JP6044733B1 - 位置制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、図5は、圧延機のスピンドル位置を目標値に制御する位置制御装置の構成図である。この図5において、100は圧延機、110,120は圧延ローラ、130は圧延材料、Mは圧延ローラ110,120をそれぞれ駆動する電動機、PGはパルス発生器、210は積分手段、220は、位置偏差(L*−L)をなくすように速度指令値V*を生成する位置制御系、230は、速度偏差(V*−V)をなくすように電動機Mを制御する速度制御系を示す。
良く知られているように、位置制御系220の比例ゲインを大きくすれば、位置目標値L*への応答時間は速くなる。しかし、比例ゲインを決定するにはアクチュエータの動作制約を考慮しなくてはならず、アクチュエータとしての電動機に流れる電流が定格値を超えないように速度指令値V*を与えることが要求される。
このため、従来では、例えば位置制御系から出力される加減速指令値等の上下限値をリミッタにて制限する等の方法により、アクチュエータの動作制約を満たすような対策が採られている。
例えば、制御対象物の減速時の速度と位置(距離)との関係から、位置制御系を構成する調節器を以下のようにして構成する。
まず、動作制約としての制御対象物の加減速定格値をa[mm/s2]とすると、現在時刻からt[s]後の速度V[mm/s]は数式1によって表される。
すなわち、位置制御系220の調節手段を数式6に従って構成することにより、速度制御系230の遅れが極めて小さいことを条件として、制御対象物を所定の減速時間Ta[s]で位置目標値L*に到達させるような位置制御を行うことができる。
この従来技術は、距離の偏差の平方根に比例した減速特性に従って減速制御を行う点で、前述した図6の位置制御装置と基本的に共通している。
また、特許文献1では、位置偏差に応じて計算により求めた二次曲線から減速パターンを作成しており、速度制御系の遅れ等を考慮して位置制御系の伝達関数を構成すること等に言及しておらず、また、位置制御の目的や機能仕様に適合した位置制御系を容易に設計、調整することも困難である。
位置制御系の閉ループ伝達関数を二次標準形により表現し、
前記閉ループ伝達関数における減衰係数と、前記アクチュエータまたは前記制御対象物に起因する減速時間と、速度制御系の遅れ時間と、を用いてゲイン限界K p を設計し、
前記制御対象物が前記位置目標値に到達するように前記制御対象物を所定位置から一定の前記ゲイン限界K p のもとで減速していった時の、前記制御対象物の前記位置目標値からの行き過ぎ量LGを求め、
前記位置制御系は、前記制御対象物の現在速度V 0 ,前記減速時間T a ,現在時刻から所定時間経過後までの前記制御対象物の現在位置と前記位置目標値との距離偏差ΔL,前記行き過ぎ量LG、及び前記ゲイン限界K p を用いて、前記距離偏差ΔLと前記行き過ぎ量LGの所定倍のしきい値との大小関係に応じた速度指令値であって前記距離偏差ΔLが前記しきい値に一致する位置から前記ゲイン限界K p が一定となる前記速度指令値Vを以下の数式a,数式bにより生成し、当該速度指令値Vに従って前記アクチュエータを制御することにより、前記制御対象物の位置を前記位置目標値に追従させるものである。
[数式a]
V[mm/s]=Sign(ΔL)×√{2V 0 (|ΔL|−LG)/T a }
(但し、|ΔL|≧2LG)
[数式b]
V[mm/s]=K p ×ΔL
(但し、|ΔL|<2LG)
まず、制御対象物を位置目標値L*(L=L*、すなわちΔL=0)にて停止させる場合について考察する。
いま、図1(a)に破線で示す減速特性のように、制御対象物の現在位置と位置目標値との距離偏差ΔLが小さくなるように数式6の√関数に従って制御対象物を減速していき、ΔL=LGの位置Aから、制御対象物の速度変化率(dV/dΔL)が一定のゲイン限界Kpによって制限されるように減速していった場合、制御対象物が停止するまでに位置目標値L*(ΔL=0)に対して行き過ぎる距離偏差ΔLはLGとなる。
なお、数式7に基づき、行き過ぎ量LGは下記の数式10によって求めることができるため、前述した数式8,数式9を場合分けするしきい値としての2LGも算出可能である。
数式4によれば、制御対象物が現在速度V0[mm/s]から0[mm/s]になるまでに進む距離L0[mm]と現在速度V0[mm/s]との関係は、数式11のようになる。
上記のようにして正規化した場合のゲイン限界Kpは、数式14をΔlで微分することにより、数式15,16のように求められる。
ここで、数式19をKp=の形に変形して数式20を代入することにより、数式21が得られる。なお、数式21における時間T,Taは、前述したようにアクチュエータや制御対象物等、設備の性能や仕様に起因して設定される値である。
よって、こうして求めたしきい値2lgと距離偏差Δlとの大小関係に応じ、前述の数式8,9を応用して正規化した速度vを求め、これを実際の速度V(速度指令値V*)に変換して電動機等のアクチュエータを制御することにより、位置目標値L*の近傍における不安定な動作を回避しつつ制御対象物を安定的に停止させることができる。
ここで、図3は、減衰係数ζの大きさに応じたステップ応答の一例を示しており、例えば、減衰係数ζをζ≧1に設定すれば、制御対象物をオーバーシュートさせることなく位置目標値に追従させることができる。
以上のように、この実施形態によれば、減衰係数ζを直接的に調整することにより、容易に所望の制御応答を得ることができる。
これに対し、本実施形態によりζ=1.000として設計した調節手段を有する新規装置では、当初から、破線で示す制御応答が既設装置の実線の特性とほぼ一致している。
これにより、本実施形態では煩雑な調整を行わずにオーバーシュートが生じない位置制御を実現できることが判る。
110,120:圧延ロール
210:積分手段
220:位置制御系
230: 速度制御系
M:電動機
PG:パルス発生器
Claims (2)
- アクチュエータの動作により、制御対象物の位置を位置目標値に追従させるための位置制御方法において、
位置制御系の閉ループ伝達関数を二次標準形により表現し、
前記閉ループ伝達関数における減衰係数と、前記アクチュエータまたは前記制御対象物に起因する減速時間と、速度制御系の遅れ時間と、を用いてゲイン限界K p を設計し、
前記制御対象物が前記位置目標値に到達するように前記制御対象物を所定位置から一定の前記ゲイン限界K p のもとで減速していった時の、前記制御対象物の前記位置目標値からの行き過ぎ量LGを求め、
前記位置制御系は、前記制御対象物の現在速度V 0 ,前記減速時間T a ,現在時刻から所定時間経過後までの前記制御対象物の現在位置と前記位置目標値との距離偏差ΔL,前記行き過ぎ量LG、及び前記ゲイン限界K p を用いて、前記距離偏差ΔLと前記行き過ぎ量LGの所定倍のしきい値との大小関係に応じた速度指令値であって前記距離偏差ΔLが前記しきい値に一致する位置から前記ゲイン限界K p が一定となる前記速度指令値Vを以下の数式a,数式bにより生成し、当該速度指令値Vに従って前記アクチュエータを制御することにより、前記制御対象物の位置を前記位置目標値に追従させることを特徴とする位置制御方法。
[数式a]
V[mm/s]=Sign(ΔL)×√{2V 0 (|ΔL|−LG)/T a }
(但し、|ΔL|≧2LG)
[数式b]
V[mm/s]=K p ×ΔL
(但し、|ΔL|<2LG) - 請求項1に記載した位置制御方法において、
前記減衰係数を位置制御の目的または制御仕様に応じて調整することにより、前記ゲイン限界を調整可能にしたことを特徴とする位置制御方法。
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JP (1) | JP6044733B1 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0540529A (ja) * | 1991-08-06 | 1993-02-19 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 位置決めテーブルの駆動制御方法 |
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- 2016-04-08 JP JP2016077796A patent/JP6044733B1/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0540529A (ja) * | 1991-08-06 | 1993-02-19 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 位置決めテーブルの駆動制御方法 |
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