次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図3参照)を着脱可能に保持する本体枠(遊技機本体)としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤20には、表示演出を行う演出実行手段としての演出表示装置(図柄表示部、表示手段)17が配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板(図1では透明板を取り外した状態を示している)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠(前扉)としての前枠13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前枠13には、図1に示す如く、前記中枠12に配設された球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が下球受け皿15の右側方に設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて前記球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20の前面側に形成された後述する遊技領域21(図3参照)のうち、第1流下経路21a(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「左打ち」と、第2流下経路21b(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「右打ち」とを打ち分けできるようになっている。また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ19から適宜の音声を出力することで、演出表示装置17での表示演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、ランプ装置18およびスピーカ19は、演出表示装置17での表示演出に合わせた演出を実行可能な演出実行手段として機能している。
パチンコ機10における中枠12の後面側(遊技盤20の後面側)には、遊技を統括的に制御する主制御基板60(図2参照)が配設されている。そして、主制御基板60は、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)SE1〜SE8からの検出信号に基づいて、当該主制御基板60に備えられる主制御CPU60aが遊技に関する各種処理を実行し、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力するように構成されている。また、中枠12の後面側(遊技盤20の後面側)には、主制御基板60からの制御信号に基づいて演出(表示演出や発光演出、音声演出、動作演出)を統括的に制御する演出制御基板65(図2参照)と、演出制御基板65からの制御信号に基づいて、記憶手段に記憶する各種の画像データ(図柄、背景画像、文字、キャラクタ等の画像データ)をもとに演出表示装置17での表示内容を更新する表示制御基板70(図2参照)とが配設されている。すなわち、演出表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19や後述する可動演出装置90等の演出実行手段の動作は、主制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいた演出制御基板65の制御によってコントロールされるようになっている。
図2に示すように、主制御基板60は、遊技に関する制御処理を実行する主制御CPU60a、該主制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM60b、当該主制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な主制御RAM60c等を備えている。また、演出制御基板65は、演出に関する制御処理を実行する演出制御CPU65a、該演出制御CPU65aが実行する制御プログラムを記憶する演出制御ROM65b、当該演出制御CPU65aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な演出制御RAM65c等を備えている。更に、表示制御基板70は、演出に関する制御処理を実行する表示制御CPU70a、該表示制御CPU70aが実行する制御プログラムを記憶する表示制御ROM70b、当該表示制御CPU70aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な表示制御RAM70c等を備え、表示制御ROM70bには演出表示装置17での表示に関する画像データが記憶されている。
また図示しないが、前記中枠12の後面側には、球払出装置を駆動制御する払出制御基板、前記球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は前記主制御基板60に配線接続されており、該主制御基板60の主制御CPU60aからの賞球払出指令コマンド(制御信号)に基づいて前記球払出装置を制御することで、該賞球払出指令コマンドにより特定される賞球数に対応するパチンコ球を払い出すよう構成される。なお、主制御CPU60aは、賞球払い出しの契機(入賞)を検出した検出センサSE1〜SE6,SE8の種類と、払い出される賞球数とを特定し得る制御信号を、演出制御CPU65aに対して出力するよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板部材であって、該遊技盤20の後面には、前方に開口する箱状の設置部材45(図4〜図6参照)が取り付けられている。そして、遊技盤20の後面側で設置部材45の内側に画成される収容空間45aに、演出実行手段としての可動演出装置90(後述)や、立体的な装飾を形成する装飾部材47(図1および図3参照)等が収容されている。なお、演出表示装置17は、設置部材45における後壁45bの後面(設置部材45の後面)に配設され、該後壁45bを前後に貫通する表示用開口45cを通じて前面の表示画面17aが前方へ露出するようになっている。また、図示省略するが、主制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板70は、設置部材45の後面に配設される対応の基板ケース内に収容されている。なお、遊技盤20は、木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾したものであってもよい。
図3に示す如く、遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設され、球発射装置から発射されたパチンコ球が案内レール22により画成された誘導路22aを通過して、該案内レール22により画成された遊技領域21を流下し得るようになっている。遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技部品が前側から取り付けられている。そして、遊技領域21を流下するパチンコ球が、後述する入賞口31,32,41,51や球通過ゲート28のゲート口に入球(入賞)し得るよう構成されている。また遊技盤20の下部には、遊技領域21をその最下端まで流下したパチンコ球を遊技盤20の下方へ排出するアウト口25が開設されている。なお、誘導路22aの下端部と、後述する遊技情報表示器Mとは、図1に示すように、透明な保護板26によって前側から視認可能に覆われている。
図3に示すように、遊技盤20には、遊技領域21内に多数の遊技釘23が設けられている。すなわち、遊技領域21は、パチンコ球の流下方向を遊技釘23との接触により不規則に変化させるよう構成されている。この遊技領域21の略中央で開口する装着口には枠状装飾体27(後述)が取り付けられ、該枠状装飾体27を前後に貫通する表示窓口27aを介して前記演出表示装置17の表示画面17aが遊技盤20の前面側に臨んでいる。なお、枠状装飾体27の表示窓口27aからは、図1および図3に示すように、後述する可動演出装置90や装飾部材47が視認し得るようになっている。この枠状装飾体27は、遊技盤20の前面より前方に突出して表示装置17における表示画面17aの前方空間と遊技領域21とを区切る庇状部27bを備えている。庇状部27bは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部27b上で滞ることなく枠状装飾体27の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。これにより遊技領域21は、枠状装飾体27の左側を流下するパチンコ球の流路である第1流下経路21aと、枠状装飾体27の右側を流下するパチンコ球の流路である第2流下経路21bとに分かれており、前記球発射装置により遊技領域21内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1流下経路21aか或いは第2流下経路21bを流下するようになっている。また、遊技盤20の中央下部に開設された装着口には始動入賞装置30(後述)が取り付けられており、該始動入賞装置30が枠状装飾体27の下方に位置している。なお、始動入賞装置30は、案内レール22に沿うサイド装飾装置50と一体的に組み付けられて複合入賞ユニットNUを構成し、1つの装着口に配設されている。更に、遊技盤20の右下部に開設された装着口には特別入賞装置40(後述)が取り付けられており、該特別入賞装置40が枠状装飾体27の右下方に位置している。更にまた、遊技盤20の左右側端部に開設された装着口には球通過ゲート28が取り付けられており、該球通過ゲート28が枠状装飾体27の左右側方に位置している。
(始動入賞装置30について)
前記始動入賞装置30の上部(第1始動入賞部)には、常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口である第1始動入賞口31が設けられている。始動入賞装置30には、第1始動入賞口31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサSE1(図2参照)を備えている。第1始動入賞検出センサSE1は主制御基板60と電気的に接続されており、該第1始動入賞検出センサSE1によるパチンコ球の検出(第1の始動条件の成立)を契機として所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、主制御基板60(主制御CPU60a)は、第1始動入賞検出センサSE1によるパチンコ球の検出を契機として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を生起させるか否かの特図当り判定(大当り判定および小当り判定)を行うよう構成されている。そして、演出表示装置17の表示画面17aでは、第1始動入賞検出センサSE1による検出(始動入賞)を契機として、特図当り判定の結果を示す図柄変動演出(演出用の図柄としての飾図の変動表示を含む表示演出)が行われるようになっている。
また、前記始動入賞装置30の下部(第2始動入賞部)には、該始動入賞装置30に開閉可能に設けられた始動開閉部材33によって開口寸法が拡大・縮小される可変タイプの入賞口である第2始動入賞口32が設けられている。始動入賞装置30には、前記主制御基板60と電気的に接続された駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図2参照)が配設されており、この始動入賞ソレノイドSL1の駆動に伴って始動開閉部材33が、第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、第2始動入賞口32が開放位置にある場合は、当該第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が第1始動入賞口31への入賞よりも容易となり、第2始動入賞口32が閉成位置にある場合は、当該第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が第1始動入賞口31への入賞よりも困難または不可能となる。また、始動入賞装置30は、第2始動入賞口32に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサSE2(図2参照)を備えている。第2始動入賞検出センサSE2は、前記主制御基板60と電気的に接続されており、該第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出(第2の始動条件の成立)を契機として所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、主制御基板60(主制御CPU60a)は、第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出(始動入賞)を契機として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を生起させるか否かの特図当り判定(大当り判定および小当り判定)を行うよう構成されている。そして、演出表示装置17の表示画面17aでは、始動入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として、特図当り判定の結果を示す図柄変動演出が行われるようになっている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(特別入賞部)40は、大当り抽選の結果として大当りが発生した場合に特別入賞口41を開閉する特別開閉部材(開閉部材)43を備えている。特別開閉部材43は、駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(図2参照)に連係され、該特別入賞ソレノイドSL2を駆動することで、特別開閉部材43が特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を阻止する閉位置(閉鎖位置)と該特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を許容する開位置(開放位置)との間を移動するよう構成される。具体的に、特別開閉部材43は、特別入賞装置40の上面に開口する特別入賞口41の上側近傍で前後方向にスライド変位するものであり、閉位置で遊技盤20前面より前側に位置して上面がパチンコ球の転動面となり、開位置では遊技盤20前面より後側に前端が位置するよう構成されている。なお、特別入賞装置40は、特別開閉部材43により特別入賞口41を常には閉鎖する(入賞不能状態とする)よう構成され、後述する当り遊技状態(大当り遊技状態や小当り遊技状態)の発生に伴って特別入賞口41を開放する(入賞可能状態とする)よう構成されている。すなわち、特別入賞装置40は、特定の遊技状態(当り遊技状態)で開放可能な入賞装置として機能する。なお、実施例では、大当り遊技状態中の所定のタイミング(後述する特定ラウンドとして定められた規定回数目のラウンド遊技)で特別入賞口41を開放する(入賞可能状態とする)よう構成されている。
図3に示す如く、前記特別入賞装置40の内部には、該特別入賞口41に連通する入賞通路41aと、該入賞通路41aから分岐する特定入球通路(特定の入球領域)41bとが設けられ、特別入賞口41に入賞したパチンコ球が特定入球通路41bに入球し得るように構成されている。また、特別入賞装置40には、特定入球通路41bへ向けたパチンコ球の移動を阻害する第1姿勢および許容する第2姿勢に変位可能な案内体(可変部材)41cが特別入賞口41の内部に設けられており、当該特別入賞装置40に配設された駆動手段としての切替えソレノイドSL3(図2参照)によって当該案内体41cを第1姿勢および第2姿勢に変位させるよう構成されている。前記案内体41cは、第1姿勢にある場合に、特定入球通路41bの球入口を閉鎖すると同時に、入賞通路41aを開放する。一方、第2姿勢にある場合には、特定入球通路41bの球入口を開放すると同時に、入賞通路41aを途中位置で塞ぎ、入賞通路41aを流下して当該案内体41cに接触したパチンコ球が特定入球通路41bに向かうように位置する。ここで、前記特別入賞装置40は、常には案内体41cが第1姿勢に保持されており、切替えソレノイドSL3が大当り遊技状態中に駆動制御されることで、案内体41cが大当り遊技状態中に第2姿勢に変位するようになっている。
前記特別入賞装置40は、図3に示す如く、前記入賞通路41aにおける特定入球通路41bの分岐位置より上流側に、該入賞通路41aを通過するパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE3が配設されている。また特別入賞装置40には、特定入球通路41bを通過するパチンコ球を検出する特定領域通過検出センサSE5が設けられている。特別入賞検出センサSE3および特定領域通過検出センサSE5は、前記主制御基板60と電気的に接続されており(図3参照)、特別入賞検出センサSE3および特定領域通過検出センサSE5がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御基板60(主制御CPU60a)に出力するよう構成される。そして、特別入賞検出センサSE3からの検出信号の入力に基づいて、主制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例1では10個)の賞球が払い出されるようになっている。
なお、実施例の案内体41cは、後述する大当り遊技状態および小当り遊技状態の種類に関係なく共通の変位パターン(後述)に応じて主制御基板60(主制御CPU60a)が駆動制御することで、第1姿勢から第2姿勢へと変位して第1姿勢に復帰するタイミングが一定に定められている。但し、主制御基板60(主制御CPU60a)は、変位パターンに応じた案内体41cの駆動制御の途中に所定の作動終了条件が成立した場合、その駆動制御を終了(中止)するよう制御を行う。
(球通過ゲート28について)
前記球通過ゲート28は、該球通過ゲート28のゲート口を通過するパチンコ球を検出する球通過検出センサSE7が設けられている。この球通過検出センサSE7は、前記主制御基板60と電気的に接続されており(図2参照)、該球通過検出センサSE7から主制御基板60(主制御CPU60a)への球検出信号の入力(すなわち球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて始動開閉部材33が開閉動作するようになっている。
(サイド装飾装置50について)
前記サイド装飾装置50には、3つの普通入賞口51が設けられている。普通入賞口51は、前記遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。パチンコ機10は、普通入賞口51に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサSE8を備えている。普通入賞検出センサSE8は、前記主制御基板60と電気的に接続されており(図2参照)、普通入賞検出センサSE8がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御基板60(主制御CPU60a)に出力し、該主制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例では10個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、普通入賞検出センサSE8は、複数の普通入賞口51に対応して複数設けられているが、図2では1つのみ図示している。
ここで、遊技盤20に設けられた図柄表示用の表示手段(遊技情報表示器Mおよび演出表示装置17)について説明する。
(遊技情報表示器Mについて)
図2および図3に示すように、遊技盤20には、各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示器Mが配設されている。遊技情報表示器Mは、複数の表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgを備えると共に、主制御基板60の主制御CPU60aと電気的に接続され、主制御CPU60aによって表示内容(発光態様)が制御されるようになっている。遊技情報表示器Mは、遊技盤20の前面における遊技領域21外の位置(実施例では、遊技領域21の左下方)に配設されることで、前記演出表示装置17で実行される演出に注目している遊技者にとって妨げにならないように構成されている。また、遊技情報表示器Mは、1つの表示ユニットとして演出表示装置17よりも表示領域が小さく構成されており、各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgに表示される情報(遊技情報)をまとめて確認することが容易となっている。なお、実施例の遊技情報表示器Mは、各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgが個別に点灯制御可能な複数のLEDからなる発光表示部で構成されているが、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(特図表示部Ma,Mbについて)
遊技情報表示器Mには、始動入賞(始動入賞口31,32への入賞)を契機として行われる特図当り判定(大当り判定、小当り判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(図柄表示部)Ma,Mbが設けられている(図3参照)。特図表示部Ma,Mbとしては、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示(図柄変動)を開始した後に最終的に複数種類の図柄(特別図柄)の内の1つを停止表示(確定表示)する複数のLED(実施例では4個)から構成された発光表示部としての第1特図表示部Maと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示(図柄変動)を開始した後に最終的に複数種類の特別図柄(以下、「特図」という)の内の1つを停止表示(確定表示)する複数のLED(実施例では4個)から構成された発光表示部としての第2特図表示部Mbとの2種類が設けられている。なお、第1および第2特図表示部Ma,Mbに停止表示される特図としては、大当り遊技状態が付与されることを認識し得る大当り図柄(当り図柄)としての複数種類の特図と、小当り遊技状態が付与されることを認識し得る小当り図柄(当り図柄)としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ図柄としての1種類の特図とが、各特図表示部Ma,Mbに対応して夫々設定されている。なお、以下の説明では、第1特図表示部Maで行われる特図変動表示(図柄変動)を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部Maに停止表示(確定表示)される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示(図柄変動)を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部Mbに停止表示(確定表示)される特図を特図2と称する場合がある。
特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示の変動時間および停止表示する特図の種類は、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出を契機として主制御CPU60aに取得される始動入賞情報(取得した乱数の値)に基づいて決定される。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技状態や小当り遊技状態を付与するか否かの決定(特図当り判定)に用いる特図当り判定用乱数の値と、特図(特図1や特図2)のうち当り図柄(大当り図柄や小当り図柄)の決定に用いる特図決定用乱数の値と、特図変動表示の変動時間の決定や図柄変動演出における演出種類の決定に用いる特図変動パターン振分用乱数の値とを、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60の主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに記憶した特図当り判定用乱数の値に応じて特図当り判定(大当り判定および小当り判定)を行う。この特図当り判定において主制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果となった場合に、特図決定用乱数の値に応じて大当り図柄としての特図を決定する。また、特図当り判定では、大当り判定がはずれの判定結果となり、小当り判定が当りの判定結果となった場合に、大当り図柄用判定値の値に応じて小当り図柄としての特図を決定する。一方、大当り判定および小当り判定の各判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する特図としてはずれを示す1種類の特図を決定する。
ここで、主制御ROM60bには、特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図の決定に関する複数種類の判定値が記憶されている。具体的に、主制御ROM60bには、大当り判定で用いる判定値として、前記特図当り判定用乱数の値のうち大当り遊技状態を生起させることに対応する値を特定するための大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、特図当り判定用乱数の値が取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数(実施例では205個)の判定値が定められている。すなわち、特図表示部Ma,Mbに停止表示される特図が大当り図柄となる確率(大当り確率)は、約1/319.69に設定されている。また、主制御ROM60bには、第1始動入賞口31に対する始動入賞を契機とした小当り判定で用いる判定値として、特図当り判定用乱数の値のうち小当り遊技状態を生起させることに対応する値を特定するための第1の小当り判定値が記憶されている。第1の小当り判定値は、特図当り判定用乱数の値が取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数(実施例では414個)の判定値が定められている。すなわち、第1特図表示部Maに停止表示される特図1が小当り図柄となる確率(特図1の小当り確率)は、約1/158.30に設定されている。更に、主制御ROM60bには、第2始動入賞口32に対する始動入賞を契機とした小当り判定で用いる判定値として、特図当り判定用乱数の値のうち小当り遊技状態を生起させることに対応する値を特定するための第2の小当り判定値が記憶されている。第2の小当り判定値は、特図当り判定用乱数の値が取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数(実施例では7473個)の判定値が定められている。すなわち、第2特図表示部Mbに停止表示される特図2が小当り図柄となる確率(特図2の小当り確率)は、約1/8.77に設定されている。
また、主制御ROM60bには、特図としての大当り図柄や小当り図柄の種類を決定する特図決定処理で用いる判定値として大当り図柄用判定値および小当り図柄用判定値が記憶されている。そして、主制御CPU60aは、前記特図決定用乱数の値に対応する大当り図柄用判定値や小当り図柄用判定値に応じて、特図表示部Ma,Mbに停止表示する大当り図柄または小当り図柄を決定すると共に、大当り遊技状態の種類または小当り遊技状態の種類を大当り図柄または小当り図柄に応じて決定するようになっている。
更に、主制御CPU60aは、特図表示部Ma,Mbで実行する特図変動表示の変動時間を特定するための特図変動パターンを、特図当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果と、該特図当り判定の結果に応じて決定された特図と、前記特図変動パターン振分用乱数の値とに応じて、複数種類のうちから決定するようになっている。なお、特図変動パターンは、演出表示装置17で実行する図柄変動演出の変動時間および演出種類を特定する情報を含んでおり、主制御CPU60aは、決定した特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンド(制御信号)を演出制御CPU65aに対し適宜のタイミング(実施例では図柄変動演出の開始タイミング)で出力する。これにより演出制御CPU65aは、特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示に対応して行う図柄変動演出の詳細な内容(演出パターン)を主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドに応じて決定し、該図柄変動演出やこれに合わせた発光・音声・動作演出を行うべく各種演出実行手段17,18,19,90の制御を実行する。
(特図保留表示部Mc,Mdについて)
特図保留表示部Mc,Mdは、始動入賞が生じた際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には、主制御基板60に備えられた主制御RAM60c)に始動保留情報(特図保留情報)として記憶する場合に、当該始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記特図保留表示部Mc,Mdは、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第1始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部Mcと、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第2始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部Mdとからなり、各特図保留表示部Mc,Mdの何れも複数個の発光表示部により構成されている。この第1始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から構成された発光表示部としての第1特図保留表示部Mcが設けられると共に、該第2始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から構成された発光表示部としての第2特図保留表示部Mdが設けられている。すなわち、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdの表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、第1特図保留表示部Mcで表示される第1始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、第2特図保留表示部Mdで表示される第2始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。
(普図表示部Meについて)
遊技情報表示器Mには、球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出(ゲート口(作動口)へのパチンコ球の通過)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(普通図柄)の内の1つを停止表示(確定表示)する複数のLED(実施例では2個)から構成された発光表示部としての普図表示部Meが設けられている。なお、普図表示部Meに停止表示される普通図柄(以下、「普図」という)としては、普図当り遊技状態が付与されることを認識し得る当り図柄としての複数種類の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されている。
なお、主制御CPU60aは、作動入球情報としての複数種類の乱数の値を球通過検出センサSE7によるパチンコ球の検出を契機として取得すると共に、普図表示部Meでの普図変動表示の変動時間および停止表示する普図の種類を作動入球情報(取得した乱数の値)に基づいて決定するよう構成されている。具体的に、主制御CPU60aは、普図当り遊技状態を付与するか否かの決定(普図当り判定)に用いる普図当り判定用乱数の値と、普図としての当り図柄の決定に用いる普図決定用乱数の値と、普図変動表示の変動時間の決定に用いる普図変動パターン振分用乱数の値とを、球通過検出センサSE7によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した普図当り判定用乱数の値に応じて普図当り判定を行い、この普図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する普図としてはずれを示す1種類の普図を決定する。また、普図当り判定が当りの判定結果となった場合には、普図決定用乱数の値に応じて当り図柄としての普図を決定する。更に、普図変動パターン振分用乱数の値に応じて普図変動表示の変動時間を特定する普図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
(普図保留表示部Mfについて)
普図保留表示部Mfは、球通過ゲート28をパチンコ球が通過した際に取得される作動入球情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には主制御RAM60c)に作動保留情報(普図保留情報)として記憶する場合に、当該作動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、普図保留表示部Mfは、図3に示すように、複数のLED(実施例では2個)により構成された発光表示部であり、該普図保留表示部Mfの表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。普図保留表示部Mfで表示される作動保留記憶数は、球通過ゲート28をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、作動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで作動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(状態表示部Mgについて)
表示部Mgは、パチンコ機10における現在の遊技状態が複数種類のうち何れであるかを判別可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では2個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10は、後述する複数種類の遊技状態を生起し得ることから、表示部MgのLEDが異なった点灯パターン(点灯位置、点灯数、点灯色等)で点灯することで、各遊技状態が生起されていることを夫々報知するようになっている。
(演出表示装置17について)
図2に示すように、演出表示装置17は、表示制御基板70と電気的に接続され、表示制御基板70の制御によって表示内容が更新されるようになっている。なお表示制御基板70は、演出制御基板65の演出制御CPU65aが決定した演出パターンに応じて出力する演出パターン指定コマンド等の制御信号に基づいて、演出表示装置17に表示される図柄変動演出等の表示演出の内容を制御するよう構成されている。演出表示装置17の表示画面17aには、演出用の図柄である飾図を変動表示する図柄変動領域として複数(左図柄変動領域、中図柄変動領域および右図柄変動領域の3つ)が設定されており、始動入賞(始動入賞口31,32への入賞)を契機として、各図柄変動領域の飾図が変動表示されるようになっている。そして、各図柄変動領域に定められた有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに停止表示(確定表示)される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。演出表示装置17では、飾図(図柄)の変動表示(図柄変動)が開始された後、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間の経過後に所定の飾図(図柄)が有効停止位置に停止表示(確定表示)される。また、飾図の変動表示に合わせて各種の表示演出が行われる。すなわち、演出表示装置17で行われる図柄変動演出(図柄変動)は、飾図の変動時間において演出表示装置17に表示される表示演出(飾図の変動表示を含む)である。
なお、図柄変動演出では、変動時間の経過目に各図柄変動領域の有効停止位置で飾図が仮停止表示され、その後に変動時間が経過して各飾図が停止表示(確定表示)される。ここで、「仮停止表示」とは、飾図を有効停止位置で変動表示する状態であり、この場合の「変動表示」には、飾図が揺れるような表示態様や、飾図の色彩が変化するような表示態様が含まれる。一方、「停止表示(確定表示)」とは、飾図を有効停止位置で固定的に表示する状態をいう。ここで、第1特図表示部Maと演出表示装置17とでは、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図1と飾図とが同時に停止表示(確定表示)される。同様に、第2特図表示部Mbと演出表示装置17とでは、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図2と飾図とが同時に停止表示(確定表示)される。
また、前記図柄演出表示装置17には、第1特図表示部Maおよび第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示の結果として表示される特図(大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄)に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。なお、実施例では、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一になっておらず、特図としての複数種類の大当り図柄に対し飾図の図柄組み合わせが共通する複数の中から選択され、特図としての複数種類の小当り図柄に対し飾図の図柄組み合わせが共通する複数の中から選択され、特図としての1種類のはずれ図柄に対し飾図の図柄組み合わせが共通する複数の中から選択されるようになっている。
ここで、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄変動領域の有効停止位置に同じ飾図が停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当り遊技状態の発生を認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示装置17において前述した特図表示部Ma,Mbに表示される大当り図柄に対応して表示される大当り表示(大当りの図柄組み合わせ)となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技状態が付与される。また、演出表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄変動領域の有効停止位置の何れか(例えば中図柄変動領域の有効停止位置)に特殊飾図が停止表示されることで、所定の小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この小当り遊技状態の発生を認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示装置17において前述した特図表示部Ma,Mbに表示される小当り図柄に対応して表示される小当り表示(小当りの図柄組み合わせ)となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な小当り遊技状態が付与される。一方で、大当り表示および小当り表示とは異なる飾図の図柄組み合わせが、図柄演出表示装置17のはずれ表示(はずれの図柄組み合わせ)となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄変動領域の内で、特定の図柄変動領域(例えば、左図柄変動領域および右図柄変動領域)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄変動領域(例えば、中図柄変動領域)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄変動領域および右図柄変動領域に同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄変動領域の飾図は、仮停止表示とされ、残りの図柄変動領域に飾図が仮停止表示された後に、全ての図柄変動領域の飾図が停止表示(確定表示)されるようになっている。
(パチンコ機10の遊技状態について)
実施例のパチンコ機10は、主制御CPU60aによる制御に応じて複数種類の遊技状態を生起し得るよう構成されている。そこで以下、パチンコ機10が生起可能な遊技状態である有利遊技状態、大当り遊技状態および小当り遊技状態について説明する。なお、以下の説明において、有利遊技状態、大当り遊技状態および小当り遊技状態が何れも生起されていない遊技状態を「通常遊技状態」と称することがある。
(有利遊技状態について)
主制御CPU60aは、通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態(特典遊技状態)を大当り遊技状態の終了後に生起し得るよう構成されている。ここで、有利遊技状態は、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が通常遊技状態と較べて増加する入賞率向上状態(始動入賞容易状態)である。具体的に、入賞率向上状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができ、上記(1)〜(3)のうち何れかを単独で採用するか、または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、始動開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。また、実施例では、入賞率向上状態を、変短状態と称すると共に、上記(1)〜(3)の全てを採用することで第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加させる状態とする。この他、以下の記載では理解容易のため、通常遊技状態(すなわち、変短状態が付与されていない遊技状態のうち大当り遊技状態および小当り遊技状態を除く遊技状態)のことを「非変短状態」と称することがある。
主制御CPU60aは、当り図柄(大当り図柄および小当り図柄)の種類と、特図当り判定(大当り判定または小当り判定)が当りとなった時点での遊技状態とに応じて、変短状態を生起させる特図変動表示(図柄変動演出)の変動回数(以下、変短回数という)を決定するよう構成されている。すなわち、主制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果となった場合に、該大当り判定の判定結果に応じて決定された大当り図柄の種類と、該大当り判定が実行される時点での遊技状態とに基づいて、大当り遊技状態の終了後の変短回数を決定する。また主制御CPU60aは、小当り判定が当りの判定結果となったことに応じて小当り遊技状態を生起させ、かつこの小当り遊技状態において大当り遊技状態に発展する契機(具体的には、前記特定領域へのパチンコ球の通過)が生じた場合に、該小当り判定の判定結果に応じて決定された小当り図柄の種類と、該小当り判定が実行される時点での遊技状態とに基づいて、小当り遊技状態から発展した大当り遊技状態の終了後の変短回数を決定するよう構成されている。但し、実施例では、主制御ROM60b(記憶手段)に変短回数が1種類(77回)のみ記憶されており、主制御CPU60aは、当り図柄(大当り図柄および小当り図柄)の種類が何れであるか、および特図当り判定(大当り判定または小当り判定)が当りとなった時点での遊技状態が何れであるかに関わらず、変短回数を同一(77回)に決定するようになっている。
ここで、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了後における特図変動表示の実行回数(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計変動回数)を計数するよう構成されている(特別図柄変動計数手段としての機能を有している)。そして、主制御CPU60aは、特図変動表示の合計変動回数に対応する計数値を主制御RAM60cに記憶すると共に、該計数値が所定回数(変短回数である77回)に達したことに応じて変短状態を終了させるように構成されている。また、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了後における特図変動表示の合計変動回数(計数値)が変短回数に達する前に大当り遊技状態を生起させる場合に、該合計変動回数の計数を中止して変短状態を終了させるように構成されている。すなわち、変短状態は、大当り遊技状態の終了後における最初の特図変動表示の開始タイミングで開始条件が成立すると共に、変短回数に対応する所定回数(77回)の特図変動表示(図柄変動)が終了するか、または該所定回数の特図変動表示が終了する前に大当り遊技状態が生起されることに応じて、終了条件が成立する。なお、主制御CPU60aは、変態状態の開始条件が成立した場合に、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの値を「0」から「1」に変更すると共に、変短状態の終了条件が成立した場合に、変短フラグの値を「1」から「0」に変更することで、遊技状態が変短状態であるか否かを変短フラグの値により主制御RAM60cに記憶するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、変短フラグを「0」から「1」に変更する場合に、変短状態の開始を示す変短開始コマンドを演出制御CPU65aに出力すると共に、変短フラグを「1」から「0」に変更する場合に、変短状態の終了を示す変短終了コマンドを演出制御CPU65aに出力するよう構成されている。
なお、前記所定回数(変短回数)の特図変動表示が終了する前に新たに大当り遊技状態が生起された場合には、新たに生起された大当り遊技状態の終了後に再び変短状態が生起され、特図変動表示の合計変動回数の計数が新たに開始される。一方、前記所定回数の特図変動表示が終了する前に小当り遊技状態が生起されたとしても特図変動表示の合計変動回数の計数は継続される。すなわち、小当り遊技状態が生起されることのみを条件として該変短状態が終了されることはない。
(大当り遊技状態について)
主制御CPU60aは、始動入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出)を契機として、特別入賞口41へのパチンコ球の入賞が可能な大当り遊技状態(大当り)を生起可能に構成されている。大当り遊技状態は、始動入賞を契機とする特図変動表示の結果として大当り図柄に対応する特図が特図表示部Ma,Mbに停止表示された後に、主制御CPU60aにより生起される。この大当り遊技状態では、特別入賞装置40の特別開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では9回または16回)だけ実行するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定入賞個数(実施例では9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定のラウンド遊技時間(実施例では25000ms)が経過することで終了する。また大当り遊技状態は、複数回のラウンド遊技の他に、最初のラウンド遊技の直前期間であって大当り遊技状態の開始を示すオープニング演出が実行されるオープニング期間と、最後のラウンド遊技の終了後期間であって大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出が実行されるエンディング期間と、特別開閉部材43が閉鎖状態となる期間であって各ラウンド遊技の間や最終回目のラウンド遊技とエンディング期間との間に設定されるインターバル期間とを含んでいる。
ここで、主制御ROM60b(記憶手段)には、大当り遊技状態の各ラウンド遊技における特別開閉部材43の開閉動作パターンとして1種類が記憶され、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の種類や何回目のラウンド遊技であるか等に関わらず、各ラウンド遊技において1種類の開閉動作パターンに応じて特別入賞ソレノイドSL2を駆動状態(励磁状態)とすることで特別開閉部材43を開放させるように構成されている(図10参照)。なお、実施例において1種類の開閉動作パターンは、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において前記規定入賞個数(9個)のパチンコ球が入賞可能な時間(実施例では、ラウンド遊技時間と同じ25000ms)に亘って開放を継続し得ることを示す時間情報により構成されている。
主制御CPU60aは、大当り判定が当りとなったことを契機として、遊技者に対する価値の異なる複数種類の大当り遊技状態の中から1つの大当り遊技状態を決定し、その決定した大当り遊技状態を生起させる。ここで、主制御CPU60aは、ラウンド遊技の実行回数である規定ラウンド数(9回または16回)の相違により、複数種類(実施例では2種類)の大当り遊技状態を生起可能とされている。すなわち、主制御CPU60aは、規定ラウンド数が9回の大当り遊技状態である9ラウンド大当りと、規定ラウンド数が16回である16ラウンド大当りとを生起可能に構成されている。
ここで、主制御CPU60aは、小当り判定が当りとなったことに応じて生起させた小当り遊技状態において特別入賞口41に入賞したパチンコ球が前記特定領域を通過したこと(特定領域通過検出センサSE6により検出されたこと)を契機として、当該小当り遊技状態を大当り遊技状態に発展させるようになっている。この場合に、前記特定領域への通過を契機として発展した大当り遊技状態(16ラウンド大当りまたは9ラウンド大当り)は、前記特定領域へのパチンコ球の通過が生じた小当り遊技状態が1回目のラウンド遊技としてカウントされ、以降、ラウンド遊技の実行回数が2回目からカウントされる。このため、小当り遊技状態は、パチンコ球を特別入賞口41に入賞させて該パチンコ球の前記特定領域へのパチンコ球の通過(大当り遊技状態に発展する契機の獲得)を狙うことが可能な「契機獲得遊技状態」と言い換えることができ、また、該小当り遊技状態での前記特定領域へのパチンコ球の通過を契機とする大当り遊技状態における2回目のラウンド遊技の開始以降の期間は、各ラウンド遊技において特別入賞口41への規定入賞数のパチンコ球の入賞に伴う賞球払い出しによる利益の獲得を狙うことが可能な「利益獲得遊技状態」と言い換えることができる。なお、前記特定領域へのパチンコ球の通過を契機とする大当り遊技状態を16ラウンド大当りおよび9ラウンド大当りの何れとするかは、小当り判定が当りとなった場合に決定される小当り図柄の種類に応じて決定される。
(小当り遊技状態について)
主制御CPU60aは、始動入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出)を契機として、特別入賞口41へのパチンコ球の入賞が可能な小当り遊技状態(契機獲得遊技状態)を生起可能に構成されている。主制御CPU60aは、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機とする特図変動表示の結果として小当り図柄に対応する特図が特図表示部Ma,Mbに停止表示された後に、小当り遊技状態(小当り)を生起させる。
小当り遊技状態は、特別入賞口41の開放状態が生起されると共に小当り演出が実行される本期間と、この本期間の直前期間であって小当り遊技状態の開始を示すオープニング演出が実行されるオープニング期間と、本期間の直後期間であって小当り遊技状態の終了を示すエンディング演出が実行されるエンディング期間とに区分可能であり、主制御ROM60bには、オープニング期間、本期間およびエンディング期間に対応する時間情報が記憶されている。そして、主制御CPU60aが、主制御ROM60bに記憶された時間情報に基づいて小当り遊技状態を生起させるようになっている。小当り遊技状態における本期間では、主制御CPU60aが特別入賞ソレノイドSL2を所定の開放動作パターンに応じて駆動することで特別開閉部材43が一時的に開放され、これにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞が可能になる。そして、特別入賞口41に入賞したパチンコ球が前記特定領域および前記排出領域の何れかを通過するようになっている。
主制御ROM60bには、小当り遊技状態における特別開閉部材43の開放タイミングおよび閉鎖タイミングを特定する開放動作パターンが複数種類(実施例では2種類)記憶されている。特別開閉部材43の開放動作パターンとしては具体的に、特別開閉部材43が開放動作を1回行う第1開放動作パターンと、特別開閉部材43が開放動作を2回行う第2開放動作パターンとが設定されている。そして、特別開閉部材43が第1開放動作パターンにより動作する場合と第2開放動作パターンにより動作する場合とでは、小当り遊技状態において前記特定領域をパチンコ球が通過する確率が異なるようになっている(特別開閉部材43が第2開放動作パターンにより動作する場合の方が、第1開放動作パターンにより動作する場合よりもパチンコ球が特定領域を通過する確率が高くなるよう設定されている)。
すなわち、実施例の主制御CPU60aは、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として、特別入賞口41へのパチンコ球の入賞が可能な小当り遊技状態(契機獲得遊技状態)を特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に生起させる第1生起手段として機能している。また、実施例の主制御CPU60aは、小当り遊技状態における特定領域(特定領域通過検出センサSE5の検出位置)へのパチンコ球の通過を契機として、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技(利益獲得遊技状態)を生起させる第2生起手段として機能している。更に、実施例の主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了後における所定回数(変短回数)の特図変動表示(図柄変動演出)が行われる期間に亘って、通常遊技状態よりも有利な変短状態(有利遊技状態)を生起させる第3生起手段として機能している。
(演出制御について)
次に、パチンコ機10における演出制御について説明する。前記演出制御基板65に備えられる演出制御CPU65aは、主制御CPU60aから出力される各種の制御信号(制御コマンド)に基づいて該主制御CPU60aの制御状態に関する情報を得ると共に、該主制御CPU60aの制御状態に合わせて演出を決定・実行するよう構成されている。ここで、演出制御CPU65aは、特図変動表示の開始タイミングで主制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドを入力することにより、図柄変動演出の大まかな種類(変動時間等)と、該図柄変動演出の開始タイミングと、該図柄変動演出の結果に対応する特図の種類とを特定する。そして、図柄変動演出の具体的な演出内容(演出パターン)を演出制御ROM65bに記憶される複数種類のうちから決定し、決定した演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを表示制御CPU70aに出力して演出表示装置17での図柄変動演出を開始させる。また、特図変動表示の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される確定コマンドを入力することにより、実行中の図柄変動演出の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の図柄変動演出の終了を指示する制御信号を表示制御基板70に出力する。
小当り遊技状態に関して演出制御CPU65aは、小当り遊技状態におけるオープニング期間の開始タイミングで主制御CPU60aから出力される小当り開始コマンドを入力することにより、小当り遊技状態の開始タイミングを特定すると共に、特図(小当り図柄)に応じて小当り演出(オープニング演出、本演出およびエンディング演出)の演出内容(小当り演出パターン)を演出制御ROM65bに記憶される複数種類のうちから決定し、決定した小当り演出に対応する小当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力して演出表示装置17での小当り演出を開始させる。また、小当り遊技状態におけるエンディング期間の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される小当り終了コマンドを入力することにより、実行中の小当り演出(エンディング演出)の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の小当り演出(エンディング演出)の終了を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。更に、演出制御CPU65aは、小当り遊技状態における本期間の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される本期間終了コマンドを入力することにより、実行中の本演出の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の本演出の終了を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。更にまた、演出制御CPU65aは、小当り遊技状態中(本期間中)における特定領域通過検出センサSE5による検出(前記特定領域へのパチンコ球の通過)が発生した場合に主制御CPU60aから出力される特定領域通過コマンドを入力することにより、当該小当り遊技状態が大当り遊技状態に発展すること(小当り遊技状態を1回目のラウンド遊技として2回目以降のラウンド遊技に継続すること)を特定する。
大当り遊技状態に関して演出制御CPU65aは、大当り遊技状態におけるオープニング期間の開始タイミングで主制御CPU60aから出力される大当り開始コマンドを入力することにより、大当り遊技状態の開始タイミングを特定すると共に、特図(大当り図柄)に応じて大当り演出(オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出およびエンディング演出)の演出内容(大当り演出パターン)を演出制御ROM65bに記憶される複数種類のうちから決定し、決定した大当り演出に対応する大当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力して演出表示装置17での大当り演出を開始させる。また、大当り遊技状態におけるエンディング期間の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される大当り終了コマンドを入力することにより、実行中の大当り演出(エンディング演出)の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の図柄変動演出の終了を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。更に、演出制御CPU65aは、特別入賞口41の開放タイミングで主制御CPU60aから出力される開放コマンドを入力することによりラウンド遊技の開始タイミングを特定してラウンド演出の開始を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力すると共に、該開放コマンドの種類に応じて何回目のラウンド遊技であるかを特定する。更にまた、特別入賞口41の閉鎖タイミングで主制御CPU60aから出力される閉鎖コマンドを入力することにより、ラウンド遊技の終了およびインターバル期間の開始を特定すると共に、対応するインターバル演出の開始を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。
また、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの変短開始コマンドを入力した場合に、演出制御RAM65cに記憶されるサブ変短フラグの値を「0」から「1」に変更すると共に、主制御CPU60aからの変短終了コマンドを入力した場合に、サブ変短フラグの値を「1」から「0」に変更することで、遊技状態が変短状態であるか否かをサブ変短フラグの値により記憶するよう構成されている。これに加え、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後、サブ変短フラグの値を「1」とする状態における特図変動パターン指定コマンド(主制御CPU60aからの特定の制御信号)の入力回数に応じて、変短状態における図柄変動演出(特図変動表示)の合計変動回数を計数するよう構成されている(飾図変動計数手段としての機能を有している)。そして、演出制御CPU65aは、前記合計変動回数に対応する計数値を演出制御RAM65cに記憶するようになっている。
(可動演出装置90の動作演出について)
ここで、演出制御CPU65aは、演出実行手段としての可動演出装置90を演出実行条件の成立に基づいて駆動制御することで、該可動演出装置90に動作演出を実行させるよう構成されている。詳細な構造については後述するが、可動演出装置90は、上下2つの可動体91,92を備えており、各可動体91,92が互いに離間した待機位置から互いに近接する動作位置に移動するか否かの集合動作演出と、この集合動作演出において動作位置に移動した上下の可動体91,92を待機位置とは異なる側へ移動させる特定動作演出とを実行可能に構成されている。
演出制御CPU65aは、可動演出装置90による集合動作演出および特定動作演出の実行可否を、前述した演出パターン、大当り演出パターン、小当り演出パターン等に応じて決定するようになっている。実施例では、集合動作演出において上下の可動体91,92が動作位置に移動することなく当該演出を終了する場合よりも、動作位置に移動して当該演出を終了する場合の方が、遊技者に有利な遊技結果となる期待度が高くなると共に、集合動作演出のみが行われる場合よりも、集合動作演出の後に続けて特定動作演出が行われる場合の方が、遊技者に有利な遊技結果となる期待度が高くなるよう設定されている。
ここで、演出制御CPU65aは、図柄変動演出の実行期間中において集合動作演出や特定動作演出を可動演出装置90に行わせることで、大当り遊技状態を付与するか否かを示唆または報知するよう構成されている。また、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態において集合動作演出や特定動作演出を可動演出装置90に行わせることで、大当り遊技状態のラウンド遊技が9回で終了するか、10回目以降に継続するかを示唆または報知する構成されている。更に、演出制御CPU65aは、小当り遊技状態において集合動作演出や特定動作演出を可動演出装置90に行わせることで、大当り遊技状態(2回目以降のラウンド遊技)に継続し易いか否かや、大当り遊技状態(2回目以降のラウンド遊技)に継続する条件が成立したか否かを示唆または報知する構成されている。
(可動演出装置90について)
以下、演出実行手段の1つである可動演出装置90の構造について、図3〜図9を参照しながら説明する。可動演出装置90は、図3〜図6に示すように、前記演出制御CPU65aによる駆動制御に応じて動作演出(前述した集合動作演出および特定動作演出)を行うよう構成され、前記表示窓口27aを通じて遊技盤20の前方から視認し得るよう設置部材45の収容空間45aに配設されている。この可動演出装置90は、前面に意匠が形成された演出用の可動体91,92と、可動体91,92を支持する可動式の支持機構105,119と、設置部材45に取り付けられて支持機構105,119を動作させる昇降駆動機構100とを備えており、支持機構105,119の動作によって該可動体91,92が待機位置・動作位置に変位するように構成されている。
可動演出装置90は、上下2つの可動体91,92(上可動体91および下可動体92)を備えており、各可動体91,92が表示画面17aの前上方および前下方に位置して互いに離間する状態(図1および図4(a)に示す分離状態)と、各可動体91,92が表示画面17aの前方に重なる位置で近接または当接する状態(図3および図6(a)に示す集合状態)とに変化する。すなわち、可動演出装置90は、表示画面17aの前上方の待機位置にある上可動体91が動作位置に向けて下降動作を行うと共に、表示画面17aの前下方の待機位置にある下可動体92が動作位置に向けて上昇動作を行うことで、移動範囲の下端位置(動作位置)に変位した上可動体91と、移動範囲の上端位置(動作位置)に変位した下可動体92とが表示画面17aの前方で集合するようになっている。そして、集合状態では、上可動体91の待機位置側の外縁(上縁)と下可動体92の待機位置側の外縁(下縁)とが連なって、両可動体91,92が略円形の外周縁を有する1つの意匠体(以下「集合意匠体D」という)を構成するようになっている。
可動演出装置90は、集合意匠体Dをなす複数の構成部93a,93b,93b,94,94,95によって上下の可動体91,92を構成しており、支持機構(上支持機構105および下支持機構119)が上可動体91および下可動体92を待機位置および動作位置の間で変位させる動作を行う場合に、上下の可動体91,92毎に構成部93a,93b,93b,94,94,95の相対位置を変化させることで、結果的に各可動体91,92の外観が変化するようになっている。各可動体91,92は、集合状態では、待機位置側の外縁が1つの円弧状に連なる略半円形の特定姿勢(図3および図6(a)参照)となる一方、分離状態では、待機位置側の外縁が蛇行状に連なって集合状態の場合よりも上下寸法が小さい横長の非特定姿勢(図1および図4(a)参照)となる。そして、両可動体91,92は、各々が特定姿勢となる集合状態において複数の構成部(外周構成部)93a,93b,93b,94,94が1つの構成部(中央構成部)95の周囲を囲む環状に配列された状態となって前記集合意匠体Dを構成する一方、各々が非特定姿勢となる分離状態では、複数の構成部93a,93b,93b,94,94,95が前記集合意匠体Dを構成する場合とは異なる相対位置に変位して、各可動体91,92毎に横並びで位置するようになっている。すなわち、可動演出装置90は、待機位置にある各可動体91,92から前記集合意匠体Dの外観を容易に予測できない構成となっており、意外性のある動作演出を表現可能となっている。
ここで、可動演出装置90は、上下の可動体91,92を待機位置および動作位置の間で直線的に移動させる集合動作演出を行うよう構成されている。この集合動作演出において、可動演出装置90は、待機位置にある上下の可動体91,92を動作位置に向けて移動させ、各可動体91,92が動作位置に到達して集合意匠体Dを構成するか、または動作位置に到達することなく(集合意匠体Dを構成することなく)途中で移動方向を逆向きに転向して待機位置に復帰するようになっている。
また、可動演出装置90は、前記集合動作演出に続けて、前記集合意匠体Dを構成している(集合状態にある)両可動体91,92を待機位置に向けた移動方向(上下方向)と交差する方向へ向けて一体的に移動させる特定動作演出を行うよう構成されている。この特定動作演出において、可動演出装置90は、中央構成部95の周囲に配列される複数の外周構成部93a,93b,93b,94,94が、後述する回動モータ108の動力に応じて回動動作するよう構成されている。ここで、複数の外周構成部93a,93b,93b,94,94の特定動作演出による動作方向(図6(a)に矢印TDで示す方向であり、以下「特定動作方向TD」という)は、集合状態において外周構成部93a,93b,93b,94,94(後述する可動部)が集合意匠体Dを構成する場合の配列方向(中心点Pを基準とする円周方向)であり、実施例では、集合意匠体Dの外周縁の延在方向(または、中央構成部95の外周縁の延在方向)と略等しくなっている。そして、両可動体91,92を構成する各外周構成部93a,93b,93b,94,94が中央構成部95の周囲で特定動作方向TDへの一体的なスライド動作を行うことで、前記集合意匠体Dが、その外周縁により形成される円の中心点P(図6(b)および図7参照)を中心として回動するインパクトのある動作演出を表現し得るように構成されている。但し、後述するように、各外周構成部93a,93b,93b,94,94の特定動作方向TDへの移動は、両可動体91,92が動作位置にある状態でのみ可能となっており、両可動体91,92が待機位置にある状態では、周囲の部材(例えば、図3に示す装飾部材47)との接触を防ぐため、支持機構105,119によって物理的に規制されるようになっている。なお、図4〜図6では、待機位置にある上可動体91(外周構成部93a,93b,93b)と近接するよう収容空間45aに配設されている装飾部材47についての図示を省略している。ここで、以下の記載では、外周構成部93a,93b,93b,94,94のうちで上可動体91を構成するものを「上可動部93a,93b,93b」とし、下可動体92を構成するものを「下可動部94,94」として区別することがある。
(昇降駆動機構100について)
ここで、可動演出装置90の具体的な構成に関し、先ず昇降駆動機構100について説明する。図4〜図6に示すように、設置部材45の内側の収容空間45aには、送りねじを構成する昇降駆動機構100が表示用開口45cの左右両側に夫々配設されている。ここで、左側の昇降駆動機構100は、支持機構105,119(上可動体91を支持する上支持機構105および下可動体92を支持する下支持機構119)の左端部に上下方向の動力を付与するものであり、右側の昇降駆動機構100は、支持機構105,119の右端部に上下方向の動力を付与するものである。すなわち、可動演出装置90は、左右の昇降駆動機構100に跨るように配設された支持機構105,119を、各昇降駆動機構100が協働して上下方向に移動させるように構成されている。なお、左右の各昇降駆動機構100は基本的に同じ構成となっている。
図4〜図6に示すように、昇降駆動機構100は、上可動体91および下可動体92を待機位置と動作位置との間で移動させる動力を支持機構105,119に付与する昇降モータ(第1の駆動源)101と、両可動体91,92の接近・離間方向(上下方向)に延在すると共に外周面にねじ山が形成されたねじ軸102と、ねじ軸102の延在方向(上下方向)に沿う支持機構105,119の移動(具体的には、後述する上昇降板106および下昇降板120の昇降)を案内するガイドレール103と、昇降モータ101による動力をねじ軸102に伝達するギヤ群(図示せず)とを備えている。なお、ギヤ群は、昇降モータ101の駆動軸と共に回転する第1ギヤと、この第1ギヤに連動する第2ギヤおよび第3ギヤとを備えており、円板状の第3ギヤの中心部がねじ軸102の上端部に固定されている。すなわち、昇降駆動機構100は、昇降モータ101の動力でねじ軸102をその外周方向に回転させることにより、支持機構105,119をガイドレール103に沿って上下方向に移動させ、この支持機構105,119に支持された可動体91,92を上下方向に接近・離間させる構成となっている。なお、ねじ軸102の外周面に形成されたねじ山は、上可動体91を昇降させる上側部分102aと、下可動体92を昇降させる下側部分102bとで逆回りに螺回しており、ねじ軸102が正回転する場合に、各可動体91,92が互いに接近する方向に(動作位置に向けて)移動し、逆回転する場合に、各可動体91,92が互いに離間する方向に(待機位置に向けて)移動する。
図4〜図6に示すように、ねじ軸102における上側部分102aおよび下側部分102bの間には、上支持機構105の後述する前昇降板110の下降を規制するためのストッパ部材104が設けられている。ストッパ部材104は、上面がねじ軸102の延在方向に直交する水平面となっており、ねじ軸102が正回転する場合(上可動体91が動作位置に下降する場合)に、前昇降板110の後述する当接部113(図4〜図6参照)がストッパ部材104の上面に当接するよう構成されている。
(上可動体91について)
次に、上可動体91について説明する。上可動体91は、左右方向の中央に位置する上可動部(可動部)93aと、この中央の上可動部93aの左右両側に位置する上可動部(別の可動部)93b,93bとにより構成されている。各上可動部93a,93b,93bは、前方に開口する箱状の基部97(図7(a)参照)と、基部97の前方開口を塞ぐと共に前面に意匠が形成された表面板96(図4(a)、図5(a)および図6(a)参照)とを備えている。また、各上可動部93a,93b,93bは、表面板96の中央部が、基部97に対して回転可能な円形の回転板96aにより構成されており、上可動部93a,93b,93b毎に内蔵した個別駆動機構(詳細な説明は省略する)によって回転板96aを回転させ得るよう構成されている。ここで、中央の可動部93aは、基部97の後面に後述する連係凹部97aを備える点で左右の可動部93b,93bと異なっており、左右の可動部93b,93bは、後述する可動装飾片96bを備える点で中央の可動部93aと異なっている。
図4(a)、図5(a)、図6(a)および図7(a)に示すように、左右の可動部93b,93bは、その意匠の一部を構成する可動装飾片96bを備えている。この可動装飾片96bは、有色透明の光透過性素材からなる板状部材であって、基部97の外周部に対して前後方向の軸線を中心に揺動可能に枢支され、回転板96aの前方位置と、回転板96aの外周側とに変位可能に構成されると共に、図示しないコイルバネによって回転板96aの外周側へ向けて付勢されている。ここで、可動装飾片96bは、上可動体91が待機位置にある場合には、設置部材45の内側面に当接することでコイルバネの付勢力に逆らって回転板96aの前方位置まで押された状態に収納される(図4(a)および図5(a)に示す状態となる)一方、上下の可動体91,92が集合状態となったときには、コイルバネの付勢力に従って回転板96aの外周側へ揺動し、各可動体91,92の間に生じる隙間を前側から覆う(図6(a)および図7(a)に示す状態となる)ように構成されている。すなわち、可動装飾片96bは、複数の可動体91,92を集合させて集合意匠体Dを構成する際に、各可動体91,92の隙間を覆って一体感を高めるよう機能するものである。なお、可動装飾片96bを下可動体92に設けるようにしてもよい。
図4(a)、図5(a)および図6(a)に示すように、中央の上可動部93aを構成する基部97の左右上部には、左右の上可動部93b,93bを前後方向の軸線を中心として揺動可能に支持する上可動軸部98が設けられている。これにより、各上可動部93a,93b,93bは、上可動軸部98より下側の部位が互いに近接して各上縁が円弧状に連なる特定姿勢(図6(a)参照)と、上可動軸部98より下側の部位が互いに離間して各上縁が蛇行状に連なる横並びの非特定姿勢(図4(a)参照)とに変化可能に構成される。ここで、上可動軸部98は、各上可動部93a,93b,93bが前記特定動作方向TDへの移動を行っていない状態で、上支持機構105の後述する上揺動軸部114(図4(b)、図5(b)および図6(b)参照)の前方に位置しており、この場合の左右の上可動部93b,93bの揺動中心(軸線)が、上支持機構105の後述する左右の上揺動板115,115の揺動中心(軸線)と概ね一致している。すなわち、上可動体91は、上揺動板115,115の揺動動作に応じて左右の上可動部93b,93bを揺動させることでその姿勢(特定姿勢・非特定姿勢)を変化させるようになっている。なお、各上可動部93a,93b,93bが特定動作方向TDへの移動を行っている状態では、上可動軸部98が上揺動板115,115の揺動中心(上揺動軸部114)からずれることで、左右の上揺動板115,115の揺動動作に応じた左右の上可動部93b,93bの揺動が規制される。
各上可動部93a,93b,93bは、後述する上支持機構105の前面に対向するように位置しており、各上可動部93a,93b,93bの各後面には、図7(a)、図8(a)および図9(a)に示すように、スライドピン99が後方(上支持機構105側)へ突出するよう設けられている。各スライドピン99は、上支持機構105における後述する支持部(前昇降板110の後述する中板部110aと、上揺動板115,115)に設けられた周壁状の後述する特定動作ガイド111,117,117の内側(案内溝)を前後方向に挿通すると共に、特定動作ガイド111,117,117による溝幅より大径のフランジ99aが突出端部に設けられて該フランジ99aが特定動作ガイド111,117,117の後面に当接している。これにより、各上可動部93a,93b,93bは、上支持機構105の対応する支持部(後述)の前面に支持されている。
中央の上可動部93aの後面上端部には、図7(b)および図8(b)に示す如く、上方および後方に開口する連係凹部97aが形成されている。この連係凹部97aは、当該中央の上可動部93aの上縁(待機位置側の外縁)に対して略平行な円弧方向に底面が延在しており、この底面には左右方向に延在するようラック97bが形成されている。連係凹部97aの内側には、後述する回動モータ108(図7(a)、図8(a)および図9(a)参照)の駆動軸に固定された駆動ギヤ109が位置しており、駆動ギヤ109がラック97bに連係するよう構成されている。
(上支持機構105について)
次に、上可動体(可動体)91を支持する上支持機構(支持手段)105について説明する。図4(b)、図5(b)および図6(b)に示すように、上支持機構105は、昇降駆動機構100におけるねじ軸102の回転(正回転および逆回転)に応じて上下方向に移動する上昇降板106と、上昇降板106の前面側(かつ、上可動体91の後面側)に配置された前昇降板110と、前昇降板110の前面の左右に離間した位置に揺動可能に支持された左右一対の上揺動板115,115とを備えている。
図4(b)および図6(b)に示すように、上昇降板106は、その左右端部に設けられたスライド部106aに各昇降駆動機構100のガイドレール103が夫々挿通されると共に、この左右のスライド部106aの近傍に設けられた左右のナット部106bに左右のねじ軸102が夫々挿通されることで、左右の昇降駆動機構100に支持されている。これにより、上昇降板106は、各ねじ軸102の回転に伴って外周面のねじ山が各ナット部106bを押し下げ、または押し上げることに応じて、ガイドレール103に沿って上下方向に移動するよう構成されている。
ここで、上昇降板106は、図4(b)に示すように、上下方向の移動範囲における移動上端(符号x1で示してある)および中間位置(符号x2で示してある)の間を、前昇降板110の後方に略全体が重なった状態で下降・上昇すると共に、中間位置x2から移動下端(符号x3で示してある)に下降する間に、すでに停止された前昇降板110の後方位置から次第に下方へ離間するように変位し、移動下端x3から中間位置x2に上昇する間に、停止状態の前昇降板110の後方位置まで下方から次第に近接するよう変位する構成となっている。なお、図4(b)は、上昇降板106が移動上端x1にある場合の上支持機構105の状態を示しており、図5(b)は、上昇降板106が中間位置x2にある場合の上支持機構105の状態を示しており、図6(b)は、上昇降板106が移動下端x3にある場合の上支持機構105の状態を示している。
ここで、上昇降板106の上縁部における左右に離間した位置には、図4(b)および図6(b)に示すように、前後方向に貫通すると共に左右方向に直線状に延在する案内溝を内周面によって形成する周壁状の外観変更ガイド107が夫々設けられている。各外観変更ガイド107の内側(案内溝)には、左右の上揺動板115,115の後面から後述する揺動許容部112(側板部110b)を介して後方へ突出する揺動ピン116(後述)の突出端部が夫々挿入されており、上昇降板106の移動に伴って外観変更ガイド107の内周面が揺動ピン116を上下方向に押圧することで、前昇降板110と、この前昇降板110によって支持された各上揺動板115,115および各上可動部93a,93b,93bとが、上昇降板106に追従して上下方向に移動するようになっている。但し、上昇降板106の移動範囲は、前昇降板110の移動範囲より移動下端x3側に大きく確保されている。
図4(b)、図5(b)および図6(b)に示すように、前昇降板110は、その左右両端部に設けられて下方へ延出する垂下板部110c,110cと、左右方向の中央部を構成する中板部110aと、中板部110aの左右両側に位置する側板部110b,110bとを備え、中板部110aの左右上方に設けられた上揺動軸部114,114に上揺動板115が夫々揺動可能に支持されて、各上揺動板115,115が左右の側板部110bの前面に対向している。ここで、前昇降板110の中板部110aは、その前面側に中央の上可動部93aを支持する支持部として機能しており、左右の上揺動板115,115は、その前面側に左右の上可動部93b,93bを支持する支持部として機能している。なお、各上可動部93a,93b,93bは、対応する支持部(中板部110aまたは上揺動板115,115)の前面側に支持された状態で、後述する特定動作ガイド111,117,117の延在方向に沿って移動可能に構成されている。
前昇降板110の垂下板部110c,110cは、上下に延在すると共に後方、上方および下方へ開口する凹板状に形成され、ねじ軸102の一部を前方および両側方から覆うように位置している。すなわち、垂下板部110c,110cは、設置部材45や上可動体91に配設される配線等が上昇降板106のナット部106bと昇降駆動機構100のねじ軸102との間に挟み込まれるのを防いでいる。また、垂下板部110c,110cの下端面は、昇降駆動機構100におけるストッパ部材104の上面に対向しており、ストッパ部材104の上面に当接して前昇降板110の下降を停止させる(前昇降板110の移動下端を特定する)当接部113を構成している。ここで、前昇降板110は、上昇降板106がその移動範囲における中間位置x2(図5(b)の状態での位置)と移動下端x3(図6(b)の状態での位置)との間を移動する間は、垂下板部110cの下端面(当接部113)がストッパ部材104の上面と当接して前昇降板110が停止するようになっている。これにより、移動範囲の中間位置x2と移動下端x3との間を移動する上昇降板106が、左右の上揺動板115,115から後方へと突出する揺動ピン116を外観変更ガイド107の内周面によって上下方向に押圧することに応じて、左右の上揺動板115,115を停止状態の前昇降板110に対し揺動させ、各上揺動板115,115の前面に支持された左右の上可動部93b,93bを、中板部110aの前面に支持された中央の上可動部93aに対し揺動させるよう構成されている。
図7(a)、図8(a)および図9(a)に示すように、前昇降板110の中板部110aには、複数の外周構成部(上可動部93a,93b,93bおよび下可動部94,94)に前記特定動作方向TDへの移動(集合状態での配列方向へのスライド動作)を行わせるための駆動源としての回動モータ(第2の駆動源)108が取り付けられている。回動モータ108は、中板部110aの後面に取り付けられて駆動軸が前方へ突出し、駆動軸の前端部に駆動ギヤ109(図7(b)および図8(b)参照)が固定されている。駆動ギヤ109は、中板部110aの前面側に支持されている中央の上可動部93aに設けられた前記ラック97bに噛合している。なお、実施例の可動演出装置90は、上支持機構105に設けた回動モータ108の動力によって特定動作演出を行い、上下の可動体91,92(集合意匠体D)を一体的に回動させるよう構成されている。
図4(b)、図5(b)および図6(b)に示すように、前昇降板110における左右の側板部110b,110bには、前後方向に貫通すると共に中板部110a側に下方傾斜する円弧状に延在する案内溝を形成する周壁状の揺動許容部112が夫々設けられている。また、左右の上揺動板115,115の後面において揺動中心(上揺動軸部114)から離間した位置には、後方へ突出する揺動ピン116が夫々設けられている。揺動ピン116は、揺動許容部112を後方へ向けて挿通して、この揺動許容部112を通過した突出端部が、前述した上昇降板106に設けられた外観変更ガイド107に挿入されている。なお、上昇降板106の外観変更ガイド107は、揺動ピン116の突出端部を内周面で上下方向に押圧すると共に、その案内溝内で該揺動ピン116の突出端部が左右方向へ移動するのを許容する形状とされている。このため、前昇降板110の停止状態で上昇降板106が上下方向に移動する場合(上昇降板106が前述した中間位置x2および移動下端x3の間を移動する場合)に、外観変更ガイド107によって突出端部を上下方向に押圧される揺動ピン116が、揺動許容部112における左右方向に傾斜した円弧状の案内溝内を移動する。
ここで、揺動許容部112の案内溝内を挿通する揺動ピン116は、上昇降板106が前述した中間位置x2から移動下端x3に下降するのに伴う外観変更ガイド107からの押圧に応じて、揺動許容部112の案内溝内における上端から下端に移動し、上昇降板106がその移動下端x3から中間位置x2に上昇するのに伴う外観変更ガイド107からの押圧に応じて、揺動許容部112の案内溝内における下端から上端に移動するよう構成されている。そして、揺動ピン116が揺動許容部112の案内溝内における上端にある場合に、該揺動ピン116を後面に有する上揺動板115が上揺動軸部114を中心とする揺動範囲の上端に位置すると共に、揺動ピン116が揺動許容部112の案内溝内における下端にある場合に、上揺動板115がその揺動範囲の下端に位置するようになっている。すなわち、揺動許容部112は、上揺動板115の揺動(揺動ピン116の円弧方向への移動)を案内すると共に、上揺動板115の揺動範囲(揺動ピン116の移動範囲)を規定している。
すなわち、上支持機構105は、前述のように前昇降板110の上揺動軸部114,114によって左右の上揺動板115,115を揺動可能に支持しており、上可動体91を待機位置および動作位置の一方から他方に変位させる動作を行う場合に、前昇降板110に対する上揺動板115,115の揺動に応じて前昇降板110の中板部110aと上揺動板115,115とが相対的に変位することで、その変位前後で、中板部110aが支持する中央の上可動部93aと、上揺動板115,115が支持する左右の上可動部93b,93bとの相対的な位置を異ならせ、上可動体91の姿勢を非特定姿勢および特定姿勢の一方から他方へ変化させるよう構成されている。
図4(b)、図5(b)、図6(b)、図7(a)、図8(a)および図9(a)に示すように、前昇降板110の中板部110a(中央の上可動部93aを支持する支持部)と、左右の上揺動板115,115(左右の上可動部93b,93bを支持する支持部)とには、各上可動部93a,93b,93bに夫々設けられるスライドピン99を案内する案内溝を内周面により形成する周壁状の特定動作ガイド111,117,117が夫々設けられている。具体的に、中板部110aには、上可動体91における中央の上可動部93aの後面に設けられるスライドピン99を案内する特定動作ガイド(第1のガイド部)111が設けられており、左右の上揺動板115,115には、上可動体91における左右の上可動部93b,93bの後面に設けられたスライドピン99を案内する特定動作ガイド(第2のガイド部)117,117が設けられている。中板部110aに設けられた中央の特定動作ガイド111は、中央の上可動部93aの上縁(待機位置側の外縁)に対して略平行な円弧方向に延在する案内溝を形成しており、スライドピン99の移動方向を案内溝の延在方向に規制している。また、上揺動板115,115に設けられた左右の特定動作ガイド117,117は、左右の上可動部93b,93bの上縁(待機位置側の外縁)に対して略平行な円弧方向に延在する案内溝を形成しており、スライドピン99の移動方向を案内溝の延在方向に規制している。
ここで、上昇降板106が移動上端x1(図4(b)参照)から中間位置x2(図5(b)参照)を通過して移動下端x3(図6(c)参照)に下降すると、前述のように左右の揺動ピン116,116が揺動許容部112,112の案内溝における上端から下端に夫々移動するのに応じて左右の上揺動板115,115が揺動下端に到達することで、中板部110aと左右の上揺動板115,115とに設けられた各特定動作ガイド111,117,117が、図6(b)および図7に示す中心点Pを中心とする円弧方向(各上可動部93a,93b,93bの配列方向)に沿って延在する状態になる。すなわち、上支持機構105は、昇降モータ101の動力に基づいて上可動体91を動作位置に下降させて特定姿勢に変化させた場合に、中板部110aに設けられた中央の特定動作ガイド111および上揺動板115に設けられた左右の特定動作ガイド117,117が特定動作方向TDに沿って延在することで、回動モータ108の動力に基づいて中央の上可動部93aが特定動作方向TDへ移動し得ると共に、該中央の上可動部93aから中央の特定動作ガイド111に沿う方向へ押圧された左右の上可動部93b,93bが左右の特定動作ガイド117,117に沿って特定動作方向TDへ移動し得る状態になるよう構成されている。
また、上支持機構105は、上可動体91を動作位置に下降させることで、この上可動体91に連動して動作位置まで上昇する下可動体92に対して上可動体91を上方から近接させるよう構成されている。すなわち、上支持機構105は、上可動体91が動作位置にある状態で回動モータ108の動力によって各上可動部93a,93b,93bを特定動作方向TDへ移動させることで、その移動先端側となる左右の上可動部93b,93bの何れかによって下可動体92を下方へ向けて押圧させるようになっている。
一方で、上支持機構105は、上昇降板106が移動下端x3から中間位置x2を通過して移動上端x1に上昇すると、揺動ピン116が揺動許容部112の案内溝における下端から上端に移動するのに応じて左右の上揺動板115,115が揺動上端に到達することにより、左右の上揺動板115,115に設けられた特定動作ガイド117,117が、集合状態での各上可動部93a,93b,93bの配列方向と異なる方向に沿って延在し、中板部110aに設けられた特定動作ガイド111の延在方向と相違した状態になる。すなわち、上支持機構105は、昇降モータ101の動力に基づいて上可動体91を待機位置に復帰させた場合に、上揺動板115,115に設けられた左右の特定動作ガイド117,117が特定動作方向TDと異なる方向に沿って延在することで、中央の上可動部93aからの押圧方向へ向けた左右の上可動部93b,93bの移動を上揺動板115,115に設けられた左右の特定動作ガイド117,117が規制すると共に、中板部110aに設けられた中央の特定動作ガイド111に沿う中央の上可動部93aの移動を左右の上可動部93b,93bが規制するよう構成されている。
(下可動体92について)
次に、下可動体92について説明する。下可動体92は、左右方向の中央に位置する中央構成部95と、この中央構成部95の左右下側に位置する左右の下可動部94,94とにより構成されている。各下可動部94,94は、前述した上可動部93a,93b,93bと同様、前方に開口する箱状の基部97(図7(b)参照)と、基部97の前方開口を塞ぐと共に前面に意匠が形成された表面板96(図4(a)、図5(a)および図6(a)参照)とを備えており、表面板96の中央部が、基部97に対して回転可能な円形の回転板96aにより構成されている。また、中央構成部95は、後述する下支持機構119の下昇降板120の前面に固定的に設けられており、左右の下可動部94,94と同様、基部97、表面板96および回転板96aを備えている。但し、中央構成部95は、後述する下支持機構119のアーム123,123を挿通させる開口部95aが基部97の外周壁の底側に形成されている点が、下可動部94,94と異なっている。
図4(a)、図5(a)および図6(a)に示すように、左右の下可動部94,94は、互いの基部97の対向する側面下部に設けられた下可動軸部94aによって連結され、この下可動軸部94aを中心として左右方向へ揺動可能に構成されている。そして、各下可動部94,94は、下可動軸部94aより上側の部位が互いに近接して各下縁が円弧状に連なる特定姿勢(図6(a)参照)と、下可動軸部94aより上側の部位が互いに離間して各下縁が蛇行状に連なる非特定姿勢(図4(a)参照)とに変位可能に構成される。ここで、下可動軸部94aは、各下可動部94,94が前記特定動作方向TDへの移動を行っていない状態で、下支持機構119の後述する下揺動軸部122(図4(b)、図5(b)および図6(b)参照)の前方に位置しており、この場合の左右の下可動部94,94の揺動中心(軸線)が、下支持機構119の後述する下揺動板121,121の揺動中心(軸線)と概ね一致している。そして、下可動体92は、下揺動板121,121の揺動動作に応じて左右の下可動部94,94が揺動することで、前記非特定姿勢と前記特定姿勢との相互に変化するよう構成されている。なお、各下可動部94,94が特定動作方向TDへの移動を行っている状態では、下可動軸部94aが下揺動板121,121の揺動中心(下揺動軸部122)からずれることで、左右の下揺動板121の揺動動作に応じた左右の下可動部94,94の揺動が規制される。
各下可動部94,94は、後述する下支持機構119の前面に対向するように位置しており、各下可動部94,94の各後面には、図7(b)、図8(b)および図9(b)に示すように、スライドピン99が後方(下支持機構119側)へ突出するよう設けられている。各スライドピン99は、下揺動板121,121に設けられた周壁状の後述する特定動作ガイド124,124の内側(案内溝)を前後方向に挿通すると共に、特定動作ガイド124,124による溝幅より大径のフランジ99aが突出端部に設けられて該フランジ99aが特定動作ガイド124,124の後面に当接している。これにより、各下可動部94,94は、下支持機構119の対応する下揺動板121,121の前面に支持されている。
(下支持機構119について)
次に、下可動体92を支持する下支持機構119について説明する。図4(b)、図5(b)および図6(b)に示すように、下支持機構119は、昇降駆動機構100におけるねじ軸102の回転(正回転および逆回転)に応じて上下方向に移動する下昇降板120と、この下昇降板120の前面中央部(図6(b)および図7に示す中心点P)に支持された上端部を中心として下端側が揺動する左右一対のアーム123,123と、設置部材45に形成された上下方向の軸誘導溝46を移動可能な下揺動軸部122によって互いに左右方向へ接近・離間するよう揺動可能に連結された左右一対の下揺動板121,121とを備えている。
ここで、下支持機構119は、左右の下可動部94,94における揺動中心側(下可動軸部94aの周辺部位)を、左右の下揺動板121,121の前面によって支持すると共に、左右のアーム123,123の下端側(揺動先端側)によって左右の下可動部94,94における揺動先端側(下可動軸部94aから離間した部位)を支持するよう構成されている。そして、下昇降板120の上昇に応じて左右のアーム123,123が左右の下可動部94,94の各揺動先端側を上方へ吊り上げることにより、下可動軸部94aを中心として左右の下可動部94,94を互いに近接する側へ揺動させつつ、下揺動軸部122を軸誘導溝46に沿って徐々に上方へ移動させるよう構成されている。また、下昇降板120の下降に応じて左右のアーム123,123が左右の下可動部94,94の各揺動先端側を下方へ押し下げることにより、下可動軸部94aを中心として左右の下可動部94,94を互いに離間する側へ揺動させつつ、下揺動軸部122を軸誘導溝46に沿って徐々に下方へ移動させるよう構成されている。
すなわち、下支持機構119は、設置部材45の軸誘導溝46に沿って上下方向に移動可能な下揺動軸部122を中心として揺動可能な左右の下揺動板121,121によって、下可動体92における各下可動部94,94の揺動中心側を支持するように構成されており、下可動体92を待機位置および動作位置の一方から他方に変位させる動作(下昇降板120が上下方向に移動すると共に、各下揺動板121,121が下揺動軸部122を中心とした揺動により相対的に変位する動作)を行う場合に、その変位前後で、左右の下揺動板121,121が夫々支持する左右の下可動部94,94の相対的な位置を異ならせて、非特定姿勢および特定姿勢の一方から他方に変化させるよう構成されている。なお、各下可動部94,94は、対応する下揺動板121,121の前面側に支持された状態で、後述する特定動作ガイド124,124の延在方向に沿って移動可能に構成されている。
ここで、下支持機構119は、下昇降板120がその移動下端から上昇を開始する段階から各下可動部94,94の互いに近接する側への揺動動作を開始させ、下可動体92を特定姿勢に変化させた状態で移動上端(各アーム123,123の揺動中心が中心点Pと一致する位置)に到達するよう構成されている。また、下支持機構119は、下昇降板120がその移動上端から下降する途中位置で各下可動部94,94の互いに離間する側への揺動動作を開始させ、移動下端に到達したときに下可動体92が非特定姿勢に復帰するよう構成されている。すなわち、実施例の可動演出装置90は、昇降駆動機構100(昇降モータ101)によって上下の可動体91,92を待機位置および動作位置の一方から他方へと夫々移動させる場合に、各可動体91,92が非特定姿勢および特定姿勢の一方から他方に変化する期間が相互にずれるように構成されている。
図4(b)、図5(b)および図6(b)に示すように、下昇降板120は、その左右端部に設けられた左右のスライド部120a,120aに各昇降駆動機構100のガイドレール103が夫々挿通されると共に、この左右のスライド部120a,120aの近傍に設けられた左右のナット部120bに左右のねじ軸102が夫々挿通されることで、左右の昇降駆動機構100に支持されている。これにより、下昇降板120は、各ねじ軸102の回転に伴って外周面のねじ山がナット部120bを押し下げ、または押し上げることに応じて、ガイドレール103に沿って上下方向に移動するよう構成されている。また、下昇降板120の前面における左右方向の中央部には、左右一対のアーム123,123の各上端が回動可能に連結されている(図4(b)、図5(b)および図6(b)参照)。この下昇降板120の前面における左右方向の中央部は、中央構成部95の取付位置となっており、各アーム123,123の上端側(揺動中心側)は中央構成部95により前側から覆われ、この中央構成部95の中心が各アーム123,123の揺動中心の前方に位置している。前述のように中央構成部95には、基部97の外周壁の底側に開口部95aが上下に貫通するよう形成されており、この開口部95aを挿通した各アーム123,123の下端側(揺動先端側)が左右下方へ向けて延出して、左右の下可動部94,94の後面に対して回動可能に連結している。
図7(a)、図8(a)および図9(b)に示すように、左右の下揺動板121,121には、下可動体92における左右の下可動部94,94の後面に設けられたスライドピン99を案内する特定動作ガイド124,124が設けられている。この特定動作ガイド124,124は、左右の下可動部94,94の下縁(待機位置側の外縁)に対して略平行な円弧方向に延在する案内溝を形成しており、スライドピン99の移動方向を案内溝の延在方向に規制している。
ここで、下支持機構119は、下昇降板120が移動下端(図4(b)に示す位置)から移動上端(図6(c)に示す位置)に上昇すると、左右のアーム123,123によって揺動先端側を上方へ引き上げられた左右の下揺動板121,121が互いに当接して静止する位置まで揺動することで、左右の下揺動板121,121に設けられた各特定動作ガイド124,124が、図6(b)および図7に示す中心点Pを中心とする円弧方向(各下可動部94,94の配列方向)に沿って延在する状態になる。すなわち、下支持機構119は、昇降モータ101の動力に基づいて下可動体92を動作位置に上昇させて特定姿勢とした場合に、左右の特定動作ガイド124,124の延在方向が一致して、各アーム123,123の揺動中心(中心点P)を中心とする円弧に沿って各特定動作ガイド124,124が延在する(特定動作方向TDに沿って延在する)よう構成され、この状態で左右の下可動部94,94を夫々対応する特定動作ガイド124,124に沿って一体的に特定動作方向TDへ移動させ得るようになっている。
左右の下揺動板121,121に設けられた各特定動作ガイド124,124は、図6(b)に示す下可動体92の動作位置では、互いに離間する側から対向する側に近づくにつれて次第に下方へ向かう傾斜状に夫々延在している。この場合に、左側の下揺動板121に設けられた特定動作ガイド124は、対応する左側の下可動部94の後面に設けられたスライドピン99を、この下可動部94の自重によって右端(下端)側へ案内する。同様に、右側の下揺動板121に設けられた特定動作ガイド124は、対応する右側の下可動部94の後面に設けられたスライドピン99を、この下可動部94の自重によって左端(下端)側へ案内する。これにより下可動体92は、その動作位置において、下可動軸部94aが下揺動軸部122の前方に重なる位置で自重により安定するよう構成されている。
ここで、下支持機構119は、下可動体92を動作位置に上昇させることで、前述した回動モータ108の動力に応じて中心点Pを中心として特定動作方向TDへ回動する上可動体91によって上方から押圧される位置に、該下可動体92を到達させるように構成されている。そして、下支持機構119は、動作位置の下可動体92を特定姿勢とすることで、特定動作方向TDへ回動する上可動体91による押圧に応じた下可動体92の特定動作方向TDへの移動を許容するよう構成されている。この場合に、下支持機構119は、上可動体91による特定動作方向TDへの押圧に応じて、下可動体92を特定動作ガイド124,124の延在方向に沿って(特定動作方向TDへ)その自重による停止位置(演出開始位置)から離間する側へ向けて移動させる(すなわち、待機位置と異なる側へ移動させる)と共に、上可動体91による特定動作方向TDへの押圧が解除されることに応じて、下可動体92を特定動作ガイド124,124の延在方向に沿って(特定動作方向TDへ)その自重により演出開始位置側へ移動させるよう構成されている。
すなわち、特定動作ガイド124,124に沿って移動する下可動体92は、回動モータ108の動力によって特定動作方向TDへ移動する上可動体91によって左右方向の一方側が下方へ押し下げられて同方向(特定動作方向TD)へ移動するよう構成されている。
なお、下可動体92は、特定動作方向TDへ移動する上可動体91による下方への押圧によって左右方向の一方側が押し下げられる一方、左右方向の他方側が上昇して上可動体91を押圧することで、上可動体91の移動を補助するよう構成されている。
一方で、下支持機構119は、下昇降板120が移動上端から移動下端に下降することで各アーム123,123により左右の下可動部94,94の揺動先端側を押し下げ、左右の下揺動板121,121を互いに離間する側へ揺動させ、この左右の下揺動板121,121に設けられた特定動作ガイド124,124を特定動作方向TDと異なる方向に沿って延在させることで、下可動部94,94の特定動作方向TDへの移動を特定動作ガイド124,124によって規制するよう構成されている。
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10は、遊技領域21を流下するパチンコ球が始動入賞口31,32に入賞すると、該パチンコ球が始動入賞検出センサSE1,SE2により検出され、該検出を契機として主制御CPU60aが特図当り判定(大当り判定、小当り判定)を行う。そして、主制御CPU60aは、特図当り判定の結果が、大当り遊技状態を付与する結果となった場合には、特図表示部Ma,Mbに表示する特図として大当り図柄を決定し、小当り遊技状態を付与する結果となった場合には、特図として小当り図柄を決定し、大当り遊技状態および小当り遊技状態の何れも付与しない結果となった場合には、特図としてはずれ図柄を決定する。また、主制御CPU60aは、決定した特図に対応して、特図表示部Ma,Mbに表示する特図変動表示の特図変動パターンを決定する。そして、主制御CPU60aは、決定した特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンドを、演出制御CPU65aに向けて出力する。これに対し、演出制御CPU65aは、入力した特図変動パターン指定コマンドから図柄変動演出の変動時間を特定すると共に、この特図変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンを決定する。
ここで、演出制御CPU65aは、決定した演出パターンにより特定される演出内容に集合動作演出が含まれる場合、図柄変動演出の実行期間中の予め定められたタイミングで可動演出装置90を駆動制御し、該可動演出装置90に集合動作演出を行わせる。また、演出制御CPU65aは、決定した演出パターンにより特定される演出内容に集合動作演出および特定動作演出が含まれる場合、図柄変動演出の実行期間中の予め定められたタイミングで可動演出装置90を駆動制御し、該可動演出装置90に集合動作演出を行わせると共に、集合動作演出に続けて特定動作演出を行わせる。なお、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態での演出内容を特定する大当り演出パターンや、小当り遊技状態での演出内容を特定する小当り演出パターンに集合動作演出や特定動作演出が含まれる場合にも、可動演出装置90による集合動作演出や特定動作演出を制御し得る。
演出制御CPU65aは、昇降モータ101の駆動制御に応じて可動演出装置90に集合動作演出を行わせる。この集合動作演出は、上下の可動体91,92が待機位置から動作位置に向けて上下方向に移動することで次第に集合状態に近づいていき、その途中で両可動体91,92が動作位置へ向けた移動を停止して演出を終了するか、両可動体91,92が動作位置まで到達して、上可動体91(3つの上可動部93a,93b,93b)および下可動体92(1つの中央構成部95と2つの下可動部94,94)が集合意匠体Dを構成することで演出を終了する。
この集合動作演出において、演出制御CPU65aは、先ず、昇降モータ101の正回転駆動に応じてねじ軸102を正回転させることで、上支持機構105の上昇降板106をねじ軸102およびガイドレール103に沿って下降させると共に、下昇降板120をねじ軸102およびガイドレール103に沿って上昇させる。この場合に上可動体91は、上昇降板106が移動上端x1から中間位置x2まで下降する間は非特定姿勢を維持し、中間位置x2からの下降動作により次第に非特定姿勢から特定姿勢に変化して、移動下端x3に到達したときに特定姿勢となる。一方で下可動体92は、下昇降板120がその移動下端において上昇を開始する段階から次第にアーム123,123に吊り上げられて非特定姿勢から特定姿勢に変化していき、該特定姿勢となった後に移動上端に到達する。すなわち、可動演出装置90は、待機位置から動作位置に移動することで姿勢を変化させつつ互いに集合する複数の可動体91,92を備えており、両可動体91,92を共通の昇降モータ101の動力によって待機位置から動作位置に移動させる場合に、各可動体91,92が姿勢変化する期間が相互にずれるように構成されているから、上下の可動体91,92が待機位置から動作位置に移動するまでの間において上下の可動体91,92の両方が姿勢変化していない期間を短くでき、変化に富んだ面白味のある動作演出を実現し得る。
演出制御CPU65aは、上下の可動体91,92が特定姿勢で動作位置に位置して一体的な集合意匠体Dを構成している状態から、回動モータ108の駆動制御に応じて可動演出装置90に特定動作演出を行わせる。この特定動作演出では、複数の可動体91,92が集合することで構成された集合意匠体Dの外周構成部(上可動部93a,93b,93bおよび下可動部94,94)を、集合意匠体Dの中心点Pを中心とする円周方向(特定動作方向TD)に沿って移動させることで、集合意匠体Dによる回動動作を行う。
ここで、演出制御CPU65aは、上支持機構105に備えられる回動モータ108の動力に応じて、上可動体91を構成する中央の上可動部93aおよび左右の上可動部93b,93bと、下可動体92を構成する左右の下可動部94,94とを夫々特定動作方向TDに移動させる。具体的に、可動演出装置90は、上下の可動体91,92が動作位置に移動して特定姿勢となった状態では、上可動体91を構成する各上可動部93a,93b,93bに対応する支持部(中板部110aおよび上揺動板115,115)に設けられる特定動作ガイド111,117,117の各延在方向と、下可動体92を構成する各下可動部94,94に対応する支持部(下揺動板121,121)に設けられる特定動作ガイド124,124の各延在方向とが一致して、中心点Pを中心とする円弧状に並ぶことで、各上可動部93a,93b,93bおよび各下可動部94,94が対応する特定動作ガイド111,117,117,124,124に沿って特定動作方向TDに移動可能となる。この状態で、演出制御CPU65aが回動モータ108の駆動軸を正回転させることで、この駆動軸に固定された駆動ギヤ109と、中央の上可動部93aの後面のラック97bとの噛合作用により、中央の上可動部93aが対応する特定動作ガイド111に沿って一方に移動する。次に、左右の上可動部93b,93bのうち中央の上可動部93aの移動先側に位置する一方の上可動部93bが、中央の上可動部93aによる押圧により、対応する特定動作ガイド117に沿って下可動体92側(下方)に移動し、他方の上可動部93bが、中央の上可動部93aと上可動軸部98により連結されていることから、中央の上可動部93aに追従するよう対応の特定動作ガイド117に沿って移動する。そして、中央の上可動部93aによる押圧を受けた左右の上可動部93b,93bの一方が、下可動体92における左右方向の一方側を押圧して、該下可動体92の各下可動部94,94が、対応する特定動作ガイド124,124に沿って移動する。このとき、下可動体92は、左右方向の一方が上可動体91から下方へ押圧されることで、左右方向の他方が上方へ移動して上可動体91をその移動後側から押圧することで、前記他方の上可動部93bの移動を補助する。これにより、集合意匠体Dが一体的に回動する。なお、演出制御CPU65aが回動モータ108の駆動軸を逆回転させる場合、両可動体91,92の移動方向が逆となるものの、同じ原理により集合意匠体Dが一体的に逆方向へ回動する。
演出制御CPU65aは、動作演出(特定動作演出または集合動作演出)が終了すると、昇降モータ101の逆回転駆動に応じてねじ軸102を逆回転させることで、上支持機構105の上昇降板106をねじ軸102およびガイドレール103に沿って上昇させると共に、下昇降板120をねじ軸102およびガイドレール103に沿って下降させる。この場合には、上昇降板106が移動下端x3から中間位置x2に上昇することに応じて左右の上揺動板115,115が揺動し、この上揺動板115,115の揺動に応じて左右の上可動部93b,93bも揺動して、各上可動部93a,93b,93bの相対位置が変化する(非特定姿勢に変化する)。そして、上昇降板106が中間位置x2から移動上端x1に移動する間、上可動体91は、非特定姿勢のまま上昇して待機位置に至る。また、下昇降板120が移動上端から移動下端に下降することで、左右の下揺動板121,121が揺動すると共に各下可動部94,94が揺動して、各下可動部94,94の相対位置が変化する(非特定姿勢に変化する)。
ここで、上下の可動体91,92が待機位置(非特定姿勢)に復帰した場合には、上揺動板115,115に設けられる特定動作ガイド117,117の各延在方向が、中板部110aに設けられる特定動作ガイド111の延在方向と一致しなくなると共に、下揺動板121,121に設けられる各特定動作ガイド124,124の延在方向が、相互に一致しなくなる。この場合に、上支持機構105は、回動モータ108の動力に応じて中央の上可動部93aが特定動作方向TDへ移動しようとしても、その移動先側に位置する左右の上可動部93b,93bが当該中央の上可動部93aによる押圧方向への移動を対応する特定動作ガイド117,117によって規制された状態で存在しているため、結果的に各上可動部93a,93b,93bの特定動作方向TDへの移動が上支持機構105によって規制される。また、下支持機構119は、左右の下可動部94,94に対応する各特定動作ガイド124,124の延在方向が不一致の状態となり、一方の下可動部94が対応する特定動作ガイド124に沿って移動しようとしても、他方の下可動部94は同じ移動方向への移動を対応する特定動作ガイド124によって規制された状態にあるため、結果的に各下可動部94,94の特定動作方向TDへの移動が上支持機構105によって規制される。
すなわち、実施例に係るパチンコ機10は、演出用の上可動体(可動体)91を支持する上支持機構(支持手段)105の動作によって該上可動体91が待機位置および動作位置に変位するよう構成されており、また、上可動体91を構成する複数の上可動部(可動部)93a,93b,93bを備えている。そして、上支持機構105は、上可動部93a,93b,93bに対応するよう中板部(支持部)110aおよび上揺動板(支持部)115,115を有しており、上可動体91を待機位置および動作位置の一方から他方に変位させる動作を行う場合に中板部110aと左右の上揺動板115,115とが相対的に変位して、その変位前後で各上可動部93a,93b,93bの相対的な位置を異ならせ、上可動体91が動作位置にある状態で特定動作方向(特定動作演出による動作方向)TDへの各上可動部93a,93b,93bの移動を許容すると共に、該上可動体93a,93b,93bが待機位置にある状態で特定動作方向TDへの各上可動部93a,93b,93bの移動を規制している。
すなわち、上可動体91を待機位置および動作位置に変位させる上支持機構105の動作によって中板部110aと左右の上揺動板115,115とを相対的に変位させ、複数の上可動部93a,93b,93bの相対的な位置を変化させるようにしたことで、待機位置にある上可動体91の外観を動作位置にある場合と異ならせることができ、上可動体91の動作演出に意外性を付与することができる。また、上可動体91が待機位置にある状態での各上可動部93a,93b,93bの特定動作方向TDへの移動を、上支持機構105の動作(中板部110aに対する各上揺動板115,115の相対的な変位)を利用して規制することで、上可動体91が待機位置で周囲の部材と接触する不具合を簡単な構成によって防止し得る。
また、実施例に係るパチンコ機10は、上支持機構105に連係する昇降モータ(第1の駆動源)101と、複数の上可動部93a,93b,93bのうち中央の上可動部(特定の可動部)93aに連係する回動モータ(第2の駆動源)108とを備えており、中央の上可動部93aは、対応する支持部としての中板部110aが有する特定動作ガイド(第1のガイド部)111の延在方向に沿って移動可能に構成される一方、左右の上可動部(別の可動部)93b,93bは、対応する支持部としての左右の上揺動板115,115が有する特定動作ガイド(第2のガイド部)117,117の延在方向に沿って移動可能に構成されている。そして、上支持機構105が昇降モータ101の動力に基づいて上可動体91を動作位置に変位させた場合に、各特定動作ガイド111,117,117が特定動作方向TDに沿って延在することで、回動モータ108の動力に基づいて中央の上可動部93aが特定動作方向TDへ移動し得ると共に、該中央の上可動部93aによって中板部110aの特定動作ガイド111に沿う方向へ押圧された左右の上可動部93b,93bの一方が、対応する上揺動板115の特定動作ガイド117に沿って特定動作方向TDへ移動し得る状態になり、上支持機構105が昇降モータ101の動力に基づいて上可動体91を待機位置に復帰させた場合に、左右の上揺動板115,115の特定動作ガイド117,117が特定動作方向TDと異なる方向に沿って延在することで、中央の上可動部93aによる押圧方向へ向けた左右の上可動部93b,93bの移動を対応する上揺動板115の特定動作ガイド117が規制すると共に、中央の上可動部93aの特定動作ガイド111に沿う移動を左右の上可動部93b,93bが規制している。
すなわち、上支持機構105の動作による中板部110aと各上揺動板115,115との相対的な変位に応じて特定動作ガイド117,117の延在方向を変化させることで、特定動作方向TDに各特定動作ガイド111,117,117が延在する上可動体91の動作位置では、特定動作方向TDへの各上可動部93a,93b,93bの移動が許容され、上揺動板115の特定動作ガイド117,117が特定動作方向TDと異なる方向に延在する上可動体91の待機位置では、特定動作方向TDへの各上可動部93a,93b,93bの移動が規制されるようにした。すなわち、中板部110aおよび上揺動板115,115の相対的な変位に応じて各特定動作ガイド111,117,117の延在方向を相違させる構成により、上可動体91が待機位置で周囲の部材(例えば、装飾部材47)と接触する不具合を防止し得る。
更に、実施例に係るパチンコ機10は、演出用の下可動体(可動体)92を備え、該下可動体92が上可動体(別の可動体)91と離間する待機位置および該上可動体91と近接する動作位置に変位するよう構成されていると共に、下可動体92が、動作位置にある状態で上可動体91による押圧に応じて待機位置と異なる側へ移動する。すなわち、上下の可動体91,92が待機位置および動作位置に変位して互いに接近・離間するだけでなく、動作位置において一体的に動作するようにしたことで、両可動体91,92を利用してインパクトのある動作演出を行い得る。また、上可動体91による押圧を利用することで、簡単な構造によって下可動体92を動作位置で上可動体91に連動させることができる。すなわち、複数の可動体91,92を利用したインパクトのある動作演出を簡単な構造によって実現し得る。
更にまた、実施例に係るパチンコ機10は、下可動体92の移動を案内する特定動作ガイド(ガイド部)124,124を備えており、下可動体92が、動作位置において、上可動体91による押圧に応じて特定動作ガイド124,124の延在方向に沿って該下可動体92の自重による停止位置から離間する側へ移動すると共に、上可動体91による押圧が解除されることに応じて特定動作ガイド124,124の延在方向に沿って該下可動体92の自重による停止位置側へ移動する。このため、下可動体92の自重を利用して該下可動体92の移動を安定させることができる。
また、実施例に係るパチンコ機10は、下可動体92を構成する左右の下可動部(複数の可動部)94,94を備えており、左右の可動部94,94のうち一方の下可動部(第1の可動部)94は、対応する一方の下揺動板121に設けられた特定動作ガイド(第1のガイド部)124の延在方向に沿って移動可能に構成され、該左右の可動部94,94のうち他方の下可動部(第2の可動部)94は、対応する他方の下揺動板121に設けられた特定動作ガイド(第2のガイド部)124の延在方向に沿って移動可能に構成されている。そして、下可動体92が待機位置から動作位置に変位する場合に、各特定動作ガイド124,124の延在方向が一致して、上可動体91による押圧に応じた下可動体92の移動が許容される。すなわち、下可動体92を構成する左右の下可動部94,94の移動方向(対応する特定動作ガイド124,124)を、該下可動体92の動作位置において一致させるようにした。これにより、左右の下可動部94,94を有する下可動体92を、簡単な構成によって動作位置で上可動体91に連動させることができる。
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、可動体を構成する複数の可動部が特定動作演出において同方向へ移動するよう構成したが、特定動作演出による動作方向を各可動部で異ならせてもよい。
(2) 実施例では、動作位置で集合する複数の可動体を構成する各可動部の特定動作演出による動作方向を、集合状態での各可動部(外周構成部)の配列方向としたが、該配列方向とは異なる方向(例えば、前後方向)に一体的に動作するよう構成してもよい。
(3) 実施例では、可動体が待機位置および動作位置の間で上下方向に直線的に移動するよう構成したが、可動体が待機位置および動作位置の間で左右方向または傾斜方向に直線的に移動するようにしてもよいし、回動動作により待機位置および動作位置の間を円弧方向に移動するようにしてもよい。
(4) 実施例では、可動演出装置を収容空間に位置するよう設置部材に配設して、表示画面の前側を可動体が移動するよう構成したが、設置部材以外の設置対象に可動演出装置を配設してもよい。この場合には例えば、機前面を構成する装飾枠(前枠)を設置対象として可動演出装置を配設し、可動体が装飾枠の内部または前面側で動作を行うよう構成することが考えられる。
(5) 実施例では、上下の可動体による特定動作演出において、上可動体における左右方向の一方側で下可動体を下方へ押圧し、これにより移動する下可動体における左右方向の他方側で上可動体を上方へ押圧するよう構成したが、下可動体が上可動体を押圧しない構成としてもよい。
(6) 実施例では、複数の可動体の集合状態において、特定の可動体を構成する複数の可動部のうち特定の可動部に連係する1つの駆動源の動力によって各可動体を一体的に動作させて特定動作演出を行うよう構成したが、複数の駆動源の動力によって各可動体を一体的に動作させて特定動作演出を行うようにしてもよい。この場合には例えば、特定の可動体を構成する複数の可動部のうち第1の可動部に連係した駆動源の動力と、他の可動体を構成する複数の可動部のうち第2の可動部に連係した駆動源の動力とにより、各可動体の一体的な特定動作演出を行うよう構成することが考えられる。また、特定の可動体に連係する複数の駆動源の動力により、各可動体の一体的な特定動作演出を行うよう構成してもよい。
(7) 実施例では、支持手段の動作によって可動体が待機位置および動作位置に変位する遊技機について説明したが、可動体が常に動作位置にあり、支持手段の動作によって可動体(複数の可動部)が動作位置で特定動作演出による動作方向へ移動する遊技機においても、1つの駆動源の動力により複数の可動部を特定動作演出による動作方向へ移動させる構成を実現することは可能である。
(8) 実施例では、主制御CPUが始動入賞口への遊技球の入賞を契機として実行する特図当り判定において、大当り判定および小当り判定を行うよう構成すると共に、大当り判定が当りの判定結果となった場合に付与される大当り遊技状態と、小当り判定が当りの判定結果となった場合に付与される小当り遊技状態とにおいて、特別入賞口を開放するよう構成したが、小当り判定を行わず、小当り遊技状態を付与しない構成としてもよい。
(9) 実施例では、小当り遊技状態において特定領域への遊技球の通過が可能な状態を生起し、特定領域への遊技球の通過を契機として大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技を生起させるよう構成したが、大当り遊技状態において特定領域への遊技球の通過が可能な状態を生起して、特定領域への遊技球の通過を契機として大当り遊技状態の終了後に有利遊技状態(例えば、変短状態や、特図当り判定が当りの判定結果となる確率が向上する確変状態等)を生起させるよう構成してもよい。
(10) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン(回胴式遊技機)等、各種の遊技機であってもよい。例えば、スロットマシンは、前方へ開口する箱状の筐体(遊技機本体)に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能に備えられ、図柄が配列された複数の回転体からなる図柄表示部が機前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、遊技媒体としての規定数の遊技メダルを所定の投入口に投入した遊技開始待機状態で遊技者が所定の開始操作手段の操作を行うこと(変動開始条件が成立したこと)を契機として、回転体が回転して図柄が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当り判定を行い、所定の停止操作手段の操作(変動停止条件の成立)または回転体が所定時間に亘って回転動作したこと(変動停止条件の成立)を契機に、当り判定に基づく図柄停止制御を実行するよう構成された遊技機である。そして、当り判定が当りの判定結果となることで、停止操作手段の操作に基づいて所定の組み合わせで図柄が停止することを条件として(特別遊技生起条件が満たされることを条件として)、多数の遊技メダルを獲得可能な特別遊技(ボーナスゲームや特定の入賞役の成立確率が向上した遊技状態等)が生起されるよう制御された遊技機である。この遊技機(スロットマシン)においては例えば、筐体内部や前扉の内部に配設して図柄表示部の周囲に位置させた可動演出装置の可動体を、機前側から視認可能な領域で動作させるよう構成することができる。