JP6040531B2 - 半導体ウエハ等加工用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハ等加工用粘着テープに関するものである。
従来、半導体ウエハは、シリコン系化合物、ゲルマニウム系化合物や、ガリウム−ヒ素系化合物などの化合物からなり、一般的に、大径の状態で製造された後、所定の厚さになる様に裏面研削処理(バックグラインド)が施される。また、半導体ウエハは、必要に応じてさらに裏面処理(エッチング処理、ポリッシング処理など)が施される。このように処理された半導体ウエハは、次に、その裏面にダイシング用粘着テープが貼り付けされた後、素子小片(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)される。
前記ダイシング用粘着テープは、粘着剤層(厚み:約1〜50μm)を有しており、前記粘着剤層は、通常、アクリル系粘着剤等の粘着剤組成物をプラスチックフィルム等の基材上に、塗布・乾燥させることにより得られる。ダイシング用粘着テープは、ダイシングの際に、半導体ウエハが剥離しない程度の粘着力が必要とされている。その一方、半導体チップのピックアップ工程においては、容易に剥離でき、且つ、半導体チップを破損しない程度の低い粘着力であることも要求されている。また、ダイシング用粘着テープは、半導体チップに対し、糊残り(粘着剤層中の成分が貼付面に残存する現象)が生じないなど、低汚染性を有することも重要な特性の一つとなっている。
なお、前記ピックアップ工程は、通常、各半導体チップ間の間隔を広げるエキスパンド工程が行われた後に実施される。エキスパンド工程は、ダイシング用粘着テープから半導体チップを容易に剥離できる状態にする工程である。また、該エキスパンド工程は、ダイシング用粘着テープをある程度張った状態にし、ピックアップする半導体チップの下部のダイシング用粘着テープを点状又は線状に持ち上げることなどにより行われる。現在では、半導体チップをそのような剥離容易な状態にした後、上部側から半導体チップを減圧吸着(真空吸着)して、ピックアップする方式が主流となっている。
しかしながら、近年、タクトタイムの向上、薄型化された半導体ウエハの破損の防止などを目的として、ウエハ裏面研削処理工程や、ウエハ裏面研削処理工程後の破砕層除去処理工程が終了した後、数時間以内に、半導体ウエハをダイシング用粘着テープに貼り付けるケースが増加してきている。なお、破砕層除去処理工程としては、機械的な破砕層除去処理、化学的な破砕層除去処理、またはその両方による破砕層除去処理の工程が挙げられる。
このように、半導体ウエハをウエハ裏面研削処理工程や、ウエハ裏面研削処理工程後の破砕層除去処理工程の後、数時間以内に、半導体ウエハの研削面(処理面)にダイシング用粘着テープを貼り付けた場合、貼り付けてからの時間が経過するに従い、粘着力が高くなり、ピックアップ性が低下するという問題が生じている。
特許文献1では、上記問題を解決するために特殊な組成の粘着剤層を有するダイシングテープを用いることが記載されている。しかしながら、粘着剤中にエポキシ樹脂を添加することで光硬化後のみならず光硬化前の密着にも影響を与え、所定の密着力にコントロールすることが困難であった。
特開2008−192917公報
本発明の目的は、研削後、数時間以内のウエハに貼り付けても、良好なピックアップ性を発揮することが可能な半導体ウエハ等加工用粘着テープを提供することである。
このような目的は、以下の(1)〜()に記載される本発明により達成される。
(1)基材層と、粘着剤層とを有する半導体ウエハ等加工用粘着テープであって、
前記粘着剤層が、イソシアネート系架橋剤と、該イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーと、ウレタンアクリレートと、触媒とを含み、
前記粘着剤層における前記触媒の含有量が、30ppm以上100ppm以下であり、
前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量が、5重量%以上12重量%以下であり、
前記粘着剤層における前記触媒の含有量をA重量%とし、前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量をB重量%としたとき、1000≦B/A≦2000を満たし、
前記粘着剤層における前記ウレタンアクリレートの含有量が、35重量%以上60重量%以下であることを特徴とする半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
) 前記触媒が、第三級アミン触媒もしくは有機金属触媒である前記()に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
) 前記有機金属触媒が、有機スズ系触媒である前記()に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
) 前記イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーが、水酸基もしくはカルボキシル基含有ポリマーである前記(1)〜()のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
) 前記ウレタンアクリレートが、2以上の重合性官能基を有する前記(1)〜()のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
) 前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量が、1000以上10000以下である前記(1)〜()のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
) さらに光重合開始剤を含む前記(1)〜()のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
本発明によれば、研削後、数時間以内のウエハに貼り付けても、良好なピックアップ性を発揮することが可能な半導体ウエハ等加工用粘着テープを提供することができる。
以下、本発明の半導体ウエハ等加工用粘着テープについて詳細に説明する。
本発明の半導体ウエハ等加工用粘着テープは、基材層と、粘着剤層とを有する半導体ウエハ等加工用粘着テープであって、前記粘着剤層が、イソシアネート系架橋剤と、該イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーと、ウレタンアクリレートと、触媒とを含み、前記粘着剤層における前記触媒の含有量が、30ppm以上100ppm以下であることを特徴とする。

前記イソシアネート系架橋剤は、特に限定されないが、多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアート化合物の三量体、上記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらの中でも、多価イソシアネートを用いることにより、架橋の速度が比較的緩やかとなり、塗工時に架橋が進みすぎることによる塗工ムラを抑制することができる。

前記多価イソシアネートは、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4-4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2-4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4-4’-ジイソシアネート、ジシキウロヘキシルメタン-2-4’-ジイソシアネート、リジンイソシアネートなどがあげられる。またそれらのイソシアネートに多価アルコールを付加させたものでもよい。
前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量は、特に限定されないが、3重量%以上、15重量%以下であることが好ましく、5重量%以上、12重量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは7重量%以上、9重量%以下である。粘着剤層におけるイソシアネート系架橋剤の含有量が前記範囲内であることで、塗工時にゲル化することなく安定して塗工することができ、かつエージング期間を短縮することができる。
前記イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマー(以下、「ベースポリマー」とする)は、例えばアクリル粘着剤、ゴム系粘着剤、またはシリコーン粘着剤等があり、その中でも水酸基もしくはカルボキシル基含有ポリマーであることが好ましい。水酸基もしくはカルボキシル基含有のポリマーを用いることにより、該ポリマーとイソシアネート架橋剤との間での反応により分子量が増大し、被着体との密着性や粘着性の制御が容易になる。前記アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルとそれらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル等)との共重合体等が用いられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合しても良い。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルから選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、被着体との密着性や粘着性の制御が容易になる。
前記粘着剤層における前記ベースポリマーの含有量は、特に限定されないが、25重量%以上、55重量%以下であることが好ましく、30重量%以上、50重量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは35重量%以上、45重量%以下である。粘着剤層におけるベースポリマーの含有量が前記範囲内であることで、紫外線及び/又は電子線照射する前の粘着力がありダイシング時に周辺チップの飛びがなく、紫外線及び/又は電子線照射後のピックアップ性が良好になる。

前記ウレタンアクリレートは、例えば、ジイソシアネート、ポリオール及びヒドロキシ(メタ)アクリレートにより合成される化合物であり、好ましくは2個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレートが好適に用いられる。前記のジイソシアネートとしては、例えばトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。前記のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等を挙げることができる。前記のヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドルキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドルキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記ウレタンアクリレートは、硬化成分として用いられ、紫外線及び/又は電子線による硬化反応を生じるものであれば特に限定されないが、2以上の重合性官能基を有することが好ましい。前記2以上の重合性官能基を有することにより、紫外線硬化時に三次元架橋が出来て、硬化度が高くなり、UV照射後のピックアップ性が良好になる。

前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量は、特に限定されないが、1000以上10000以下が好ましく、2000以上8000以下がより好ましく、さらに好ましくは3000以上6000以下である。ウレタンアクリレートの重量平均分子量が前記範囲内であることで、硬化反応前は半導体ウエハに対して十分な粘着力を有し、また、硬化反応後には粘着力が低下し、良好なピックアップ性を有する。
前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量を測定する方法としては、ゲルクロマグラフィー法が挙げられる。GPCの測定はWaters社製アライアンス(2695セパレーションズモデュール、2414リフラクティブインデックスディテクター、TSKゲルGMHHR−Lx2+TSKガードカラムHHR−Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用い、カラム温度40.0℃、示差屈折率計内温度40.0℃、サンプル注入量100μlの条件で行った。

前記粘着剤層における前記ウレタンアクリレートの含有量は、特に限定されないが、35重量%以上60重量%以下であることが好ましく、40重量%以上55重量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは45重量%以上50重量%以下である。ウレタンアクリレートの含有量が前記範囲内であることにより、ピックアップ性並びにチッピング性の両立が可能となる。
前記触媒は、前記イソシアネート系架橋剤と、前記ベースポリマーとの反応を促進するものであれば何でもよいが、そのような触媒として、第三級アミン触媒もしくは有機金属触媒であることが好ましい。第三級アミン触媒としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)系、ジアザビシクロウンデセン(DBU)系が挙げられ、有機金属触媒としては有機ビスマス系触媒、有機スズ系触媒が挙げられる。これらの中でも安全性が高いことから、有機スズ系触媒を用いることが好ましい。
また、前記有機スズ系触媒としては、オクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが挙げられ、ビスマス系触媒としてオクチル酸ビスマス、デカン酸ビスマスなどが挙げられる。
前記粘着剤層における前記触媒の含有量は、30ppm以上100ppm以下である。より好ましくは40ppm以上90ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以上70ppm以下である。触媒の含有量が前記上限値を超えるとき、前記イソシアネート系架橋剤と前記ベースポリマーとの反応が必要以上に進むことにより、粘着剤層の粘度が大きくなり、生産性が低下、すなわちポットライフ性が悪化する場合がある。また、触媒の含有量が前記下限値未満であるとき、未反応の水酸基もしくはカルボキシル基が多く存在することにより、ウエハ裏面研削工程や、研削工程後の破砕層除去処理工程の後、数時間以内では、半導体ウエハとの接着性が大きくなり、ピックアップ性が低下する場合がある。これは、ウエハ裏面研削工程や、研削工程後の破砕層除去処理工程の後、数時間以内(例えば0−3時間以内)では、半導体ウエハの研削面に自然酸化膜が全面的に形成されておらず、半導体ウエハの研削面は未酸化状態の活性な原子が存在する活性面となっており、そのような活性面にダイシング用粘着テープが貼り合わせられると、未酸化状態の活性な原子(ケイ素原子など)が、粘着剤層の水酸基やカルボキシル基成分に対して反応して、その間に化学的な結合が生じるためと推察される。よって、触媒の含有量が前記範囲内であることにより、ポットライフ性、およびピックアップ性に優れた半導体ウエハ等加工用粘着テープを得ることができる。
ここで、前記粘着剤層における前記触媒の含有量は、触媒が有機スズ系触媒またはビスマス系触媒の場合はICP発光分光分析を用いて、第三級アミン触媒の場合はガスクロマトグラフ質量分析計を用いて測定することができる。測定の方法は、例えば、下記の通りである。まず、試料0.5gを100mlケルダールフラスコに量りとり、溶剤類を真空乾燥機にて除去後、硫酸5mlにより炭化させる。次に、硝酸5mlを入れ、有機物を湿式分解させる。さらに、蒸留水2mlと過酸化水素水3mlを入れ湿式分解させる。さらに、過酸化水素水5mlを入れ完全分解させる。冷却後、蒸留水で50mlとして検液とした。ICPの測定波長は、189.9nm、283.9nmである。
前記粘着剤層における前記触媒の含有量をA重量%とし、前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量をB重量%としたとき、特に限定されないが、300≦B/A≦5000であることが好ましく、500≦B/A≦3500であることがより好ましく、さらに好ましくは1000≦B/A≦2000である。B/Aが前記下限値以上であると、研削面に対する密着力が低下することにより良好なピックアップ性を発揮することができ、B/Aが前記上限値以下であると、塗工時に粘着剤のゲル化を抑制することが出来る。
前記粘着剤層は、前記イソシアネート系架橋剤と、前記ベースポリマーと、前記ウレタンアクリレートと、前記触媒と以外に、特性を損なわない範囲でさらに光重合開始剤を含んでいてもよい。

前記光重合開始剤は、特に限定されないが、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられ、硬化成分であるウレタンアクリレートの重合開始を容易にするために添加される。

前記基材層を構成する材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポチエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂およびこれらの熱可塑性樹脂の混合物を用いることができる。これらの中でもチップ間隔を広げるためのエキスパンド性付与の観点からポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれる1種以上が好ましく、特にオレフィン系共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーとの混合物が好ましい。

また、前記基材層は、基材層の物性やチップ裏面へ影響を与えない程度に、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。

本発明において、半導体ウエハ加工用粘着テープを製造するには、前記粘着剤層を前記基材層上に形成し、粘着剤層を構成する成分をそのまま、または適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法に従って適宜の厚みに塗布又は散布等により基材層上に塗工し、例えば80〜100℃、30秒〜10分程度加熱処理等で乾燥させることにより得ることができる。
前記粘着層の乾燥後の厚みは、特に限定されないが、3μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。乾燥後の粘着層の厚みが前記範囲内であることで、被着体の保持力に優れ、また、コスト面、及びダイシング時にチップに糊屑が付着する不具合を防止するという面に優れる。
前記基材層の厚みは、特に限定されないが、50μm以上150μm以下であることが好ましく、80μm以上120μm以下であることがより好ましい。基材層の厚さが前記範囲内であると作業性に優れる。
前記半導体ウエハ加工用粘着テープの厚みは、特に限定されないが、55μm以上150μm以下であることが好ましく、80μm以上120μm以下であることがより好ましい。テープの総厚みが厚いとエキスパンド性が不十分であり、総厚みが薄いとウエハを載せた際のタルミが発生する。

本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープを使用するには公知の方法を用いることができ、例えば半導体ウエハ加工用粘着テープを半導体ウエハに貼り付けて固定した後、回転丸刃で半導体ウエハをチップに切断する。その後、前記加工用粘着テープの基材側から紫外線及び/又は電子線を照射し、次いで専用治具を用いて前記ウエハ加工用粘着テープ放射状に拡大しチップ間を一定間隔に広げた後、チップをニードル等で突き上げるとともに、真空コレット、エアピンセット等で吸着する方法等によりピックアップすると同時にマウンティングすればよい。

以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
(実施例1)
<ダイシングテープの作製>
基材を構成する材料として、ポリプロピレン60重量部、一般式(1)で示されるポリスチレンセグメントと一般式(2)で示されるビニルポリイソプレンセグメントとから成るブロック共重合体40重量部を準備した。
Figure 0006040531
Figure 0006040531
上記の基材を構成する材料を2軸混練機で混練した後、混練したものを押出し機で押し出して、厚み100μmの基材を作製した。
粘着層のベースポリマーとして、アクリル酸2−エチルヘキシルを30重量部と、酢酸ビニル70重量部と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部とを共重合させて得られた共重合体(重量平均分子量は300000)を42重量%用いた。
粘着層の硬化成分として、重量平均分子量が5000、重合性官能基が4であるウレタンアクリレートを47重量%準備した。粘着層の光重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」)を3重量%準備した。粘着層のイソシアネート系架橋剤として、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」)を8重量%準備した。
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを用い、粘着剤中に60ppmの割合で添加した。
上記の粘着層のベースポリマーと、硬化成分と、光重合開始剤と、架橋剤と、その合計の2倍量の酢酸エチルと共に混合し、樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液を、乾燥後の粘着層の厚みが10μmになるようにして基材にバーコート塗工した後、80℃で1分間乾燥させて、所望のダイシングテープを得た。
(実施例2)
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを80ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
(実施例3)
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを35ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
(実施例4)
粘着剤中の触媒として、オクチル酸ビスマスを60ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
(実施例5)
粘着層のイソシアネート系架橋剤として、ポリイソシアネート化合物を2重量%準備した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
(比較例1)
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを20ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
(比較例2)
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを400ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
<評価試験>
作製したダイシングテープに、バックグラインド加工(ディスコ社製DAG810)したウエハ(厚み0.1mm)を数時間以内に貼り付け、下記条件でダイシングを行った後、ピックアップ性について評価を行った。
<ダイシング条件>
ダイサー 「DAD―3350」、DISCO製
ブレード 「ZH205O 27HEDD」、DISCO製
ブレード回転数 40000rpm
カット速度 30mm/sec
切込量 粘着シート表面から30μm
カットサイズ 10mm×10mm
ブレードクーラー 2L/min

<ピックアップ性>ダイシングテープに前記の半導体ウエハを、23℃の条件下で圧着して20分間放置後、10mm×10mmのサイズにダイシングした。ダイシング後、ダイシングテープに紫外線を照射し、真空吸着するコレットを用いて半導体ウエハの表面を吸着し、4mm間隔の4本のニードルをダイシングテープ100の下から各高さに突上げて、半導体ウエハをダイシングテープ100からピックアップした。評価基準は、以下の通りである。
5個中5個ピックアップ性に成功した突き上げ高さが0.2〜0.3mmのものを◎、0.3〜0.4mmのものを○(ここまでは良好とする)、0.4〜0.5mmのものを△、0.5mm以上のものを×とした。

<ポットライフ性> 前述した樹脂溶液を作成後、密閉した容器に放置し、30分置きに観察し、溶液がゲル状になるまでの時間を測定した。評価基準は、以下の通りである。
ポットライフが9時間以上のものを◎、6〜9時間のものを○、3〜6時間のものを△、3時間以下のものを×とした。
以上の各実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0006040531
表から明らかなように、実施例1〜5は、良好なピックアップ性と、ポットライフ性を示すが、比較例1及び2は、実施例1〜5と比較すると、ピックアップ性またはポットライフ性が十分でない結果となった。
本発明の半導体等加工用粘着テープは、研削後、数時間以内のウエハに貼り付けても、良好なピックアップ性を発揮することが可能な半導体ウエハ等加工用粘着テープである。

Claims (7)

  1. 基材層と、粘着剤層とを有する半導体ウエハ等加工用粘着テープであって、
    前記粘着剤層が、イソシアネート系架橋剤と、該イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーと、ウレタンアクリレートと、触媒とを含み、
    前記粘着剤層における前記触媒の含有量が、30ppm以上100ppm以下であり、
    前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量が、5重量%以上12重量%以下であり、
    前記粘着剤層における前記触媒の含有量をA重量%とし、前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量をB重量%としたとき、1000≦B/A≦2000を満たし、
    前記粘着剤層における前記ウレタンアクリレートの含有量が、35重量%以上60重量%以下であることを特徴とする半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
  2. 前記触媒が、第三級アミン触媒もしくは有機金属触媒である請求項に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
  3. 前記有機金属触媒が、有機スズ系触媒である請求項に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
  4. 前記イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーが、水酸基もしくはカルボキシル基含有ポリマーである請求項1〜のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
  5. 前記ウレタンアクリレートが、2以上の重合性官能基を有する請求項1〜のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
  6. 前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量が、1000以上10000以下である請求項1〜のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
  7. さらに光重合開始剤を含む請求項1〜のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
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