JP6043407B2 - 防音構造、及び防音構造の製造方法 - Google Patents

防音構造、及び防音構造の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、防音構造、及び防音構造の製造方法に係り、詳しくは、枠と、枠に固定された膜と、膜に穿孔された1以上の穴からなる開口部とを有する防音セルが1つ、又は2次元的に配置された複数からなり、ターゲットとなる周波数の音を選択的に強く遮蔽するための防音構造、及びこのような防音構造を製造するため防音構造の製造方法に関する。
一般的な遮音材は、質量が重ければ重いほど音を良く遮蔽するために、良好な遮音効果を得るために、遮音材自体が大きく重くなってしまう。一方、特に、低周波成分の音を遮蔽することは困難である。一般に、この領域は、質量則と呼ばれ周波数が2倍になると遮蔽が6dB大きくなることが知られている。
このように、従来のほとんどの防音構造は、構造の質量で遮音を行っていたために大きく重くなりまた低周波の遮蔽が困難という欠点があった。
このため、機器、自動車、及び一般家庭など様々な場面に対応する遮音材として軽くて薄い遮音構造が求められている。そこで、近年、薄く軽い膜構造に枠を取り付けて膜の振動を制御する遮音構造が注目されている(特許文献1及び2参照)。
この構造の場合、遮音の原理が上記質量則と異なる剛性則となるため薄い構造でも低周波成分をより遮蔽できる。この領域は、剛性則と呼ばれ、枠部分で膜振動が固定されることによって膜が枠開口部と一致する有限サイズのときと同様の振る舞いとなる。
特許文献1においては、貫通孔が形成された枠体と、該貫通孔の一方の開口を覆う吸音材を有し、吸音材の第1の貯蔵弾性率E1が9.7×10以上であり、第2の貯蔵弾性率E2が346以下である吸音体が開示されている(要約、請求項1、段落[0005]〜[0007]、[0034]等参照)。この吸音体は裏面における開口が施工面で閉じられて用いられる(段落[0018]参照)。なお、吸音材の貯蔵弾性率は、吸音により吸音材に生じたエネルギのうち内部に保存する成分を意味する。
特許文献1では、実施例では、配合の材料を樹脂又は樹脂とフィラーの混合物とする吸音材を用いることにより、吸音体の大型化を招くことなく、吸音率のピーク値が0.5〜1.0であり、ピーク周波数が290〜500Hzであり、500Hz以下の低周波領域において高度な吸音効果を達成することができるとしている。
また、特許文献2には、複数の個々のセルに分割された、音響的に透過性のある2次元の剛性フレームと、剛性フレームに固定されたフレキシブルな材料のシートと、複数の錘と、を具備する音響減衰パネルであって、複数の個々のセルは、大体2次元セルであり、各錘は、各セルにそれぞれ錘が設けられるようにフレキシブルな材料のシートに固定され、音響減衰パネルの共鳴周波数は、個々の各セルの2次元形状、フレキシブルな材料の柔軟性、及びその上の各錘によって定義される音響減衰パネル、及び音響減衰構造が開示されている(請求項1、12、及び15、図4、第4欄等参照)。
なお、特許文献2には、従来と比較して、この音響減衰パネルは以下の利点があることが開示されている。即ち、(1)音響パネルは非常に薄くできる。(2)音響パネルは非常に軽量(密度が低い)にできる。(3)パネルは広い周波数範囲にわたって質量則に従わないで広い周波数の局部的共振音響材料(LRSM)を形成するために一緒に積層でき、特に、これは500Hzよりも低い周波数で質量則から外れることができる。(4)パネルは容易に、廉価に製造できる(第5欄第65行〜第6欄第5行参照)。
特許第4832245号公報 米国特許第7395898号公報(対応日本特許公開: 特開2005−250474号公報参照)
ところで、特許文献1に開示の吸音体では、軽量で、吸音率のピーク値が0.5以上と高く、ピーク周波数が500Hz以下の低周波領域において高度な吸音効果を達成することができるが、吸音材の選択の幅が狭く、難しいという問題があった。
また、このような吸音体の吸音材は、枠体の貫通孔を完全にふさぐものであるため、風、及び熱を通す能力がなく熱がこもりがちとなり、特許文献1に開示の特に機器及び自動車の遮音に向かないという問題があった。
また、特許文献1に開示の吸音体の遮音性に関しては通常の剛性則もしくは質量則にしたがってなだらかに変化してしまうため、モータ音など特定の周波数成分がパルス的に強く発することの多い一般の機器や自動車において有効に用いることが困難であった。
また、特許文献2では、音響減衰パネルは、非常に薄く軽量で低密度にでき、500Hzよりも低い周波数で使用でき、質量密度の法則から外れることができ、容易に廉価に製造できるとしているが、機器、自動車、及び一般家庭などで求められている更に軽く薄い遮音構造としては、以下のような問題点があった。
特許文献2に開示の音響減衰パネルでは、膜に錘が必須であるため、構造が重いものとなり機器、自動車、及び一般家庭などに用いることが難しい。
錘を各セル構造に配置するための容易な手段がなく、製造適性がない。
錘の重さ、及び膜上での位置に遮蔽の周波数・大きさが強く依存するため、遮音材としてのロバスト性が低く安定性がない。
膜は非通気膜と明示してあるため、風及び熱を通す能力がなく熱がこもりがちとなり、特に機器及び自動車の遮音に向かない。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、軽量で薄く、その穴の位置及び形状に遮蔽周波数及び大きさ等の遮音特性が依存することなく、遮音材としてのロバスト性が高く、かつ安定性があり、通気性があり、風及び熱を通すことができ、熱がこもることが無く、機器、自動車、及び一般家庭の用途に適し、製造適性に優れた防音構造、このような防音構造を確実、かつ容易に製造することができる防音構造の製造方法を提供することにある。
なお、本発明において、「防音」とは、音響特性として、「遮音」と「吸音」の両方の意味を含むが、特に、「遮音」を言い、「遮音」は、「音を遮蔽する」こと、即ち「音を透過させない」こと、したがって、音を「反射」すること(音響の反射)、及び音を「吸収」すること(音響の吸収)を含めて言う(三省堂 大辞林(第三版)、及び日本音響材料学会のウェブページのhttp://www.onzai.or.jp/question/soundproof.html、並びにhttp://www.onzai.or.jp/pdf/new/gijutsu201312_3.pdf参照)。
以下では、基本的に、「反射」と「吸収」とを区別せずに、両者を含めて「遮音」及び「遮蔽」と言い、両者を区別する時に、「反射」及び「吸収」と言う。
上記目的を達成するために、本発明の防音構造は、1以上の防音セルを有する防音構造であって、1以上の防音セルの各々は、貫通孔をそれぞれ有する枠と、枠に固定された膜と、膜に穿孔された1以上の穴からなる開口部と、を備え、枠の貫通孔の両方の端部は、共に閉塞されておらず、防音構造は、1以上の防音セルの膜の第1固有振動周波数より低周波側に、1以上の防音セルの開口部に起因して定まり、かつ透過損失が極大となる遮蔽ピーク周波数を有し、遮蔽ピーク周波数を中心とする一定の周波数帯域の音を選択的に防音することを特徴とする。
ここで、1以上の防音セルは、2次元的に配置された複数の防音セルであることが好ましい。
また、第1固有振動周波数は、1以上の防音セルの枠の幾何学的形態と、1以上の防音セルの膜の剛性とによって定まり、遮蔽ピーク周波数は、1以上の防音セルの開口部の面積に応じて定まるものであることが好ましい。
また、第1固有振動周波数は、1以上の防音セルの枠の形状及び寸法と、1以上の防音セルの膜の厚さ及び可撓性とによって定まり、遮蔽ピーク周波数は、1以上の防音セルの開口部の平均面積率に応じて定まるものであることが好ましい。
また、第1固有振動周波数は、10Hz〜100000Hzの範囲内に含まれることが好ましい。
また、枠の円相当半径をR1(mm)、膜の厚みをt1(μm)、膜のヤング率をE1(GPa)、開口部の円相当半径をr(μm)とする時、下記式(1)で表されるパラメータAが、0.07000以上759.1以下であることが好ましい。
A=√(E1)*(t11.2)*(ln(r)−e)/(R12.8)…(1)
ここで、eは、ネイピア数を示し、ln(x)は、eを底としたxの対数である。
また、枠の円相当半径をR2(m)、膜の厚みをt2(m)、膜のヤング率をE2(Pa)、膜の密度をd(kg/m)とする時、下記式(2)で表されるパラメータBが、15.47以上23500以下であることが好ましい。
B=t2/R2*√(E2/d) …(2)
また、1以上の防音セルの開口部は、1つの穴で構成されることが好ましい。
また、1以上の防音セルの開口部は、同一サイズの複数の穴で構成されることが好ましい。
また、1以上の防音セルが、2次元的に配置された複数の防音セルである時、複数の防音セルの開口部は、その70%以上が同一サイズの穴で構成されることが好ましい。
また、1以上の防音セルの開口部の1以上の穴のサイズは、2μm以上であることが好ましい。
また、1以上の防音セルの枠の平均サイズは、遮蔽ピーク周波数に対応する波長サイズ以下であることが好ましい。
また、1以上の防音セルの開口部の1以上の穴は、エネルギを吸収する加工方法によって穿孔された穴であることが好ましく、また、エネルギを吸収する加工方法は、レーザ加工であることが好ましい。
また、1以上の防音セルの開口部の1以上の穴は、物理的接触による機械加工方法によって穿孔された穴であることが好ましく、また、機械加工方法は、パンチング、又は針加工であることが好ましい。
また、膜は、空気に対して不浸透性であることが好ましい。
また、防音セルの開口部の1つの穴は、膜の中心に設けられていることが好ましい。
また、膜は、可撓性のある弾性材料製であることが好ましい。
また、1以上の防音セルが、2次元的に配置された複数の防音セルである時、複数の防音セルの複数の枠は、2次元的に繋がるように配置された1つの枠体として構成されものであることが好ましい。
また、1以上の防音セルが、2次元的に配置された複数の防音セルである時、複数の防音セルの複数の膜は、複数の防音セルの複数の枠を覆う1枚のシート状の膜体によって構成されることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の防音構造の製造方法は、上記防音構造を製造するに際し、1以上の防音セルの開口部の1以上の穴を、各防音セルの膜に、エネルギを吸収する加工方法、又は物理的接触による機械加工方法によって穿孔したことを特徴とする。
また、エネルギを吸収する加工方法は、レーザ加工であり、機械加工方法は、パンチング、又は針加工であることが好ましい。
本発明によれば、軽量で薄く、その穴の位置及び形状に遮蔽の周波数及び大きさ等の遮音特性が依存することなく、遮音材としてのロバスト性が高く、かつ安定性があり、通気性があり、風及び熱を通すことができ、熱がこもることが無く、機器、自動車、及び一般家庭の用途に適し、製造適性に優れた防音構造を提供することができる。
また、本発明によれば、このような防音構造を確実、かつ容易に製造することができる。
特に、本発明によれば、膜構造及び枠の剛性則遮蔽構造の膜部分にごく小さな穴を設けることで任意の狙った周波数成分を極めて強く遮蔽し、即ち反射かつ/又は吸収することができる。
また、本発明によれば、質量則でも、剛性則でも、薄く軽い構造では遮蔽することが一般に困難であり、かつ人の耳に大きく聞こえる領域である1000Hz付近に関しても大きな遮音を行うことができる。
また、本発明によれば、膜に穴をあけるだけで、強い遮音構造を実現することができる。
また、本発明によれば、特許文献2に記載の音響減衰パネル及び構造に対して、質量を重くしてしまう要因であった錘が必要ないため、より軽い遮音構造を実現できる。
また、本発明によれば、穴が存在することで膜が通気性をもち、すなわち風や熱を通しながら音を遮蔽し、即ち反射かつ/又は吸収する構造を実現できる。
また、本発明によれば、レーザ加工、及びパンチ穴加工により、高速かつ容易に膜に穴をあけることができるために、製造適性を有する。
また、本発明によれば、穴の位置や形状に遮音特性がほとんど依存しないため、製造において安定性が高いという利点がある。
本発明の一実施形態に係る防音構造の一例を模式的に示す平面図である。 図1に示す防音構造のII−II線で切断した模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の実施例1の防音構造の周波数に対する透過損失で表される遮音特性を示すグラフである。 比較例1の防音構造の遮音特性を示すグラフである。 本発明の実施例10の防音構造の遮音特性を示すグラフである。 本発明の実施例21の防音構造の遮音特性を示すグラフである。 本発明の実施例5及び23の防音構造の遮音特性を示すグラフである。 本発明の実施例38の防音構造の遮音特性を示すグラフである。 本発明の防音構造のパラメータAに対する遮蔽周波数を示すグラフである。 本発明の防音構造のパラメータBに対する第1固有振動周波数を示すグラフである。 比較例2の防音構造の遮音特性を示すグラフである。 本発明の実施例16の防音構造の吸収特性を示すグラフである。 実施例16の防音構造の穴を開ける前の参考防音構造の吸収特性を示すグラフである。
以下に、本発明に係る防音構造、及び防音構造の製造方法を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る防音構造の一例を模式的に示す平面図であり、図2は、図1に示す防音構造のII−II線で切断した模式的な断面図である。図3〜図5は、それぞれ本発明の他の実施形態に係る防音構造の一例を模式的に示す平面図である。
図1及び図2に示す本発明の防音構造10は、貫通孔12をそれぞれ有し、2次元的に配置された複数、図示例では16個の枠14を形成する枠体16と、それぞれの枠14の貫通孔12を覆うようにそれぞれの枠14に固定される、複数、図示例では16個の膜18を形成するシート状の膜体20と、それぞれの枠14内の膜18に貫通するように穿孔された1以上、図示例では1個の穴22からなる複数、図示例では16の開口部24とを有する。
防音構造10において、1つの枠14と、この枠14に固定された膜18と、この膜18に設けられた開口部24とは、1つの防音セル26を構成する。このため、本発明の防音構造10は、複数、図示例では、16個の防音セル26によって構成される。
図示例の防音構造10は、複数の防音セル26によって構成されるものであるが、本発明はこれに限定されず、1つの枠14と、1つの膜18と、1つの開口部24とからなる1つの防音セル26によって構成されるものであっても良い。
枠14は、厚みのある板状部材15で環状に囲むように形成され、内部に貫通孔12を有し、少なくともの一方の側において貫通孔12を覆うように膜18を固定するためのもので、この枠14に固定された膜18の膜振動の節となるものである。したがって、枠14は、膜18に比べて、剛性が高く、具体的には、単位面積当たりの質量及び剛性は、共に高い必要がある。
枠14の形状は、膜18の全外周を抑えることができるように膜18を固定できる閉じた連続した形状であることが好ましいが、本発明は、これに限定されず、枠14が、これに固定された膜18の膜振動の節となるものであれば、一部が切断され、不連続な形状であっても良い。即ち、枠14の役割は、膜18を固定して膜振動を制御することにあるため、枠14に小さな切れ目が入っていても、極わずかに接着していない部位が存在していても効果を発揮する。
また、枠14によって形成される貫通孔12の幾何学形態は、平面形状であって、図1に示す例では正方形であるが、本発明においては、特に制限的ではなく、例えば、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、図3に示すような円形、若しくは楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。
また、枠14のサイズは、平面視のサイズであり、その貫通孔12のサイズとして定義できるが、図1、図4及び図5に示す正方形のような正多角形、又は円の場合には、その中心を通る対向する辺間の距離、又は円相当直径と定義することができ、多角形、楕円又は不定形の場合には、円相当直径と定義することができる。本発明において、円相当直径及び半径とは、それぞれ面積の等しい円に換算した時の直径及び半径である。
なお、本発明の防音構造10において、枠14のサイズは、全ての枠14において、一定であっても良いが、異なるサイズ(形状が異なる場合も含む)の枠が含まれていても良く、この場合には、枠14のサイズとして、枠14の平均サイズを用いればよい。
このような枠14のサイズは、特に制限的ではなく、本発明の防音構造10が防音のために適用される防音対象物、例えば、複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、発電機、ダクト、その他にも塗布機や回転機、搬送機など音を発する様々な種類の製造機器等の産業用機器、自動車、電車、航空機等の輸送用機器、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、空気清浄機等の一般家庭用機器などに応じて設定すればよい。
また、この防音構造10自体をパーティションのように用いて、複数の騒音源からの音を遮る用途に用いることもできる。この場合も、枠14のサイズは対象となる騒音の周波数から選択することができる。
なお、詳細は後述するが、枠14及び膜18からなる構造の固有振動モードを高周波側に得るために、枠14のサイズを小さくすることが好ましい。
また、枠14の平均サイズは、詳細は後述するが、膜18に設けられる穴からなる開口部24による防音セル26の遮蔽ピークにおける回折による音の漏れを防止するために、後述する遮蔽ピーク周波数に対応する波長サイズ以下であることが好ましい。
例えば、枠14のサイズは、0.5mm〜200mmであることが好ましく、1mm〜100mmであることがより好ましく、2mm〜30mmであることが最も好ましい。
なお、枠14のサイズは、各枠14で異なるサイズが含まれる場合などは、平均サイズで表すことが好ましい。
また、枠14の幅及び厚さも、膜18を確実に抑えるように固定することができ、膜18を確実に支持できれば、特に制限的ではないが、例えば、枠14のサイズに応じて設定することができる。
例えば、枠14の幅は、枠14のサイズが、0.5mm〜50mmの場合には、0.5mm〜20mmであることが好ましく、0.7mm〜10mmであることがより好ましく、1mm〜5mmであることが最も好ましい。
枠14の幅が、枠14のサイズに対して比率が大きくなりすぎると、全体に占める枠14の部分の面積率が大きくなり、デバイスが重くなる懸念がある。一方、上記比率が小さくなりすぎると、その枠14部分において接着剤などによって膜を強く固定することが難しくなってくる。
また、枠14の幅は、枠14のサイズが、50mm超、200mm以下の場合には、1mm〜100mmであることが好ましく、3mm〜50mmであることがより好ましく、5mm〜20mmであることが最も好ましい。
また、枠14の厚さは、0.5mm〜200mmであることが好ましく、0.7mm〜100mmであることがより好ましく、1mm〜50mmであることが最も好ましい。
なお、枠14の幅及び厚さは、各枠14で異なる幅及び厚さが含まれる場合などは、それぞれ平均幅及び平均厚さで表すことが好ましい。
なお、本発明においては、複数、即ち2以上の枠14は、2次元的に繋がるように配置された枠体16として構成されることが好ましい。
ここで、本発明の防音構造10の枠14の数、即ち図示例では、枠体16を構成する枠14の数も、特に制限的ではなく、本発明の防音構造10の上述した防音対象物に応じて設定すればよい。もしくは、上述した枠14のサイズは、上述した防音対象物応じて設定されているので、枠14の数は、枠14のサイズのサイズに応じて設定すればよい。
例えば、枠14の数は、機器内騒音遮蔽(反射及び/又は吸収)の場合には、1個〜10000個であることが好ましく、2〜5000であることがより好ましく、4〜1000であることが最も好ましい。
これは、一般の機器の大きさに対しては、機器のサイズが決まっているために、1つの防音セル26のサイズを騒音の周波数に適したサイズとするためには、複数の防音セル26を組み合わせた枠体16で遮蔽する、即ち反射かつ/又は吸収する必要があることが多く、また、一方で防音セル26を増やしすぎることで、枠14の重量分全体重量が大きくなることがあるためである。一方で、大きさに制約のないパーティションのような構造では、必要とされる全体の大きさに合わせて枠14の個数を自由に選ぶことができる。
なお、1つの防音セル26は、1つの枠14を構成単位とするので、本発明の防音構造10の枠14の数は、防音セル26の数ということもできる。
枠14の材料、即ち枠体16の材料は、膜18を支持でき、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、枠14の材料としては、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、これらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、カーボンファイバ、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等を挙げることができる。
また、これらの枠14の材料の複数種を組み合わせて用いてもよい。
膜18は、枠14の内部の貫通孔12を覆うように枠14に抑えられるように固定されるもので、外部からの音波に対応して膜振動することにより音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するものである。そのため、膜18は、空気に対して不浸透性であることが好ましい。
ところで、膜18は、枠14を節として膜振動する必要があるので、枠14に確実に抑えられるように固定され、膜振動の腹となり、音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音する必要がある。このため、膜18は、可撓性のある弾性材料製であることが好ましい。
このため、膜18の形状は、枠14の貫通孔12の形状であり、また、膜18のサイズは、枠14のサイズ、より詳細には、枠14の貫通孔12のサイズであるということができる。
ここで、図6〜図11に示すように、防音セル26の枠14に固定された膜18は、最も低次の固有振動モードの周波数である共振周波数として、透過損失が最小、例えば0dBとなる第1固有振動周波数を持つものである。本発明においては、この第1固有振動周波数は、枠14及び膜18からなる構造によって決まるので、図6及び図7に示すように、膜18に穿孔される穴22、したがって、開口部24の有無にかかわらず、略同一の値となることが本発明者らによって見出されている。なお、図6〜図11は、それぞれ後述する本発明の実施例1、比較例1、本発明の実施例10、21、5と23、及び38の防音構造の遮音特性を示すグラフであり、周波数に対する透過損失を表わす。
ここで、枠14及び膜18からなる構造における、即ち枠14に抑えられるように固定された膜18の第1固有振動周波数は、共鳴現象により音波が膜振動を最も揺らすところで、音波はその周波数で大きく透過する固有振動モードの周波数である。
なお、本発明者らの知見にしたがえば、本発明の防音構造10では、膜18には穴22からなる開口部24を構成する穴22が貫通穴として穿孔されていることから、第1固有振動周波数よりも低周波側の遮蔽ピーク周波数において透過損失がピーク(極大)となる音波の遮蔽のピークが現れる。また、特に、この貫通する穴22によって生じる遮蔽のピークより、低周波側に、この貫通穴22が存在することによる音の吸収の増大が見られる。
したがって、本発明の防音構造10は、遮蔽ピーク周波数において遮蔽(透過損失)がピーク(極大)となるため、遮蔽ピーク周波数を中心とする一定の周波数帯域の音を選択的に防音することができる。
本発明においては、第1に、音の遮蔽を大きくすることができ、かつ遮蔽のピークをコントロールできるが、更にこれらに加えて、貫通する穴22の効果により、音(音波のエネルギ)の吸収がより低周波側で現れるという特徴がある。
例えば、図6に示す例では、第1固有振動周波数は、可聴域内の2820Hzであり、より低周波側の遮蔽ピーク周波数である1412Hzにおいて透過損失がピーク値35dBとなる遮蔽のピークを示すので、可聴域内の1412Hzを中心とする一定の周波数帯域を選択的に遮音することができる。
図8〜図11に示す各例においても、可聴域内の5620Hz、2818Hz、2820Hz、及び2820Hzの第1固有振動周波数に対して、それぞれ低周波側でかつ可聴域内の3162Hz、708Hz、2000Hz、及び1258Hzの遮蔽ピーク周波数で透過損失が40、72、29と37、及び70を示すので、各遮蔽ピーク周波数を中心とする一定の周波数帯域を選択的に遮音することができることを示している。
なお、本発明の防音構造における透過損失(dB)の測定方法については、後述する。
このため、枠14及び膜18からなる構造において、1以上の穴22からなる開口部24に依存する遮蔽ピーク周波数を可聴域内の任意の周波数とするためには、できるだけ固有振動モードを高周波側に得ることが重要であり、特に、実用的には重要となる。そのために、膜18を厚くすることが好ましく、膜18の材質のヤング率を大きなものとすることが好ましく、さらに、上述のように、枠14のサイズ、したがって、膜18のサイズを小さくすることなどが好ましい。即ち、本発明においては、これらの好ましい条件が重要となる。
そこで、本発明の防音構造10は剛性則に従うものであり、枠14に固定された膜18の第1固有振動周波数より小さい周波数で音波の遮蔽を起こすため、膜18の第1固有振動周波数は、人間の音波の感知域に相当する10Hz〜100000Hzであることが好ましく、人間の音波の可聴域である20Hz〜20000Hzであることがより好ましく、40Hz〜16000Hzであることが更により好ましく、100Hz〜12000Hzであることが最も好ましい。
また、膜18の厚さは、音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができれば、特に制限的ではないが、固有振動モードを高周波側に得るためには厚くすることが好ましい。例えば、膜18の厚さは、本発明では、枠14のサイズ、即ち膜のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜18の厚さは、枠14のサイズが0.5mm〜50mmの場合には、0.005mm(5μm)〜5mmであることが好ましく、0.007mm(7μm)〜2mmであることがより好ましく、0.01mm(10μm)〜1mmであることが最も好ましい。
また、膜18の厚さは、枠14のサイズが、50mm超、200mm以下の場合には、0.01mm(10μm)〜20mmであることが好ましく、0.02mm(20μm)〜10mmであることがより好ましく、0.05mm(50μm)〜5mmであることが最も好ましい。
なお、膜18の厚みは、1つの膜18で厚みが異なる場合、又は各膜18で異なる厚さが含まれる場合などは、平均厚さで表すことが好ましい。
ここで、本発明の防音構造10において、枠14及び膜18からなる構造における膜18の第1固有振動周波数は、複数の防音セル26の枠14の幾何学的形態、例えば枠14の形状及び寸法(サイズ)と、複数の防音セルの前記膜の剛性、例えば膜の厚さ及び可撓性とによって定めることができる。
なお、膜18の第1固有振動モードを特徴づけるパラメータとしては、同種材料の膜18の場合は、膜18の厚み(t)と枠14のサイズ(a)の2乗との比、例えば、正四角形の場合には一辺の大きさとの比[a/t]を用いることができ、この比[a/t]が等しい場合、例えば、(t、a)が、(50μm、7.5mm)の場合と(200μm、15mm)の場合とは、上記第1固有振動モードが同じ周波数、即ち同じ第1固有振動周波数となる。即ち、比[a/t]を一定値にすることにより、スケール則が成立し、適切なサイズを選択することができる。
また、膜18のヤング率は、膜18が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができる弾性を有していれば、特に制限的ではないが、固有振動モードを高周波側に得るためには大きくすることが好ましい。例えば、膜18のヤング率は、本発明では、枠14のサイズ、即ち膜のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜18のヤング率は、1000Pa〜3000GPaであることが好ましく、10000Pa〜2000GPaであることがより好ましく、1MPa〜1000GPaであることが最も好ましい。
また、膜18の密度も、音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではなく、例えば、10kg/m〜30000kg/mであることが好ましく、100kg/m〜20000kg/mであることがより好ましく、500kg/m〜10000kg/mであることが最も好ましい。
膜18の材料は、膜状材料、又は箔状材料にした際に、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があり、膜18が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境などに応じて選択することができる。例えば、膜18の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、アクリル(PMMA)、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、芳香族ポリアミド、シリコーン樹脂、エチレンエチルアクリレート、酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリブテン等の膜状にできる樹脂材料、アルミニウム、クロム、チタン、ステンレス、ニッケル、スズ、ニオブ、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、金、銀、白金、パラジウム、鉄、銅、パーマロイ等の箔状にできる金属材料、紙、セルロースなどその他繊維状の膜になる材質、不織布、ナノサイズのファイバーを含むフィルム、薄く加工したウレタンやシンサレートなどのポーラス材料、薄膜構造に加工したカーボン材料など、薄い構造を形成できる材質または構造等を挙げることができる。
膜18は、防音構造10の枠体16の複数の枠14のそれぞれに個々に固定されて全体としてシート状の膜体20を構成するものであっても良いし、逆に、全ての枠14を覆うように固定される1枚のシート状の膜体20によって各枠14を覆う膜18を形成しても良い。又は、これらの中間として、複数の枠14の一部を覆うようにシート状の膜体を一部の枠14に固定して各枠14を覆う膜18を形成すると共に、これらのシート状膜体をいくつか用いて複数の枠14の全体(全ての枠14)を覆うシート状の膜体20を構成しても良い。
また、膜18は、枠14の貫通孔12の少なくとも一方の側の開口を覆うように枠14に固定される。即ち、膜18は、枠14の貫通孔12の一方の側、又は他方の側、もしくは両側の開口を覆うように枠14に固定されていても良い。
ここで、防音構造10の複数の枠14の貫通孔12の同じ側に全ての膜18が設けられていても良いし、一部の膜18が、複数の枠14の一部の貫通孔12の一方の側に一部の膜18が設けられ、複数の枠14の残りの一部の貫通孔12の他方の側には残りの膜18が設けられていても良いし、更に、枠14の貫通孔12一方の側、他方の側、及び両側に設けられた膜が混在していても良い。
枠14への膜18の固定方法は、特に制限的ではなく、膜18を枠14に膜振動の節となるように固定できればどのようなものでも良く、例えば、接着剤を用いる方法、又は物理的な固定具を用いる方法などを挙げることができる。
接着剤を用いる方法は、接着剤を枠14の貫通孔12を囲む表面上に接着剤を塗布し、その上に膜18載置し、膜18を接着剤で枠14に固定する。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤(アラルダイト等)、シアノアクリレート系接着剤(アロンアルフアなど)、アクリル系接着剤等を挙げることができる。
物理的な固定具を用いる方法としては、枠14の貫通孔12を覆うように配置された膜18を枠14と棒等の固定部材との間に挟み、固定部材をネジやビス等の固定具を用いて枠14に固定する方法等を挙げることができる。
膜18には、即ち防音セル26には、1以上の穴22からなる開口部24を有する。
ここで、本発明においては、図6、及び図8〜図11に示すように、防音構造10は、膜18に穿孔された1以上の穴22からなる開口部24を有することにより、膜18の第1固有振動周波数より低周波側に遮蔽がピーク(極大)となる透過損失のピークを有し、この遮蔽(透過損失)がピーク(極大)となる周波数を遮蔽ピーク周波数と呼ぶ。
この遮蔽ピーク周波数は、防音構造10の防音セル26の膜18に主として依存する第1固有振動周波数より低周波側に開口部24の穴22に起因して現れるものである。遮蔽ピーク周波数は、枠14(または膜18)の大きさに対する開口部24の大きさ、詳細には、枠14の貫通孔12(又は貫通孔12を覆う膜18)の面積に対する穴22の総面積の割合である開口部24の開口率に応じて決まるものである。
ここで、穴22は、図4に示すように、防音セル26の貫通孔12を覆う膜18内に1以上穿孔されていれば良い。また、穴22の穿孔位置は、図1〜図3及び図5に示すように、防音セル26又は膜18(以下、防音セル26で代表する)内の真中であっても良いが、本発明はこれに限定されず、図4に示すように、防音セル26の真中である必要はなく、どの位置に穿孔されていても良い。
即ち、単に、穴22の穿孔位置が変わっただけでは、本発明の防音構造10の遮音特性は変化しない。
また、防音セル26内の開口部24を構成する穴22の数は、図1〜図3及び図5に示すように、1個の防音セル26に対して、1個であっても良いが、本発明はこれに限定されず、図4に示すように、2個以上(即ち複数)であっても良い。
ここで、本発明の防音構造10は、通気性の点からは、図1〜図3、及び図5に示すように、各防音セル26の開口部24は、1つの穴22で構成することが好ましい。その理由は、一定の開口率の場合、風としての空気の通り易さは、一つの穴が大きく境界での粘性が大きく働かない場合の方が大きいためである。
一方、1個の防音セル26内に複数の穴22がある時は、本発明の防音構造10の遮音特性は、複数の穴22の合計面積、即ち開口部24の面積に対応した遮音特性、即ち、対応する遮蔽ピーク周波数において対応する遮蔽ピークを示す。したがって、図4に示すように、1個の防音セル26(又は膜18)内にある複数の穴22の合計面積である開口部24の面積が、他の防音セル26(又は膜18)内に1個のみ有する穴22の面積である開口部24の面積に等しいことが好ましいが、本発明はこれに限定されない。
なお、防音セル26内の開口部24の開口率(貫通孔12を覆う膜18の面積に対する開口部24の面積率(全ての穴22の合計面積の割合))が同一の場合には、単一穴22と複数穴22で同様の防音構造10が得られるため、ある穴22のサイズに固定しても様々な周波数帯の防音構造を作製することができる。
本発明においては、防音セル26内の開口部24の開口率(面積率)は、特に制限的ではなく、選択的に遮音するべき遮音周波数帯域に応じて設定すれば良いが、0.000001%〜70%であるのが好ましく、0.000005%〜50%であるのがより好ましく、0.00001%〜30%であるのが好ましい。開口部24の開口率を上記範囲に設定することにより、選択的に遮音するべき遮音周波数帯域の中心となる遮蔽ピーク周波数及び遮蔽ピークの透過損失を決定することができる。
本発明の防音構造10は、製造適性の点からは、1つの防音セル26内には、同一サイズの穴22を複数個有することが好ましい。即ち、各防音セル26の開口部24は、同一サイズの複数の穴22で構成することが好ましい。
更に、本発明の防音構造10は、全ての防音セル26の開口部24を構成する穴22を同一サイズの穴とすることが好ましい。
本発明においては、穴22は、エネルギを吸収する加工方法、例えばレーザ加工によって穿孔されることが好ましく、又は物理的接触による機械加工方法、例えばパンチング、又は針加工によって穿孔されることが好ましい。
このため、1つの防音セル26内の複数の穴22、又は、全ての防音セル26内の1個又は複数個の穴22を同一サイズとすると、レーザ加工、パンチング、又は針加工で穴をあける場合に、加工装置の設定や加工強度を変えることなく連続して穴をあけることができる。
また、図5に示すように、本発明の防音構造10においては、防音セル26(又は膜18)内の穴22のサイズ(大きさ)は、各防音セル26(又は膜18)毎に異なっていても良い。このように防音セル26(又は膜18)毎にサイズの異なる穴22がある場合には、それらの穴22の面積を平均した平均面積に対応した遮音特性、即ち、対応する遮蔽ピーク周波数において対応する遮蔽ピークを示す。
また、本発明の防音構造10の各防音セル26の開口部24は、70%以上が同一サイズの穴で構成されることが好ましい。
開口部24を構成する穴22のサイズは、上述した加工方法で適切に穿孔できれば、どのようなサイズでも良く、特に限定されない。
しかしながら、穴22のサイズは、その下限側では、レーザの絞りの精度等のレーザ加工の加工精度、又はパンチング加工もしくは針加工などの加工精度や加工の容易性などの製造適性の点から、2μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが最も好ましい。
なお、これらの穴22のサイズの上限値は、枠14のサイズより小さい必要があるので、通常、枠14のサイズはmmオーダであり、穴22のサイズをμmオーダに設定しておけば、穴22のサイズの上限値は、枠14のサイズを超えることはないが、もし、超えた場合には、穴22のサイズの上限値を枠14のサイズ以下に設定すればよい。
ところで、本発明の防音構造10においては、第1固有振動周波数は、枠14及び膜18からなる構造によって定まり、透過損失がピークとなる遮蔽ピーク周波数は、枠14及び膜18からなる構造の膜に穿孔された穴22からなる開口部に依存して定まる。
ここで、本発明者らは、本発明の防音構造10において、防音セル26、即ち枠14の円相当半径をR1(mm)、膜18の厚みをt1(μm)、膜18のヤング率をE1(GPa)、開口部24の円相当半径をr(μm)とする時、下記式(1)で表されるパラメータAと、防音構造10の遮蔽ピーク振動周波数(Hz)とは、防音セル26の円相当半径R1(mm)、膜18の厚みt1(μm)、膜18のヤング率E1(GPa)、開口部24の円相当半径r(μm)を変化させた時にも、図12に示すように、略線形な関係にあり、略一次式で表され、2次元座標上で、略同一直線上に乗ることを知見した。なお、パラメータAは、膜の密度やポアソン比には、略依存しないことも分かった。
A=√(E1)*(t11.2)*(ln(r)−e)/(R12.8)…(1)
ここで、eは、ネイピア数を示し、ln(x)は、eを底としたxの対数である。
ここで、防音セル26内に複数個の開口部24が存在するとき、円相当半径rは複数個の開口部の合計面積から求めるものとする。
なお、図12は、後述する実施例の実験前の設計段階におけるシミュレーションの結果から得られたものである。
本発明の防音構造10において、第1固有振動周波数を10Hz〜100000Hzとする時、遮蔽ピーク振動周波数は、第1固有振動周波数以下の主端数となることから、遮蔽ピーク振動周波数を10Hzから100000Hzまでの間の複数の値に対応するパラメータAの値を表1に示す。
表1から明らかなように、パラメータAは、第1固有振動周波数に対応することから、本発明においては、0.07000以上759.1以下であることが好ましく、0.1410〜151.であることがより好ましく、0.2820〜121.5であることが更により好ましく、0.7050〜91.09であることが最も好ましい。
以上のように規格化されたパラメータAを用いることにより、本発明の防音構造において遮蔽ピーク周波数を決定することができ、遮蔽ピーク周波数を中心とする一定の周波数帯域の音を選択的に遮音することができる。また、逆に、このパラメータAを用いることにより、選択的に遮音すべき周波数帯域の中心となる遮蔽ピーク周波数を持つ本発明の防音構造を設定することができる。
また、本発明者らは、本発明の防音構造10において、防音セル26、即ち枠14の円相当半径をR2(m)、膜18の厚みをt2(m)、膜18のヤング率をE2(Pa)、膜18の密度をd(kg/m)とする時、下記式(2)で表されるパラメータB(√m)と、防音構造10の枠14及び膜18からなる構造の第1固有振動周波数(Hz)とは、防音セル26の円相当半径R2(m)、膜18の厚みt2(m)、膜18のヤング率E2(Pa)、膜18の密度d(kg/m)を変化させた時にも略線形な関係にあり、図13に示すように、下記式(3)で表される式で表されることを知見した。
B=t2/R2*√(E2/d) …(2)
y=0.7278x0.9566 …(3)
ここで、yは、第1固有振動周波数(Hz)であり、xは、パラメータBである。
なお、図13は、後述する実施例の実験前の設計段階におけるシミュレーションの結果から得られたものである。
以上から、本発明の防音構造10においては、防音セル26の円相当半径R2(m)、膜18の厚みt2(m)、膜18のヤング率E2(Pa)、膜18の密度d(kg/m)をパラメータB(√m)で規格化することにより、2次元(xy)座標上において、パラメータBと防音構造10の第1固有振動周波数(Hz)との関係を表わす点は、略一次式と見做せる上記式(3)で表され、全ての点が略同一直線上にあること分かる。なお、R2とR1とは、共に防音セル26の円相当半径を表わすが、R2=10×R1の関係にある。また、t2とt1とは、共に膜18の厚みを表わすが、t2=10×t1の関係にある。また、E2とE1とは、共に膜18のヤング率を表わすが、E1=109×E2の関係にある。
第1固有振動周波数を10Hzから100000Hzまでの間の複数の値に対するパラメータBの値を表2に示す。
表2から明らかなように、パラメータBは、第1固有振動周波数に対応することから、本発明においては、1.547×10(=15.47)以上2.350×10(23500)以下であることが好ましく、3.194×10(=31.94)〜4.369×10(43690)であることがより好ましく、6.592×10(=65.92)〜3.460×10(34600)であることが更により好ましく、1.718×10(=171.8)〜2.562×10(25620)であることが最も好ましい。
以上のように規格化されたパラメータBを用いることにより、本発明の防音構造において遮蔽ピーク周波数の高周波側の上限となる第1固有振動周波数を決定することができ、選択的に遮音すべき周波数帯域の中心となる遮蔽ピーク周波数を決めることができる。また、逆に、このパラメータBを用いることにより、選択的に遮音すべき周波数帯域の中心となる遮蔽ピーク周波数を持つことができる第1固有振動周波数を有する本発明の防音構造を設定することができる。
なお、本発明の防音構造の防音においては、音が振動でなく音響波として透過できる貫通穴22と、膜振動として音が通過する膜18との両方が存在していることが重要となる。
よって、音が透過できる貫通穴22は、音が膜振動ではなく、空気を伝わる音響波として通ることのできる部材で覆われている状態でも、開放されているときと同様に遮音のピークを得ることができる。このような部材は、一般に通気性のある部材となる。
このような通気性のある代表的な部材としては網戸の網があげられる。一例として、NBCメッシュテック社製のアミドロジー30メッシュ品が挙げられるが、本発明者らは、これによって貫通穴22を塞いでも得られるスペクトルは変化しないことを確認している。
網は、格子状であっても良いし、三角格子状であっても良く、特にその形状には依存しないし、制限されない。網全体のサイズは、本発明の枠体のサイズよりも大きくても良いし、小さくても良い。また、網のサイズは、膜18の貫通穴22を1つ1つ覆うサイズであっても良い。また、網は、その網目がいわゆる虫よけを目的とするサイズの網であっても良いし、もっと細かな砂の進入を防ぐ網でも良い。素材は、合成樹脂からなる網でも良いし、防犯用、電波遮蔽用の針金であっても良い。
また、上述の通気性のある部材は、網戸の網に限定されず、網の他にも、不織布素材、ウレタン素材、シンサレート(3M社製)、ブレスエアー(東洋紡社製)、ドットエアー(東レ社製)などが挙げられる。本発明では、このような通気性を有する素材で覆うことで、虫や砂が孔から侵入することを防ぐこと、貫通穴22の部分から中が見える等のプライバシー性を確保すること、及び隠ぺい性を付与することなどができる。
本発明の防音構造は、基本的に以上のように構成される。
本発明の防音構造は、以上のように構成されているため、従来の防音構造において困難であった低周波遮蔽を可能にし、さらに、低周波から1000Hzを超える周波数まで様々な周波数の騒音に合わせて強く遮音する構造を設計できるという特徴も有する。また、本発明の防音構造は、構造の質量(質量則)によらない遮音原理であるため、従来の防音構造と比較して非常に軽量かつ薄い遮音構造を実現できるために、従来の防音構造では十分な遮音が困難であった防音対象にも適用することができる。
また、本発明の防音構造は、特許文献2に記載の技術のように、錘を必要とせず、膜に穴を設けるだけで製造適性があり遮音材としてロバスト性の高い遮音構造であるという特徴を有する。即ち、本発明の防音構造は、特許文献2に記載の技術に比較して、以下の特徴を有する。
1.質量を重くしてしまう要因であった錘が必要ないため、より軽い遮音構造を実現できる。
2.レーザ加工やパンチ穴により、高速かつ容易に膜に穴をあけることができるために、製造適性を有する。
3.穴の位置や形状に遮音特性がほとんど依存しないため、製造において安定性が高い。
4.穴が存在することで膜が通気性をもつ、すなわち風や熱を通しながら音を遮蔽する構造を実現できる。
本発明の防音構造は、以下のようにして製造される。
まず、複数、例えば225の枠14を有する枠体16と、枠体16の全ての枠14の貫通孔12を全て覆うシート状の膜体20を準備する。
次に、枠体16の全ての枠14にシート状の膜体20を接着剤によって固定し、全ての枠14の貫通孔12をそれぞれ覆う膜18を形成して、枠14と膜18とからなる構造を持つ複数の防音セルを構成する。
次いで、複数の防音セルの個々の膜18に、レーザ加工などのエネルギを吸収する加工方法、もしくはパンチング、又は針加工などの物理的接触による機械加工方法によって1個以上の穴22をそれぞれ穿孔して、各防音セル26に開口部24を形成する。
こうして、本発明の防音構造10を製造することができる。
本発明の防音構造の製造方法は、基本的に以上のように構成される。
本発明の防音構造及び防音構造の製造方法を実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明の実施例を製造して音響特性を測定する実験を行う前に防音構造の設計について示す。
この防音構造の系は、膜振動と空気中の音波の相互作用系であるため、音響と振動の連成解析を用いて解析を行った。具体的には、有限要素法の解析ソフトウェアであるCOMSOLver5.0の音響モジュールを用いて設計を行った。まず、固有振動解析によって第1固有振動周波数を求めた。次に、周期構造境界中で周波数スイープによる音響構造連成解析を行って、正面から入射する音波に対する各周波数における透過損失を求めた。
この設計に基づいて、サンプルの形状や材質を決定した。実験結果における遮蔽ピーク周波数とシミュレーションからの予測はよく一致した。
また、音響構造連成解析シミュレーションを行い、遮蔽ピーク周波数と各物性の対応を求めた。パラメータAとして膜18の厚みt1(μm)、枠14のサイズ(又は半径)R1(mm)、膜のヤング率E1(GPa)、開口部の円相当半径r(μm)を変化させて音波に対する各周波数における透過損失を求め、遮蔽ピーク周波数を求めた。その結果を図12に示した。本発明者らは、この計算により遮蔽ピーク周波数が√(E1)*(t11.2)*(ln(r)−e)/(R12.8)に略比例することを見出した。したがって、パラメータA=√(E1)*(t11.2)*(ln(r)−e)/(R12.8)とおくことで遮蔽ピーク周波数が予測できることが分かった。
また、材料特性や膜厚を自由に変化させることができるシミュレーションの特徴を活かして、第1固有振動周波数と各物性の対応を求めた。パラメータBとして膜18の厚みt2(m)、枠14のサイズ(又は半径)R2(m)、膜のヤング率E2(Pa)、膜の密度d(kg/m)を変化させて固有振動を求めた。その結果を図13に示した。本発明者らは、この計算により第1固有振動周波数f_resonanceがt2/R2*√(E2/d)に略比例することを見出した。したがって、パラメータB=t2/R2*√(E2/d)とおくことで固有振動が予測できることが分かった。
(実施例1)
以下に、膜18のPETフィルム厚さ50μm(=50×10−6m)、枠14のサイズ7.5mm(=7.5×10−3m)、サイズ直径200μm(=200×10−6m)の穴22を持つ実施例1の防音構造の製造方法を示す。
PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラー)50μm品を膜18として用いた。枠14としてはアルミニウム厚み3mm×幅3mmを用い、枠14の形状を正方形として、その正方形の貫通孔12の一辺を7.5mmとして加工を行ったものを用いた。枠構造の貫通孔12は15×15個の合計225個を有する。この枠構造をPETフィルムに対して接着剤で固定し、枠14と膜18とからなる枠・膜構造を作製した。
この枠・膜構造の膜18に穴22をあける工程は、以下のように行った。
まず、膜18に黒インクを用いて光吸収を目的とした黒点を描いた。このとき、黒点のサイズをできるだけ開けたい穴サイズに近付けるようにした。
次に、レーザ装置(日亜化学社製レーザーダイオード)の緑色レーザ(300mW)をフィルム黒点部に対して照射を行った。
PETフィルムの可視光吸収率は十分に小さいため、黒点部のみにレーザが吸収され吸収熱が発生し、最終的に黒点部に穴22が開いた。光学顕微鏡(ニコン社製ECLIPSE)を用いて穴22のサイズを測定したところ、円形穴直径200μmを枠14の中央部に得ることができた。これにより、本発明の実施例1の防音構造を製造することができた。
音響特性は、自作のアルミニウム製音響管に4本のマイクを用いて伝達関数法による測定を行った。この手法は「ASTM E2611-09: Standard Test Method for Measurement of Normal Incidence Sound Transmission of Acoustical Materials Based on the Transfer Matrix Method」に従うものである。音響管としては、例えば日東紡音響エンジニアリング株式会社製のWinZacと同一の測定原理であるものを用いた。この方法で広いスペクトル帯域において音響透過損失を測定することができる。実施例1の防音構造を音響管の測定部位に配置し、10Hz〜40000Hzの範囲で音響透過損失測定を行った。この測定範囲は音響管の直径やマイク間距離を複数組み合わせて測定を行ったものである。
一般にマイク間距離が大きいほど低周波は測定ノイズが小さくなり、一方で、高周波側で波長/2よりマイク間の間隔が長くなると原理上測定ができなくなる。よって、マイク間距離を変えながら複数回測定した。また、音響管が太いことで、高周波側で高次モードの影響で測定ができなくなるため、音響管の径も複数種類使用して測定を行った。
透過損失の測定結果を図6に示す。
図1に示す結果から明らかなように、1000Hz付近で極めて強い遮蔽が生じていることが分かった。
以下、全ての実施例2〜42、及び比較例1〜2において測定方法は同じであるため、各実施例及び各比較例のサンプルの作製方法を示した。
製造された実施例1〜42及び比較例1〜2の各防音構造の枠14の形状、サイズ及び材質、膜18の種類、厚み及び第1固有振動周波数、並びに穴22のサイズ、形状及び個数と、各実施例及び各比較例で得られたスペクトルの最大又は極大の遮蔽ピーク周波数(以下、単に、遮蔽周波数ともいう)、その透過損失、パラメータA及びBの値とを表3〜表5に示す。
(比較例1)
実施例1で作製された枠・膜構造に対して穴をあけずにそのままの枠・膜構造を用いて測定を行った。その結果を表3に示す。また、透過損失の測定結果を図7に示す。一般的な質量則と剛性則による遮音が得られた。この切り替わりが2820Hz付近で起こっており、これは膜の第1固有振動周波数と一致していることが分かる。
(比較例2)
実施例1で用いた膜(PETフィルム50μm)に対して、枠をつけることなく穴を7.5mm間隔であけた。穴の直径は実施例1に合わせて200μmとした。その結果を表3に示し、その透過損失の測定結果を図14に示す。一般的に板に穴があいただけの構造では低周波ほど通りやすく、高周波ほど通りにくい構造となり、本実験でもその特徴が得られている。このとき、第1固有振動周波数も遮蔽のピークもみられない。
表中におけるパラメータA、Bの計算の際には、枠が存在しないため、枠の半径Rは無限大(R→∞)として計算を行った。
(実施例2〜7)
実施例1と同様にして、枠・膜構造を作製した。レーザ照射時間を変化させることで熱の発生量が変化して、穴22のサイズを変化させることができることが分かっているので、レーザ照射時間・パワーを最適化することで、PETフィルム上に20μm〜2000μmまでの所望の穴22を得ることができた。こうして得られた各実施例の防音構造における遮蔽周波数を含む結果を表3に示す。なお、実施例5の遮音特性を図10に点線で示す。
(実施例8)
実施例1と同様にして、枠・膜構造を作製した後に、レーザ照射によって穴22を形成する代わりに、針をフィルムに刺すことで物理的に穴22を形成した。力を調整することで直径200μmの穴22を得ることができた。こうして得られた実施例8の遮蔽スペクトル(透過損失)は、実施例1と変化なく得られた。その結果を表3に示す。
(実施例9〜11)
実施例1において用いたPETフィルムの厚みを50μm品から20μm、100μm、200μm品に変更して、その他は同じ作製手法を用いて穴径200μmの防音構造を得た。こうして得られた各実施例の測定結果を表3に示す。
膜厚が増加することで曲げ剛性が増大し、それに伴い固有振動の第一振動モードが高周波にシフトする。それに従って同一穴径における遮蔽周波数も高周波にシフトした。図8に、厚み100μmの実施例10の遮蔽スペクトルを示した。
(実施例12〜17)
実施例1の条件で、枠のサイズを変更して、他は同じ条件で防音構造サンプルの作製を行った。正方形の貫通孔12の一辺を15mmとして加工を行った。枠14自体は、厚み3mm×幅3mmと同じである。この枠体16の枠14の貫通孔12は8×8の合計64個を有する。実施例1と同じく、レーザで穴22を加工し、その照射時間とパワーを調節することで異なる穴サイズ(20,100、200、400、1000、及び2000μm)の穴22を得た。こうして得られた実施例12〜15の測定結果を表3に示し、実施例16〜17の測定結果を表4に示す。
なお、実施例16の防音構造サンプルの音響(音波のエネルギ)の吸収率を求めた。測定方法は実施例1と同じ4本マイクによる伝達関数法で行い、測定した透過率と反射率から吸収率を求めた。ここで、吸収率は、下記式から求めることができる。その結果を図15に示す。
吸収率 = 1 − 透過率 − 反射率
また、比較のため、実施例16の防音構造サンプルを作製する途中の穴22を穿孔する前の穴22の無い状態の参考防音構造サンプルの音響の吸収率も測定した。その結果を図16に示す。
(実施例18〜19)
同一材料の場合の第1固有振動周波数は、厚みの2乗と正方形の1辺の長さの比が一定であるときにほぼ近い周波数となるので、実施例1と合わせるために枠サイズ15mm、PETフィルムの厚み200μmの条件で、他は実施例1と同様に防音構造サンプルを作製した。穴22のサイズは、実施例18が直径200μm、実施例19が直径400μmとなるように調整した。こうして得られた各実施例の測定結果を表4に示す。第1固体振動周波数は、いずれも実施例1と同じく2820Hzとして得られ、1000Hz以上の領域で大きな遮蔽を得ることができた。
(実施例20)
実施例1の条件で、枠14のサイズを30mm、膜18の厚みを200μmに変更して、他の条件は穴サイズも含めて同一にして防音構造サンプルを作製した。こうして得られた実施例20の測定結果を表4に示す。この実施例20の条件は、実施例14の条件から膜18の厚み4倍、枠14のサイズ2倍となっているため、固有振動の第1振動モードが同じであることが期待され、測定を行うと実際に同一の周波数であった。
(実施例21)
実施例20において、膜厚を200μmでなく800μmに変更して、その他は同一の条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例21の測定結果を表4に示す。実施例21は、実施例1から膜厚みが16倍、枠サイズが4倍となり固有振動の第一振動モードが同じであることが期待された。測定を行うと実際に同1周波数2820Hzに透過のピーク(極小)が現れた。透過損失のピーク(極大)は、708Hzに大きなピークが現れた。この透過損失スペクトルを図9に示す。
(実施例22)
実施例21において、穴径を200μmから1600μmに変更した以外は同様にして防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例22の測定結果を表4に示す。
枠14のサイズが大きい場合においても2000Hz以上を遮蔽することができた。
(実施例23)
実施例1において、中央部に単一の貫通穴をあけるかわりに穴径200μmの穴を4つ中心部にあけた。その他は実施例1と同一条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例23の測定結果を表4に示す。実施例23と実施例5の透過損失スペクトルを図10に示す。遮蔽周波数は、実施例5の穴径400μmの単一穴のときと一致して2000Hzとなった。つまり、他の条件を変えずに枠14内の膜18上の貫通穴22が同一開口率をもつとき、単一穴22の場合と複数個の穴22の場合の遮蔽スペクトルはほぼ一致した。
(実施例24〜30)
実施例1において、中央部に単一の貫通穴をあける代わりに、穴径200μmの穴22のあける位置を四角枠中対角線上でずらした位置とした。その他は実施例1と同一条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた各実施例の測定結果を表4に示す。遮蔽周波数は中央に穴22をあけた実施例1と変化がなく、この防音系は、膜18上の穴22の位置に対して非常にロバスト性が大きいということを明らかにしている。
(実施例31)
実施例1において、単一の貫通穴をあける代わりに、穴径200μmの穴を3つ、穴径100μmの穴を4つ同一の防音セル26内に開けた。その他は実施例1と同一条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例31の測定結果を表5に示す。遮蔽周波数は2000Hzとなり、これは実施例5の穴計400μmの単一穴のときと同一の遮蔽周波数である。実施例5と本実施例でのセル内の合計穴面積は同一である。
(実施例32)
実施例1において、枠の素材としてアルミニウムを用いる代わりに枠状に加工したアクリルを用いた。その他は実施例1と同一条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例32の測定結果を表5に示す。枠14の素材を変更しても同じ効果が得られた。
(実施例33)
実施例1において、膜の素材としてPETフィルムの代わりにポリイミド膜を用いた。
その他は実施例1と同一条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例33の測定結果を表5に示す。PETフィルムの場合と同様に、ポリイミド膜においても枠14、膜18および穴22からなる防音構造で透過損失が大きくピークを持つことを示した。
(実施例34)
実施例1において、正方形の貫通孔12の枠形状に加工したアルミ枠の代わりに、円形の貫通孔12の枠形状に加工したアルミ枠を用いた。その他は実施例1と同一条件で防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例34の測定結果を表5に示す。
(実施例35)
実施例1において、PETフィルム上に描く黒インクの形状を正方形となるようにした。
このとき、穴22の面積が実施例1と同じになるように、一辺の長さを200[(√π)/2](μm)とした(円相等径を同一面積の円の直径と定義する。)。この時、描画にはインクジェット法を用いた。レーザ径を20μm程度に絞り黒点状をスキャンするように照射した。レーザパワーを調整することで正方形状の穴22を得ることができた。こうして得られた実施例35の測定結果を表5に示す。遮蔽周波数は、実施例1と同じ結果が得られた。このことにより、同一面積では遮蔽特性が穴22の形状に依存しないことを示す。
(実施例36)
実施例35において、正方形状の黒形状とする代わりに、長方形状の黒インク形状とした。長辺を200√π(μm)、短辺を200[(√π)/4](μm)として同一面積になるようにした。実施例35と同様にして長方形状の穴を得ることができた。こうして得られた実施例36の測定結果を表5に示す。
(実施例37)
実施例1において、膜18としてPETフィルムの代わりにアルミ箔厚さ20μmを用いて、他は実施例1と同様にして防音構造サンプル作製を行った。こうして得られた実施例37の測定結果を表5に示す。貫通穴22は針により形成した。このとき、膜18も枠14もアルミニウムであり同一材質となる。アルミニウムは、一般的な高分子フィルム材料と比べてヤング率/密度が大きいため、PETフィルムと比べて薄くても高周波数側にピークが現れる。
(実施例38)
実施例1において、全てのセルで同じ穴径加工をする代わりに、互い違いになるように直径200μmの穴22と直径100μmの穴22を持つ各防音セル26からなる防音構造サンプルを作製した。こうして得られた実施例38の測定結果を表5に示す。また、実施例38の透過損失スペクトルを図11に示す。この時、遮蔽の最大(ピーク)周波数は1258Hzとなった。実施例1と実施例4とにより、それぞれの穴22を持つ単独防音セル26の遮蔽周波数は1412Hzと1000Hzだったので、その中間である周波数で遮蔽を実現できた。
(実施例39〜41)
実施例34において、枠14の円形の貫通孔12の直径を7.5mmからそれぞれ4mm、2mm、及び2mmに変更し、円形穴22の直径を実施例41のみ200mmから40mmに変更し、他は実施例34と同様にして各実施例の防音構造サンプルを作製した。
こうして得られた各実施例測定結果を表5に示す。枠のサイズが小さくなったことで、第1固有振動周波数及び遮蔽周波数は共に高周波側に大きくシフトしたことが分かる。
(実施例42)
音響管として、内側の一辺の長さが15mmである音響管を用意した。防音構造サンプル作成のために、実施例18で15×15の枠14を使用する代わりに、単一のアルミニウム(Al)製の15mm枠14を準備し、その他は、実施例18と同様にし、膜18として厚さ200μmのPETフィルムに穴22として200μm径の円形穴を貫通させてサンプルとした。このとき、音響管とサンプルの枠14は全く同一のサイズとなるため、サンプルの枠14を音響管のサンプルホルダと一致させて、一つのセル構造のみからなる防音構造を対象に音響管を用いて測定できるようにして測定を行った。
その結果を表5に示す。結果は、実施例18の測定結果と同一となった。
表3〜表5から明らかなように、本発明の防音構造である実施例1〜42は、比較例1〜2と異なり、第1固有振動周波数より低周波側にある遮蔽ピーク周波数において、透過損失がピークとなる遮蔽ピークが存在しているので、遮蔽ピーク周波数を中心とする一定の幅の周波数帯域を選択的に遮音することができる。
また、図16から明らかなように、実施例16の防音構造サンプル作製途中の穴22の無い状態の参考防音構造サンプルでは、系の第1固有振動周波数での膜の大きな揺れに起因する音響の吸収のピークのみが大きくあった。これに対し、図15から明らかなように、実施例16の防音構造サンプルでは、穴22を穿孔したことで、それより低周波側の吸収率が全体的に大きくなり、吸収性能が向上したことが分かる。実施例16の防音構造サンプルでは、特に、穴22に起因する遮蔽ピークより低周波側でより大きな吸収が生じていることが分かった。
以上から、本発明の防音構造は、狙った特定の周波数成分を極めて強く遮蔽することができるという優れた遮音特性を持ち、更に、より低周波側の成分の吸収を増大させることができることが分かった。
以上、本発明の防音構造の製造方法、及び防音構造の製造方法についての種々の実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
10 防音構造
12 貫通孔
14 枠
15 板状部材
16 枠体
18 膜
20 膜体
22 穴(貫通穴)
24 開口部
26 防音セル

Claims (23)

  1. 1以上の防音セルを有する防音構造であって、
    前記1以上の防音セルの各々は、
    貫通孔を有する枠と、
    前記枠に固定された膜と、
    前記膜に穿孔された1以上の穴からなる開口部と、を備え、
    前記枠の貫通孔の両方の端部は、共に閉塞されておらず、
    前記防音構造は、前記1以上の防音セルの前記膜の第1固有振動周波数より低周波側に、前記1以上の防音セルの前記開口部に起因して定まり、かつ透過損失が極大となる遮蔽ピーク周波数を有し、前記遮蔽ピーク周波数を中心とする一定の周波数帯域の音を選択的に防音することを特徴とする防音構造。
  2. 前記1以上の防音セルは、2次元的に配置された複数の防音セルである請求項1に記載の防音構造。
  3. 前記第1固有振動周波数は、前記1以上の防音セルの前記枠の幾何学的形態と、前記1以上の防音セルの前記膜の剛性とによって定まり、
    前記遮蔽ピーク周波数は、前記1以上の防音セルの前記開口部の面積に応じて定まるものである請求項1又は2に記載の防音構造。
  4. 前記第1固有振動周波数は、前記1以上の防音セルの前記枠の形状及び寸法と、前記1以上の防音セルの前記膜の厚さ及び可撓性とによって定まり、
    前記遮蔽ピーク周波数は、前記1以上の防音セルの前記開口部の平均面積率に応じて定まるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の防音構造。
  5. 前記第1固有振動周波数は、10Hz〜100000Hzの範囲内に含まれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の防音構造。
  6. 前記枠の円相当半径をR1(mm)、前記膜の厚みをt1(μm)、前記膜のヤング率をE1(GPa)、前記開口部の円相当半径をr(μm)とする時、下記式(1)で表されるパラメータAが、0.07000以上759.1以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の防音構造。
    A=√(E1)*(t11.2)*(ln(r)−e)/(R12.8)…(1)
    ここで、eは、ネイピア数を示し、ln(x)は、eを底としたxの対数である。
  7. 前記枠の円相当半径をR2(m)、前記膜の厚みをt2(m)、前記膜のヤング率をE2(Pa)、前記膜の密度をd(kg/m)とする時、下記式(2)で表されるパラメータBが、15.47以上235000以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の防音構造。
    B=t2/R2*√(E2/d) …(2)
  8. 前記1以上の防音セルの前記開口部は、1つの穴で構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の防音構造。
  9. 前記1以上の防音セルの前記開口部は、同一サイズの複数の穴で構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の防音構造。
  10. 前記1以上の防音セルが、2次元的に配置された複数の防音セルである時、
    前記複数の防音セルの前記開口部は、その70%以上が同一サイズの穴で構成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の防音構造。
  11. 前記1以上の防音セルの前記開口部の前記1以上の穴のサイズは、2μm以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の防音構造。
  12. 前記1以上の防音セルの前記枠のサイズは、前記遮蔽ピーク周波数に対応する波長サイズ以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の防音構造。
  13. 前記1以上の防音セルの前記開口部の前記1以上の穴は、エネルギを吸収する加工方法によって穿孔された穴である請求項1〜12のいずれか1項に記載の防音構造。
  14. 前記エネルギを吸収する加工方法は、レーザ加工である請求項13に記載の防音構造。
  15. 前記1以上の防音セルの前記開口部の前記1以上の穴は、物理的接触による機械加工方法によって穿孔された穴である請求項1〜12のいずれか1項に記載の防音構造。
  16. 前記機械加工方法は、パンチング、又は針加工である請求項15に記載の防音構造。
  17. 前記膜は、空気に対して不浸透性である請求項1〜16のいずれか1項に記載の防音構造。
  18. 前記防音セルの前記開口部の1つの穴は、前記膜の中心に設けられている請求項1〜17のいずれか1項に記載の防音構造。
  19. 前記膜は、可撓性のある弾性材料製である請求項1〜18のいずれか1項に記載の防音構造。
  20. 前記1以上の防音セルが、2次元的に配置された複数の防音セルである時、
    前記複数の防音セルの複数の前記枠は、2次元的に繋がるように配置された1つの枠体として構成される請求項1〜19のいずれか1項に記載の防音構造。
  21. 前記1以上の防音セルが、2次元的に配置された複数の防音セルである時、
    前記複数の防音セルの複数の前記膜は、前記複数の防音セルの複数の前記枠を覆う1枚のシート状の膜体によって構成される請求項1〜20のいずれか1項に記載の防音構造。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の防音構造を製造するに際し、
    前記1以上の防音セルの前記開口部の前記1以上の穴を、各防音セルの前記膜に、エネルギを吸収する加工方法、又は物理的接触による機械加工方法によって穿孔したことを特徴とする防音構造の製造方法。
  23. 前記エネルギを吸収する加工方法は、レーザ加工であり、
    前記機械加工方法は、パンチング、又は針加工である請求項22に記載の防音構造の製造方法。
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