JP6039291B2 - 有機el素子、及びこれを用いた発光装置、画像形成装置、表示装置、撮像装置 - Google Patents

有機el素子、及びこれを用いた発光装置、画像形成装置、表示装置、撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、さらに、係る有機EL素子を用いてなる発光装置、画像形成装置、表示装置、撮像装置に関する。
近年、数ボルト程度の低駆動電圧で自己発光する有機EL素子が注目を集めている。有機EL素子は、金属反射層を有する反射電極と発光層と透明電極とが積層された構成である。この有機EL素子は、面発光特性、軽量、視認性といった優れた特徴を活かし薄型ディスプレイや照明器具、ヘッドマウントディスプレー、また電子写真方式プリンタのプリントヘッド用光源など発光装置としての実用化が進みつつある。
特に有機EL表示装置の低消費電力化の要求は高まりつつあり、発光効率のさらなる改善が期待されている。発光効率を飛躍的に改善させるデバイス構造の一つに、マイクロキャビティ方式がある。発光分子は、光の「強めあう干渉」が起きる空間に向かって光を強く放射する性質がある。つまり、光学干渉を使って励起子の放射速度を増加させたり、放射パターンを制御することが可能となる。マイクロキャビティ方式では、発光分子からみて光取り出し方向に「強めあう干渉」が生じるようにデバイスパラメータ(膜厚や屈折率)を設計する。
特に、金属反射層の反射面と発光層の発光位置との距離dがd=iλ/(4n)の条件(i=1,3,5・・・)を満たす場合、干渉効果による放射強度増加が最も大きくなることが知られている。iは干渉次数であり、以後、このi=1の条件をλ/4の干渉条件と呼ぶ。ここで、λは発光分子のPLスペクトルの真空中でのピーク波長であり、nは発光点から金属反射層間の有効屈折率に相当する。マイクロキャビティ方式は、マイクロレンズのような凹凸の構造物の必要がなく、低コストで発光効率の増大が期待できる。
また、マイクロキャビティは、光取り出し側の反射率の大小により弱キャビティと強キャビティに分類される。通常、弱キャビティにおいてはガラス/透明酸化物半導体といった透過率の高い電極構造が用いられ、キャビティの干渉効果は主に金属反射層と発光層間で生じる干渉条件で決まる。一方、強キャビティにおいては、光取り出し側の透明電極として、反射率の高い半透過性の金属薄膜が用いられる。そのため、金属反射層と発光層間で生じる干渉効果だけでなく、発光層と光取り出し側の金属薄膜間で生じる干渉効果も含まれる。この場合もまた、干渉効果が最大となるように発光層と金属薄膜との光学距離がλ/4の干渉条件を満たす様に設計される。そのため、強キャビティでは、弱キャビティに比べより大きな干渉効果を利用することが可能となり、飛躍的に発光効率が改善され得る。
しかしながら、3λ/4干渉条件(i=3の条件)に比べて、λ/4の干渉条件においては、発光層と金属反射層間の距離が約60nm以下となるため、表面プラズモン(SP)損失が特に大きくなることが知られている。SP損失とは、発光分子の励起エネルギーにより金属のSPが励起される結果、その励起エネルギーがジュール熱に転化される現象である。そのため、λ/4干渉構造を利用したマイクロキャビティにおいては、大きな光学干渉効果の割には発光効率が改善されないという課題があった。つまり、λ/4干渉条件でマイクロキャビティの発光効率をさらに改善するには、SP損失を抑制する方法が必須となる。
これまで、SP損失を抑制する方法は、特許文献1で開示されている金属反射層と発光層間の距離を増大させる干渉効果を犠牲にする方法が提案されてきた。また非特許文献1で示されているように発光分子の遷移ダイポールモーメントを水平配向させ、λ/4の干渉効果とSP損失抑制を両立できる方法が提案され始めている。こうしたSP損失など有機EL素子内での光の挙動は光学シミュレーションで計算可能であり、非特許文献2に詳しい。
しかしながら上述のSP損失抑制法は、いずれも金属と誘電体界面が1つしかない弱キャビティ構成で検討されている。つまり、λ/4の干渉条件を満たした強キャビティにおける表面プラズモン抑制案は、未だ提案されていない。
特表2008−543074号公報
Jorg Frischeisen et.al.,Organic Electronics 12,809−817(2011) S.Nowy et.al.,Journal of Applied Physics 104,123109(2008)
本発明は、電極表面で発生する表面プラズモンによる励起子エネルギーの損失(SP損失)を抑制することで発光効率が向上した有機EL素子、及び該有機EL素子を用いた各種装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの態様は、光反射性の金属からなる第1電極と、光透過性の金属からなる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に位置する少なくとも発光層を有する有機化合物層と、を有する有機EL素子であって、
前記第1電極と前記第2電極との間の光学距離Lは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、前記第1電極及び第2電極で波長λの光が反射する際の位相シフトの和をφ<0[rad]とすると、下記式(I)を満たし、
(λ/4)×(−1−φ/π)<L<(λ/4)×(1−φ/π)) (I)
前記第1電極と発光層との間に、有機化合物からなる低屈折率層を有し、
前記低屈折率層の屈折率は、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下であることを特徴とする。
本発明の別の態様は、光反射性の金属からなる第1電極と、光透過性の金属からなる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に位置する少なくとも発光層を有する有機化合物層と、を有する有機EL素子であって、
前記第2電極の反射面と発光位置との間の光学距離Lsは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、第2電極の反射面で波長λの光が反射する際の位相シフトをφs<0[rad]とすると、下記式(II)を満たし、
(λ/8)×(−1−(2φs/π))<Ls<(λ/8)×(1−(2φs/π)) (II)
前記第2電極と発光層との間に、前記第2電極と接して有機化合物からなる低屈折率層を有し、
前記低屈折率層の屈折率は、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下であることを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記本発明の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路と、を有することを特徴とする発光装置である。
本発明の別の態様は、上記本発明の発光装置と、前記発光装置によって潜像が形成される感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の別の態様は、異なる色を発する複数の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路と、を有する表示装置であって、前記有機EL素子が、上記本発明の有機EL素子であることを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記本発明の表示装置と、撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置である。
本発明によれば、反射率の高い金属電極を用いながらも、SP損失を抑制できるため、発光効率が向上した有機EL素子を提供することができる。よって、有機EL素子を用いて構成される、発光装置、画像形成装置、表示装置、撮像装置において、その特性を向上することができる。
本発明の有機EL素子の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 青色発光の有機EL素子のλ/4構成における発光効率に対する正孔輸送層の屈折率依存性を示す図である。 アノードがAg、Mgの場合の発光効率に対する正孔輸送層の屈折率依存性、及び、CIEy=0.06における正孔輸送層の屈折率依存性を示す図である。 アノードに接する二層構成の正孔輸送層の屈折率或いは屈折率と膜厚を変化させた場合の発光効率のシミュレーション結果を示す図である。 3λ/4構成での発光効率の色度毎の正孔輸送層の屈折率依存性を示す図である。 青色発光の有機EL素子のλ/4構成における発光効率に対する電子輸送層の屈折率依存性を示す図である。 構成の違いによる励起エネルギーの分配割合の違いを示す光学モード分配図である。 本発明の実施例における有機EL素子の実験による色度−発光効率曲線を示す図である。 本発明の実施例における有機EL素子のシミュレーションによる色度−発光効率曲線を示す図である。 蒸着膜と塗布膜の屈折率の違いを示す図である。 蒸着膜と塗布膜を正孔輸送層に用いた場合の有機EL素子のシミュレーションによる色度−発光効率曲線を示す図である。
本発明は、電極表面で発生するSP損失が電極の金属種だけでなく電極と接する有機化合物層の屈折率によっても変化することに着目した発明である。即ち、本発明の有機EL素子は、以下の構成をとる。
(1)金属からなる光反射性の第1電極と、金属からなる光透過性の第2電極と、これら電極の間に位置する発光層を備える。そして、前記第1電極と前記第2電極との間の光学距離Lは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、前記第1電極及び第2電極で波長λの光がそれぞれ反射する際の位相シフトをφ<0[rad]とすると、下記式(I)を満たす。
(λ/4)×(−1−(φ/π))<L<(λ/4)×(1−(φ/π)) (I)
さらに、第1電極と発光層との間に、有機化合物をからなる低屈折率層を配置し、該低屈折率層の屈折率を、有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下とする。
(2)金属からなる光反射性の第1電極と、金属からなる光透過性の第2電極と、これら電極の間に位置する発光層を備える。そして、前記第2電極の反射面と発光位置との間の光学距離Lsは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、第2電極の反射面で波長λの光が反射する際の位相シフトをφs<0[rad]とすると、下記式(II)を満たす。
(λ/8)×(−1−(2φs/π))<Ls<(λ/8)×(1−(2φs/π)) (II)
さらに、第2電極と発光層との間に、第2電極と接して有機化合物からなる低屈折率層を配置し、該低屈折率層の屈折率を、有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下とする。
(3)上記式(I)、(II)をそれぞれ満たし、第1電極と発光層との間に、有機化合物からなる第1の低屈折率層を、前記第2電極と発光層との間に、前記第2電極と接して有機化合物からなる第2の低屈折率層をそれぞれ配置する。そして、該第1の低屈折率層及び第2の低屈折率層の屈折率を、有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下とする。
以下、本発明の有機EL素子について、実施形態を挙げて説明する。図1は、本発明の有機EL素子の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図1の実施形態は、支持基板1上に光反射性の第1電極である反射電極2が配置され、該反射電極2とは発光層5を挟んで反対側に光透過性の第2電極である透明電極8が配置され、該透明電極8側から光を取り出すトップエミッション型の素子である。ここで、反射電極2とは発光波長での反射率が80%以上の金属電極である。また、透明電極8は光を外部に取り出す側の電極であり、発光波長での透過率が40%以上の金属電極である。尚、発光波長とは有機EL素子から発光される光のスペクトルの最大ピーク波長である。これら一対の電極間に発光層5を含むいくつかの有機化合物からなる機能層を有し、発光効率、駆動寿命、光学干渉といった観点から多くの積層構成が工夫されている。尚、反射電極2と透明電極8に挟まれた有機化合物からなる積層体を通常、有機化合物層10と言う。
有機化合物層10には、反射電極2上に正孔輸送層3、電子ブロック層4、発光層5、正孔ブロック層6、電子輸送層7に加えて適宜、電子注入層や正孔注入層(不図示)などが用いられる。本発明は各層に含まれる材料には限定されない。例えば、発光層5を構成する発光材料は蛍光材料もしくは燐光材料のいずれでもよく、ホスト材料の中にドーピングされた形態でもよく、さらには、発光材料の他に少なくとも一種類以上の化合物が素子性能向上のために含まれていてもよい。また、正孔輸送層3が電子ブロック層や正孔注入層として機能してもよく、電子輸送層7は正孔ブロック層や電子注入層として機能してもよい。
また、支持基板1としては、各種のガラス基板、Poly−Siやa−Si(アモルファスシリコン)等で半導体を形成したTFT(薄膜トランジスタ)等の駆動回路を形成したガラス基板が用いられる。また、シリコンウエハー上に駆動回路を形成したガラス基板、シリコンウエハー上に駆動回路を設けたもの等も挙げることができる。
光取り出し側の電極に透明電極8を用いることで素子内のEL光が外部に放出される。また、透明電極8は金属薄膜の透明電極を用いる。この場合は、透明電極8の反射率が上昇するため、微小光学共振器(マイクロキャビティ)としての特性が発現してくる。従って、有機化合物層10のうち、発光層5と反射電極2の間の膜厚を調整することで、発光層5内部の光放射分布を制御することができる。表示装置としては、特に正面方向の輝度が高くなるように各有機化合物層の膜厚を設定することで、光学干渉により発光色も制御され、より高効率に正面方向に光が放射されるようになる。より具体的には、発光層5の発光位置から透明電極8と反射電極2のそれぞれの反射面までの距離d0をd0=iλ/4n0(i=1,3,5,・・・)に調整する干渉次数iの設定で、発光層5からの放射分布に正面方向の成分が多くなり、正面輝度が向上する。尚、n0は発光位置から反射面までの層の有効屈折率である。
さらに、反射面での波長λの光が反射する際の位相シフトを正確に考慮すると、発光位置から反射電極2の反射面までの間の光学距離Lrは、反射面での波長λの光が反射する際の位相シフトをφr[rad]とすると、以下の式(1)で示される。尚、光学距離Lは、有機化合物層の各層の屈折率njと各層の厚さdjの積の総和である。つまり、Lは、Σnj×djと表せ、またn0×d0とも表せられる。尚、φは負の値である。
r=(2m−(φr/π))×(λ/4) (1)
上記式中、mは0以上の整数である。尚、φr=−πでm=0ではLr=λ/4、m=1ではLr=3λ/4となりそれぞれ前記干渉次数i=1のλ/4干渉条件の構成、i=3の3λ/4干渉条件の構成と対応する。
この時、実際の有機EL素子では、正面の取り出し効率とトレードオフの関係にある視野角特性等も考慮すると、必ずしも上記膜厚と厳密に一致させる必要はない。具体的には、Lrが式(1)を満たす値から±λ/8の値の範囲内の誤差があってもよい。よって、本発明の有機EL素子において、下記式(2)を満たすことが好ましい。さらに好ましくは、Lrが式(1)を満たす値から±λ/16の値の範囲内であればよく、下記式(2’)を満たすことが好ましい。
(λ/8)×(4m−(2φr/π)−1)<Lr<(λ/8)×(4m−(2φr/π)+1) (2)
(λ/16)×(8m−(4φr/π)−1)≦Lr≦(λ/16)×(8m−(4φr/π)+1) (2’)
さらに、上記式(2),(2’)において、後述するように本発明ではm=0が望ましい。よって、下記式(3)さらには下記式(3’)を満たすことが好ましい。
(λ/8)×(−1−(2φr/π))<Lr<(λ/8)×(1−(2φr/π)) (3)
(λ/16)×(−1−(4φr/π))≦Lr≦(λ/16)×(1−(4φr/π)) (3’’)
尚、金属層での反射面での位相シフトはおよそ−πであるから、ここではφr=−πとして、式(3)、(3’)はそれぞれ以下のように(3A)、(3’A)のように変形できる。
λ/8<Lr<3λ/8 (3A)
3λ/16≦Lr≦5λ/16 (3’A)
尚、本発明の有機EL素子を複数用いたフルカラー表示の表示装置を構成する場合に、有機EL素子の発光色を赤(620nm)、緑(520nm)、青(460nm)とした場合、λは460nm乃至620nmとなる。係る波長条件においては、上記式(3),(3’)より、好ましい光学距離Lrは下記式(4)さらには下記式(4’)を満たすものとなる。尚、金属層での反射面での位相シフトはおよそ−πであるから、ここではφr=−πとして計算した。
57.5nm<Lr<232.5nm (4)
86.25nm≦Lr≦193.75nm (4’)
尚、上記式(2)乃至(4’)は、強キャビティによる干渉効果を得るための、発光層5の発光位置から透明電極8の反射面までの光学距離についても同様のことが言える。つまり、発光位置から透明電極8の反射面までの間の光学距離Lsは、反射面での波長λの光が反射する際の位相シフトをφs[rad]とすると、以下の式(5)さらには式(5’)を満たすことが望ましい。
(λ/8)×(−1−(2φs/π))<Ls<(λ/8)×(1−(2φs/π)) (5)
(λ/16)×(−1−(4φs/π))≦Ls≦(λ/16)×(1−(4φs/π)) (5’)
尚、金属層での反射面での位相シフトはおよそ−πであるから、ここではφr=−πとして、式(5)、(5’)はそれぞれ以下のように(5A)、(5’A)のように変形できる。
λ/8<Ls<3λ/8 (5A)
3λ/16≦Ls≦5λ/16 (5’A)
つまり、本発明で望ましい、反射電極2と透明電極8間の光学距離Lは、式(3)と(5)から、式(I)を満たすことが望ましい。さらに好ましくは、式(3’)と(5’)から、光学距離L(=Lr+Ls)は式(I’)を満たすことが好ましい。尚、φは、反射電極2及び透明電極8で波長λの光がそれぞれ反射する際の位相シフトの和で、φ=φr+φsである。
(λ/4)×(−1−(φ/π))<L<(λ/4)×(1−(φ/π)) (I)
(λ/8)×(−1−(2φ/π))≦L≦(λ/8)×(1−(2φ/π)) (I’)
金属層での反射面での位相シフトはおよそ−πであるから、ここではφr=φs=−πとして、式(I)、(I’)はそれぞれ以下のように(IA)、(I’A)のように変形できる。
λ/4<L<3λ/4 (IA)
3λ/8≦L≦5λ/8 (I’A)
本発明において、より発光効率を高めるためには一般的に反射電極2の反射率はより高い方、例えばAl電極よりも反射率が高いAg電極のほうが好ましいと考えられている。しかしながら、反射率のみに着目しては、発光効率の改善につながらない場合がある。なぜなら、金属種によってはSP損失が顕著になり発光効率の低減が起こるためである。さらに、このSP損失は金属種だけでなく、反射電極2と接する有機化合物層の屈折率によっても変化することが見出された。
以下、発光効率と反射電極2の金属種及び反射電極2と接した有機化合物層の屈折率の関係について解析した結果を説明する。本発明の一例として解析対象とした素子構成は反射電極2をアノードとし、アノードと接する正孔輸送層3の屈折率を変化させた系である。しかし、反射電極2をカソード、透明電極8をアノードと逆にしてもよい。アノード及びカソードに使用される電極材料はAg,Al,Mg,Ti,Ni,Cr,W,Mo,Au,Csなど適宜、反射性の金属が用いられる。
以下のシミュレーションでは、特に記述がない限り、アノードはAl、カソードは膜厚24nmのAg薄膜を用いた下記積層体の強キャビティ素子構成で検討を行っている。
支持基板/Alアノード/正孔輸送層/電子ブロック層(10nm)/発光層(20nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層(10nm)/電子注入層(10nm)/Agカソード。尚、括弧内は各層の厚さである。正孔輸送層3の膜厚は、λ/4干渉条件と合致する膜厚である。また、発光層5からの発光のピーク波長は460nmである。また、シミュレーションは非特許文献2と同様の手法で実施した。
〔発光効率に対する正孔輸送層3の屈折率依存性〕
図2に青色発光の有機EL素子のλ/4構成における発光効率の色度(CIEy)毎のシミュレーション材料Aからなる正孔輸送層3の屈折率依存性を示した。尚、図中のnは屈折率である。
Alアノード2と接するシミュレーション材料Aの屈折率nを変化させた結果を見ると、屈折率n=2.50においては、発光効率が最も低い。一方、正孔輸送層3の屈折率nが1.90、1.60、1.40、1.20と低くなるにつれ、色度CIEy=0.06において発光効率が4.7cd/A、6.1cd/A、7.0cd/A、7.8cd/Aとなる。即ち屈折率1.90の材料に対してそれぞれ1.3倍、1.5倍、1.6倍となった。この結果から、正孔輸送層3の屈折率nが低くなるほど、発光効率が改善する傾向が得られた。つまり、反射電極2であるAlアノードと接する正孔輸送層3の屈折率nを低下させれば発光効率が改善することが明らかとなった。
一般的な有機EL素子に使用される有機材料の屈折率は1.70から1.90程度である。低屈折率化による発光効率改善の効果を得るためには、上述のシミュレーションで得られたように可能な限り屈折率を低くすることが好ましいが、屈折率を好ましくは1.65以下にすることで、さらに本発明の発光効率改善の効果を得ることができる。
尚、より低屈折率な正孔輸送層3としては、例えば下記の構造を有する化合物2のように正孔輸送性を有するトリアリールアミン系骨格の末端に嵩高い官能基であるtert−ブチル基を導入することで有機膜密度が疎になり屈折率を低くすることができる。他にも例えば末端に長鎖アルキル基を導入することでも同様の低屈折率化の効果が期待できる。或いは、材料にフッ素を含む官能基を導入することでも低屈折率化の効果が期待できる。
また、低屈折率な有機化合物層は低屈折率材料を一般的な正孔輸送性材料にドープして混合することでも得ることができる。ここで、低屈折率材料は有機物でも無機物でもよい。一例として下記の構造を有する化合物1と化合物2を混合した膜及び化合物1とフッ化リチウムを混合した膜について屈折率をまとめたものを表1、表2に示す。低屈折率材料の混合比が大きくなるほど屈折率は低下していくため、低屈折率な有機化合物層として用いることができる。尚、混合は材料が蒸着できるものであれば通常の共蒸着法で実施することができる。或いは、溶液に溶解するものであればこれら材料を所定の比率で溶解し、塗布法により混合膜としてもよい。
Figure 0006039291
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例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系ポリマーは塗布法により屈折率1.30前後の低屈折率有機膜を得ることができる。さらなる屈折率の低下はこうした低屈折率有機膜に加熱により消失する揮発性物質や微粒子の添加を予め行い、成膜後、加熱することで空隙の入った有機化合物膜とすることができる。これにより、屈折率をさらに引き下げることが可能であり、例えば、上述の空隙を47%程度とすれば屈折率1.20程度まで引き下げることができる。しかし、更なる低屈折率化のために空隙率が50%を超えるようなら膜が脆くなり実用に耐えないため、技術上困難であるといえる。或いは、特別な揮発性物質を混合することなく、単に塗布法であるスピンコート法を用いて成膜することでも低屈折率化が可能である。例えば、正孔輸送材料として使用できる後述する化合物7を例として説明する。
先ず、化合物7の屈折率を調べるためにシリコン基板上に化合物7からなる薄膜をスピンコート成膜した。尚、使用した塗布液は化合物7が含量0.5質量%で含まれたトルエン溶液であり、スピンコート条件は1000rpmで60秒である。この後、基板を真空オーブンにて80℃で10分間加熱し、塗布膜をアニールし、膜厚18nmの薄膜とした。また、あわせて化合物7を真空蒸着法でシリコン基板上に塗布膜と同じ膜厚だけ成膜した。得られた塗布膜と蒸着膜の屈折率をエリプソメトリーで測定して比較した。
図10にエリプソメトリーで得られた屈折率を示した。図10からわかるように例えば波長460nmの場合、蒸着膜の屈折率は1.99であるのに対して塗布膜の屈折率は1.85と屈折率が0.14低下することがわかる。この屈折率の低下は可視光領域波長400nmから750nmにわたって観測された。つまり、同じ化合物7を使用する場合でも、成膜プロセスが蒸着法かスピンコート塗布法かで屈折率は異なる。
この屈折率低下の一因は膜密度変化によると考えられる。塗布膜はトルエン溶液から成膜しているため、成膜後も化合物7の薄膜中にトルエン分子が存在している。塗布膜を真空オーブンでアニールすることでトルエン分子が揮発し、塗布膜が蒸着膜と比較して膜密度が低下していると考えられる。つまり、特別な揮発性物質を添加する必要はなく、使用する溶媒と加熱といったプロセス条件によって低屈折率化することができる。
このように、塗布液を使用する方法では成膜された薄膜を低屈折率化できるため、この蒸着法と塗布法で得られたそれぞれの屈折率を用いてシミュレーションを実施した。図11にシミュレーション結果を示す。尚、シミュレーションで用いた素子構成は、支持基板/Alアノード/正孔輸送層(18nm)/電子ブロック層(10nm)/発光層(20nm)/電子輸送層(30nm)/Agカソード(24nm)である。また、シミュレーションで用いた正孔輸送層以外の材料は後述の実施例と同一である。
図11からわかるように屈折率の低くなる塗布膜では発光効率が高い。例えばCIEy=0.06で4.5cd/Aと蒸着膜の発光効率4.0cd/Aと比較して改善する。この結果から、同じ材料でも蒸着法よりも塗布法のほうが膜屈折率を低くできる場合、発光効率が高くなることがわかる。つまり、SP損失を反射電極に接した正孔輸送層の低屈折率化で抑制し、発光効率の改善を行う場合は、塗布法も有効である。
また、この正孔輸送層3の低屈折率化による発光効率の変化について別例としてアノード金属種をAl以外のAgとMgに変えた場合についても解析を実施した。結果を図3に記す。図3(a)のAg及び図3(b)のMgからわかるように、各金属いずれにおいても正孔輸送層3の屈折率nが2.50から1.20まで低屈折率化するにつれて発光効率が改善している。図3(c)には、Al,Ag,Mgをアノードに用いた場合の色度CIEy=0.06での発光効率を示す。横軸は正孔輸送層3の屈折率nである。屈折率が小さくなるほど発光効率が大きくなることが明らかであり、正孔輸送層3の低屈折率化は金属種によらず発光効率改善に効果があることも確認された。また、このように低屈折率化によって得られた高効率な有機EL素子を複数個配列して発光装置や表示装置を作製することもできる。
〔二層HTL構成〕
反射電極2であるAlアノードと接する正孔輸送層3の屈折率を低下させれば発光効率が改善することがわかったが、λ/4構成の干渉条件を維持するために正孔輸送層3の低屈折率化と共にその膜厚も増加させている。そのため、屈折率ではなく発光層5とアノード2との距離が大きくなることによるSP損失抑制の可能性も除けない。
そこで、ここでは正孔輸送層3(HTL)を二層構成(HTL1とHTL2)とした場合についてシミュレーションを行った。先ず、干渉設計を利用しない、即ち正孔輸送層3の2層の合計膜厚を一定にして、アノード2と接するHTL1の膜厚を5nmとし屈折率(x)のみを変更したシミュレーション結果を示す。尚、HTL2の屈折率は1.90、膜厚は26.6nmと固定した。シミュレーションの対象としたのは次の構成である。
支持基板/Alアノード/HTL1/HTL2/電子ブロック層(10nm)/発光層(20nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層(10nm)/電子注入層(10nm)/Agカソード(24nm)。尚、括弧内は膜厚である。
図4(a)に結果をまとめたものを示す。CIEy=0.06付近の色度での発光効率に着目するとアノードと接するHTL1の屈折率nが低くなるほど効率が改善していくことがわかる。つまり、正孔輸送層3の合計膜厚は一定であるため、アノード2と発光層5間の距離は変化していないにも関わらず、アノード2と接するHTL1の屈折率nが低下すれば発光効率が改善することが明らかとなった。
次に、正孔輸送層3(HTL)を二層構成(HTL1とHTL2)とし、干渉設計を利用する、即ちHTL1の膜厚を5nmと一定とし、その屈折率nを変化させた。そして、λ/4構成の干渉条件に合致するようにHTL2の膜厚をy(nm)として変化させた場合のシミュレーション結果を示す。シミュレーションの対象としたのは次の構成である。
支持基板/Alアノード/HTL1/HTL2/電子ブロック層(10nm)/発光層(20nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層(10nm)/電子注入層(10nm)/Agカソード(24nm)。尚、括弧内は膜厚である。
図4(b)に結果をまとめたものを示す。HTL1とHTL2の合計膜厚が一定であった図4(a)と異なり、HTL2の膜厚を変化させているので、各色度の発光効率が得られている。そして、Alアノードと接するHTL1の屈折率nが低下するほど各色度によらず発光効率が改善していく傾向が同じく確認できた。
表3,表4に図4からCIEy=0.06付近の色度を持つ計算結果となった素子構成を抜粋した結果をまとめた。表3、表4から明らかなように、HTLの合計膜厚が一定である素子A−1からA−6、またHTL2膜厚を素子のλ/4構成に合致するように変化させた素子B−1からB−6のいずれにおいても、HTL1が低屈折率の方が発光効率は高くなることがわかる。一般にSP損失を抑制するためにアノード−発光層間の距離を増大させる方法をとる場合は、3λ/4構成までHTL膜厚を増やす必要があった。しかしながら、本発明では低屈折率の有機化合物層をアノード2と接して設けることで高発光効率なλ/4構成を維持したまま発光効率の改善が可能であることが示された。
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〔発光効率に対する干渉次数の効果〕
正孔輸送層3の低屈折率化により発光効率は改善されるが、述べてきた構成はλ/4構成での解析であった。ここで、青色発光の有機EL素子の3λ/4構成についても解析を実施し、λ/4構成と結果を比較した。素子構成は、支持基板/Alアノード/正孔輸送層(150nmから250nm)/電子ブロック層(10nm)/発光層(20nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層(10nm)/電子注入層(10nm)/Agカソード(24nm)である。括弧内は膜厚である。図5に発光効率の色度(CIEy)毎の正孔輸送層3の屈折率依存性を干渉次数毎にまとめたものを示す。
先ず、図5にまとめた3λ/4構成に着目すると、正孔輸送層3がシミュレーション材料A(λ=460nmにおいて屈折率n=1.90)の時、発光効率は最も低いが、シミュレーション材料Aの屈折率nを低下させると発光効率が大きく改善していく。つまり、正孔輸送層3の低屈折率化による効率改善効果は3λ/4構成に対しても有効であることが示されている。
一方で、3λ/4構成のシミュレーションで最大の効率が得られた正孔輸送層の屈折率nが1.20の場合ですら、図2にまとめたλ/4構成の正孔輸送層の屈折率nが1.65以下の場合の発光効率そのものに及ばない。特にλ/4構成ではそもそもSP損失が大きいため低屈折率化により表面プラズモンが抑制された場合、大きな発光効率を得ることができる。つまり、大きな発光効率を得るには、3λ/4構成よりもλ/4構成を用い、さらに正孔輸送層3の屈折率を低下させることが好ましいことがわかる。即ち、前記した式(2),(2’)において、m=0が最も好ましい構成ということがわかる。また、低屈折率層は発光層と第1電極(反射電極)との間に位置していればよく、必ずしも第1電極に接している必要はない。それは、式(I)を満たすデバイス構造においては、第1電極で発生するSPは、第2電極(透明電極)で発生するLong Range Surface Plasmon(LRSP)と呼ばれるSPモードとmixingした状態をとるためである。mixingしたモードをここではSP1と呼ぶ。加えて、低屈折率層の消光係数は使用する波長領域において0.02以下が望ましい。それは、強キャビティ構成は、多重干渉の度合いが大きく、デバイス内での光吸収が増加しやすいためである。
〔低屈折率層の挿入位置効果について〕
次に低屈折率の有機化合物層を挿入する位置により発光効率がどのように変化するかを調べた。具体的には、図2に示した反射電極2であるアノードと接する正孔輸送層3を低屈折率化した場合と、光取り出し側である透明電極8のカソードと接した電子輸送層7を低屈折率化した場合を比較する。
尚、アノードと接した正孔輸送層3の屈折率変化のシミュレーションに使用する素子構成は上述の通りであるが、カソードと接した電子輸送層7の屈折率変化のシミュレーションは次の構成で実施した。
支持基板/Alアノード/正孔輸送層/電子ブロック層(10nm)/発光層(20nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層(26nm)/Agカソード(24nm)。括弧内は各層の厚さである。正孔輸送層3の膜厚は、λ/4干渉条件と合致する膜厚であり、n=1.90では32nmである。尚、発光層5からの発光のピーク波長は460nm(青色発光)である。
図6に、電子輸送層(ETL)を低屈折率化した結果をまとめた。電子輸送層7(ETL)として、シミュレーション材料Bを用い、その屈折率nをλ=460nmにおいて1.84から1.20まで低下させた。その結果、屈折率nの低下により発光効率の改善が見られた。つまり、電子輸送層を低屈折率化することで、発光効率の改善効果が得られる。
次に、屈折率の小さな電子輸送層は金属からなる第2電極と接することが望ましいことを示す。
表5に、青色発光の有機EL素子のλ/4構成における低屈折率電子輸送層の配置依存性であり、金属であるAgカソードと透明導電膜であるIZO(商標)からなるカソードの比較を示した。尚、表5のシミュレーションは次の構成で実施した。支持基板/Alアノード/正孔輸送層/発光層(20nm)/第1電子輸送層/第2電子輸送層/第3電子輸送層/Agカソード(26nm)もしくはIZO(73nm)である。括弧内は各層の厚さである。正孔輸送層の膜厚は、式(I)を満たす様に最適化した。ここでは、第2電子輸送層の屈折率を1.6とし、それ以外の有機化合物層の屈折率を1.9とした。素子C(及び素子D)相対発光効率及び相対SP結合効率は、素子C−1(及び素子D−1)でそれぞれ規格化している。素子Cと素子Dを比較すると、Agカソードと第2電子輸送層が接合している素子C−2で、最もSPの結合効率が低下し、それに伴って発光効率が最も高いことがわかる。つまり、金属カソードの場合、低屈折率層をカソードと接合させることが効果的である。これは、上記したSP1を低減するだけでなく、薄膜金属カソードに局在しているSPモードを低減することに起因している。以上から、発光層と第2電極との光学距離がλ/4干渉条件を満たす構成において、第2電極と接する電子輸送層の屈折率を小さくすることで、表面プラズモンの結合率を低下させ、発光効率を改善することができることを示した。
Figure 0006039291
〔EMLの屈折率の関係について〕
図3(c)に示したように、正孔注入層の低屈折率化により発光効率は改善される。但し、発光層及び正孔注入層の屈折率をそれぞれnEML、nHTLとしたときに、nHTL≦nEMLを満たすことが望ましい。表6には、青色発光の有機EL素子のλ/4構成における発光効率の相対値に対する電子輸送層と正孔輸送層の屈折率依存性を示した。発光効率は、CIEy=0.06の発光効率に相当する。尚、表6のシミュレーションは次の構成で実施した。支持基板/Alアノード/正孔輸送層/発光層(20nm)/電子輸送層(30nm)/Agカソード(26nm)。括弧内は各層の厚さである。正孔輸送層の膜厚は、式(I)を満たす様に最適化した。nHTL≦nEMLの条件を満たす素子Cの発光効率は、素子Dに比べ高いのがわかる。また、素子Cに注目すると、nEMLとnHTLの差δnが大きい素子ほど、発光効率が高いことがわかる。以上のことから、正孔輸送層を低屈折率化による発光効率改善には、nHTL≦nEMLを満たすことが好ましい。特に、nEML−nHTL≧0.1を満たす場合、さらなる低屈折率層の効果を得ることができるため、なお好ましい。電子輸送層も同様であり、電子輸送層の屈折率をnETLとした時に、nETL≦nEMLを満たし、さらにはその差が0.1以上であることが好ましい。
即ち、本発明において、低屈折率層の屈折率をnLOWとした時、下記式(IV)を満たすことが好ましい。
EML−nLOW≧0.1 (IV)
Figure 0006039291
〔低屈折率電子輸送層と低屈折率正孔輸送層の組み合わせ効果〕
電子輸送層と正孔輸送層それぞれを低屈折率化することで発光効率改善がみられることがわかったため、次に、電子輸送層と正孔輸送層両方を同時に低屈折率化した場合を検討した。具体的には正孔輸送層の屈折率を1.9から1.6へ変化させ、同時に電子輸送層の屈折率を1.9から1.6へ変化させた場合について効率の変化をシミュレーションした。表7に青色発光の有機EL素子のλ/4構成における発光効率及びその相対値に対する電子輸送層と正孔輸送層の屈折率依存性を示した。尚、表7の発光効率は、色度CIEy=0.06における発光効率に相当する。表7のシミュレーションは次の構成で実施した。支持基板/Alアノード/正孔輸送層(20nm)/電子ブロック層/発光層(20nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層/Agカソード(26nm)。括弧内は各層の厚さである。電子輸送層の膜厚は、λ/4干渉条件と合致する膜厚であり、n=1.9では約30nmであり、n=1.6では約35nmである。また正孔輸送層の膜厚を20nmと固定しており、λ/4干渉条件と合致する様に電子ブロック層の膜厚を最適化している。ここで使用した電子ブロックの屈折率は、n=2.0である。
表7からわかるように、正孔輸送層、電子輸送層ともに屈折率が1.9となる素子G−1で効率が最も低い。上記したように、正孔輸送層もしくは電子輸送層のどちらか一方の屈折率が低い素子G−2及びG−3では、素子G−1に比べ効率が改善されている。さらに、正孔輸送層及び電子輸送層の両方の屈折率を下げた素子G−4で最も大きな効率改善がみられた。素子G−4の相対輝度のカッコは、(素子G−4の相対効率)に対する(素子G−2とG−3の相対効率の和)との差に相当する。つまり、正孔輸送層及び電子輸送層両方の屈折率を下げたことにより発現した、発光効率向上成分に相当する。以上の結果から、正孔輸送層及び電子輸送層をそれぞれ単独で低屈折率化する場合だけでなく、正孔輸送層及び電子輸送層を両方とも低屈折率化することで、単独の低屈折率化よりも、さらに好ましい効率改善効果が得られることがわかった。
Figure 0006039291
図7には、各構成で励起エネルギーがどのように分配されるかを示している。ここでの値は、キャビティ内で発生した全一重項励起子のパワー(投入電力の25%)に対する割合で、λ=400nm乃至580nmの範囲の平均値である。
各モードの定義を説明する。Out Coupling(OC)は光としてデバイス外部に取り出される成分である。光の進行方向を法線方向からの傾き角をθとした時に、0<θ<θc(θc:全反射臨界角)の範囲となる。ABSは吸収損失(Absorption Loss)であり、θ<θcの条件を満たすが、デバイス内で吸収される成分である。Wgは導波モード(Waveguide)であり、素子内を光が伝播する成分であり、その進行方向はθc<θ<90°である。SPは前記したように表面プラズモンであり、金属にエネルギー移動を起こし、表面プラズモン励起によりジュール熱に転化される成分であり、このモードが本発明で着目する抑制したい成分である。NRは発光分子内での無輻射失活成分(Non Radiative Loss)であり、励起された発光分子から基底状態へ発光を伴わずに失活する成分である。
図7に示すように正孔輸送層3(HTL)のシミュレーション材料Aの屈折率nを1.90、電子輸送層7(ETL)の屈折率nを1.84とした場合から、電子輸送層7の屈折率を1.60、1.40と低下させていく。図7においては、A,B,Cで示される。すると、SPに分配されていたエネルギーが47.9%から43.0%、38.0%と低下していく。一方で素子外部に取り出され発光効率の改善に寄与するOCモードは19.3%から23.0%、25.1%と増加していく。即ち、電子輸送層7の屈折率を低下させていくことでSP損失が抑制され、外部への光の取り出し効率が向上することがわかる。
次に、電子輸送層7(ETL)の屈折率nを1.84に固定して正孔輸送層3(HTL)の屈折率nを1.90から1.60に低下させていくとSPに分配されていたエネルギーが47.9%から39.1%、30.7%と低下していく。図7においては、D,Eで示される。一方で素子外部に取り出され発光効率の改善に寄与するOCモードは19.3%から24.6%、26.4%と増加していく。即ち、正孔輸送層3の屈折率を低下させていくことでSP損失が抑制され、外部への光の取り出し効率が向上することがわかる。
以上の結果を考慮して、本発明においては、反射電極2に接する有機化合物層を低屈折率化する。また、係る低屈折率層の屈折率としては、1.20以上1.65以下である。光学的な観点から、低屈折率層の膜厚はなるべく厚い方が望ましい。ただし、低屈折率層の抵抗に起因した高電圧化する場合があるので、光学的及び電気的な観点から最適な膜厚を決定することが望ましい。そのため、係る低屈折率層の膜厚は、好ましくは5nm以上193.75nm以下である。膜厚が5nm未満では本発明の効果が得られず、好ましくない。また、赤色発光の有機EL素子において、屈折率が1.20でLが232.5nmの場合の低屈折率層の膜厚は193.75nmとなり、本発明においては、係る193.75nmが低屈折率層の膜厚の上限として好ましい。さらに、低屈折率層の膜厚は、好ましくは5nm以上161.46nm以下である。161.46nmは、屈折率が1.20でLが193.75nmの場合に相当する。
本発明の有機EL素子は、上記したように、金属電極におけるSP損失が低減され、発光効率が高い。よって、有機EL素子を用いた各種の装置に適用することによって、より高い特性が得られる。具体的には、本発明の有機EL素子と、係る有機EL素子の発光を制御する制御回路とを備えた発光装置が挙げられる。発光装置としては、照明装置や電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライトなどが挙げられる。画像形成装置は、露光光源と、露光光源によって潜像が形成される感光体と、感光体を帯電する帯電手段と、を有している。
また、異なる色を発する複数の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路と、を有する表示装置において、本発明の有機EL素子を用いることができる。表示装置としては、テレビ受像機、パーソナルコンピュータの表示部、携帯電話の表示部、携帯ゲーム機の表示部、携帯音楽再生装置の表示部、携帯情報端末(PDA)の表示部、カーナビゲーションシステムの表示部に用いられる。この他に、本実施形態の表示装置は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置の表示部や電子ビューファインダに配置されていてもよい。撮像装置は、撮像するための撮像光学系やCMOSセンサなどの撮像素子をさらに有している。かかる表示装置において、低屈折率層が異なる色を発する複数の有機EL素子で共通の膜厚で形成され、前記低屈折率の膜厚が5nm以上143.75nm以下である構成が好ましい。5nm未満では本発明の効果が得られず好ましくない。また、青色発光の有機EL素子において、屈折率が1.20、Lが172.5nm(式(I)でλ=460nm、φ=−πにおける上限値に相当)の場合に、低屈折率層の膜厚は143.75nmとなるため、低屈折率層の膜厚の上限は143.75nmが好ましい。さらに、低屈折率層の膜厚は、好ましくは5nm以上nm以下である。119.79nmは、屈折率が1.20でLが143.75nm(式(I’)でλ=460nm、φ=−πにおける上限値に相当)の場合に相当する。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。以下の実施例では、既述のシミュレーション結果で高い効率が得られたアノードに接した正孔輸送層を低屈折率化した場合の効果を確認した。
本実施例は、屈折率の異なる2つの正孔輸送層を用いた。正孔輸送層の一つは前記した化合物1(λ=460nmにおいて屈折率n=1.90)であり、もう一方はこれより低屈折率の化合物2(λ=460nmにおいて屈折率n=1.65)である。
本例で作製した素子は、先ず、ガラス基板上に、Al合金(AlNd)を100nmの膜厚でスパッタリング法にて成膜し、アノードを形成した。このアノードの上に順次、真空蒸着法で有機化合物層を成膜した。成膜順に列記すると、正孔輸送層として上述の化合物1を18nmもしくは化合物2を21nm、電子ブロック層として下記に示す構造の化合物3を10nm成膜した。次に発光層としては下記に示す構造の化合物4と化合物5とをそれぞれ成膜速度0.98Å/s、0.02Å/sで共蒸着し、膜厚20nmの発光層を形成した。次に、電子輸送層として下記に示す構造の化合物6を30nm成膜した。次にカソードとしてはAgCs(6nm)/Ag(20nm)の光透過性の積層金属薄膜を形成した。ここで、カソードの電子輸送層と接する側はAgとCsからなるAg合金とすることで電子輸送層への電子注入を容易としている。尚、括弧内は対応する金属の膜厚である。
最後に、窒素雰囲気中のグローブボックスにて、乾燥剤を入れた封止ガラス(不図示)とガラス基板の成膜面とをUV硬化樹脂を用いて封止した。
尚、本例で作製した有機EL素子はいずれもλ/4構成であり、前記式(II)を満たしている。
Figure 0006039291
図8は実験で得られた有機EL素子の色度−発光効率曲線であり、図9は各有機EL素子に対応する層構成をシミュレーションした結果である。図8中の白丸のプロットで示される、正孔輸送層に化合物1を用いた有機EL素子は、CIEy=0.065で4.1cd/A程度である。一方、図8中の黒丸及び曲線で示される、屈折率の低い化合物2を用いた有機EL素子はCIEy=0.065で5.3cd/A程度と高い効率を示し、低屈折率化による効率増加率は化合物1の1.3倍に及んだ。また、図9中、実線は化合物2を用いた素子、破線は化合物1を用いた素子を示しており、シミュレーションで得られた増加率も、化合物2は化合物1の約1.3倍となっており、シミュレーション結果は実験結果と矛盾しないことも確認された。
即ち、本実施例により、シミュレーションが実験結果と矛盾しないことが確認され、アノードと接する正孔輸送層3の屈折率を低下させることで発光効率が改善されることが示された。
1:支持基板、2:第1電極(反射電極)、3:正孔輸送層、4:電子ブロック層、5:発光層、6:正孔ブロック層、7:電子輸送層、8:第2電極(透明電極)、10:有機化合物層

Claims (14)

  1. 光反射性の金属からなる第1電極と、光透過性の金属からなる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に位置する少なくとも発光層を有する有機化合物層と、を有する有機EL素子であって、
    前記第1電極と前記第2電極との間の光学距離Lは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、前記第1電極及び第2電極で波長λの光がそれぞれ反射する際の位相シフトの和をφ<0[rad]とすると、下記式(I)を満たし、
    (λ/4)×(−1−(φ/π))<L<(λ/4)×(1−(φ/π)) (I)
    前記第1電極と発光層との間に、有機化合物からなる低屈折率層を有し、
    前記低屈折率層の屈折率は、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記第2電極と発光層との間に、前記第2電極と接して有機化合物からなる第2の低屈折率層を有し、
    前記第2の低屈折率層の屈折率は、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 光反射性の金属からなる第1電極と、光透過性の金属からなる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に位置する少なくとも発光層を有する有機化合物層と、を有する有機EL素子であって、
    前記第2電極の反射面と発光位置との間の光学距離Lsは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、第2電極の反射面で波長λの光が反射する際の位相シフトをφs<0[rad]とすると、下記式(II)を満たし、
    (λ/8)×(−1−(2φs/π))<Ls<(λ/8)×(1−(2φs/π)) (II)
    前記第2電極と発光層との間に、前記第2電極と接して有機化合物からなる低屈折率層を有し、
    前記低屈折率層の屈折率は、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長において、1.20以上1.65以下であることを特徴とする有機EL素子。
  4. 前記第1電極の反射面と発光位置との間の光学距離Lrは、前記有機EL素子が発する光のスペクトルの最大ピーク波長をλ、前記第1電極の反射面で波長λの光が反射する際の位相シフトをφr<0[rad]とすると、下記式(III)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
    (λ/8)×(−1−(2φr/π))<Lr<(λ/8)×(1−(2φr/π)) (III)
  5. 前記発光層の屈折率が低屈折率層の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子。
  6. 前記発光層の屈折率をnEMLとし、低屈折率層の屈折率をnLOWとした時に、下記式(IV)を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子。
    EML−nLOW≧0.1 (IV)
  7. 前記第1電極の反射面と発光位置との間の光学距離Lrは、下記式(V)を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子。
    57.5nm<Lr<232.5nm (V)
  8. 前記低屈折率層の膜厚は、5nm以上193.75nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子。
  9. 前記第1電極がAl合金であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子。
  10. 請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路と、を有することを特徴とする発光装置。
  11. 請求項8に記載の発光装置と、前記発光装置によって潜像が形成される感光体を帯電する帯電手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 異なる色を発する複数の有機EL素子と、前記有機EL素子の発光を制御する制御回路と、を有する表示装置であって、前記有機EL素子が、請求項1又は請求項3に記載の有機EL素子であることを特徴とする表示装置。
  13. 前記低屈折率層が異なる色を発する複数の有機EL素子で共通の膜厚で形成され、前記低屈折率層の膜厚が5nm以上143.75nm以下であることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
  14. 請求項12に記載の表示装置と、撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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