JP6044265B2 - 熱交換器 - Google Patents

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本発明は、加熱媒体と受熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器に関するものである。
従来から、排気ガスなどの加熱媒体と、それを冷却するための冷却水等の受熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器が知られている。例えば、特許文献1には、断面が矩形波形状のコルゲート板を2枚の側板で挟持してコルゲート板の折り返し面を側板に当接させ、コルゲート板の側壁で区画された複数の通路を有する熱交換器が開示されている。この熱交換器は、加熱媒体と受熱媒体とが前記複数の異なる通路に交互に流れている。このような構造により、コルゲート板の側壁を介して加熱媒体と受熱媒体との熱交換を可能としている。
また、特許文献2には、加熱媒体が流通する複数の加熱媒体通路を積層して設け、複数の加熱媒体通路の外部に受熱媒体を流通させることで、加熱媒体と受熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器が開示されている。加熱媒体が流通する通路には加熱媒体と受熱媒体との伝熱面積を拡大させるための伝熱面積拡大手段であるインナーフィンを設けられている。このような構造により、加熱媒体と受熱媒体との熱交換を可能としている。
特開2010−121925号公報 特開2009−19580号公報
しかし、特許文献1に開示されている熱交換器の構造では、加熱媒体と受熱媒体との伝熱面積を十分に確保するために熱交換器の大きさを大きくする必要があり、設置スペースの関係上問題がある。一方、特許文献2に開示されている熱交換器の構造では、伝熱面積拡大手段を設けているため、熱交換器を小型化でき、且つ十分な伝熱面積を確保することが可能である。しかし、加熱媒体通路の全域に渡って伝熱面積拡大手段が設けられており、しかも伝熱面積拡大手段の寸法等は全域に亘って一定である。よって、加熱流体通路全域に亘って、加熱媒体から受熱媒体への放熱量は一定量増大する。つまり、通路を流通する加熱媒体の温度に関わらず加熱媒体から受熱媒体への放熱量は一定量増大する。
このように、特許文献2に開示されている構造では、加熱媒体通路において加熱媒体の温度が露点温度以下となる領域においても加熱媒体から受熱媒体への放熱量が一定量増大するので、加熱媒体に含まれる水蒸気の凝縮が促進される。よって、加熱媒体の温度が露点温度以下の領域では水蒸気の凝縮により発生する凝縮水によって加熱媒体通路に水膜が形成され、加熱媒体通路の圧力損失が上昇する。したがって、加熱媒体を流通させるためには高負荷で加熱媒体移送用の機器を駆動させる必要があり、消費電力が増大するといった問題が発生する。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱交換器の大きさ抑えつつ加熱媒体と受熱媒体との熱交換性を十分に確保し、且つ、加熱媒体を移送するための機器の消費電力が増大することを抑制した熱交換器を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。熱交換器に係る発明は、断面形状が全体として矩形波形状となるように形成されたコルゲート板(13)と2つの側板(11、12)によって構成されて、水蒸気を含む加熱媒体が流通する加熱媒体通路(30B)を備え、加熱媒体と、加熱媒体通路の外部を流通する受熱媒体と、の間で熱交換を行う熱交換器(10B)であって、加熱媒体と受熱媒体との伝熱面積を拡大する伝熱面積拡大手段(40、40B)を有し、加熱媒体通路には、加熱媒体の温度が露点温度よりも高い顕熱交換部(32)と、加熱媒体の温度が露点温度以下の潜熱交換部(33)と、が形成されており、伝熱面積拡大手段は、潜熱交換部よりも顕熱交換部において伝熱面積が拡大するように設けられるインナーフィンであり、潜熱交換部の少なくとも一部には、インナーフィンが設けられていない流通低抵抗領域(41B)が形成されており、インナーフィンは加熱媒体通路において加熱媒体の流れ方向に不均一に設けられており、
インナーフィンは、顕熱交換部および潜熱交換部のそれぞれに設けられ、潜熱交換部のインナーフィンは、顕熱交換部のインナーフィンよりも加熱媒体の流れ方向における長さが短いことを特徴とする。
伝熱面積拡大手段は潜熱交換部よりも顕熱交換部において、加熱媒体と受熱媒体との伝熱面積が拡大するように設けられている。したがって、加熱媒体の温度が露点温度よりも高い領域では、加熱媒体から受熱媒体への放熱量を増大させることができる。つまり、加熱媒体の温度が露点温度よりも高い領域では、加熱媒体通路の単位表面積当りの放熱量を増大させることができ、加熱媒体と受熱媒体との熱交換性を高くすることができる。また、加熱媒体の温度が露点温度以下の領域では、伝熱面積拡大手段がなくとも、熱伝達の良い潜熱交換(凝縮熱交換)が行われることから、十分な放熱量を確保できる。
さらに、潜熱交換部の少なくとも一部には、加熱媒体の流れ抵抗となる伝熱面積拡大手段が形成されていない流通低抵抗領域が形成されており、伝熱面積拡大手段は加熱媒体の流れ方向に対して不均一に設けられている。前記流れ方向に関して、伝熱面積拡大手段が設けられている空間と、伝熱面積拡大手段が設けられていない空間とが区別されて形成されており、この2つの空間において加熱媒体の流れの勢いが変化する。流通低抵抗領域およびその付近の領域では、加熱媒体の流れる勢いがそれ以外の領域に比べて大きくなる。このように潜熱交換部の一部に加熱媒体の流れ抵抗が小さくなる領域を設けることで、潜熱交換部全体において加熱媒体は流れやすくなる。よって、流通低抵抗領域およびその付近の領域では、加熱媒体が加熱流体通路に存在しうる凝縮水等を押し流す力が大きくなる。
したがって、潜熱交換部において凝縮水が発生しても、凝縮水は加熱媒体によって加熱媒体通路の下流側に押し流される。そして加熱媒体通路下流側に押し流された凝縮水は潜熱交換部の外部に押し流される。このようにして、潜熱交換部における凝縮水の堆積を抑制することで、潜熱交換部に水膜が形成され加熱媒体通路の圧力損失が上昇することを抑制できる。
以上のように、顕熱交換部では加熱媒体と受熱媒体との高い熱交換性を実現できる。よって、熱交換器の大きさ抑えつつ、加熱媒体と受熱媒体との熱交換性を十分に確保できる。また、潜熱交換部では水膜が形成され加熱媒体通路の圧力損失が上昇することを抑制でき、加熱媒体移送用の機器の消費電力が増大することを抑制できる。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の排熱回収器が適用される燃料電池システムの構成図である。 第1実施形態の排熱回収器の正面図である。 第1実施形態の排熱回収器の平面図である。 図3中のIV―IV部の断面図である。 図4中のV部の拡大図である。 図3中のVI―VI部の断面図である。 第2実施形態の排熱回収器における排気ガス通路の形状を示す断面図である。 第2実施形態の排熱回収器における排気ガス通路および受熱媒体通路の断面図である。 第3実施形態の排熱回収器の断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図6を用いて詳細に説明する。本実施形態における熱交換器は燃料ガスと酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池を備える燃料電池システム1に利用されている。図1に示すように燃料電池システム1は燃料電池ユニット2と、燃料電池ユニット2から排出される排熱を回収する排熱回収器ユニット3とを有している。本実施形態における熱交換器は排熱回収器ユニット3の一部を構成する排熱回収器10である。
燃料電池ユニット2は、脱硫器、水蒸気分離機、改質器4、水ポンプ4a、セルスタック5、及び空気ポンプ7を含んで構成されている。改質器4は、都市ガスやLPGなどの原燃料ガスに所定の処理を施し水素リッチガスを生成し、水素リッチガスをセルスタック5に供給するものである。原燃料ガスは脱硫器で原燃料ガス中に含まれる硫黄を除去し、その後水ポンプ4aから供給される水を蒸発させた水蒸気と混合し、改質器4において改質ガスを生成すると、次に改質ガスはセルスタック5に供給される。
セルスタック5には空気ポンプ7によって空気が供給され、セルスタック5は改質ガスと空気中の酸素とを電気化学反応させることで電力を発生させる。したがって、酸素は空気ポンプ7によって圧送される。前記反応と同時に燃料排気ガス(以下、排気ガスとする)が生成する。空気ポンプ7は図示しない駆動装置により駆動される。空気ポンプ7は駆動することでセルスタック5から排出された排気ガスを通路6を通して排熱回収器10に移送する。
排熱回収器ユニット3は、排熱回収器10、蓄熱槽8、受熱媒体流通通路8a、8b、受熱媒体ポンプ8cから構成されている。図1に示すように、排熱回収器10は受熱媒体流通通路8a、8bを介して蓄熱槽8と接続されており、受熱媒体流通通路8a、8bを流れる受熱媒体が排熱回収器10および蓄熱槽8に流通可能となっている。受熱媒体ポンプ8cは受熱媒体流通通路8aに配置されており、図示しない駆動装置により駆動される。受熱媒体ポンプ8cは、駆動することで排熱回収器ユニット3の外部から供給された受熱媒体を排熱回収器10に供給し、排熱回収器10から排出された排熱を排熱回収器ユニット3の外部に設けられた熱を必要とする機器(図示しない)に移送し、蓄熱槽8に移送する。図1に示す実線矢印は排気ガスの流れる方向を示しており、破線矢印は受熱媒体の一例である水の流れる方向を示している。
排熱回収器10は加熱媒体と受熱媒体とを熱交換するものである。本実施形態では、セルスタック5から排出される排気ガスが加熱媒体であり、受熱媒体は水である。図4に示すように、排熱回収器10は2つの側板11、12およびコルゲート板13から構成されている。コルゲート板13はステンレスの薄板を波形に成型したものである。コルゲート板13は断面形状が全体として矩形波形状となるように形成されている。コルゲート板13の折り返し面であって側板11、12と当接する面は、側板11、12と平行となるように形成されている。このような構成により、2枚の側板11、12が折り返し面に当接することで、側板11、12はコルゲート板13を挟持する。このような構造により排熱回収器10の内部には、コルゲート板13の側壁13aで区画された複数の通路が形成される。これらの通路が後述する排気ガス通路30および受熱媒体通路31を構成する。なお、コルゲート板13および側板11、12はろう付けにより固定されている。
図2および図3に示すように、側板11、12の両端部には媒体流入部14および媒体流出部19が設けられている。媒体流入部14は、排気ガスを複数の排気ガス通路30に分配する排気ガス流入側タンク15と、セルスタック5から排出された排気ガスを排気ガス流入側タンク15に導く排気ガス流入口16と、を有する。また、媒体流入部14は、受熱媒体である水を複数の受熱媒体通路31に分配する受熱媒体流入側タンク17と、受熱媒体流通通路8aを流通する水を受熱媒体流入側タンク17に導く受熱媒体流入口18と、を有する。媒体流出部19は、複数の排気ガス通路30を流通する排気ガスを集合させる排気ガス流出側タンク20と、排気ガス流出側タンク20の内部に存在する排気ガスを排熱回収器10の外部に流出させるための排気ガス流出口21と、を有する。また、媒体流出部19は、複数の受熱媒体通路31を流通する水を集合させる受熱媒体流出側タンク22と、受熱媒体流出側タンク22の内部に存在する水を受熱媒体流通通路8bに流出させる受熱媒体流出口23と、を有する。
図4に示すように、排気ガス通路30および受熱媒体通路31は側板11、12およびコルゲート板13により区画された複数の通路から構成されている。側板11、12およびコルゲート板13は排気ガス通路30および受熱媒体通路31の内壁を構成している。排気ガス通路30および受熱媒体通路31は交互に隣接して形成されている。図4中のGは排気ガス通路30を示し、Wは受熱媒体通路31を示す。全ての排気ガス通路30および受熱媒体通路31の幅および高さは同一寸法となるように形成されている。
このような構成によりセルスタック5から排出された排気ガスは、排気ガス流入口16および排気ガス流入側タンク15を介して排気ガス通路30に流入する。排気ガス通路30に流入した排気ガスは、排気ガス流出側タンク20および排気ガス流出口21を介して排熱回収器10の外部に流出し、その後図示しない排気ガス流通通路を介して空気中に排出される。受熱媒体流通通路8aを流れる水は、受熱媒体流入口18および受熱媒体流入側タンク17を介して受熱媒体通路31に流入する。受熱媒体通路31に流入した水は、受熱媒体流出側タンク22および受熱媒体流出口23を介して受熱媒体流通通路8bに流出する。このように排気ガスおよび水が排熱回収器10の内部を流通することで、排気ガス通路30を流れる排気ガスと受熱媒体通路31を流れる水とがコルゲート板13により形成される内壁(以下、側壁13aとする)を介して熱交換することができる。
排気ガス通路30は、比較的高温な排気ガスが流通する顕熱交換部32と比較的低温な排気ガスが流通する潜熱交換部33とを有する。具体的には、排気ガス中に含まれる水蒸気が凝縮し始める露点温度よりも高い温度の排気ガスが流れる部分が顕熱交換部32であり、前記露点温度以下の温度の排気ガスが流れる部分が潜熱交換部33である。つまり、排気ガス通路30において排気ガスの流れ方向上流側には顕熱交換部32が形成され、下流側には潜熱交換部33が形成される。
次に露点温度の決定方法について説明する。本実施形態では、露点温度は、排気ガスの流量と、排気ガスに含まれる水分量の割合から算出する。また、排気ガスに含まれる水分量は、供給する水、および、燃料の流量が明確になっていれば、改質効率、および発電効率から算出することができる。
次に顕熱交換部32と潜熱交換部33との境界線、つまり排気ガス通路30において排気ガスの温度が60℃となる箇所の決定方法について説明する。本実施形態では、排気ガス通路30の全域に亘って複数の熱電対を設けることで顕熱交換部32と潜熱交換部33との境界線を決定する。具体的には、排気ガス通路30の全域に亘って複数の熱電対を所定の間隔を設けて設置する。そして、排気ガス通路30に排気ガスを流通させ受熱媒体通路31に水を流通させ、排気ガスと水とを熱交換させる。そして、熱電対の計測結果から排気ガス通路30の上流端からの排気ガスが60℃となる箇所までの距離を計測する。これを数回繰り返すことでその平均値を算出し、前記境界線を決定する。
以上のような方法により、本実施形態では、排気ガスは排気ガス通路30の上流端から排気ガス通路30の全長のおよそ半分の距離を流れた箇所で60℃となることが分かった。したがって、本実施形態では、排気ガス通路30の上流側端から排気ガス通路30の全長の半分の距離までを顕熱交換部32とし、前記半分の箇所よりも排気ガス流れ下流側の領域を潜熱交換部33として設定した。なお、図6の破線は前記境界線を示している。
顕熱交換部32にはインナーフィン40が挿入されている。インナーフィン40はステンレス製の薄板を成型したものである。図5に示すようにインナーフィン40は断面形状が全体として矩形波形状となるように形成されている。インナーフィン40の折り返し面であって側壁13aと当接する面は、側壁13aと平行となるように形成されている。このような構成により、対向する2枚の側壁13aが折り返し面に当接することで、対向する2枚の側壁13aはインナーフィン40を挟持する。
このような構成により顕熱交換部32はインナーフィン40により区画され、インナーフィン40およびコルゲート板13により複数の通路が形成される。なお、コルゲート板13およびインナーフィン40は、ろう付けにより固定されている。一方、図6に示すように潜熱交換部33にはインナーフィン40が設けられておらず、排気ガスの流れに対して抵抗となるものが少ない流通低抵抗領域41が形成している。このように、インナーフィン40を挿入している空間と流通低抵抗領域41とを明確に区別して形成することで、排気ガス通路30全体において排気ガスの流れ方向にインナーフィン40が不均一に設けられる構造となる。
また、図5に示すように受熱媒体通路31にもインナーフィン40は挿入されていない。水は排気ガスに比べて熱伝導率が高いため、受熱媒体通路31にインナーフィン40を設けなくとも排気ガスと水との間で高い熱交換性を実現できる。また、必要以上に水と排気ガスの熱交換性を向上させ水の温度を高めてしまうと、水中のカルシウムが析出し、受熱媒体通路31が目詰まりを起こし圧力損失が大きくなり、受熱媒体ポンプ8cの消費電力が増大する。
以上のようにインナーフィン40は潜熱交換部33よりも顕熱交換部32において、排気ガスと水との伝熱面積が拡大するように設けられている。したがって、排気ガスの温度が露点温度よりも高い領域では、排気ガスから水への放熱量を増大させることができる。つまり、排気ガスの温度が露点温度である60℃よりも高い領域では、排気ガス通路30の単位表面積当りの放熱量を増大させることができ、排気ガスと水との熱交換性を高くすることができる。また、排気ガスの温度が露点温度である60℃以下の領域では、熱伝達の良い潜熱交換(凝縮熱交換)により、インナーフィンがなくとも十分な放熱量を確保できる。
さらに、潜熱交換部33には、排気ガスの流れ抵抗となるインナーフィン40が設けられていない流通低抵抗領域41が形成されており、インナーフィン40は排気ガスの流れ方向に対して不均一に設けられている。排気ガス通路30には、インナーフィン40が設けられている空間と、インナーフィン40が設けられていない流通低抵抗領域41とが区別されて形成されており、この2つの空間において排気ガスの流れの勢いが変化する。よって、流通低抵抗領域41を備える潜熱交換部33では、排気ガスの流れる勢いが顕熱交換部32に比べて大きくなる。よって、潜熱交換部33では顕熱交換部32に比べて排気ガスは流れやすくなり、潜熱交換部33では排気ガスが排気ガス通路30に存在する凝縮水等を押し流す力が大きくなる。
以上のような構成により潜熱交換部33において凝縮水による流通抵抗の増大を抑制できる。また潜熱交換部33において凝縮水が発生しても、凝縮水は排気ガスによって潜熱交換部33の下流側に押し流される。そして潜熱交換部33下流側に押し流された凝縮水は潜熱交換部33の外部に押し流される。このようにして、潜熱交換部33における凝縮水の堆積を抑制することで、潜熱交換部33に水膜が形成され排気ガス通路30の圧力損失が上昇することを抑制できる。以上のように、顕熱交換部32では排気ガスと水との高い熱交換性を実現できる。よって、排熱回収器10の大きさを抑えつつ、且つ排気ガスと水との熱交換性を十分に確保できる。また、潜熱交換部33に水膜が形成され排気ガス通路30の圧力損失が上昇することを抑制できるので、排気ガスを移送するために排気ガスポンプ7が消費する電力量が増大することを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記実施形態と異なる部分について図7および図8を用いて説明する。上記実施形態では、伝熱面積拡大手段は、インナーフィン40により構成されていた。一方、第2実施形態の伝熱面積拡大手段は、排気ガス通路30Aを構成するコルゲート板13の側壁13aに設けられた凸部50により構成されている。図7に示すように凸部50は排気ガス通路30Aにおいて互いに対向する方向に突出して形成されている。対向する凸部50の先端同士は接触している。また、対向する凸部50は同じ形状に形成されている。凸部50は、側壁13aから排気ガスの流れ方向に対して交差(略直交)する方向に突出して形成されている。なお、凸部50は、側壁13aにろう付けにより固定されている。
図8に示すように、本実施形態では、排気ガス通路30Aにおいて排気ガスの流れ方向に複数の凸部50が隣接して形成されている。つまり、凸部50と流通低抵抗領域41Aとが交互に、つまり凸部50は排気ガスの流れ方向において不均一に設けられている。さらに隣接する凸部50同士の間隔は、排気ガス通路30Aの上流側から下流側に向かうにつれて一定の割合で長くなるように形成されている。つまり、顕熱交換部32よりも潜熱交換部33において隣接する凸部50同士の間隔は広くなっている。なお、図8の破線は顕熱交換部32と潜熱交換部33の境界線を示している。さらに排気ガス通路30Aにおいて排気ガスの流れ方向の最も下流端部には、流通低抵抗領域41Aが形成されている。排気ガス通路30Aにおいて排気ガスの流れ方向の最も下流端部では最も排気ガスの温度が低くなるため、凝縮水が発生しやすい。このため、前記最も下流端部では排気ガスから水への放熱を抑制するために伝熱面積拡大手段である凸部50を設けていない。
このような構造により、顕熱交換部32では、隣接する凸部50同士の間隔が潜熱交換部33における凸部50同士の間隔に比べて狭いので、潜熱交換部33よりも顕熱交換部32において排気ガスから水への伝熱面積を大きくすることができる。このように顕熱交換部32では、排気ガスから水への放熱量を増大することができるので、排熱回収器10Aの冷却効率を増大させることができる。また、潜熱交換部33においては、凸部50同士の間隔が顕熱交換部32に比べて大きいので、潜熱交換部33における排気ガスから水への放熱量を、顕熱交換部32における放熱量に比べて小さくすることができる。このように、潜熱交換部33において、排気ガスから水への放熱量を抑えることで、排気ガス中に含まれる水蒸気が凝縮し凝縮水が発生することを抑制できる。
さらに、排気ガス通路30Aには、排気ガスの流れ抵抗となる凸部50が設けられていない流通低抵抗領域41Bが複数箇所に形成されている。排気ガス通路30B中を流通低抵抗領域41Bが占める割合は、顕熱交換部32よりも潜熱交換部33において高い。よって、排気ガスの流れる勢いは顕熱交換部32よりも潜熱交換部33において大きくなる。よって、潜熱交換部33では顕熱交換部32に比べて排気ガスは流れやすくなり、潜熱交換部33では排気ガスが排気ガス通路30Bに存在する凝縮水等を押し流す力が大きくなる。
したがって、潜熱交換部33において凝縮水が発生しても、凝縮水は排気ガスによって潜熱交換部33の下流側に押し流される。そして潜熱交換部33下流側に押し流させた凝縮水は潜熱交換部33の外部に押し流される。このようにして、潜熱交換部33における凝縮水の堆積を抑制することで、潜熱交換部33に水膜が形成され排気ガス通路30Aの圧力損失が上昇することを抑制できる。
以上のように、顕熱交換部32では排気ガスと水との高い熱交換性を実現できる。よって、排熱回収器10Aの大きさを抑え、且つ排気ガスと水との熱交換性を十分に確保できる。また、潜熱交換部33に水膜が形成され排気ガス通路30Aの圧力損失が上昇することを抑制できるので、排気ガスを移送するために排気ガスポンプ7が消費する電力量が増大することを抑制できる。
また、潜熱交換部33において凸部50同士の間隔を広くすることで、潜熱交換部33において凸部50に排気ガス中の微粒子成分、特に粘性の強い成分が付着および堆積することを抑制することができる。さらに、対向する凸部50の先端同士は接触しているので、受熱媒体通路31Aを流れる水の水圧により、コルゲート板13により形成されている側壁13aが変形することを抑制することができる。つまり、水の水圧により、側壁13aは排気ガス流路30Aの流路面積を縮小する方向に外力を加えられるが、同時に対向する凸部50同士が側壁13aに対して前記外力と反対の方向に力を加える。このようにして側壁13aが変形することを抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分について図9を用いて説明する。第1実施形態では、顕熱交換部32にインナーフィン40を挿入し、潜熱交換部33にはインナーフィン40を挿入しない構造とした。一方、第3実施形態の排熱回収器10Bでは、顕熱交換部32および潜熱交換部33にインナーフィン40、40Bを挿入している。なお、図9の破線は顕熱交換部32と潜熱交換部33の境界線を示している。図9に示すように潜熱交換部33にはインナーフィン40よりも排気ガスの流れ方向における長さが短いインナーフィン40Bを設けている。インナーフィン40Bは、長さ以外は第1実施形態で説明したインナーフィン40と同一形状である。潜熱交換部33では流通低抵抗領域41Bとインナーフィン40Bとが交互に設けられている。
排気ガス通路30Bにおいて排気ガスの流れ方向の上流側では流通低抵抗領域41Bが形成されており、中流側にはインナーフィン40Bが設けられており、下流側では流通低抵抗領域41Bが形成されている。このようにインナーフィン40Bと流通低抵抗領域41Bとを交互に、つまりインナーフィン40は排気ガスの流れ方向において不均一に設けられている。このような構造により、排気ガス中に含まれる水蒸気の凝縮を抑制しつつ、排気ガスから水への放熱量を増大させることができる。
また、排気ガス通路30Bにおいて排気ガスの流れ方向の最も下流端部には、流通低抵抗領域41Bが形成されている。排気ガス通路30Bにおいて排気ガスの流れ方向の最も下流端部では最も排気ガスの温度が低くなるため、凝縮水が発生しやすい。このため、前記最も下流端部では排気ガスから水への放熱を抑制するために伝熱面積拡大手段であるインナーフィン40Bを設けていない。
また、中流側に設けられているインナーフィン40Bにおける排気ガスの流れ方向の長さは、潜熱交換部33において排気ガスと水との熱交換により凝縮水が発生することを抑制できる程度の長さであり、本実施形態では、潜熱交換部33の全長の3分の1程度の長さである。
このような構造により、顕熱交換部32では排気ガスと水との熱交換性を高めることができる。また、潜熱交換部33では、水膜により圧力損失が発生することを抑制することができる。さらに、潜熱交換部33にインナーフィン40Bを設けているので、凝縮水の発生を抑制しつつ、排気ガスから水への放熱量を増加させている。以上のように、排熱回収器10Bの大きさを抑えつつ、且つ排気ガスと水との熱交換性を十分に確保できる。また、潜熱交換部33に水膜が形成され排気ガス通路30Bの圧力損失が上昇することを抑制できるので、排気ガスを移送するために排気ガスポンプ7が消費する電力量が増大することを抑制できる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上記第1実施形態では、伝熱面積拡大手段として、折り返し面が平坦状で断面が矩形波形状に形成されたインナーフィン40を採用した。しかし、このような構造に限らず波形に曲折形成されたインナーフィンを排気ガス通路に設けても構わない。このような構造でも、同様の効果を得ることができる。
(2)上記実施形態では、インナーフィン40をコルゲート板13にろう付けすることで、インナーフィン40を排気ガス通路30に固定した。しかし、このような構造に限らず、インナーフィン40をコルゲート板13の側壁13aで挟持してもよい。側壁13aは受熱媒体通路を連通する水からの水圧を受ける。前記外力を受けて前記側壁13aは排気ガス通路の流路面積を縮小する方向に変形する。このようにして、側壁13aによってインナーフィンを挟持することができる。したがって、ろう付けする加工工程を削減できるため、コストを下げることができる。
10、10A、10B・・・排熱回収器(熱交換器)
30、30A、30B・・・排気ガス通路(加熱媒体通路)
32・・・顕熱交換部
33・・・潜熱交換部
40・・・インナーフィン(伝熱面積拡大手段)
41、41A、41B・・・流通低抵抗領域
50・・・凸部(伝熱面積拡大手段)

Claims (5)

  1. 断面形状が全体として矩形波形状となるように形成されたコルゲート板(13)と2つの側板(11、12)によって構成されて、水蒸気を含む加熱媒体が流通する加熱媒体通路(30B)を備え、
    前記加熱媒体と、前記加熱媒体通路の外部を流通する受熱媒体と、の間で熱交換を行う熱交換器(10B)であって、
    前記加熱媒体と前記受熱媒体との伝熱面積を拡大する伝熱面積拡大手段(40、40B)を有し、
    前記加熱媒体通路には、前記加熱媒体の温度が露点温度よりも高い顕熱交換部(32)と、前記加熱媒体の温度が前記露点温度以下の潜熱交換部(33)と、が形成されており、
    前記伝熱面積拡大手段は、前記潜熱交換部よりも前記顕熱交換部において前記伝熱面積が拡大するように設けられるインナーフィンであり、
    前記潜熱交換部の少なくとも一部には、前記インナーフィンが設けられていない流通低抵抗領域(41B)が形成されており、前記インナーフィンは前記加熱媒体通路において前記加熱媒体の流れ方向に不均一に設けられており、
    前記インナーフィンは、前記顕熱交換部および前記潜熱交換部のそれぞれに設けられ、前記潜熱交換部の前記インナーフィンは、前記顕熱交換部の前記インナーフィンよりも前記加熱媒体の流れ方向における長さが短いことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記潜熱交換部には、前記加熱媒体の流れ方向における上流側と下流側の間に位置する中流側に前記インナーフィンが設けられ、かつ前記流通低抵抗領域と前記インナーフィンとが交互に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記加熱媒体通路の最も下流端部には前記流通低抵抗領域が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記加熱媒体通路の外部には、前記受熱媒体が流通する受熱媒体通路(31)が形成されており、
    前記インナーフィンは前記受熱媒体通路には設けられていないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  5. 前記加熱媒体は燃料電池(5)において燃料を燃焼することにより発生する排気ガスであり、前記受熱媒体は水であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器。
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