JP6042300B2 - 緊急車両 - Google Patents

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Description

本発明は、緊急車両に関し、特に、緊急自動車等のサイレン音(警報音)を発生する警報音発生器を搭載したハイルーフ仕様の緊急車両に関する。
消防本部等の指揮者から適時現場状況等の指令を受け、現場に急行する緊急車両において、両者間の無線通信装置によって、指揮者の指令を運転者へ的確に伝えることにより、
緊急車両の迅速な運行が可能となる。
しかしながら、このような緊急車両では、緊急走行時にはサイレン音(警報音)を鳴らす必要がある。このため、運転者の頭部付近の音響状態は重要である。すなわち、通常、緊急車両においては、キャビンの天井部に警報音発生器(サイレン用スピーカ等)が搭載され、車両進行方向に音響放射面を向けている。このため、運転者の頭部付周辺に伝播し、前記指揮者からの指令伝達を的確に行うことができないおそれがあった。
このため、警報音発生器等を搭載すれば、遮音、吸音、ダンピング、および振動絶縁等の受動的(パッシブ制御)な減音対策を必要としていた。このようなパッシブ制御を行う場合、遮音や吸音材等を必要として、コスト高となるとともに、重量化を招くおそれもあった。
そのため、従来には、警告音を発生する一対の音響放射面を互いに外側に向けて同軸上に構成した警報音発生器(ダイポール音源、つまり二重音源)を、運転者の真上のキャビン天井に設けたものが提案されている(特許文献1)。
前記特許文献1に記載の車両では、図11に示すように、ダイポール音源(二重音源)1は運転者2近傍に配設され、音響信号は信号処理手段によって増幅された後、ダイポール音源1に入力し再生音として音響放射される。音響放射の主軸a,a’は車体3以外に向いていて指向特性b,b’を形成している。一方、ダイポール音源1と運転者2を結ぶ線上の近傍では放射音が互いに干渉して打ち消し合って小さくなり、運転者2近傍ではダイポール音源1からの直接音はほとんど到達しない。従って、音響放射の主軸方向a,a’では十分な音量を確保する一方、運転者2近傍では音量が低減されるという良好な音環境が得られる。
特許第3221835号公報
この特許文献1の装置では、ダイポール音源1を乗車キャビンの天井(ルーフ部)上に載置固定されたものである。このため、車高が高くなり、このダイポール音源1を搭載したことによって、天井が高く走行できない道が発生する。また、ダイポール音源1が外部に露出されることによって、ダイポール音源1が傷み易くなる。
緊急車両においては、乗車キャビンにはハイルーフ仕様のものも多い。このようなハイルーフ仕様の乗車キャビンにおいて、特許文献1の記載のように、乗車キャビンの天井(ルーフ部)上に載置固定すれば、車高は極めて高いものとなって好ましくない。
このため、このようなハイルーフ仕様の乗車キャビンに対して、車高をより高くしないで、前記ダイポール音源1を搭載しようとすれば、キャビンの天井部側においてキャビン内部に配設されるダイポール音源収納部室を形成することを提案できる。しかしながら、キャビン内部にダイポール音源収納部室を形成しようとすれば、ダイポール音源の後方音響放射面に相対面するような収納室後壁部が形成されることになる。
ところで、緊急走行時の周囲への安全確保のためには、車両前方は勿論、車両側方及び車両後方の走行車両へも、緊急車両走行を警報音で緊急性を伝える必要がある。しかしながら、前記ダイポール音源1では、各主軸(音響放射軸)a,a’は水平方向に延びるものである。このため、ダイポール音源1の後方に収納室後壁部があれば、後方の音が、この収納室後壁部によって、反射や遮断等されるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて、警告音を発生する一対の音響放射面を互いに外側に向けて同軸上に配設した音響発生器を、後方へ放射される音が遮られず、しかも、警報音発生器の音響放射軸と直交する軸上に運転者の頭部乃至その近傍が配置され、さらには、警報音発生器が外部に露出されずに警報音発生器の傷みの発生を有効に抑えることができる緊急車両を提供する。
本発明の緊急車両は、運転者が乗車するハイルーフ仕様の乗車キャビンを備え、警報音を発生する警報音発生器が前記乗車キャビンに搭載される緊急車両であって、ハイルーフ仕様の乗車キャビンの天井部の前方側に前記警報音発生器を収納する発生器収納室が設けられるとともに、この発生器収納室は乗車キャビン上壁よりも乗車キャビン内部側に形成され、前記警報音発生器は相反する方向に逆位相の音を同時に発生させて音の打消し減衰部が形成される一対のホーンを有し、一方のホーンから発生する音の主軸が斜め下方前方に延びるとともに、他方のホーンから発生する音の主軸が斜め上方後方に延びるように、前記警報音発生器を前記発生器収納室内に傾斜させて配置し、乗車キャビンの少なくとも運転者が音の打消し減衰部に対応するものである。ここで、運転者が音の打消し減衰部に対応するとは、警報音発生器の音響放射軸と直交する軸上に運転者の頭部乃至その近傍が配置されることである。
本発明の車両によれば、警報音発生器としては、相反する方向に逆位相の音を同時に発生させるダイポール音源(二重音源)であるアクティブ制御スピーカーを用いるものである。このため、この警報音発生器の下方向においてはその警報音の音量を下げることができる。すなわち、警報音発生器の下方向及び側方においては音の打消し減衰部が形成される。そして、音の打消し減衰部に乗車キャビン内の運転者が位置することができる。
また、乗車キャビンの天井部に設けられた発生器収納室に警報音発生器が収容されるので、警報音発生器を有効に保護できる。しかも、発生器収納室は乗車キャビン上壁よりも乗車キャビン内部側に形成されるので、このような発生器収納室を設けても、車高が高くならない。また、ハイルーフ仕様であるので、発生器収納室を乗車キャビン内部側に形成されたとしても、運転者に影響を与えるものではない。特に、警報音発生器は前方下傾状に配設されるため、音響放射軸が水平方向に延びる場合と相違して、音響放射軸が傾斜状となって、ダイポール音源の後方の音響放射面に相対面する後壁が設けられず、後方への音が遮断や反射される部材が形成されない。また、前方への音に対しても、遮断や反射される部材が形成されない。
前方の音は、ホーンから発生する音の主軸が斜め下方前方に延びるため、車両の近くの人には聞こえやすく、地上にて音が反射することで、遠い人にも聞こえやすくなる。また、他方のホーンから発生する音の主軸が斜め上方後方に延びるため、後方の音が、反射や遮断等がされにくくなっている。
発生器収納室に、一方のホーンからの音が放射される前方側放射口と、他方のホーンからの音が放射される後方側放射口とが設けられるのが好ましい。
前記発生器収納室に、警報音発生器と相違する副警報音発生器が収納されるものであってもよい。前記警報音発生器は、前記一対のホーンと、各ホーンにそれぞれ付設される駆動部としてのドライバーユニットを備え、これらを直列状に配置しているもので構成できる。また、車両として、消防車であっても、救急車であってもよい。
音の打消し減衰部に乗車キャビン内の運転者が位置することができ、運転者にとっては、静かな環境で乗車できる。特に、消防本部等の指揮者からの無線通信等による指令が運転者へ的確に伝わり、この緊急車両の迅速な運行が可能となる。
警報音発生器を有効に保護でき、警報音発生器は長期にわたって安定した機能を発揮することができる。また、警報音発生器を搭載したことによって車高が高くならず、しかも、ハイルーフ仕様であるので、発生器収納室を乗車キャビン内部側に形成したとしても、警報音発生器の搭載が影響することのない運転が可能となる。
前方の音は、車両の近くの人には聞こえやすく、地上にて音が反射することで、遠い人にも聞こえやすくなり、後方の音は、反射や遮断等がされにくくなっている。このため、警報音を鳴らす車両にもかかわらず、運転者は、静かな環境で乗車でき、指令本部の指揮との円滑な交信を行うことができる。
発生器収納室に、前方側放射口と後方側放射口とを設けることによって、発生器収納室内の警報音発生器からの警報音の指向特性は安定する。
一対のホーン間の中間部位が、乗車キャビンの乗車員の運転者が着座した状態における頭部位置よりも前方に配置されるように設定でき、運転者は、頭部を音の打消し減衰部に位置させることができる。
前記発生器収納室に、別の副警報音発生器を搭載することによって、ダイポール音源を構成する警報音発生器が故障等したときに、この別の発生器にて警報音(サイレン音)を鳴らすことができる。
前記警報音発生器は、一対のホーンと一対のドライバーユニットを直列状に配置したことによって、その幅寸法を一般的なサイレンスピーカーと同等とでき、発生器収納室の幅方向の寸法が大とならない。また、いずれかのドライバーユニットが故障等したときに、故障していない方のドライバーユニットを駆動させることによって、警報音を鳴らすことができる。
車両として、消防車であっても、救急車であってもよく、これらの車両に対して、警報音を安定して鳴らすことできる。しかも、警報音発生中においても、静かな環境下で、指令本部の指揮者との円滑な交信が可能となる。
本発明の車両の実施形態を示す要部側面図である。 前記図1の車両の要部拡大断面図である。 警報音発生器の側面図である。 警報音発生器のホーンの断面図である。 警報音発生器のドライバーユニットの断面図である。 警報音発生器のからの警報音を示し、(a)は前方向の音の波形図であり、(b)は後方向の音の波形図であり、(c)は前方向の音と後方向の音の合成波形図である。 警報音発生器によって得られる指向特性図を示し、(a)は放射する音が1000Hzの場合の指向特性図であり、(b)は放射する音が500Hzの場合の指向特性図である。 乗車キャビンの天井部の簡略斜視図である。 乗車キャビンの天井部の要部平面図である。 乗車キャビンの天井部の要部正面図である。 ダイポール音源が搭載された従来の車両の簡略図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1は、本発明の車両を構成する消防車を示し、この消防車は、車両フレーム10上に、前方に配設される乗車キャビン11と、この乗車キャビン11よりも後方に配設される車両ボディ12とを備えたものである。車両ボディ12には、消防活動用資材および救急活動用資機材等が積載している。
乗車キャビン11は、いわゆるダブルキャビンタイプであって、内部には、運転席13と、運転席の後方の後部席14とを有する空間が設けられる。すなわち、前方のドア15と後方のドア16とを有する左右の側壁17,17と、前窓18を有する前壁19と、天井部(ルーフ部)20とを備える。
また、この乗車キャビン11はいわゆるハイルーフ仕様であって、乗車キャビン11の前記空間の高さ寸法が大となっている。すなわち、キャビン容積を広くとれる構造となっている。なお、この天井部としては、FRP製ハイルーフであっても、CFRP製ハイルーフ、鋼板製ハイルーフであってもよい。
乗車キャビン11の天井部20の前方側には警報音発生器21が搭載される。この場合、天井部20の前方部に発生器収納室22が設けられ、この発生器収納室22に警報音発生器21が収納される。この場合、発生器収納室22は乗車キャビン上壁Tよりも乗車キャビン内部側に形成されている。すなわち、このような発生器収納室22を設けることによって、車高がより高くならないようにしている。
警報音発生器21は、図3に示すように、一対のホーン25,26と、各ホーン25,26にそれぞれ付設される駆動部としてのドライバーユニット(駆動部)27,28を備え、これらを直列状(直線状)に配置しているものである。この警報音発生器21は、警告音を発生する一対の音響放射面25a、26aを互いに外側に向けて同軸上に配設したものである。
ホーン25,26は、図4に示すように、いわゆる折り返しホーンであり、このホーンの開口端が音響放射面25a、25a、26a、26aとされ、ドライバーユニット27,28から放射された音は、折り返しホーンの通路の中心軸を沿って矢印方向に進み、各音響放射面25a、25a、26a、26aから外部へ放射される。
また、ドライバーユニット27,28は、この実施形態では、図5に示すようにダイナミック型を使用し、マグネット30とダイアフラム(振動板)31とボイスコイル32等を備え、音響信号をダイアフラム31に伝えることで、音を作ることができる。
そして、図4に示すように、ドライバーユニット27,28の音放射口29、29が、ホーン25,26の入射口33,33に連結されている。このため、ドライバーユニット27,28から放射された音は、ホーン25,26内部を介して音響放射面25a、25a、26a、26aから外部へ放射される。
このように構成された警報音発生器21は、一方向(前方向)の音は、図6(a)に示すような波形を示し、他方向(後方向)の音は、図6(b)に示すような波形を示すことになる。すなわち、図6(a)と図6(b)とでは、逆位相の音を同時に鳴らすものとなっている。このため、図6(c)に示すように、合成されて、打消し合うことになる。
従って、二重音源(前記警報発生器21のように、相反する方向に逆位相の音を同時に発生させるダイポール音源)は、互いの音源が干渉することによって、8字型の音圧分布になる。すなわち、警報音発生器21からの指向特性50は、図7に示す形状となって、警報音発生器21の長手方向中央部の上下方向及び側部の警報音を減衰できる。なお、図7(a)は放射する音が1000Hzの場合の指向特性図であり、図7(b)は放射する音が500Hzの場合の指向特性図である。
警報音発生器21が収納される発生器収納室22は、図8〜図10に示すように、天井部(ルーフ部)20の前方の幅方向中央に設けられる中空室からなる。発生器収納室22は図2に示すように、警報音発生器21が載置固定される底壁35と、中空室の上方開口部を塞ぐ上壁36とを備える。この上壁36は、上方から下方に向かって前方へ傾斜する前方傾斜部36aと、これにコーナ部36bを介して連設される上壁水平部36cとを有する。なお、この上壁36は、天井部20の上壁(天板)Tの一部(前端部)を構成するものである。
この場合、平面視において、警報音発生器21はその軸方向(長手方向)を、車両の前後方向に沿って配設され、一方のホーン25の音響放射面25a、25aが前方側に配置され、他方のホーン26の音響放射面26a、26aが後方側に配置される。
そして、上壁36の前方傾斜部36aに、一方(前方)のホーン25からの音が放射される前方側放射口40が形成され、他方(後方)のホーン26からの音が放射される後方側放射口41が形成されている。この実施形態では、前方側放射口40及び後方側放射口41は、それぞれ、複数のスリット孔から形成されている。なお、スリット孔としては、乗車キャビン11の幅方向に沿って伸びるスリット孔であっても、前後方向に沿って伸びるスリット孔であってもよい。また、上壁36に正方形乃至矩形状の孔部を設け、この孔部に、複数のスリット孔を有する枠体を着脱自在に装着するものであってもよい。
底壁35は、図1と図2に示すように、所定角度θで傾斜する載置面35aを有しこの載置面35aに警報音発生器21が載置固定される。この場合、警報音発生器21に鍔状の取付片(図示省略)が設けられ、この取付片をいわゆるビス止めにて載置面35aに取付られる。また、底壁35は、前記載置面35aと、載置面35aよりも前方側の前底部35bと、載置面35aよりも後方側の後底部35cとからなる。この実施形態では、前底部35bは水平面状とされ、後底部35cはキャビン内部側にわずかに突状となる湾曲面状とされている。このため、この発生器収納室22には、前方の音響放射面25aに相対面する前壁や後方の音響放射面26bに相対面する後壁が存在しない。なお、前底部35bとしては、水平面状に限らず、傾斜面状であってもよく、また、後底部35cとしても、湾曲面形状に限らず、一つ又は複数の傾斜面からなる傾斜面状等であってもよい。要は、警報音発生器21の音響反射面25a,26aに相対面する壁部が形成されなければよい。
このため、警報音発生器21は、図1に示すように、一方のホーン25から発生する音の主軸A1が斜め下方前方に延びるとともに、他方のホーン26から発生する音の主軸A2が斜め上方後方に延びるように配置されることになる。なお、図示省略するが、底壁35及び/又は上壁36を開閉可能な構造とするのが好ましい。底壁35及び/又は上壁36を開閉可能な構造とすることによって、発生器収納室22内の警報音発生器21の点検や交換作業を容易に行うことができる。
このように、警報音発生器21は前方下傾状に配設されるため、音響放射軸が水平方向に延びる特許文献1のダイポール音源を設置する場合と相違して、ダイポール音源の後方の音響放射面に相対面する後壁が設けられず、後方への音が遮断や反射される部材が形成されない。また、前方への音に対しても、遮断や反射される部材が形成されない。
前記のように、警報音発生器21はその下方側において、音の打消し減衰部50aが形成するので、この音の打消し減衰部50aに、乗車員Sが対応するのが好ましい。このため、この実施形態では、図1に示すように、乗車員Sである運転者S1が運転席13に着席した状態で、警報音発生器の音響放射軸A1,A2と直交する軸A3上に運転者S1の頭部46乃至その近傍が配置され、運転者S1の頭部46が音の打消し減衰部50aに対応するように配置するのが好ましい。
ところで、警報音発生器21は、その一方のドライバーユニット27側が下傾した状態で、配置されるので、運転者S1の頭部46が音の打消し減衰部50aに対応するように配置するためには、一対のホーン25,26間の中間部位が、乗車キャビン11の乗車員の運転者Sが着座した状態における頭部46位置よりも前方に配置されることになる。
この車両においては、発生器収納室22は、図9と図10に示すように、警報音発生器21以外に、この警報音発生器21と相違する副警報音発生器51が収納されている。この場合の副警報音発生器51は、通常の既存のモーターサイレンである。ここで、モーターサイレンとは、モータによってロータを高速回転させて風切窓を断続的に開閉させることにより吹鳴するものである。副警報音発生器51にも、鍔状の取付片(図示省略)が設けられ、この取付片をいわゆるビス止めにて載置面35aに取付られる。なお、実施形態では、警報音発生器21と副警報音発生器51とを並列していているが、この場合、これらの左右位置や配置間隔等は任意に設定できる。また、警報音発生器21と副警報音発生器51とが前後にずれていてもよい。
本発明の車両では、警報音発生器21としては、相反する方向に逆位相の音を同時に発生させるダイポール音源であるアクティブ制御スピーカーを用いるものである。このため、この警報音発生器21の下方向においては、聞こえる警報音の音量を下げることができる。すなわち、警報音発生器21の下方向及び側方においては音の打消し減衰部50aが形成される。そして、音の打消し減衰部50aに乗車キャビン11内の乗車員Sである運転者S1が位置することができ、運転者S1にとっては、静かな環境で乗車できる。特に、消防本部等の指揮者からの無線通信等による指令が運転者S1へ的確に伝わり、この緊急車両の迅速な運行が可能となる。
また、乗車キャビン11の天井部20に設けられた発生器収納室22に警報音発生器21が収容されるので、警報音発生器21を有効に保護できる。また、警報音発生器を搭載したことによって車高が高くならず、しかも、ハイルーフ仕様であるので、発生器収納室22を乗車キャビン内部側に形成したとしても、警報音発生器21の搭載が影響することのない運転が可能となる。
前方の音は、一方のホーン25から発生する音の主軸A1が斜め下方前方に延びるため、車両の近くの人には聞こえやすく、地上にて音が反射することで、遠い人にも聞こえやすくなる。また、他方のホーン26から発生する音の主軸A2が斜め上方後方に延びるため、後方の音が、反射や遮断等がされにくくなっている。このため、警報音を鳴らす車両として、運転者S及び他の乗車員Sにとっては、静かな環境で乗車できるにもかかわらず、安定した警報音を鳴らすことができる。警報音発生器21の搭載が影響することのない車両の走行が可能となる。
発生器収納室22に、一方のホーン25からの音が放射される前方側放射口40と、他方のホーン26からの音が放射される後方側放射口41とが設けられることによって、発生器収納室22内の警報音発生器21からの警報音の指向特性は安定する。
一対のホーン25,26間の中間部位が、乗車キャビン11の乗車員Sである運転者S1が着座した状態における頭部46位置よりも前方に配置されるように設定でき、これによって、運転者S1は、その頭部を安定して音の打消し減衰部50aに位置させることができる。
前記発生器収納室22に、警報音発生器21とは相違する副警報音発生器51が収納されるものであってもよい。このように、別の発生器51を搭載することによって、ダイポール音源を構成する警報音発生器21が故障等したときに、この別の発生器51にて警報音(サイレン音)を鳴らすことができる。
前記警報音発生器21は、ホーン25,26とドライバーユニット27,28を直列状に配置したことによって、その幅寸法を一般的なサイレンスピーカーと同等とでき、発生器収納室22の幅方向の寸法が大とならない。また、いずれかのドライバーユニット27,28が故障等したときに、故障していない方のドライバーユニットを駆動させることによって、警報音を鳴らすことができる。
ところで、この車両においては、図1の仮想線で示すように、車両ボディ12に乗車キャビン11の最上位よりも高位となる高位部45が設けられる場合がある。このような場合、他方のホーン26から発生する音の主軸A2が、この高位部45に接触しない(高位部45から外れるような)傾斜とするのが好ましい。なお、高位部45としては、車両ボディ12の天井部でもって構成されたり、車両ボディ12の天井部に配置される梯子、警告灯やその他の付属部品等であってもよい。
このように、他方のホーン26からの音の主軸A2が車両ボディ12の高位部45に接触しないよう構成であれば、後方の音が、より一層遮断や吸音されにくくなっている。勿論、本発明においては、このような高位部45が設けられるものに限定されるものではなく、車両として、乗車キャビン11の天井部20が最高位置となるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、車両として、消防車以外に救急車であってもよく、これらの車両に対して、警報音を安定して鳴らすことできる。しかも、警報音発生中においても、静かな環境下で、指令本部の指揮者との円滑な交信が可能となる。
警報音発生器21の傾斜角度θとしては、後方の音が遮断されたり、反射されたり、吸音されたりしない範囲に種々変更できる。また、乗車員(運転者S1)の頭部46位置に音の打消し減衰部50aを対応させるのが好ましいので、この傾斜角度θに応じて、警報音発生器21の前後方向位置を変更する必要がある。
警報音発生器21のドライバーユニット27,28として、前記実施形態では、ダイナミック型としたが、バランスドアーマチュア型やコンデンサー型等の他のタイプを用いてもよい。また、ホーン25,26として、前実施形態では、3回の折り返しするものであったが、1回、2回、さらには4回以上であってもよい。
また、警報音発生器21は、前記実施形態では、一方のホーン25と他方のホーン26とが一体状に連設された形状であったが、一方のホーン25と他方のホーン26とが分離されたものであってもよい。すなわち、警報音発生器21として、相反する方向に逆位相の音を同時に発生させることができればよい。
警報音発生器21としては、前後の音を逆位相として、その下方で音の打消し減衰部50aを形成する必要があるので、発生器収納室22として、前後方向の形状が対称形状とするのが好ましい。これは、発生器収納室22の形状が前後で大きく異なると、下方向の減衰効果が小さくなるおそれがあるからである。
前記実施形態では、発生器収納室22には、アクティブ制御スピーカーである警報音発生器21と、他の副警報音発生器51とが収納されているが、この他の副警報音発生器51を省略してもよい。また、この副警報音発生器51を搭載する場合、アクティブ制御スピーカーである警報音発生器21と同様の構造の発生器を用いてもよい。
車両としては、前記実施形態では、乗車キャビン11が運転席13と運転席の後方の後部席14とを有するダブルキャビンタイプあったが、後方の後部席14とを有さないシングルキャビンタイプであってもよい。また、前記実施形態では、乗車キャビン11と車両ボディ12とを有するものであったが、車両として、乗車キャビン11と車両ボディ12とが一体状になっているバス型車両やワンボックスタイプの車両であってもよい。なお、運転席13の横には通常助手席が設けられるが、この助手席の乗車員Sに対しても、その頭部が音の減衰部50aに配設されるのが好ましい。
また、消防車や救急車に限るものではなく、パトカーや電気ガス等の危険防止のための応急作業に使用する車両等であってもよい。このため、警報音発生器21にて鳴らされる警報音(サイレン音)の周波数は種々変更できる。
11 乗車キャビン
12 車両ボディ
20 天井部
21 警報音発生器
22 発生器収納室
25,26 ホーン
27,28 ドライバーユニット
40 前方側放射口
41 後方側放射口
46 頭部
50a 減衰部
51 副警報音発生器
S1 運転者

Claims (7)

  1. 運転者が乗車するハイルーフ仕様の乗車キャビンを備え、警報音を発生する警報音発生器が前記乗車キャビンに搭載される緊急車両であって、
    ハイルーフ仕様の乗車キャビンの天井部の前方側に前記警報音発生器を収納する発生器収納室が設けられるとともに、この発生器収納室は乗車キャビン上壁よりも乗車キャビン内部側に形成され、前記警報音発生器は相反する方向に逆位相の音を同時に発生させて音の打消し減衰部が形成される一対のホーンを有し、一方のホーンから発生する音の主軸が斜め下方前方に延びるとともに、他方のホーンから発生する音の主軸が斜め上方後方に延びるように、前記警報音発生器を前記発生器収納室内に傾斜させて配置し、乗車キャビンの少なくとも運転者が音の打消し減衰部に対応することを特徴とすることを特徴とする緊急車両。
  2. 発生器収納室に、一方のホーンからの音が放射される前方側放射口と、他方のホーンからの音が放射される後方側放射口とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の緊急車両。
  3. 一対のホーン間の中間部位が、乗車キャビンの運転者が着座した状態における頭部位置よりも前方に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緊急車両。
  4. 前記発生器収納室に、警報音発生器と相違する副警報音発生器が収納されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の緊急車両。
  5. 前記警報音発生器は、前記一対のホーンと、各ホーンにそれぞれ付設される駆動部としてのドライバーユニットを備え、これらを直列状に配置していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の緊急車両。
  6. 消防車であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の緊急車両。
  7. 救急車であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の緊急車両。
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