JP6040531B2 - 半導体ウエハ等加工用粘着テープ - Google Patents
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Description
(1)基材層と、粘着剤層とを有する半導体ウエハ等加工用粘着テープであって、
前記粘着剤層が、イソシアネート系架橋剤と、該イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーと、ウレタンアクリレートと、触媒とを含み、
前記粘着剤層における前記触媒の含有量が、30ppm以上100ppm以下であり、
前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量が、5重量%以上12重量%以下であり、
前記粘着剤層における前記触媒の含有量をA重量%とし、前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量をB重量%としたとき、1000≦B/A≦2000を満たし、
前記粘着剤層における前記ウレタンアクリレートの含有量が、35重量%以上60重量%以下であることを特徴とする半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
(2) 前記触媒が、第三級アミン触媒もしくは有機金属触媒である前記(1)に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
(3) 前記有機金属触媒が、有機スズ系触媒である前記(2)に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
(4) 前記イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーが、水酸基もしくはカルボキシル基含有ポリマーである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
(5) 前記ウレタンアクリレートが、2以上の重合性官能基を有する前記(1)〜(4)のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
(6) 前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量が、1000以上10000以下である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
(7) さらに光重合開始剤を含む前記(1)〜(6)のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
前記イソシアネート系架橋剤は、特に限定されないが、多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアート化合物の三量体、上記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらの中でも、多価イソシアネートを用いることにより、架橋の速度が比較的緩やかとなり、塗工時に架橋が進みすぎることによる塗工ムラを抑制することができる。
前記多価イソシアネートは、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4-4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2-4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4-4’-ジイソシアネート、ジシキウロヘキシルメタン-2-4’-ジイソシアネート、リジンイソシアネートなどがあげられる。またそれらのイソシアネートに多価アルコールを付加させたものでもよい。
前記ウレタンアクリレートは、例えば、ジイソシアネート、ポリオール及びヒドロキシ(メタ)アクリレートにより合成される化合物であり、好ましくは2個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレートが好適に用いられる。前記のジイソシアネートとしては、例えばトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。前記のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等を挙げることができる。前記のヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドルキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドルキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量は、特に限定されないが、1000以上10000以下が好ましく、2000以上8000以下がより好ましく、さらに好ましくは3000以上6000以下である。ウレタンアクリレートの重量平均分子量が前記範囲内であることで、硬化反応前は半導体ウエハに対して十分な粘着力を有し、また、硬化反応後には粘着力が低下し、良好なピックアップ性を有する。
前記粘着剤層における前記ウレタンアクリレートの含有量は、特に限定されないが、35重量%以上60重量%以下であることが好ましく、40重量%以上55重量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは45重量%以上50重量%以下である。ウレタンアクリレートの含有量が前記範囲内であることにより、ピックアップ性並びにチッピング性の両立が可能となる。
また、前記有機スズ系触媒としては、オクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが挙げられ、ビスマス系触媒としてオクチル酸ビスマス、デカン酸ビスマスなどが挙げられる。
前記光重合開始剤は、特に限定されないが、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられ、硬化成分であるウレタンアクリレートの重合開始を容易にするために添加される。
前記基材層を構成する材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポチエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂およびこれらの熱可塑性樹脂の混合物を用いることができる。これらの中でもチップ間隔を広げるためのエキスパンド性付与の観点からポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれる1種以上が好ましく、特にオレフィン系共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーとの混合物が好ましい。
また、前記基材層は、基材層の物性やチップ裏面へ影響を与えない程度に、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。
本発明において、半導体ウエハ加工用粘着テープを製造するには、前記粘着剤層を前記基材層上に形成し、粘着剤層を構成する成分をそのまま、または適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法に従って適宜の厚みに塗布又は散布等により基材層上に塗工し、例えば80〜100℃、30秒〜10分程度加熱処理等で乾燥させることにより得ることができる。
本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープを使用するには公知の方法を用いることができ、例えば半導体ウエハ加工用粘着テープを半導体ウエハに貼り付けて固定した後、回転丸刃で半導体ウエハをチップに切断する。その後、前記加工用粘着テープの基材側から紫外線及び/又は電子線を照射し、次いで専用治具を用いて前記ウエハ加工用粘着テープ放射状に拡大しチップ間を一定間隔に広げた後、チップをニードル等で突き上げるとともに、真空コレット、エアピンセット等で吸着する方法等によりピックアップすると同時にマウンティングすればよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
<ダイシングテープの作製>
基材を構成する材料として、ポリプロピレン60重量部、一般式(1)で示されるポリスチレンセグメントと一般式(2)で示されるビニルポリイソプレンセグメントとから成るブロック共重合体40重量部を準備した。
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを80ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを35ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
粘着剤中の触媒として、オクチル酸ビスマスを60ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
粘着層のイソシアネート系架橋剤として、ポリイソシアネート化合物を2重量%準備した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを20ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
粘着剤中の触媒として、ジブチルスズジラウレートを400ppmの割合で添加した以外は、全て実施例1と同じとしてダイシングテープを作成した。
作製したダイシングテープに、バックグラインド加工(ディスコ社製DAG810)したウエハ(厚み0.1mm)を数時間以内に貼り付け、下記条件でダイシングを行った後、ピックアップ性について評価を行った。
ダイサー 「DAD―3350」、DISCO製
ブレード 「ZH205O 27HEDD」、DISCO製
ブレード回転数 40000rpm
カット速度 30mm/sec
切込量 粘着シート表面から30μm
カットサイズ 10mm×10mm
ブレードクーラー 2L/min
<ピックアップ性>ダイシングテープに前記の半導体ウエハを、23℃の条件下で圧着して20分間放置後、10mm×10mmのサイズにダイシングした。ダイシング後、ダイシングテープに紫外線を照射し、真空吸着するコレットを用いて半導体ウエハの表面を吸着し、4mm間隔の4本のニードルをダイシングテープ100の下から各高さに突上げて、半導体ウエハをダイシングテープ100からピックアップした。評価基準は、以下の通りである。
5個中5個ピックアップ性に成功した突き上げ高さが0.2〜0.3mmのものを◎、0.3〜0.4mmのものを○(ここまでは良好とする)、0.4〜0.5mmのものを△、0.5mm以上のものを×とした。
<ポットライフ性> 前述した樹脂溶液を作成後、密閉した容器に放置し、30分置きに観察し、溶液がゲル状になるまでの時間を測定した。評価基準は、以下の通りである。
ポットライフが9時間以上のものを◎、6〜9時間のものを○、3〜6時間のものを△、3時間以下のものを×とした。
Claims (7)
- 基材層と、粘着剤層とを有する半導体ウエハ等加工用粘着テープであって、
前記粘着剤層が、イソシアネート系架橋剤と、該イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーと、ウレタンアクリレートと、触媒とを含み、
前記粘着剤層における前記触媒の含有量が、30ppm以上100ppm以下であり、
前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量が、5重量%以上12重量%以下であり、
前記粘着剤層における前記触媒の含有量をA重量%とし、前記粘着剤層における前記イソシアネート系架橋剤の含有量をB重量%としたとき、1000≦B/A≦2000を満たし、
前記粘着剤層における前記ウレタンアクリレートの含有量が、35重量%以上60重量%以下であることを特徴とする半導体ウエハ等加工用粘着テープ。 - 前記触媒が、第三級アミン触媒もしくは有機金属触媒である請求項1に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
- 前記有機金属触媒が、有機スズ系触媒である請求項2に記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
- 前記イソシアネート系架橋剤と反応性を有する官能基を含むポリマーが、水酸基もしくはカルボキシル基含有ポリマーである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
- 前記ウレタンアクリレートが、2以上の重合性官能基を有する請求項1〜4のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
- 前記ウレタンアクリレートの重量平均分子量が、1000以上10000以下である請求項1〜5のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
- さらに光重合開始剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載の半導体ウエハ等加工用粘着テープ。
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