JP6046432B2 - 樹脂容器 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂容器に関する。
従来の樹脂容器として、樹脂製の中空成形体(インナー)の外側に溶融樹脂を射出して樹脂外装体(アウター)をオーバーモールド成形した樹脂容器が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、中空成形体の表面に、装飾を施してもよいことが記載されている。
特許文献2には、アウターを内部が透けて見えるような光透過性樹脂で成形した場合、商品表示などの文字や図案(加飾)をインナーボトルの表面に施すことで、その加飾部分がオーバーモールド容器の表層に露出せず、ラベルの剥がれや摩耗が原理的に発生しない、という効果も得られると記載されている。
特開2010−42685号公報 特開2012−101486号公報
本発明者らは、上記文献記載の樹脂容器において、インナーの表面に蒸着を施しインナーとアウターとの間に加飾層を設けることを試みた。このような構成によれば、アウターを透明又は半透明にすることで、容器の外部から加飾層を視認でき、優れた意匠効果が得られることが期待された。
しかしながら、蒸着で形成した加飾層は、アウターの成形プロセスによって、はがれたり、ひびが入ったりするという問題があった。そのため、蒸着による加飾層の形成は、期待し得る意匠効果を得られないという点で改善の余地があった。
また、こうした問題は、インナーと、インナーを覆うアウター樹脂とを備える樹脂容器に共通して生じる問題であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インナーとアウターとの間に加飾層を設けることで、優れた意匠効果が得られる樹脂容器を提供することにある。
本発明者らは、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含む加飾層をインナー表面に設けることにより、加飾層の剥がれやひび割れを防ぎつつアウター成形できることを知見した。
すなわち、本発明は、
有底筒状の本体部と円筒状の口頸部とを有する中空成形体と、
前記中空成形体の外側に設けられ、前記本体部を覆う透明又は半透明の樹脂外装体と、
前記中空成形体と前記樹脂外装体との間に設けられた加飾層と、
を有し、
前記樹脂外装体は、前記加飾層の表面に融着されており、かつ前記中空成形体と一体に設けられており、
前記加飾層は、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含み、
前記鱗片状顔料が前記本体部の表面に沿って配向している、樹脂容器を提供するものである。
本発明によれば、優れた意匠効果が得られる樹脂容器が提供される。
本発明に係る樹脂容器の第1の例を示す側面図である。 (a)は第1の例の樹脂容器を示す断面図であり、(b)は第1の例の樹脂容器の断面の拡大図である。 第1の例における中空成形体の側面図である。 第1の例の樹脂容器の製造方法の一例を説明する図である。 第1の例の樹脂容器の製造方法の一例を説明する図である。 本発明に係る樹脂容器の第2の例を示す断面図である。 本発明に係る樹脂容器の第3の例を示す斜視図である。 本発明に係る樹脂容器の第3の例を示す断面図である。 第3の例の樹脂容器の製造方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
はじめに、本実施形態の樹脂容器1の概要について説明する。図1は、本実施形態の樹脂容器1の一例を示す側面図であり、図2(a)は、本実施形態の樹脂容器1の一例を示す断面図である。また、図2(b)は、図2で示す樹脂容器1の断面を拡大した図である。図3は、樹脂容器1のインナーシェル10の側面図である。
樹脂容器1は、有底筒状の本体部11と円筒状の口頸部12とを有する中空成形体であるインナーシェル10と、インナーシェル10の外側に設けられ、本体部11を覆う透明又は半透明の樹脂外装体であるアウター20と、インナーシェル10とアウター20との間に設けられた加飾層30とを有するボトル状の樹脂容器である。アウター20は、加飾層30の表面に融着してインナーシェル10と一体に設けられている。加飾層30は、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含んでおり、鱗片状顔料は、本体部11の表面に沿って配向している。
インナーシェル10は、本体部11に内容物を収容することができる。内容物は液体、気体又は固体のいずれであってもよく、化粧料、薬品又は飲料を例示することができるが、化粧料は、優れた意匠効果を発揮できるという観点から本実施形態の内容物としてより好ましい。
インナーシェル10は、口頸部12に開口123を備え、これにより、内容物の出し入れが可能になる。内容物を密閉できるという観点から、樹脂容器1は、キャップ部40を備えることが好ましい。キャップ部40は、口頸部12に螺合装着することで、インナーシェル10を密閉できるように構成されることが好ましい。例えば、口頸部12に、複数の突起状の螺旋片126が互いに離間して非連続に配設されて、複数ループの螺旋状の突起部122が設けられる一方、キャップ部40には、螺旋片126と螺合する少なくとも一つ以上に渡り連続して形成された螺合部42を設けることができる。こうすることにより、キャップ部40を口頸部12に螺合装着することができる。
本体部11は、円筒状、球状、円錐状、三角錐、四角錐又は5以上の多角錐状等、種々の形状をとることができる。樹脂容器1のボトル状の樹脂容器である場合、本体部11は、開口123に対向して設けられた底部115、底部115から口頸部12に向かって延在する側部116、底部115と側部116とを接続するコーナー部117、及び、側部116と口頸部12とを接続する肩部118とから構成する円筒状にすることができる。肩部118は、底部115に平行な断面において、断面積が、口頸部12の最大断面積以上、側部116の最小断面積以下となる領域である。
図1〜3では、本体部11と口頸部12との間にフランジ部14が形成され、フランジ部14の上面にはボス15が設けられてフランジ部14と口頸部12とを補強する例を示すが、本実施形態の樹脂容器1は、フランジ部14及びボス15を備えていなくてもよい。
インナーシェル10は、ガラス製であっても樹脂製であってもよいが、破損しにくく廃棄が容易である観点から樹脂製が好ましい。樹脂材料としては、収容する内容物によって、耐熱性、耐衝撃性又は耐食性の観点から選択すればよいが、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(PET(ポリエチレンテレフタレート)、PETG、PCTG、PCT(ポリシクロヘキサン・ジメチル・テレフタレート)、PCTA、PEN(ポリエチレン・ナフタレート)など)、アクリル樹脂、スチレン樹脂(スチレン・アクリロニトリル共重合体樹脂、スチレン・メチルメタクリレート共重合体樹脂など)、シクロオレフィン・ポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、アイオノマー樹脂、及びPAN(ポリアクリロ窒化物)から選択される1以上の樹脂を用いることができるが、アウター20成型時における耐熱性を高める観点から、溶融温度が比較的高いポリオレフィン、ポリエステル又はポリアミドを使用することが好ましい。また、インナーシェル10に収容する内容物が化粧料の場合には、高透明性合成樹脂の中でも比較的耐薬品性に優れたポリエチレンやポリプロピレンなどを使用することが好ましい。
インナーシェル10は、ブロー成形で作製することができる。また、予め二分割して射出成形された半割の成形体を互いに振動融着してもよい。
また、バリアー特性を向上させるために、いくつかの層からなり、それらのうちの一つがEVOHなどのバリアー層を有するインナーシェル10を使用することが可能である。また、その他のバリアー層を設けてもよい。また、加飾層30等の他の層に対するバリアー層の接着性を向上するための接着剤層を有することもできる。
キャップ部40は、ガラス製であっても樹脂製であってもよいが、廃棄が容易である観点からインナーシェル10と同一材料であることが好ましく、破損しにくい観点から樹脂製であることが好ましい。樹脂材料としては、インナーシェル10で使用できるものを選択して使用できるが、インナーシェル10と同材料で成形しても、異種材料で成形してもよい。また、インナーシェル10の内容物が化粧料である場合は、キャップ部40についても、部分的に化粧料と触れ合う場合もあるため、上記のインナーシェル10と同様、比較的耐薬品性に優れたポリエチレンやアイオノマー樹脂などを使用することが好ましい。キャップ部40は、例えばインサート成形により作製することができる。
加飾層30は、本体部11に積層して設けられている。加飾層30は、本体部11の表面の少なくとも一部を被覆していることが好ましく、本体部11の表面全体を被覆していることがより好ましい。本体部11が円筒状である場合は、少なくとも側部116が加飾層30で被覆されていることが好ましく、底部115、コーナー部117、側部116及び肩部118にわたって本体部11の全体が加飾層30で被覆されていることがより好ましい。
前述のとおり、加飾層30は、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含んでおり、鱗片状顔料は、本体部11の表面に沿って配向している。このような鱗片状顔料の形状は、平面視において長径と短径とを有し、平均粒子径が厚みよりも大きいものである。鱗片状顔料の平均粒子径は、鱗片状顔料の平面を対向する方向から見た場合の長径と短径の平均値をいい、鱗片状顔料の走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮影し、100個の鱗片状顔料について長径と短径とを測定することによって求めることができる。
本実施形態において、「本体部の表面に沿って配向」とは、図2(b)で示す断面において、本体部11の表面と鱗片状顔料の長径とが非垂直に、好ましくはほぼ平行に配置されており、鱗片状顔料の厚み方向が本体部11の表面に非平行に、好ましくはほぼ垂直に配置されていることをいう。これにより、加飾層30の乱反射を防ぎ、ミラー現象が生じることによって、樹脂容器1は優れた美観を呈することができる。鱗片状顔料が本体部の表面に沿って配向していることは、図2(b)で示す断面方向において走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することで、確認することができる。
鱗片状顔料は、アルミニウムを主体とするアルミニウム顔料又はマイカが好ましい。鱗片状顔料がアルミニウムを主体とするアルミニウム顔料である場合、アルミニウム粉末を展伸し、フレーク状としたもの、又は、蒸着アルミニウム箔を粉砕しフレーク状にしたものなど、メタリック塗料用として市販されているものを使用できる。蒸着アルミニウム箔フレークは、表面が平滑で高輝度が得られる半面、厚みが非常に薄いため、均一な厚みの加飾層30を形成できるという観点から好ましい。蒸着アルミニウム箔フレークとしては、例えば厚みが0.1μm以下のものを用いることができる。
鱗片状顔料の表面処理に用いられるオルガノシロキサンとしては、一般式(1)で表されるアルコキシシランが挙げられる。
Figure 0006046432
〔一般式(1)中Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは1〜20の数を表す。〕
上記一般式(1)の化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン及びこれらの縮合体(nが2以上)から選択されるアルコキシシランが挙げられる。これらのアルコキシシランは、単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
アルコキシランによる鱗片状顔料の表面処理は、鱗片状顔料を、前記一般式(1)の化合物と、活性水素を持たない有機溶剤とを含む処理溶液中で処理することにより実行することができる。好ましくは、鱗片状顔料を活性水素を持たない有機溶剤で希釈し、攪拌し、鱗片状顔料を分散した状態で行うことが好ましい。活性水素を持たない有機溶剤中ではアルコキシシランは安定に存在する。そのため、アルコキシランが鱗片状顔料の表面に選択的に吸着し、鱗片状顔料表面上で、穏やかな脱アルコール反応が進む。これにより、反応生成物が三次元架橋を繰り返し、該三次元架橋物が、鱗片状顔料表面に緻密で均一な被膜を形成するものと考えられる。こうして、鱗片状顔料の表面にアルコキシシランの縮合体、具体的には酸化ケイ素縮合体を主体とする縮合体による被膜を形成することができる。
活性水素を持たない有機溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、有機酸エステル、エーテル、ケトンなどが例示されるが、安全性及びアルコキシシランなどの溶解性から、有機酸エステル類が好ましく、具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどの酢酸エステル類が入手し易く好適である。さらに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの水溶性エステル類は、反応混合物が、直ちに油性塗料やインク及び水性塗料やインクの何れにも使用可能なため好適である。
反応混合物中における原料鱗片状顔料の濃度は、通常1〜50質量%であることが好ましい。また、前記一般式(1)の化合物の使用量は原料鱗片状顔料の100質量部当たり、1〜50質量部が好ましい。
前記一般式(1)の化合物と、活性水素を持たない有機溶剤とを含む処理溶液には、更に脱アルコール触媒を添加することが、アルコキシシランの脱アルコール縮合反応を促進できるため好ましい。脱アルコール触媒としては、アルキルチタン酸塩やオクチル酸錫などのカルボン酸の金属塩、ジメチルアミンアセテートなどのアミン塩、酢酸テトラアミンアンモニウムなどのカルボン酸第四級アンモニウム塩、テトラメチルペンタミンなどのアミン類、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系シランカップリング剤、p−トルエンスルホン酸などの酸類、アルミニウムエトキシドなどのアルミニウムアルコキシド、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレートなどのアルミニウムキレート、チタンテトラプロポキシドのようなチタンアルコキシド、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)のようなチタンキレート、ジルコニウムテトラプロポキシドのようなジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートのようなジルコニウムキレートなどの化合物が知られており、適宜使用すればよい。反応終了後に触媒自体がアルミニウム顔料の被覆層の構成成分となるという点から、アルミニウムエトキシドなどのアルミニウムアルコキシド、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレートなどのアルミニウムキレート、チタンテトラプロポキシドのようなチタンアルコキシド、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)のようなチタンキレート、ジルコニウムテトラプロポキシドのようなジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートのようなジルコニウムキレートなどの金属化合物が好ましい。どの低沸点溶剤で洗浄後乾燥してもよい。
脱アルコール触媒の使用量は、前記一般式1の化合物の100質量部当たり、0.01〜5質量部であることが好ましい。
原料鱗片状顔料は、通常、ミネラルスピリット、キシレンなどの炭化水素系溶剤や、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤などにより、固形分5〜80質量%のペースト状とされており、該原料鱗片状顔料と、前記一般式(1)の化合物と、前記活性水素を持たない有機溶剤と、前記脱アルコール触媒とを混合する。混合する方法は特に限定されず、例えば、処理溶液をまず作成しておき、この中に原料鱗片状顔料を加えて攪拌混合して反応混合物として反応を行うことができる。
反応温度は40〜90℃で行うことが好ましい。一般式(1)の反応は、反応温度によっても異なるが、例えば4〜8時間にすることができる。これらの反応は、大気雰囲気下又は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で常圧で行うことができる。反応を完結させかつ緻密で均一な被膜とするために、上記反応終了後、任意の温度、好ましくは15〜30℃の温度で7〜30日間熟成することが好ましい。
反応終了後、好ましくは、熟成後に反応混合物を濾別し、そのままのペーストの状態で保存し、塗料やインクの成分とすることが好ましいが、濾別後ペーストをメタノールなどの低級アルコールやアセトンなどの低沸点溶剤で洗浄後乾燥してもよい。
得られたペーストは、乾燥した後、電子顕微鏡で観察することにより、鱗片状顔料に、アルコキシシランの縮合体が被覆されていることを確認することができる。また、アルコキシシランの縮合体は、X線分析装置を用いて、鱗片状顔料の被覆表面から深さ方向1μm程度まで元素組成を定量することにより、確認することができる。
鱗片状顔料の表面処理は、上記一般式(1)のアルコキシランに、下記一般式(2)のオルガノアルコキシシランを併用して行ってもよい。
12 a−Si−(OR3)3-a (2)
〔式中、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、グリシドキシ基、炭素数5又は6のエポキシシクロアルキル基、(メタ)アクリル基、アミノ基、メルカプト基及びイソシアネート基から選ばれる官能基を有する1価の基を、R2は炭素数1〜4の低級アルキル基及びフェニル基から選ばれる基を、R3は1価の炭素数1〜4の低級アルキル基を、aは0、1又は2を表わす。〕
上記一般式(2)のオルガノアルコキシシランは、鱗片状顔料の表面で一般式(1)のアルコキシシランと共縮合し、被覆層の構成成分となるとともに、塗料として各種バインダーを配合した場合、含まれる有機官能基により、バインダーとの密着性を向上するために添加することができる。
このため、一般式(2)の化合物は、使用するバインダーによって適宜選択すればよいが、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどを例示できる。また、これらは2種以上を混合して使用してもよい。
上記一般式(1)の化合物と、上記一般式(2)の化合物とを併用する場合も、上記の一般式(1)の化合物単独使用の場合と同様に、鱗片状顔料を、前記一般式(1)の化合物及び前記一般式(2)の化合物と、活性水素を持たない有機溶剤と、脱アルコール触媒とを含む処理溶液中で処理することができる。これにより、一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物との共縮合体で被覆された表面被覆鱗片状顔料が得られる。この表面被覆鱗片状顔料は、被覆層に有機官能基が導入され、鱗片状顔料と有機系塗料のバインダーとの密着性が向上するという効果が得られる。
前記一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物との合計使用量は、原料鱗片状顔料の100質量部当たり、1〜50質量部が好ましい。一般式(2)の化合物の使用量は一般式(1)の化合物100質量部当たり5〜200質量部の範囲が好ましい。
鱗片状顔料の表面処理は、上記一般式(1)のアルコキシランに、下記一般式(3)の金属アルコキシドを併用して行ってもよい。
Figure 0006046432
〔式(3)中、MはTi、Zr又はAlの原子を、R4は炭素数1〜10のアルキル基を、bは0又は1を、nは1〜20の数を表す。〕
上記一般式(3)の金属アルコキシドは、鱗片状顔料の表面で一般式(1)のアルコキシシランと共縮合し、前記一般式(1)のアルコキシシランと共縮合し、得られる顔料の耐候性、耐酸性、耐アルカリ性、耐塩水性などの耐環境性能向上を目的として添加する。上記金属アルコキシドの使用量によっては鱗片状顔料の色相変化を伴う。従って、一般式(3)の金属アルコキシドは、鱗片状顔料の被覆と同時に着色を目的としても使用することができる。さらに、一般式(3)の金属アルコキシドは活性が高く、一般式(1)のアルコキシシランの縮合触媒としても作用する。一般式(3)の金属アルコキシドの具体例としては、例えば、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリブチレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンブトキシドダイマー、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシドなどが例示される。
上記一般式(1)の化合物と、上記一般式(3)の化合物とを併用する場合も、上記の一般式(1)の化合物単独使用の場合と同様に、鱗片状顔料を、前記一般式(1)の化合物及び前記一般式(3)の化合物と、活性水素を持たない有機溶剤と、脱アルコール触媒とを含む処理溶液中で処理することができる。これにより、一般式(1)の化合物と一般式(3)の化合物との共縮合体で被覆された表面被覆鱗片状顔料が得られ、耐薬品性、特に耐酸性及び耐アルカリ性の向上効果が得られる。
前記一般式(1)の化合物と一般式(3)の化合物との合計使用量は、原料鱗片状顔料の100質量部当たり、1〜50質量部が好ましい。一般式(3)の化合物の使用量は一般式(1)の化合物100質量部当たり1〜50質量部の範囲が好ましい。
前記一般式(1)の化合物に前記一般式(2)の化合物と前記一般式(3)の化合物とを併用してもよい。この場合も、鱗片状顔料を、前記一般式(1)の化合物及び前記一般式(3)の化合物と、活性水素を持たない有機溶剤と、脱アルコール触媒とを含む処理溶液中で処理すればよい。これにより、一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との3元共縮合体で被覆された表面被覆鱗片状顔料が得られる。この表面被覆鱗片状顔料によれば、鱗片状顔料の有機系塗料のバインダーとの密着性向上及び耐酸性及び耐アルカリ性向上などの効果が得られる。
前記一般式(1)の化合物と前記一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との合計使用量は、原料鱗片状顔料の100質量部当たり、1〜50質量部が好ましい。一般式(2)の化合物の使用量は一般式(1)の化合物100質量部当たり5〜200質量部の範囲が好ましい。また、一般式(3)の化合物の使用量は一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物との合計100質量部当たり1〜50質量部の範囲が好ましい。
上記で得られる表面被覆鱗片状顔料は、前記一般式(1)の化合物の縮合体、前記一般式(1)の化合物と前記一般式(2)の化合物との共縮合体、前記一般式(1)の化合物と前記一般式(3)の化合物との共縮合体又は前記一般式(1)の化合物と前記一般式(2)の化合物と前記一般式(3)の化合物との3元共縮合体で表面が被覆されている。これらの被膜は単なるシリカ微粒子の集合体ではなく、緻密な前記化合物の透明な(共)縮合体である。したがって、得られる鱗片状顔料の輝度が優れ、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、高温・高湿下においても変色・退色が少ないため、加飾層30の意匠効果を高め、かつ、長期間保持することもできる。
加飾層30は、上記で得られる表面被覆鱗片状顔料を塗料又はインクに分散し、インナーシェル10に塗布又は噴霧することで形成することができる。こうすることで、鱗片状顔料を本体部11の表面に沿って配向させることができる。また、表面被覆鱗片状顔料を含む塗料を噴霧させると、加飾層30の厚み制御が容易になり、厚みのグラデーションが自在になるため、バリエーションが多様になる点で好ましい。加飾層30は、好ましくは鱗片状顔料として前記の表面被覆アルミニウム顔料を水性塗料に分散し、インナーシェル10の本体部11の表面全体にスプレー噴霧することで形成するとよい。
塗料ベヒクルやインクワニスは従来公知の塗料やインクにおいて使用されているベヒクル又はワニスでよく特に限定されないが、水性のものが好ましく、例えば、主剤として水性アクリルポリオールと、硬化剤として水分散性ポリイソシアネートとを組み合わせて用いるのが好ましい。溶剤としては、水、アルコール(好ましくは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数2〜5の低級アルコール、若しくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール)、又はこれらの組合せが挙げられる。
これらのベヒクル又はワニスに添加する鱗片状顔料の量は、目的とする意匠及び金属感により決定されるため特に限定されないが、一般的には塗料又はインクの固形分100質量部に対して50〜500質量部であり、塗料又はインクにより形成された加飾層30に高度の光沢を与えることができる。
また、各種有色顔料又は有色塗料と併用して加飾層30を形成してよい。この場合、上記鱗片状顔料を含む塗料又はインクと、有色顔料又は有色塗料とをこの順、又は逆の順でインナーシェル10に塗布又は噴霧することにより加飾層30を形成してもよいし、上記鱗片状顔料を含む塗料又はインクと、有色顔料又は有色塗料とを混合して、インナーシェル10に塗布又は噴霧することにより、加飾層30してもよい。こうすることで、加飾層30に光沢を与えるとともに着色して、意匠性をよりいっそう高めることができる。加飾層30には、柄や模様が設けられていても良い。
アウター20は、加飾層30の表面に融着し、インナーシェル10の本体部11を覆うことにより、インナーシェル10に一体して設けられた、透明又は半透明の部材である。アウター20は、樹脂容器1の外観から肉眼で加飾層30を視認できる程度の透明性を有すればよく、無色透明であっても、有色透明であってもよい。アウター20は、加飾層30とともに、本体部11の全体を覆うことが好ましいが、アウター20の外形は、本体部11の外形と同一形状であってもよいし、異形形状であってもよい。アウター20は、インナーシェル10及び加飾層30の厚みの合計に比して厚肉に形成されていることが好ましく、例えば、アウター20の厚みは、インナーシェル10及び加飾層30の厚みの合計の2〜50倍にすることができる。これにより、ガラスのような重厚感を与えることができ、樹脂容器1の意匠効果を更に高めることができる。
アウター20は、加飾層30の表面に溶融樹脂を射出し、インナーシェル10を溶融樹脂でオーバーモールドして成形することができる。溶融樹脂としては、高透明性合成樹脂を用いることが好ましく、好ましくは全光線透過率(JIS K7105に準拠し、1mm厚のシートで測定)が80%から100%、より好ましくは全光線透過率が85%から100%の合成樹脂を用いることが望ましい。このような高透明性合成樹脂を使用することによって、アウター20の外側から確実に加飾層30を目視することができ、より樹脂容器1の高級感、審美性、美観性を向上させることができる。具体的には、アイオノマー樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂から選択される1種以上の樹脂からなることが好ましく、より好ましくはアイオノマー樹脂又はポリエステル樹脂であり、アイオノマー樹脂が更に好ましい。
アイオノマー樹脂としては、例えば不飽和カルボン酸含量が1〜40重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部、通常0モル%を超え、かつ100モル%以下、好ましくは90モル%以下を金属イオンで中和したものを使用することができる。
アイオノマー樹脂のベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸、さらに任意に他の極性モノマーを共重合して得られるものである。ここに不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、特にメタクリル酸が好ましい。
また共重合成分となり得る極性モノマーとしては、任意に酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などであり、特に不飽和カルボン酸エステルは好適な共重合成分である。
また金属イオンとしては、1価,2価あるいは3価の原子価を有する金属イオン、特に元素周期律表におけるIA、IIA、IIIA、IVA及びVIII族の1〜3価の原子価を有する金属イオンであり、具体的には、Na+、K+、Li+、Cs+、Ag+、Hg+、Cu+、Be++、Mg++、Ca++、Sr++、Ba++、Cu++、Cd++、Hg++、Sn++、Pb++、Fe++、Co++、Ni++、Zn++、Al+++、Sc+++、Fe+++、Y+++などが挙げられる。
有色のアウター20を形成する場合、例えばアイオノマーにHeliogen Blue K6911D(BASF社製)を含有させた青色の高透明性合成樹脂を用いて成形を行えば、青色とすることができる。
溶融樹脂に光反射粉を分散させれば、アウター20内で光反射粉に光が反射して輝き、さらに高級感を醸し出すことができる。このような光反射粉としては、光反射粉のコアとなるマイカの表面に金属又は金属酸化物が被覆された光反射粉から構成することが好ましい。
アウター20の外表面には、装飾的な凹凸部を設けることもでき、このようにすることで樹脂容器1は、よりデザインバリエーション、審美性、高級感が増す。
つづいて、樹脂容器1の製造方法の一例について説明する。図4、5は、本実施形態のアウター20を成形する工程を説明する図である。ブロー成形又は振動融着法により成形されたインナーシェル10の本体部11の表面に、鱗片状顔料として表面被覆鱗片状顔料を分散した塗料をスプレー噴霧した後乾燥して加飾層30を形成する。インナーシェル10の肉厚は、例えば、0.1〜10mm程度の範囲とすることでき、0.2〜8mmの範囲が好ましい。加飾層30の厚みは、例えば、0.01〜20μmとすることができる。
その後、インナーシェル10の口頸部12を口部金型202の凹部212に嵌め込む。同図において、重力方向は図中下方である。すなわち、口頸部12を重力方向の反対方向に向けてインナーシェル10を保持する。
インナーシェル10を保持した口部金型202は、オーバーモールド用の外金型270と組み合わせて樹脂成形装置200を構成する。外金型270は、割型271,272に分割構成される。
図4(b)は、割型271,272を対向させて互いに組み合わせ、外金型270の内部にキャビティ273を形成し、その内部にインナーシェル10の本体部11を収容した状態を示す模式図である。このとき、ノズル金具(口部金型202にセットされたインナーシェル10の口頸部12よりインナーシェル10の内部に挿入され、インナーシェル10の内部に流体を供給するための部材。図示せず。)の流路244a〜244cは、口部金型202の内外を連通し、更に外金型270の外部とそれぞれ連通している。すなわち、外金型270には、口部金型202の先端開口241及び基端開口242,243と個別に連通する管路275が設けられている。また、樹脂成形装置200は、口部金型202の凹部212に嵌め込まれたインナーシェル10の内部に流路244a〜244cを介して流体を供給する流体供給部(図示せず)を備えている。かかる構成により、オーバーモールド成形時にインナーシェル10の内部に加圧気体や液体を供給することができる。このため、モールド圧によるインナーシェル10の圧縮変形を抑制することができ、アウター20と、インナーシェル10の表面に形成された加飾層30との高い密着性を得ることができる。また、キャビティ273の上部には、溶融樹脂を供給するための樹脂流入路274が外金型270の外部と連通して設けられている。
その後、樹脂流入路274から溶融樹脂276をインジェクションする。インジェクション成形温度は、例えば180〜280℃とすることができる。好ましくは、アイオノマー樹脂を用いる場合は180〜260℃とし、ポリエステル樹脂を用いる場合は210〜280℃とする。また、インジェクション速度は、例えば30〜100mm/sとすることができる。かかる状態では、インナーシェル10の内部に流体を有することが好ましい。流体として、水又はアルコールなどの液体、空気、窒素、酸素、希ガス又は炭素ガスを使用することができるが、気体が好ましく、空気がより好ましい。流体物として気体を用いる場合、管路275及び流路244aを通じて外金型270の外部より気体をブローしながら溶融樹脂276をインジェクションすることが好ましい。インナーシェル10内にブローする気体の圧力は、例えば、0.04MPa〜1.0MPaにすることができる。
図5(a)は、樹脂流入路274を通じてキャビティ273の内部に溶融樹脂276を充填した状態を示す模式図である。キャビティ273に流入する溶融樹脂276は、インナーシェル10を重力方向とは逆方向に押圧しながらキャビティ273に充填されていく。本実施形態の外金型270では、インナーシェル10の中心軸上に樹脂流入路274が形成されている。したがって、口部金型202に保持されたインナーシェル10はキャビティ273に対して傾くことがない。
図5(b)は、溶融樹脂276が冷却硬化した状態を示す模式図である。溶融樹脂276は硬化してアウター20となっている。そして、ランナー277を切断することにより、本体部11の外側にインナーシェル10と一体に設けられたアウター20を備える樹脂容器1がオーバーモールド成形される。成形された樹脂容器1は、口頸部12を口部金型202の凹部212から軸方向にまっすぐ引き抜くことで取り出し可能である。
樹脂容器1によれば、加飾層30が鱗片状顔料を含むため、鱗片状顔料同士の間にわずかな隙間が形成された加飾層30にすることができる。そのため、アウター20の成型工程において、熱によるインナーシェル10の膨張や、冷却時におけるインナーシェル10の収縮に加飾層30が追従することができ、これにより、加飾層30が剥がれたり、割れたりするのを防ぐことができる。この方法では、樹脂流入路274に対応する位置(ゲート部301、図1、2)においても加飾層30の剥がれを防ぐことができる。また、インナーシェル10の側部やコーナー部を覆う加飾層30も割れが生じない。また、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料がインナーシェル10の表面に沿って配向しているため、加飾層30には平滑面が形成されることとなる。そのため、金型内で溶融樹脂が加飾層を滑らかに拡散でき、アウターが均一にインナーシェル10を覆う樹脂容器1を得ることができる。したがって、容器のあらゆる角度から、半透明又は透明なアウター20を通して、ひびや割れのない加飾層30を視認でき、優れた意匠効果を得ることが可能になる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
図6には、本発明の樹脂容器の他の例を示す。図6で示す樹脂容器100は、加飾層300が、インナーシェル10の表面を覆うアンダーコート層31と、アンダーコート層31に積層された、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含む光沢層32と、を有する。光沢層32において、鱗片状顔料はインナーシェル10に沿って配向している。
加飾層300は、インナーシェル10に加飾層300を形成する際、アンダーコート剤を塗布して乾燥させた後、アンダーコート層31の表面に、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含む塗料又はインクを塗布又は噴霧して乾燥させて光沢層32を形成させることができる。光沢層32の表面に溶融樹脂を射出して、アウター20をオーバーモールド成形すればよい。アウター20の成形は、樹脂容器1と同様な方法で実行することができる。
このような構成によれば、アンダーコート層31によりインナーシェル10の表面をより平滑にできるため、鱗片状顔料をインナーシェル表面に平行に配置させることができるため、光沢層32の乱反射を防ぐことができるため、樹脂容器の意匠効果を高めることができる。また、加飾層300の面がいっそう平滑になるため、アウター20の成形精度を更に向上させることができる。
また、図7、8には、本発明の樹脂容器の他の例として、クリームジャーなどに例示される広口容器からなる樹脂容器5を示す。図7には、樹脂容器5の斜視図を示す。図8には、樹脂容器5の断面図を示す。樹脂容器5は、樹脂容器有底筒状の本体部51と円筒状の口頸部52とを有する中空成形体であるインナーシェル50と、インナーシェル50の外側に設けられ、本体部51を覆う透明又は半透明の樹脂外装体であるアウター60と、インナーシェル50とアウター60との間に設けられた加飾層70とを有する。アウター60は、加飾層70の表面に融着してインナーシェル50と一体に設けられている。加飾層70は、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含む。鱗片状顔料が本体部51の表面に沿って配向している。樹脂容器5も樹脂容器1と同じ材料から構成することができる。具体的には、インナーシェル50はインナーシェル10、アウター60はアウター20、加飾層70は加飾層30と同様な材料から形成することができる。
インナーシェル50もまた、インナーシェル10と同様に、本体部51に内容物を収容することができる。内容物は液体、気体又は固体のいずれであってもよいが、固体が好ましく、クリーム状又はゲル状のものが好ましい。化粧料、薬品又は飲料を例示することができるが、化粧料は、優れた意匠効果を発揮できるという観点から本実施形態の内容物としてより好ましい。
前述のとおり、インナーシェル50はインナーシェル10と同様な材料から形成でき、樹脂製であっても、ガラス製であってもよい。
本体部51は、円筒状、球状、円錐状、三角錐、四角錐又は5以上の多角錐状等、種々の形状をとることができる。樹脂容器5の広口容器である場合、本体部51は、開口524に対向して設けられた底部515、底部515から口頸部52に向かって延在する側部516、底部515と側部516とを接続するコーナー部517とから構成する円筒状にすることができる。
前述のとおり、加飾層70もまた加飾層30と同様な材料から形成することができる。すなわち、鱗片状顔料として、マイカ又はアルミニウムを主体とするアルミニウム顔料を使用できるが、蒸着アルミニウム箔を粉砕しフレーク状にしたものが好ましい。鱗片状顔料は、オルガノシロキサンにより表面処理されていればよいが、前記一般式(1)で表されるアルコキシシラン、又は、前記一般式(1)で表されるアルコキシシランとともに前記一般式(2)又は(3)で表される化合物と、活性水素を持たない有機溶剤と、脱アルコール触媒とを含む処理溶液中で処理することにより、酸化ケイ素縮合体の被膜を有する鱗片状顔料を用いることが好ましい。
加飾層70は、有色塗料又は有色顔料を含んでいてもよい。また、樹脂容器100のように、アンダーコート層と、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含む光沢層とから構成されていてもよい。
アウター60は、加飾層70の表面に溶融樹脂を射出して、インナーシェル50の外側に成形することができる。前述のとおり、溶融樹脂としては、アウター20で使用できるものを用いることができ、高透明性合成樹脂を用いることが好ましく、好ましくは全光線透過率(JIS K7105に準拠し、1mm厚のシートで測定)が80%から100%、より好ましくは全光線透過率が85%から100%の合成樹脂を用いることが望ましい。具体的には、アイオノマー樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂から選択される1種以上の樹脂からなることが好ましく、より好ましくはアイオノマー樹脂又はポリエステル樹脂であり、アイオノマー樹脂が更に好ましい。
樹脂容器5においても、アウター60は、本体部51全体を覆うように形成されていることが好ましい。インナーシェル50は、少なくとも側部516が加飾層70で被覆されていることが好ましいが、底部515、コーナー部517及び側部516にわたって本体部51の全体が加飾層70で被覆されていることがより好ましい。
アウター60は、インナーシェル50及び加飾層70の厚みの合計に比して厚肉に形成されていることが好ましく、例えば、アウター60の厚みは、インナーシェル50及び加飾層70の厚みの合計の2〜50倍にすることができる。これにより、ガラスのような重厚感を与えることができ、樹脂容器5の意匠効果を更に高めることができる。
図7、8では、省略するが、樹脂容器5は、口頸部52に螺合装着されてインナーシェル50を密閉するキャップ部を備えていても良い。キャップ部は、樹脂容器1のキャップ部40と同様に構成することができる。
樹脂容器5は、例えばダブルインジェクション法を用いて作製することができる。樹脂容器5の製造方法の一例を図9を用いつつ以下に説明する。図9には、本体金型570a,570bと蓋金型571とを備える樹脂成形装置500が示されている。
まず、図9(a)で示すように、本体金型570aと蓋金型571とが組み合わさって形成されるキャビティに樹脂流入路574aから溶融樹脂576aをインジェクションする。冷却硬化した後、本体金型570aから取りだし、ランナー577aを切断することにより、インナーシェル50を得る。その後、インナーシェル50の表面に、加飾層30と同様な方法(例えば、アルコキシシランで表面処理された鱗片状顔料を分散した塗料をスプレーする方法)を用いて、加飾層70を形成し、図9(b)で示すようにキャビティを有する本体金型570b内部に樹脂流入路574bから溶融樹脂576bをインジェクションする。インジェクション成形温度は、例えば180〜280℃とすることができる。好ましくは、アイオノマー樹脂を用いる場合は180〜260℃とし、ポリエステル樹脂を用いる場合は210〜280℃とする。インジェクション速度は、例えば3〜50mm/sとすることができる。冷却硬化した後、金型570bから取りだし、ランナー577bを切断することにより、インナーシェル50の本体部51が加飾層70を介してアウター60で覆われた樹脂容器5が得られる。アウター60のうち、ランナー577bを切断した部位がゲート部701となる。
なお、樹脂容器5は、インサート成形を用いて作製してもよい。
樹脂容器5においても、本発明の効果を得ることができる。すなわち、樹脂容器5によれば、加飾層70が鱗片状顔料を含むため、鱗片状顔料同士の間にわずかな隙間が形成された加飾層70にすることができる。そのため、アウター60の成型工程において、熱によるインナーシェル50の膨張や、冷却時におけるインナーシェル50の収縮に加飾層70が追従することができ、これにより、加飾層70が剥がれたり、割れたりするのを防ぐことができる。この方法では、樹脂流入路574bに対応する位置(ゲート部701)における加飾層70の剥がれを防ぐことができる。また、インナーシェル50の側部516やコーナー部517を覆う加飾層70にも割れが生じない。また、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料がインナーシェル50の表面に沿って配向しているため、加飾層70には平滑面が形成されることとなる。そのため、金型内で溶融樹脂が加飾層70を滑らかに拡散でき、アウター60が均一にインナーシェル50を覆う樹脂容器5を得ることができる。したがって、容器のあらゆる角度から、半透明又は透明なアウター60を通して、ひびや割れのない加飾層70を視認でき、優れた意匠効果を得ることが可能になる。
以下、参考形態の例を付記する。
<1>
有底筒状の本体部と円筒状の口頸部とを有する中空成形体と、
前記中空成形体の外側に設けられ、前記本体部を覆う透明又は半透明の樹脂外装体と、
前記中空成形体と前記樹脂外装体との間に設けられた加飾層と、
を有し、
前記樹脂外装体は、前記加飾層の表面に融着して前記中空成形体と一体に設けられており、
前記加飾層は、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含み、
前記鱗片状顔料が前記本体部の表面に沿って配向している、樹脂容器。
<2>
前記鱗片状顔料が、アルミニウムを主体とする金属からなるアルミニウム顔料である、<1>に記載の樹脂容器。
<3>
前記加飾層が有色顔料又は有色塗料を含む、<1>又は<2>に記載の樹脂容器。
<4>
前記加飾層が、
前記中空成形体の表面を覆うアンダーコート層と、
前記アンダーコート層に積層された、前記鱗片状顔料を含む光沢層と、
を有する、<1>乃至<3>いずれか一項に記載の樹脂容器。
<5>
前記樹脂外装体が、前記中空成形体及び前記加飾層の厚みの合計に比して厚肉に形成されている、<1>乃至<4>いずれか一項に記載の樹脂容器。
<6>
前記樹脂外装体が、前記加飾層の表面に溶融樹脂を射出して成形されたものである、<1>乃至<5>いずれか一項に記載の樹脂容器。
<7>
前記溶融樹脂が、アイオノマー樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂から選択される1種以上の樹脂からなる、<6>に記載の樹脂容器。
<8>
前記中空成形体の内部に化粧料を収容するために用いられる、<1>乃至<7>いずれか一項に記載の樹脂容器。
<9>
前記加飾層が、前記中空成形体に、前記鱗片状顔料を含む塗料を噴霧して形成されたものである、<1>乃至<8>いずれか一項に記載の樹脂容器。
<10>
前記口頸部に螺合装着されて前記中空成形体を密閉するキャップ部を更に有する、<1>乃至<9>いずれか一項に記載の樹脂容器。
製造例1:表面処理アルミニウム顔料の作製
スターラー及びコンデンサーを取りつけた500ml丸底フラスコに、蒸着アルミニウムフレーク(チバ・ジャパン株式会社製、METASHEEN 71-0010、アルミニウム含量10質量%、酢酸エチル45%、酢酸イソプロピル45%)を100質量部、酢酸ブチル100質量部及びテトラエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名KBE−04)3質量部を攪拌混合後、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスZC150)0.02質量部を加え、湯浴で85℃で5時間攪拌した。室温まで冷却後、ガラス瓶に移液し、密栓して20日間静置し、アルミニウム濃度35質量%の表面被覆アルミニウム顔料のペーストとした。該ペーストを一部取り、150℃で2時間乾燥させ、電子顕微鏡で観察したところ、鱗片状のアルミニウム顔料の表面に、均一平坦なテトラエトキシシランの透明な縮合体が被覆されていた。被覆表面から深さ方向1μm程度までの元素組成を定量したところ、アルミニウム組成が89質量%であり、珪素が11質量%であり、鱗片状のアルミニウム顔料が酸化主珪素縮合体の薄膜で被覆されていることが確認された。
製造例2:水性塗料の作製
製造例1の表面被覆アルミニウム顔料ペースト(固形分5質量%)100質量部を、バーノックWE−304(主剤;大日本インキ化学工業株式会社製、固形分45質量%)5.6質量部、ジエチレングリコール100質量部、水100質量部及びバーノックDNW−5000(硬化剤;大日本インキ化学工業株式会社製、固形分80質量%)の0.23質量部と混合して、水性塗料を得た。
実施例1:クリームジャーの作製
ダブルインジェクション法を用いて図7、8で示すクリームジャーを作製した。
図9(a)で示すように、蓋金型571及び本体金型571aをセットし、ポリプロピレン(製品名プライムポリプロ、プライムポリマー社製)を用いて厚み3mmのカップ状のインナーシェルを作製した。その後、金型からインナーシェルを取りだし、製造例2で作製した水性塗料を用いて市販スプレーガンで、インナーシェルの本体部表面を、乾燥時厚みが5μmとなるように塗装し、80℃で2時間乾燥して硬化して加飾層を形成した。つづいて、蓋金型571及び本体金型571bをセットして、本体金型571b内にキャビティを形成するとともに、インナーシェルの本体部をキャビティ内に保持した。図9(b)で示すように、樹脂流入路574を通じてキャビティの内部に溶融したアイオノマー樹脂(PC2000、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)をインジェクションした。インジェクション成形温度は230℃、インジェクション圧力は100MPa、インジェクションスピードは6mm/sとした。その後、溶融樹脂を冷却硬化して厚み4mmのアウターを形成した後、金型から樹脂容器を取り出し、クリームジャーを得た。
実施例2:クリームジャーの作製
溶融樹脂としてアイオノマー樹脂にかえて、PETG(Eastar(登録商標)5011、イーストマンケミカルカンパニー製)を用い、インジェクション成形温度を230℃、インジェクション圧力を70MPa、インジェクションスピードを16mm/sとしてアウター成形した以外は、実施例1と同様にしてクリームジャーを得た。
実施例3:クリームジャーの作製
インナーシェルとして、PCTA(AN004、イーストマンケミカルカンパニー製)をブロー成形したものを用い、インジェクション成形温度を230℃、インジェクション圧力を100MPa、インジェクションスピードを7mm/sとしてアウター成形した以外は、実施例1と同様にしてクリームジャーを得た。
実施例4:クリームジャーの作製
インナーシェルとして、PCTA(AN004、イーストマンケミカルカンパニー製)をブロー成形したものを用い、インジェクション成形温度を230℃、インジェクション圧力を100MPa、インジェクションスピードを16mm/sとしてアウター成形した以外は、実施例2と同様にしてクリームジャーを得た。
比較例1:クリームジャーの作製
インナーシェルの本体部表面に、蒸着によりアルミ膜を成膜して加飾層を形成し、アイオノマー樹脂のインジェクション成形温度を210℃、インジェクション圧力を90MPa、インジェクションスピードを2.5mm/sとした以外は実施例1と同様にしてクリームジャーを得た。
比較例2:クリームジャーの作製
インナーシェルの本体部表面に、蒸着によりクロム膜を成膜して加飾層を形成し、アイオノマー樹脂のインジェクション成形温度を210℃、インジェクション圧力を90MPa、インジェクションスピードを3mm/sとした以外は実施例1と同様にしてクリームジャーを得た。
比較例3:クリームジャーの作製
インナーシェルとして、PCTA(AN004、イーストマンケミカルカンパニー製)をブロー成形したものを用い、アイオノマー樹脂のインジェクション成形温度を210℃、インジェクション圧力を100MPa、インジェクションスピードを7mm/sとした以外は比較例2と同様にしてクリームジャーを得た。
評価1
得られた実施例1〜4、及び、比較例1〜3のそれぞれのクリームジャーについて、図7においてゲート部701に対応する位置における加飾層の剥がれの有無、並びに、図7においてインナーシェルの側部516及びコーナー部517に対応する位置を覆う加飾層のひび割れについて、アウターを通して目視で観察した。結果を表1に示す。
Figure 0006046432
実施例5:ボトル容器の作製
図1〜3で示すボトル容器を作製した。
PETG(EB062、イーストマンケミカルカンパニー製)を用いて厚み1.5mmのボトル状のインナーシェルを作製した。その後、金型からインナーシェルを取りだし、製造例2で作製した水性塗料を用いて市販スプレーガンで、インナーシェルの本体部表面を、乾燥時厚みが5μmとなるように塗装し、80℃で2時間乾燥して硬化して加飾層を形成した。つづいて、図4(a)で示すように口頸部を口部金型202に保持した後、図4(b)で示すように割型271,272を対向させて互いに組み合わせ、外金型270の内部にキャビティ273を形成し、その内部にインナーシェルの本体部を収容した。図5(a)で示すように、樹脂流入路574を通じてキャビティの内部に溶融したアイオノマー樹脂(PC2000、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)をインジェクションした。インジェクション成形温度は230℃、インジェクション圧力は95MPa、インジェクションスピードは77mm/sとした。その後、溶融樹脂を冷却硬化して厚み6mmのアウターを形成した後、図5(b)で示すように金型から樹脂容器を取り出し、ボトル状容器を得た。
実施例6:ボトル容器の作製
溶融樹脂としてアイオノマー樹脂にかえて、PETG(GN001、イーストマンケミカルカンパニー製)を用い、インジェクション成形温度を250℃、インジェクション圧力を60MPa、インジェクションスピードを55mm/sとしてアウター成形した以外は、実施例5と同様にしてボトル容器を得た。
実施例7:ボトル容器の作製
インナーシェルとして、ガラス製のものを用い、アウター成形時におけるアイオノマー樹脂のインジェクション成形温度を230℃、インジェクション圧力を95MPa、インジェクションスピードは50mm/sとしてアウター成形した以外は、実施例5と同様にしてボトル容器を得た。
比較例4:ボトル容器の作製
インナーシェルとして、PETG(EB062、イーストマンケミカルカンパニー製)をブロー成形したものを用い、蒸着によりアルミ膜を成膜して加飾層を形成し、アイオノマー樹脂のインジェクション成形温度を230℃、インジェクション圧力を95MPa、インジェクションスピードを77mm/sとしてアウター成形した以外は実施例5と同様にしてボトル容器を得た。
比較例5:ボトル容器の作製
インナーシェルとして、ガラス製のものを用い、蒸着によりアルミ膜を成膜して加飾層を形成し、アイオノマー樹脂のインジェクション成形温度を230℃、インジェクション圧力を95MPa、インジェクションスピードを50mm/sとしてアウター成形した以外は実施例5と同様にしてボトル容器を得た。
評価2:
得られた実施例5〜7、及び、比較例4、5のそれぞれのボトル容器について、図2においてゲート部301に対応する位置おける加飾層の剥がれの有無、並びに、図3においてインナーシェルの側部116及びコーナー部117に対応する位置を覆う加飾層のひび割れについて、アウターを通して目視で観察した。結果を表2に示す。
Figure 0006046432
表1、2の示す結果から、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含む加飾層を形成させることにより、アウター成形後においても、剥がれやひび割れのない加飾層を備えた樹脂容器となることが確認された。
1 樹脂容器
5 樹脂容器
10 インナーシェル
11 本体部
12 口頸部
13 開口
14 フランジ部
15 ボス
20 アウター
30 加飾層
31 アンダーコート層
32 光沢層
40 キャップ部
42 螺合部
50 インナーシェル
51 本体部
52 口頸部
60 アウター
70 加飾層
701 ゲート部
100 樹脂容器
115 底部
116 側部
117 コーナー部
118 肩部
122 突起部
123 開口
126 螺旋片
200 樹脂成形装置
202 口部金型
212 凹部
241 先端開口
242,243 基端開口
244a,244b,244c 流路
270 外金型
271,272 割型
273 キャビティ
274 樹脂流入路
275 管路
276 溶融樹脂
277 ランナー
300 加飾層
301 ゲート部
500 樹脂成形装置
515 底部
516 側部
517 コーナー部
524 開口
570a 本体金型
570b 本体金型
571 蓋金型
574a 樹脂流入路
574b 樹脂流入路
576a 溶融樹脂
576b 溶融樹脂
577a ランナー
577b ランナー

Claims (10)

  1. 有底筒状の本体部と円筒状の口頸部とを有する中空成形体と、
    前記中空成形体の外側に設けられ、前記本体部を覆う透明又は半透明の樹脂外装体と、
    前記中空成形体と前記樹脂外装体との間に設けられた加飾層と、
    を有し、
    前記樹脂外装体は、前記加飾層の表面に融着されており、かつ前記中空成形体と一体に設けられており、
    前記加飾層は、オルガノシロキサンにより表面処理された鱗片状顔料を含み、
    前記鱗片状顔料が前記本体部の表面に沿って配向している、樹脂容器。
  2. 前記鱗片状顔料が、アルミニウムを主体とする金属からなるアルミニウム顔料である、請求項1に記載の樹脂容器。
  3. 前記加飾層が有色顔料又は有色塗料を含む、請求項1又は2に記載の樹脂容器。
  4. 前記加飾層が、
    前記中空成形体の表面を覆うアンダーコート層と、
    前記アンダーコート層に積層された、前記鱗片状顔料を含む光沢層と、
    を有する、請求項1乃至3いずれか一項に記載の樹脂容器。
  5. 前記樹脂外装体が、前記中空成形体及び前記加飾層の厚みの合計に比して厚肉に形成されている、請求項1乃至4いずれか一項に記載の樹脂容器。
  6. 前記樹脂外装体が、前記加飾層の表面に溶融樹脂を射出して成形されたものである、請求項1乃至5いずれか一項に記載の樹脂容器。
  7. 前記溶融樹脂が、アイオノマー樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂から選択される1種以上の樹脂からなる、請求項6に記載の樹脂容器。
  8. 前記中空成形体の内部に化粧料を収容するために用いられる、請求項1乃至7いずれか一項に記載の樹脂容器。
  9. 前記加飾層が、前記中空成形体に、前記鱗片状顔料を含む塗料を噴霧して形成されたものである、請求項1乃至8いずれか一項に記載の樹脂容器。
  10. 前記口頸部に螺合装着されて前記中空成形体を密閉するキャップ部を更に有する、請求項1乃至9いずれか一項に記載の樹脂容器。
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