JP3739044B2 - 熱交換器及びそれを利用した熱交換式反応器 - Google Patents
熱交換器及びそれを利用した熱交換式反応器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器及びそれを利用した熱交換式反応器に関し、更に詳しくは、その中心部から放射状に外側に延びる渦巻き線となるように複数の熱交換用のチューブのそれぞれが配設された熱交換器及びそれを利用した熱交換式反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱交換器は、流体を冷却したり、加熱したり、蒸発させたりするなど様々な用途があり、産業界で広く利用されている。
今回の発明に近い技術として、図10(a)に示すようなガスタービン用の再生熱交換器が挙げられる。この熱交換器100は、タービン本体の外周部にインボリュート曲線に曲がったフィン101を積層して、流体a(加熱流体)と流体b(被加熱流体)を向流に流して熱交換させるドーナツ状の向流熱交換器として構成されている(米国特許第4098330号明細書参照)。
【0003】
また、触媒付きの熱交換式反応器としては、図10(b)に示すような主に角形のフィン付プレート形熱交換器を利用した熱交換式反応器200が知られている。この熱交換式反応器200は、フィン201(又は202)に触媒を坦持したものをプレートに接合し、これらを積層して流体a′と流体b′とが直交流で熱交換できるように構成されている(特開2000−203801号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術においては、以下のような問題があった。
(1)一般にガスタービン用の再生熱交換器は、加熱流体と被加熱流体とが混ざらないように遮断するシール箇所が多いので、シールの信頼性に問題があった。
(2)また、上記問題に加えて部品単品の構造が複雑で、更に部品の点数も多く製作コストが高くなるという問題があった。
【0005】
(3)さらに、一般の熱交換器は、各種形式を問わず外部への熱損失低減のために保温を施しているが、その為に断熱材を多量に使うので、熱交換器全体の大きさが実際よりも最終的に大きくなるという問題があった。また、保温工事の費用もかかっていた。
【0006】
(4)また、熱交換式反応器200として角形のフィン付プレート形熱交換器を使用した場合は、角部を平板で接続するため、熱交換器の内容積に対する外部に露出している外表面積が大きくなるので、放熱による外部へのエネルギーロスが多くなる。また、角形のフィン付プレート形熱交換器の内部で異常な圧力が発生した場合、内部で均一に圧力を分散できないので耐圧性において不利である。そこで角形のフィン付プレート形熱交換器の剛性を強化するために板厚を厚くすると、今度は重量が増し、熱容量が増加してしまうので熱交換器を始動してから安定するまでの時間が長くなるという問題があった。
(5)その上、従来の積層タイプの触媒付きの熱交換式反応器としては角形の熱交換式反応器しかなく、その形状の特性上四隅に流体の流れ難い部分ができるので、この部分の触媒の性能が出し切れないという問題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、第一の目的は、流体をシールするシール構造の信頼性が高く、かつ、製作コストの安い熱交換器を提供することである。また、第二の目的は、第一の目的に加えて外部への熱損失が少なく、かつ、耐圧性が高く、しかも流体間の熱交換効率を向上させることができる熱交換器を提供することを目的とする。第三の目的は、さらに第二の目的に加えてこの熱交換器のメリットを利用した熱交換式反応器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた請求項1に記載された熱交換器は、円筒形の外筒と、前記外筒の中心部に設けられる内筒と、前記外筒の内側に設けられ、前記内筒の外周部から放射状に延びる複数の渦巻き線となるようにそれぞれが配設される複数の熱交換用のチューブと、前記外筒の両端部に設けられ、前記各チューブの両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止するセパレータと、前記チューブ内空間及び/又は前記チューブ外空間に設けられるフィンと、前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間の何れか一方に連通し流体の出入口を形成する配管とを備え、前記チューブ内空間及び前記チューブ外空間のそれぞれに流体を通流させて熱交換させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1に記載された発明によると、
(1)外筒を円筒形にしたことにより、内圧によって発生した応力を均一に分散できるので、角形よりも耐圧性が向上する。また、外筒が円筒形をしており、熱交換器の内容積に対する外部に露出している外表面積を角形よりも小さくできるので、角形に比較して熱損失を少なくすることができる。
(2)内筒は中空で中実よりも軽いので、熱交換器の軽量化を図ることができる。
(3)前記内筒の外周部から放射状に延びる複数の渦巻き線となるようにそれぞれが配設される複数の熱交換用のチューブを設けることにより、外筒内半径方向のチューブ内空間の流路断面積とチューブ外空間の流路断面積を略同じにすることができるので各空間を流れる流体のそれぞれが均等に配分される。その結果、流体間の熱交換効率が向上する。
(4)前記外筒の両端部に設けられ、前記各チューブの両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止するセパレータを設けることにより、熱交換器の組み立てが容易となるばかりかシール構造の信頼性が向上する。また、シール箇所が少なくて済むので、組み立てるときの部品点数を少なくできる。その結果、製作コストを削減することができる。
(5)前記チューブ内空間及び/又は前記チューブ外空間にフィンを設けることにより、流体がフィンで乱されて流体間の熱交換効率が向上する。
(6)前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間の何れか一方に連通し流体の出入口を形成する配管を設けることで、熱交換器への流体の導入・排出がスムーズに行える。
【0010】
請求項2に記載された熱交換器は、前記外筒の周りには真空断熱層が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器である。
【0011】
請求項2に記載の発明によると、前記外筒の周りに真空断熱層を設けたことにより、外筒の内部から外部への熱損失が少ない熱交換器を形成することができる。また、断熱材が不要となり製作コストの低減が図れる。
【0012】
請求項3に記載された熱交換器は、前記チューブの外面には、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブが設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器である。
【0013】
請求項3に記載の発明によると、前記チューブの外面に、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブを設けたことにより、
(1)外筒の内側に複数の熱交換用のチューブを設けてチューブ同士で形成されるチューブ外空間にフィンを充填するときに、フィンの位置決めを簡単に行うことができる。
(2)リブで流路が絞られるので、チューブ外空間に流体を通流したときにリブの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体がチューブの外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
【0014】
請求項4に記載された熱交換式反応器は、請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載の熱交換器を備えた熱交換式反応器であって、前記フィンに替えて金属ハニカムが設けられ、該金属ハニカムの表面に触媒を坦持させたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載された発明によると、請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載の熱交換器を備えた熱交換式反応器であって、前記フィンに替えて金属ハニカムを設け、該金属ハニカムの表面に触媒を坦持させたことにより、金属ハニカムでは通流させる流体の流速をより高め、しかも容積当たりの表面積を大きくすることができるので、流体間の熱交換効率が高く、しかも触媒坦持面積の大きい円筒形の熱交換式反応器が形成できる。
この熱交換式反応器は、
(1)円筒形をしており、熱交換式反応器の内容積に対する外部に露出している外表面積を角形の熱交換式反応器よりも小さくできるので、角形の熱交換式反応器に比較して熱損失を少なくすることができる。
(2)また、外筒を円筒形にしたことにより、内圧によって発生した応力を均一に分散できるので、角形の熱交換式反応器よりも耐圧性が高い。
(3)外筒を円筒形にしたことにより、角形の熱交換式反応器のように四隅に流体の流れ難い部分ができない。従って、流体と触媒が充分に接触するので、角型の熱交換式反応器と比較して、触媒の性能を向上させることができる。
尚、ここでいう「金属ハニカム」とは、金属材料から成るハニカム部材である。
【0016】
請求項5に記載された熱交換式反応器は、前記外筒の周りには真空断熱層が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の熱交換式反応器である。
【0017】
請求項5に記載された発明によると、前記外筒の周りに真空断熱層を設けたことにより、外筒の内部から外部への熱損失が少ない熱交換式反応器を形成することができる。また、断熱材が不要となり製作コストの低減が図れる。
【0018】
請求項6に記載された熱交換式反応器は、前記チューブの外面には、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブが設けられたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の熱交換式反応器である。
【0019】
請求項6に記載された発明によると、前記チューブの外面に、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブを設けたことにより、チューブ外空間に前記金属ハニカムを挿入するときの位置決めが容易となる。また、リブで流路が絞られるので、チューブ外空間に流体を通流したときにリブの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体がチューブの外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
【0020】
請求項7に記載された発明は、前記内筒の内側に可燃性ガスを触媒燃焼させて熱媒体とする燃焼触媒を備え、該燃焼触媒で生成した前記熱媒体を前記金属ハニカムの設けられていない前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に供給すると共に、前記金属ハニカムの設けられた前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に改質原燃料を供給して、前記熱媒体からの熱を用いて前記改質原燃料を改質することを特徴とする請求項4から請求項6のうちの何れか1項に記載の熱交換式反応器を用いた改質反応器である。
【0021】
請求項7に記載された発明によると、前記内筒の内側に可燃性ガスを触媒燃焼させて熱媒体とする燃焼触媒を備え、該燃焼触媒で生成した前記熱媒体を前記金属ハニカムの設けられていない前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に供給すると共に、前記金属ハニカムの設けられた前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に改質原燃料を供給して、前記熱媒体からの熱を用いて前記改質原燃料を改質するようにしたことで、熱媒体及び改質原燃料それぞれが均等に分配され熱媒体と改質原燃料間の熱交換効率が高くなるので、改質効率の高い改質反応器が形成できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図9を参照して説明する。
尚、図1は、本発明に係る熱交換器の一実施形態を示す全体の構成図、図2は、本発明に係る熱交換器の外筒周りの外形斜視図、図3(a)は、図2の左側面図、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
また、図4(a)は、本発明に係るチューブの形状を説明するための図、図4(b)は、チューブの立体図、図5は、本発明に係る種々のフィンの外形図、図6は、チューブとセパレータの接続部の構造を説明するための部分断面図である。
図7(a)は、チューブの外側を流れる流体の出入口が、外筒の外周部にある場合の熱交換器におけるガスの流れを説明するための図、図7(b)は、チューブの外側を流れる流体の出入口が内筒の外周部にある場合の熱交換器におけるガスの流れを説明するための図である。
そして、図8は、本発明の熱交換器に係るチューブの表面温度分布を説明するための図、図9は、本発明に係る熱交換式反応器を改質反応器として用いた場合の実施例を説明するための図である。
【0023】
本発明に係る一実施形態の熱交換器1は、図1に示すように、
円筒形の外筒2と、前記外筒2の中心部に設けられる内筒5と、前記外筒2の内側に設けられ、前記内筒2の外周部から放射状に延びる複数の渦巻き線となるようにそれぞれが配設される複数の熱交換用のチューブ3と、前記外筒2の両端部に設けられ、前記各チューブ3の両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止するセパレータ4,4と、前記チューブ内空間及び前記チューブ外空間に設けられるフィン3fi,3fo(図3(b)参照)と、前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間の何れか一方に連通し流体の出入口を形成する配管P1,P2とから主要部が構成される。
【0024】
外筒2は、図2に示すような円筒形をしており、本実施形態のように、チューブ3の外側を流れる流体の出入口が外筒2の外周部にある場合には、図2及び図3に示すように、外筒2の両端部の周方向に沿ってブリード孔2a,2bが複数設けられている。
このように外筒2を円筒形にしたことにより、内圧によって発生した応力を均一に分散できるので、角形よりも耐圧性が向上する。また、円筒形をしているので、熱交換器1の内容積に対する外部に露出している外表面積を角形よりも小さくできるので、角形に比較して熱損失を少なくすることができる。
【0025】
外筒2の外側には、図1及び図7(a)に示すようなエアジャケット6が設けられており、前記エアジャケット6の外側には、さらに図7に示すような真空断熱層7が設けられている(但し、真空断熱層7は図1の熱交換器には設けられていない)。
この真空断熱層7は、エアジャケット6の外側に区画された2つの部屋を形成しており、部材ロウ付けの際、真空炉の真空を利用して製作することが可能である。また、真空断熱層7は、円筒形状とされることから、真空による応力が全周に均一に分散し、変形を抑制できる利点がある。
このように外筒2の周りにエアジャケット6を設け、前記エアジャケット6の外側に真空断熱層7を設けたことにより、外部への熱損失が少ない熱交換器1を形成することができる。また、断熱材が不要となり製作コストの低減が図れる。尚、外筒2の両端部には後記するセパレータ4,4が設けられている(図3参照)。
【0026】
内筒5は、外筒2の中心部に設けられる中空の配管で両端部は封止されている。
内筒5を設けたことにより、内筒は中空で中実よりも軽いので、熱交換器1の軽量化を図ることができる。
【0027】
チューブ3は、図3(a)に示すように、外筒2の内側に複数設けられ、内筒5の外周部から放射状に外側に延びる渦巻き線、例えば図4(a)に示すようなインボリュート曲線に沿って形成された中空の配管である。
尚、チューブ3は、図1及び図2では便宜のため1本のみを示してある。
このように内筒5の外周部から放射状に延びる複数の渦巻き線となるようにそれぞれが配設される複数の熱交換用のチューブ3を設けることにより、外筒内半径方向のチューブ内空間の流路断面積とチューブ外空間の流路断面積を略同じにすることができるので各空間を流れる流体のそれぞれが均等に配分される。その結果、流体間の熱交換効率が向上する。
尚、渦巻き線としては、インボリュート曲線の他には、外筒内半径方向のチューブ内空間の流路断面積とチューブ外空間の流路断面積を略同じにすることができる渦巻き線(アルキメデスの渦巻き曲線や対数渦巻き曲線等)であればなんでも良い。
【0028】
また、チューブ3の外面である表面及び裏面には、図4(a)及び図4(b)に示すように、リブ3ro,3riがそれぞれに設けられている。
このようにチューブ3の外面に、前記チューブ3を外筒2の内側に設けたときに、前記外筒2の半径方向に延在するリブ3ro,3riを設けたことにより、
(1)外筒2の内側に複数の熱交換用のチューブ3を設けてチューブ同士で形成されるチューブ外空間にフィン3foを充填するときに、フィン3foの位置決めを簡単に行うことができる。
(2)リブ3ro,3riで流路が絞られるので、チューブ外空間に流体を通流したときにリブ3ro,3riの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体がチューブ3の外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
【0029】
フィン3fi,3foは、チューブ内空間及びチューブ同士で形成されるチューブ外空間に設けられる。
フィン3fi,3foの形状としては、図5(a)〜図5(f)に示すようなフィンのうち少なくとも1つ以上のものを充填して使用することができる。
このようにチューブ内空間及びチューブ同士で形成されるチューブ外空間にフィン3fi,3foを設けることにより、流体がフィン3fi,3foで乱されて流体間の熱交換効率が向上する。尚、本実施形態では、フィン3fi,3foは、チューブ内空間及びチューブ外空間両方に充填しているが、どちらか一方の空間にのみ充填するようにしてもよい。
【0030】
次に、本発明の実施形態で使用される種々のフィンについて図5を参照して簡単に説明する。
図5(a)は、直線フィンである。断面形状は波形をしている。長手方向に延びる山と谷を有している
図5(b)は、多孔板フィンであり、断面形状は波形をしているが波板の長手方向には複数の孔が穿孔されている。
図5(c)は、ヘリボーンフィンであり、断面形状は波形をしているがフィンの背が上下方向に波形を有するフィンである。
図5(d)は、セレートフィンであり、断面形状は波形をしているが平面視長手方向の形状は凹凸のセレートを有している。
図5(e)は、オフセットフィンであり、平板に挟まれた矩形の筒の開口部に流体を通流させるようにしたものである。
図5(f)は、ルーバーフィンであり、折り畳んだフィンを区画した部屋に充填し、開口した屋根を各部屋の上部に設けるようにしたものである。
尚、このようなフィンを用いて流体間の熱交換効率を上げることもできるが、波形状のフィンにこだわる必要は無く、エンボス付きのプレートを積層するか、本発明のチューブ3に直接エンボス加工したものを使用して流体間の熱交換効率を上げることもできる。この場合、フィンを使用しないので軽量化も可能になる。
【0031】
流体の出入口を形成する配管P1,P2は、ブリード孔2a,2bを介してチューブ外空間に連通する円管部材である。
尚、流体の出入口を形成する配管P1,P2は、チューブ内空間に連通するように設けることもできる。
本実施形態では、流体の出入口を形成する配管P1,P2は、図1に示すように、エアジャケット6の外周の上下に180度反対向きの接線方向に延びるように設けられており、配管P1,P2の接続口は外筒2の軸方向において他端部側上部と一端部側下部にそれぞれ1個づつ設けられている。
このようにチューブ外空間に連通し流体の出入口を形成する配管P1,P2を設けることで、熱交換器1への流体の導入・排出がスムーズに行える。
【0032】
セパレータ4,4は、図6に示すように、円形の板材の半径方向にチューブ3,3…の外周と嵌合・固定するため孔をバーリング加工して設けたチューブ固定部材である。
このようにセパレータ4,4にチューブ3,3…と同一形状にバーリング加工を施し、このバーリングとチューブ3,3…とを溶接することによって溶接による熱変形を抑制することができる。
【0033】
セパレータ4,4は、外筒2の両端部に設けられ、各チューブ3の両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止する。
このように外筒2の両端部に設けられ、各チューブ3の両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止するセパレータ4,4を設けることにより、熱交換器1の組み立てが容易となるばかりかシール構造の信頼性が向上する。また、シール箇所が少なくて済むので、組み立てるときの部品点数を少なくできる。その結果、熱交換器の製作コストを削減することができる。
尚、セパレータ4,4の外側、すなわち熱交換器1の両端部には、他の配管と熱交換器1を接合させるためのフランジF1,F2が設けられている。
【0034】
このような構造を有する一実施形態の熱交換器1に流体A及び流体Bを流したときの流体の流れについて図7を参照して説明する。尚、チューブ3の外側に流体A、チューブ3の内側に流体Bを流すものとする。
また、流体の流れとして、チューブ3の外側を流れる流体の出入口が円筒の外周にある場合(図7(a)参照)とチューブ3の外側を流れる流体の出入口が内筒5の外周にある場合(図7(b)参照)の2つについて説明する。
<チューブ3の外側を流れる流体の出入口が円筒の外周にある場合>
(1)外筒2の一端部の外周に沿って設けられたブリード孔2a,2a…よりチューブ3,3…の外側に流体Aが導入される。
(2)ブリード孔2a,2a…を通過した流体Aは、外筒2内に設けられたチューブ3,3…の外側に充填されているフィン3fo,3fo…を通り、外筒2の他端部の外周に沿って設けられたブリード孔2b,2b…を通って外部に排出される。
(3)このとき、各チューブ3の外面である表面・裏面には、それぞれリブ3ro,3riが設けられているので流路が絞られ、リブ3ro,3riの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体Aがチューブ3の外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
(4)流路が絞られ加速された流体Aは、フィン3fo,3fo…を通過する間に攪拌され、流体Bとの伝熱効率が向上する。
(5)一方、チューブ3,3…の内側を通流させる流体であって、外筒2の軸方向に流れる流体Bは、外筒2の他端部から外筒2内に設けられたチューブ3,3…の内側に導入され、充填されているフィン3fi,3fi…を通り、チューブ3,3…の内側を通過する間に流体Aと熱交換されて外筒2の一端部から外部に排出される。
尚、流体Bを通流させる方法は、図7(a)に示すように、チューブ3,3…の外側を流れる流体Aに対して並行流又は上記したような対向流のうちのどちらの方法でも通流させることができる。
【0035】
<チューブの外側を流れる流体の出入口が内筒の外周にある場合>
(1)外筒2′の中心部に設けられた内筒5′の一端部の外周に沿って設けられたブリード孔2′a,2′a…よりチューブ3′,3′…の外側に流体Aが導入される。
(2)ブリード孔2′a,2′a…を通過した流体Aは、外筒2′内に設けられたチューブ3′,3′…の外側に充填されているフィン3′fo,3′fo…を通り、内筒5′の他端部の外周に沿って設けられたブリード孔2′b,2′b…を通って外部に排出される。
(3)このとき、各チューブ3′の外面である表面・裏面にはそれぞれリブ3′ro,3′riが設けられているので流路が絞られ、リブ3′ro,3′riの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体Aがチューブ3′の外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒2′の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
(4)流路が絞られ加速された流体Aは、フィン3′fo,3′fo…を通過する間に攪拌され、流体Bとの伝熱効率が向上する。
(5)一方、チューブ3′,3′…内側を通流させる流体であって、外筒2′の軸方向に流れる流体Bは、外筒2′の他端部から外筒2′内に設けられたチューブ3′,3′…の内側に導入され、充填されているフィン3′fi,3′fi…を通り、チューブ3′,3′…の内側を通過する間に流体Aと熱交換されて外筒2′の一端部から外部に排出される。
尚、流体Bを通流させる方法は、図7(b)に示すように、チューブ3′,3′…の外側を流れる流体Aに対して並行流又は上記したような対向流のうちのどちらの方法でも通流させることができる。
【0036】
このように、本発明に係る熱交換器は、チューブの外側を流れる流体の出入口を、外筒の外周部又は内筒の外周部のうちの何れでも設けることができるので、レイアウト性を向上させることができる。
また、一般に、熱交換器では、流動形式を問わず軸方向の温度が変動する。しかし、このような流体の流れを熱交換器内に形成して流体A及び流体Bの水当量比を大きく取れば、図8に示すように、熱交換器の軸方向の1点におけるチューブの表面温度分布を均一にすることができ、軸方向の温度変化も抑えることができる。
【0037】
次に、このような構成と作用を有する一実施形態の熱交換器のメリットを利用して形成した一実施形態の熱交換式反応器について説明する。尚、本発明に係る熱交換式反応器の構成と本発明に係る熱交換器の構成の違いは、本発明に係る熱交換式反応器では、フィンに替えて金属材料から成る金属ハニカム部材(以下、単に「金属ハニカム」という)が用いられ、この金属ハニカムの表面に触媒を坦持している点のみ異なるので一実施形態の熱交換器と同じ部材については同じ符号を付して説明する。
尚、本発明に係る熱交換式反応器は、反応器の型式で言うと外部熱交換式反応器である。
【0038】
本発明に係る一実施形態の熱交換式反応器は、図3に示す熱交換器のフィン3fiに替えて金属ハニカムを用い、この金属ハニカムの表面に触媒を坦持したものを充填している。
このように触媒を坦持させた金属ハニカムをチューブ内空間に充填することにより、フィンを設けたときよりも金属ハニカムの方が通流させる流体の流速を速くでき、しかも容積当たりの表面積を大きくすることができるので、流体間の熱交換効率が高く、しかも触媒坦持面積の大きい円筒形の熱交換式反応器が形成できる。
この熱交換式反応器は、
(1)円筒形をしており、熱交式反応器の内容積に対する外部に露出している外表面積を角形の熱交換式反応器よりも小さくできるので、角形の熱交換式反応器に比較して熱損失を少なくすることができる。
(2)また、外筒2を円筒形にしたことにより、内圧によって発生した応力を均一に分散できるので、角形の熱交換式反応器よりも耐圧性が高い。
(3)外筒2を円筒形にしたことにより、角形の熱交換式反応器のように四隅に流体の流れ難い部分ができない。従って、流体と触媒が充分に接触するので、角型の熱交換式反応器と比較して、触媒の性能を向上させることができる。
尚、触媒を坦持させた金属ハニカムはチューブ外空間に設けるようにしても良い。
【0039】
また、外筒2の外側にはエアジャケット6が設けられており、前記エアジャケット6の外側にはさらに真空断熱層7が設けられている(図7(a)参照)。
この真空断熱層7は、エアジャケット6の外側に区画された2つの部屋を形成しており、部材ロウ付けの際、真空炉の真空を利用して製作することが可能である。また、真空断熱層7は、円筒形状とされることから、真空による応力が全周に均一に分散し、変形を抑制できる利点がある。
このように外筒2の周りにエアジャケット6を設け、前記エアジャケット6の外側に真空断熱層7を設けたことにより、外筒2の内部から外部への熱損失が少ない熱交換式反応器を形成することができる。また、断熱材が不要となり製作コストの低減が図れる。
【0040】
さらに、熱交換式反応器のチューブ3の外面には、前記チューブ3を外筒2の内側に設けたときに、前記外筒2の半径方向に延在するリブ3ri,3roが設けられている。
このように、チューブ3の外面に、前記チューブを外筒2の内側に設けたときに、前記外筒2の半径方向に延在するリブを設けたことにより、
(1)外筒2の内側に複数の熱交換用のチューブ3を設けてチューブ同士で形成されるチューブ外空間にフィン3fo,3fo…を充填するときに、フィン3fo,3fo…の位置決めを簡単に行うことができる。
(2)リブ3ri,3roで流路が絞られるので、チューブ外空間に流体を通流したときにリブ3ri,3roの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体がチューブ3の外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒2の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
【0041】
尚、このような一実施形態の熱交換式反応器を実際に反応に使用する場合、
(1)チューブ3の外側に熱容量の大きい流体(例えば熱水、油、溶融塩類、ダウサム等)を流せば、激しい反応熱を伴う反応(一酸化炭素の酸化反応やナフタリンの酸化反応等)の反応熱を好適に除去することができる。
(2)また、激しい反応熱を伴う反応であっても複数のチューブ3に流体を分配して反応を行うので、反応温度の管理が容易になる。
【0042】
次に、上述した一実施形態の熱交換式反応器を、実際に水蒸気改質を行う改質反応器、例えば燃料電池用の水蒸気改質器として使用した場合の実施例について図9を参照して説明する。
尚、本実施例で使用される改質原燃料とは、含水素有機化合物であって改質したときに水素リッチガスを製造できる気体の含水素有機化合物をいう。また、前記改質原燃料は、前記含水素有機化合物と水との混合物を気化したものであっても良い。
【0043】
この改質反応器1′′′は、図9に示すように、内筒5′′′の内側に燃焼触媒として円筒型モノリス5′′′aが充填されている。この円筒型モノリス5′′′aで燃焼する可燃性ガスとしては、図示しない燃料電池から排出されるオフガス(水分を含んだ水素と空気の混合ガス)が利用される。
燃料電池からのオフガスを円筒型モノリス5′′′aに接触させることで熱媒体である燃焼ガスが生成される。
このとき燃料電池のオフガス中には水分がたくさん含まれているため生成した燃焼ガス中には水蒸気が多く含まれることになる。従って、水の潜熱を含んだ保有熱量の大きい燃焼ガスが得られる。
【0044】
生成した燃焼ガスは、内筒5′′′他端部の外周に設けられたブリード孔2′′′b,2′′′bからフィン3′′′fo,3′′′fo…を充填してあるチューブ外空間に導入される。チューブ外空間に導入された燃焼ガスは、外筒2′′′の半径方向に均等に分配され、フィン3′′′fo,3′′′fo…に攪拌されながら外筒2′′′内で放射状に広がった後、チューブ内空間を通る改質原燃料に熱を与えて加熱した後、外筒2′′′一端部の外周に設けられたブリード孔2′′′aから外部に排出される。
尚、図9では、ガスの流れは上半分のみ図示しているが、下半分も上半分と同様に内筒の軸に対して線対称となるようにガスが流れる。
【0045】
一方、チューブ内空間には、触媒を坦持した金属ハニカム3′′′fi,3′′′fi…が充填されている。金属ハニカム3′′′fi,3′′′fi…に坦持された触媒の金属成分としては、白金、ロジウム、ニッケル、コバルトのうち少なくとも1成分が用いられる。
この金属ハニカム3′′′fi,3′′′fi…に改質原燃料を通すと、前記燃焼ガスに加熱された改質原燃料は、触媒を坦持した金属ハニカム3′′′fi,3′′′fi…と接触している間に改質されて改質ガス(水素リッチガス)を生成し、この改質ガスは改質反応器から後処理工程へと送られる。
【0046】
このように内筒5′′′の内側に燃料電池のオフガスを触媒燃焼させて燃焼ガスとする円筒型モノリス5′′′a(燃焼触媒)を備え、該円筒型モノリス5′′′aで生成した前記燃焼ガスを前記金属ハニカムの設けられていない前記チューブ外空間に供給すると共に、前記金属ハニカムの設けられた前記チューブ内空間に改質原燃料を供給して、前記燃焼ガスからの熱を用いて前記改質原燃料を改質することにより、燃焼ガス及び改質原燃料それぞれが均等に分配され燃焼ガスと改質原燃料間の熱交換効率が高くなるので、改質効率の高い改質反応器が形成できる。
【0047】
【発明の効果】
前記実施形態に詳述したように、本発明によれば、以下の効果を奏する。
1.請求項1に記載の発明によれば、
(1)外筒を円筒形にしたことにより、内圧によって発生した応力を均一に分散できるので、角形よりも耐圧性が向上する。また、外筒が円筒形をしており、熱交換器の内容積に対する外部に露出している外表面積を角形よりも小さくできるので、角形に比較して熱損失を少なくすることができる。
(2)内筒は中空で中実よりも軽いので、熱交換器の軽量化を図ることができる。
(3)前記内筒の外周部から放射状に延びる複数の渦巻き線となるようにそれぞれが配設される複数の熱交換用のチューブを設けることにより、外筒内半径方向のチューブ内空間の流路断面積とチューブ外空間の流路断面積を略同じにすることができるので各空間を流れる流体のそれぞれが均等に配分される。その結果、流体間の熱交換効率が向上する。
(4)前記外筒の両端部に設けられ、前記各チューブの両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止するセパレータを設けることにより、熱交換器の組み立てが容易となるばかりかシール構造の信頼性が向上する。また、シール箇所が少なくて済むので、組み立てるときの部品点数を少なくできる。その結果、製作コストを削減することができる。
(5)前記チューブ内空間及び/又は前記チューブ外空間にフィンを設けることにより、流体がフィンで乱されて流体間の熱交換効率が向上する。
(6)前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間の何れか一方に連通し流体の出入口を形成する配管を設けることで、熱交換器への流体の導入・排出がスムーズに行える。
2.請求項2に記載の発明によれば、前記外筒の周りに真空断熱層を設けたことにより、外筒の内部から外部への熱損失が少ない熱交換器を形成することができる。また、断熱材が不要となり製作コストの低減が図れる。
3.請求項3に記載の発明によれば、前記チューブの外面に、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブを設けたことにより、
(1)外筒の内側に複数の熱交換用のチューブを設けてチューブ同士で形成されるチューブ外空間にフィンを充填するときに、フィンの位置決めを簡単に行うことができる。
(2)リブで流路が絞られるので、チューブ外空間に流体を通流したときにリブの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体がチューブの外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
4.請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載の熱交換器を備えた熱交換式反応器であって、前記フィンに替えて金属ハニカムを設け、該金属ハニカムの表面に触媒を坦持させたことにより、金属ハニカムでは通流させる流体の流速をより高め、しかも容積当たりの表面積を大きくすることができるので、流体間の熱交換効率が高く、しかも触媒坦持面積の大きい円筒形の熱交換式反応器が形成できる。
この熱交換式反応器は、
(1)円筒形をしており、熱交換式反応器の内容積に対する外部に露出している外表面積を角形の熱交換式反応器よりも小さくできるので、角形の熱交換式反応器に比較して熱損失を少なくすることができる。
(2)また、外筒を円筒形にしたことにより、内圧によって発生した応力を均一に分散できるので、角形の熱交換式反応器よりも耐圧性が高い。
(3)外筒を円筒形にしたことにより、角形の熱交換式反応器のように四隅に流体の流れ難い部分ができない。従って、流体と触媒が充分に接触するので、角型の熱交換式反応器と比較して、触媒の性能を向上させることができる。
5.請求項5に記載の発明によれば、前記外筒の周りに真空断熱層を設けたことにより、外筒の内部から外部への熱損失が少ない熱交換式反応器を形成することができる。また、断熱材が不要となり製作コストの低減が図れる。
6.請求項6に記載の発明によれば、前記チューブの外面に、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブを設けたことにより、チューブ外空間に前記金属ハニカムを挿入するときの位置決めが容易となる。また、リブで流路が絞られるので、チューブ外空間に流体を通流したときにリブの上流側では圧力が高くなり、この圧力の力で流体がチューブの外面に沿って全体に行き渡るようになる。従って、チューブ外空間では短絡流れの少ない、しかも外筒の半径方向全体に渡って均一な流れを形成できる。すなわち、チューブ外空間における流量分布を均一化することができる。
7.請求項7に記載の発明によれば、前記内筒の内側に可燃性ガスを触媒燃焼させて熱媒体とする燃焼触媒を備え、該燃焼触媒で生成した前記熱媒体を前記金属ハニカムの設けられていない前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に供給すると共に、前記金属ハニカムの設けられた前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に改質原燃料を供給して、前記熱媒体からの熱を用いて前記改質原燃料を改質するようにしたことで、熱媒体及び改質原燃料それぞれが均等に分配され熱媒体と改質原燃料間の熱交換効率が高くなるので、改質効率の高い改質反応器が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱交換器の一実施形態を示す全体の構成図である。
【図2】本発明に係る熱交換器の外筒周りの外形斜視図である。
【図3】(a)図2の左側面図である。
(b)図3(a)のA−A断面図である。
【図4】(a)本発明に係るチューブの形状を説明するための図である。
(b)チューブの立体図である。
【図5】本発明に係る種々のフィンの外形図である。
【図6】チューブとセパレータの接続部の構造を説明するための部分断面図である。
【図7】(a)チューブの外側を流れる流体の出入口が、外筒の外周部にある場合の熱交換器におけるガスの流れを説明するための図である。(b)チューブの外側を流れる流体の出入口が内筒の外周部にある場合の熱交換器におけるガスの流れを説明するための図である。
【図8】本発明の熱交換器に係るチューブの表面温度分布を説明するための図である。
【図9】本発明に係る熱交換式反応器を改質反応器として用いた場合の実施例を説明するための図である。
【図10】(a)従来のガスタービン用の再生熱交換器を示す図である。
(b)従来の熱交換式反応器を示す図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 外筒
2a,2b ブリード孔
3 チューブ
3fi フィン(チューブ内)
3fo フィン(チューブ外)
3ri,3ro リブ
4 セパレータ
5 内筒
6 エアジャケット
7 真空断熱層
P1,P2 配管
F1、F2 フランジ
Claims (7)
- 円筒形の外筒と、
前記外筒の中心部に設けられる内筒と、
前記外筒の内側に設けられ、前記内筒の外周部から放射状に延びる複数の渦巻き線となるようにそれぞれが配設される複数の熱交換用のチューブと、
前記外筒の両端部に設けられ、前記各チューブの両端部を支持すると共に、チューブ内空間とチューブ外空間とを仕切り流体の混合を防止するセパレータと、
前記チューブ内空間及び/又は前記チューブ外空間に設けられるフィンと、
前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間の何れか一方に連通し流体の出入口を形成する配管と、
を備え、前記チューブ内空間及び前記チューブ外空間のそれぞれに流体を通流させて熱交換させることを特徴とする熱交換器。 - 前記外筒の周りには真空断熱層が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記チューブの外面には、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブが設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
- 請求項1から請求項3のうちの何れか1項に記載の熱交換器を備えた熱交換式反応器であって、前記フィンに替えて金属ハニカムが設けられ、該金属ハニカムの表面に触媒を坦持させたことを特徴とする熱交換式反応器。
- 前記外筒の周りには真空断熱層が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の熱交換式反応器。
- 前記チューブの外面には、前記チューブを前記外筒の内側に設けたときに、前記外筒の半径方向に延在するリブが設けられたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の熱交換式反応器。
- 前記内筒の内側に可燃性ガスを触媒燃焼させて熱媒体とする燃焼触媒を備え、該燃焼触媒で生成した前記熱媒体を前記金属ハニカムの設けられていない前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に供給すると共に、前記金属ハニカムの設けられた前記チューブ内空間又は前記チューブ外空間に改質原燃料を供給して、前記熱媒体からの熱を用いて前記改質原燃料を改質することを特徴とする請求項4から請求項6のうちの何れか1項に記載の熱交換式反応器を用いた改質反応器。
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