以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられている。ガラス扉枠50を閉鎖した状態では、図1に示すようにガラス窓50aを通して遊技領域10が視認可能であり、ガラス扉枠50を開放した状態では、遊技領域10などに遊技店員が接触可能となっている。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成された遊技盤面2aを有し、遊技盤面2aに障害釘(図示略)やガイドレール2bや透光性を有するセンター飾り枠51等が設けられている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
画像表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と画像表示装置5との間には、所定の演出動作を実行する可動役物300が設けられている。また、遊技盤2の後方には、画像表示装置5を取り囲むように、演出表示装置200が設けられている。演出表示装置200の一部は、遊技盤2の開口2cから直接視認可能であり、残りの部分は、透光性を有する遊技盤2から視認することができる。
画像表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、画像表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、閉鎖状態と開放状態とに変化する可動翼を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置かつ普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって、閉鎖状態と開放状態とに変化する可動板を有し、特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口を有する一般入賞球装置24が設けられている。一般入賞球装置24は、画像表示装置5の右方であり通過ゲート41の下方にもうけられている。一般入賞口に進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチ24a(図2)によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対して遊技者によってなされた押下動作はプッシュセンサ35B(図2)にて検出される。
なお遊技者が打球操作ハンドルを操作し、遊技球が左遊技領域(画像表示装置5の左方の領域)へ流れるように遊技球を打込むことを「左打ち」と呼び、遊技球が右遊技領域(画像表示装置5の右方の領域)へ流れるように遊技球を打込むことを「右打ち」と呼ぶ。遊技者は、打球操作ハンドルの操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14(LED制御基板などであってもよい)、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、入賞球スイッチ24aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、プッシュボタン31B、といった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
また、演出制御基板12には、画像表示装置5の周囲に設けられた演出表示装置200と可動体としての可動役物300とが接続されており、該演出表示装置200及び該可動役物300の動作が演出制御基板12(演出制御用CPU120)により制御される。
具体的には、演出制御基板12は、図2に示すように、演出表示装置200を駆動するための駆動モータ201と及び演出表示装置200を発光させるLED272、273の動作を制御する。また演出制御基板12は、可動役物300を駆動するための駆動モータ303、可動役物300が原点位置に位置しているか否かを検出するための原点検出センサ316(フォトセンサ)の動作を制御することで、可動役物300の動作を、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が個別に制御することが可能とされているとともに、可動役物300が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを、演出制御基板12(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bが開放制御が行われ、所定時間が経過するか、もしくは規定数(例えば6個)の遊技球が入賞すると、通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の可動板が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした可動板は、遊技盤2の表面を移動する遊技球を大入賞口に進入させ、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
画像表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための第1初期化処理と、可動役物300の原点位置への復帰と動作確認を行うための第2初期化処理を行う。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、画像表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、LED272、273、遊技効果ランプ9の発光、及び演出表示装置200及び可動役物300の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施の形態では、演出表示装置200及び可動役物300による可動体演出や、演出表示装置200、可動役物300、スピーカ8L,8R、及び遊技効果ランプ9とによる複合演出や、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能である。
次に、遊技盤2の後方に画像表示装置5を取り囲むように設けられた演出表示装置200の詳細について説明する。図3は、演出表示装置を前方からみた斜視図である。図4は、演出表示装置を前方からみた分解斜視図である。図5は、演出表示ユニットを前方からみた分解斜視図である。なお、パチンコ遊技機1を構成する各部材は、特に言及がない限り、合成樹脂又は金属により形成されている。また、各部材に関する取り付けは、特に言及がない限り、ネジ、ビス等を用いた取り付けや、嵌合等の取り付け、溶接、溶着等、適宜の方法で行われている。
演出表示装置200は、該演出表示装置200を構成する種々の部材が取り付けられるベース板210を有している。ベース板210は、図3に示すように種々の部材を保持した状態で、遊技盤面2a(図1)に後方から取り付けられる。これにより、演出表示装置200は、遊技盤2(図1)に取り付けられ、その一部が遊技盤2に形成された開口2cから視認される。なお、遊技盤面2aは透明な材料から構成されているため、演出表示装置200の遊技盤面2aが重なる領域においても、前方から視認することができる。また、ベース板210の略中央には、図4に示すように、円形状の開放孔210aが形成されている。ベース板210に後方から取り付けられた演出表示ユニット290は、開放孔210aを介して前方から視認される。
ベース板210の前面の右下には、駆動モータ201、冷却ファン202、及び駆動ギヤ204を保持した取付金具203が取り付けられている。
駆動モータ201は、例えばステッピングモータであり、演出制御基板12(図2)により動作/非動作が制御される。駆動モータ201は、駆動パルスに同期して回転するため、所定の角度だけ回転軸(不図示)を回転させることができる。
冷却ファン202は、駆動モータ201に隣接して配置され、駆動モータ201に空気を送る空冷ファンである。
駆動ギヤ204は、駆動モータ201の回転軸(不図示)に連結され、該駆動モータ201の駆動により回転する。駆動ギヤ204は、ベース板210に形成された開口部210bを介して、ベース板210の後方に設けられた従動ギヤ205と噛みあっている。この従動ギヤ205は、ベース板210の後方に設けられた従動ギヤ206と噛みあっている。これにより、駆動モータ201が駆動し駆動ギヤ204が回転することにより、従動ギヤ205及び従動ギヤ206に回転が伝達される。
演出表示ユニット290は、図5に示すように、第1リングギヤ220と、該第1リングギヤ220が前方に取り付けられる第1装飾体230と、第2リングギヤ240と、該第2リングギヤ240が前方に取り付けられる第2装飾体250と、第1装飾体230と第2装飾体250との間隔を保持する複数の装飾体保持部260と、LED基板270と、レンズ体280とを備えている。
第1装飾体230は、例えば、透明な合成樹脂が円環状に形成されて構成されている。第1装飾体230の前面には、図6(a)に示すように、内縁230a近傍の始点Aから外縁230bに向けて右回りで延びるデザイン溝231a及びデザイン溝231b(以下、これらのデザイン溝231a、231bを区別しない場合には、単にデザイン溝231と記載する)が等角度の間隔をあけて複数形成されている。デザイン溝231aは、内縁230aに対する角度が大きく、デザイン溝231bよりも早く外縁230bに到達する。本実施形態においては、始点Aは、同心円上に等間隔で配置され、それぞれの始点Aからデザイン溝231a及びデザイン溝231bが延出している。このような構成により、第1装飾体230をみた遊技者に、右回りの渦が生じているかのようなデザインを視認させることができる。また、第1装飾体230には、同心円上にねじ挿通孔230cが複数形成されている。
第1リングギヤ220は、円環状の外歯車から構成されている。第1リングギヤ220には、第1装飾体230のねじ挿通孔230cに対応する位置にねじ孔220aが形成されている。第1リングギヤ220は、第1装飾体230の前面に互いの中心を一致させた状態で、ねじ挿通孔230cに挿通されたねじ(不図示)がねじ孔220aに螺合されることにより、第1装飾体230に取り付けられている。第1リングギヤ220には、2段ギヤである従動ギヤ207の大歯車207aが噛みあっている。また従動ギヤ207の大歯車207aには、従動ギヤ206(図4)が噛みあっている。これにより、駆動モータ201(図3)が駆動することにより従動ギヤ207が回転し、第1リングギヤ220及び第1装飾体230が回転する。
第2装飾体250は、例えば、透明な合成樹脂が円環状に形成されて構成されている。第2装飾体250の前面には、図6(b)に示すように、内縁250a近傍の始点Bから外縁250bに向けて左回りで延びるデザイン溝251a及びデザイン溝251b(以下、これらのデザイン溝251a、251bを区別しない場合には、単にデザイン溝251と記載する)が等角度の間隔をあけて複数形成されている。デザイン溝251aは、内縁250aに対する角度が大きく、デザイン溝251bよりも早く外縁250bに到達する。本実施形態においては、始点Bは、同心円上に等間隔で配置され、それぞれの始点Bからデザイン溝251a及びデザイン溝251bが延出している。このような構成により、第2装飾体250をみた遊技者に、左回りの渦が生じているかのようなデザインを視認させることができる。また、第2装飾体250には、同心円上にねじ挿通孔250cが複数形成されている。なお、第2装飾体250に形成された複数のデザイン溝251によるデザインは、第1装飾体230に形成された複数のデザイン溝231によるデザインと、表裏の関係にある。すなわち、前方(第1方向)から見た第1装飾体230のデザインと、後方(第2方向)からみた第2装飾体250のデザインは同じである。
第2リングギヤ240は、円環状の外歯車から構成されている。第2リングギヤ240には、第2装飾体250のねじ挿通孔250cに対応する位置にねじ孔240aが形成されている。第2リングギヤ240は、第2装飾体250の前面に互いの中心を一致させた状態で、ねじ挿通孔250cに挿通されたねじ(不図示)がねじ孔240aに螺合されることにより、第2装飾体250に取り付けられている。第2リングギヤ240には、2段ギヤである従動ギヤ208の大歯車208aが噛みあっている。また、従動ギヤ208の前面に形成された小歯車208bには、従動ギヤ207の後面に形成された小歯車207bが噛みあっている。これにより、従動ギヤ207の回転が、従動ギヤ208に伝達され、第2リングギヤ240及び第2装飾体250は回転する。なお、従動ギヤ207と従動ギヤ208とは、互いの小歯車を介して噛みあっているため、互いの回転方向は常に反対となる。これにより、第1装飾体230と第2装飾体250とが、常に反対の方向に回転する。なお、従動ギヤ207の大歯車207aの歯数は従動ギヤ208の大歯車208aの歯数と同数であり、従動ギヤ207の小歯車207bの歯数は従動ギヤ208の小歯車208bの歯数と同数である。そのため、第1装飾体230の回転速度と第2装飾体250の回転速度との絶対値は同じである。
第1装飾体230及び第2装飾体250は、正面視して中心が一致するように前後方向に重ねて配置され、装飾体保持部260によって互いの間隔が保持される。
図7は、演出表示ユニットの上部に着目した分解斜視図である。また、図8は、演出表示ユニットの断面図であり、(a)は図4中の平面Aで切断した断面図、(b)は図4中の平面Bで切断した断面図である。
装飾体保持部260は、図7、図8(a)に示すように、円板状の頭部261aと該頭部261aから延びる軸部261bとを有する留め具261と、それぞれがスペーサ262aと規制板262bとを有する3つの規制片262とから構成されている。3つの規制片262が、軸部261bに挿通されて、装飾体保持部260が構成される。これにより、頭部261a及び3つの規制板262bは、間に介在するスペーサ262bにより等間隔に配置される。装飾体保持部260は、同心円上に8つ配置され、ベース板210(図3)の後面に頭部261a及び軸部261bを貫くねじ(不図示)によりねじ止めされる。このようにして取り付けられた装飾体保持部260は、ベース板210の開放孔210aに沿って配置される。そして、第1装飾体230は、2つの規制板262b間に外縁部が嵌め込まれ、第2装飾体250は頭部261aと規制板262bとの間に外縁部が嵌め込まれる。このようにして、第1装飾体230及び第2装飾体250は、複数の装飾体保持部260によって前後方向に所定の間隔をあけて保持される。
レンズ体280は、例えば透光性を有する合成樹脂が円弧状に形成されて構成されている。レンズ体280は、ベース板210の開放孔210aに沿って配置され、ベース板210の後面にねじ止めされる。このようにして取り付けられたレンズ体280は、第1装飾体230及び第2装飾体250の外縁部を覆う。また、レンズ体280は、LED基板270を保持する。
LED基板270は、基板本体271と、基板本体271に設けられたLED272及びLED273とを有している。複数のLED272は、第1装飾体230の外周面230dに沿うように一列で配置される。また、複数のLED273は、第2装飾体250の外周面250dに沿うように一列で配置される。そのため、LED272から出射された光は、透光性を有するレンズ体280を通り、第1装飾体230に外周面230dから入射する。第1装飾体230に入射した光は、第1装飾体230の内部で導光されながら前面から外部へと出射される。また、LED273から出射された光は、透光性を有するレンズ体280を通り、第2装飾体250に外周面230dから入射する。第2装飾体250に入射した光は、第2装飾体250の内部で導光されながら前面から外部へと出射される。外部へ出射された光は、透明な第1装飾体230を通り、前方へと出射される。このように、第1装飾体230を透明な材料から構成することにより、遊技者は、第2装飾体250のデザインと該第2装飾体250から出射された光を視認することができる。
次に、パチンコ遊技機1における演出表示装置200の演出態様について説明する。上述したように、第1装飾体230は、透明な材料から形成されているため、後方に重なるように設けられた第2装飾体250も、第1装飾体230を通して視認可能である。これにより、第1装飾体230に形成されたデザイン溝231によるデザインと第2装飾体250に形成されたデザイン溝251によるデザインとを重ねて視認することができる。また、第1装飾体230と第2装飾体250とは、画像表示装置5を取り囲むように配される。そのため、画像表示装置5による表示内容と、演出表示装置200によるデザインとを同時に視認することができる。
図9は、第1装飾体を右回りに第2装飾体を左回りに回転させた際に視認される演出表示装置のデザインと画像表示装置の表示内容との変化態様を変化順((a)~(c))に示した説明図である。また、図10は、第1装飾体を左回りに第2装飾体を右回りに回転させた際に視認される演出表示装置のデザインと画像表示装置の表示内容との変化態様を変化順((a)~(c))に示した説明図である。
図9(a)に示すように、第1装飾体230のデザインと第2装飾体250のデザインとが重ね合わされると、複数の略菱形の図形が生成されるとともに、デザイン溝231とデザイン溝251とによる複数の交点が生成される。上述したように、デザイン溝231とデザイン溝251とは表裏の関係にあるため、重なり合ったデザインは規則正しく、統一感のある模様を形成する。ここで、右回り(時計回り)に進むにつれて外側に向かう線は、第1装飾体230に形成されたデザイン溝231を表している。一方、左回り(反時計回り)に進むにつれて外側に向かう線は、第2装飾体250に形成されたデザイン溝251を表している。なお、図9、10の拡大図においては、デザイン溝231、251を容易に区別できるように、外側に早く到達する(内縁に対する角度が大きい)デザイン溝231a及びデザイン溝251aを破線で示し、外側に遅く到達する(内縁に対する角度が小さい)デザイン溝231b及びデザイン溝251bを実線で示している。
図9(a)の拡大図に示すように、例えば第1装飾体230と第2装飾体250(以下、両者を特に区別しない場合には、装飾体230、250と記載する)の中心を通るラインL1、L2、L3上には、表裏の関係にあるデザイン溝231aとデザイン溝251aとの交点、及び表裏の関係にあるデザイン溝231bとデザイン溝251bとの交点が配される。一方、ラインL1、L2、L3上にない領域には、表裏の関係にないデザイン溝231aとデザイン溝251bとの交点、及び表裏の関係にないデザイン溝231bとデザイン溝251aとの交点とが配される。
図9における各拡大図においては、交点の一例として交点a~dを図示している。交点aはデザイン溝231bとデザイン溝251bとの交点、交点bはデザイン溝231aとデザイン溝251aとの交点であり、共にラインL2上に位置する。交点cはデザイン溝231aとデザイン溝251bとの交点、交点dはデザイン溝231bとデザイン溝251aとの交点であり、共にラインL1~L3上には位置していない。また、1のデザイン溝231の始点Aと、1のデザイン溝251の始点Bとを図示している。なお、ラインL1~L3等の表裏の関係にあるデザイン溝の交点位置を示すラインは、それ以外にも装飾体230、250の周上に所定の角度ごとに設定されている。
図9(a)の状態から、第1装飾体230を矢印Y1で示すように右回りに25°回転させ、第2装飾体250を矢印Y2で示すように左回りに25°回転させた状態を図9(b)に示す。このように、第1装飾体230及び第2装飾体250は、同じ絶対値の回転速度で互いに反対方向に回転する。
第1装飾体230の右回りの回転により始点Aは右側に移動するとともに、第2装飾体250の左回りの回転により始点Bは左側に移動する。また、交点aは、ラインL2上を装飾体230、250の内側に向けて(半径方向に)移動する。このように交点aが、ラインL2上を移動する理由としては、表裏の関係にあるデザイン溝231bとデザイン溝251bとが、同じ絶対値の回転速度で互いに反対方向に回転するからである。同様に、表裏の関係にあるデザイン溝231aとデザイン溝251aとの交点bは、ラインL2上を装飾体230、250の内側に向けて移動する。
交点bを構成するデザイン溝231a及びデザイン溝251aは、交点aを構成するデザイン溝231b及びデザイン溝251bよりも内縁から早く外側に到達する(内縁に対する角度が大きい)ように形成されている。そのため、交点bは、交点aよりも内側に移動するスピードは速く、交点aと交点bとの間隔は広くなる。このように、交点a及び交点bは、ラインL2上、すなわち装飾体230、250の中心を通る線上を内側に向けて進む。また、交点cは、図9(a)から図9(b)に示すように、装飾体230、250の内側に移動しながら、右方向に移動する。一方、交点dは、図9(a)から図9(b)に示すように、装飾体230、250の内側に(半径方向に)移動しながら左方向に(円周方向に)移動する。このように、交点c及び交点dは、表裏の関係にないデザイン溝の交点であるため、装飾体230、250の内側(半径方向)に移動しながら右方向あるいは左方向に(円周方向に)移動する。
さらに、図9(b)に示す状態から、第1装飾体230を矢印Y1で示すように右回りに25°、第2装飾体250を矢印Y2で示すように左回りに25°回転させた状態を図9(c)に示す。図9(c)に示すように、始点Aはさらに右方向に移動するとともに、始点Bはさらに左方向に移動する。表裏の関係にある線状のデザインにより形成された交点a及び交点bは、ラインL2上をさらに内側に移動する。表裏の関係にない線状のデザインにより形成された交点c及び交点dは、内側に(半径方向に)移動しながら右方向あるいは左方向に(円周方向に)移動する。このように線状のデザイン溝により形成された各交点は、装飾体230、250の内側に移動する。このように内側に移動した各交点の外側には、新たな交点が次々と生成される。そして、生成された各交点も内側へと移動していく。このような変化態様をとることにより、第1装飾体230のデザインと第2装飾体250のデザインとが重なり合った円環状のデザインが、内側(矢印Y3の方向)に向けて吸い込まれているかのような演出を視認させることができる。このような演出表示装置200の演出態様を、第1演出ともいう。
このような演出表示装置200の第1演出に合わせて、画像表示装置5は、図9(b)に示すように、中心に向けて吸い込んでいるような渦巻き状の演出画像5aを表示する。そして演出表示5aは、演出表示装置200による演出に伴い、図9(c)に示すように徐々に渦巻きが大きくなる。このように画像表示装置5は、第1装飾体230と第2装飾体250とによる円環状のデザインが吸い込まれるかのような第1演出に合わせて、渦巻き状の演出表示5aを表示する。
次に、駆動モータ201(図4)を反対に駆動させて、装飾体230、250を図9に示す場合とは反対の方向に回転させた場合について説明する。図10(a)に示す装飾体230、250の状態は、図9(a)に示す状態と同じであるが、図10(a)の拡大図において、符号を付した交点と始点とが異なっている。交点aはデザイン溝231bとデザイン溝251bとの交点、交点bはデザイン溝231aとデザイン溝251aとの交点であり、共にラインL2上に位置する。交点cはデザイン溝231aとデザイン溝251bとの交点、交点dはデザイン溝231bとデザイン溝251aとの交点であり、共にラインL1~L3上には位置していない。また、1のデザイン溝231の始点Aと、1のデザイン溝251の始点Bとを図示している。
図10(a)に示す状態から、第1装飾体230を矢印Y4に示すように左回りに25°、第2装飾体250を矢印Y5に示すように右回りに25°回転させた状態を図10(b)に示す。このように、第1装飾体230及び第2装飾体250は、同じ絶対値の回転速度で互いに反対方向に回転する。
第1装飾体230の左回りの回転により始点Aは左側に移動するとともに、第2装飾体250の右回りの回転により始点Bは右側に移動する。また、交点aは、ラインL2上を装飾体230、250の外側に向けて移動する。このように交点aが、ラインL2上を移動する理由としては、表裏の関係にあるデザイン溝231bとデザイン溝251bとが、同じ絶対値の回転速度で互いに反対方向に回転するからである。同様に、表裏の関係にあるデザイン溝231aとデザイン溝251aとの交点bは、ラインL2上を装飾体230、250の外側に向けて移動する。
交点bを構成するデザイン溝231a及びデザイン溝251aは、交点aを構成するデザイン溝231b及びデザイン溝251bよりも内縁から早く外側に到達する(内縁に対する角度が大きい)ように形成されている。そのため、交点bは、交点aよりも外側に移動するスピードは速く、交点aと交点bとの間隔は狭くなる。このように、交点a及び交点bは、ラインL2上、すなわち装飾体230、250の中心を通る線上を外側に向けて進む。また、交点cは、図10(a)から図10(b)に示すように、装飾体230、250の外側に移動しながら、左方向に移動する。一方、交点dは、図10(a)から図10(b)に示すように、装飾体230、250の外側に移動しながら、右方向に移動する。このように、交点c及び交点dは、表裏の関係にないデザイン溝の交点であるため、装飾体230、250の外側に移動しながら右方向あるいは左方向に移動する。
さらに、図10(b)に示す状態から、第1装飾体230を矢印Y4で示すように左回りに25°、第2装飾体250を矢印Y5で示すように右回りに25°回転させた状態を図10(c)に示す。図10(c)に示すように、始点Aはさらに左方向に移動するとともに、始点Bはさらに右方向に移動する。表裏の関係にある線状のデザインにより形成された交点a及び交点bは、ラインL2上をさらに外側に移動する。表裏の関係にない線状のデザインにより形成された交点c及び交点dは、外側に移動しながら右方向あるいは左方向に移動する。このように線状のデザイン溝により形成された各交点は、装飾体230、250の外側に移動する。このように外側移動した各交点の内側には、新たな交点が次々と生成される。そして、生成された各交点も外側へと移動していく。このような変化態様をとることにより、第1装飾体230のデザインと第2装飾体250のデザインとが重なり合った円環状のデザインが、外側(矢印Y6)向けて広がっていくかのように視認させることができる。このような演出表示装置200の演出態様を、第2演出ともいう。
このような演出表示装置200の第2演出に合わせて、画像表示装置5は、図10(b)に示すように、はじけ飛んだ様子を表した演出表示5bを表示する。そして演出表示5bは、図10(c)に示すように、徐々に大きくなる。このように画像表示装置5は、第1装飾体230と第2装飾体250とによる円環状のデザインが広がっていく第2演出に合わせて、徐々に大きくなる演出表示5bを表示する。
演出表示装置200は、画像表示装置5、可動役物300、スピーカ8L,8R、及び遊技効果ランプ9とによる複合演出や、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能である。例えば、画像表示装置5によるリーチ予告画面では、演出表示装置200は、LED272、273を点灯させて円環状のデザインが吸い込まれるかのような第1演出を実行し、プッシュボタン31Bが操作され、可動役物300が退避位置から演出位置に進出する際には、LED272、273を点滅させて円環状のデザインが広がっていく第2演出を実行する。このように、演出表示装置200は、他の演出装置による演出に応じて異なる演出態様を実行する。
なお、LED272、273は、装飾体230、250の外周を取り囲むように配されている。LED272、273を発光させる際は、複数の光を選択的に発光することにより、演出表示装置200に様々な態様で光を照射することができる。また、LED272、273に様々な色のLEDを採用することにより、演出表示装置200を様々な色の光で照射することができる。これにより、演出効果を高めることができる。また、例えば、第1装飾体230を照射するLED272を赤色LEDとし、第2装飾体250を照射するLED273を青色LEDとし、両者の光を混色させた赤紫色で演出表示装置200を発光させてもよい。
次に、可動役物300の構造について、図11を参照して説明する。図11は、可動役物における実動作確認用動作制御の例を示す図である。
図11に示すように、可動役物300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間における演出表示装置5の下方位置に設けられ、所定箇所に固設されたベース部301と、該ベース部301に対し回動可能に設けられた可動部302と、可動部302が横向きに傾倒する退避位置(原点位置、初期位置、図11(a)参照)と、退避位置から離れた位置において可動部302が縦向きに起立する演出位置(図11(b)参照)と、の間で往復動作(回動)させる駆動モータ303と、を有する。尚、本実施例では、駆動モータ303としてステッピングモータが適用されている。
ベース部301には、軸受孔310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔310の周辺には、軸受孔310を中心とする円弧形状をなすガイド溝311が形成されている。ベース部301の背面における軸受孔310の右下方位置には駆動モータ303が背面に固設されており、ベース部301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤312が固着されている。
回転盤312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材313が突設されており、該軸部材313には、リンク部材314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤312の周縁における軸部材313の反対側には被検出部315が突設されており、該被検出部315が回転盤312の下方に設けられた原点検出センサ316により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部302が傾倒位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。
尚、本実施例では、可動部302は、退避位置にあるときには演出表示装置5の表示画面の下方に退避し(図1参照)、退避位置から離れた演出位置において画像表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている。
可動部302は、ベース部301に対し回動可能に設けられた回動部材320に設けられ、例えば内蔵された発光体(図示略)により前面部が発光可能とされている。回動部材320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔310に後側から挿入される回動軸325と、回動軸325の左側に突設されガイド溝311に後側から挿入される第1ガイド軸326と、回動軸325の右上に突設されガイド溝311に後側から挿入される第2ガイド軸327と、を有する。
ガイド溝311を挿通してベース部301の前面側に突出した第2ガイド軸327の先端には、リンク部材314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤312と回動部材320とはリンク部材314を介して連結されている。また、回動軸325の外周には、回動部材320を常時演出位置側へ向けて付勢するコイルバネ328が設けられている。
このように構成された可動役物300は、原点位置(初期位置)において、図11(a)に示すように可動部302が傾倒位置に位置する。そして、駆動モータ303により回転盤312が正面視時計周りに回動することにより、リンク部材314により第2ガイド軸327が下方に引かれることで、回動軸325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、可動部302が図11(b)に示す演出位置である起立位置まで回転する。尚、退避位置から演出位置へ回動する際に、コイルバネ328の付勢力が作用するため、駆動モータ303にかかる負荷が軽減される。また、駆動モータ303を逆駆動させることで、退避位置から演出位置へ回動する。
また、可動役物300が退避位置へ移動したときに第1ガイド軸326がガイド溝311の一端に当接することにより、可動役物300の正面視反時計回りの回動が規制され、可動役物300が演出位置へ移動したときに第2ガイド軸327がガイド溝311の他端に当接することにより、可動役物300の正面視時計回りの回動が規制されるようになっている。
次に、上述した第2初期化処理が実行されることによる可動役物300の動作態様及び制御内容について、図12、図13を用いて説明する。図12は、演出制御用CPUが行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図13は、(a)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(b)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(c)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。図14は、可動役物の検出時動作制御の例を示す図である。
尚、図12及び図13においては、可動役物300における非検出時動作制御(ショート初期化動作制御)、検出時動作制御(ショート初期化動作制御)及び実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)について説明する。
図12に示すように、可動役物300の可動部302は、原点位置(退避位置、初期位置)と演出位置との間で往復動作可能に設けられており、原点位置から演出位置への往動作や演出位置から原点位置への復動作は、前述した可動体演出等において実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPU120は、第2初期化処理を実行したときに可動役物300の被検出部315が原点検出センサ316により検出されない場合、つまり、可動役物300が何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどにより可動役物300の原点復帰が確認できなかったり動作できなくなるといった役物エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置(例えば、図12における非検出時動作制御に対応する黒丸で示す位置など、原点位置と演出位置との間の所定位置)にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、可動役物300は原点位置から離れた位置にあるため、動作としては可動役物300を原点位置方向に移動させる。
また、演出制御用CPU120は、第2初期化処理を実行したときに可動役物300の被検出部315が原点検出センサ316により検出された場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、被検出部315が原点検出センサ316により確実に検出されるように、被検出部315が原点検出センサ316により検出されたときから可動役物300の原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して原点検出センサ316により検出された位置よりもさらに奥側にずれた位置に停止することがある。よって、被検出部315が原点検出センサ316により検出されていても、可動役物300をより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、原点検出センサ316による被検出部315の検出状態を一旦解除するために可動役物300を原点位置から離れた位置へ移動させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、演出位置まで移動させる必要はないので、可動役物300を原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる(図14参照)。
また、演出制御用CPU120は、第2初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、可動役物300が各種演出等において実際に行う実動作と同一の動作を実行する。
次に、演出制御用CPU120が非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図13(a)、図13(b)、図13(c)にて示す速度は、演出制御用CPU120が可動役物300を動作させるために設定する制御速度であって、可動役物300の実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、所定の可動役物300を動作させる場合において、原点位置と演出位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合(例えば、バネがある区間とない区間、直線区間と曲線区間)や、同一の移動区間でも上昇する場合と下降する場合においては、可動役物300を実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、可動役物300に対し同一の制御速度を設定しても、可動役物300の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、可動役物300の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。また、複数の可動役物を同一性能のステッピングモータにて動作させる場合において、各可動役物に対し同一の制御速度を設定しても、各可動役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図13(a)に示すように、演出制御用CPU120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて確認対象役物を動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して演出位置に停止させるとともに、演出位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、可動役物300が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、可動役物300の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPU120は、可動役物300の可動体演出を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で可動役物300が動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で可動役物300が動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、可動役物300の実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度に基づいて可動役物300を動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度に基づいて可動役物300を動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、可動役物300の加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、演出位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、演出位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、可動役物300を確実に減速させてから原点検出センサ316により被検出部315が検出されるようにしている。
図13(b)に示すように、演出制御用CPU120は、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から演出位置まで移動させる期間及び演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて可動役物300が動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動役物300を動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて可動役物300の動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、原点検出センサ316にて被検出部315を確実に検出できなかったり、近距離から可動役物300が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動役物300等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図13(c)に示すように、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と演出位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動役物300を動作させる制御を行う。
この場合、可動役物300は原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、可動役物300が原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、可動役物300が原点位置に復帰したときに原点検出センサ316にて被検出部315を確実に検出できなかったり、近距離から可動役物300が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動役物300等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、第1装飾体230に形成された線状のデザイン溝231によるデザインと、第2装飾体250に形成された線状のデザイン溝251によるデザインとを重ね合わせ、第1装飾体230及び第2装飾体250を回転させることで、移動するデザイン溝231とデザイン溝251との複数の交点を徐々に移動させることができる。これにより、従来にない複雑な模様の動きを視認させることができ、演出効果を高めることができる。
特に、演出表示装置200の円環状のデザインを、奥側に向けて吸い込まれているかのような演出(第1演出)と、奥側から手前側に向けて飛び出してくるかのような演出(第2演出)を視認させることができる。これにより、遊技者に立体的感を感じさせることができ、演出効果を向上させることができる。
また、デザイン溝231とデザイン溝251とは表裏の関係にあるため、重なり合ったデザインは、規則正しく、統一感のある模様を形成する。これにより、演出効果を高めることができる。
また、第1装飾体230の回転と、第2装飾体250の回転とを、1つの駆動モータ201によって実現している。これにより、パチンコ遊技機1の製造コストを抑制しつつ演出効果を向上させることができる。
また、表裏の関係にあるデザインが施された第1装飾体230と第2装飾体250とを、回転速度の絶対値を同じにして反対方向に回転させた。これにより、中心を通る所定のライン(例えば、図9に示すラインL1~L3)上にある交点は、該ライン上を移動することになる。これにより、デザインが変化する過程においても、規則正しく、統一感のあるデザインとすることができる。これにより、視覚的な効果を高められ、演出効果を向上させることができる。
また、デザイン溝231及びデザイン溝251は、装飾体230、250の内縁に対する角度が異なる二種類のデザイン溝を有している。これにより、中心を通る所定のライン(例えば、図9に示すラインL1~L3)上にある交点の移動速度を異ならせることができる。また、所定のライン上にない交点は、内外方向(半径方向)の移動とともに左右方向の移動を伴わせることができる。これにより、デザインが変化する過程においても、規則正しく、統一感のあるデザインを保持しつつも複雑な変化をさせることができる。これにより、視覚的な効果を高められ、演出効果を向上させることができる。
また、演出表示装置200は、画像表示装置5、可動役物300、スピーカ8L,8R、及び遊技効果ランプ9による複合演出や、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出に応じて異なる演出態様(第1演出あるいは第2演出)を実行する。これにより、演出にバリエーションを持たせることができ、演出効果を向上させることができる。
また、演出表示装置200において交点を内側に向けて移動させる演出の際(図9)には、画像表示装置5に渦巻き状の演出画像5aを表示し、演出表示装置200において交点を外側に向けて移動させる演出の際(図10)には、画像表示装置5にはじけ飛んだ様子を表した演出画像5bを表示した。これにより、演出表示装置200による演出を、画像表示装置5による画像によって、より効果をより向上させることができる。また、演出表示装置200に異なる演出態様に合わせて、画像表示装置5が表示する画像を異ならせることにより、演出効果をより高めることができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、可動部302が横向きに傾倒する第1退避位置(図11(a)参照)と、第1退避から離れた位置において可動部302が縦向きに起立する演出位置(図11(b)参照)との間で回動可能に設けられた可動役物300や、可動役物を動作させるための駆動手段としての駆動モータ303、駆動モータ303による可動役物300の動作を制御する制御手段としての演出制御用CPU120と、を備え、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御と、可動役物300が正常に動作可能であることを確認するための第2動作制御としての実動作確認用動作制御と、可動役物300による可動体演出を行うための第3動作制御と、を実行可能であり、実動作確認用動作制御を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で可動役物が動作するように制御し、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御する。
このようにすることで、第1動作制御において、可動役物300はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。具体的には、非検出時動作制御や検出時動作制御では、実動作確認用動作制御に比べて可動役物を原点位置まで移動させる距離が短い場合があるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における最低速度とすることで、被検出部を検出手段により確実に検出させることができるとともに、可動役物300を高速で移動させたまま移動規制された衝撃で破損することを回避できる。
尚、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御する場合、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に設定する制御速度と、実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度とは同一の制御速度でもよいし異なる制御速度でもよい。
また、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、常に予め設定された単一(一定)の動作速度、つまり、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて可動役物300が動作するように制御する。
このようにすることで、可動役物300を原点位置に位置させる際の速度を一定とすることができ、可動役物300の破損等を防ぐことができる。
また、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて可動役物300が動作するように制御する。
このようにすることで、可動役物300の安全動作を確保しつつ、過度に速度を下げる(例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い速度とするなど)ことなく安全に動作できる最高速度(第1速度)を選択することで、非検出時動作制御や検出時動作制御の期間を短縮することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、第1装飾体230と第2装飾体250とを、駆動モータ201により、回転速度の絶対値を同じにして反対方向に回転させた。しかしながら、第1装飾体230及び第2装飾体250のうち、一方の装飾体のみを駆動モータ201によって回転させてもよい。これにより、重なり合った線状デザインの交点を移動させることができる。また、第1装飾体230と第2装飾体250とを、回転速度の絶対値を異ならせて反対方向に回転させてもよいし、回転速度の絶対値を異ならせて同一方向に回転させてもよい。このような回転は、従動ギヤ207と従動ギヤ208のギヤ比を異ならせて実現してもよいし、装飾体のそれぞれに駆動モータを設置し、それぞれの装飾体を独立して駆動してもよい。このように回転させても、線状のデザインの交点は移動し、演出効果を向上させることができる。
また、第1装飾体230に形成されたデザインと、第2装飾体250に形成されたデザインとが表裏の関係になく、同一のデザインであっても、異なるデザインであってもよい。この場合であっても、重ねあわされた線状のデザインによって交点が形成されるのであれば、第1装飾体230と第2装飾体250とを異なる回転スピード(反対方向の回転も含む)で回転させることで、形成された交点を移動させることができる。これにより演出効果を向上させることができる。
また、第1装飾体230と第2装飾体250とを回転させている間、回転速度を常に一定にする必要はなく、時間の経過とともに早くしたり遅くしたりしてもよい。例えば、有利な状態に移行することを示唆する演出を実行するときには、装飾体230、250の回転速度を上げて、遊技の興趣を高めるようにしてもよい。
また、デザイン溝231及びデザイン溝251は、装飾体230、250の内縁に対する角度が異なる二種類のデザイン溝を有していたが、角度が異なる三種類以上のデザイン溝を形成してもよいし、角度が同一の一種類のデザイン溝のみを形成してもよい。内縁に角度を大きくすればするほど、演出中の交点の移動速度を速くすることができる。このことを利用して、種々の線状のデザインを採用することができる。
また、デザイン溝231及びデザイン溝251は、内側から外側に延びる曲線状に形成されていたが、このような態様に限定されない。例えば、内側から外側に延びる線状デザインであって、直線であってもよいし、波型状に延びる曲線であってもよいし、ギザギザ状のデザインであってもよい。
また、一方のデザインを内側から外側に延びる線状デザインとし、他方のデザインを円周上に複数配列された線状デザインとしてもよい。このような構成としても、少なくとも一方の線状デザインを回転させることにより重ね合ったデザインの交点が移動する。
また、円環状のデザインの変化を、液晶ディスプレイ等の画像表示装置で表示させる態様であってもよい。また、線状のデザインが施された1つの装飾体を、線状のデザインを表示する液晶ディスプレイ等の前方で回転させてもよいし、装飾体側を固定して、液晶ディスプレイが表示する線状デザインを回転しているかのように表示してもよい。
また、演出表示装置200と同時に実行される演出は、画像表示装置5に表示する渦巻き状の演出画像5aや、はじけ飛んだ様子を表した演出画像5bによる演出に限定されない。例えば、画像表示装置5で、魚が食いつき竿を引っ張られている画像や食いついた魚を引き上げている状況を表した画像を表示してもよい。竿を引っ張られる画像が表示する場合には、演出表示装置200において線状のデザインの交点を内側に移動させる第1演出を実行してもよい。一方、食いついた魚を引き上げている状況を表した画像を表示する場合には、演出表示装置200において線状のデザインの交点を外側に移動させる第2演出を実行してもよい。また、画像表示装置5でキャラクタが画面の外に飛び出してくるような表示演出を表示し、その表示に合わせて第2演出(交点が外側に移動する演出)を実行してもよい。また、画像表示装置5でキャラクタが画面の中に飛び込むような表示演出を表示し、その表示に合わせて第1演出(交点が内側に移動する演出)を実行してもよい。また、車がトンネルの中を進む表示演出を表示し、車が画面奥に進んでいる場合には、演出表示装置200でトンネル壁の移動に合わせて第2演出(交点が外側に移動する演出)を実行し、一方、車が画面手前に向けて進んでいる場合には、演出表示装置200でトンネル壁の移動に合わせて第1演出(交点が内側に移動する演出)を実行してもよい。このように、演出表示装置200による演出と同時に、該演出効果を高めるような画像を表示すればよい。また、演出表示装置200による演出に合わせて、遊技効果ランプ9や、演出表示装置200を取り囲むように設けた発光手段(不図示)を点灯、点滅させて、演出効果を高めるようにしてもよい。
また、演出表示装置200と可動役物300とによる複合演出の一例として、可動役物300が退避位置から演出位置(画像表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳する位置)に移動する際、演出表示装置200で第2演出を実行し、可動役物300が演出位置から退避位置に移動する際、演出表示装置200で第1演出を実行してもよい。
また、上記実施の形態では、線状のデザインを有する装飾体を回転させることによって、形成された交点を移動させていたが、装飾体の移動態様は回転に限定されるものではない。図15は、演出表示装置の他の実施形態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は装飾体の動きを説明するための説明図、(c)は装飾体の他の動きを説明するための説明図である。
図15(a)に示すように、演出表示装置400は、例えば矩形状の画像表示装置5の各辺に沿って設けられた装飾部410、装飾部420、装飾部430、及び装飾部440を有している。各装飾部は、表裏の関係にある線状のデザインが施された2枚の装飾体が重ね合わされて構成されている。これにより、各装飾部を正面から見ると、異なる方向に延びた線状のデザインによって複数の交点が形成されている。なお、各装飾部は同様の構成を有しているため、以下では、装飾部410の構成について説明する。
図15(b)に示すように、装飾部410は、重なり合った板状の第1装飾体411と、板状の第2装飾体412とを有している。第1装飾体411及び第2装飾体412は、例えば透明な合成樹脂から構成されている。第1装飾体411は、左下から右上に向けて直線的に延びる複数の線状デザイン411aを有している。線状デザイン411aは、例えば、遮光性の顔料によって形成されている。第2装飾体412は、右下から左上に向けて直線的に延びる複数の線状デザイン412aを有している。線状デザイン412aも、例えば遮光性の顔料によって形成されており、線状デザイン411aと表裏の関係にある。このような構成により、装飾部410を正面視すると、線状デザイン411aと線状デザイン412aとが重なり合って視認され、互いのデザインの複数の交点410aを視認することができる。
この状態から、第1装飾体411を右方向(Y7)に、第2装飾体412を左方向(Y8)に移動することにより、全ての交点を上方へと移動させることができる。また、第1装飾体411を左方向(Y7)に、第2装飾体412を右方向(Y8)に移動することにより、全ての交点を下方へと移動させることができる。このように、デザインを有する装飾体を、直線上を互いに反対方向に移動させることによって、線状デザインの交点を移動させることができる。
また、図15(c)は、装飾部の他の例を示すものである。装飾部510は、ループ状に形成された装飾体511と、該装飾体511が掛け渡される回転可能な軸部512、513とを有している。装飾体511は、例えば透明でありかつ柔軟な合成樹脂から構成されている。装飾体511は、所定の間隔をあけて斜め方向に直線的に延びる複数の線状デザイン511aを有している。線状デザイン511aは、例えば遮光性の顔料によって形成されている。装飾体511は、同一方向に同時に回転する軸部512と軸部513とに掛け渡されている。そのため、装飾部510を正面視すると、前方の線状デザイン511aと後方の線状デザイン511aとが重なり合って視認され、複数の交点が視認される。
この状態から、軸部512及び軸部513を回転させると、前方の線状デザイン511aと、後方の線状デザイン511aとは反対方向(矢印Y9、Y10)に移動する。これにより、線状デザイン511aにより形成された全ての交点が上方あるいは下方へと移動させることができる。このような構成によっても、線状のデザインを、互いに反対方向に直線移動させることによって、線状デザインの交点を移動させることができる。
例えば、前記実施例では、可動役物の一例として、原点位置と演出位置との間で回動可能な可動役物300を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動役物の動作態様(例えば、移動方向や回動方向)や設置数は上記のものに限らず種々に変更可能である。また、上記以外の動作態様にて動作する可動役物を適用してもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理において、一の可動役物に対し第1動作制御としての非検出時動作制御または検出時動作制御を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも非検出時動作制御のみを実行するようにしてもよい。尚、非検出時動作制御のみを実行可能とする場合、第2初期化処理において原点検出センサにより可動役物が検出されている場合は非検出時動作制御を実行しなくてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度で可動役物が動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御や検出時動作制御において、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御すればよく、例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、常に予め設定された単一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物が動作する、つまり、可動役物が常に一定の速度にて動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、原点位置に復帰する際に、実動作確認用動作制御における最低速度から漸次減速させて最低速度よりも低い速度にて動作するように制御してもよい。つまり、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、実動作確認用動作制御における最低速度よりも低い速度であれば、所定の移動期間において速度が可変するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、それぞれ同一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物の動作を制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御における最高速度が、検出時動作制御における最低速度以下の速度となるように制御するようになっていれば、例えば、非検出時動作制御と検出時動作制御とで異なる動作速度にて可動役物を動作させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU120は、可動役物を往動作及び復動作それぞれにおいて加速及び減速して、低速→高速→低速→停止となるように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出時の動作制御や実動作確認用動作制御における動作速度は上記した形態に制御するものに限らず、例えば、低速→高速→低速→高速→低速→停止といったように低速と高速とを複数回繰り返すように制御してもよいし、動作速度が低速→中速→高速の順に変化するように制御してもよい。
また、往動作と復動作とで動作速度の変化態様や最低速度が異なるように制御してもよい。尚、往動作と復動作とで最低速度が異なる場合、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における往動作と復動作とのうち速度が低い方の最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU120は、可動役物を加速及び減速して動作速度を変化させる制御を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。このように単一の動作速度にて可動役物が動作するように制御する場合、該単一の動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、該最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を、パチンコ遊技機1の起動時である第2初期化処理において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、起動時以外のタイミング(例えば、役物エラーや他の各種エラーを含むエラー処理の実行後や、図柄の変動開始時や、可動役物演出の実行後など)にて実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を第2初期化処理にて実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、非検出時動作制御や検出時動作制御の実行タイミングは任意に設定可能であり、例えば、可動体演出の終了後や、図柄の変動表示が開始されるときや、デモ演出を実行したときなどに実行するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
上記実施の形態では、演出表示装置200及び可動役物300による演出は、予告演出や大当り中演出等の各種演出として実行可能とされていたが、スロットマシンの場合、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等)の付与、遊技者にとって有利な押し順が報知されるアシストタイム(以下、ATと略称する)の付与、ATの継続率引き上げやATのストック数上乗せといったより有利なATの付与、ATに移行しやすい状態の付与、特定役の付与などが決定された可能性を示唆する示唆演出として、演出表示装置200及び可動役物300による演出を実行してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。