次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤Mを着脱可能に保持する本体枠としての中枠(図示せず)が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤Mの裏側に、複数種類の図柄を変動表示可能な図柄表示装置(表示手段,示唆演出実行手段)18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠の前面側には、前記遊技盤Mを透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成してもよい。なお、球受け皿については、上下2枚の球受け皿14,15を備えるものに限らず、1枚の球受け皿のみを設ける構成であってもよい。
前記前枠13の右下方位置には、前記中枠に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤Mに向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aの回動量を操作することで、前記遊技盤Mに形成された第1球流下経路23a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤Mに形成された第2球流下経路23b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
(操作ボタン16について)
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン16が設けられている。実施例では、操作ボタン16として押しボタン式が用いられており、該操作ボタン16を押下したときに操作信号を制御装置19(図28参照)に出力するよう構成されており、該制御装置19は、後述する操作有効期間において操作信号を受け付け得るよう構成されている。また、操作ボタン16の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン16の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。具体的には、操作が有効である場合には、ランプ装置が点灯し、操作が無効である場合にはランプ装置が消灯するようになっている。
前記パチンコ機10の裏側には、図示しないが、球払出装置を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は、パチンコ機10の後側に配設される前記制御装置19に配線接続されており、該制御装置19から出力された制御信号が払出制御基板に入力され、該制御信号に基づいて払出制御基板が球払出装置を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤Mについて)
本実施例では、所定板厚の略矩形状に形成された木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板状部材20と、該板状部材20の裏側に着脱自在に取り付けられる設置部材21とから遊技盤Mが構成されている。板状部材20の表面には、図2〜図4,図6に示す如く、略円形状に湾曲形成された案内レール22が配設され、該案内レール22によってパチンコ球が流下可能な遊技領域23が画成されている。なお、前記図柄表示装置18は、設置部材21の裏側に取り付けられて、後述するように該設置部材21に設けた開口部21aおよび後述する枠状装飾部材31に設けた開口部31aを介して板状部材20の前側に臨むよう構成される。
前記案内レール22は、図2〜図4,図6に示す如く、板状部材20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール24と、板状部材20の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール25,26とから構成されている。前記内レール25,26は、外レール24の右上端部に連接して板状部材20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材25と、板状部材20の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材25の下端部に連接し、前記外レール24の右方(内側)に離間して位置するレール部材26とから構成され、該外レール24およびレール部材26により1個のパチンコ球が通過可能な発射通路22aが画成されている。ここで、前記内レールを構成するレール部材26は、前記板状部材20の左上部に開放端を臨ませて外レール24との間に遊技領域23に開口する打出し口22bを画成するよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路22aの下方開口から飛翔して、レール部材26の開放端側の打出し口22bから遊技領域23内に打ち出されるようになっている。
図2,図3,図6に示す如く、前記外レール24と盤面飾り部材25との接続位置は、外レール24および盤面飾り部材25の曲率の相違から段差が形成されており、該段差部分に緩衝ゴム(減勢部)12が配設されている。すなわち、前記外レール24の終端位置に臨むよう緩衝ゴム12が配設されて、前記打球発射装置から発射されて外レール24に沿って終端位置まで移動して緩衝ゴム12に当接したパチンコ球を減勢し得るようになっている。なお、前記緩衝ゴム12は、前記第2球流下経路23bに位置している。
(板状部材20の装着口27)
前記板状部材20には、図4〜図6に示す如く、前後に貫通する装着口27が前記遊技領域23内に複数開設されて、各装着口27に対して各種遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域23の最下部位置には、該遊技領域23に開口するアウト口28が開設されており、遊技領域23に打ち出されてアウト口28に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記板状部材20には、前記遊技領域23内に多数の遊技釘29が設けられると共に、後述する枠状装飾部材31の左側方に、遊技領域23(第1球流下経路23a)を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材30が回転自在に支持されており、遊技釘29や回転案内部材30との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材30は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材30の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。なお、前記装着口27の形成数は、板状部材20に対して取り付けられる各種遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
実施例の前記板状部材20には、図4,図6に示す如く、前記案内レール22で囲まれた遊技領域23の略中央の大部分が開口する装着口27に、前後に開口する開口部31aが形成された枠状装飾部材31が取り付けられ、該枠状装飾部材31の開口部31aを介して図柄表示装置18の表示部18aが板状部材20(遊技盤M)の前面側に臨むよう構成されている。装着口27は、図6に示す如く、案内レール22で囲まれた遊技領域23の略中央部で開口する中央開口部27aと、板状部材20の略中央より上側において中央開口部27aより外方に広く開口する上部開口部27b,27cとで構成され、該上部開口部27b,27cの開口縁は、外レール24および内レール25,26に略沿って延在するよう形成されている。実施例では、上部開口部27b,27cについて、板状部材20の左右方向の中央を挟んで左側と右側とで区別する場合は、左上部開口部27bおよび右上部開口部27cと指称する場合もある。そして、上部開口部27b,27cの後側に、後述する可動演出装置66の可動体群が位置するよう構成される(図11参照)。
前記左上部開口部27bの開口縁は、図6に示す如く、外レール24における板状部材20の左右方向の中央位置から該外レール24の内側に近接する位置を前記打出し口22bに向けて延在すると共に、該打出し口22bより下側の内レール(レール部材)26の内側に近接する位置を下側に向けて延在した後に板状部材20の左右方向の中央側に向けて折曲するように延在して中央開口部27aの左端縁に接続されている。また、右上部開口部27cの開口縁は、外レール24における板状部材20の左右方向の中央位置から該外レール24の内側に近接する位置を前記緩衝ゴム12の配設位置に向けて延在すると共に、該緩衝ゴム12の配設位置より下側の内レール(盤面飾り部材)25の内側に近接する位置を下側に向けて延在した後に板状部材20の左右方向の中央側に向けて折曲するように延在して中央開口部27aの右端縁に接続されている。
(枠状装飾部材31について)
前記板状部材20に配設される前記枠状装飾部材31は、図4,図5に示す如く、前記板状部材20に開設された前記装着口27の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部32と、該枠状基部32に設けられて前記板状部材20の前面より前方に突出し、前記遊技領域23と図柄表示装置18の表示部18aを区切る庇状部33と、該庇状部33の後縁から外方に延出する薄板状の台板部34とを備える。そして、前記枠状基部32を装着口27に挿入すると共に台板部34を板状部材20の前面に当接した状態で、該台板部34をネジ等の固定手段で板状部材20に固定することで、枠状装飾部材31が板状部材20に取り付けられる。ここで、前記庇状部33は、図2,図3,図4に示す如く、前記枠状装飾部材31(枠状基部32)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するように設けられており、開口部31a側、すなわち図柄表示装置18における表示部18aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
前記枠状装飾部材31には、図2,図3に示す如く、開口部31aの下側に、ステージ35が配設されると共に、開口部31aの左側に、遊技領域23に開口して該遊技領域23を流下するパチンコ球を取り込んでステージ35に案内する球導入部36が設けられ、該球導入部36からステージ35に通出されたパチンコ球は、ステージ35上を左右に転動した後に、後述する第1始動入賞装置56が配設されている遊技領域23に排出される。またステージ35の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁37が設けられ、ステージ35上を転動するパチンコ球が図柄表示装置18の表示部18a側に移動するのを該透明壁37で防止している。実施例では、枠状装飾部材31の枠状基部32や庇状部33の前側に、各種の意匠が施された光透過性の装飾部品38や後述する複数の構成部材42,43,44,45,46,47が配設され、該装飾部品38,構成部材42,43,44,45,46,47および透明壁37によって前記図柄表示装置18の表示部18aを前側に臨ませる開口部31aが画成されている。なお、枠状装飾部材31の上部に配設されて左右方向の中央部から右上隅部までの間に配設される装飾部品38について、他の装飾部品38と区別する場合には上部装飾部品38と指称する場合がある。また、枠状装飾部材31の裏側には、前記上部装飾部品38を裏側から照明する複数のLEDを実装した枠用発光基板39(図5,図8参照)が配設されている。
前記庇状部33は、図2,図3に示す如く、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域23に打ち出されたパチンコ球が庇状部33上で滞ることなく前記枠状装飾部材31の左側方または右側方へ誘導されるよう形成されている。前記開口部31aの上方に臨む庇状部33は、左右方向の所定領域が上側に凸となる略弧状に形成された転動面33aを有しており、該転動面33aの頂部は板状部材20の左右方向の中央より左側(打出し口22b側)に偏倚している。また、庇状部33には、転動面33aにおける左端部(第1球流下経路23a側の端部)に接続して、該転動面33aから所定高さで下がる段部33bが設けられている。そして、実施例では、庇状部33と案内レール22とで画成される遊技領域23において、前記転動面33aの左端部を境界として、該左端部より左側が第1球流下経路23aとされ、該左端部より右側が第2球流下経路23bとされ、前記案内レール22の打出し口22bは、第1球流下経路23aの上方で開口している。また、転動面33aは、前記外レール24から下方(内側)に離間して対向するように位置し、第2球流下経路23bを画成する転動面33aと外レール24との間は、パチンコ球1個分の幅寸法より大きく、かつ遊技球2個分の幅寸法より小さな幅寸設に設定されている。
すなわち、前記板状部材20に画成された遊技領域23には、前記枠状装飾部材31における庇状部33の左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路23a、および該枠状装飾部材31における庇状部33の上方から右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路23bが設けられており、前記庇状部33の段部33bに当ったパチンコ球は第1球流下経路23aを流下し、該庇状部33の転動面33aに到来したパチンコ球は第2球流下経路23bを流下するようになっている。換言すると、前記打球発射装置により遊技領域23内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて前記枠状装飾部材31の庇状部33およびレール部材26(内レール26)の間に形成される第1球流下経路23aか、或いは枠状装飾部材31の庇状部33、外レール24および盤面飾り部材25(内レール25)の間に形成される第2球流下経路23bの何れかを流下する。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路23aをパチンコ球が流下する場合(左打ちした場合)に、パチンコ球が第2球流下経路23bを流下する場合に較べて後述する第1始動入賞装置56の第1始動入賞口56aにパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路23bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1球流下経路23aを流下する場合に較べて後述する特別入賞装置58の特別入賞口58aや第2始動入賞装置57の第2始動入賞口57aへパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
前記庇状部33に設けた段部33bは、図2,図3に示す如く、前記案内レール22に設けた打出し口22bの右上方に位置して、該打出し口22bから遊技領域23に打ち出されたパチンコ球が当り得るよう構成される。そして、一般的に「左打ち」を行う遊技者は、打球発射装置から打ち出されたパチンコ球が段部33bに当るように、前記操作ハンドル17の操作レバー17aの回動量を調節している。
前記枠状装飾部材31に配設された前記上部装飾部品38には、図7に示す如く、庇状部33における前記転動面33aの略中央から右側の所定領域までの部分を構成する庇状部分38aが形成されると共に、該庇状部分38aの後縁には台板部34を構成する台板部分38bが外方に延出するよう形成されている。すなわち、上部装飾部品38を枠状基部32に配設することで、庇状部分38aが板状部材20の前面より前方に突出すると共に、該庇状部分38aの後縁から外方に延出する台板部分38bの枠状基部32の外縁から外方に延出する部分が板状部材20における装着口27の開口縁前面(右上部開口部27cの開口縁前面)に当接するよう構成される。そして、台板部分38bの前側に、遊技領域23(第2球流下経路23b)が形成されるようになっている。なお、上部装飾部品38には、庇状部分38aの前縁から内方に延出する装飾部38cが設けられている。
前記枠状装飾部材31には、図2,図3に示す如く、前記段部33bの形成位置から前記球導入部36までの領域において、前記第1球流下経路23aを流下するパチンコ球が前面を転動可動な遊技領域形成部40が設けられている。この遊技領域形成部40の外縁は、前記外レール24およびレール部材25の内周面に近接するように位置している。具体的には、遊技領域形成部40の外縁と外レール24およびレール部材25の内周面との間は、パチンコ球1個分の幅寸法より小さく設定されており、第1球流下経路23aを流下するパチンコ球は、前記打出し口22bから球導入部36までの間においては、枠状装飾部材31に設けられた遊技領域形成部40の前面を転動(流下)し、球導入部36より下側においては板状部材20の前面を転動(流下)するよう構成される。遊技領域形成部40の前側に画成される領域は、前記遊技領域23の一部を構成するものであって、実施例では、該遊技領域形成部40の前側に画成されるパチンコ球が転動(流下)する領域を、枠側遊技領域41と指称するものとする。
(第1構成部材42について)
実施例の枠状装飾部材31では、該枠状装飾部材31における開口部31aの上部中央から左側で前記球導入部36までの領域において、複数の構成部材42,43,44,45,46,47が前記枠状基部32に対して着脱自在に配設されており、これら複数の構成部材42,43,44,45,46,47によって、当該領域において庇状部33や台板部34を形成すると共に、前記枠側遊技領域41を画成するようになっている。枠状基部32には、図7に示す如く、該枠状基部32の前端縁から内側(装着口27の前側)に延出する光透過性(透明)の取着盤部48が設けられ、該取着盤部48に、第1〜第6構成部材42,43,44,45,46,47が着脱自在に配設されている。具体的に、取着盤部48に配設される第1構成部材42には、図7,図8に示す如く、庇状部33における前記転動面33aの略中央から左側の所定領域までの部分を構成する第1庇状部分42aが形成されると共に、該第1構成部材42には前記段部33bが形成されている。また第1構成部材42には、第1庇状部分42aにおける右端部から段部33bまでの間の領域において台板部34を構成する第1台板部分42bが第1庇状部分42aの後縁から外方に延出するよう形成されている。すなわち、第1構成部材42を取着盤部48に配設することで、第1庇状部分42aが板状部材20の前面より前方に突出すると共に、該第1庇状部分42aの後縁から外方に延出する第1台板部分42bの取着盤部48の外縁から外方に延出する部分が板状部材20における装着口27の開口縁前面(左上部開口部27bの開口縁前面)に当接するよう構成される。そして、第1台板部分42bの前側に、遊技領域23(第2球流下経路23b)が形成されるようになっている。なお、第1構成部材42には、第1庇状部分42aの前縁から内方に延出する第1装飾部42cが設けられており、該第1装飾部42cと前記上部装飾部品38とによって画成される開口部31aの上部領域には、図2,図3,図4に示す如く、左右方向の中央部から左側および右側に向かうにつれて下側に変位する略山形の凹部が画成されるようになっている。また、第1構成部材42は、全体が光透過性に構成されて、後述するLED51a,122aからの光によって明輝して光演出可能に構成されている。
(第2構成部材43について)
前記取着盤部48に配設される第2構成部材43は、該取着盤部48に配設された第1構成部材42の第1庇状部分42aにおける段部33bから下端までの間の領域において該第1庇状部分42aの後縁に接続して外方に延出する第1遊技領域形成部分43aを備えている。この第2構成部材43は、第1遊技領域形成部分43aが前記装着口27(左上部開口部27b)の前側に位置して、該第1遊技領域形成部分43aの前側に枠側遊技領域41が形成される。そして、第1遊技領域形成部分43aにおける取着盤部48の外縁から外方に延出して板状部材20における装着口27の開口縁前面(左上部開口部27bの開口縁前面)に当接する部分が、前記台板部34を構成するようになっている。また、第1遊技領域形成部分43aの前面に、複数(実施例では2つ)の第1変更部(変更部)43bが突設されており、該第1遊技領域形成部分43aの前面(枠側遊技領域41)を流下するパチンコ球が該第1変更部43bに接触することで、該パチンコ球の流下方向(移動方向)が変更されるよう構成される。実施例では、2つの第1変更部43b,43bは、前記第1構成部材42の第1庇状部分42aとの間、および両第1変更部43b,43bの間の夫々に、パチンコ球の通過を許容する隙間をあけた状態で第1遊技領域形成部分43aに突設されている。第2構成部材43は、全体が光透過性に構成されて、後述するLED51a,122aからの光によって明輝して光演出可能に構成されている。
(第3構成部材44について)
前記取着盤部48に配設される第3構成部材44は、該取着盤部48に配設された第1構成部材42における第1庇状部分42aの下端縁に接続して庇状部33の一部を構成する第2庇状部分44aが形成されている。また第3構成部材44は、第2庇状部分44aの後縁から外方に延出する第2遊技領域形成部分44bが形成されており、該第2遊技領域形成部分44bが前記第2構成部材43の第1遊技領域形成部分43aの下端縁に接続されている。この第3構成部材44は、第2遊技領域形成部分44bが前記装着口27(左上部開口部27b)の前側に位置して、該第2遊技領域形成部分44bの前側に枠側遊技領域41が形成される。そして、第2遊技領域形成部分44bにおける取着盤部48の外縁から外方に延出して板状部材20における装着口27の開口縁前面(左上部開口部27bの開口縁前面)に当接する部分が、前記台板部34を構成するようになっている。第3構成部材44には、第2庇状部分44aの前縁から内方に延出する第2装飾部44cが設けられている。なお、第3構成部材44は、全体が非光透過性に構成されている。
(第4構成部材45について)
前記取着盤部48に配設される第4構成部材45は、該取着盤部48に配設された第3構成部材44における第2庇状部分44aの下端縁に接続して庇状部33の一部を構成する第3庇状部分45aが形成されている。また第4構成部材45は、取着盤部48に配設された第3構成部材44における第2遊技領域形成部分44bの下端縁に接続する第3遊技領域形成部分45bが、第3庇状部分45aの後縁から外方に延出するように設けられている。この第4構成部材45は、第3遊技領域形成部分45bが前記装着口27(左上部開口部27b)の前側に位置して、該第3遊技領域形成部分45bの前側に枠側遊技領域41が形成される。そして、第3遊技領域形成部分45bにおける取着盤部48の外縁から外方に延出して板状部材20における装着口27の開口縁前面(左上部開口部27bの開口縁前面)に当接する部分が、前記台板部34を構成するようになっている。また、第3遊技領域形成部分45bの前面に、第2変更部(変更部)45cが突設されており、該第3遊技領域形成部分45bの前側(枠側遊技領域41)を流下するパチンコ球が該第2変更部45cに接触することで、該パチンコ球の流下方向が変更されるよう構成される。実施例では、第2変更部45cは、前記第3庇状部分45aとの間に、パチンコ球の通過を許容する隙間をあけた状態で第3遊技領域形成部分45bに突設されている。なお、第4構成部材45は、全体が光透過性に構成されて、後述するLED51aからの光によって明輝して光演出可能に構成されている。また、第4構成部材45には、第3庇状部分45aの前縁から内方に延出する第3装飾部45dが設けられている。
(第5構成部材46について)
前記取着盤部48に配設される第5構成部材46は、該取着盤部48に配設された第4構成部材45における第3庇状部分45aの下端縁に接続して庇状部33の一部を構成する第4庇状部分46aが形成されている。また第5構成部材46は、取着盤部48に配設された第4構成部材45における第3遊技領域形成部分45bの下端縁に接続する第4遊技領域形成部分46bが、第4庇状部分46aの後縁から外方に延出するように設けられている。この第5構成部材46は、第4遊技領域形成部分46bが前記装着口27(左上部開口部27b)の前側に位置して、該第4遊技領域形成部分46bの前側に枠側遊技領域41が形成される。そして、第4遊技領域形成部分46bにおける取着盤部48の外縁から外方に延出して板状部材20における装着口27の開口縁前面(左上部開口部27bの開口縁前面)に当接する部分が、前記台板部34を構成するようになっている。また、第4遊技領域形成部分46bの前面に、第3変更部(変更部)46cが突設されており、該第4遊技領域形成部分46bの前側(枠側遊技領域41)を流下するパチンコ球が該第3変更部46cに接触することで、該パチンコ球の流下方向が変更されるよう構成される。実施例では、第3変更部46cは、前記第4庇状部分46aとの間に、パチンコ球の通過を許容する隙間をあけた状態で第4遊技領域形成部分46bに突設されている。また、第5構成部材46は、第4庇状部分46aの前縁から内方に延出する第4装飾部46dが設けられると共に、該第5構成部材46の全体が非光透過性に構成されている。
前記第5構成部材46の第3変更部46cと、前記第4構成部材45の第2変更部45cとは、図2,図3に示すように隙間なく接続するよう構成されており、第4構成部材45の第3庇状部分45aと第2変更部45cおよび第5構成部材46の第4庇状部分46aと第3変更部46cとによって、パチンコ球が通過可能な通路が左右にジグザグに変位するように画成されている。
(第6構成部材47について)
前記取着盤部48に配設される第6構成部材47は、該取着盤部48に配設された第5構成部材46における第4庇状部分46aの下端縁に接続して庇状部33の一部を構成する第5庇状部分47aが形成されている。また第6構成部材47は、取着盤部48に配設された第5構成部材46における第4遊技領域形成部分46bの下端縁に接続する第5遊技領域形成部分47bが、第5庇状部分47aの後縁から外方に延出するように設けられている。この第6構成部材47は、第5遊技領域形成部分47bが前記装着口27(左上部開口部27b)の前側に位置して、該第5遊技領域形成部分47bの前側に枠側遊技領域41が形成される。そして、第5遊技領域形成部分47bにおける取着盤部48の外縁から外方に延出して板状部材20における装着口27の開口縁前面(左上部開口部27bの開口縁前面)に当接する部分が、前記台板部34を構成するようになっている。また、第5遊技領域形成部分47bの前面に、第4変更部(変更部)47cが突設されており、該第5遊技領域形成部分47bの前側(枠状遊技領域41)を流下するパチンコ球が該第4変更部47cに接触することで、該パチンコ球の流下方向が変更されるよう構成される。実施例では、第4変更部47cは、前記第5庇状部分47aとの間および前記第5構成部材46の第3変更部46cとの間の夫々に、パチンコ球の通過を許容する隙間をあけた状態で第5遊技領域形成部分47bに突設されている。また、第6構成部材47は、第5庇状部分47aの前縁から内方に延出する第5装飾部47dが設けられると共に、該第6構成部材47の全体が光透過性に構成されて、後述するLED51aからの光によって明輝して光演出可能に構成されている。
ここで、前記枠状装飾部材31に設けられる庇状部33において、前記第1構成部材42における第1庇状部分42aの段部33bから左側の部分および第3〜第6構成部材44〜47の庇状部分44a,45a,46a,47aで構成される領域では、該庇状部33(42a,44a,45a,46a,47a)は、前記板状部材20の装着口27(左上部開口部27b)の開口縁から内側(装着口27の中央部側)に、前記転動面33aと外レール24との離間間隔より大きく離間して位置している。すなわち、前記枠側遊技領域41が形成される領域において、庇状部33(42a,44a,45a,46a,47a)と外レール24およびレール部材26の間は、パチンコ球3個分の幅寸法より大きな幅寸設に設定されて、前記変更部43b,45c,46c,47cに接触したパチンコ球の流下方向を広い範囲で変えることができるようになっている。
ここで、実施例では、前記取着盤部48と、該取着盤部48に着脱自在に配設される第2〜第6構成部材43,44,45,46,47とから、前記枠側遊技領域41を装着口27の前側に形成する遊技領域形成部40が構成されている。そして、変更部43b,45c,46c,47cが設けられて取着盤部48に対して着脱自在に配設される第2構成部材43、第4構成部材45、第5構成部材46および第6構成部材47が分割部として構成されて、該構成部材43,45,46,47に設けた変更部43b,45c,46c,47cが破損等した際には、破損した変更部43b,45c,46c,47cが設けられた構成部材43,45,46,47のみの交換によって対応し得るよう構成してある。
また、実施例では、前記第2構成部材43、第4構成部材45および第6構成部材47を光透過性に構成する一方で、第3構成部材44および第5構成部材46を非光透過性に構成することで、枠側遊技領域41を流下するパチンコ球が後述するLED51aからの光によって明輝する部分と明輝しない部分の前側を交互に通過することで、演出効果を向上し得るよう構成してある。なお、第2構成部材43、第4構成部材45および第6構成部材47における各遊技領域形成部分43a,45b,47bには、光拡散処理が施されている。
(発光装置49について)
前記取着盤部48の裏側に、前記第2構成部材43、第4構成部材45および第6構成部材47を裏側から照明可能な発光装置49が配設されている。この発光装置49は、図7,図8に示す如く、基板ケース50と、該基板ケース50に収容され、前面に光を照射するLED51a(発光手段)が複数実装された発光基板51とを備え、基板ケース50が取着盤部48の裏側に着脱自在に配設されている。前記第2構成部材43の裏側に、乱反射処理が施された第1光拡散部材52が配設されると共に、該第1光拡散部材52と第2構成部材43との間に第1光拡散シート53が前後に重なった状態で配設されている。そして、前記発光基板51に実装されて第2構成部材43の後側に位置する複数のLED51aの光が、第1光拡散部材52に向けて照射されるよう構成してある。また、前記取着盤部48における第4構成部材45〜第6構成部材47の配設領域に対応する裏側に、乱反射処理が施された第2光拡散部材54が配設されると共に、該第2光拡散部材54と取着盤部48との間に第2光拡散シート55が前後に重なった状態で配設されている。そして、前記発光基板51に実装されて第4構成部材45および第6構成部材47の後側に位置する複数のLED51aの光が、第2光拡散部材54に向けて照射されるよう構成してある。
(始動入賞装置56,57について)
前記板状部材20には、図2に示す如く、前記枠状装飾部材31の下方位置に、遊技領域23に臨んで該遊技領域23を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞装置56が配設されると共に、該第1始動入賞装置56の右側方に第2始動入賞装置57および特別入賞装置58が配設されている。なお、第2始動入賞装置57は、特別入賞装置58の下方位置に配設されている。また、枠状装飾部材31の右側方に、遊技領域23(第2球流下経路23b)に臨んで該遊技領域23(第2球流下経路23b)を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート59が配設されている。第1および第2始動入賞装置56,57は、遊技領域23を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口56a,57aが設けられる。ここで、第1始動入賞装置56は、第1始動入賞口56aが遊技領域23に常時開放する常時開放型の入賞装置とされ、第2始動入賞装置57は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口57aが開閉部材57bにより開閉される開閉型の入賞装置とされている。なお、第2始動入賞装置57は、開閉部材57bを開閉作動する始動入賞ソレノイド57c(図28参照)を備え、該始動入賞ソレノイド57cが前記制御装置19によって駆動制御されるよう構成される。
前記第1および第2始動入賞口56a,57aは、該第1および第2始動入賞口56a,57aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ60,61(図28参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ60,61は、前記制御装置19に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ60,61からの検出信号が制御装置19に入力されることを賞球の払出条件として、該制御装置19が賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、制御装置19は、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1および第2始動入賞口56a,57aに対応した第1および第2始動入賞検出センサ60,61によるパチンコ球の検出(すなわち始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、制御装置19が所定数の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。
また、第1および第2始動入賞検出センサ60,61によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件(遊技開始条件)として、前記制御装置19が各種入賞情報(大当り判定用乱数等の遊技情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18において図柄変動演出を実行するように、該図柄表示装置18を制御装置19が制御するよう構成される。また、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18に所定の当り表示(予め定められた特定表示)となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で図柄(飾図)が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後、大当り遊技という)が付与され、大当り遊技の発生に伴って後述する特別入賞口58aを所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。すなわち、実施例では、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられる大当り遊技が、遊技者に有利な有利状態となっている。
(特別入賞装置58について)
前記特別入賞装置58(入賞手段)は、遊技領域23(第2球流下経路23b)に開口する特別入賞手段としての特別入賞口(入賞口)58aを開閉自在に閉成する開閉体(開閉手段)58bを備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド58c(図28参照)の駆動に伴って開閉体58bが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置58には、前記特別入賞口58aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ62(図28参照)が設けられている。特別入賞検出センサ62は、前記制御装置19に配線接続されており、特別入賞検出センサ62がパチンコ球を検出すると、検出信号を制御装置19に出力し、該制御装置19は、特別入賞検出センサ62からの検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド58cは、前記第1および第2始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口58aを開閉する大当り遊技が付与される場合(特定条件判定手段での判定結果が肯定の場合)に、前記図柄表示装置18による図柄変動演出の終了後に制御装置19によって駆動制御される。実施例のパチンコ機10では、開閉体58bの開閉態様が異なる複数種類の大当り遊技が設定されており、制御装置19は、大当り遊技の種類に応じた開閉条件に従って特別入賞ソレノイド58cを駆動制御するよう構成される。
(球通過ゲート59について)
前記球通過ゲート59には、該ゲート59をパチンコ球が通過したことを検出するゲートセンサ63(図28参照)が配設される。ゲートセンサ63は、前記制御装置19に配線接続されており、該ゲートセンサ63から制御装置19への球検出信号の入力、すなわちゲートセンサ63のパチンコ球の検出(球通過ゲート59のパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(乱数等の遊技情報)が取得され、この取得した遊技情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド57cが駆動制御されて開閉部材57bが開閉動作するようになっている。
(設置部材21について)
前記設置部材21は、図4,図5に示す如く、前記板状部材20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板64と、該背面板64の外周縁部から前方に突出する画壁部65とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部65の開口前端部を板状部材20の裏面に当接させた状態で、当該板状部材20と設置部材21とがネジにより固定される。そして、設置部材21において板状部材20との間に画成される空間に、各種の可動演出装置66(図11,図12参照)や各種の発光装置等が設置されて、設置部材21を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材21の背面板64には、前記枠状装飾部材31の開口部31aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部21aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板64の裏側に前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、該開口部21aを介して図柄表示装置18の表示部18aが板状部材20(遊技盤M)の前側に臨むようになっている。
(可動演出装置66について)
前記設置部材21の背面板64における開口部21aの上側に臨む上面部64aに、所定の演出動作を行う複数の可動体67,68,69,70を備えた可動演出装置66が配設されている。実施例の可動演出装置66は、後述する索条体96によって上下方向に高低差がある上方の第1位置と下方の第2位置との間を上下に往復移動する主可動体67と、該主可動体67に対して従動的に移動する複数(実施例では2つ)の従動可動体68,69と、主可動体67に配設されて該主可動体67に対して独立して動作可能な副可動体70とを備え、主可動体67と従動可動体68,69および主可動体67を動作させる第1駆動モータ88が配設された固定部としての装置本体72が、前記上面部64aに着脱自在に配設されている。
(可動体67,68,69,70の全体構成について)
前記主可動体67および2つの従動可動体68,69は、主可動体67が第1位置に位置する状態で、これら複数の可動体67,68,69が前後方向に相互に重なって前側に露出する面積が最小となる待機形態(図9(a),図11参照)と、主可動体67が第2位置に位置する状態で、これら複数の可動体67,68,69が上下方向に変位して前側に露出する面積が最大となる作動形態(図9(b),図12参照)とに変化し得るよう構成される。また、副可動体70は、後述するが、主可動体67から外側方に延出する待機姿勢と、主可動体67の後述する意匠部73を側方から下方にかけて囲むように位置する作動姿勢とに変位するよう構成されている。そして、主可動体67が第1位置に位置すると共に副可動体70が待機姿勢となっている状態で、これら可動体群が前記枠状装飾部材31の後側に一部重なり、該枠状装飾部材31の開口部31a(具体的には中央上部の凹部分)に、可動体群の一部が臨んで板状部材20の前側から一部が視認可能に構成されている(図2参照)。これに対し、主可動体67が第2位置に位置すると共に副可動体70が作動姿勢となっている状態で、複数の可動体67,68,69,70が上下方向に略連なって全ての可動体67,68,69,70が開口部31aに臨んで、可動体群の略全体が前側から視認可能な状態となるようにしてある(図3参照)。なお、実施例では、主可動体67が第1位置に位置する状態で副可動体70が待機姿勢となり、主可動体67が第2位置に位置する状態で副可動体70が作動姿勢となるように該副可動体70が動作するよう構成されており、以後の説明において可動体群の待機形態とは副可動体70が待機姿勢となっている状態を含み、可動体群の作動形態とは副可動体70が作動姿勢となっている状態を含む意味で用いる場合がある。
また、前記主可動体67が第1位置に位置する可動体群の待機形態で最前部に位置する第1従動可動体68は、図11に示す如く、前記枠状装飾部材31の装着口27に収容されている。具体的には、第1従動可動体68は、装着口27における上部開口部27b,27cに収容されて、後述するように枠状装飾部材31に配設された前記上部装飾部品38、第1構成部材42、第2構成部材43および第3構成部材44の後側に重なるように位置するよう構成される。より具体的には、第1構成部材42の第1装飾部42c、第2構成部材43の第1遊技領域形成部分43a、第3構成部材44の第2装飾部44cの後側に第1従動可動体68が重なるようになっている(図2参照)。また、主可動体67が第2位置に位置する作動姿勢では、実施例では主可動体67、第2従動可動体69は全体が開口部31aに臨んで前側から視認可能になるのに対し、第1従動可動体68は、一部が前記第1構成部材42の第1装飾部42cおよび第3構成部材44の第2装飾部42cの後側に重なって、後述LED122aの光によって各装飾部42c,44cを裏側から照明し得るよう構成されている(図3参照)。なお、可動体群の待機形態における副可動体70は、上部装飾部品38の後側に重なって隠れるようになっている。
実施例では、2つの従動可動体68,69と副可動体70とによって、作動形態においてドクロを模した意匠を表わすよう構成されており、待機形態において最前部に位置する第1従動可動体68が頭部を表わし、待機形態において第1従動可動体68の後側に位置する第2従動可動体69が顔面を表わし、副可動体70が下顎を表わすように構成されている。また、主可動体67は、作動形態において第2従動可動体69と副可動体70との間に位置する正面視において略円形の意匠部73を備え、該意匠部73が第2従動可動体69と副可動体70とで噛まれた意匠を表わすよう構成されている(図3,図9(b)参照)。
(ガイド74について)
前記装置本体72は、図9に示す如く、横長板状の部材であって、該装置本体72の中央より左側に偏った位置に、上下方向に延在するガイド74が配設されている。このガイド74は、図13,図14に示す如く、装置本体72にネジ止め固定される板状の固定板74aと、該固定板74aの左右の両端縁から前方に延出する側壁板74b,74cとを備えると共に、左側に位置する左側壁板74bの内面に、上下方向に延在する第1ラック部(ラック部)74dが形成されている。また、ガイド74の左側壁板74bの外側に、前縁から外側方(左側方)に延出した後に後側に向けて折曲された左ガイド部74eが形成されると共に、右側壁板74cの外側に、前後方向の略中間位置から外側方(右側方)に延出する右ガイド部74fが形成されている。そして、後述するスライダ75が、左右のガイド部74e,74fに沿って上下方向にスライド自在に支持されるよう構成される。また、右ガイド部74fの下端部に、外側方(右側方)に突出する第1下動規制用ストッパ74gが設けられ、該第1下動規制用ストッパ74gの上端に、スライダ75に設けた後述する第1下動規制用突部75cが当接することで、ガイド74に対するスライダ75の下方移動が規制されるようになっている。
(スライダ75について)
前記ガイド74に対して上下方向にスライド自在に支持されるスライダ75は、図13,図14に示す如く、ガイド74の固定板74aと対向する板状本体75aの裏面に、左右に離間して第1支持体75b,75bが上下方向に延在するように配設されている。そして、板状本体75aを固定板74aに対向した状態で、図10に示す如く、各第1支持体75b,75bがガイド74における対応する左右のガイド部74e,74fに外側から係合して、該ガイド部74e,74fに対してスライダ75が上下方向にスライド可能に支持される。すなわち、スライダ75は、一対の第1支持体75b,75bでガイド74の両ガイド部74e,74fを外側から抱持する状態で支持されており、該ガイド74とスライダ75との支持部は一対の第1支持体75b,75bの内側に位置するよう構成されている。また、板状本体75aの裏面における上部には、右側の第1支持体75bに近接する位置に後方に向けて突出する第1下動規制用突部75cが設けられ、該第1下動規制用突部75cが、前記ガイド74における右ガイド部74fに設けた第1下動規制用ストッパ74gの上端に上側から当接することで、ガイド74に対するスライダ75の下方移動が規制されるようになっている。
前記板状本体75aの裏面における下部には、図14に示す如く、後方に向けて突出する第1上動規制用突部75dが設けられ、該第1上動規制用突部75dが、前記ガイド74の右側壁板74cの下端に下側から当接することで、ガイド74に対するスライダ75の上方移動が規制されるようになっている。すなわち、実施例では、ガイド74における右側壁板74cの下端が、ガイド74に対するスライダ75の上方移動を規制する第1上動規制用ストッパ74hとして機能するよう構成される。
前記板状本体75aの裏面には、両第1支持体75b,75bの間に、第1案内ギヤ(案内ギヤ)76、該第1案内ギヤ76と噛合する従動ギヤ77および該従動ギヤ77と噛合する第1伝達ギヤ78の夫々が自由回転し得るように支持されており、第1案内ギヤ76が前記ガイド74の第1ラック部74dと噛合するよう構成される。すなわち、ガイド74に対してスライダ75は、第1ラック部74dと第1案内ギヤ76とが噛合した状態で上下方向にスライドするよう構成されており、該スライダ75の安定した移動が図られるようになっている。
前記板状本体75aの前面には、図10に示す如く、左右に離間して第2支持体75e,75eが上下方向に延在するように配設されており、両第2支持体75e,75eの内側に、前記主可動体67に設けたスライド部82が上下方向にスライド自在に支持されている。すなわち、スライダ75に対してスライド部82は、一対の第2支持体75e,75eで外側から抱持する状態で支持されており、該スライダ75とスライド部82との支持部は一対の第2支持体75e,75eの内側に位置するよう構成されている。また、板状本体75aの左側部において前後の関係で配設された第1支持体75bと第2支持体75eの対向面間に、スライド部82に設けられた後述する連結片82cが挿通可能なスリット75fが下方および左側方に開放するように形成されており(図24参照)、該スリット75fに連結片82cが入り込むことで、スライダ75とスライド部82との相対的な移動範囲を稼ぎ得るよう構成してある。
前記板状本体75aの前面における下部には、右側の第2支持体75eに近接する位置に前側に突出する第2下動規制用ストッパ75gが設けられると共に、前記スライド部82の裏面上部に、該第2下動規制用ストッパ75gに上側から当接可能な第2下動規制用突部82aが設けられている。そして、第2下動規制用突部82aが、前記スライダ75の第2下動規制用ストッパ75gに上側から当接することで、スライダ75に対するスライド部82(主可動体67)の下方移動が規制されるようになっている。実施例では、スライダ75の第2下動規制用ストッパ75gが、第1位置から第2位置に落下(移動)する前記主可動体67を受止めて該主可動体67を第2位置に保持するストッパとして機能する。また、板状本体75aの前面における上部には、前方に向けて突出する第2上動規制用ストッパ75hが設けられている。この第2上動規制用ストッパ75hは、前記スライド部82に設けた前記第2下動規制用突部82aの上端に当接可能な位置に設けられており、スライダ75に対してスライド部82が上方に移動する場合に、第2下動規制用突部82aの上端が、スライダ75の第2上動規制用ストッパ75hに下方から当接することで、スライダ75に対するスライド部82の相対的な上方移動が規制されるよう構成される。すなわち、第2下動規制用突部82aの上端が第2上動規制用ストッパ75hに下方から当接した状態では、スライダ75とスライド部82とが一体的に上方移動するよう構成される。実施例では、スライド部82における第2下動規制用突部82aが、スライダ75に対するスライド部82の上方移動を規制する第2上動規制用突部を兼用するよう構成してある。
前記板状本体75aの前面には、図22に示す如く、第2支持体75e,75eの間に、第2案内ギヤ(案内ギヤ)79と、該第2案内ギヤ79と噛合する第2伝達ギヤ80との夫々が自由回転し得るように支持されており、第2伝達ギヤ80は、前記第1伝達ギヤ78と一体的に回転するよう構成されている。また、第2案内ギヤ79が、スライド部82の後述する第2ラック部82bに噛合している。すなわち、スライダ75に対してスライド部82は、第2ラック部82bと第2案内ギヤ79とが噛合した状態で上下方向にスライドするよう構成されており、該スライド部82の安定した移動が図られるようになっている。
ここで、実施例では、前記第1伝達ギヤ78と第2伝達ギヤ80とを一体的に回転するよう構成してあるので、前記ガイド74に対してスライダ75が下方移動する際には、第1ラック部74dとの噛合作用下に回転する第1案内ギヤ76に従動ギヤ77を介して噛合する第1伝達ギヤ78が回転することで第2伝達ギヤ80も回転する。これにより、該第2伝達ギヤ80に噛合する第2案内ギヤ79が回転し、該第2案内ギヤ79と第2ラック部82bとの噛合作用下にスライダ75に対してスライド部82も追従して下方移動するようになっている。また、スライダ75に対してスライド部82が上方移動する際には、第2ラック部82bとの噛合作用下に回転する第2案内ギヤ79に噛合する第2伝達ギヤ80が回転することで第1伝達ギヤ78も回転する。これにより、該第1伝達ギヤ78に従動ギヤ77を介して噛合する第1案内ギヤ76が回転し、該第1案内ギヤ76と第1ラック部74dとの噛合作用下にガイド74に対してスライダ75も追従して上方移動するようになっている。すなわち、主可動体67の第1位置から第2位置への移動に際し、ガイド74に対するスライダ75の下方移動とスライダ75に対するスライド部82(主可動体67)の下方移動とが同時に行われると共に、主可動体67の第2位置から第1位置への移動に際し、ガイド74に対するスライダ75の上方移動とスライダ75に対するスライド部82(主可動体67)の上方移動とが同時に行われるよう構成してある。
(主可動体67について)
前記主可動体(可動体)67は、可動体本体をなす基体81に、前記スライド部82および意匠部73が設けられている。具体的には、基体81は、図15,図16に示す如く、平面視においてクランク状に形成されており、前記スライダ75の前側に位置する第1基部81aの裏面に、前記スライド部82が配設されて、該スライド部82がスライダ75に対して上下方向にスライド自在に支持されている。また、スライド部82には、スライダ75に配設した第2案内ギヤ79に噛合する第2ラック部(ラック部)82bが上下方向に延在するよう設けられており、主可動体67は、第2ラック部82bが第2案内ギヤ79に噛合した状態でスライダ75に対して上下方向にスライドするよう構成される。更に、スライド部82には、左側面の下端部に、外側方に延出する連結片82cが設けられ、該連結片82cに後述する索条体96の取着体96bが連結されるようになっている。なお、連結片82cに対する索条体96における取着体96bの連結部は、該連結片82cにおける前記スライダ75のスリット75fから外方に延出する端部に設定されており、該連結片82cに連結されている索条体96は、主可動体67の上下動に際してスライダ75の左外側方を上下方向に移動するよう構成される。
前記基体81におけるスライダ75の右側に位置する第2基部81bの前面には、前記意匠部73が設けられている。この意匠部73は、光透過性の部材を前側に膨出するように形成したものであって、中央部を除く周囲に非透過性のメッキ等を施すことで、中央部に光透過部(透明部)73aを形成すると共に該光透過部73aの周囲に非光透過部73bが形成されている。また第2基部81bの裏側には、図15に示す如く、前面に複数のLED83aを実装した主可動体用発光基板83を配設した基板ケース84がネジ止め固定されており、該LED83aが前記意匠部73における光透過部73aの裏側に対向するように位置している。すなわち、LED83aを発光することで、意匠部73の光透過部73aが明輝して光装飾されるようになっている。なお、光透過部73aには光拡散処理が施されている。
前記第1基部81aの前面に、前記第2従動可動体69の後述する案内突部123bを案内する長孔85aが形成された案内板(案内部)85が設けられている。この長孔85aは、図15に示す如く、実施例では左側から右側に向かうにつれて下方に変位する弧状の孔であって、前記主可動体67の上下移動に際して長孔85aに沿って案内突部123bが移動することで、第2従動可動体69が後述するように軸ピン120を中心として傾動するよう構成されている。
(主可動体67の移動手段について)
前記装置本体72におけるガイド74の配設位置より左側に、前方に延出する軸部86が突設されており、該軸部86に回転体としての作動ギヤ87が回転自在に枢支されている。また、装置本体72には、作動ギヤ87の配設位置を挟んでガイド74の配設位置とは反対側に、回転駆動手段としての第1駆動モータ88が配設されている。この第1駆動モータ88により回転駆動される駆動ギヤ88aが、装置本体72に回転自在に枢支された従動ギヤ89を介して前記作動ギヤ87に噛合しており、第1駆動モータ88を正転方向または逆転方向に回転駆動することで、作動ギヤ87を第1方向および第2方向に回転するよう構成される。なお、実施例では、作動ギヤ87の正面視において反時計方向が、後述するリール91による索条体96の巻取方向に対応する第1方向であり、時計方向が、後述するリール91による索条体96の繰出方向に対応する第2方向となっている。
前記作動ギヤ87の前面には、図17,図19〜図21に示す如く、前記軸部86が挿通される中心通孔87aの外側に、該中心通孔87aと同心で前側に突出する円筒状の筒部87bが設けられ、該筒部87bの内側に係合部87cが設けられると共に、該筒部87bの外側に規制解除手段としての規制解除片87dが設けられている。なお、作動ギヤ87の裏面には、図18に示す如く、前面に設けられた筒部87bの内側に対応する部分が前側に凹むように形成された円筒状凹部87eが設けられると共に、該円筒状凹部87e内に回転規制部87fが設けられている。また、装置本体72における軸部86の配設位置に近接する位置に、作動ギヤ87における回転規制部87fの回転軌道上に臨む回転ストッパ90が設けられている。すなわち、回転規制部87fが回転ストッパ90に当接することで作動ギヤ87の回転が規制されるよう構成されており、実施例では作動ギヤ87は1回転以上は回転しないようになっている。
(リール91について)
前記軸部86には、作動ギヤ87の前側に重ねてリール91が回転自在に枢支されている。なお、リール91は、作動ギヤ87に対して相対的な回転が許容された状態で、軸部86に作動ギヤ87と同軸で枢支してある。このリール91は、円盤状の前円盤92および後円盤93を前後に重ねてネジ止めすることで、両円盤92,93間に索条体96の巻取部91aが形成されるようになっている(図22,図25参照)。リール91には、索条体96の後述する係止体96aが連結されており、リール91の回転によって巻取部91aに索条体96が繰出し自在に巻取られるよう構成される。実施例では、リール91は、正面視において反時計方向に回転することで索条体96を巻取部91aに巻取ると共に、時計方向に回転することで索条体96を巻取部91aから繰出し得るよう構成されている。以後の説明において、リール91の回転方向について、索条体96を巻取る方向を巻取方向と指称し、索条体96を繰出す方向を繰出方向と指称する。
前記後円盤93の中心部に、前側に突出するギヤ部93aが設けられると共に、前記前円盤92の中心部に、ギヤ部93aの挿通を許容する中心通孔92aが形成されており、両円盤92,93をネジ止め固定した状態で、ギヤ部93aが中心通孔92aを介して前円盤92の前側に突出するよう構成される。なお、ギヤ部93aには、前記軸部86が挿通される中心通孔が形成してある。前記軸部86に回転自在に枢支された作動ギヤ87およびリール91は、装置本体72に着脱自在に配設される保持部材94によって軸部86から抜け止めされている。また保持部材94には、前記リール91のギヤ部93aに噛合する抵抗用ギヤ95が回転自在に枢支されており、リール91は、ギヤ部93aと抵抗用ギヤ95とが噛合した状態で巻取方向および繰出方向に回転するよう構成される。抵抗用ギヤ95は、保持部材94に対して所要の回転抵抗力が付与された状態で枢支されており、該抵抗用ギヤ95にギヤ部93aが噛合しているリール91の回転に対して所要の回転抵抗力を付与し得るよう構成される。なお、抵抗用ギヤ95によってリール91に付与される回転抵抗力は、前記主可動体67が第1位置から第2位置への落下時(移動時)において、前記第1下動規制用ストッパ74gと第2下動規制用突部82aとによって主可動体67の落下が規制された後のリール91の慣性による回転を抑制し得る程度に設定されている。
(索条体96について)
前記索条体96は、図17,図18,図22に示す如く、長手方向の一端に、前記リール91に連結される係止体96aが設けられると共に、長手方向の他端に、前記主可動体67の連結片82cに連結される取着体96bが設けられている。この索条体96の長さは、前記主可動体67の第1位置と第2位置との間の移動距離より長く設定されており、第2下動規制用ストッパ75gに第2下動規制用突部82aが当接して主可動体67が第2位置に保持された際に、リール91と主可動体67との間の索条体96に主可動体67の荷重が加わらないよう構成してある。すなわち、主可動体67の第2位置では、索条体96には主可動体67を含む全ての可動体67,68,69,70の荷重が掛からないようになっている。
ここで、前記ガイド74にスライダ75を介して支持される主可動体67の重心は、前記副可動体70および該副可動体70を駆動する第2駆動モータ112(後述)を後述するように主可動体67におけるガイド74に対する支持位置より右側に配置する関係で(図23参照)、該ガイド74に対する支持位置より右側に位置している。これに対し、前記索条体96は、ガイド74に対する主可動体67の支持位置より左側で連結されている。すなわち、実施例では、主可動体67に対して索条体96は、ガイド74にスライダ75を介して支持されるスライド部82の支持位置を挟んで主可動体67の重心位置とは反対側に連結してある。
(連繋手段97について)
前記後円盤93の裏面に、図18,図19に示す如く、前記作動ギヤ87に設けた係合部87cに係脱可能な被係合部93bが設けられている。そして、係合部87cと被係合部93bとの係合状態では、作動ギヤ87とリール91とが一体的に回転すると共に、係合部87cと被係合部93bとの非係合状態では、作動ギヤ87とリール91との相対的な回転が許容されるよう構成される。実施例では、図20(b)に示す如く、正面視において被係合部93bにおける時計方向前側の面に係合部87cが係合した状態で、作動ギヤ87が第1方向に回転することで、リール91が巻取方向に一体的に回転し、正面視において被係合部93bにおける時計方向後側の面に係合部87cが係合した状態で、作動ギヤ87が第2方向に回転することで、リール91が繰出方向に一体的に回転するよう構成される。実施例では、作動ギヤ87の係合部87cと、リール91の被係合部93bとから作動ギヤ87の回転によってリール91を巻取方向に回転する連繋手段97が構成される。
(規制手段98について)
前記リール91の後円盤93における裏面に、前記作動ギヤ87の筒部87bより大径で該筒部87bを相対的な回転が許容された状態で収容可能な円筒状部93cが後方に向けて突設されている。この円筒状部93cの外周には、図19〜図21に示す如く、周方向の所要位置に凹部93dが設けられている。また、前記装置本体72には、規制手段98が回転自在に枢支されている。この規制手段98は、装置本体72における前記軸部86の下方に突設された枢支軸99が挿通される通孔100aが形成された筒状本体100に、該筒状本体100から径方向外方に延出する規制片101を備え、該規制片101の延出端101aが前記リール91(円筒状部93c)の凹部93dに対して係脱可能に構成される。すなわち、規制手段98は、規制片101の延出端101aが凹部93dに係合してリール91の回転を規制する規制位置(図20参照)と、該規制片101の延出端101aが凹部93dから離脱してリール91の回転を許容する許容位置(図21参照)との間を回動変位し得るようになっている。
また、前記規制手段98の筒状本体100には、図19〜図21に示す如く、規制片101の延出方向とは反対方向に延出する係止片98aが設けられ、該係止片98aと装置本体72に設けた係止部72aとの間に、付勢手段としてのコイルバネ102が張架されている。そして、規制手段98は、コイルバネ102の付勢力によって常には規制位置に向けて回転付勢されている。なお、リール91の凹部93dが規制片101の延出端101aとの係合位置に位置していない状態では、規制手段98は、延出端101aが円筒状部93cの外周面に当接する方向にコイルバネ102によって回動付勢されている。すなわち、リール91の回転中において凹部93dが規制片101の延出端101aとの係合位置に到来した際に、円筒状部93cの外周面に当接していた規制片101の延出端101aがコイルバネ102の付勢力によって凹部93dに入り込むことで、該規制片101の延出端101aが凹部93dに係合してリール91の回転を規制するよう構成される。実施例では、規制片101の延出端101aが凹部93dに係合してリール91の回転が規制された位置が、前記主可動体67の第1位置となっている。また、規制片101の裏面には、図19に示す如く、前記筒状本体100における回転中心の真上位置に、後方に向けて突出する当接部101bが設けられており、該当接部101bに、前記リール91に設けた前記規制解除片87dが当接可能に構成されている。
なお、前記リール91の凹部93dにおける周方向の長さは、規制片101における延出端101aより長く設定されており、図20(b)に示す如く、該延出端101aが凹部93dにおける巻取方向前側の面に係合した状態から、リール91の巻取方向への回転を若干許容し得るよう構成されている。また、規制手段98およびコイルバネ102は、装置本体72に配設したカバー体(図示せず)で覆われて、前記索条体96が規制手段98やコイルバネ102の可動部分に入り込んで引掛かるのを防止するよう構成してある。
前記規制手段98の筒状本体100には、径方向の外方に延出する検出片100bが設けられている。また、前記装置本体72に、規制手段98の検出片100bを検出可能な規制解除検出センサ103が設けられており、該規制解除検出センサ103は、規制手段98が規制位置から許容位置に回転変位した際に検出片100bを検出し得るよう構成される。この規制解除検出センサ103は、前記制御装置19に配線接続されており、該制御装置19は、規制解除検出センサ103からの検出信号の入力によって、規制手段98によるリール91の回転規制が解除されたことを認識し得るよう構成されている。
(規制解除片87dと当接部101bとの関係について)
前記作動ギヤ87における前記規制解除片87dの回転軌道は、前記規制位置に位置する規制手段98の当接部101bに当接可能な位置に設定されている。そして、作動ギヤ87の第2方向への回転によって規制解除片87dが当接部101bに当接して更に第2方向へ回転することで、規制手段98がコイルバネ102の付勢力に抗して規制位置から許容位置に回転変位するよう構成される(図21参照)。規制手段98による回転規制が解除されたリール91は、前記索条体96を介して加わる可動体群の荷重によって繰出方向へ回転し得るよう構成される。実施例では、前記主可動体67を第1位置および第2位置の間で往復移動させる移動手段は、規制手段98によるリール91の回転規制を規制解除片87dにより解除して該リール91の繰出方向への回転を許容して前記主可動体67を第1位置から第2位置に落下(移動)させると共に、前記連繋手段97の係合作用下にリール91を巻取方向に回転して主可動体67を第2位置から第1位置に移動させる作動ギヤ87および該作動ギヤ87を回転駆動する第1駆動モータ88から構成されている。また、リール91の被係合部93bに係合可能な係合部87cおよび規制手段98によるリール91の回転規制を解除する規制解徐片87dを備える作動ギヤ87は、第2方向への回転によって被係合部93bから係合部87cを離間して該作動ギヤ87(第1駆動モータ88)とリール91との連繋状態を解除すると共に、規制解除片87dによって規制手段98を規制位置から許容位置に回転変位させてリール91の繰出方向への自由回転を許容するよう構成されており、該作動ギヤ87が連繋解除手段として機能している。
(係合部87c、被係合部93b、規制解除片87d、回転規制部87fおよび回転ストッパ90の位置関係について)
図20(b)は、前記規制手段98における規制片101の延出端101aがリール91の凹部93dに係合して、主可動体67が第1位置に保持されると共に、作動ギヤ87の係合部87cがリール91の被係合部93bにおける繰出方向側の面に係合した第1状態を示している。この第1状態で、作動ギヤ87の規制解除片87dは、規制手段98の当接部101bに対して第2方向に離間する位置に位置すると共に、作動ギヤ87の回転規制部87fは、装置本体72の回転ストッパ90に対して第2方向に離間する位置に位置しており、作動ギヤ87の第2方向への回転が許容される状態となっている。また、図21(b)は、作動ギヤ87の規制解除片87dが規制手段98の当接部101bに当接して該規制手段98が許容位置に回転変位すると共に、前記スライダ75の第2下動規制用ストッパ75gにスライド部82の第2下動規制用突部82aが当接して主可動体67が第2位置に保持された第2状態を示している。この第2状態で、リール91の被係合部93bにおける繰出方向側の面が、作動ギヤ87の係合部87cに対向して近接すると共に、作動ギヤ87の回転規制部87fが装置本体72の回転ストッパ90に当接して、該作動ギヤ87の第2方向への回転が規制される状態となっている。すなわち、規制手段98を許容位置に回転変位した位置で停止している作動ギヤ87の第2方向への回転を回転ストッパ90で規制することで、主可動体67が第1位置から第2位置に落下する際に繰出方向に回転するリール91の被係合部93bが係合部87cに当接した際に、作動ギヤ87が第2方向へ必要以上に回転するのを規制するよう構成される。逆に言えば、第2方向への回転が回転ストッパ90で規制されている作動ギヤ87の係合部87cに、主可動体67が第1位置から第2位置に落下する際に繰出方向に回転するリール91の被係合部93bが当接することで、該リール91の慣性による繰出方向への回転を規制し得るようになっている。
また、図21(b)に示す第2状態において、前記規制手段98における規制片101の延出端101aは、リール91の円筒状部93cにおける凹部93dより繰出方向側に離間した位置に当接している。すなわち、主可動体67が第1位置から第2位置に落下する際に繰出方向に回転したリール91の凹部93dが、再び規制手段98における規制片101の延出端101aに係合することがないよう構成してある。
(作動ギヤ87の待機位置について)
実施例では、前記第1駆動モータ88は、前記作動ギヤ87が第2方向に回転を開始してから前記規制解除片87dにより規制手段98を許容位置に変位してリール91の回転規制を解除するまでの回転量が異なる複数の待機位置R1,R2に作動ギヤ87を保持可能に構成されている。具体的に実施例では、第1待機位置R1(図26(a)参照)と、該第1待機位置R1よりリール91の回転規制を解除するまでの回転量が大きい第2待機位置R2(図26(b)参照)との2種類が設定されており、前記制御装置19は、後述するように、前記始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞時に取得した入賞情報(遊技情報)に基づいて選択された変動パターンP1,P2に応じて待機位置R1,R2を決定するよう構成されている。
(滑車104について)
図22に示す如く、前記装置本体72におけるリール91とガイド74との間に、該リール91から繰出されたりリール91に巻取られる索条体96を案内する滑車104が回転自在に配設されている。この滑車104は、第1位置に位置する主可動体67と索条体96との連結部よりリール91の配設位置側の索条体96の移動経路に位置しており、主可動体67が第1位置と第2位置との間を移動する間は該滑車104によって索条体96を案内し得るよう構成される。
前記滑車104は、図17,図18または図27に示す如く、円筒状胴部105bと、該円筒状胴部105bの軸方向一端(実施例では後端)から径方向に延出する第1鍔部105aとを備えた第1構成体105と、前記円筒状胴部105bの軸方向他端(実施例では前端)に取付けられて該円筒状胴部105bから径方向に延出する第2鍔部106aを備えた第2構成体106とからなり、両構成体105,106を前後の関係で組み付けた状態の滑車104が、前記装置本体72に設けた枢支部107に回転自在に枢支されている。そして、リール91と主可動体67との間に位置する索条体96が、滑車104の両鍔部105a,106aの間に位置する円筒状胴部105bに掛けられている。なお、前記装置本体72の軸部86に枢支されているリール91の巻取部91aと、枢支部107に枢支されている滑車104の円筒状胴部105bとは、図25に示す如く、前後方向の位置が整合しており、リール91の巻取部91aに対して繰出されたり巻取られる索条体96を滑車104の円筒状胴部105bで円滑に案内し得るよう構成される。
前記装置本体72に設けられた前記枢支部107は、図17に示す如く、装置本体72から前方に突出する台部107aの前端から、軸支部107bが前方に向けて突出するよう構成されたものであって、該軸支部107bに、前記第1構成体105および第2構成体106に形成した中心通孔を挿通することで、滑車104が枢支部107に自由回転自在に枢支される。なお、図示しないが、枢支部107における軸支部107bの前端に、フランジ付きネジが螺挿されることで、滑車104は軸支部107bから抜け止めされている。また、第2構成体106の第2鍔部106aの直径は、第1構成体105の第1鍔部105aの直径より小さく設定してある(図27参照)。
前記枢支部107には、滑車104の円筒状胴部105bに掛けられている索条体96が挿通される挿通部108を両鍔部105a,106bの間に画成する規制部材109が配設されている。この規制部材109は、図27に示す如く、前記軸支部107bにおける第2構成体106から前方に突出する軸端に外嵌される取付部109aと、該取付部109aの外周縁から後方に向けて軸方向に延出するように設けられた規制片部109bとを備え、該規制片部109bは、小径の第2鍔部106aの径方向外側を、大径の第1鍔部105aにおける第2鍔部106aとの対向面に向けて延在するよう構成される。そして、両鍔部105a,106aと、両鍔部105a,106aの間に位置する規制片部109bとによって、円筒状胴部105bに掛けられている索条体96の挿通部108を画成している。規制片部109bと第2鍔部106aの外周面との間の隙間、および該規制片部109bの延出端と第1鍔部105aの対向面との間の隙間は、何れも索条体96の直径より小さくなるように設定されており、挿通部108に挿通されている索条体96が隙間を介して挿通部108から外側に抜け出ることがないよう構成してある。
なお、前記規制部材109は、前記軸支部107bの前端に配設されたフランジ付きネジによって、前記取付部109aが軸支部107bから抜け止めされている。また規制部材109は、挿通部108を画成する規制片部109bが、円筒状胴部105bに掛けられている索条体96に接触しないように軸支部107bに対する回転は規制してある。
(規制壁110,111について)
前記スライダ75における板状部材75aおよび該板状部材75aを挟んで前後に配設される第1支持体75bおよび第2支持体75eで構成されるリール91の配設側を向く側面(左側面)は、該側面の外方を上下方向に延在している前記索条体96を、スライダ75とスライド部82との支持部側への移動を規制する第1規制壁(規制壁)110として機能するよう構成される(図24参照)。また、第1規制壁110を構成する第2支持体75eに、左方に向けて延出する第2規制壁(規制壁)111が設けられている。この第2規制壁111は、主可動体67の索条体96との連結部と前記滑車104との間において、該索条体96の移動経路の前側に位置しており、該第2規制壁111によっても索条体96がスライダ75とスライド部82との支持部側へ変位するのを規制するよう構成される。また、第2規制壁111は、図23に示す如く、索条体96の移動経路と前記案内板85との間に位置して、該索条体96が案内板85側へ変位するのを規制するべく機能する。すなわち、案内板85に形成された長孔85aに摺動自在に案内される第2従動可動体69の案内突部123b(後述)と長孔85aとの間に索条体96が入り込んで引掛かるのを第2規制壁111によって防止し得るようになっている。
(副可動体70について)
前記主可動体67の第2基部81bにおける前面には、図23に示す如く、前記意匠部73の右上部位置を支点として回転可能に副可動体(第2の可動体)70が配設されている。この副可動体70は、前述したようにドクロの下顎を模したものであって、前記意匠部73に対して自由端側が離間する待機姿勢(図9(a)参照)と、該意匠部73に対して自由端側が近接する作動姿勢(図9(b)参照)との間を移動するよう構成される。また、第2基板81bには、出力軸を後向きとした姿勢で駆動手段としての第2駆動モータ112が配設されると共に、該第2駆動モータ112に配設した駆動ギヤ112aの回転を伝達する複数の従動ギヤ113が前記基板ケース84に回転自在に枢支されている。そして、前記副可動体70に配設した副作動ギヤ114が、最終段の従動ギヤ113に噛合しており、第2駆動モータ112を正転方向または逆転方向に回転することで、副可動体70が主可動体67の動作とは独立して待機姿勢と作動姿勢とに姿勢を変化する動作を行い得るよう構成される。
前記副可動体70には、第2基部81bに対する枢支部に近接して外方に延出する検出片70aが設けられている。また、第2基部81bに、副可動体70の検出片70aを検出可能な位置検出センサ115が配設されており、該位置検出センサ115は、副可動体70が待機姿勢となっている状態で検出片70aを検出し得るよう構成される。この位置検出センサ115は、前記制御装置19に配線接続されており、該制御装置19は、位置検出センサ115からの検出信号の入力によって、副可動体70が待機姿勢になっていることを認識し得るよう構成されている。
(第1従動可動体68について)
図23に示す如く、前記装置本体72におけるガイド74の配設位置を挟んで第1駆動モータ88の配設位置とは反対側に、可動体支持部材116が配設されており、該可動体支持部材116に、第1従動可動体(可動体)68が回転自在に枢支されている。この第1従動可動体68は、図15,図16に示す如く、前述したようにドクロの頭部を模した第1意匠本体117と、該第1意匠本体117の長手方向の一端から外方に延出する第1支持片118と、第1意匠本体117の長手方向の他端から外方に延出する第2支持片119とを備え、第1支持片118の延出端が軸ピン120を介して可動体支持部材116に回転自在に枢支されている。なお、第1意匠本体117は光透過性の部材であって、非光透過性のメッキを施すことで、該メッキが施されていない光透過部117aを所要のデザインで形成してある。
前記装置本体72には、前記第1駆動モータ88の配設位置に近接して可動体案内部材121が配設されており、該可動体案内部材121には、前記第1従動可動体68の回動支点を中心とする弧状の案内孔121aが形成されている。また、前記可動体支持部材116に、図15,図23に示す如く、第1従動可動体68の回動支点を中心とする第1弧状孔116aが形成されている。第1従動可動体68の第1支持片118に、第1弧状孔116aに前側から挿通される案内突部118aが後方に向けて突設されると共に、第2支持片119に、前記可動体案内部材121の案内孔121aに前側から挿通される案内突部119aが後方に向けて突設されている(図16参照)。すなわち、第1従動可動体68は、両支持片118,119を対応する可動体支持部材116および可動体案内部材121の前側に位置させた状態で、2つの案内突部118a,119aが対応する孔116a,121aに案内されて軸ピン120を中心として上下方向に揺動し得るよう構成される。また、第1支持片118には、後方に延出する連動部118bが設けられている。この連動部118bは、前記第2従動可動体69における後述する延出支持片124の揺動軌道上に位置しており、該連動部118bが第2従動可動体69の延出支持片124に係合した状態では、該第1従動可動体68は第2従動可動体69と一体的に上下方向に揺動するよう構成される。
前記第1従動可動体68は、第2支持片119に設けた案内突部119aが前記案内孔121aの下端縁に当接する位置で下方への移動が規制されるよう構成されている。また、前記可動体支持部材116の前面には、第1従動可動体68が上方位置から下方位置に移動する際に前記第1支持片118が当接可能な第1ストッパ部116bが設けられている(図15参照)。この第1ストッパ部116bは、第2支持片119の案内突部119aが案内孔121aの下端縁に当接した際に、第1支持片118の下面が当接する位置に設けられている。すなわち、第1従動可動体68は、前記連動部118bが延出支持片124に係合した第2従動可動体69が主可動体67と共に上方移動した第1位置に対応する待機位置と、案内突部119aおよび第1支持片118が案内孔121aの下端縁および第1ストッパ部116bに当接して下方移動が規制された作動位置との間を、主可動体67の上下動に追従して移動するよう構成されている。そして、第1従動可動体68は、図2または図3に示す如く、待機位置では前記枠状装飾部材31における遊技領域形成部40(第2構成部材43)および上部装飾部品38の後側に一部が重なると共に、作動位置では枠状装飾部材31の開口部31aの中央側に変位して露出部分が広くなるようになっている。
前記第1従動可動体68の第1意匠本体117における裏側には、前面に複数のLED(発光手段,可動体側発光手段)122aを実装した第1従動用発光基板122が配設されており、該LED122aを発光することによって第1意匠本体117を裏側から照明して前記光透過部117aを明輝させ得るよう構成されている。前記主可動体67が第1位置に位置する待機形態において、可動体群の最前部に位置する第1従動可動体68の第1意匠本体117における光透過部117aの一部は、前記上部装飾部品38、第1構成部材42、第2構成部材43および第3構成部材44の後側に重なるように位置しており(図2参照)、該光透過部117aをLED122aの光によって明輝することで、該上部装飾部品38、第1構成部材42、第2構成部材43および第3構成部材44を裏側から間接的に照明し得るよう構成されている。なお、待機形態(待機位置)における第1従動可動体68の光透過部117aと第2構成部材43とのより具体的な関係は、第1従動可動体68の光透過部117aが、第2構成部材43において前記遊技領域形成部40の一部を構成する第1遊技領域形成部分43aの後側に重なるように位置しており、第1従動可動体68に設けたLED122aによって、第1遊技領域形成部分43aの前側(枠側遊技領域41)を流下するパチンコ球を照明し得るようになっている。
(第2従動可動体69について)
前記可動体支持部材116に、前記第2従動可動体(別の可動体)69が回転自在に枢支されている。この第2従動可動体69は、図15に示す如く、前述したようにドクロの顔部を模した第2意匠本体123と、該第2意匠本体123の長手方向の一端から外方に延出する延出支持片124とを備え、該延出支持片124の延出端が前記軸ピン120を介して可動体支持部材116に回転自在に枢支されている。すなわち、可動体支持部材116に対して第1従動可動体68と第2従動可動体69とは同軸上に回転自在に支持されている。なお、第2意匠本体123は光透過性の部材であって、非光透過性のメッキを施すことで、該メッキが施されていない光透過部123aを所要のデザインで形成してある。
前記可動体支持部材116に、前記第2従動可動体69の回動支点を中心とする第2弧状孔116cが形成されている。また、前記延出支持片124に、第2弧状孔116cに後側から挿通される案内突部124a(図15参照)が前方に向けて突設されると共に、第2意匠本体123に、前記主可動体67の案内板85に形成した長孔85aに摺動自在に挿通される案内突部123b(図16参照)が後方に向けて突設されている。すなわち、第2従動可動体69は、第2意匠本体123が案内板85の前側に位置すると共に延出支持片124が可動体支持部材116の裏側に位置する状態で、2つの案内突部124a,123bが対応する孔116c,85aに案内されて軸ピン120を中心として上下方向に揺動するよう構成される。
前記第2従動可動体69は、第2意匠本体123に設けた案内突部123bが前記長孔85aの下端縁に当接する位置で下方への移動が規制されるよう構成されている。また、前記可動体支持部材116の裏面には、第2従動可動体69が上方位置から下方位置に移動する際に前記延出支持片124が当接可能な第2ストッパ部116dが設けられている(図16参照)。この第2ストッパ部116dは、第2意匠本体123の案内突部123bが長孔85aの下端縁に当接した際に、延出支持片124の下面が当接する位置に設けられている。
前記第2従動可動体69の第2意匠本体123における裏側には、前面に複数のLED(発光手段)125aを実装した第2従動用発光基板125が配設されており、該LED125aを発光することによって第2意匠本体123を裏側から照明して前記光透過部123aを明輝させ得るよう構成されている。
(制御装置19について)
図27に示す如く、前記制御装置19には、各種検出センサ60,61,62,63,103,115、操作ボタン16、ソレノイド57c,58c、駆動モータ88,112、図柄表示装置18が配線接続されている。そして、制御装置19では、各種検出センサ60,61,62,63,103,115からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じてソレノイド57c,58c、図柄表示装置18および駆動モータ88,112を制御装置19が制御するよう構成されている。
前記制御装置19は、前記始動入賞口56a,57aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には始動入賞検出センサ60,61がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報(遊技情報)としての各種乱数を取得するよう設定されている。すなわち、制御装置19は、各種乱数値を所定の周期(例えば、4ms)で更新し、更新後の乱数値を一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、始動入賞検出センサ60,61の検出信号が制御装置19に入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、前記始動入賞口56a,57aにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、始動保留情報として制御装置19に一時的に記憶保持されるよう構成されている。始動保留情報は、制御装置19に記憶する順序で記憶する記憶領域が定まっており、各始動保留情報に基づいて前記図柄表示装置18で図柄変動演出を実行する場合に、制御装置19に記憶した順序で始動保留情報が制御装置19により読み出されるようになっている。
前記制御装置19は、始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機として取得された入賞情報に基づいて、図柄変動演出の結果として大当り遊技を発生するか否かの当り判定(大当り判定)を行うよう構成される。具体的には、始動入賞口56a,57aにパチンコ球が入賞したときに取得された大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するか否かを判定し、大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致する場合に、制御装置19が大当り遊技を行うように前記特別入賞装置58(具体的には特別入賞ソレノイド58c)や図柄表示装置18を制御するよう構成されている。すなわち、始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段としての機能を制御装置19が備えている。また、始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞が、制御装置19が遊技情報を取得する遊技開始条件の成立として設定されると共に、遊技情報を取得する遊技情報取得手段としての機能を制御装置19が備えている。更に、実施例では、遊技者に有利な有利状態として大当り遊技(当り遊技)が設定されており、該大当り遊技を発生するか否かの当り判定(大当り判定)が特定条件が成立したか否かの判定であって、該特定条件が成立したか否かの判定を行う特定条件判定手段としての機能を制御装置19が備えている。
本実施例のパチンコ機10では、前記図柄表示装置18で実行される図柄変動演出の変動時間や演出内容を特定する複数種類の変動パターンが設定されており、前記制御装置19は、前記始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞時に取得した入賞情報(遊技情報)に基づいて複数種類の中から変動パターンを選択するよう構成される。実施例では、図柄変動演出の変動時間が異なる第1変動パターンP1と第2変動パターンP2とを挙げて説明するが、変動時間が異なる変動パターンの種類は3種類以上であってもよいことは勿論である。前記第1変動パターンP1は、第2変動パターンP2に対して変動時間が長く設定されている。例えば、実施例では第1変動パターンP1の変動時間が60秒に設定されるのに対し、第2変動パターンP2の変動時間が30秒に設定されるが、該変動時間はこれに限られるものではない。
実施例のパチンコ機10では、前記第1および第2始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定判定された可能性があることを予告する予告演出として、前記図柄表示装置18での図柄変動演出中に前記可動演出装置66の可動体67,68,69,70を落下する演出を実行可能に構成されている。また、実施例のパチンコ機10では、前記入賞情報に基づいて選択された変動パターンの種類によって、予告演出の実行確率や前記可動演出装置66による可動体67,68,69,70の落下タイミングを可変し得るよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、変動パターンとして変動時間が長い第1変動パターンP1が選択された場合には、前記可動演出装置66による予告演出の可否を抽選により決定し得ると共に、可動体67,68,69,70の落下タイミングを複数種類から抽選により決定し得るよう構成される。一方、変動パターンとして変動時間が短い第2変動パターンP2が選択された場合には、可動演出装置66による予告演出の可否を抽選により決定するが、可動体67,68,69,70の落下タイミングについては予め決められている種類が決定されるようになっている。
ここで、前記可動体67,68,69,70の落下タイミングとは、予告演出の実行が決定された場合に、前記可動演出装置66による予告演出に先立って前記図柄表示装置18で後述する示唆演出が実行されたことに基づいて第2方向への回転を開始した前記作動ギヤ87の規制解除片87dにより規制手段98が規制位置から許容位置に変位した時点である。そして、実施例では、前記作動ギヤ87の待機位置R1,R2によって落下タイミングが異なるようになっている。
(第1変動パターンP1が決定された場合の予告演出の実行判定および待機位置の振分け抽選について)
実施例では、前記制御装置19は、第1および第2始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機として取得した入賞情報に基づいて第1変動パターンP1が決定された場合は、前記可動演出装置66による予告演出の実行判定に際して、前記可動体67,68,69,70の落下タイミングを特定する作動ギヤ87の待機位置の種類も併せて決定する。すなわち、制御装置19は、入賞情報に基づいて第1変動パターンP1が決定された場合は、該制御装置19に記憶されている実行判定乱数および実行判定値を用いて、予告演出の実行可否を判定すると共に、併せて作動ギヤ87の待機位置を決定するよう構成される。実施例では、遊技情報取得手段としての制御装置19が取得した遊技情報に基づいて、作動ギヤ87の待機位置を複数の中から決定する待機位置決定手段としての機能を制御装置19が備えている。
本実施例では、実行判定乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、制御装置19は、実行判定乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。また、制御装置19には、第1変動パターンP1が決定された場合において、大当り判定で肯定判定の場合に用いる第1当り用実行判定テーブルT1および大当り判定で否定判定の場合に用いる第1はずれ用実行判定テーブルT2の夫々において実行判定値は、実行判定乱数の取り得る「0」〜「99」の全100通りの整数が、前記第1待機位置R1、第2待機位置R2および「実行なし」に振分けられている(図29参照)。そして、制御装置19は、大当り判定で肯定判定の場合には、取得した実行判定乱数の値を、第1当り用実行判定テーブルT1に設定されている実行判定値と比較して、予告演出を実行するか否かの判定と合わせて作動ギヤ87の待機位置の種類を決定すると共に、大当り判定で否定判定の場合には、取得した実行判定乱数の値を、第1はずれ用実行判定テーブルT2に設定されている実行判定値と比較して、予告演出を実行するか否かの判定と合わせて作動ギヤ87の待機位置の種類を決定するよう構成される。すなわち、第1当り用実行判定テーブルT1および第1はずれ用実行判定テーブルT2には、複数種類の待機位置R1,R2の項目と、予告演出を実行しない「実行なし」の項目とが設定されており、待機位置R1,R2の何れかが選ばれれば、予告演出を実行することが決定されると共に、「実行なし」の項目が選ばれれば、予告演出を実行しないことが決定されるようになっている。
前記第1当り用実行判定テーブルT1および第1はずれ用実行判定テーブルT2における各項目に振分けられる実行判定値を具体的に説明すると、第1当り用実行判定テーブルT1では、図29(a)に示す如く、第1待機位置R1に「0」〜「14」の15通りの実行判定値が振分けられ、第2待機位置T2に「15」〜「94」の80通りの実行判定値が振分けられ、「実行なし」に「95」〜「99」の5通りの実行判定値が振分けられている。これに対し、第1はずれ用実行判定テーブルT2では、図29(b)に示す如く、第1待機位置R1に「0」〜「44」の45通りの実行判定値が振分けられ、第2待機位置R2に「45」〜「49」の5通りの実行判定値が振分けられ、「実行なし」に「50」〜「99」の50通りの実行判定値が振分けられている。そして、制御装置19は、入賞情報に基づいて第1変動パターンP1が選択された場合は、取得した実行判定乱数の値を、実行判定テーブルT1,T2に設定されている実行判定値と比較して、2つの待機位置R1,R2の中の1つあるいは「実行なし」を決定する。
前記第1当り用実行判定テーブルT1と第1はずれ用実行判定テーブルT2との実行判定値の振分け割合を比較すると、大当り判定が肯定の場合に「実行なし」が選択される割合が、大当り判定が否定の場合に「実行なし」が選択される割合より低く設定されている。また、大当り判定が肯定の場合に第2待機位置R2が選択される割合が、大当り判定が否定の場合に第2待機位置R2が選択される割合より高く設定されるのに対し、大当り判定が肯定の場合に第1待機位置R1が選択される割合が、大当り判定が否定の場合に第1待機位置R1が選択される割合より低く設定されている。すなわち、大当り判定が肯定の場合に、大当り判定が否定の場合より予告演出が実行され易くなっていると共に、遊技者にとって有利な大当りに当選している場合の方が、後述する示唆演出が実行されてから可動体67,68,69,70が落下するまでの時間が長い第2待機位置R2が選ばれ易くなっている。言い替えれば、作動ギヤ87の待機位置の種類によって、大当りに当選している期待度が異なるよう設定されている。そして、実施例では、示唆演出が実行されてから可動体67,68,69,70が落下するまでの時間が長くなることで、大当りに当選している期待感が高まるようになっている。
(第2変動パターンP2が決定された場合の予告演出の実行判定および待機位置の決定について)
前記制御装置19には、第2変動パターンP2が決定された場合において、大当り判定で肯定判定の場合に用いる第2当り用実行判定テーブルT3および大当り判定で否定判定の場合に用いる第2はずれ用実行判定テーブルT4が設定されている。第2当り用実行判定テーブルT3および第2はずれ用実行判定テーブルT4では、第1待機位置R1の項目と、予告演出を実行しない「実行なし」の項目とが設定されており、第1待機位置R1が選ばれれば、予告演出を実行することが決定されると共に、「実行なし」の項目が選ばれれば、予告演出を実行しないことが決定されるようになっている。すなわち、第2変動パターンP2が決定されると共に予告演出が実行される場合は、該予告演出における待機位置としては、示唆演出が実行されてから可動体67,68,69,70が落下するまでの時間が短い第1待機位置R1が決定される。
前記第2当り用実行判定テーブルT3および第2はずれ用実行判定テーブルT4では、前記実行判定値は、実行判定乱数の取り得る「0」〜「99」の全100通りの整数が、前記第1待機位置R1および「実行なし」に振分けられている。第2当り用実行判定テーブルT3および第2はずれ用実行判定テーブルT4における各項目に振分けられる実行判定値を具体的に説明すると、第2当り用実行判定テーブルT3では、図30(a)に示す如く、第1待機位置R1に「0」〜「69」の70通りの実行判定値が振分けられ、「実行なし」に「70」〜「99」の30通りの実行判定値が振分けられている。これに対し、第2はずれ用実行判定テーブルT4では、図30(b)に示す如く、第1待機位置R1に「0」〜「19」の20通りの実行判定値が振分けられ、「実行なし」に「20」〜「99」の80通りの実行判定値が振分けられている。そして、制御装置19は、入賞情報に基づいて第2変動パターンP2が選択された場合は、取得した実行判定乱数の値を、実行判定テーブルT3,T4に設定されている実行判定値と比較して、第1待機位置R1あるいは「実行なし」を決定する。
前記第2当り用実行判定テーブルT3と第2はずれ用実行判定テーブルT4との実行判定値の振分け割合を比較すると、大当り判定が肯定の場合に「実行なし」が選択される割合が、大当り判定が否定の場合に「実行なし」が選択される割合より低く設定されている。すなわち、大当り判定が肯定の場合に、大当り判定が否定の場合より予告演出が実行され易くなっている。なお、前記実行判定テーブルT1〜T4において各項目に振分けられている実行判定値の振分け割合は一例であって、適宜に変更可能である。
(示唆演出について)
前記予告演出の実行判定に基づいて予告演出の実行が決定された場合(第1待機位置R1または第2待機位置R2が選択された場合)は、前記制御装置19は、選択された待機位置に作動ギヤ87を回転して停止保持するように前記第1駆動モータ88を回転駆動制御する。また、制御装置19は、図柄変動演出が実行されている所定タイミング(予告実行タイミング)において、前記図柄表示装置18に操作ボタン16の操作を促す画像を表示させると共に、操作ボタン16の操作(押下)を有効とする操作有効期間(時間)を設定するよう構成される。そして、遊技者が操作ボタン16を操作した場合は、該操作ボタン16の操作信号が制御装置19に入力されたことを契機として、前記第1駆動モータ88を駆動して待機位置の作動ギヤ87の第2方向への回転を開始するよう設定される。なお、操作有効期間が経過するまでに操作信号が制御装置19に入力されない場合は、該操作有効期間の経過を契機として、作動ギヤ87の待機位置からの第2方向への回転を開始するように第1駆動モータ88を制御装置19が回転駆動制御するよう設定されている。実施例では、図柄表示装置18に操作ボタン16の操作を促す画像を表示する演出が、可動体67,68,69,70が動作するか否かに関わる示唆演出であって、示唆演出を実行する図柄表示装置18が示唆演出実行手段としての機能を有している。
(昇格演出について)
実施例のパチンコ機10では、前記大当り判定において肯定判定の場合に、大当り遊技後に遊技者に有利な遊技状態として、大当り確率が向上する確変状態を付与する機能を備えている。この確変状態を付与するか否かは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄の種類に基づいて決定されるようになっており、確変付与図柄が決定された場合に大当り遊技後に確変状態を付与する一方で、非確変付与図柄が決定された場合には大当り遊技後に確変状態を付与しないよう構成される。そして、実施例では、大当り遊技後に確変状態が付与される確変付与図柄が決定された場合に、前記可動演出装置66による可動体67,68,69,70の落下演出を、確変状態が付与されることを報知する昇格演出として大当り遊技中に実行可能に構成されている。なお、前記制御装置19は、確変付与図柄が決定された場合に、始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞時に取得した入賞情報(乱数)に基づいて、昇降演出の実行可否の抽選を行うよう設定されている。
前記大当り遊技は、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(例えば15ラウンド)だけラウンド間インターバルを挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置58の開閉体58bが開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口58aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。そして、実施例のパチンコ機10では、昇格演出を実行することが抽選により決定された場合は、予め設定された所定回数目のラウンド遊技、あるいは抽選により決定された所定回数目のラウンド遊技において、前記可動演出装置66による可動体67,68,69,70の落下演出を昇格演出として実行するよう構成されている。
ここで、大当り遊技における1回のラウンド遊技は、前述したように特別入賞口58aに規定個数のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始からラウンド遊技時間が経過するかの何れかの条件が成立することで終了するものであるため、特別入賞口58aへのパチンコ球の入賞状況によって実際の1回のラウンド遊技の時間は変動する。このため、実施例のパチンコ機10では、前記可動演出装置66による可動体67,68,69,70の落下演出を昇格演出として実行することを決定した場合は、前記作動ギヤ87の待機位置として第1待機位置R1を決定するよう構成される。すなわち、当該パチンコ機10において決定可能な複数種類の待機位置の中で、示唆演出が実行されたことに基づいて第2方向への回転を開始した作動ギヤ87により前記リール91の回転規制が解除されるまでの時間が最も短かい(作動ギヤ87の回転量が最も小さい)第1待機位置R1が決定されるようになっている。なお、示唆演出が実行されてから第1待機位置R1の作動ギヤ87の回転によってリール91の回転規制が解除されるまでの時間は、前記打球発射装置の発射速度との関係で、前記特別入賞口58aが開放してから該特別入賞口58aに規定個数のパチンコ球が入賞するまでに要する時間より短かく設定される。従って、昇格演出を実行することを決定した場合に、作動ギヤ87を、示唆演出が実行されてからリール91の回転規制が解除されるまでの時間が最も短かい第1待機位置R1に保持しておくことで、昇格演出を実行するラウンド遊技中に確実に可動体67,68,69,70の落下演出を行い得るようになっている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル17の操作レバー17aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記板状部材20に設けた案内レール22により画成された発射通路22aを通って打出し口22bから遊技領域23内に打ち出される。このとき、前記操作レバー17aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域23の第1球流下経路23aまたは第2球流下経路23bをパチンコ球が流下する。前記枠状装飾部材31に設けた段部33bにめがけてパチンコ球を打ち出す「左打ち」が行われた場合は、打出し口22bから打ち出されて段部33bに当接したパチンコ球は、前記枠状装飾部材31に設けられた前記遊技領域形成部40の前側に画成された枠側遊技領域41を流下する。このとき、遊技領域形成部40に設けられた複数の変更部43b,45c,46c,47cにパチンコ球が接触することで、該パチンコ球の流下方向が変更される。
すなわち、図6に示す如く、前記板状部材20に形成する装着口27を大きくして大型の枠状装飾部材31を採用した場合であっても、装着口27の前側に、パチンコ球が移動可能な枠側遊技領域41を形成する遊技領域形成部40を設けたので、パチンコ球が移動可能な広い遊技領域23を確保することができる。また、遊技領域形成部40にパチンコ球の移動方向を変更可能な複数の変更部43b,45c,46c,47cを設けているので、パチンコ球に興趣のある動きを与えることができ、パチンコ球の挙動が単調となるのを防止して遊技の興趣を向上することができる。
前記枠状装飾部材31に設けられた遊技領域形成部40は光透過性に構成されており、裏側に配設された発光装置49のLED51aの光によって該遊技領域形成部40を裏側から照明することで、枠側遊技領域41を流下するパチンコ球の動きと発光演出とによって遊技の興趣を向上し得る。すなわち、前記装着口27の前側に形成された枠側遊技領域41を流下するパチンコ球を裏側から照明し得るので、木製の板状部材20を採用しながら、アクリル等の透明な板状部材を採用した場合と同じように広い範囲においてパチンコ球が流下する枠側遊技領域41を裏側から照明して遊技の興趣を向上することができる。特に、「左打ち」を行う場合に、遊技者が注目する打出し口22bと段部33bとの間の遊技領域23を構成する枠側遊技領域41を裏側から照明することで、演出効果を高めることができる。
前記遊技領域形成部40の後側に前記可動演出装置66における可動体37,38,39,70を位置させ得るようにしたので(図11参照)、パチンコ球に興趣のある動きを与え得る領域を確保したもとで、大型の可動体37,38,39,70を採用してインパクトのある動作演出によって遊技の興趣を向上することができる。特に、実施例では待機形態(主可動体67の第1位置)では前後方向に重なる3つの可動体37,38,39を枠状装飾部材31の開口部中央に移動する際に、3つの可動体37,38,39が相互に上下方向にずれるように移動することで、作動形態(主可動体67の第2位置)となった際には3つの可動体37,38,39が上下方向に略連なった姿勢となることで(図3,図12参照)、可動体37,38,39の露出面積が増えることにより、よりインパクトのある演出ができて遊技の興趣を向上し得る。また、実施例では、前記副可動体70を待機姿勢から作動姿勢に変位することで、図3に示すように、4つの可動体37,38,39,70によって枠状装飾部材31の開口部中央で1つの意匠を構成するので、極めてインパクトのある演出ができる。また、可動体群の作動姿勢では、第1従動可動体68の一部(光透過部117a)が前記第1構成部材42の第1装飾部42cおよび第3構成部材44の第2装飾部42cの後側に重なっており、前記LED122aの光によって各装飾部42c,44cを裏側から照明することができる。
前記遊技領域23を流下するパチンコ球が前記球導入部36に通入すると、該パチンコ球は前記ステージ35に通出され、該ステージ35を左右に転動した後に遊技領域23に排出され、このパチンコ球は前記第1始動入賞装置56に入賞可能となる。そして、第1始動入賞装置56にパチンコ球が入賞すると、前記制御装置19の制御に基づいて前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置18に表示された図柄組み合わせに応じて、前記板状部材20に設けられた特別入賞装置58の特別入賞口58aが所定条件で開放制御される大当り遊技が実行されると共に、制御装置19の制御に基づいて図柄表示装置18において大当り演出が行われる。
前記パチンコ機10では、前記図柄表示装置18で行われる図柄変動演出や大当り演出に応じて、前記枠状装飾部材31に設けられた発光基板39,51のLED51aや前記可動演出装置66に設けられたLED122aが発光されたり点滅されて、枠状装飾部材31や可動演出装置66で実行される発光演出により遊技の興趣が向上される。特に、図11に示す如く、可動体群を待機形態(主可動体67の第1位置)に保持している可動演出装置66では、最前部に位置する前記第1従動可動体68に配設した第1従動用発光基板122のLED122aを発光することで、第1従動可動体68の光透過部117aを通して光が枠状装飾部材31に照射されるので、発光演出効果を向上することができる。また、可動演出装置66の可動体群が動作することで、図柄表示装置18の表示部18aで実行されている図柄変動演出や大当り演出との関係でより遊技の興趣が向上される。
前記枠状装飾部材31に設けた遊技領域形成部40は、変更部43b,45c,46c,47cを備えた構成部材43,45,46,47を着脱自在に構成してあるので、パチンコ球との接触によって変更部43b,45c,46c,47cが破損等した場合は、枠状装飾部材31の全体を交換することなく構成部材43,45,46,47のみの交換によって簡単に対応することができる。すなわち、変更部43b,45c,46c,47cが破損等した場合における修理に要するコストを削減することができ、メンテナンス性に優れている。また、変更部43b,45c,46c,47cを備える構成部材43,45,46,47が複数に分割されているので、破損等した変更部43b,45c,46c,47cを備える構成部材43,45,46,47のみを交換すればよく、よりメンテナンス性が向上する。
ここで、複数の可動体37,38,39,70を待機形態において前後に重ねるよう構成された前記可動演出装置66では、該待機形態における可動体群の前後方向の厚みが大きくなる。実施例では、図11に示す如く、待機形態において可動体群の一部、具体的には最前部に位置する前記第1従動可動体68を、前記板状部材20に形成した装着口27に収容するよう構成したので、板状部材20の裏面と設置部材21の上面部64aとの間の限られた空間に収容し得る可動体の数を増やすことができる。すなわち、待機形態において前後方向に重なる可動体の数を増やすことができ、待機形態においてはコンパクトで、待機形態から複数の可動体を相互にずらして作動形態とした際にはより大きな意匠を表現することが可能となり、可動体37,38,39,70によるインパクトの高い演出を行い得る。
(可動演出装置66の動作演出について)
前記可動演出装置66の主可動体67が第1位置に位置する待機形態において、前記リール91の凹部93dに規制手段98における規制片101の延出端101aが係合し、該リール91の繰出方向への回転が規制されて、前記主可動体67は第1位置に保持される(図20参照)。また、前記作動ギヤ87は、該作動ギヤ87の係合部87cをリール91の被係合部93bから繰出方向に離間した待機位置(R1またはR2)に保持されている(図26参照)。前記制御装置19からの制御信号によって前記第1駆動モータ88が作動ギヤ87を第2方向に回転する方向に回転すると、該作動ギヤ87が第2方向に回転を開始し、前記規制解除片87dが前記規制手段98の当接部101bに当接し、該規制手段98を規制位置から許容位置に変位させる。すなわち、前記リール91の凹部93dから規制片101の延出端101aが離脱することで該リール91の繰出方向への回転が許容される状態となり、該リール91は、前記索条体96に連結されている可動体群の荷重により繰出方向に回転する。これにより、可動体群は第1位置から第2位置へ自重により落下する。
前記可動体群が落下する様態を具体的に説明する。前記索条体96が連結された前記主可動体67のスライド部82における第2下動規制用突部82aの上端に前記スライダ75の第2上動規制用ストッパ75hが当接して該スライダ75とスライド部82とが前後に重なった状態で、該スライダ75が主可動体67と共に前記ガイド74に沿って下方移動する。このとき、前記第1従動可動体68および第2従動可動体69は、主可動体67に対して相対的に移動することなく前側に重なった状態で下方移動する。そして、第1従動可動体68の第2支持片119に設けた案内突部119aが可動体案内部材121の案内孔121aの下端縁に当接して下方移動が規制されると、該第1従動可動体68に対して第2従動可動体69および主可動体67が前後に重なった状態で更に下方移動する。これにより、主可動体67に重なっている第2従動可動体69が第1従動可動体68に対して相対的に下方移動することで、第1従動可動体68における第1意匠本体117の後側から第2従動可動体69における第2意匠本体123が徐々に露出することで、ドクロの頭部から顔部が現れて興趣のある演出が行われる。
前記スライダ75の第1下動規制用突部75cがガイド74の第1下動規制用ストッパ74gに当接してスライダ75の下方移動が規制された後は、該スライダ75に対して主可動体67のスライド部82が更に下方移動することで、第1従動可動体68に対して第2従動可動体69が更に下方移動して露出面積が増えていく。そして、前記スライド部82の第2下動規制用突部82aがスライダ75の第2下動規制用ストッパ75gに当接することで、第2従動可動体69および主可動体67の下方移動が規制されて、第1従動可動体68の第1意匠本体117および第2従動可動体69の第2意匠本体123によって、ドクロの頭部と顔部とが上下に連なった意匠が前記図柄表示装置18の表示部18aの前側に露出する。この場合に、主可動体67が略直線的に下方移動するのに対し、第2従動可動体69は前記軸ピン120を支点として傾動することで、主可動体67の意匠部73に対する第2従動可動体69における第2意匠本体123の相対的な位置が左右方向に変化することで、興趣のある演出が行われる。
また、前記規制手段98が規制位置から許容位置に変位したことを、前記位置検出センサ115が検出すると、前記制御装置19により前記第2駆動モータ112が回転駆動される。これにより、待機姿勢の副可動体70が作動姿勢に変位することで、図3,図23に示す如く、前記第1従動可動体68と副可動体70とで主可動体67を噛む意匠が表わされる。なお、第1位置から落下する可動体群は、自重によって勢いよく落下するので、規制手段98が許容位置に変位すると略同時に副可動体70を動作することで、主可動体67が第2位置に至るまでの間に副可動体70が作動姿勢まで変位し、該主可動体67が第2位置に至ったときには複数の可動体67,68,69,70により最終的な意匠が完成する。
前記制御装置19からの制御信号によって前記第1駆動モータ88が作動ギヤ87を第1方向に回転する方向に回転すると、該作動ギヤ87が第1方向に回転を開始し、前記係合部87cがリール91の被係合部93bに係合し、作動ギヤ87の回転に伴ってリール91が巻取方向に回転する。これにより、前記索条体96がリール91の巻取部91aに巻取られ、前記主可動体67が上方移動する。
前記可動体群が上方移動する様態を具体的に説明する。前記索条体96に連結する主可動体67のスライド部82がスライダ75に対して上方移動することで、前記案内板85の長孔85aに沿って案内突部123bが移動することで、該主可動体67の上方移動に伴って前記第2従動可動体69が上方に向けて傾動する。また、前記可動体案内部材121の案内孔121aの下端縁に案内突部119aが当接して下方移動が規制されている前記第1従動可動体68に対して前記第2従動可動体69が上方移動することで、前記第1意匠本体117の裏側に第2意匠本体123が徐々に重なるようにして隠れる。更に、第2従動可動体69の第2意匠本体123に対する主可動体67の意匠部73の位置が左右方向に変化する。そして、前記スライド部82の第2上動規制用突部(第2下動規制用突部)82aがスライダ75の第2上動規制用ストッパ75hに当接した後は、スライド部82とスライダ75とが前後に重なった状態でスライダ75と共に主可動体67が一体的に上方移動する。更に、前記第2従動可動体69の延出支持片124が、第1従動可動体68に設けた連動部118bに下方から当接することで、該第1従動可動体68は第2従動可動体69および主可動体67と一体的に上方移動する。
前記リール91の凹部93dが前記規制手段98における規制片101の延出端101aとの係合位置に至ると、該規制手段98がコイルバネ102の付勢力によって許容位置から規制位置に変位し、規制片101の延出端101aが凹部93dに入り込む(図20の状態)。また、規制手段98が許容位置から規制位置に変位して前記規制解除検出センサ103が検出片100bを検出しなくなると、前記制御装置19は第1駆動モータ88の回転を停止するよう制御する。次いで、制御装置19は、前記作動ギヤ87を第2方向に回転するように第1駆動モータ88を回転駆動制御する。これにより、作動ギヤ87の係合部87cがリール91の被係合部93bから巻取方向に離間することで、該リール91は索条体96を介して連結している可動体群の荷重によって繰出方向に若干回転し、前記規制片101の延出端101aが凹部93dに係合することでリール91の繰出方向への回転は規制され、作動ギヤ87のみが第2方向に回転する。そして、作動ギヤ87が予め設定された待機位置(R1またはR2)に至ったときに、制御装置19は第1駆動モータ88の回転を停止することで、作動ギヤ87が待機位置(R1またはR2)に保持される(図26参照)。
実施例では、前記主可動体67を、リール91に繰出し可能に巻取られる索条体96によって第1位置と第2位置との間を往復移動するよう構成したので、主可動体67の移動範囲を簡単な構成で大きくしてインパクトのある動作演出を行うことができ、遊技の興趣を向上し得る。また、索条体96に連結される主可動体67に副可動体70および該副可動体70を駆動する第2駆動モータ112を配設しているので、主可動体67に連結している索条体96に加わる荷重を増加することができ、主可動体67を勢いよく落下(移動)させてインパクトのある演出を行って遊技の興趣を向上させ得る。更に、実施例の可動演出装置66では、前記主可動体67に対して更に第1従動可動体68および第2従動可動体69の荷重も加わるよう構成してあるので、主可動体67をより勢いよく落下(移動)することができる。
前記第1位置から第2位置に落下する主可動体67は、前記ガイド74に対してスライド自在に支持されるスライダ75に対してスライド部82を介してスライド自在に支持するよう構成したので、主可動体67を長い範囲で安定して移動させることができる。すなわち、主可動体67が落下する際に、該主可動体67が左右方向にブレるのを防止することができるので、該主可動体67の動作に追従して移動する第1従動可動体68および第2従動可動体69の動作不良が発生するのを防止し得る。特に、第2従動可動体69は、主可動体67における案内板85に形成した長孔85aに沿って案内突部123bが摺動することで傾動するよう構成してあるので、主可動体67が落下(移動)時に左右方向にブレて長孔85aと案内突部123bとの適正な関係が変化することで円滑な動作が阻害されるのを防ぐことができる。
また、前記ガイド74に設けた第1ラック74dおよびスライド部82に設けた第2ラック82bに、スライダ75に配設した案内ギヤ76,79を夫々噛合した状態で、ガイド74に対してスライダ75が移動すると共に、該スライダ75に対してスライド部82が移動するよう構成した。これにより、ガイド74に対してスライダ75が傾いたり、該スライダ75に対してスライド部82が傾くのを防ぐことができ、主可動体67の移動を安定して行うことができる。すなわち、実施例のように索条状96が、主可動体67(可動体群)の重心位置から偏倚した位置に連結される構成であっても、主可動体67(可動体群)を安定して移動させることができる。言い替えれば、主可動体67(可動体群)の安定した移動を図ったもとで、リール91の配設位置や主可動体67(可動体群)の形状や大きさ等の設計の自由度が高くなる。
ここで、実施例では、前記スライダ75に配設した第1伝達ギヤ78および第2伝達ギヤ80を一体的に回転するよう構成して、スライド部82(主可動体67)が下方移動および上方移動する際には、該スライド部82に対するスライダ75の移動および前記ガイド74に対するスライダ75の移動も同時に行われるようになっている。すなわち、主可動体67を、第1位置と第2位置との間でより早く移動することができる。
前記主可動体67における第2下動規制用突部82aがスライダ75の第2下動規制用ストッパ75gに当接して下方移動が規制された第2位置と、前記第1位置との間を移動する主可動体67の移動距離は、前記リール91から繰出し可能な索条体96の最大繰出し長さより短かく設定されている。すなわち、第1位置から落下した主可動体67の第2下動規制用突部82aがスライダ75の第2下動規制用ストッパ75gに受止められて下方移動が規制されたときに、リール91および主可動体67に対する索条体96の夫々の連結部に主可動体67の落下時の衝撃が加わることはなく、該連結部が破損等して主可動体67の作動不良が発生するのを防止することができる。
また、前記リール91から繰出される索条体96を、図22に示す如く、前記主可動体67における左側方から延出する連結片82cに連結し、該索条体96がスライダ75の第1規制壁110の外側を移動するよう構成すると共に、スライダ75に設けた第2規制壁111を該索条体96の前側に位置するよう構成したので、スライダ75の第1規制壁110および第2規制壁111によって索条体96がスライダ75とスライド部82との支持部側に移動するのを防ぐことができる。すなわち、主可動体67が第2位置に落下した際に索条体96に弛みが生じた場合であっても、該索条体96がスライダ75とスライド部82との支持部に引掛って動作が阻害されるのを防ぐことができる。また、第2規制壁111は、主可動体67に設けた案内板85と索条体96の移動経路との間に位置するよう構成してあるので(図24参照)、該案内板85に形成した長孔85aに沿って移動する第2従動可動体69の案内突部123b側(主可動体67に対する第2従動可動体69の支持部側)に索条体96が移動するの規制することができ、主可動体67や第2従動可動体69の動作が索条体96によって阻害されるのを防ぐことができる。このように、実施例では、前記リール91が自由回転して繰出される索条体96が、主可動体67の第2位置での移動停止に伴って弛みが生じたとしても、該索条体96がスライダ75とスライド部82の支持部や、主可動体67に対する第2従動可動体69の支持部等に変位するのを規制し得るので、自重によって複数の可動体67,68,69,70が勢いよく落下するインパクトのある演出を円滑に行うことができる。
前記リール91から繰出される索条体96を滑車104に掛けて案内するよう構成したので、索条体96が繰出される際に該索条体96が左右方向に大きくズレることはなく、主可動体67のスムーズな移動を図ることができる。また、図27に示す如く、滑車104における両鍔部105a,106aと規制部材109とによって、索条体96が挿通される挿通部108を画成しているので、主可動体67が第2位置に落下した際に索条体96が弛んだとしても、該索条体96が滑車104から外れるのを防止することができる。すなわち、滑車104から外れた索条体96が、滑車104と枢支部107との枢支部位に入り込んで円滑な巻取りや繰出しができなくなるのを防ぐことができる。更に、滑車104における第2鍔部106aの直径を第1鍔部105aの直径より小さく設定すると共に、第2鍔部106aの外側を径方向に延在する規制部材109の取付部109aの外周縁から軸方向に延出する規制片部109bの延出端を第1鍔部105aの内側面に近接するよう構成したので、規制片部109b(規制部材109)が滑車104の第1鍔部105aから径方向外方に突出する寸法を小さく抑えることができる。
ここで、前記主可動体67が第2位置に落下した際に索条体96に弛みが発生した場合は、索条体96における滑車104の円筒状部105bに掛けられている部分が鍔部105a,106aの内側面に沿って径方向外方に移動することが考えられる。この場合において、第2鍔部106aの内側面に沿って円筒状部105bから離れるように移動する索条体96が該第2鍔部106aの外周端を越えて外側に移動するのは、第2鍔部106aの径方向外方に位置する規制片部109bによって防ぐことができる。また、第2鍔部106aの外周端を索条体96が外側に越えようとしても、規制部材109における取付部109aが第2鍔部106aの外側を径方向に延在するように位置しているので、該取付部109aによって索条体96の移動を確実に防ぐことができる。
一方、前記第1鍔部105aの内側面に沿って円筒状部105bから離れるように移動する索条体96が該第1鍔部105aの外周端を越えて外側に移動するのは、該第1鍔部105aの内側面に延出端が近接位置する規制片部109bによって確実に防ぐことができる。すなわち、索条体96が挿通部108から抜けるのを防止することができ、滑車104による索条体96の安定した案内を図り得る。
ここで、前記リール91に設けたギヤ部93aに、前記保持部材94に配設した抵抗用ギヤ95を噛合させてリール91の回転に抵抗を付与し得るよう構成してあるので、前記主可動体67が第2位置で下方移動が規制された際にリール91が慣性によって必要以上に回転するのを抑制することができる。これにより、主可動体67が第2位置に至った以後におけるリール91の回転を規制して索条体96が必要以上に繰出されるのを防ぐことができると共に、リール91と滑車104との間に索条体96が屈曲した状態で入り込むのを防止し得る。
(可動演出装置66の落下演出を予告演出として用いる場合について)
前記第1および第2始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機として取得した入賞情報に基づいて第1変動パターンP1が決定された場合は、前記制御装置19は、大当り判定の結果に応じて、前記第1当り用実行判定テーブルT1または第1はずれ用実行判定テーブルT2を用いて、予告演出の実行判定を行う。すなわち、制御装置19は、大当り判定で肯定判定の場合は、取得した実行判定乱数の値を、第1当り用実行判定テーブルT1に設定されている実行判定値と比較して、予告演出を実行するか否かの判定と合わせて前記作動ギヤ87の待機位置の種類を決定する。また、大当り判定で否定判定の場合には、取得した実行判定乱数の値を、第1はずれ用実行判定テーブルT2に設定されている実行判定値と比較して、予告演出を実行するか否かの判定と合わせて前記作動ギヤ87の待機位置の種類を決定する。
前記予告演出の実行判定によって第1待機位置R1または第2待機位置R2が決定された場合は、前記制御装置19は、前記第1駆動モータ88を回転駆動制御して作動ギヤ87を第1待機位置R1または第2待機位置R2まで回転した後に第1駆動モータ88を停止して作動ギヤ87を該第1待機位置R1または第2待機位置R2に保持する(図26参照)。前記図柄表示装置18で図柄変動演出が実行されている状態で、予め設定された予告実行タイミングにおいて、制御装置19は前記操作ボタン16の操作を促す画像(示唆演出)を表示させると共に、操作ボタン16の操作を有効とする操作有効期間を設定する。操作有効期間内に操作ボタン16の操作信号が制御装置19に入力されると、該制御装置19は前記第1駆動モータ88を作動ギヤ87を第2方向に回転するように回転駆動制御する。これにより、前述したように作動ギヤ87に設けられた規制解除片87dが規制手段98の当接部101bに当接して、該規制手段98を規制位置から許容位置に変位させる。規制手段98における規制片101の延出端101aがリール91の凹部93dから離脱すると、該リール91は索条体96を介して加わる可動体群の荷重によって繰出方向に回転することで、可動体群が第1位置から第2位置へ落下して前記図柄表示装置18における表示部18aの前側に露出する。すなわち、遊技者は、操作ボタン16を操作したことによって可動体群が落下する演出が行われたことで、大当りに当選していることを期待して遊技を継続することができる。
前記第1変動パターンP1が決定された場合は、前記作動ギヤ87の待機位置として、前記操作ボタン16を操作してから可動体群が落下するまでの時間が異なる第1待機位置R1および第2待機位置R2が選択可能となっている。そして、実施例では、操作ボタン16を操作してから可動体群が落下するまでの時間の違いによって、大当りに当選している期待度が異なるように構成してあるので、操作ボタン16を操作してから可動体群が何時落下するのかに対する遊技者の関心を惹き付けることができ、遊技の興趣を向上し得る。
実施例のパチンコ機10では、操作ボタン16を操作してから可動体群が落下するタイミングを変えることができるので、バリエーション豊かな動作演出を行い得る。また、可動体群の落下タイミングは、作動ギヤ87の待機位置を変えるだけでよいので、作動ギヤ87の回転速度や回転開始タイミングを変える必要はなく、該作動ギヤ87を回転駆動する第1駆動モータ88の制御に係る負荷を軽減し得る。
(可動演出装置66の落下演出を昇格演出として用いる場合について)
次に、前記可動演出装置66による可動体群の落下演出を、昇格演出として用いる場合について説明する。
前記始動入賞口56a,57aへのパチンコ球の入賞を契機として取得された入賞情報に基づいて行われた大当り判定が肯定判定の場合で、該大当り判定に当選した際に決定された大当り図柄が確変付与図柄であった場合、前記制御装置19は、昇格演出を実行するか否かを抽選により決定する。そして、昇格演出の実行が決定された場合は、制御装置19は、前記第1駆動モータ88を回転駆動制御して、前記作動ギヤ87を第1待機位置R1まで回転して停止保持する。
大当り遊技が開始され、昇格演出を実行することが予め設定された所定回数目のラウンド遊技が開始されると、前記制御装置19は、前記操作ボタン16の操作を促す画像(示唆演出)を図柄表示装置18に表示させると共に、操作ボタン16の操作を有効とする操作有効期間を設定する。操作有効期間内に操作ボタン16の操作信号が制御装置19に入力されると、該制御装置19は前記第1駆動モータ88を作動ギヤ87を第2方向に回転するように回転駆動制御する。これにより、前述したように作動ギヤ87に設けられた規制解除片87dが規制手段98の当接部101bに当接して、該規制手段98を規制位置から許容位置に変位させることで前記リール91の回転規制が解除される。これにより、前記第1位置の可動体群が第2位置に落下し、該可動体群が図柄表示装置18における表示部18aの前側に露出することで(図3参照)、遊技者は大当り遊技後に確変状態が付与されることを認識することができる。
大当り遊技における1回のラウンド遊技の時間は、前述したように、前記特別入賞口58aへのパチンコ球の入賞状況によって変動するので、例えば作動ギヤ87の待機位置を第2待機位置R2とした場合に、前記操作ボタン16の操作により回転を開始した作動ギヤ87によりリール91の回転規制が解除される前に、昇格演出を実行することが決定されている回数目のラウンド遊技が終了してしまうおそれがある。しかるに、実施例では、昇格演出を実行する場合における作動ギヤ87の待機位置を、回転を開始してから規制手段98を許容位置に変位するまでの時間(回転量)が最も短かい第1待機位置R1に設定しているので、操作ボタン16を操作すると直ぐに可動体群が落下するので、予め設定されているラウンド遊技中に確実に昇格演出を実行し得る。すなわち、必要時に可動体群を適正に動作させることができる。
(別実施例について)
図31は、別実施例のパチンコ機10の可動演出装置66の要部を示す説明図であって、前述した実施例と異なる部分についてのみ説明し、同一部分には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
別実施例に係る可動演出装置66のリール91には、前記後円盤93の円筒状部93cに、周方向に離間して複数(図示例では3つ)の凹部(被係合部)126a,126b,126cが形成されている。図31は、前記作動ギヤ87を第1待機位置R1に保持した状態を示すものであって、凹部126a,126b,126cについて、図31において規制手段98における規制片(係合部)101の延出端101aが係合している凹部を第1凹部126aと指称すると共に、残りの2つの凹部について第1凹部126aから反時計方向(巻取方向)に順に第2凹部126bおよび第3凹部126cと指称するものとする。また、各凹部126a,126b,126cは、円筒状部93cの外周面から回転中心に向けて径方向に延在する係合面127と、該係合面127の回転中心側の縁部から繰出方向に向けて円筒状部93cの外周面まで斜めに延在する非係合面128とで形成されている。すなわち、前記規制手段98における規制片101の延出端101aが係合面127に係合している状態では、リール91の繰出方向への回転が規制されるのに対し、該リール91の巻取方向への回転は許容されるよう構成される。
また、別実施例のパチンコ機10では、前記制御装置19は、作動ギヤ87が一旦第2方向に回転して規制手段98を許容位置に変位させた後に、該作動ギヤ87が第1方向に回転して第1待機位置R1に戻る動作を繰り返すように、前記第1駆動モータ88を回転駆動制御するよう構成される。
すなわち、図31に示す状態において、前記作動ギヤ87の第2方向への回転によって規制手段98が許容位置に変位することで、前記リール91は繰出方向への回転が許容されて、前記可動体群は自重によって第1位置から落下する。このとき、作動ギヤ87が第1方向に回転して第1待機位置R1に戻ることで、規制手段98はコイルバネ102の付勢力によって規制位置に向けて付勢されるので、リール91の繰出方向への回転に伴って第2凹部126bが規制手段98(規制片101)との係合位置に到来すると、該第2凹部126bに規制手段98(規制片101)が係合してリール91の回転が規制される。これにより、可動体群の落下が停止される。そして、再び作動ギヤ87を第2方向に回転した後に第1待機位置R1に戻すように動作させると、第2凹部126bとの係合が解除された規制手段98(規制片101)に第3凹部126bが係合する位置までリール91が繰出方向に回転した後に回転規制されることで、再び可動体群の落下が停止される。再び作動ギヤ87を同様に動作させ、リール91の規制手段98による回転規制が解除されると、可動体群は第2位置まで落下する。
前記各凹部126a,126b,126cは、規制手段98(規制片101)と係合する係合面127に対して円筒状部93cの外周面まで斜めに延在している非係合面128を備えているので、リール91が巻取方向に回転する際には、規制手段98における規制片101の延出端101aは非係合面128に沿って円筒状部93cの外周面まで案内される。すなわち、可動体群を第2位置から第1位置まで上方移動させる際に、規制手段98(規制片101)が第3凹部126cや第2凹部126bに係合してリール91の巻取方向の回転が規制されることはなく、可動体群を第1位置まで移動させることができる。
別実施例のパチンコ機10では、前記リール91を所定回転角度毎に回転規制することで、可動体群を第1位置と第2位置との間において複数段階で停止させることができ、可動体群による動作演出の変化態様の幅を広げて興趣のある演出を行うことができる。また、別実施例のパチンコ機10によれば、前記規制手段98(規制片101)が第2凹部126bまたは第3凹部126cに係合して可動体群の落下が停止された位置から、作動ギヤ87を第1方向に回転するように第1駆動モータ88を回転駆動制御して可動体群を第2位置まで落下させることなく第1位置に戻す動作演出を行うことができる。すなわち、可動演出装置66の落下演出を予告演出として用いる場合に、前述したように落下タイミングを変えるだけでなく、可動体群の落下位置を変化させることで、大当りに当選している期待度が異なる予告演出を実行し得る。例えば、予告演出の実行判定テーブルに、作動ギヤ87の待機位置の項目とは別に、可動体群の複数種類の落下位置の項目を設定し、可動演出装置66による予告演出の実行判定に際して、作動ギヤ87の待機位置の種類や可動体群の落下位置の種類を抽選により決定するように構成すればよい。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、索条体が連結される主可動体に対して2つの従動可動体を支持するよう構成したが、従動可動体の数は1つであっても3つ以上であってもよい。また、従動可動体は必要に応じて設ければよく、主可動体を備えるものであればよい。
(2) 実施例では、主可動体を略鉛直方向に往復移動するよう構成したが、上下に高低差がある第1位置と第2位置との間で往復移動するものであれば、斜め方向に往復移動する構成を採用し得る。
(3) 実施例では、装置本体に配設したガイドと索条体が連結される主可動体のスライド部との間に1つのスライダをスライド自在に支持するよう構成したが、スライダの数を複数としてもよい。すなわち、複数のスライダを相互にスライド自在に支持するよう構成し、主可動体が移動する際に各スライダが相互にスライドして複数のスライダからなるスライダ群が伸縮する構成を採用し得る。
(4) 実施例では、ガイドおよびスライド部にラック部を設けると共に、各ラック部に噛合する案内ギヤをスライダに配設するよう構成したが、ガイドおよびスライド部の夫々に案内ギヤを配設すると共に、各案内ギヤに噛合するラック部をガイドおよびスライド部の夫々に設ける構成を採用し得る。
(5) 実施例では、上下方向に直線的に往復移動する主可動体に対して従動可動体を傾動するよう構成したが、従動可動体を装置本体に対して主可動体の往復移動方向に移動自在に支持する構成を採用して、該主可動体の往復移動に伴って従動可動体が主可動体と同一方向に直線的に往復移動する構成を採用し得る。
(6) 実施例では、主可動体を第1位置から自重によって第2位置に落下させ、第2位置の主可動体をリールに索条体を巻取ることで第1位置に移動するよう構成したが、第1位置の主可動体をバネ等の付勢手段により第2位置に向けて付勢しておき、リールの繰出方向への回転を規制する規制手段の規制状態を規制解除手段により解除した際に、主可動体を付勢手段の付勢力によって第2位置に移動させ、第2位置に移動した主可動体をリールに索条体を巻取ることで付勢手段の付勢力に抗して第1位置に移動する構成を採用し得る。この構成によれば、下方の第1位置から主可動体を付勢手段の付勢力によって勢いよく上方の第2位置まで移動することができ、インパクトのある演出ができる。
(7) 実施例では、主可動体に、第2従動可動体の案内部(長孔が設けられた案内板)のみを設けたが、該主可動体の移動に伴って移動する全ての従動可動体の案内部を主可動体に配設する構成を採用し得る。
(8) 実施例では、示唆演出として操作ボタンの画像を図柄表示装置に表示するようにしたが、示唆演出としてはボタン操作と関連なく、予告演出が行われる可能性があることを遊技者に示唆させる演出であれば、図柄表示装置にコメントを表示したり、特殊な画像を表示したり、あるいは特殊な効果音をスピーカから発生させるものであってもよい。
(9) 実施例では、作動ギヤ(回転体)が第2方向に回転を開始してから規制解除手段により規制手段を許容位置に変位させるまでの第1駆動モータ(回転駆動手段)の回転量が異なる待機位置を2種類設定したが、該待機位置は3種類以上であってもよい。
(10) 実施例では、操作ボタンを操作してから(示唆演出が実行されてから)可動体群が落下するまでの時間が長い方が大当りに当選している期待度が高くなるよう設定したが、操作ボタンを操作してから(示唆演出が実行されてから)可動体群が落下するまでの時間が短い方が大当りに当選している期待度が高くなるよう設定してもよい。
(11) 別実施例では、リールに3つの凹部(被係合部)を形成したが、凹部(被係合部)の数は2つまたは4つ以上であってもよい。
(12) 実施例では、枠状装飾部材に設けられた遊技領域形成部を、変更部を備える複数の構成部材で構成したが、構成部材は1つであってもよく、該構成部材の適宜の位置に変更部が設けられる構成を採用し得る。
(13) 実施例では、遊技領域形成部を構成する第2構成部材以外の複数の構成部材に、庇状部を部分的に構成する庇状部分を夫々設けたが、該庇状部分を省略することができる。例えば、枠状装飾部材における構成部材の配設位置に対応する部分に庇状部を該状装飾部材に一体的に設け、該庇状部の後縁に接続する遊技領域形成部分を取着盤部に配設する構成を採用し得る。
(14) 実施例では、枠状装飾部材に設けられた遊技領域形成部および上部装飾部品の後側に重なるように可動体群を位置させるように構成したが、遊技領域形成部の後側にのみ重なるように可動体群を位置させる構成を採用し得る。
(15) 実施例では、パチンコ機を構成する全ての装置を1つの制御装置によって制御するよう構成したが、機能の異なる装置を別々の制御装置によって制御する構成を採用し得る。また、パチンコ機の全体を制御するメイン制御手段と、該メイン制御手段からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御手段とを設け、該サブ制御手段が可動演出装置や図柄表示装置を制御する構成を採用し得る。すなわち、メイン制御手段に各種検出センサを接続して、該メイン制御手段に特定条件判定手段としての機能を備えさせると共に、サブ制御手段を可動演出装置や図柄表示装置に接続して、メイン制御手段からの制御信号に基づいて作動ギヤ(回転体)の待機位置を複数の中から決定する待機位置決定手段としての機能をサブ制御手段に備えさせることができる。
(16) 実施例では、遊技者に有利な有利状態として大当り遊技を挙げたが、これに限られるものではなく、通常の遊技状態での大当り確率より大当り確率が高くなる確変状態を有利状態としてもよい。
(17) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。なお、スロットマシンに実施例の可動演出装置を採用した場合は、遊技を開始させるスタートレバーのON検出が遊技開始条件の成立となる。