JP2006234290A - 熱交換器及び冷凍機 - Google Patents

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Yasushi Furuya
泰 古谷
Yuichi Sato
裕一 佐藤
Toru Tokumaru
徹 徳丸
Takukan Senda
卓寛 仙田
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Abstract

【課題】チューブ群が2パス以上の複数流路で構成されたシェル・アンド・チューブ型の熱交換器において、伝熱促進効果に対する圧力損失によるデメリットが小さくて全体として熱交換能力が向上して小型化が図れる熱交換器を提供すること。
【解決手段】シェル21内に伝熱管となるチューブ23,25を設置し、一方の媒体(冷媒)がシェル21内で相変化を伴なって熱を吸収又は放出し、他方の媒体(冷水又は冷却水)がチューブ23,25内で顕熱交換にて一方の媒体を加熱又は冷却し、さらにチューブ23,25が供給側と戻り側の2パス以上の複数の流路で構成されているシェル・アンド・チューブ型の熱交換器(蒸発器又は凝縮器)20,40である。供給側のチューブ23の内表面構造を戻り側のチューブ25の内表面構造に比べて伝熱促進効果の高い構造とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍機の蒸発器、凝縮器、或いは石油の精製に不可欠な分留装置等として用いて好適なシェル・アンド・チューブ型の熱交換器及びこの熱交換器を用いた冷凍機に関するものである。
従来、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器は、筒状のシェル内に伝熱管となるチューブを設置し、シェル内に媒体を通すとともに、チューブ内にも媒体を通し、シェル内を通す媒体が相変化を伴なって熱を吸収又は放出し、チューブ内を通す媒体が相変化を伴わない水等の媒体であって顕熱交換にて前記シェル内の媒体を加熱又は冷却する構造に構成されている。そしてこの種の熱交換器に用いるチューブとしては、伝熱管であるチューブの内表面及び外表面にフィン等を加工してその伝熱促進効果を高めた構造のものを用い、熱交換器の性能向上又は熱交換器の小型化を図るのが一般的である。
ここでチューブ内表面の伝熱促進効果を得るには、図1に示すように、チューブ100の内表面に図1(a),(b),(c),(d)のようなフィン加工を施せば良い。ここで図1(a)に示すフィン構造は管軸に平行なフィン101を形成した直線状フィン構造であり、図1(b)に示すフィン構造は環状螺旋フィン103を形成した環状螺旋フィン構造であり、図1(c)に示すフィン構造は環状螺旋フィン105の上端辺に前記螺旋にクロスするクロス溝107を設けたクロス溝付き環状螺旋フィン構造であり、図1(d)に示すフィン構造は一対の環状螺旋フィン109,111をクロスさせたクロスフィン構造である。そして図1(a),(b),(c),(d)の順に伝熱促進効果が高くなるが、その結果この順番にチューブ内を流れる媒体の圧力損失も大きくなることが判っている。即ちチューブ内を流れる媒体の流速が同一の条件下では圧力損失と伝熱促進効果を施した熱伝達率には相関関係があり、熱交換器の性能向上対策として伝熱促進効果の高いチューブを採用すれば逆に圧力損失が増大する逆の効果が出てくる。即ち図1(d)に示すクロスフィン構造の伝熱管は最も伝熱促進効果が得られるが最も圧力損失が大きい伝熱管でもある。また伝熱促進効果を高くすると、加工工程が多くなり、高価になる。
一方、相変化を伴なう媒体に対してチューブ外表面の伝熱促進効果を得るには、物理現象にあった表面構造に加工することが必要であり、沸騰現象に対しては図2(a),(b)に示すようなトンネル構造の形状が、一方凝縮現象に対しては図3(a),(b)に示すような三次元形状のフィン構造が最適である。ここで図2(a),(b)に示すチューブの外面構造は、チューブ100の外表面に設けたフィン113の先端を隣接するフィン113に当接するように折り曲げることで隣接するフィン113間にトンネル115を形成し、且つ各フィン113の先端辺に凹部を形成していくことでトンネル115の上部にトンネル115の内部と外部を連通する複数(多数)の開口117を設けて構成されている。また図3(a),(b)に示すチューブの外面構造は、チューブ100の外表面に、並列に設けた溝118を介して環状又は螺旋状に複数の略多角錐形状(三次元形状)のフィン119を連続して設けて構成されている。
また、蒸発器や凝縮器のようにシェル側は相変化が生じる媒体で、チューブ側は顕熱熱交換する媒体のシェル・アンド・チューブ型の熱交換器の中には、シェル内に設置されるチューブ群が、少なくとも供給側と戻り側の2パス以上の複数流路で構成されたものがある。そしてチューブを構成する伝熱管としてチューブ内表面に前記伝熱促進効果の高いフィン構造等を施した高価な高性能沸騰型の伝熱管や高性能凝縮型の伝熱管を採用すれば、シェル側、チューブ側の温度条件を変えずに熱交換器の交換熱量を増やすことができるか、又は同一熱量でも熱交換器を小型にすることができる。
ところで上記チューブが2パス以上の複数流路で構成されたシェル・アンド・チューブ型の熱交換器においては、熱交換器の負荷に対する供給側チューブ群での熱交換量の割合が大きく、戻り側チューブ群での熱交換量は供給側チューブ群の半分以下である。一方そのチューブとして前述のように伝熱促進効果の高いチューブを採用すれば、逆にチューブ内を通る媒体の圧力損失は増大する。即ち供給側チューブ群はともかく、戻り側チューブ群での交換熱量は少ないため、戻り側チューブ群に関しては、伝熱促進効果に対して圧力損失によるデメリットの方が増大してしまうという問題点があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、チューブ群が2パス以上の複数流路で構成されたシェル・アンド・チューブ型の熱交換器において、伝熱促進効果に対する圧力損失によるデメリットが小さくて全体として熱交換能力が向上して小型化が図れる熱交換器及びこの熱交換器を用いた冷凍機を提供することにある。
熱交換器の性能を良くすることはチューブの内表面及び外表面での熱伝達率を高くして熱通過率を上昇させ、より小さい媒体間の温度差で熱の移動量を確保できるようにすることであるが、本発明を適用する熱交換器のようにシェル側が相変化を伴なう媒体であり、且つチューブ側が複数のパスで構成されてその媒体が顕熱変化で熱交換を行うシェル・アンド・チューブ型の熱交換器では、供給側のチューブ内の媒体とシェル側の媒体との温度差が、戻り側のチューブ内の媒体とシェル側の媒体との温度差に比較してかなり大きく、その結果供給側と戻り側で熱の移動量に大きな差がでてくる。従ってこの種の熱交換器では、全てのチューブに高価な伝熱促進効果を有する構造の伝熱管を採用すれば、チューブ内の媒体の圧力損失が増大するにもかかわらず、媒体の戻り側では前記圧力損失の増大に見合って熱交換量を増大させる効果が期待できない。そこで本願発明は、供給側のチューブの熱交換量が戻り側のチューブの熱交換量に比較して必然的に大きくなる事実に着目し、この差をさらに大きくする伝熱管の選択及び配置を行うことで、チューブ内の媒体の圧力損失を増大させることなく、熱交換能力の向上を図ることとした。
即ち本願請求項1に記載の発明は、シェル内に伝熱管となるチューブ群を設置し、一方の媒体が前記シェル内で相変化を伴なって熱を吸収又は放出し、他方の媒体が前記チューブ群内で顕熱交換にて前記一方の媒体を加熱又は冷却し、さらに前記チューブ群が少なくとも供給側と戻り側の2パス以上の複数の流路で構成されているシェル・アンド・チューブ型の熱交換器において、前記供給側のチューブ群を、前記戻り側のチューブ群よりも伝熱促進効果の高い伝熱管で構成したことを特徴とする熱交換器にある。
本願請求項2に記載の発明は、前記供給側のチューブの内表面構造を、前記戻り側のチューブの内表面構造に比べて、伝熱促進効果の高い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器にある。
本願請求項3に記載の発明は、前記シェル内の媒体が沸騰伝熱に用いられ、且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、トンネル状の穴を有してその外表面に前記トンネルの内部と外部を連通する複数の開口を設けてなるトンネル構造とし、一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器にある。
本願請求項4に記載の発明は、前記シェル内の媒体が凝縮伝熱に用いられ、且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、三次元的構造のフィンを有する構造とし、一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器にある。
本願請求項5に記載の発明は、前記シェル内の媒体が沸騰伝熱に用いられ、且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、トンネル状の穴を有してその外表面に前記トンネルの内部と外部を連通する複数の開口を設けてなるトンネル構造とし、一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、前記トンネル構造又は環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造とし、さらに前記供給側のチューブの内表面構造を、前記戻り側のチューブの内表面構造に比べて、伝熱促進効果の高い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器にある。
本願請求項6に記載の発明は、前記シェル内の媒体が凝縮伝熱に用いられ、且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、三次元的構造のフィンを有する構造とし、一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、前記三次元的構造のフィンを有する構造又は環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造とし、さらに前記供給側のチューブの内表面構造を、前記戻り側のチューブの内表面構造に比べて、伝熱促進効果の高い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器にある。
本願請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内の何れかに記載の熱交換器を、蒸発器又は凝縮器として用いたことを特徴とする冷凍機にある。
チューブの供給側(熱交換量の大きい側)に圧力損失の大きい高価な伝熱性能の高い(伝熱促進効果の大きい)伝熱管を採用し、戻り側(熱交換量の小さい側)に圧力損失が小さく廉価で製作できるが伝熱性能の劣る(伝熱促進効果の少ない又は伝熱促進効果のない)伝熱管を採用することとし、全体としてチューブ内の媒体の圧力損失を増大させることなくしかもチューブ側とシェル側の温度条件を変えずに熱交換量を増大させることができ、或いは同一熱交換量ならば熱交換器の性能を維持しながらチューブ本数を減らすことで小型化・コストダウンが可能な熱交換器及びこの熱交換器を用いた冷凍機を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図4(a)は本発明の一実施形態にかかるシェル・アンド・チューブ型の熱交換器を用いて構成された冷凍機10の概略構成図、図4(b)は図4(a)に示す蒸発器20の横断面概略図(図4(a)のA−A断面図)である。同図に示す冷凍機10は、蒸発器20と圧縮機30と凝縮器40と絞り機構50とを配管60−1,2,3,4で連結して構成されている。そしてこの冷凍機10においては、本実施形態にかかるシェル・アンド・チューブ型の熱交換器を、蒸発器20及び凝縮器40に採用している。
即ち蒸発器20は図4(b)に示すようにシェル21内に冷水(媒体)を通す伝熱管群からなるチューブ23,25を設置し、一方シェル21内では図4(a)に示すように冷媒(媒体)がシェル21の下部から入り、沸騰蒸発してチューブ23,25内の冷水を冷却した後にシェル21の上部から出ていくように構成されている。ここで図4(b)に示すようにチューブ23はシェル21の下側に設置されて冷水の供給側の管群を構成し、チューブ25はシェル21の上側(チューブ23の上側)に設置されて冷水の戻り側の管群を構成している。即ち熱交換器である蒸発器20は冷水が下側の管群(チューブ23)に入り(供給側)、上側の管群(チューブ25)から戻る2パス構造となっている。
そして本実施形態においては、前記供給側のチューブ23を、前記戻り側のチューブ25よりも伝熱促進効果の高い伝熱管(伝熱管群)で構成した。具体的には例えば、供給側のチューブ23を構成する各伝熱管の内表面構造を、圧力損失は大きいが伝熱促進効果の大きいクロスフィン構造(図1(d)参照)とし、且つその外表面構造を、相変化を伴なう媒体に対する伝熱促進効果を得るのに好適なトンネル構造(図2(a)又は(b)参照)とし、一方戻り側のチューブ25を構成する各伝熱管の内表面構造を、伝熱促進効果は小さいが圧力損失の小さい直線状フィン構造(図1(a)参照)又は環状螺旋フィン構造(図1(b)参照)或いは伝熱促進効果のない平滑面構造(平滑管)とし、且つその外表面構造を、単に伝熱面を拡大する環状フィン構造又は環状螺旋フィン構造(内表面に用いた図1(b)と同様の構造)とした。
このようにチューブ23,25の内外表面構造を構成したのは以下の理由による。即ちシェル21内では相変化が生じているから温度は一定であり、一方チューブ23,25内では供給側の伝熱管群内媒体の温度は戻り側の伝熱管群内媒体の温度に比較して高いことは明白である。従って供給側のチューブ23の熱負荷は戻り側のチューブ25の熱負荷に比較して大きく、図5(蒸発器20での全熱負荷に対する供給側熱交換比率を示す図)に示すように、供給側の交換熱量は、蒸発器20の全交換熱量の70〜80%を占めている。そこで上述のように、交換熱量の多い供給側のチューブ23の内外面構造を圧力損失やコストは大きいが伝熱促進効果も大きい構造とし、戻り側のチューブ25の内外面構造を圧力損失やコストは小さいが伝熱促進効果も小さい構造とし、これによって全体の圧力損失やコストを増大することなく熱交換器の負荷に対する供給側のチューブ23の交換熱量を増やすことによりチューブ23,25の本数を増やすことなく熱交換量を増大させるか、或いは同一熱交換量ならばチューブ23,25の本数を減らすことができるように構成したのである。図5は全てのチューブを外表面がトンネル構造で内表面が環状螺旋フィン構造のチューブで構成した従来例と、外表面は従来例と同一であっても供給側のチューブ23をクロスフィン構造に、戻り側のチューブ25を従来例よりも伝熱促進効果の小さいチューブに置き換えて構成した実施例の供給側熱交換量の違いを示したものである。同一の温度条件で同一熱負荷を得られる熱交換器であり、実施例のチューブ本数は従来例よりも少なく構成している。
さらに詳しく説明すると、図6は通常利用される環状螺旋フィン構造(図1(b))の内表面構造を有する伝熱管(伝熱管例1)と、最も伝熱促進効果の高いクロスフィン構造(図1(d))の内表面構造を有する伝熱管(伝熱管例2)の、管内冷水流速と熱伝達率との関係を示す図である。同図に示すように環状螺旋フィン構造の伝熱管に比べてクロスフィン構造の伝熱管の方が、約50%程度の熱伝達率(伝熱促進効果)の向上を図ることができる。一方図示はしないが、圧力損失と伝熱促進効果には相関関係があり、環状螺旋フィン構造の伝熱管に比べてクロスフィン構造の伝熱管の方が、圧力損失は20〜30%増加する。
一方伝熱管内の伝熱性能は、媒体の供給側,戻り側で変わることはないが、相変化を伴う伝熱管外の伝熱性能は図7に示すように、供給側,戻り側で大きく異なることが判っている。蒸発器20の場合の沸騰は熱流速(熱負荷)に対して比例的に増加する現象であるから供給側の熱負荷(交換熱量)を大きくし、戻り側の熱負荷を小さくする伝熱管の配置が有効である。
従ってこの実施形態のように、供給側のチューブ23の熱交換量を増加して戻り側のチューブ25の熱負荷を減少すれば、本実施形態のように戻り側のチューブ25に図2(a),(b)に示すトンネル構造の高価な沸騰伝熱管を採用する必要は無く、廉価な外表面(拡大伝熱面)である環状フィン構造又は環状螺旋フィン構造の伝熱管を採用することが可能であり、その分コストを低く押えつつ効果的に熱交換器の性能を向上させることができるのである。なお場合によっては戻り側のチューブ25にも図2(a),(b)に示すトンネル構造の沸騰伝熱管を採用してもよく、その場合でもチューブ25の内表面構造を供給側のチューブ23の内表面構造よりも伝熱促進効果の低い簡単な構造とすることで、圧力損失を効果的に減少し、同時に低コスト化を図ることができる。
一方凝縮器40内部のチューブの配置はその上部空間に多少の違いはあるが、ほぼ蒸発器20の場合と同様の配置となっていて、シェル内の上下に伝熱管群からなる供給側と戻り側のチューブ群を設置して構成されており、上側のチューブ群が冷却水の供給側、下側のチューブ群が冷却水の戻り側となる、蒸発器20と同様の2パス構造となっている。そしてこの凝縮器40のシェル内にその上部から流入した冷媒はチューブ内の冷却水に熱を放出して凝縮し、シェルの下部から流出する。
そして本実施形態においては、前記供給側のチューブ群を、前記戻り側のチューブ群よりも伝熱促進効果の高い伝熱管(伝熱管群)で構成した。具体的には例えば、供給側のチューブを構成する各伝熱管の内表面構造を、蒸発器20と同様に圧力損失は大きいが伝熱促進効果の大きいクロスフィン構造(図1(d)参照)とし、且つその外表面構造を、相変化を伴なう媒体に対する伝熱促進効果を得るのに好適な三次元的構造(図3(a)又は(b)参照)とし、一方戻り側のチューブを構成する各伝熱管の内表面構造を、伝熱促進効果は小さいが圧力損失の小さい環状フィン構造(図1(a)参照)又は環状螺旋フィン構造(図1(b)参照)或いは伝熱促進効果のない平滑面構造とし、且つその外表面構造を、単に伝熱面を拡大する環状フィン又は環状螺旋フィン構造(図1(a),図1(b)と同様の構造)とした。
このようにチューブの内外表面構造を構成したのは以下の理由による。即ち凝縮器40のシェル内も蒸発器20同様、相変化が生じているから冷媒の温度はほぼ一定であり、一方チューブ内では供給側の伝熱管群内の冷却水の温度が低く、戻り側の伝熱管群内の冷却水温度が高い条件になるため、蒸発器20同様、凝縮器40の全交換熱量に占める供給側の交換熱量が大きく、図8(凝縮器40での全熱負荷に対する供給側熱交換比率を示す図)に示すように、供給側の交換熱量は、凝縮器40の全交換熱量の70%を越えるのが一般的である。そこで上述のように、交換熱量の多い供給側のチューブの内外面構造を圧力損失やコストは大きいが伝熱促進効果も大きい構造とし、戻り側のチューブの内外面構造を圧力損失やコストは小さいが伝熱促進効果も小さい構造とし、これによって全体の圧力損失やコストを増大することなく熱交換器の負荷に対する供給側のチューブの交換熱量を増やすことによりチューブの本数を増やすことなく熱交換量を増大させるか、或いは同一熱交換量ならばチューブの本数を減らすことができるように構成したのである。図8は全てのチューブを外表面が3次元構造で内表面が環状螺旋フィン構造のチューブで構成した従来例と、外表面は従来例と同一であっても供給側のチューブ23をクロスフィン構造に、戻り側のチューブ25を従来例よりも伝熱促進効果の小さいチューブに置き換えて構成した実施例の供給側熱交換量の違いを示したものである。同一の温度条件で同一熱負荷を得られる熱交換器であり、実施例のチューブ本数は従来例よりも少なく構成している。
さらに詳しく説明すると、図9は通常利用される環状螺旋フィン構造(図1(b))の内表面構造を有する伝熱管(伝熱管例1)と、最も伝熱促進効果の高いクロスフィン構造(図1(d))の内表面構造を有する伝熱管(伝熱管例2)の、管内冷却水流速と熱伝達率との関係を示す図である。同図に示すように環状螺旋フィン構造の伝熱管に比べてクロスフィン構造の伝熱管の方が、約50%程度の熱伝達率(伝熱促進効果)の向上を図ることができる。一方図示はしないが、圧力損失と伝熱促進効果には相関関係があり、環状螺旋フィン構造の伝熱管に比べてクロスフィン構造の伝熱管の方が、圧力損失は20〜30%増加する。
一方伝熱管内の伝熱性能は、媒体の供給側,戻り側で変わることはないが、相変化を伴う伝熱管外の伝熱性能は図10に示すように、供給側,戻り側で異なる。凝縮熱伝率が熱負荷の増加(凝縮液量の増加に相当)に対して減少するのは物理現象に合った傾向であり、蒸発器と同様に考えることはできないが、やはり供給側の熱負荷(熱交換量)を増加させることに熱交換器の性能を向上させる効果がある。
従ってこの実施形態のように、供給側のチューブの熱交換量を増加して戻り側のチューブの熱負荷を減少すれば、本実施形態のように戻り側のチューブに図3(a),(b)に示す三次元的構造のフィンを有する高価な凝縮伝熱管を採用する必要は無く、廉価な外表面(拡大伝熱面)である環状フィン構造又は環状螺旋フィン構造の伝熱管を採用することが可能であり、その分コストを低く押えつつ効果的に熱交換器の性能を向上させることができるのである。なお場合によっては戻り側のチューブにも図3(a),(b)に示す三次元的構造の凝縮伝熱管を採用してもよく、その場合でも戻り側のチューブの内表面構造を供給側のチューブの内表面構造よりも伝熱促進効果の低い簡単な構造とすることで、圧力損失を効果的に減少し、同時に低コスト化を図ることができる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では、シェル内に設置するチューブ群を、供給側と戻り側の2パス、即ち2つの流路で構成したが、供給側と戻り側を有する構造であれば、3パス以上の構成としても良い。また上記実施形態では本発明を冷凍機の蒸発器と凝縮器に利用した例を示したが、本発明は冷凍機以外の各種用途に用いる熱交換器に用いても良い。即ち本発明は、シェル内に伝熱管となるチューブ群を設置し、一方の媒体が前記シェル内で相変化を伴なって熱を吸収又は放出し、他方の媒体が前記チューブ群内で顕熱交換にて前記一方の媒体を加熱又は冷却し、さらに前記チューブ群が少なくとも供給側と戻り側の2パス以上の複数の流路で構成されているシェル・アンド・チューブ型の熱交換器であれば、どのような用途・構造のものにも適用できる。
チューブ内表面に設けられる各種フィン構造を示す要部斜視図である。 チューブ外表面に設けられる各種トンネル構造を示す要部斜視図である。 チューブ外表面に設けられる各種三次元的フィン構造を示す要部斜視図である。 図4(a)は本発明を適用したシェル・アンド・チューブ型の熱交換器を用いて構成された冷凍機10の概略構成図、図4(b)は蒸発器20の横断面概略図である。 蒸発器20での全熱負荷に対する供給側熱交換比率を示す図である。 蒸発器20での各種チューブの管内冷水流速と管内熱伝達率との関係を示す図である。 蒸発器20での供給側と戻り側のチューブ外の沸騰伝熱性能を示す図である。 凝縮器40での全熱負荷に対する供給側熱交換比率を示す図である。 凝縮器40での各種チューブの管内冷却水流速と管内熱伝達率との関係を示す図である。 凝縮器40での供給側と戻り側のチューブ外の凝縮伝熱性能を示す図である。
符号の説明
10 冷凍機
20 蒸発器(シェル・アンド・チューブ型の熱交換器)
21 シェル
23 チューブ
25 チューブ
30 圧縮機
40 凝縮器(シェル・アンド・チューブ型の熱交換器)
50 絞り機構
60−1,2,3,4 配管
100 チューブ
101 環状フィン
103 環状螺旋フィン
105 環状螺旋フィン
107 クロス溝
109,111 環状螺旋フィン(クロスフィン構造)
113 フィン
115 トンネル
117 開口
118 溝
119 フィン

Claims (7)

  1. シェル内に伝熱管となるチューブ群を設置し、一方の媒体が前記シェル内で相変化を伴なって熱を吸収又は放出し、他方の媒体が前記チューブ群内で顕熱交換にて前記一方の媒体を加熱又は冷却し、さらに前記チューブ群が少なくとも供給側と戻り側の2パス以上の複数の流路で構成されているシェル・アンド・チューブ型の熱交換器において、
    前記供給側のチューブ群を、前記戻り側のチューブ群よりも伝熱促進効果の高い伝熱管で構成したことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記供給側のチューブの内表面構造を、前記戻り側のチューブの内表面構造に比べて、伝熱促進効果の高い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記シェル内の媒体が沸騰伝熱に用いられ、
    且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、トンネル状の穴を有してその外表面に前記トンネルの内部と外部を連通する複数の開口を設けてなるトンネル構造とし、
    一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記シェル内の媒体が凝縮伝熱に用いられ、
    且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、三次元的構造のフィンを有する構造とし、
    一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記シェル内の媒体が沸騰伝熱に用いられ、
    且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、トンネル状の穴を有してその外表面に前記トンネルの内部と外部を連通する複数の開口を設けてなるトンネル構造とし、
    一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、前記トンネル構造又は環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造とし、
    さらに前記供給側のチューブの内表面構造を、前記戻り側のチューブの内表面構造に比べて、伝熱促進効果の高い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  6. 前記シェル内の媒体が凝縮伝熱に用いられ、
    且つ前記供給側のチューブの外表面構造を、三次元的構造のフィンを有する構造とし、
    一方前記戻り側のチューブの外表面構造を、前記三次元的構造のフィンを有する構造又は環状フィン又は環状螺旋フィンを施した構造とし、
    さらに前記供給側のチューブの内表面構造を、前記戻り側のチューブの内表面構造に比べて、伝熱促進効果の高い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  7. 請求項1乃至6の内の何れかに記載の熱交換器を、蒸発器又は凝縮器として用いたことを特徴とする冷凍機。
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