する漏水防止材43は、防水機能を有するものであり、例えば基板と防水層からなる材料で構成することができる。具体的には、亜鉛メッキ鋼板等からなる基板の表面に、防水機能を有する材料の層を重ねた構成とする。なお、防水機能を有する材料としては、ブチルゴムなどの高分子材料が例示できる。また基板は、打設時のコンクリート流動に対して変形しない材料であれば、金属板のほかに硬質の合成樹脂など他の材料を使用してもよい。漏水防止材43は、基板と防水層の2層構造とするものに限らず、相当の変形剛性を備えた防水材料を使用すれば1層の構造とすることもできるし、従来から用いられている止水板を漏水防止材43として採用することもできる。
漏水防止材43は、止水板30と略直交するように交差し、しかも打継ぎ面20とも略直交して交差するように配置される。つまり漏水防止材43は、交差部において部材厚方向に沿って設置される。また、漏水防止材43は、止水板30と連結される。図3は、止水板30と漏水防止材43が連結された状態を示す平面図である。この図に示すように、2枚の漏水防止材43が止水板30に突き当てられ、その結果形成された4箇所の隅角部に接続部が設けられて止水板30と漏水防止材43は連結される。この接続部は、接着効果のある材料で漏水防止材43と止水板30を接着した結果生じるものである。なお、接着効果のある材料としては、従来から用いられている種々の接着材料を使用することができるが、さらに止水効果を有する材料が好ましく、先のブチルゴムなどが好例として例示できる。
漏水防止材43と止水板30を連結した結果、ひび割れ誘発部40で生じたひび割れによる“水みち”の多くを遮断することができる。図2(a)に示す右側の矢印は、漏水防止材43が障壁となってそれ以上進むことができない。ひび割れ誘発部40の中心部(止水板30付近)には多数のひび割れが生じることが考えられ、漏水防止材43を設置することによって多くのひび割れ(つまり水みち)が遮断されることになる。
漏水防止材43は、いわば止水板30の機能を補助するものである。したがって、漏水防止材43の高さ(打継ぎ面20からの上下の突出高さ)は、止水板30と同等とすることが望ましい。もちろん漏水防止材43の高さを、止水板30の高さより高くすることもできる。
5.ひび割れ誘発目地
図4は、ひび割れ誘発目地42の一例を示す斜視図である。この図に示すひび割れ誘発目地42は、断面が山形となる突起部分と、その突起部分の両脇にフランジ部分が設けられている。この断面形状が軸方向に連続することで、長尺材料のひび割れ誘発目地42を形成している。この突起部分はコンクリート内部で断面欠損を構成するためのものであり、フランジ部分はコンクリート内部に固定するためのもので、例えばフランジ部分に設けられた貫通孔を用いなまし鉄線(番線)等で鉄筋等にくくり付けられる。
また、図4に示すひび割れ誘発目地42は、亜鉛メッキ鋼板からなる基板42Bの表面に、ブチルゴム系の粘着層42Sを重ねたものであり、基板42Bの剛性によって打設時のコンクリート流動に対して変形することがなく、コンクリート硬化後には粘着層42Sの効果でコンクリートと密着する。もちろん本願発明を実施するうえでは、図4に示すひび割れ誘発目地42に限らず、従来から用いられている種々のひび割れ誘発目地を採用することができる。
6.鉛直防水材
図5は、鉛直防水材44の一例を示す斜視図である。この図に示す鉛直防水材44は、断面がT字形であり、両脇のフランジ部分とその中央に突出する突起部分が設けられている。このT字の断面形状が軸方向に連続することで、長尺材料の鉛直防水材44を形成している。このフランジ部分はコンクリート内部に固定するためのもので、例えばフランジ部分に設けられた貫通孔を用いなまし鉄線等で鉄筋等にくくり付けられる。もちろんT字形断面の鉛直防水材44に限らず、図2(a)に示すようにL字形断面の鉛直防水材44など、様々な形状の鉛直防水材44を採用することができる。図5に示す鉛直防水材44は、突起部分が断面欠損を構成することから、鉛直防水材44としての機能に加えひび割れ誘発目地としての機能も兼ね備えている。
図5に示す鉛直防水材44は、亜鉛メッキ鋼板からなる基板44Bの表面に、防水機能を有する材料からなる防水層44Sを重ねたものであり、基板44Bの剛性によって打設時のコンクリート流動に対して変形することがない。また、鉛直防水材44が防水層44Sを具備することから、図2(b)に示すように、止水板30と漏水防止材43を設置してもなお止水板30を越流する水を遮断するもことができる。なお、防水機能を有する材料としては、漏水防止材43と同様、ブチルゴムなどの高分子材料が例示できる。漏水防止材43は、基板と防水層の2層構造とするものに限らず、相当の変形剛性を備えた防水材料を使用すれば1層の構造とすることもできるし、必ずしもひび割れ誘発目地としての機能を兼ね備えたものでなくてもよい。
また、図2(a),(b)に示すように鉛直防水材44と漏水防止材43が接触する部分では、鉛直防水材44と漏水防止材43が連結される。この場合、鉛直防水材44と漏水防止材43が接触する部分に、接着効果のある材料を塗布することで鉛直防水材44と漏水防止材43は連結される。なお、接着効果のある材料としては、従来から用いられている種々の接着材料を使用することができるが、さらに止水効果を有する材料が好ましく、先のブチルゴムなどが好例として例示できる。
本願発明の漏水防止方法及び漏水防止構造は、地下水がある場所での地下構造物や、湛水目的の構造物、廃棄物等を貯留するための構造物、その他種々のコンクリート構造物に利用することができる。本願発明が、漏水の少ない、いわば高品質のコンクリート構造物を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
10 コンクリート構造物
11 (コンクリート構造物の)上段ブロック
12 (コンクリート構造物の)下段ブロック
20 打継ぎ面
30 止水板
40 ひび割れ誘発部
41 (ひび割れ誘発部にある)切欠き部
42 (ひび割れ誘発部にある)ひび割れ誘発目地
42B (ひび割れ誘発目地の)基板
42S (ひび割れ誘発目地の)粘着層
43 (ひび割れ誘発部にある)漏水防止材
44 (ひび割れ誘発部にある)鉛直防水材
44B (鉛直防水材の)基板
44S (鉛直防水材の)防水層
C 擁壁
Cb (擁壁の)底版
Ch (擁壁の)竪壁
H 打継ぎ面
J1,J2,J3 割れ誘発目地
S 止水板
V ひび割れ誘発部

Claims (4)

  1. コンクリート部材のうち打継ぎ面とひび割れ誘発部が交差する交差部において、部材厚方向に流れる漏水を防止する方法であって、
    前記部材厚方向に略直交し、且つ前記打継ぎ面と交差するように止水板を設置し、
    前記交差部に、前記止水板及び前記打継ぎ面と交差するように、しかも前記止水板と連結して漏水防止材を設置し、
    前記交差部のうち前記漏水防止材よりも漏水の流出側となるように、しかも前記漏水防止材と連結して鉛直防水材を設置する、ことを特徴とする漏水防止方法。
  2. 前記鉛直防水材として、防水機能を具備するひび割れ誘発目地を設置する、ことを特徴とする請求項1記載の漏水防止方法。
  3. コンクリート部材のうち打継ぎ面とひび割れ誘発部が交差する交差部において、部材厚方向に流れる漏水を防止する構造であって、
    止水板と、漏水防止材と、鉛直防水材と、を備え、
    前記止水板は、前記部材厚方向に略直交し、且つ前記打継ぎ面と交差するように配置され、
    前記漏水防止材は、前記交差部で前記止水板及び前記打継ぎ面と交差するように配置されるとともに、前記止水板に連結され、
    前記鉛直防水材は、前記交差部のうち前記漏水防止材よりも漏水の流出側となるように配置されるとともに、前記漏水防止材に連結された、ことを特徴とする漏水防止構造。
  4. 前記鉛直防水材は、防水機能を具備するひび割れ誘発目地である、ことを特徴とする請求項3記載の漏水防止構造。
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