JP6044673B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1に係るモータの断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係るモータを構成するステータコアの斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係るモータを構成するステータコアの要部断面図である。
ここでは、ティース8の数は12である。
また、分割コアバック17は、その厚み方向から見て、分割ティース基部18aの突出していない他方の側面を表す線分が、所定の曲率半径を有する円弧状となるように形成されている。当該円弧状の線分の長手方向を、分割コアバック17の周方向とする。また、当該円弧状の線分は、分割コアバック17の外側に凸となっている。
以下、分割ティース基部18aの一対の側面を表す一対の直線間の中心位置を結んだ線で表される直線を幅中心直線とする。ここでは、幅中心直線は、分割コアバック17の径方向に延在され、θ1は、0°<θ1≦14°を満たすように設定されている。
図4は比較用モータを構成するステータコアのティースの形状を示す要部断面図である。
図4において、比較用モータは、ステータコア6Aに代えステータコア56Aを有する他は、モータ1Aと同様に構成されている。
ステータコア56Aは、環状のコアバック7と、コアバック7の内周面から周方向に互いに間隔をあけて突設される複数のティース58とを備えている。
ティース58の数は、ステータコア6Aと同じ、12である。また、複数のティース58は、コアバック7の軸方向の一端から他端に至るまで連続している。
ティース58は、コアバック7の内周面から、コアバック7の周方向に所定の幅で突出するティース基部58a、及びティース基部58aの先端部の幅方向の両側から概略コアバック7の周方向に突出してコアバック7と相対するティース鍔部58bを有している。
即ち、比較用モータのティース基部58aは、図4に示されるように、基端から先端に至るまで一定の幅に設定されている。
また、コアバック7の軸方向に直交する断面において、ティース基部の58aの面積は、ティース基部の8aの面積と同じに設定している。
図5はこの発明の実施の形態1に係る発明のモータ及び比較用モータの巻線電流と出力トルクの関係を示す図である。
巻線電流は、モータ1Aにおいて、定格トルクを出力させるために必要な巻線電流(ステータ巻線12の電流)の大きさを1として規格化されている。
そして、電流の大きさを0.5〜4まで変化させたときのモータ1A及び比較用モータのトルクの大きさをシミュレーションにより導出した。
比較用モータでは、巻線電流が有る程度まで増加すると、出力トルクの値が飽和し始めるのに対して、モータ1Aでは、出力トルクの線形特性が、測定した範囲で略維持される結果となった。
このように、モータ1Aでは、ティース基部8aをテーパ形状とすることで、巻線電流を大電流領域にしたときも、出力トルクの線形性を維持できる。
なお、巻線電流を所定の定格電流に設定して、シミュレーションを行っている。
図6はこの発明の実施の形態1に係るモータにおけるティース基部のテーパ角度と出力トルクの大きさとの関係を、出力トルクの微分値とともに示す図である。
即ち、テーパ角度θ1が0°から6°に向かうにつれて出力トルクが連続的に増大している。そして、出力トルクのθ1に関する微分値、言い換えれば、テーパ角度θ1の増加量に対する出力トルクの増加量(出力トルクの傾き)が、テーパ角度θ1が6°〜8°で略0となり、次いで、テーパ角度θ1が、8°から15°に向かうにつれて出力トルクが連続的に減少している。
また、テーパ角度θ1を6°≦θ1≦8°とすることで、モータ1Aの出力トルクを、より大きな値として得ることができる。
図7はこの発明の実施の形態2に係るモータの上面図、図8はこの発明の実施の形態2に係るモータを構成するステータコアの斜視図、図9はこの発明の実施の形態2に係るモータを構成するステータコアの分割コアの上面図、図10は図7のX−X矢視断面図、図11はこの発明の実施の形態2に係るモータを構成するステータコアを展開した状態の一部を示す図である。
なお、図7〜図11において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。また、図7では、説明の便宜上、ロータ及びステータ巻線の図示を省略している。
ステータコア6Bは、磁性部材ユニット15B及び磁性部材ユニット15Cを積層した積層体として構成されている。
以下、磁性部材ユニット15Bについて説明する。
磁性部材ユニット15Bは、環状に配列される複数の分割コア16Aにより構成される。
分割コア16Aの分割コアバック17Aは、図9に示されるように、その一端側が半円状の半円部17aに形成され、他端側が半円状に凹む凹み部17bに形成されている。
磁性部材ユニット15Cのそれぞれは、磁性部材ユニット15Bと同様、環状に配列される複数の分割コア16Aにより構成される。
但し、詳細には図示しないが、磁性部材ユニット15Cを構成する分割コア16Aは、例えばシート状の電磁鋼板をプレス成形やワイヤーカットにより作製され、その一端側が半円状に凹む凹み部に形成され、他端側が半円状の半円部に形成されている。そして、凹凸部20が、分割コアバック17Aの他端を構成する半円部に形成されている。
即ち、積層方向に互いに隣接する分割コア16Aは、一方の分割コア16Aに形成される凹部と、他方の分割コア16Aに形成される回動凸部とを嵌め合わせて連結されている。
このように構成される複数の分割コアユニット19のそれぞれは、凹凸部20の回動凸部(回動軸)まわりに回動可能になる。
以上のことから、ステータコア6Bは、図11に示されるように、分割コアユニット19を回動凸部まわりに回動させることで、分割コアユニット19の配列方向を適宜変えることができるようになる。なお、図11は、分割コアユニット19を直線状に展開した状態を示している。
ステータ巻線12をティース基部8aに巻回させた後に、分割コアユニット19を環状に配列してステータコア6Bを構成することが可能となる。
従って、ティース基部8aの先端間が広がるように、分割コアユニット19を凹凸部20の回動凸部まわりに回動させることで、ステータ巻線12をティース基部8aに巻回する作業を容易に行うことが可能になる。つまり、ステータ5を容易に作ることが可能になり、モータ1Bの製造コストを削減できる。
図12はこの発明の実施の形態3に係るモータの上面図、図13はこの発明の実施の形態3に係るモータを構成するステータコアを展開した状態の一部を示す図である。
なお、図12及び図13において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。また、図12では、説明の便宜上、ロータ及びステータ巻線12の図示を省略している。
以下、磁性部材ユニット15Dについて説明する。
磁性部材ユニット15Dは、例えばシート状の電磁鋼板をプレス成形して、薄肉部21を介して互いの間がつながっている12個の単位コア26を有する一体ものとして作製され、12個の単位コア26が環状に配列されるようにして構成されている。
各単位コア26は、単位コアバック27と、単位ティース基部28a、及び単位ティース鍔部28bを有する単位ティース28Aとで構成される。
単位コアバック27と単位ティース28Aの形状は、上記の分割コア16を構成する分割コアバック17と分割ティース18Aの形状と同様である。単位ティース28Aを構成する単位ティース基部28a、及び単位ティース鍔部28bの形状が、分割ティース18Aを構成する分割ティース基部18a、及び分割ティース鍔部18bの形状に対応している。
このとき、隣接する単位コアバック27の一端及び他端間は、単位ティース基部28aが突出される側で一部分離されている。そして、分離凹部22が、互いに隣接する単位コアバック27の一端部及び他端部の壁面と薄肉部21の壁面により形成される。
ここで、磁性部材ユニット15Dのそれぞれを構成する複数の単位コア26のうち、配列方向の一端及び他端に配置されている単位コア26は、切り離し可能になっている。配列方向の一端及び他端に配置されている単位コア26が切り離された状態では、単位コア26の配列方向を変更することが可能となる。
そして、複数の単位コアユニット29のそれぞれが、積層方向に連ねられた複数の単位コア26により構成されている。
このように構成される複数の単位コアユニット29のそれぞれは、薄肉部21を変形させて分離凹部22の方形部22aの間隔を変えることで、図13に示されるように、配列方向を適宜変えることができるようになる。なお、図13は、分割コアユニット19を直線状に展開した状態を示している。
従って、ティース基部8aの先端間が広がるようにステータコア6Cの形状を変形することで、ステータ巻線12をティース基部8aに巻回する作業を容易に行うことが可能になる。つまり、ステータ5を容易に作製することが可能になるので、モータ1Cの製造コストを削減できる。
図14はこの発明の実施の形態4に係るモータの断面図、図15はこの発明の実施の形態4に係るモータを構成するステータコアの要部断面図である。
なお、図14および図15において、上記実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図14では、説明の便宜上、ロータおよびステータ巻線の図示を省略している。
磁性部材ユニット15Eのそれぞれは、環状に配列されて互いに連結される複数の分割コア30により構成される。ここでは、磁性部材ユニット15Eを構成する分割コア30の個数は、スロット10の数と同じ12である。
分割ティース32は、分割コアバック17の内周面の中方向中央から径方向内方に延設され、基端から先端に向って漸次幅が狭くなるテーパ形状に形成された分割ティース基部33と、分割ティース基部33の先端から周方向両側に延設される分割ティース鍔部34と、から構成される。
図16はこの発明の実施の形態4に係るモータにおけるティース先端からの折れ点位置と銅損との関係を示す図である。なお、折れ点Cとは、第1ティース基部80aの側面と第2ティース基部80bの側面との接続位置であり、ティース基部8aの側面のテーパ角度の変加点である。ティース先端からの折れ点位置とは、(ティース基部8aの先端から折れ点までの径方向長さ)/(ティース基部8aの径方向の全長)である。ティース先端からの折れ点位置が0とは、ティース基部8aが第1ティース基部80aのみで構成されている場合を意味し、実施の形態1のモータ1Aに相当する。図16では、θ1を8°と固定し、ティース先端からの折れ点位置を変えて定格運転時の銅損を測定し、ティース先端からの折れ点位置が0のときの銅損を100%として、ティース先端からの折れ点位置を変えた場合の銅損を示している。
このことから、モータ1Dは、ティース先端からの折れ点位置を0より大きく、5/8より小さい範囲に設定することにより、モータ1Aより銅損を小さくすることができ、モータ効率を向上できることがわかる。
図17はこの発明の実施の形態5に係るモータの断面図、図18はこの発明の実施の形態5に係るモータを構成するステータコアを展開した状態の一部を示す図である。
なお、図17および図18において、上記実施の形態2および上記実施の形態4と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図17では、説明の便宜上、ロータおよびステータ巻線の図示を省略している。
磁性部材ユニット15Fのそれぞれは、環状に配列されて互いに連結される複数の分割コア30Aにより構成される。分割コア30Aは、例えばシート状の電磁鋼板をプレス成形やワイヤーカットにより作製され、分割コアバック17Aと、分割ティース32と、を有する。
また、この実施の形態5によれば、ティース8のティース基部8aが、テーパ角度θ1の第1ティース基部80aの先端側に、テーパ角度θ1より小さなテーパ角度θ2の第2ティース基部80bを連設して構成されているので、上記実施の形態4と同様に、ティース基部8aの先端における磁気飽和の発生が抑えられ、トルク出力を大きくすることができる。
図19はこの発明の実施の形態6に係るモータの断面図、図20はこの発明の実施の形態6に係るモータを構成するステータコアを展開した状態の一部を示す図である。
なお、図19および図20において、上記実施の形態3と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図19では、説明の便宜上、ロータおよびステータ巻線の図示を省略している。
磁性部材ユニット15Gのそれぞれは、例えばシート状の電磁鋼板をプレス成形して、薄肉部21を介して互いの間がつながっている12個の単位コア26Aを有する一体ものとして作製され、12個の単位コア26Aが環状に配列されるようにして構成されている。
また、この実施の形態6によれば、ティース基部8aが、テーパ角度θ1の第1ティース基部80aの先端側に、テーパ角度θ1より小さなテーパ角度θ2の第2ティース基部80bを連設して構成されているので、上記実施の形態4と同様に、ティース基部8aの先端における磁気飽和の発生が抑えられ、トルク出力を大きくすることができる。
また、上記各実施の形態では、スロット10の数を12個、永久磁石4の数を10個とするモータについて説明したが、スロット10の数を12個、永久磁石4の数を14個としたモータでも、同様の効果が得られる。
Claims (5)
- 10または14個の界磁極を有するロータと、上記ロータを囲繞するように上記ロータに同軸に配設されるステータコアおよびステータ巻線を有するステータと、を備え、
上記ステータコアは、上記ロータに同軸に設けられる環状のコアバックと、上記コアバックの軸方向の両端間に亘って突出されるティース基部をそれぞれ有し、上記コアバックの周方向に互いに間隔をあけて設けられる12個のティースと、を備え、上記ステータ巻線は、集中巻方式で上記ティース基部に巻回された巻線である回転電機であって、
上記ティース基部は、上記コアバック側から内径側に第1ティース基部、第2ティース基部の順に連設して構成され、
上記コアバックの軸方向に直交する断面において、上記第1ティース基部の一対の側面を表す一対の直線間の上記コアバックの周方向に関する中心位置を結んだ直線と上記第1ティース基部の一対の側面を表す一対の直線のそれぞれとのなす角度θ1と、上記第2ティース基部の一対の側面を表す一対の直線間の上記コアバックの周方向に関する中心位置を結んだ直線と上記第2ティース基部の一対の側面を表す一対の直線のそれぞれとのなす角度θ2が、0°≦θ2<θ1≦8°を満たし、
上記第1ティース基部の側面と上記第2ティース基部の側面との接続位置である折れ点から上記ティース基部の先端までの径方向長さは、上記ティース基部の径方向の全長の1/4以上3/8以下であることを特徴とする回転電機。 - 上記第1ティース基部の側面と上記第2ティース基部の側面との接続位置である折れ点から上記ティース基部の先端までの径方向長さは、上記ティース基部の径方向の全長の3/8と等しいことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 上記角度θ1が、6°≦θ1≦8°を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
- 上記ステータコアは、環状をなすように配列された12個の分割コアによりそれぞれが構成される複数の磁性部材ユニットを積層して形成され、
上記分割コアのそれぞれは、平板リング状の一部の形状を有し、上記コアバックを構成するための分割コアバックと、上記分割コアバックから突出され、上記ティース基部を構成するための分割ティース基部と、を備え、
積層方向に互いに隣接する上記分割コアは、一方の上記分割コアに形成される凹部と、他方の上記分割コアに形成される回動軸とを嵌め合わせて連結され、
積層方向に連ねられた複数の上記分割コアにより構成される複数の分割コアユニットのそれぞれが、上記回動軸まわりに回動可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。 - 上記ステータコアは、薄肉部を介して互いの間がつながっている12個の単位コアを有する一体ものであり、12個の上記単位コアが環状に配列されるようにしてそれぞれが構成される複数の磁性部材ユニットを積層して形成され、
上記単位コアのそれぞれは、平板リング状の一部の形状を有し、上記コアバックを構成するための単位コアバックと、上記単位コアバックから突出され、上記ティース基部を構成するための単位ティース基部と、を備え、
上記薄肉部は、隣接する上記単位ティース基部の先端間の幅を広げたり狭めたりできるように変形可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
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