JP6045841B2 - Ptp包装用蓋材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、PTP包装用蓋材、すなわち、医薬品等の包装に使用されるPTP(Press Through Pack)包装用の熱封緘性蓋材およびその製造方法に関する。
医薬品等の包装用として多用されているPTP包装材は、内容物を格納するための容器部分と、その容器部分を密封するための蓋材の二つの部分からなる。容器部分は、ポケットを成形したプラスチックシート等の加工成形体によって構成される。前記蓋材は、金属箔、特にアルミニウム箔の片面もしくは両面に印刷層を設け、さらにその上のそれぞれの面に、耐熱被覆剤層と、熱封緘接着剤層を設けて構成される。
容器本体を形成するプラスチックシートとしては塩化ビニル樹脂シートやポリプロピレンシートが多用されているが、近年、高い防湿性が要求される場合にはアルミニウム箔等の金属箔がラミネートされた複合シートが用いられるようになってきている。
一方、蓋材の基材としては、蓋材を破裂させて内容物を取り出すという、PTP包装の使用方法から、通常アルミニウム箔が使用されている。蓋材は、通常アルミニウム箔の両面または片面に文字やデザインを印刷し、さらにその上に、一方の面(外側になる面)には、熱封緘時に文字やデザインなどの印刷層を保護するための、無色または着色した透明な耐熱被覆剤層を設け、反対の面(接着される面)には容器に加熱圧着によって熱封緘させるために、無色または着色した熱封緘接着剤層を形成させることにより製造される。
包装作業における内容物の充填、封緘操作は、前記の容器となるポケットを設けたシートの加工成形体に内容物を格納した後、その開口面側に前記のアルミニウム箔の蓋材を、その熱封緘接着剤層が接触するように積層し、蓋材の耐熱被覆剤層を設けた面から熱封緘用ロールにより加熱及び加圧して、容器の非ポケット部分に熱融着させることによって遂行される。熱封緘用ロールの表面は、通常、碁盤目状のエンボス加工が施されており、加熱加圧条件は積層材料の種類によって異なるが、熱封緘温度は140〜280℃で行われており、熱封緘圧力は0.1〜0.6MPaに設定されていることが多い。
前記蓋材の耐熱被覆剤層と印刷層は、通常、メラミンに代表されるアミン系の硬化剤を樹脂成分中に使用している。また、熱封緘接着剤は、通常、熱可塑性樹脂からなり、加工成形体の材質により、それぞれ塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン等の樹脂を主成分とする樹脂組成物が使用されている。
耐熱被覆剤層と印刷層の樹脂成分として メラミンに代表されるアミン系の硬化剤を樹脂成分中に使用していると、熱封緘時にアルミニウム箔そのものおよび文字やデザインなどの印刷層の耐熱性は良好であるが、耐熱被覆剤層および印刷層の塗布形成時や包装作業中、または、熱封緘後のPTP製品状態での保管環境下で容易にホルムアルデヒドを放出する。
ホルムアルデヒドの放出は、塗布作業中や包装作業中においては、作業者に対する健康面での影響を与え、また、熱封緘後のPTP製品状態での保管環境下においては、格納されている医薬品等の内容物がゼラチンを主成分とする、いわゆるカプセル製剤の場合には、ゼラチンと反応してカプセルの不溶化が進み、医薬品の種類によっては、薬効品質そのものが低下するという問題点があるが、耐熱被覆剤層と印刷層の樹脂組成分として、メラミンに代表されるアミン系の硬化剤を樹脂成分中に使用しない場合には、熱封緘時の加熱温度に耐えるだけの耐熱性が得られず、耐熱被覆剤層及び印刷インキの剥離や熱封緘用ロールへの付着、印刷インキの色落ち等様々な不具合が生じる。
耐熱被覆剤層と印刷層の主成分をビニル重合体として、ホルムアルデヒドの発生を無くす手法が提案されているが、ビニル重合体がアルデヒド化されている場合、アセトアルデヒドを放出する可能性があり人体への健康影響が懸念される。また、架橋反応を促進するために、耐熱被覆剤中に添加される触媒の配合量が多いため、グラビア印刷における短時間の乾燥では十分に架橋反応が進行せず、PTP包装の熱封緘時の加熱に耐えるだけの耐熱性が得られないおそれがある。
メラミンに代表されるアミン系の硬化剤を用いることなく、蓋材に、少なくともOH基を含む樹脂とイソシアネート系硬化剤を含む印刷層、着色層またはコート層の一層以上を設けホルムアルデヒドの放出を無くすこと、熱封緘層は、ホットメルト接着剤に、ホルムアルデヒドの吸収能の高いヒドラジド化合物を配合してなるものとしてホルムアルデヒドの放出を無くすことも提案されている。
特開2005−138848号公報 特開2005−313938号公報 特開2006−1591号公報
本発明は、耐熱被覆剤層、印刷層を形成するために使用する樹脂成分について種々検討した結果としてなされたものであり、その目的は、樹脂成分としてホルムアルデヒドを放出するおそれのある硬化剤を用いなくても、PTP包装の熱封緘時の加熱に耐えるだけの耐熱性を有するPTP包装用の熱封緘性蓋材を提供することにある。
上記の目的を達成するための請求項1によるPTP包装用蓋材の製造方法は、アルミニウム箔の片面または両面に印刷層を設け、さらにその一方の側に耐熱被覆剤層、他方の側に熱封緘接着剤層を設けるPTP包装用蓋の製造方法であって、耐熱被覆剤層及び該印刷層のうちの少なくとも1層耐熱被覆剤塗料の樹脂成分または印刷インキの樹脂成分がアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂よりなり、混合樹脂の全重量の30〜70%を予め熱縮合し、熱縮合後、残りの混合樹脂を配合してなる耐熱被覆剤塗料または印刷インキを用いて形成することを特徴とするPTP包装用蓋材の製造方法を提供するものである。
請求項2によるPTP包装用蓋材の製造方法は、前記PTP包装用蓋材が、前記耐熱被覆剤層を設けた側のアルミニウム箔と印刷層との間に着色層が介挿されているPTP包装用蓋材であることを特徴とする請求項1記載のPTP包装用蓋材の製造方法を提供するものである。
請求項3によるPTP包装用蓋材の製造方法は、前記PTP包装用蓋材が、前記熱封緘接着剤層を設けた側のアルミニウム箔と印刷層との間に着色層が介挿されているPTP包装用蓋材であることを特徴とする請求項1記載のPTP包装用蓋材の製造方法を提供するものである。
請求項4によるPTP包装用蓋材の製造方法は、前記PTP包装用蓋材が、前記耐熱被覆剤層を設けた側および前記熱封緘接着剤層を設けた側のアルミニウム箔と印刷層との間に着色層が介挿されているPTP包装用蓋材であることを特徴とする請求項1記載のPTP包装用蓋材の製造方法を提供するものである。
請求項5によるPTP包装用蓋材の製造方法は、前記着色層を、着色層形成用インキの樹脂成分がアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂よりなり、混合樹脂の全重量の30〜70%を予め熱縮合し、熱縮合後、残りの混合樹脂を配合してなる着色層形成用インキを用いて形成することを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載のPTP包装用蓋材の製造方法を提供するものである。
請求項6によるPTP包装用蓋材は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記耐熱被覆剤塗料の樹脂成分、印刷インキの樹脂成分および着色層形成用インキの樹脂成分がアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂よりなることを特徴とする。
請求項7によるPTP包装用蓋材の製造方法は、請求項1〜5のいずれかに記載のPTP包装用蓋材を製造する方法であって、前記耐熱被覆剤塗料の樹脂成分、印刷インキの樹脂成分または着色層形成用インキの樹脂成分がアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂よりなり、混合樹脂の全重量の30〜70%を予め熱縮合し、熱縮合後、残りの混合樹脂を配合してなる耐熱被覆剤塗料、印刷インキまたは着色層形成用インキを用いて、耐熱被覆剤層、印刷層または着色層を形成することを特徴とする。
本発明によるPTP包装用蓋材は、耐熱被覆剤層および印刷層の塗布形成時やPTP包装作業時にホルムアルデヒドが放出されることがなく、また、熱封緘後のPTP製品状態での保管環境下でもホルムアルデヒドが放出されることがないため、作業者や使用者にホルムアルデヒドの健康に関する弊害を及ぼすことがない。また、包装しようとする内容物に対しても、ホルムアルデヒドの影響を及ぼすことがなく、しかも熱封緘時の加熱や加圧に耐え、耐熱被覆剤層および印刷インキの剥離や熱封緘用ロールへの付着、印刷インキの色落ち等の不具合が発生しない。
PTP包装用蓋材の構成の一実施例を示す断面図である。 PTP包装用蓋材の構成の他の実施例を示す断面図である。 医薬品などの内容物を包装したPTP包装材の断面図である。
図面により、本発明のPTP包装用蓋材(以下、単に蓋材という)の実施の形態について説明する。図1および図2は本発明の蓋材の実施形態を示す断面図、図3はその蓋材を用いたPTP包装体の実施形態を示す断面図である。
図1に示す蓋材10は、アルミニウム箔11の両面にインキで文字や模様、デザインなどを印刷した印刷層12が設けられ、その上に耐熱被覆剤層13および熱封緘接着剤層14が設けられている。アルミニウム箔は厚さ10〜30μmのものが用いられる。なお、印刷層12は耐熱被覆剤層側(上面)だけ、あるいは熱封緘接着剤層側(下面)だけに設けてもよい。
印刷層は重ねて形成する場合もあり、図2に示すように第一の印刷層としてベタ塗りで着色層15を形成した後、その上に文字や模様、デザインなどの第二の印刷層12を形成することもできる。逆に文字や模様、デザインなどを第一の印刷層12として形成した後、その上に第二の印刷層としてベタ塗りで着色層15を形成することもできる。印刷層12および着色層15は耐熱被覆剤層側(上面)だけ、あるいは熱封緘接着剤層側(下面)だけに設けることもできる。印刷層を上面に設ける場合は、図3のようにPTP包装透明の耐熱被覆剤層13を通して印刷インキ層12の文字や模様が見えることになる。他方、下面側に設ける場合は、容器30および熱封緘接着剤層14を通して文字などが見えることになる。
本発明のPTP包装用蓋材において、耐熱被覆剤層を形成するために使用する耐熱被覆剤塗料、印刷層を形成するために使用する印刷インキおよび着色層を形成するために使用する着色層形成用インキの樹脂成分としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂のような熱可塑性樹脂などを適用することができるが、アクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂が最も好適に使用できる。
本発明においては、耐熱被覆剤層、印刷層のうちの少なくとも1層が、耐熱被覆剤層または印刷層を形成する塗料またはインキの樹脂成分の一部を予め熱縮合し、熱縮合後の樹脂成分に残りの樹脂成分を配合してなる塗料またはインキを用いて形成されていることが重要であり、樹脂を事前に熱縮合させることによって、グラビア印刷における短時間の乾燥であっても十分に反応が進行し、アルミニウム箔との密着性、耐熱性が向上し、熱封緘時の剥離等の不具合を回避することができる。樹脂の一部を予め熱縮合した後、残りの樹脂を配合して耐熱被覆剤塗料または印刷インキとする。
これに加えて、着色層を形成するための着色層形成用インキの樹脂成分の一部を予め熱縮合し、熱縮合後の樹脂成分に残りの樹脂成分を配合してなる着色層形成用インキを用いて着色層を形成すれば、さらに有効である。
以下、本発明において最も好適なアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂を使用する場合について説明する。事前に熱縮合を行なう混合樹脂の割合は混合樹脂の全重量の30〜70%とするのが好ましく、熱縮合を終えた樹脂に残りの混合樹脂を配合する。熱縮合を行う樹脂の割合が30重量%未満では、塗膜の耐熱性が劣り、熱封緘時の熱と圧力によって印刷層が剥離するおそれがある。熱縮合を行う樹脂の割合が70重量%を超えると、アルミニウム箔との密着性が低下し、熱封緘時の熱と圧力によって印刷層が剥離するおそれがある。
熱縮合の温度は50〜110℃が好ましく、50℃未満では縮合が進まず、110℃を超える温度では、アクリル樹脂の分解が進行し、アルミニウム箔との密着性が低下し、熱封緘時の熱と圧力によって印刷層が剥離し易くなる。
耐熱被覆剤塗料や印刷インキに用いるアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合比率は適切に管理する必要がある。印刷層を形成するために用いる印刷インキの場合には、アクリル樹脂の含有量とセルロース樹脂の含有量は、重量比率でアクリル樹脂の含有量1に対しセルロース樹脂の含有量は0.9〜1.1の範囲とすることが望ましい。アクリル樹脂は密着性や耐摩耗性を向上させ、セルロース樹脂は耐熱性を向上させるよう機能するが、印刷インキとして用いる場合、セルロース樹脂の含有量比率が0.9未満では耐熱性が低下し、熱封緘時の熱と圧力によって印刷層が剥離または色落ちし易くなり、セルロース樹脂の含有量比率が1.1を超えると、アルミニウム箔との密着性が低下し熱封緘時の熱と圧力によって印刷層が剥離し易くなる。
耐熱被覆剤層を形成するために用いる耐熱被覆剤塗料の場合には、アクリル樹脂の含有量とセルロース樹脂の含有量は、重量比率でセルロース樹脂の含有量をアクリル樹脂の含有量より多くすることが望ましい。好ましくは、重量比率でアクリル樹脂の含有量1に対しセルロース樹脂の含有量は1.1〜2.0の範囲とする。さらに好ましくは1.2〜1.7の範囲とする。セルロース樹脂の含有量比率が1.1未満では耐熱性が低下し、熱封緘時の熱と圧力によって耐熱被覆剤層が剥離し易くなり、セルロース樹脂の含有量比率が2.0を超えると、アルミニウム箔との密着性が低下し熱封緘時の熱と圧力によって耐熱被覆剤層が剥離し易くなる。
印刷インキ、耐熱被覆剤塗料の製造方法について説明すると、本発明における耐熱被覆剤塗料および印刷インキの主原料は、アクリル樹脂とセルロース樹脂からなる樹脂組成物であり、その反応式を下記(化1)に示す。
Figure 0006045841
耐熱被覆剤塗料に使用する樹脂成分としては、比較的分子量の低いアクリル樹脂A(分子量:25000〜30000)とセルロース樹脂A(分子量:20000〜25000)、および比較的分子量の高いアクリル樹脂B(分子量:35000〜40000)とセルロース樹脂B(分子量:30000〜35000)が用いられる。まずアクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aを有機溶剤に溶解し、触媒および添加剤を加えて加熱しながら攪拌機のついた混合タンク等で混合して熱縮合を行い、中間体を得る。その後、中間体にアクリル樹脂Bとセルロース樹脂Bおよび添加剤を加え、有機溶剤に溶解させながら、攪拌機のついた混合タンク等で常温で混合することにより耐熱被覆剤塗料が製造される。
この場合、アクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aの混合比率は、重量比で、アクリル樹脂A:18〜22に対して、セルロース樹脂A:28〜32とするのが好ましく、アクリル樹脂Bとセルロース樹脂Bの混合比率は、アクリル樹脂B:18〜22に対して、セルロース樹脂B:28〜32とするのが好ましい。
樹脂の溶解に用いる有機溶剤としては、アクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aの混合においては、高沸点系の溶剤、例えばトルエン、N−ブタノール、シクロヘキサン、PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)等を用いるのが好ましい。一方、アクリル樹脂Bとセルロース樹脂Bの混合においては、低沸点系の溶剤、例えば酢酸エチル、MEK(メチルエチルケトン)、IPA(イソプロピルアルコール)等を用いるのが好ましい。
アクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aを、50〜110℃の範囲で加熱しながら混合、攪拌して熱縮合する。このとき架橋反応を促進するための触媒として、PTS(パトラトルエンスルホン酸)等の酸触媒が用いられる。また、必要に応じて、添加剤としてワックス等のスリップ剤や、艶消しのためのシリカ粉末を加えることができる。
印刷インキも耐熱被覆剤塗料と同様の方法で製造される。この場合のアクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aの混合比率は、重量比で、アクリル樹脂A:24〜26に対して、セルロース樹脂A:24〜26とするのが好ましく、アクリル樹脂Bとセルロース樹脂Bの混合比率は、アクリル樹脂B:24〜26に対して、セルロース樹脂B:24〜26とするのが好ましい。混合された樹脂に顔料及び添加剤を加え、ロールミル等により顔料を十分に分散させることによって製造される。顔料としては公知の無機顔料、有機顔料が用いられ、印刷インキ中の1〜30重量%に調整するのが好ましい。印刷インキの樹脂成分の一部を予め熱縮合する場合には、アクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aを、50〜110℃の範囲で加熱しながら混合、攪拌して熱縮合する。このとき架橋反応を促進するための触媒として、PTS(パトラトルエンスルホン酸)等の酸触媒を用いることもできる。
着色層形成用インキも、耐熱被覆剤塗料、印刷インキと同様の方法で製造される。この場合のアクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aの混合比率は、重量比で、アクリル樹脂A:24〜26に対して、セルロース樹脂A:24〜26とするのが好ましく、アクリル樹脂Bとセルロース樹脂Bの混合比率は、アクリル樹脂B:24〜26に対して、セルロース樹脂B:24〜26とするのが好ましい。着色層形成用インキの樹脂成分の一部を予め熱縮合する場合には、アクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aを、50〜110℃の範囲で加熱しながら混合、攪拌して熱縮合する。
本発明によるPTP包装用蓋材の製造について説明すると、前記のように製造された耐熱被覆剤塗料、印刷インキ、着色層形成用インキを有機溶剤で希釈して適度な粘度に調整し、グラビア印刷によって基材であるアルミニウム箔に塗工する。塗工後、熱風もしくは加熱ドラム上で乾燥処理を施すことによって耐熱被覆剤層、印刷層、着色層を形成する。耐熱被覆剤層13を形成するための耐熱被覆剤塗料の塗工量は、通常0.5〜3.0g/m程度が望ましい。また、耐熱被覆剤塗料および印刷インキの塗工時の乾燥条件としては150〜300℃で5〜20秒が好ましい。
耐熱被覆剤層13の反対面には、必要に応じて文字やデザインの印刷層12および着色層15を形成した後、熱封緘接着剤層14を形成する。熱封緘接着剤層14を形成するには使用する容器30の材質に応じて、例えば塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系等の樹脂を主成分とする熱封緘接着剤を塗工する。熱封緘接着剤層14を形成するための熱封緘接着剤の塗工量は、通常1〜10g/m程度が望ましい。また、熱封緘接着剤および印刷インキの塗工時の乾燥条件としては150〜300℃で5〜20秒が好ましい。反転式多色グラビア印刷機を使用すると、前記一連の塗工作業を全て同時に行うことができる。
上記のようにして得られた蓋材10は、図3に示すように、ポケットを備えた容器30に薬剤などの内容物40を入れた後、熱封緘接着剤層14を開口部側のフランジ面に熱封緘してPTP包装材20となる。
なお、本発明において使用するアルミニウム箔は、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔のいずれでもよく、含有される不純物は、JISで規定される範囲内であれば許容される。アルミニウム箔の厚さは10〜100μm程度が好ましい。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明し、その効果を実証する。なおこれらの実施例は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜4、比較例1〜6
アルミニウム箔として、JIS 1N30の硬質箔(厚さ17μm)を使用し、耐熱被覆剤塗料、印刷インキ、着色層形成用インキ、熱封緘接着剤として表1に示す塗剤1、2を用いて、以下の積層形態のアルミニウム箔・樹脂積層材を作製した。
積層形態1:耐熱被覆剤層/印刷層/アルミニウム箔/印刷層/熱封緘接着剤層
積層形態2:耐熱被覆剤層/印刷層/着色層/アルミニウム箔/印刷層/熱封緘接着剤層
実施例1〜4で用いる塗剤1はメラミンを含有しないもので、塗剤1の耐熱被覆剤塗料、印刷インキ、着色層形成用インキの樹脂成分は、前記のアクリル樹脂AおよびB、セルロース樹脂AおよびBであり、耐熱被覆剤塗料、印刷インキおよび着色層形成用インキの樹脂成分の混合比率は重量比で表2に示すとおりである。
比較例3〜4で用いる塗剤1の耐熱被覆剤塗料、印刷インキおよび着色層形成用インキの樹脂成分は、前記のアクリル樹脂AおよびB、セルロース樹脂AおよびBであり、耐熱被覆剤塗料、印刷インキおよび着色層形成用インキの樹脂成分の混合比率は重量比で表2に示すとおりである。比較例1〜2で用いる塗剤1の耐熱被覆剤塗料、印刷インキはアクリル樹脂B、セルロース樹脂Bのみからなるものである。なお、比較例5〜6で用いる塗剤2は、表1に示すように、メラミンを含有する従来のものとした。
実施例1〜4の耐熱被覆剤塗料と印刷インキについては、表2に示すように、予めアクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aを、90℃の温度に加熱しながら混合、攪拌して熱縮合し、熱縮合後、アクリル樹脂Bとセルロース樹脂Bを配合して混合樹脂とした。比較例1〜4においては、耐熱被覆剤塗料、印刷インキ、着色層形成用インキのいずれにも、樹脂成分について熱縮合を行わなかった。
反転式多色グラビア印刷機を使用して、前記の印刷インキ、耐熱被覆剤塗料をアルミニウム箔の片側に、印刷インキ、耐熱被覆剤塗料の順に塗工し、その反対面に印刷インキを塗工した。その後、3色グラビア印刷機を使用して、印刷インキにより形成した印刷層の上に熱封緘接着剤を塗工して積層形態1のアルミニウム箔・樹脂積層材を得た。
同様に反転式多色グラビア印刷機を使用して、前記の印刷インキ、耐熱被覆剤塗料、着色層形成用インキを、アルミニウム箔の片側に、着色層形成用インキ、印刷インキ、耐熱被覆剤塗料の順に塗工し、その反対面に印刷インキを塗工した。その後、3色グラビア印刷機を使用して、印刷インキにより形成した印刷層の上に熱封緘接着剤を塗工して積層形態2のアルミニウム箔・樹脂積層材を得た。
上記の塗工における乾燥条件はいずれも220℃で10秒間であった。また、印刷インキ、耐熱被覆剤塗料、熱封緘接着剤の乾燥後の塗布量はそれぞれ0.1g/m、1.1g/m、3.5g/m、着色層形成用インキの乾燥後の塗布量は0.1g/mであった。
以上の条件にて得られた積層形態1および積層形態2の蓋材の耐熱性およびホルムアルデヒドの定量を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
(1)耐熱性についてはCKD株式会社製PTP充填包装機FBP−M2を使用し、熱封緘温度200℃、220℃、240℃および260℃、圧力0.3MPa、スピード3m/分で碁盤目ロールシールを行い、耐熱被覆剤及び印刷インキが熱封緘ロールに付着しない場合を○(良好)、付着した場合を×(不良)とし、また印刷インキが色落ちしない場合を○(良好)、色落ちした場合を×(不良)とした。
(2)ホルムアルデヒドの定量については試料100mm×100mmを250mlの気密性容器に封入し、200℃×3分間加熱しホルムアルデヒドを発生させ、ガス検知管(株式会社ガステック社製 91Lまたは91LL)を用いて気密性容器内のホルムアルデヒド濃度(ppm)を測定した。
表2に示すように、本発明に従う実施例1〜4においては、ホルムアルデヒドが検出されず、耐熱性も良好であった。これに対して、メラミンを含有する塗剤2を用いた比較例5〜6はホルムアルデヒドが検出され、予めアクリル樹脂Aとセルロース樹脂Aを熱縮合しなかった比較例1〜4はいずれも耐熱性に劣っていた。総合判定において、耐熱性も良好で且つホルムアルデヒドも検出されなかったものは合格(○)、ホルムアルデヒドは検出されなかったが耐熱性が劣るもの、耐熱性は良好であったがホルムアルデヒドが検出されたものは、不合格(×)とした。
Figure 0006045841
Figure 0006045841
10 PTP包装用蓋材
11 アルミニウム箔
12 印刷層
13 耐熱被覆剤層
14 熱封緘接着剤層
15 着色層
20 PTP包装材
30 容器
40 内容物

Claims (5)

  1. アルミニウム箔の片面または両面に印刷層を設け、さらにその一方の側に耐熱被覆剤層、他方の側に熱封緘接着剤層を設けるPTP包装用蓋の製造方法であって、
    耐熱被覆剤層及び該印刷層のうちの少なくとも1層耐熱被覆剤塗料の樹脂成分または印刷インキの樹脂成分がアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂よりなり、混合樹脂の全重量の30〜70%を予め熱縮合し、熱縮合後、残りの混合樹脂を配合してなる耐熱被覆剤塗料または印刷インキを用いて形成することを特徴とするPTP包装用蓋材の製造方法
  2. 前記PTP包装用蓋材が、前記耐熱被覆剤層を設けた側のアルミニウム箔と印刷層との間に着色層が介挿されているPTP包装用蓋材であることを特徴とする請求項1記載のPTP包装用蓋材の製造方法
  3. 前記PTP包装用蓋材が、前記熱封緘接着剤層を設けた側のアルミニウム箔と印刷層との間に着色層が介挿されているPTP包装用蓋材であることを特徴とする請求項1記載のPTP包装用蓋材の製造方法
  4. 前記PTP包装用蓋材が、前記耐熱被覆剤層を設けた側および前記熱封緘接着剤層を設けた側のアルミニウム箔と印刷層との間に着色層が介挿されているPTP包装用蓋材であることを特徴とする請求項1記載のPTP包装用蓋材の製造方法
  5. 前記着色層を、着色層形成用インキの樹脂成分がアクリル樹脂とセルロース樹脂との混合樹脂よりなり、混合樹脂の全重量の30〜70%を予め熱縮合し、熱縮合後、残りの混合樹脂を配合してなる着色層形成用インキを用いて形成することを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載のPTP包装用蓋材の製造方法
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