JP6041547B2 - 追尾装置 - Google Patents
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Description
図8は、従来技術における追尾装置の構成の一例を示すブロック図である。
この図8における追尾装置は、空気抵抗等の環境要因を複数(例えば、n通り)仮定した運動モデルに基づく追尾処理部201−1〜201−nを有し、目標観測装置101より無誘導の目標の観測値を追尾処理部201−1〜201−nへ入力し、n個の追尾処理部において追尾処理を行う。
そして、観測が終了した時点で、信頼度が最も高い運動モデルを選択し、選択された運動モデルに基づいて、軌道予測部401において、無誘導の目標の位置および速度を算出することによって、無誘導の目標の観測終了後の未来位置の予測を行っている。
このような従来技術では、観測終了後の無誘導の目標の軌道の予測に、前記n通りの運動モデルの中で、最も信頼度の高い運動モデルを用いる。
運動モデルは、未知の運動を仮定するものであるため、実際の運動を運動モデルによって厳密に定義することは、実質的に不可能である。
このため、従来技術では、前記信頼度の最も高い運動モデルが、無誘導の目標の実際の運動と一致しない場合には、予測精度が不十分になるという課題がある。
このため、従来技術では、未来位置を予測する際に用いる位置、速度等に関する初期状態の精度が悪くなり、予測精度が悪くなるという課題もある。
図9の追尾装置は、複数(例えば、m通り)の追尾初期条件候補500−1〜500−mを仮定した上で、複数(例えば、n通り)の運動モデルに基づく追尾処理部201−1〜201−nを設け、追尾初期条件と追尾処理部を総当りに組み合わせて追尾処理を行う。
そして、総当りの組み合わせによる追尾処理出力の信頼度を計算し、観測が終了した時点で信頼度が最も高い組み合わせに基づいて、無誘導の目標の観測終了後の未来位置を予測する。
また、特にレーダセンサで観測できる時間が短い場合には、追尾処理部で推定する要素のうち、空気抵抗等の環境要因を推定することが困難であるという課題もある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による追尾装置の構成の一例を示すブロック図である。
また、図2は、本発明の実施の形態1による追尾装置の追尾処理の流れを示すフローチャートである。
また、軌道修正量推定部700は、内部に位置差算出部701、軌道修正量追尾処理部702を備えている。
さらに、軌道予測部800は、内部に軌道修正量予測部801、標準軌道修正部802を備えている。
標準軌道算出部601は、無誘導の目標のある時点において、既知の位置、速度、および標準的な条件に基づいて、無誘導の目標の標準軌道を、位置および速度に関するデータとして算出する。
式(1)における関数f(x)としては、例えば、式(2)のような形の微分方程式を満たすものを使用する。
具体的には、目標観測装置101は、時刻tkにおいて、信号処理の結果として、無誘導の目標の観測値zkを生成する。
式(7)のRkは、観測雑音共分散行列である。
具体的には、軌道修正量予測部801は、軌道修正量追尾処理部702から入力された時刻tkにおける軌道修正量推定値y(ハット)k|kを軌道修正量予測値yP,jの初期値として、式(8)のように時刻毎の軌道修正量予測値yP,jを算出する。
具体的には、式(9)のように、標準軌道の位置および速度xs,iに軌道修正量予測値yP,iを加算することにより、無誘導の目標の未来位置および速度xP,iを算出する。
このため、レーダセンサで観測できる時間が短い状況においても、処理負荷を大きくすることなく、レーダセンサによる観測が観測終了した後に、無誘導の目標の軌道を高精度に予測することが可能となる。
さらに、考慮する外力の種類が多いほど、従来技術によって予測した未来位置は、真の未来位置に近くなるが、パラメータ探索範囲が広くなる。
これに対して、実施の形態1で考慮している外力は重力のみであるが、重力以外の外力を観測値と標準軌道の差分に集約して、予測した未来位置を真の未来位置に近づけることが可能である。これは、以降の実施の形態でも同様である。
図4は、本発明の実施の形態2による追尾装置の構成の一例を示すブロック図である。
また、図5は、本発明の実施の形態2による追尾装置の追尾処理の流れを示すフローチャートである。
また、標準軌道算出部601a、軌道修正量予測部801a、および標準軌道修正部802aは、実施の形態1における標準軌道算出部601、軌道修正量予測部801、および標準軌道修正部802に、新たな機能を加えている。
標準軌道算出部601aは、無誘導の目標のある時点において、既知の位置、速度、空気抵抗、および標準的な条件に基づいて、無誘導の目標の標準軌道を、位置、速度および空気抵抗に関するデータとして算出する。
具体的には、標準軌道算出部601aは、無誘導の目標のある時点t0において既知の位置、速度および空気抵抗と、運動に関する標準的な条件を想定した微分方程式を満たす関数f2(x)を用い、時刻tkにおける無誘導の目標の標準的な位置、速度および空気抵抗x2,S,kを、式(10)のように算出する。
なお、関数f2(x)が満たす微分方程式は、式(11)の形に限定されるものではない。
目標観測装置101は、実施の形態1における目標観測装置101と同一の機能を有し、時刻tkにおいて、信号処理の結果として観測値zkを生成する。
具体的には、φk-1は、無誘導の目標の真の軌道xT,2、標準軌道xS,2、関数f2(x)および空気抵抗修正量cに対して、式(13)を満たす関数G(c)を考慮した状態遷移行列である。
また、qk-1は駆動雑音の分散である。
具体的には、軌道修正量予測部801aは、軌道修正量追尾処理部702から入力された時刻tkにおける軌道修正量推定値y(ハット)k|kおよび空気抵抗修正量追尾処理部703から入力された時刻tkにおける空気抵抗修正量推定値c(ハット)k|kを軌道空気抵抗修正量予測値y2,P,jの初期値として、式(15)のように時刻毎の軌道空気抵抗修正量予測値yP,2,jを算出する。
具体的には、式(17)のように、標準軌道の位置、速度および空気抵抗x2,s,iに軌道空気抵抗修正量予測値y2,P,iを加算することにより、無誘導の目標の未来位置、速度および空気抵抗x2,P,iを算出する。
このため、レーダセンサで観測できる時間が短い状況においても、処理負荷を大きくすることなく、レーダセンサによる観測が観測終了した後に、無誘導の目標の軌道をさらに高精度に予測することが可能となる。
図6は、本発明の実施の形態3による追尾装置の構成の一例を示すブロック図である。
また、図7は、本発明の実施の形態3による追尾装置の追尾処理の流れを示すフローチャートである。
また、標準軌道修正部802bから標準軌道メモリ602への出力が加わっている。
以下では、実施の形態1における追尾装置の構成要素に標準軌道メモリ602を加えた構成として、各構成要素の機能を説明する。
標準軌道算出部601は、実施の形態1における標準軌道算出部601と同様の機能を有し、無誘導の目標のある時点において既知の位置、速度、および標準的な条件に基づいて、無誘導の目標の標準軌道を、位置および速度に関するデータxS,kとして算出する。
このように、標準軌道メモリ602において更新された標準軌道データを、新たな標準軌道の位置および速度として用いる。
これにより、2番目の目標に対する観測、未来位置予測を行う際の標準軌道が、より真の軌道に近くなる。
この結果、ある無誘導の目標を観測した後に、無誘導の目標とほぼ同様の軌道で別の無誘導の目標を観測し、かつ空気抵抗等の不一致により、レーダセンサによる観測が終了した後の目標の未来位置予測に用いる初期状態と、標準軌道が一致しない状況において、図3のように、軌道修正量予測値を標準軌道に加算して得られた位置および速度を新たな標準軌道とすることによって、2番目以降の無誘導の目標に対する標準軌道と真の軌道の差異が縮小される。
このため、レーダセンサで観測できる時間が短い状況においても、処理負荷を大きくすることなく、レーダセンサによる観測が観測終了した後に、2番目以降の無誘導の目標の軌道を高精度に予測することが可能となる。
Claims (4)
- ある時点での位置および速度が既知である無誘導の目標に関して、既知の標準的な条件を想定した微分方程式に基づいて算出した標準軌道と、レーダセンサによって得られる観測値との差を求めるとともに、前記標準軌道と、前記無誘導の目標の真の軌道との差が、前記標準軌道に対する軌道修正量推定値になることに基づき、前記微分方程式を用いて前記軌道修正量推定値の状態遷移を表す状態遷移行列を求め、前記状態遷移行列を用いて予測処理を行い、前記予測処理の結果を予測値とし、前記標準軌道と前記観測値との差を観測値の残差として平滑処理を行い、前記軌道修正量推定値を生成する追尾処理を行う軌道修正量推定部と、
前記軌道修正量推定部によって生成された前記軌道修正量推定値に、前記状態遷移行列を乗算し、前記レーダセンサによる観測が終了した後の軌道修正量予測値を生成し、該軌道修正量予測値を前記標準軌道に加算することによって該標準軌道を修正し、前記レーダセンサによる観測が終了した後の前記無誘導の目標の未来位置および速度を予測する軌道予測部とを備えた追尾装置。 - 前記軌道予測部により予測された前記無誘導の目標の未来位置および速度によって、前記標準軌道を更新し、該更新された軌道を新たな標準軌道として使用することを特徴とする請求項1記載の追尾装置。
- ある時点での位置、速度および空気抵抗が既知である無誘導の目標に関して、既知の標準的な条件を想定した微分方程式に基づいて算出した標準軌道と、レーダセンサによって得られる観測値との差を求めるとともに、前記標準軌道と、前記無誘導の目標の真の軌道との差が、前記標準軌道に対する軌道修正量推定値および空気抵抗修正量推定値になることに基づき、前記微分方程式を用いて前記軌道修正量推定値および前記空気抵抗修正量推定値の状態遷移を表す状態遷移行列を求め、前記状態遷移行列を用いて予測処理を行い、前記予測処理の結果を予測値とし、前記標準軌道と前記観測値との差を観測値の残差として平滑処理を行い、前記軌道修正量推定値および前記空気抵抗修正量推定値を生成する追尾処理を行う軌道修正量推定部と、
前記軌道修正量推定部によって生成された前記軌道修正量推定値および前記空気抵抗修正量推定値に、前記状態遷移行列を乗算し、前記レーダセンサによる観測が終了した後の軌道空気抵抗修正量予測値を生成し、該軌道空気抵抗修正量予測値を前記標準軌道に加算することによって該標準軌道を修正し、前記レーダセンサによる観測が終了した後の前記無誘導の目標の未来位置、速度および空気抵抗を予測する軌道予測部とを備えた追尾装置。 - 前記軌道予測部により予測された前記無誘導の目標の未来位置、速度および空気抵抗によって、前記標準軌道を更新し、該更新された軌道を新たな標準軌道として使用することを特徴とする請求項3記載の追尾装置。
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