本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラ1の概略を図1に示す。デジタルカメラ1は、例えば、レンズ交換式のカメラである。ただし、レンズ交換式に限る必要はなく、レンズが固定されたカメラにも本実施形態に係る技術は適用され得る。
レンズ交換式のデジタルカメラ1は、カメラ本体10と、レンズ20とを有する。ユーザは、カメラ本体10に好みのレンズ20を取り付けて撮影を行う。レンズ20は、被写体像を後述するカメラ本体10に設けられた撮像素子12bに導く。ここでは、レンズ20は、ズームレンズであるものとして説明を行う。レンズ20は、光路部26を有する。光路部26には、レンズ部26aと、絞り機構26bとが設けられている。レンズ部26aは、複数のレンズ要素の位置を移動させてズーム機能やピント調整機能を実現する。絞り機構26bは、絞りの開閉動作をすることで、撮像素子12bに導かれる光の量を調整する。
レンズ20は、光路部26等の動作を制御する制御部21を有する。また、レンズ20は、制御部21の制御下でレンズ部26aの動作を制御するレンズ制御部24と、制御部21の制御下で絞り機構26bの動作を制御する絞り制御部25とを備える。また、レンズ20は、レンズ特性や制御データやプログラム等を記録している記憶部27を有する。さらにレンズ20は、カメラ本体10と通信するための本体通信部22とを有する。制御部21は、記憶部27に記録された制御データやプログラム、本体通信部22を介して取得された各種制御パラメータに基づき、レンズ制御部24や絞り制御部25に指令を出力する。
また、レンズ20は、リング部23aを有する。リング部23aの回転動作等は、リング判定部23bで判定される。例えばズームリングであるリング部23aは、レンズ部26aとギアやカムを用いて機械的には連携していない。本実施形態のレンズ20では、リング判定部23bは、リング部23aの変位を取得し、制御部21にリング部23aの変位に係る情報を出力する。制御部21は、入力された情報に基づいてレンズ部26aの動作に係る指令をレンズ制御部24に出力する。レンズ制御部24は、例えば小型アクチュエータやメカトロニクス技術を用いた駆動機構によって、レンズ部26aのレンズを駆動させる。
一方、カメラ本体10は、各種信号を処理し、カメラ本体10の各部を制御する信号処理制御部11を有する。信号処理制御部11は、例えば集積回路を含む。また、カメラ本体10は、撮像素子12bを有する。撮像素子12bは、撮像動作をする。すなわち、撮像素子12bは、レンズ20から入射した被写体像を電気信号に変換し、画像信号を生成する。撮像素子12bは、生成した画像信号を信号処理制御部11に出力する。このように、光路部26及び撮像素子12bを含む部分によって、被写体像を撮像して画像を取得する撮像部12として機能する部位を形成する。信号処理制御部11は、後述するように、撮像制御部11aと画像処理部11bとを含む。撮像制御部11aは、撮像部12の動作を制御する。画像処理部11bは、撮像部12で取得された画像信号を処理し、例えば画像の表示や記録に必要な画像処理を行う。
カメラ本体10には、スイッチ等、ユーザの様々な操作による入力を受け取る操作部16が設けられている。操作部16は、ユーザの右手の人差し指が配置される位置に設けられたレリーズスイッチを含む。また、操作部16は、シャッタースピード、絞り、露出補正、感度設定、ピント位置等の撮影パラメータの変更が入力されるスイッチやダイヤルや十字キー等を含む。
カメラ本体10は、例えばその背面に表示部18を有している。表示部18は、例えば液晶表示パネルを含む。表示部18には、有機ELパネル等、他の表示用デバイスが用いられてもよい。表示部18上には、タッチパネル18bが設けられている。タッチパネル18bは、ユーザの指示の入力を受け取る。ユーザは、例えば表示部18に表示されたアイコンに対応する位置を触れることにより、デジタルカメラ1の操作を行うことができる。例えばタッチパネル18bは、注目被写体の入力や、ズーム動作の入力や、露光の調整の入力にも用いられ得る。ユーザによってタッチされたことによりタッチパネル18bが発生する信号は、信号処理制御部11に出力される。
カメラ本体10には、撮影して生成された画像データを記録するための記録部14が設けられている。この記録部14は、一般的な記録媒体として、カメラ本体10に対して取り外し可能に接続されている。
カメラ本体10は、顔検出部13を有する。顔検出部13は、撮像素子12bで取得された画像における顔の位置を特定する。顔検出部13は、検出した顔の位置を信号処理制御部11に出力する。また、カメラ本体10は、姿勢センサとしての加速度センサ17を有する。加速度センサ17は、デジタルカメラ1の姿勢、すなわち、例えば、デジタルカメラ1が横位置で構えられているか縦位置で構えられているかといった情報を信号処理制御部11に出力する。
また、カメラ本体10は、レンズ20の本体通信部22と通信するためのレンズ通信部15を有する。カメラ本体10からレンズ20へのレンズ20の動作の指示や、レンズ20からカメラ本体10へのレンズ20の状態に係る情報の転送等は、レンズ通信部15と本体通信部22とを介して行われる。また、カメラ本体10は、撮影した画像に撮影日時のデータを付加する等のため、時計19を有する。
信号処理制御部11は、撮像制御部11aと、画像処理部11bと、画像データ取得部11cと、水面判定部11dと、平均値算出部11fと、水しぶき検出部11gと、フレームレート変更部11hと、記憶部11iとを含む。撮像制御部11aは、前述のとおり撮像部12の動作を制御する。撮像制御部11aは、例えば後述の水しぶき検出部11gが水しぶきを検出したとき、撮像部12に撮像動作を行わせる。画像処理部11bは、撮像部12で取得された画像を処理し、表示部18に表示させるプレビュー画像を作成する。また、画像処理部11bは、例えば記録部14に記録する画像を作成する。また、画像処理部11bは、水しぶきに係る画像に対して、コントラストを強調したり、青色を強調したりする画像処理を行う。
画像データ取得部11cは、撮像部12で撮像された画像について、その画像の検出位置における例えばコントラストや明るさといった画像に関する情報を含む画像データを取得する。画像データ取得部11cは、画像データの経時変化を取得することができる。水面判定部11dは、周期性判定部11eを含む。周期性判定部11eは、画像データ取得部11cが取得した画像データのうち、周期的に変化している部分を特定する。水面判定部11dは、周期性判定部11eが特定した周期的に変化している画像データに係る情報と、画像データとに基づいて、当該画像に水面が含まれるか否か及び水面が含まれる場合その位置を特定する。
平均値算出部11fは、周期性判定部11eで特定された周期的に変化している画像データについて、その画像データの平均値を算出する。水しぶき検出部11gは、水面から上向きに現れる動体を検出し、その動体を水しぶきであると特定する。フレームレート変更部11hは、画像中に水面があると特定されたとき、プレビュー画像のフレームレートを変更する。
記憶部11iは、例えばROM及びRAMを含む。ROMは、例えば信号処理制御部11による制御に用いるプログラム等を記憶している。RAMであり、例えば信号処理制御部11による処理結果を一時的に記憶する。
本実施形態に係るデジタルカメラ1の動作について説明する。本実施形態に係るデジタルカメラ1は、水辺において水しぶきが上がっているときを特定して、水しぶきが上がっている場面を撮影することができる。デジタルカメラ1は、水しぶきが上がっている期間において連続撮影を行う水しぶき連写モードと、水しぶきが上がった瞬間を撮影する水しぶき撮影モードとを有する。これらモードは、ユーザによって選択され得る。また、これらのモードが選択されているときも、ユーザの意思によって撮影が行われ得る。
本実施形態に係るカメラ制御について、図2に示されるフローチャートを参照して説明する。ステップS101において、信号処理制御部11は、撮影モードであるか否かを判定する。撮影モードであると判定されたとき、処理はステップS102に進む。ステップS102において、信号処理制御部11は、レンズ20と通信を行い、レンズ20の駆動の指令及びレンズ20に係る情報の取得を行う。ステップS103において、信号処理制御部11は、スルー画表示を行わせる。すなわち、信号処理制御部11は、撮像部12で取得された画像に対して画像処理を施し、その画像を表示部18に表示させる。なお、このときのスルー画のフレームレートは、例えば30fpsである。
ステップS104において、信号処理制御部11は、水面判定処理を行う。水面判定処理について図3乃至図8を参照して説明する。本実施形態に係るデジタルカメラ1は、前述のとおり水しぶきが上がる場面で用いられる。デジタルカメラ1は、例えば、図3に示されるように子どもが風呂場ではしゃいでいる場面で用いられ得る。本実施形態では、例えば図4に示されるように、画像において水平方向にX軸を定義し、垂直方向にY軸を定義する。本実施形態では、水平方向にX1,X2,X3の3箇所が定義されており、垂直方向にY1,Y2,Y3の3箇所が定義されている。すなわち、図3に示されるような画像では、図5に示されるように座標が定義される。以降、この図を例に挙げて説明を行う。
X座標がX1である垂直線上におけるY座標と画像データとの関係を図6Aに示す。ここで、画像データとしては、例えばコントラストや明るさが用いられ得る。図6Aにおいて、Y11は(X1,Y1)の位置を示し、Y12は(X1,Y2)の位置を示し、Y13は(X1,Y3)の位置を示す。また、図6Aにおいて、実線L11は、時刻T1におけるY座標と画像データとの関係を示し、破線L12は、時刻T2におけるY座標と画像データとの関係を示し、一点鎖線L13は、時刻T3におけるY座標と画像データとの関係を示す。図5に示されるように、画像において(X1,Y1)の近傍は水面を表すので、水面の揺らぎのため、図6Aに示されるように、Y11の近傍の画像データは、周期的に変化する。すなわち、Y11における時間と画像データとの関係は、例えば図7Aに示されるようになる。
一方、図5に示されるように、画像における(X1,Y2)の近傍は子どもの体を表すので、図6Aに示されるように、Y12の近傍の画像データは、あまり変化しない。すなわち、Y12における時間と画像データとの関係は、例えば図7Bに示されるようになる。また、図5に示されるように、画像における(X1,Y3)の近傍は子どもの顔を表すので、子どもの顔の動きに応じて、図6Aに示されるようにY13の近傍の画像データはランダムに変化する。すなわち、Y13における時間と画像データとの関係は、例えば図7Cに示されるようになる。
X座標がX2である垂直線上におけるY座標と画像データとの関係を図6Bに示す。図6Bにおいて、Y21は(X2,Y1)の位置を示し、Y22は(X2,Y2)の位置を示し、Y23は(X2,Y3)の位置を示す。また、図6Bにおいて、実線L21は、時刻T1におけるY座標と画像データとの関係を示し、破線L22は、時刻T2におけるY座標と画像データとの関係を示し、一点鎖線L23は、時刻T3におけるY座標と画像データとの関係を示す。図5に示されるように、画像における(X2,Y1)の近傍は水面を表すので、水面の揺らぎのため、図6Bに示されるように、Y21の近傍の画像データは、周期的に変化する。Y21における時間と画像データとの関係は、例えば図7Aと同様になる。
図5に示されるように、画像における(X2,Y2)の近傍は水面を表すので、図6Bに示されるように、水面の揺らぎのため、Y22の近傍の画像データは、周期的に変化する。図5に示されるように(X2,Y2)において水しぶきが上がっている。このように水しぶきが上がるとき、図6Bに示されるように、水面から上向きに移動する動体を表す画像データが検出される。なお、1点における画像データの経時変化に注目すると、水しぶきが上がるときに対応して、画像データは不規則に変化する。すなわち、Y22における時間と画像データとの関係は、例えば図7Dに示されるようになる。本実施形態では、このような、水面から上向きの動体を表す画像データの変化に基づいて、水しぶきが上がったことを検出する。
また、図5に示されるように、画像における(X2,Y3)の近傍は壁を表すので、図6Bに示されるように、Y23の近傍の画像データは、変化しない。Y23における時間と画像データとの関係は、例えば図7Bと同様になる。
X座標がX3である垂直線上におけるY座標と画像データとの関係を図6Cに示す。図6Cにおいて、Y31は(X3,Y1)の位置を示し、Y32は(X3,Y2)の位置を示し、Y33は(X3,Y3)の位置を示す。また、図6Cにおいて、実線L31は、時刻T1におけるY座標と画像データとの関係を示し、破線L32は、時刻T2におけるY座標と画像データとの関係を示し、一点鎖線L33は、時刻T3におけるY座標と画像データとの関係を示す。図5に示されるように、画像における(X3,Y1)の近傍は水面を表すので、水面の揺らぎのため、図6Cに示されるように、Y31の近傍の画像データは、周期的に変化する。Y31における時間と画像データとの関係は、例えば図7Aと同様になる。
図5に示されるように、画像における(X3,Y2)の近傍はバスタブを表し、(X3,Y3)の近傍は壁を表すので、図6Cに示されるように、Y32及びY33の近傍の画像データは、変化しない。Y32及びY33における時間と画像データとの関係は、例えば図7Bと同様になる。
以上のような画像における座標と時刻とに対する画像データの変化と、水面は水平方向に広がっていることとから、例えば上記の例では、特にY座標がY1の位置((X1,Y1)(X2,Y1)(X3,Y1))に水面があるということが特定され得る。また、図6Bや図7Dに示すようなデータから、水しぶきがいつどこで発生したかが特定され得る。本実施形態では、上述のように、画像データの時間変化に基づいて、水面の特定が行われる。
ステップS104において行われる本実施形態に係る水面判定処理について、図8に示されるフローチャートを参照して説明する。水面判定処理は、例えばプレビュー画像として取得された画像に対して行われる。ステップS201において、信号処理制御部11は、検出位置であるY11と、Y12と、Y13と、Y21と、Y22と、Y23と、Y31と、Y32と、Y33とに係る画像データの時間変化を取得する。ここで画像データとして、例えばコントラスト値が用いられる。ステップS202において、信号処理制御部11は、Y11と、Y12と、Y13と、Y21と、Y22と、Y23と、Y31と、Y32と、Y33とのうち、画像データの変化が大きい位置を検出する。この画像データの変化が大きい位置には、水面も含まれるし、上記の例におけるY13のように、例えば人が動いている部分も含まれ得る。
ステップS203において、信号処理制御部11は、Y11と、Y12と、Y13と、Y21と、Y22と、Y23と、Y31と、Y32と、Y33とのうち何れかの画像データが周期的に変化しているか否かを判定する。周期的に変化していると判定されたとき、処理はステップS204に進む。ステップS204において、信号処理制御部11は、Y11と、Y12と、Y13と、Y21と、Y22と、Y23と、Y31と、Y32と、Y33とに基づいて、画像データが周期的に変化している座標を特定する。この画像データが周期的に変化している位置は、水面が揺らいでいる位置、すなわち水面の位置と考えられる。そこで、信号処理制御部11は、特定された画像データが周期的に変化している座標に基づいて、水面位置を特定する。この際、水面は水平方向に広がっていることも利用する。ステップS205において、信号処理制御部11は、周期的に変化している座標に係る画像データの平均値を算出する。その後、水面判定処理は終了し、図2を参照して説明しているメインフローに戻る。
ステップS203の判定において、何れも周期的に変化していないと判定されたとき、処理はステップS206に進む。ステップS206において、信号処理制御部11は、水面が特定されなかった旨の決定を行う。その後、水面判定処理は終了し、図2を参照して説明しているメインフローに戻る。
図2に戻って説明を続ける。水面判定処理に続いて、ステップS105において、信号処理制御部11は、画像中に水面があると特定されたか否かを判定する。水面があると判定されたとき、処理はステップS111に進む。ステップS111において、信号処理制御部11は、フレームレートを上昇させる。フレームレートを上昇させるのは、水の動きを高速で捉えるためである。フレームレートは、例えば240fpsに設定される。
ステップS112において、信号処理制御部11は、水しぶき連写モードが選択されているか否かを判定する。水しぶき連写モードが選択されているとき、処理はステップS113に進む。ステップS113において、信号処理制御部11は、水面があると特定された位置を通る垂直方向の各位置について画像データを、時間経過に従って取得する。すなわち、信号処理制御部11は、例えば図6A乃至図6Cに示されるような情報を取得する。信号処理制御部11は、取得された情報に基づいて、水面から上方向へ動く動体が検出されたか否かを判定する。上方向への動体が検出されなかったとき、処理はステップS115に進む。一方、上方向への動体が検出されたとき、処理はステップS114に進む。ここで、水面から上方向へ動く動体は水しぶきと推定される。ステップS114において、信号処理制御部11は、連続撮影を開始させる。この連続撮影は、例えば水が跳ね上がってから落下するまで、例えば2秒間続けられる。その後、処理はステップS115に進む。なお、「水しぶき連写モード」は、常に選択されていてもよいし、レリーズボタンの半押しなどで選択されてもよいし、水辺であることが画像や音声や撮影位置などで判定されることで自動的に選択されてもよい。
ステップS115において、信号処理制御部11は、操作部16のレリーズボタンが押圧される等の撮影操作が行われたか否かを判定する。撮影操作が行われていないと判定されたとき、処理はステップS131に進み、信号処理制御部11は、連続撮影された画像について後述の画質調整と記録を行う。一方、撮影操作が行われたと判定されたとき、処理はステップS116に進む。ステップS116において、信号処理制御部11は、撮影動作を行う。すなわち、連続撮影中であっても、撮影者の撮影操作を優先させて撮影動作を行う。撮影動作において、信号処理制御部11は、撮像部12に画像の取得を行わせる。信号処理制御部11は、撮像された画像のデータを撮像部12から取得する。その後処理はステップS131に進み、信号処理制御部11は、連続撮影された画像と撮影者の撮影操作によって撮影された画像とについて、後述の画質調整と記録とを行う。
ステップS112の判定において、水しぶき連写モードでないと判定されたとき、処理はステップS121に進む。ステップS121において、信号処理制御部11は、水しぶき撮影モードが選択されているか否かを判定する。水しぶき撮影モードが選択されていないと判定されたとき、処理はステップS125に進む。一方、水しぶき撮影モードが選択されていると判定されたとき、処理はステップS122に進む。
ステップS122において、信号処理制御部11は、水面から上方向へ動体が検出されたか否かを判定する。上方向への動体が検出されなかったとき、処理はステップS125に進む。一方、上方向への動体が検出されたとき、処理はステップS123に進む。ここで、上方向への動体は水しぶきと推定される。
ステップS123において、信号処理制御部11は、水面から上方向への動体の変化が、周期的変化の平均値よりも所定量以上大きいか否かを判定する。平均値よりも所定量以上大きくないと判定されたとき、処理はステップS125に進む。一方、平均値よりも所定量以上大きいと判定されたとき、処理はステップS124に進む。周期的変化よりも所定量以上大きいときをデジタルカメラ1はシャッタチャンスとする。周期的変化の平均値が用いられることで、水しぶきが上がっていない状態と、水しぶきが上がっている状態とが判別され得る。
ステップS124において、信号処理制御部11は、撮影動作を行わせる。すなわち、信号処理制御部11は、撮像部12に画像の取得を行わせる。信号処理制御部11は、撮像された画像のデータを撮像部12から取得する。その後処理はステップS131に進み、撮影された画像について後述の画質調整と記録とを行う。
ステップS125において、信号処理制御部11は、撮影操作が行われたか否かを判定する。撮影操作が行われたと判定されたとき、処理はステップS124に進む。すなわち、水しぶき撮影モードであるか否かに関わらず、撮影者の撮影操作があったときは、その撮影操作に従って優先的に撮影動作を行う。一方、撮影操作が行われていないと判定されたとき、処理はステップS101に戻る。
ステップS131において、信号処理制御部11は、撮影された画像について、一般的な画像処理に加えて、画質の調整を行う。水に係る写真であるので、例えば、コントラストを上げ、さらに青色を強調する等の、水の雰囲気をよく表す画像にするための所定の処理を行う。これらの画質調整は、予め定義されていてもよいし、撮影者の設定によって定義されるようにしてもよい。ステップS132において、信号処理制御部11は、画質調整が施された画像について、記録部14に記録させる。ステップS133において、信号処理制御部11は、記録部14に記録される画像を表示部18にレックビュー表示させる。その後、処理はステップS101に戻る。
ステップS105の判定において、水面がないと判定されたとき、処理はステップS141に進む。すなわち、ステップS141に進むのは、撮影場面が水に係る場面でないと判定されたときである。ステップS141において、信号処理制御部11は、撮影操作が行われたか否かを判定する。撮影操作が行われていないと判定されたとき、処理はステップS101に戻る。一方、撮影操作が行われたと判定されたとき、処理はステップS142に進む。ステップS142において、信号処理制御部11は、撮影動作を行う。すなわち、信号処理制御部11は、撮像部12に画像の取得を行わせる。信号処理制御部11は、撮像された画像のデータを撮像部12から取得する。ステップS143において、信号処理制御部11は、取得された画像に一般的な画像処理を施し、処理後の画像を記録部14に記録させる。ステップS144において、信号処理制御部11は、記録部14に記録される画像を表示部18にレックビュー表示させる。その後、処理はステップS101に戻る。
ステップS101において撮影モードでないと判定されたとき、処理はステップS151に進む。ステップS151において、信号処理制御部11は、再生モードであるか否かを判定する。再生モードでないと判定されたとき、処理はステップS101に戻る。ステップS101に戻る前に、撮影者がモード設定その他の設定等を行うための処理が行われてもよい。一方、ステップS151において再生モードであると判定されたとき、処理はステップS152に進む。ステップS152において、信号処理制御部11は、再生モード処理を行う。再生モード処理について、図9を参照して説明する。
ステップS301において、信号処理制御部11は、表示部18にファイルの一覧表示を行わせる。ステップS302において、信号処理制御部11は、ファイルが選択されたか否かを判定する。ファイルが選択されたと判定されたとき、処理はステップS303に進む。ステップS303において、信号処理制御部11は、選択されたファイルを再生し、表示部18に表示させる。ステップS304において、信号処理制御部11は、再生終了の入力が成されたか否かを判定する。再生終了の入力は、撮影者によってされてもよいし、所定の時間が経過した場合になされてもよい。再生終了の入力がなされたとき、処理はステップS301に戻る。一方、再生終了の入力がなされていないとき、処理はステップS303に戻る。
ステップS302においてファイル選択がされていないと判定されたとき、処理はステップS305に進む。ステップS305において、信号処理制御部11は、再生モード終了の入力がなされたか否かを判定する。再生モード終了の入力がなされていないと判定されたとき、処理はステップS301に戻る。一方、再生モード終了の入力がなされたと判定されたとき、再生モード処理は終了し、処理は図2を参照して説明しいているメインフローに戻る。
以上のように、本実施形態では、デジタルカメラ1は、プレビュー画像の例えばコントラストや明るさといった画像データの変化に基づいて、当該画像における水面を特定することができる。さらに、デジタルカメラ1は、特定した水面から水しぶきが上がる場面を検出することができる。デジタルカメラ1は、この検出した水しぶきが上がる場面に基づいて、撮影タイミングを決定し、撮影動作を行う。本実施形態によれば、水しぶきが上がった瞬間という特別な瞬間を、撮影者が特別な技術や経験を有していなくても容易に撮影することができる。
本実施形態に係るデジタルカメラ1は、当然に例えば図10に示されるように海や川等の屋外でも使用され得る。屋外においては、ステップS131における画質調整をより水辺らしく、例えばコントラストがより強調されるように、画質調整が行われてもよい。水しぶきが上がった瞬間が撮影され、適切に画質調整が行われることで、水辺らしい雰囲気の画像が容易に撮影され得る。
なお、デジタルカメラ1は、加速度センサ17を備えている。水面判定処理では、加速度センサ17の出力が用いられる。すなわち、水面は水平方向(X軸と平行)に広がっている。信号処理制御部11は、加速度センサ17の出力に基づいて、デジタルカメラ1の姿勢、例えばデジタルカメラ1が横位置で構えられているか縦位置で構えられているかを判定する。信号処理制御部11は、デジタルカメラ1の姿勢に応じて、取得された画像におけるX軸とY軸との方向を設定する。このように、加速度センサ17の出力が用いられることで、デジタルカメラ1の構えられ方によらず、信号処理制御部11は、水面の位置を特定することができる。
また、デジタルカメラ1は、顔検出部13を備えており、顔検出結果が水面検出に用いられてもよい。すなわち、被写体の顔は水面よりも上に出ていると考えられるので、被写体と関係する水面は、検出された顔よりも下側にあるのが一般的である。そこで、水面判定処理においては、検出された顔よりも下側の検出位置についてのみ、画像データの解析が行われるように構成されてもよい。このように、画像データの解析が行われる点が削減されることで、演算量が減少し、処理速度が向上する。
本実施形態では、水面判定処理において、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ3箇所、合計9点の画像データを取得して水面を特定する場合を例に挙げて説明を行った。この検出位置の数はいくつでもよく、検出位置がいくつでも、上述の例と同様に動作し、同様に機能する。この検出位置の点数が多い程、水しぶきを検出する精度は向上するが、一方で演算量は増加する。なお、水面の広がりが特定されるためには、複数の点が必要である。
図2やその他の図を参照して説明した処理やその順序は、上述の説明に限定されず、矛盾しない範囲で、処理を増やしたり減らしたり、処理の順序を入れ替えたり等、適宜変更され得る。また、上述の実施形態では、デジタルカメラを例に挙げて説明を行ったが、ここに示した技術は、カメラ機能付きのスマートフォン等、種々の撮像装置に適用され得る。
本実施形態では、静止画を撮影する場合を例に挙げて説明したが、動画から、水しぶきが上がる場面を抽出することに用いてもよい。すなわち、動画における水面位置が特定され、その水面から上昇する動体が検出されたコマを、水しぶきが上がった瞬間として抽出されてもよい。この場合、例えば本実施形態に係る動作は、例えば撮像装置に限らず、動画データが入力された画像処理装置で行われもよい。本発明は、このような画像処理装置を構成するプログラムを含む。