JP6045213B2 - 踏切障害物検知装置 - Google Patents

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Description

この発明は、踏切道に存在する自動車等の障害物を検知する踏切障害物検知装置に関し、特に装置に何らかの異常が発生した場合でも装置全体を安全側に動作させるフェールセーフ性を実現する技術に係るものである。
このような踏切障害物検知装置としては、これまで各種の方式が開発され、実用化されている。その主なものとしては、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)が発する近赤外領域の光線を投受光器間で踏切道内に張り巡らし、自動車等の障害物によりこの光線が一定時間遮断されたことを検知する光電式や、踏切道の舗装内にループ状の電線(コイル)を埋め込んで発振回路の一部とし、そこへ自動車等の金属物が接近することによりインダクタンスが変化することを捉えて障害物を検知するループコイル式などがある。
また、この他にも、計測範囲においてパルスレーザ光を2次元方向にスキャンさせることにより、各点の3次元座標値を計測し、点の集合として障害物の位置及び形状を求める3次元レーザレーダ(3DLR)式や、赤外線の代わりにミリ波領域の電波を利用し、踏切道全面を電波ビームで覆うことにより、小型自動車等のより小さな障害物の検知が可能なミリ波式なども実用化されている(非特許文献1参照)。
ところで、このような踏切障害物検知装置においては、踏切道内の安全を確保するために、いわゆる「フェールセーフ性」が要求される。「フェールセーフ性」とは、仮に踏切障害物検知装置に何らかの故障が発生した場合でも、装置全体を安全側に動作させることであり、踏切障害物検知装置における安全側とは「障害物あり」の状態で、例えば故障発生時には障害物検知装置からの出力を「障害物あり」の状態に遷移させることである。「障害物あり」を出力することにより、説明は省略するが、別途の装置により停止信号を現示し、踏切道に接近してくる列車を停止させる。
このようなフェールセーフ性を備えたレーザダイオード型の踏切障害物検知装置について、その一般的な構成例を図3に示す。
図3に示す踏切障害物検知装置20は、近赤外線領域のパルスレーザダイオードを光源とし、フェールセーフマイコンにより障害物検知の制御及び処理を行うもので、主に前記光源を備えて踏切道Tの障害物検知エリアに障害物検知用のレーザ光を発光する発光器21と、この発光器21と踏切道Tを挟んで対向する位置に設置され、発光器21から発光されたレーザ光を受光する受光器22と、これら全体の制御及び障害物検知を行う制御器23と、を備えている。制御器23は、この踏切道Tの障害物検知エリアにおいて、発光器21から受光器22へ向かって発光されたレーザ光が自動車などの障害物によって一定時間遮断されたと判断すると、踏切道Tに障害物が存在するとして所定の警報を出力する。
図3では、発光器21、受光器22は1組のみ記載しているが、光線を踏切道Tの検知エリア全体に張り巡らすために、複数組の発光器、受光器が必要である。
図4は、発光器21、受光器22をはじめとする踏切障害物検知装置20の概略構成例を示すブロック図である。
発光器21は、導波路形の2分岐光ファイバを使用して二重系で構成された図示省略の1系発光ユニット及び2系発光ユニットを備えており、それぞれの系において位相が180度ずれたビームを生成する。そして、列車が警報制御区間に進入したのを機に、これら位相のずれたビームを1本の光ファイバに導き、これを障害物検知用のレーザ光として受光器22へ向けて発光する。
一方、発光器21からレーザ光を受光した受光器22も、発光器21と同様に2分岐光ファイバを使用して二重系で構成された図示省略の1系受光ユニット及び2系受光ユニットを備えており、1枚のレンズで受光したレーザ光のうち1系・2系に相当する分がそれぞれの受光ユニットへ導かれ、レーザパルスに同期した電気信号へ変換(光電変換)された後、入出力ポート24へ送られる。
入出力ポート24には、上記のように受光したレーザ光の1系相当を処理する1系処理部25と、2系相当を処理する2系処理部26とがそれぞれ接続されている。これら各処理部25,26は、ともにマイクロコンピュータなどで構成され、それぞれから出力されるデータバス、アドレスバスは照合機構27に取り込まれており、この照合機構27において、各処理部25,26から送信されたデータの比較・照合を行う。この照合機構27は、説明は省略するが、照合機構自体がフェールセーフな構成になっていて、データの比較・照合は確実に行なわれる。
また、これら各処理部25,26及び照合機構27には、同期回路28から同期信号tが継続的に供給され、これにより照合機構27では、各バス上に流れるビット単位のデータをも同期を取りながら照合することが可能となっている。
このような構成において、照合機構27は、1系処理部25及び2系処理部26から送信された各系のデータの比較・照合を行う。この照合結果が一致していれば、1系処理部25及び2系処理部26とも正常に動作、機能しているものとして照合機構27はシステムRリレーを励磁状態に維持する。また、1系処理部25も、出力部29を経由して障害物検知ERリレーを励磁状態に維持し、最終的に「障害物なし」が出力される。
一方、仮に1系処理部25が何らかの原因で故障したり暴走した場合、照合機構27による照合結果は不一致となるが、このとき照合機構27は、システムRリレーを無励磁状態に遷移させる。そして、出力部29と障害物検知ERリレーとの間に配置されているシステムRリレーの励磁接点が切り離される(OFF)ことにより、障害物検知ERリレーは、故障した1系処理部25の動作にかかわらず、常に「障害物あり」を示す無励磁状態に遷移する。
このようにして、万が一いずれかの処理部が故障した場合でも、踏切障害物検知装置20全体としては「障害物あり」の状態すなわち安全側に遷移することとなり、装置全体としてのフェールセーフ性が確保されている。
「JRと民鉄の装置を網羅した踏切保安装置 詳説」 社団法人 日本鉄道電気技術協会 平成19年5月
ところで、この制御器23は、上述のように異なる系の信号を処理する2つの処理部25,26や、これら各処理部の処理内容を照合する照合機構27、さらにはこれら各部に同期信号を送る同期回路28などを有し、踏切障害物検知装置全体としてのフェールセーフ性を確保する必要があることから、その構成はきわめて繊細で、かつ大掛かりなものとならざるを得ない。また、このような理由から、制御器23をはじめとする踏切障害物検知装置20は汎用性に乏しい専用品となり、かつ製作コストも高くなるため量産しにくいという課題もあった。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、汎用性及び量産性の高い物体検知装置を用いて、かつその汎用性を維持しつつ安価な構成でフェールセーフ性を実現することのできる踏切障害物検知装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、踏切道に存在する障害物を検知する踏切障害物検知装置であって、前記踏切道における障害物の有無を検知するセンシング機能を有する2台の物体検知センサと、前記各物体検知センサから送信される障害物の有無情報を相互に照合し、照合結果が不一致となる場合には「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させるフェールセーフな照合機構と、を備え、前記各物体検知センサ及び照合機構には、GPSから送られる時刻情報を取得するための別々のGPSアンテナ及びGPS受信機がそれぞれ接続され、前記各物体検知センサが障害物を検知する検知エリアの少なくとも一箇所に、基準標が設置されるとともに、各物体検知センサから見た検知エリアにおける該基準標の座標位置が、物体検知センサごとの初期値として予め記憶され、前記照合機構は、各物体検知センサから送信される基準標の座標位置と、各物体検知センサに対応して予め記憶されている基準標の座標位置の初期値との差を算出し、その差がいずれか一つでも所定範囲にないとき、「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させるとともに、前記GPSアンテナ及びGPS受信機を介して取得した時刻情報と、前記各物体検知センサから障害物の有無情報とともに送信される時刻情報とに基づき、前記照合処理の同期を取るようになっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の踏切障害物検知装置において、前記照合機構が、各物体検知センサから送信される時刻情報を照合対象の情報としても利用し、各物体検知センサから送信された時刻情報の照合結果が不一致となる場合には、「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の踏切障害物検知装置において、前記基準標は、各物体検知センサから発光されるレーザ光を反射する反射面を有するとともに、各物体検知センサから発光されたレーザ光の該反射面による反射光のレベルが、物体検知センサごとの初期値として予め記憶され、照合機構は、各物体検知センサから送信される反射光のレベルと、各物体検知センサに対応して予め記憶されている反射光のレベルの初期値との差を算出し、その差がいずれか一つでも所定範囲にないとき、「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の踏切障害物検知装置において、前記各物体検知センサが、自動車搭載用の物体検知センサ、あるいは不法侵入者を検知する防犯用の物体検知センサで構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の踏切障害物検知装置において、前記2台の物体検知センサと、照合機構とを一組の検知ユニットとして構成するとともに、該検知ユニットを複数組備えることを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、GPSアンテナ及びGPS受信機を介して取得される時刻情報を、各物体検知センサと照合機構との間でのいわゆる同期信号として利用することで、特別な同期回路などを使用することなく、各物体検知センサ及び照合機構の間で簡単かつ安価に処理の同期を取ることができ、踏切障害物検知装置としてのフェールセーフ性も実現することができる。
また、このようにGPSから取得される時刻情報を同期信号として用いることにより、これら各物体検知センサと照合機構との結びつきがいわゆる疎結合となり、この点で各物体検知センサとしての汎用性も維持される。
さらに、障害物の検知エリアに設置された基準標の座標位置の初期値と、各物体検知センサから見た現時点での基準標の座標位置との差に基づく判断を行うことで、物体検知センサの設置位置や設置角度のずれたこと、このずれにより結果として検知エリアがずれるが、このずれを検知することができ、装置全体としてのフェールセーフ性をより向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、各物体検知センサから送信される時刻情報を、同期信号としてのみならず、照合対象の情報としても利用することで、時刻情報に基づく踏切障害物検知装置の健全性を確保することができ、装置全体としてのフェールセーフ性をより向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、基準標の反射面により反射された反射光のレベルの初期値と、各物体検知センサから送信される反射光のレベルとの差に基づく判断を行うことで、発光されるレーザ光のレベル低下などを検知することができ、装置全体としてのフェールセーフ性をより向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、各物体検知センサを自動車搭載用の物体検知センサ、あるいは不法侵入者を検知する防犯用の物体検知センサなど汎用性及び量産性の高いもので構成することで、導入コストの低減が可能となり、踏切障害物検知装置としての量産効果が期待できる。
請求項に記載の発明によれば、2台の物体検知センサと、照合機構とから構成される検知ユニットを複数組備えることで、複複線などの検知エリアの広い踏切道であっても確実に障害物の検知を行うことができる。

この発明の実施例に係る踏切障害物検知装置の構成例を示すブロック図である。 同上の照合機構により実行される照合処理のフローチャートである。 従来の踏切障害物検知装置の一般的な配置例を示す説明図である。 従来の踏切障害物検知装置の構成例を示すブロック図である。
この発明の実施例に係る踏切障害物検知装置では、踏切道内に取り残された障害物を検知するための手段として、物体のセンシング機能を有する物体検知センサを2台使用する。この物体検知センサとしては、例えば自動車産業において衝突防止や道路横断者検知などの用途で実用化されている物体検知センサ、あるいは不法侵入者を検知する防犯用の物体検知センサを用いることができる。
一方、踏切障害物検知装置としてのフェールセーフ性を実現するために、これら物体検知センサとは独立した制御器を設け、この制御器内に収容された、説明は省略するがそれ自体がフェールセーフな構成である照合機構において、それぞれの物体検知センサから送信される障害物の有無などの情報を比較・照合する。この照合結果が不一致となる場合には「障害物あり」を出力することにより、踏切障害物検知装置全体としてのフェールセーフ性を実現している。
また、上記の比較・照合に際して、各物体検知センサ及び照合機構の間での処理の簡易同期を取るために、各センサ及び照合機構には、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)から送信される時刻情報を取得するためのGPSアンテナ及びGPS受信機が接続され、これにより取得される時刻情報が同期信号として利用される。
以下、図面を参照しながら、この発明の踏切障害物検知装置に係る具体的な構成について説明する。
図1において、1は踏切障害物検知装置であり、この踏切障害物検知装置1は、踏切道内に取り残された自動車等の障害物を検知する2台の物体検知センサ2,2と、これら物体検知センサ2,2とメタルケーブルなどで有線接続され、各センサ2,2から送信される情報を集約し、照合を行う照合機構6などが収容される制御器3と、を備えている。
物体検知センサ2,2は、主にその前方における物体の有無を検知するセンシング機能を有し、物体検知のためのレーザ光を発光してその反射光を受光するセンサ部4と、このセンサ部4が受光した反射光の周波数やレベル(強度)の変化などを解析して、センサ2,2の前方に物体が存在しているか否かを判別するマイクロコンピュータなどの処理部5と、を備えている。
この物体検知センサ2,2は、踏切道において物体(障害物)の存在を検知すべき検知エリアにそのセンサ部4を向けてそれぞれ配置される。その際には、従来の発光器及び受光器のように必ずしも2台が対向して配置される必要はなく、それぞれが検知エリアに対向して配置されていればよい。また、ここでは物体検知センサ2,2は、センサ部4と処理部5が一体として構成されているが、これらは個別の要素として構成され、相互に接続されているものでもよい。
上記物体検知センサ2,2が物体を検知する検知エリアの任意の箇所には、基準標Sが少なくとも1つ設置されている。この基準標Sは、物体検知センサ2,2のセンサ部4から発光されたレーザ光を反射する、いわゆる反射板としての機能を有し、各センサ2,2では、その反射光のレベル(強度)の減衰などを確認することができる。
また、基準標Sは、物体検知センサ2,2の設置位置や設置角度などが正常であることを確認する手段としても用いられる。すなわち、基準標Sは、検知エリアにおける位置情報の基準点としても機能し、この基準点の検知エリアにおける座標情報が、後述する照合機構6に初期値として予め登録される。そして、この初期値と、物体検知センサ2,2が逐次取得した基準標Sの座標値との差を照合機構6において算出することにより、物体検知センサ2,2の設置位置や設置角度が何らかの原因でずれたりしていないかを確認することができる。
なお、物体検知センサ2,2は、その設置箇所がそれぞれ異なるため、それぞれの設置箇所から見た基準標Sの座標情報も異なる。したがって、基準標Sを最初に設置した際に、それぞれの物体検知センサから見た基準標Sの座標情報をセンサ毎の初期値として記憶しておき、その値との差をそれぞれ算出するようにするのが望ましい。また、それぞれの物体検知センサから発光されたレーザ光が、どのくらいのレベル(強度)で反射されるかを、反射光のレベルの初期値としてセンサ毎に同様に記憶しておくのが望ましい。また、基準標Sは、検知エリア内の線路脇など、列車の運行に支障のない場所に設置されるのが望ましい。
制御器3は、各物体検知センサ2,2から送信される物体(障害物)の有無などに関する情報を集約し、これらの情報に基づいて出力すべき警報などを制御するもので、各物体検知センサ2,2から受信した各種情報を所定の条件に基づき比較・照合する照合機構6と、この照合機構6による照合結果、及び予め設定された警報条件やマスク条件に基づき、「障害物あり」などの状態を示す障害物検知ERリレーを制御出力する論理・入出力部7とを備えて構成されている。
「障害物なし」の場合には、障害物検知ERリレーを励磁に制御し、一方「障害物あり」の場合には、障害物検知ERリレーを無励磁に制御出力する。
このうち、照合機構6は、2台の物体検知センサ2,2からそれぞれ受信した物体(障害物)の有無などの情報(以下、照合対象情報とする)を比較・照合し、その照合結果が何らかの原因で不一致となる場合には、「システム異常」を示す信号を論理・入出力部7へ送信する。論理・入出力部7は、この受信した信号により、実際の障害物の有無、及び警報条件・マスク条件とは無関係に「障害物あり」を示す障害物検知ERリレーを出力する。具体的には、障害物検知ERリレーを無励磁に制御出力する。
すなわち、照合機構6は、それぞれの物体検知センサ2,2から送信される照合対象情報を比較・照合した結果が不一致となった場合には、実際の障害物の有無にかかわらず「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させることにより、装置全体としてのフェールセーフ性を確保している。
なお、これら2台の物体検知センサ2,2と、各センサから送信される照合対象情報を比較・照合する照合機構6とは、一組の検知ユニットとして構成されている。また、かかる構成を有する検知ユニットは、検知エリアの拡大などに応じて複数組設けることも可能であり、その場合には、複複線などの検知エリアの比較的広い踏切道においても、確実に障害物の検知を行うことができる。なお、この照合機構6による比較・照合処理の詳細については後述する。
また、各物体検知センサ2,2及び制御器3には、GPSから送信される時刻情報を取得するためのGPSアンテナ及びGPS受信機8が接続されている。このGPSアンテナ・GPS受信機8を介して取得される時刻情報は、2台の物体検知センサ2,2と制御器3内の照合機構6との間においてラフな同期を取るために使用されるもので、この3者で共通に取得される時刻情報をいわゆる同期信号として用いることにより、照合対象情報の送受信や比較・照合処理において簡単な同期を取ることができる。
また、このように、3者に共通してGPSから取得される時刻情報を同期信号として用いることにより、これら3者間の結びつきは比較的緩やかで、かつ独立性の高いいわゆる疎結合となり、この点で物体検知センサ2,2及び制御器3の汎用性が維持される。
なお、このGPSアンテナ・GPS受信機8としては、少なくとも上記のようにGPSからの時刻情報を取得できるものであればよく、例えば自動車用カーナビゲーションに広く用いられているGPSアンテナやGPS受信機などを応用することができる。
次に、このような時刻情報を利用した照合機構6の具体的な照合処理について、図2のフローチャートに基づき説明する。
なお、この実施例では、それぞれの物体検知センサ2,2から照合機構6へ送信される情報として、(イ)各センサ2,2が検知した物体(障害物)の有無情報、(ロ)各センサ2,2がGPSから取得した一定間隔毎に出力される時刻情報(ここで一定間隔は、GPSの形式によるが、障害物検知装置が踏切道に存在する物体を「障害物あり」として検知するまでの時間(後述の「所定時間」)は数秒であるという時間的特性、及びGPSの汎用性、価格のうえから障害物検知装置としては、200msあるいは250ms毎に出力される5Hzあるいは4Hzのタイプが適当である)に加え、(ハ)各センサ2,2が正常に稼動していることを示すアライブ信号、(ニ)各センサ2,2から見た現在の基準標Sの座標情報、(ホ)基準標Sにより反射された反射光のレベル(強度)、などが含まれている。また、ここでは、それぞれの物体検知センサ2,2から照合機構6へ至る処理系統のうちの一方を「A系」、他方を「B系」とし、それぞれの系におけるセンサ2,2の処理部5を「処理部A」、「処理部B」として説明する。
まず、照合機構6は、処理部A(A系側のセンサ2の処理部)からアライブ信号が送信されたか否かを確認する(ステップ01)。アライブ信号が送信されていれば、A系は正常に稼動していると判断し、ステップ02へ進む。アライブ信号が送信されていなければ、A系に異常が発生していると看做して、「システム異常」を示す信号を出力し(ステップ11)、「障害物あり」の状態に遷移する(ステップ12)。
次に、照合機構6は、処理部B(B系側のセンサ2の処理部)からアライブ信号が送信されたか否かを確認する(ステップ02)。アライブ信号が送信されていれば、B系は正常に稼動していると判断し、ステップ03へ進む。アライブ信号が送信されていなければ、B系に異常が発生していると看做して、「システム異常」を示す信号を出力し(ステップ11)、「障害物あり」の状態に遷移する(ステップ12)。
次に、照合機構6は、処理部A及び処理部Bからそれぞれ受信した時刻情報のデータが一致するか否かを確認する(ステップ03)。すなわち、照合機構6は前述のように、この時刻情報をA系及びB系のセンサ2,2との間における簡単な同期信号として用いているが、このステップ03において、この時刻情報を照合の対象としても用いることにより、装置全体としてのフェールセーフ性をより厳密なものとしている。
この照合の結果、A系・B系それぞれの時刻情報のデータが一致すれば、異常なしとしてステップ04へ進む。一致しなければ、A系・B系のいずれかに異常が発生していると看做して、「システム異常」を示す信号を出力し(ステップ11)、「障害物あり」の状態に遷移する(ステップ12)。
次に、照合機構6は、A系のセンサから見た現在の基準標Sの座標情報と、A系における基準標Sの座標情報の初期値との差を算出し、その値が予め設定された所定範囲内であるか否かを確認する。また、これをB系についても同様に行う(ステップ04)。
その結果、それぞれの差がともに所定範囲内であれば、異常なしとしてステップ05へ進む。いずれか一方の差でも所定範囲外となる場合は、そのセンサの設置位置が何らかの原因でずれたか、あるいは検知エリアに対する設置角度がずれたものとして異常発生と看做し、「システム異常」を示す信号を出力し(ステップ11)、「障害物あり」の状態に遷移する(ステップ12)。
次に、照合機構6は、A系のセンサが受光した基準標Sからの反射光のレベル(強度)と、A系における基準標Sからの反射光のレベル(強度)の初期値との差を算出し、その値が予め設定された所定範囲内であるか否かを確認する。また、これをB系についても同様に行う(ステップ05)。
その結果、それぞれの差がともに所定範囲内であれば、異常なしとしてステップ06へ進む。いずれか一方の差でも所定範囲外となる場合は、そのセンサから発光されるレーザ光のレベルが何らかの原因で低下したか、あるいはセンサ部4前面のガラスに異物や汚れが付着したものとして異常発生と看做し、「システム異常」を示す信号を出力し(ステップ11)、「障害物あり」の状態に遷移する(ステップ12)。
次に、照合機構6は、処理部A及び処理部Bからそれぞれ受信した障害物の有無情報が一致するか否かを確認する(ステップ06)。それぞれの障害物の有無情報が一致した場合には、障害物検知装置全体(システム)として正常であると看做して(ステップ07)、ステップ08へ進む。一方、有無情報が不一致となった場合には、いずれかが誤った情報を出力していると考えられることから、何らかの異常が発生していると看做して、「システム異常」を示す信号を出力し(ステップ11)、「障害物あり」の状態に遷移する(ステップ12)。
次に、照合機構6は、処理部A及び処理部Bがいずれも「障害物あり」を検知したか否かを確認する(ステップ08)。そうでない場合には、いずれも障害物を検知していないものとして、「障害物なし」を示す信号を出力する(ステップ09)。
一方、いずれも「障害物あり」を検知した場合には、ステップ10へ進み、当該「障害物あり」の状態が予め設定した所定時間を経過しても継続しているか否かを確認する。所定時間を経過していれば、「障害物あり」を示す信号を出力し(ステップ13)、所定時間経過前であれば、引き続き監視するため「障害物なし」(ステップ09)としてステップ01へ戻る。
なお、ステップ09,13における「障害物なし」あるいは「障害物あり」を示す信号は、照合機構6から後続の論理・入出力部7へ送信される。論理・入出力部7は、照合機構6から受信した出力信号に加え、予め設定された警報条件やマスク条件などから、最終的な結果となる障害物検知ERリレーを出力する。例えば、「障害物あり」を出力すべき場合は、この障害物検知ERリレーを無励磁状態に遷移させる。
以上のように、この発明の踏切障害物検知装置1によれば、照合機構6においてA系及びB系からそれぞれ送信された上記(イ)〜(ホ)に関するデータを順次比較し、いずれか一つでも不一致か、あるいは差分が所定範囲外となった場合には、異常ありと看做して「システム異常」を出力し、実際の障害物の有無、及び警報条件・マスク条件とは無関係に「障害物あり」を示す障害物検知ERリレーを無励磁に制御出力することにより、踏切障害物検知装置1全体としてのフェールセーフ性を確保している。
また、物体検知センサ2,2として、比較的小型な自動車搭載用の物体検知センサ、あるいは不法侵入者を検知する防犯用の物体検知センサを用いれば、このセンサの設置可能な箇所を拡大させることができる。例えば、小型である利点を活かして踏切警報機の柱などに取り付ければ、踏切道周辺のスペースが狭い箇所でも簡単に設置することができ、施工性・保守性が向上するばかりでなく、踏切道周辺のスペースなどの諸条件に応じて設置箇所を柔軟に選択することができる。さらに、普及品であるため導入コストの低減も可能となり、踏切障害物検知装置としての量産効果も期待できる。
さらに、GPSから送られる時刻情報を用いることにより、各物体検知センサと照合機構との間で比較的簡単に処理の同期を取ることができる。また、これら物体検知センサ及び制御器間も疎結合となるため、改修や交換などが必要となった場合でも、相互に依存することなくそれぞれ独立して行うことができ、この点でも保守性及び汎用性が向上する。
さらに、GPSから取得される時刻情報は、時々刻々と変化するデータであるため、この変化を監視することで、何らかの異常が発生したことを検知することもできる。例えば、本来であれば数百ミリ秒ごとに変化するべき時刻情報が、いずれかのセンサにおいてある一定値に固着されたままとなった場合には、そのセンサに故障が発生したものとして「システム異常」を出力することも可能となる。
また、2台の物体検知センサ2,2と、照合機構6とから構成される検知ユニットは、必ずしも一組である必要はなく、検知エリアに応じて二組以上(複数組)設けることも可能である。この場合には、複複線などの検知エリアの広い踏切道においても確実に障害物を検知することができる。
さらに、一方(例えばA系)の物体検知センサから見た基準標Sの座標情報を、他方(B系)の物体検知センサから見た基準標Sの座標情報に変換して、それぞれから送信させるようにすれば、照合機構6側ではセンサごとの座標情報の初期値を記憶する必要がなく、単に各センサから送信される座標情報の一致を確認するだけでよくなるので、照合機構6の処理を簡素化することができる。
1 踏切障害物検知装置
2 物体検知センサ
3 制御器
4 センサ部
5 処理部
6 照合機構
7 論理・入出力部
8 GPSアンテナ及びGPS受信機
S 基準標

Claims (5)

  1. 踏切道に存在する障害物を検知する踏切障害物検知装置であって、
    前記踏切道における障害物の有無を検知するセンシング機能を有する2台の物体検知センサと、
    前記各物体検知センサから送信される障害物の有無情報を相互に照合し、照合結果が不一致となる場合には「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させるフェールセーフな照合機構と、を備え、
    前記各物体検知センサ及び照合機構には、GPSから送られる時刻情報を取得するための別々のGPSアンテナ及びGPS受信機がそれぞれ接続され、
    前記各物体検知センサが障害物を検知する検知エリアの少なくとも一箇所に、基準標が設置されるとともに、各物体検知センサから見た検知エリアにおける該基準標の座標位置が、物体検知センサごとの初期値として予め記憶され、
    前記照合機構は、各物体検知センサから送信される基準標の座標位置と、各物体検知センサに対応して予め記憶されている基準標の座標位置の初期値との差を算出し、その差がいずれか一つでも所定範囲にないとき、「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させるとともに、前記GPSアンテナ及びGPS受信機を介して取得した時刻情報と、前記各物体検知センサから障害物の有無情報とともに送信される時刻情報とに基づき、前記照合処理の同期を取るようになっていることを特徴とする踏切障害物検知装置。
  2. 前記照合機構は、各物体検知センサから送信される時刻情報を照合対象の情報としても利用し、各物体検知センサから送信された時刻情報の照合結果が不一致となる場合には、「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させることを特徴とする請求項1記載の踏切障害物検知装置。
  3. 前記基準標は、各物体検知センサから発光されるレーザ光を反射する反射面を有するとともに、各物体検知センサから発光されたレーザ光の該反射面による反射光のレベルが、物体検知センサごとの初期値として予め記憶され、
    照合機構は、各物体検知センサから送信される反射光のレベルと、各物体検知センサに対応して予め記憶されている反射光のレベルの初期値との差を算出し、その差がいずれか一つでも所定範囲にないとき、「システム異常」を示す信号を出力して安全側へ遷移させることを特徴とする請求項1又は2記載の踏切障害物検知装置。
  4. 前記各物体検知センサは、自動車搭載用の物体検知センサ、あるいは不法侵入者を検知する防犯用の物体検知センサで構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の踏切障害物検知装置。
  5. 前記2台の物体検知センサと、照合機構とを一組の検知ユニットとして構成するとともに、該検知ユニットを複数組備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の踏切障害物検知装置。
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