JP6039229B2 - 帯電装置 - Google Patents

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Description

グリッドとグリッドを清掃する清掃部材を備える帯電装置に関する。
感光体を帯電させるコロナ帯電器して、グリッドを備えるスコロトロンが知られている。このグリッドは大きく2つのタイプがある。1つはワイヤを開口長手方向に張架したワイヤグリッド、もう1つは薄い平板に多数の孔をエッチング処理で形成したエッチンググリッドである。
エッチンググリッドはワイヤグリッドに比べて、開口の広い面積を覆うため(開口率が低い)、感光体を目標電位に制御しやすいという利点がある。その反面、エッチンググリッドはワイヤグリッドに比べて、放電により発生する放電生成物がグリッドに付着し易い。
グリッドに付着した放電生成物は、グリッドの酸化を促し、錆ができた箇所は他の部分と帯電性が変わるため帯電ムラを招く。そのため、グリッドをめっき液に浸けて保護層(めっき)を形成して、放電生成物に対する腐食性を高めることにより帯電ムラを抑制する構成が特許文献1に開示されている。
また、特許文献2にはグリッドに付着したトナーや放電生成物(以降、異物と呼ぶ)を清掃する清掃部材を備える構成が開示されている。具体的には、グリッドの放電電極側からグリッドを清掃する清掃ブラシを設け、グリッドの被帯電体側の両端部(エッジ部)を放電電極側へと引き込みながら清掃する構成が開示されている。
特開2007−256397号公報 特開2006−91484号公報
従来、グリッドの放電電極側の面が放電生成物により腐食し易いと考えられていた。
しかし、特許文献2のように、グリッドの両端部を被帯電体側から放電電極側へ向かって引き込む構成では、比較的短い期間で帯電むらが生じることが発明者の検討により判明した。
これは、清掃部材と板状グリッドの接触侵入量を安定させるためにグリッド両端を保持して清掃部材側へ板状グリッドを引き込む構成では、局所的に接触する部分で保護層が摩耗していくためであると考えられる。そして、局所的な摩耗により基材が露出した部分を起点にして、基材に錆が生じて帯電むらが生じたと考えられる。
そこで、本件の帯電装置は「被帯電体に対向する開口を備えるシールドと、
前記シールドの内側に設けられた放電電極と、
前記放電電極より前記被帯電体側に設けられた板状のグリッドと、
前記グリッドの前記放電電極側の面から接触して前記グリッドの長手方向に移動し、前記グリッドを清掃する清掃部材と、
前記清掃部材と共に前記グリッドの長手方向に移動し、前記グリッドの前記被帯電体側の面を前記放電電極側へ押圧する機構と、を備える帯電装置であって、
前記グリッドは基材と、前記基材の表面に設けられたコーティング層と、を備え、前記グリッドの前記被帯電体側の前記コーティング層の厚みは前記放電電極側の前記コーティング層の厚みより厚いこと」を特徴とする。
そこで、本件の帯電装置は「被帯電体に対向する開口を備えるシールドと、前記シールドの内側に設けられた放電電極と、前記放電電極より被帯電体側に設けられた板状のグリッドと、前記グリッドの前記放電電極側の面から接触して前記グリッドの長手方向に移動し、前記グリッドを清掃する清掃部材と、前記清掃部材と共に前記グリッドの長手方向に移動し、前記グリッドの被帯電体側の面を放電電極側へ押圧する機構と、を備える帯電装置であって、前記グリッドは基材と、前記基材の表面に設けられた保護層と、を備え、前記グリッドの被帯電体側の保護層の厚みは放電電極側の保護層の厚みより厚いこと」を特徴とする。
グリッドの被帯電体へ接触を抑制しながら清掃する構成において、成膜コストを抑制しつつもグリッドを放電電極側へ引き込むためにグリッドと摩耗に起因する帯電むらを長期にわたって抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 実施例に係るコロナ帯電器の外観を示す斜視図である。 実施例に係るコロナ帯電器のシャッタ開閉時の側面図である。 実施例に係るコロナ帯電器のシャッタ開閉制御を説明するための図である。 実施例に係るグリッド清掃制御を説明するためのフローチャートである。 本実施例に係る板状グリッドの引き込み機構近傍の拡大図である。 本実施例に係る感光体側からのグリッド俯瞰図である。 本実施例に係る板状グリッド断面構造を示す概略図である。 本実施例に係るta−C構造を説明するための図である。 ダイヤモンド構造と黒鉛構造を説明するための図である。 グリッドの表面膜厚の削れ量を説明するためのグラフである。 グリッドの表面膜厚を変更した際の性能評価結果である。
以下、画像形成装置の概略構成を説明した後、帯電装置について図面を用いて詳しく説明する。なお、構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
まず、画像形成装置の概略構成について簡単に説明した後、本実施例の帯電装置(コロナ帯電器)について詳しく説明する。
§1.{画像形成装置の概略について}
以下に、プリンタ100の画像形成に関わる部位(画像形成部)について簡単に説明する。
■(装置全体の概略構成について)
図1の(a)は画像形成装置としてのプリンタ100の概略構成を説明するための図である。画像形成装置としてのプリンタ100は第1から第4のステーションS(Bk〜Y)を備え、それぞれの感光ドラム上に異なるトナーで画像を形成する。図1の(b)は画像形成部としてのステーションを拡大した詳細図である。各ステーションは、感光ドラム上に形成された静電像を現像するトナーの種類(分光特性)を除き略同一であるため、第1のステーション(Bk)を代表して説明する。
画像形成部としてのステーションS(Bk)は像担持体としての感光ドラム1と、感光ドラム1を帯電する帯電装置としてのコロナ帯電器2を備える。感光ドラム1はコロナ帯電器2により帯電された後、レーザースキャナ3からの露光Lにより感光ドラム上に静電像が形成される。感光ドラム1上(像担持体上)に形成された静電像は現像装置4に収容されるブラックトナーによりトナー像へ現像される。感光ドラム1上に現像されたトナー像は転写部材としての転写ローラ5により中間転写体としての中間転写ベルトITBへと転写される。中間転写ベルトへと転写されずに感光ドラム1上に付着した転写残トナーはクリーニングブレードを備える清掃装置6により清掃除去される。なお、感光ドラム1上(感光体上)にトナー像を形成するために関与するコロナ帯電器、現像器などを画像形成部と呼ぶ。なお、コロナ帯電器2(帯電装置)については後に詳述する。
このように、各ステーションが備える感光ドラム1から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の順に転写されたトナー像は中間転写ベルト上に重ねられる。そして、重ねられたトナー像は2次転写部STにおいてカセットCから搬送された記録材へ転写される。2次転写部STにおいて記録材へと転写されずに中間転写ベルト上に残留したトナーは不図示のベルトクリーナにより清掃される。
記録材上に転写されたトナー像はトナーと接触してトナーを加熱溶融させて記録材へ加熱定着する定着装置Fにより記録材へと定着され、画像が定着された記録材は機外へと排出される。以上が装置全体の概略構成である。
§2.{コロナ帯電器の概略構成について}
以下にコロナ帯電器2の概略構成について説明する。図2はコロナ帯電器2の感光体側からの概略斜視図、図3は本実施例のコロナ帯電器の側面図である。コロナ帯電器2はグリッド206と、グリッド表面を清掃するグリッド清掃部材としての清掃ブラシ250を備える。
■(放電ワイヤについて)
コロナ帯電器2は、前ブロック201、奥ブロック202、シールド203、204を備える。また、前ブロック201と奥ブロック202の間に放電ワイヤ205は張架され、高圧電源Pにより帯電バイアスが印加されると、放電して被帯電体としての感光体1を帯電する。
本実施例の放電電極としての放電ワイヤ205は直径が50μmのタングステンワイヤを用いた。なお、放電ワイヤとして、ステンレススチール、ニッケル、モリブデン、タングステンなどを用いてもよいが、金属の中で非常に安定性の高いタングステンを用いるのが好ましい。なお、シールドの内側に張架される放電ワイヤは円断面形状でもコノギリ歯のような形状であっても良い。以下に各構成について詳しく説明する。
また、放電ワイヤの直径が小さすぎると放電によるイオンの衝突で切断、断裂してしまう。逆に、放電ワイヤの直径が大きすぎると安定したコロナ放電を得るために、放電ワイヤ205に印加する電圧が高くなってしまう。印加電圧が高くなると、オゾンが発生しやすくなるため好ましくない。そのため、放電ワイヤの直径を40μm〜100μmにすることが好ましい。また、放電ワイヤは清掃パッド216wにより清掃される。
■(エッチンググリッドについて)
続いて、コロナ帯電器の開口長手方向に張架された制御電極としてのエッチンググリッド(以下、グリッド)について簡単に説明する。以下、特に説明がない場合でもグリッドとは、メッシュ状にグリッドを貫通する複数の開孔が形成されたものを指す。
本実施例のコロナ帯電器2はシールド203、204により形成される開口のうち感光体と対向する側の開口に制御電極としての平板形状のグリッド206を備える。このグリッド206は放電ワイヤ205と感光体1の間に配置され、帯電バイアスが印加されることにより感光体へ向けて流れる電流量を制御する。
ここで、本実施例では制御電極としてのグリッド206は、薄い金属平板(薄板状)にエッチング処理を施したいわゆるエッチンググリッドを用いている。なお、薄板とは厚みが1mm以下の板形状のものを指す。エッチンググリッドは、図7に示すように、グリッド長手方向の両端部に梁部があり、梁部の間に斜めに小窓(開口部)が配列された形状である。以下に、表1はグリッドの各寸法について列記した表である。
Figure 0006039229
図7はグリッドの外形を説明するための図である。グリッドの一部を拡大して被帯電体(感光体)側から俯瞰した図であり、グリッド206のメッシュの形状を以下に説明する。
グリッドの短手方向中央部はメッシュ形状になっており基線に対して(3)で設定した斜め45±1°に、(2)で示した幅0.071±0.03mmで(1)で示される開口幅0.312±0.03mmの間隔で形成されている。
また、メッシュ部の間には(5)で示される6.9±0.1mm毎にグリッド206の撓みを抑制するために(4)で示される0.1±0.03mmの梁が長手方向に配設されている。上記のような貫通孔の幅を1.0mm以下を含む形状パターンをエッチング処理する事により、感光体1の帯電電位をより均一にすることができる。貫通孔部に対するメッシュ部の面積比が高いほど、帯電電位を均一にしやすい。板状のグリッドは放電ワイヤ2hと感光ドラム1との間に配置されている。感光ドラム1とグリッド206の距離は近いほうが、感光ドラム1の帯電電位を均一にする効果が高い。本実施例では、感光ドラム1とグリッドの最近接距離は、1.5±0.5mmとした。
この平板状のグリッド206は前ブロック201と奥ブロック202にそれぞれ配置された張架部207、209によって張架されている。前ブロック201に配置されている張架部207のつまみ208を操作することでグリッド206の支持が外れ、容易に着脱可能となっている(図3参照)。さらに、グリッド206は張架部209付近で平板の一部に曲げ形状が与えられており、多少の伸縮性を備える。そのため、グリッドがコロナ帯電器に張架された状態でも、外力を受けるとある程度に移動することができる。なお、本実施例においてグリッドの基材はオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、以下SUSと記載)からなる厚さ約0.03mmの薄板上の板金にエッチング加工によって多数の貫通孔が形成されたものを使用した。なお、本実施例の平板状のグリッドについては図7に示した通りのメッシュ状のものでもよいが、この形状に限定する趣旨ではない。たとえば、例えば特開2005−338797に見られるハニカム構造形状の平板状のグリッドにであってもよい。このエッチンググリッドに対して施した耐腐食性などの向上を目的として施したコーティングについては後に詳述する。
■(帯電シャッタについて)
続いて、図3を用いて帯電シャッタ(以下、シャッタ)とシャッタを巻取り収納する構成について説明する。コロナ帯電器2は、シールドの感光体に対向する開口(幅約360mm)のうち少なくとも感光体上に画像が形成される部分の全域(幅約300mm)を遮蔽するシート状のシャッタ210を備える。シャッタ210はグリッド206と感光体1の間の隙間を移動してシールドの開口部を開閉する。本実施例の画像形成装置はシャッタ開状態において、グリッド206と感光体1の最近接部の距離は約1.0mmと狭い。そのため、感光体とシャッタが接触したとしても感光体を傷つけないように、シャッタ210には柔らかい可撓性のシート形状の不織布を用いた。また、シャッタの短手方向の幅はコロナ帯電器の短手方向の幅よりも広い。ここで、本実施例のシャッタ210はレーヨン繊維を含み、厚みが100μmのものを用いた。
シャッタ210は、コロナ帯電器2の長手方向の端部においてシャッタを巻き取る巻取り機構211によりロール状に巻き取られて収納される。この巻取り機構211はシャッタ端部を固定したローラと、ローラを付勢するねじりコイルばねを備える。シャッタ210はコイルバネによりシャッタを巻き取る方向(開口開き方向)に付勢され、これによりシャッタの長手中央が垂れにくくなる。
さらに、シャッタ210にコロナ帯電器長手方向のテンション(張力)を加えることで、シャッタ210とコロナ帯電器2との隙間からコロナ生成物が外側に漏れにくい状態を維持することができる。
巻取り機構211は、巻取り機構211を保持する保持ケース214ととともに前ブロック201に保持されている。保持ケース214のシャッタ引出部近傍には、シャッタ210がグリッド206のエッジや張架部207とそのつまみ208などと当接しないようにするためガイド(案内)するガイドコロ215が配置されている。
また、シャッタ210の長手方向の他端は板ばね212に固定されている。板ばね212はシャッタを保持し閉方向に牽引すると共に、シート状のシャッタをアーチ形状に規制することでシートにコシを与えている。具体的には、シャッタの短手方向の中央部を放電ワイヤ側に向けて凸形状となるように板ばね212で規制している。
さらに、シャッタ210の先端近傍を保持する牽引部材兼規制部材としての板ばね212は移動部材としてのキャリッジ213に接続されている。板ばね212は厚さ0.10mmの金属材料を用い、薄いながらもシャッタを牽引するに耐える強度を得ている。
キャリッジ213がコロナ帯電器の上方に設けられたスクリュ217からの駆動を受けて、奥側(開口閉方向)に移動すると、シャッタ210は巻取り機構211から引き出される。また、キャリッジ213が手前側(開口開方向)に移動すると、シャッタ210は巻取り機構211により巻き取られて保持ケース214に収納される。
■(清掃ブラシについて)
以下に、グリッドを清掃する清掃部材としての清掃ブラシ250について簡単に説明する。本実施例の帯電装置はグリッドの放電ワイヤ側の面を長手方向に移動して清掃する清掃ブラシを備える。この清掃ブラシはシャッタを開閉させる駆動源である開閉モータM2からの駆動力を受けてグリッド長手方向に移動する。
清掃ブラシ250は板状グリッドに対して所定の侵入量を保ちながら、移動してグリッドを清掃する。清掃ブラシを保持するブラシホルダ251はABS樹脂を用いた(図6参照)。
また、清掃ブラシ250の毛体は、アクリル系ブラシを難燃化処理し、基布に織り込んだものを使用した。具体的には、清掃ブラシは、太さが9デシテックスのアクリル製のパイルを70000本/インチの密度で織り込んだものを用いており、清掃時に板状グリッドに0.3〜1.0mmの侵入量になるような長さとした。なお、清掃ブラシの毛体は、ナイロン(登録商標)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等を用いてもよい。同様に、清掃部材をブラシに限るものではなく、フェルト、スポンジのようなパット(弾性体)や、アルミナ、炭化珪素などの研磨剤を塗布したシートを使用しても良い。
■(シャッタと清掃ブラシの移動機構について)
図3に示すように、本実施例の清掃パット、清掃ブラシ、とシャッタは駆動源としての開閉モータM2の駆動を受けて一体にコロナ帯電器長手方向に移動する。このような構成を採用することで、駆動源(モータ)の数を減らすことができる。なお、移動方向は開閉モータM2を正回転と逆回転を切り替えることで往復移動させている。
■(グリッド引き込み機構について)
続いて、グリッドを清掃する際にグリッドの感光体への接触を抑制しつつも、グリッドを安定して清掃するためにグリッドを放電ワイヤ側に引き込む機構について簡単に説明する。本実施例の清掃ブラシはグリッドを放電ワイヤ側から清掃する。ここで、グリッドの清掃に伴い、グリッドは放電ワイヤ側に移動(引き込み)する構成を採用した。
非清掃時はグリッドを放電ワイヤ側へ引き込む引き込み機構252(図5参照)はグリッドに接触しないような位置に待機している(図3の(a)参照)。
一方、清掃時は清掃ブラシのブラシホルダ251の引き込み機構252、グリッド両端部と接触し、グリッドを放電ワイヤ側へと引き込む(図3の(b)参照)。グリッドを放電ワイヤ側に移動させた状態で、清掃ブラシはグリッドへ侵入し清掃する。
なお、ブラシホルダ251の材質としてはABS樹脂、PCなどのブラシの毛体より剛性の高いものを用いている。なお、ブラシホルダ251と同材料でできた引き込み機構252により、グリッドの被帯電体(感光ドラム)側からグリッドを放電ワイヤ側へ押圧され移動する。この引き込み機構252は清掃ブラシ250を保持するブラシホルダ251の両側に設けられている(図7、図8等参照)。
§3.{シャッタ開閉制御およびグリッド清掃制御について}
続いて、コロナ帯電器2のシャッタの開閉制御とグリッド清掃に関する制御について簡単に説明する。図4の(a)は制御回路を模式的に示したブロック図、図4の(b)はシャッタの開閉制御を説明するためのフローチャートである。また、図5はグリッド清掃に関する制御を説明するためのフローチャートである。
図4の(a)に示すように、制御手段としての制御回路(コントローラ)Cは、内部に保持されたプログラムに従い、駆動源としての開閉モータM2、高圧電源P、ドラムモータM1を制御する。なお、本実施例の帯電装置は図3に示すようにグリッドを清掃する清掃ブラシ250とシャッタは共通の駆動源(M2)からの駆動力を受け移動する。また、ポジションセンサP1、P2はフラグの有無を制御回路Cに通知する。ポジションセンサを備える構成では、制御回路Cはポジションセンサからの出力に基づき清掃ブラシの位置等を把握することができる。つまり、清掃ブラシが往路と復路において、帯電器の端部から端部まで動いた事をポジションセンサにより確認できる。なお、制御回路Cはメモリを備え、画像形成枚数をカウントするカウンタや経過時間を計測するタイマとして利用することができる。
■(シャッタ開閉制御について)
画像形成信号を受け、制御回路Cはポジションセンサの出力に基づき、シャッタが閉じた状態である場合、開閉モータM2を駆動して開口を開くようにシャッタを移動させる(S101)。続いて、シャッタを退避させた状態(開口開)で、ドラムモータM1を駆動して感光体1を回転させる(S102)。
また感光体を帯電するために、制御回路Cは高圧電源Sから放電電極及びグリッドに対して帯電バイアスを印加するように制御する(S103)。
コロナ帯電器2によって帯電された感光体1に、他の画像形成部が作用させて、シート上に画像が形成される(S104)。画像形成終了後、制御回路Cはコロナ帯電器への帯電バイアスの印加を停止させ(S105)、続いて感光体の回転を停止させる(S106)。
感光体回転停止後、制御回路Cは開閉モータM2を逆回転させてシャッタで開口を閉じる動作を実行させる(S107)。なお、画像形成直後にシャッタ210の閉動作を行っても、画像形成終了から所定の時間経過後に閉動作を実行してもよい。
なお、本実施例ではシャッタを移動させる開閉モータM2で清掃ブラシを長手方向に移動させる。そのため、シャッタの開閉動作に伴いグリッドは清掃されるため、グリッドに付着する粉塵やトナー、外添材や、放電生成物などによる帯電不良、帯電不均一性の発生を抑え、長期間に渡って高品質な画像を得ることができる。
■(グリッド清掃制御について)
続いて、帯電器の清掃ブラシによるグリッドの清掃動作シーケンスについてフローチャートを用いて説明する。清掃ブラシは非清掃時に、画像形成装置を正面から見て、手前側に位置しているのを基準の場所とする。以下、清掃ブラシが、手前から奥側に行く時を往路動作と称し、奥側から手前側へ戻ってくる動作を復路動作と述べる。
図3においては、右側が、画像形成装置の手前側に相当し、左側が画像形成装置の奥側に相当する。
以下に、図5に示すフローチャートを用いて説明する。画像形成を繰り返し行うと、グリッドの表面に、放電生成物や、粉塵、飛散したトナーや外添材などが付着する。グリッドに異物が付着すると、その部分の帯電電位がずれてしまい、画像濃度ムラが生じてしまう。そこで、異物付着に起因する画像不良を抑制するために、グリッドを清掃ブラシで清掃する。なお、清掃ブラシと放電ワイヤを清掃する清掃パッドは連動しており、以下の清掃動作により、グリッド電極と放電ワイヤの清掃を同時に実施している。
制御回路Cはカウンタで前回の清掃を実施してからの画像形成枚数をカウントする。そのカウントを清掃カウンタNとし、清掃カウンタNと清掃閾値Zとの大小を比較判断する(S201)。本実施例では、Z=A4サイズの画像形成1000枚とした。つまり、制御回路Cは、清掃カウンタNが1000枚を超えるごとに清掃ブラシの往路動作を開始する(S202)。なお、カウンタNは帯電器の作動時間に比例するものであればよいので、画像形成枚数以外にも、帯電器の稼働時間をカウントして判断基準としてもよい。そして、清掃ブラシが待機場所(ホームポジション)とは逆側の位置(図3の(a)の右端部)になるまで、開閉モータM2を正方向に回転させて清掃ブラシを移動させる(S203)。そして、制御回路Cは待機場所とは逆側の位置に設けたポジションセンサPS2の出力に基づき開閉モータM2を停止する(S204)。なお、構成の簡易化のためにポジションセンサを用いることなく、制御回路Cにより所定時間(5秒)経過後に開閉モータM2を停止する構成を採用してもよい。
続いて、清掃ブラシの復路動作について図6の(a)に示すフローチャートを用いて説明する。制御回路Cは往復動作要求に従い、清掃ブラシの復路動作を実行する(S301)。なお、往路動作と復路動作は個別に実行しても、連続して往復動作としてもよい。
復路動作が要求されると、制御回路Cは開閉モータM2を逆方向に回転させて清掃ブラシを移動させる(S302)。続いて、清掃ブラシがホームポジション(図3の左端部)へ移動するまで開閉モータM2を逆方向に回転させる(S303)。また、ポジションセンサPS1が清掃ブラシが待機場所に到達したことを検知すると、制御回路Cは開閉モータM2を停止する(S304)。このように、グリッドに付着する粉塵、紙粉、トナー、外添材、放電生成物を清掃することで、帯電不均一性の発生を抑え、長期間に渡って高品質な画像を得ることができる。
また、グリッド清掃だけでなく、放電ワイヤの清掃部材も同時に動くことから、放電ワイヤの清掃も行われており、ワイヤ汚れによる帯電不良の発生も同時に抑えられる。なお、前述のように本実施例の構成では、駆動源が同一のため清掃動作に伴いシャッタは開口を開閉する。同様に、シャッタの開閉動作に伴い、グリッドは清掃される。
§4.{引き込み機構と摺擦される部分について}
続いて、清掃時にグリッドを放電ワイヤ側に向かって引き込む機構について詳しく説明する。グリッドの短手方向の両端でグリッドを放電ワイヤ側へと引き込むテーパ部とグリッドと摺擦する摺擦部をからなる引き込み機構252を備える。これにより、グリッドは被帯電体(感光ドラム)側から放電ワイヤ側へ向かって力Fを受け(図6の(b)参照)押圧され放電ワイヤ側に変位する。
ここで、引き込み機構グリッドの両端とこの引き込み機構252は清掃ブラシ250を保持するブラシホルダ251の両側に設けられている(図7、図8等参照)。そのため、清掃ブラシがコロナ帯電器長手方向に往復することで、グリッドが局所的に摩耗してしまう。以下に、グリッドを放電ワイヤ側(放電電極側)へと引き込む動作について説明した後、摺擦により局所的に摩耗する領域について図を用いて説明する。
■(引き込み動作について)
図6はグリッドを放電ワイヤ側へと引き込む機構を説明するための拡大図である。図6の(a)はグリッド206と引き込み機構が備えるテーパ部が接触していない状態を示す図である。また、図6の(b)はテーパ部がグリッドと接触し、グリッドを放電ワイヤ側へと引き込み(移動)させた状態を示す図である。
図6の(a)に示すように、グリッドの短手方向両端において引き込み機構252が図中のX方向に移動すると、テーパ部がグリッドの感光体側の面に乗り上げる。テーパ部により押し下げられたグリッドは局所的に変形し、引き込み機構の摺擦部により放電ワイヤ側へ変位するような力Fを受ける。
■(摺擦される部分について)
図6、図7を用いて、グリッドの引き込み機構の摺擦部と摺擦して摩耗する部位について説明する。図中のグリッドの感光体側の面のうち引き込み機構252の摺擦部と摺擦する部位をA、グリッドの感光体側の面のうち摺擦部と摺擦しない部位をB、グリッドの放電ワイヤ側の面をCとして図中に示した。摺擦部と摺擦する部位Aはグリッドの短手方向両端の端部、摺擦しない部位BはAを除く部位となる。
図7はグリッドを感光体側から俯瞰した図である。図7に示すように、引き込み機構252の摺擦部はグリッドのメッシュ部と接触しないように設けられている。これは、グリッドのエッチングにより形成されたメッシュは線が細く、摺擦部と摺擦すると線が切れる可能性があるためである。なお、図7中の裏面(放電ワイヤ面側)がCとなる。
§5.{グリッドのコートに関する詳しい説明}
以下に、本実施例の平板形状のグリッド206に施した表面処理について詳しく説明する。図8はエッチンググリッドの基材および保護層について説明するための図である。以下に、グリッドの基材、保護層を形成する材料と成膜方法について説明する。
■(グリッドの基材について)
図8に示すように、エッチンググリッド206の図中上面を放電電極側と呼び、図中下面を感光体側と呼ぶ。本実施例のグリッドの基材はSUSを用いた。基層206bとして、他のオーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、あるいは、フェライト系ステンレス鋼等を使用しても良い。
前述の通り、コロナ放電により生成される放電生成物は酸化剤として作用する。そのため、グリッドにSUSなどの比較的高い耐腐食性を備える材質を用いたとしても放電生成物により絶縁性の金属酸化物が発生してしまう。SUSの表面にはCr酸化物を主成分とした不動態膜が形成される。この不動態膜が金属素地を外界から遮断することでSUSは比較的高い耐食性を発揮する。なお、この不動態膜は自己補修するため、長期に渡り耐腐食性を発揮することが知られている。
しかし、コロナ帯電器のグリッド電極としてSUSを用いる場合には、極めて過酷な環境(高濃度のオゾン、NOx環境)にさらされる。とりわけ、高湿環境下ではSUSの自己補修が間に合わず、発銹等の腐食損傷が生じてしまう。これは、酸化性物質(オゾン、NOx等)により破壊された不働態膜中のCr等の金属原子が不動態膜として自己補修する前に酸化性物質と反応し錆が生じると考えられている。より具体的には、空気中の水に溶けたオゾンの一部が分解してフリーラジカル(OH)が形成され、オゾンの間接酸化反応によりSUSが酸化すると考えられている。
そのため、コロナ帯電器のグリッドとしてSUSを用いる場合には、錆の発生を抑制するために、グリッド基材の表面に金等の防錆効果のある保護膜(めっき)を形成することが望まれていた(特開2007−256397号公報等を参照)。
■(保護層を形成する材質について)
本実施例において、グリッドの基材206b(SUS)はテトラヘデラルアモルファスカーボン(Tetrahedral Amorphous Carbon:以下、ta−Cと称す)でコートする。ここで、ta−Cとは、ダイヤモンドライクカーボン(diamond‐like carbon:以下、DLC)に分類される放電生成物に対して化学的に不活性度が高い材料である。
DLCの構造は通常水素を若干含有したダイヤモンド結合(または、sp3結合)とグラファイト結合(または、sp2結合)とが混在した非晶質(アモルファス)構造をとる。
図9はta−Cの構造を説明するための模式図である。白丸(図中○)が炭素原子を、線(図中−)が結合状態を示す。ta−Cはミクロ的には四面体結晶構造を有し、マクロ的にみると非晶質構造を持つ化学種(アモルファス)である。
ta−Cは、sp3結合とsp2結合が混在した構造であり、組成として硬度に感度を持つsp3結合(ダイヤモンド構造)と、摺動性に感度を持つsp2結合(グラファイト構造)の両方を備える。そのため、結合の割合に応じて、耐摩擦性や磨耗特性などが変化する。なお、sp3混成軌道のみ炭素原子が結晶化すると、図10の(a)に示すようにダイヤモンド構造となる。同様に、sp2混成軌道のみの炭素原子であれば、図10の(b)のようにグラファイト(黒鉛)構造となる。
このような構造を備えるta−Cは他の材質に比べ、常温では空気、水等に対して不活性、耐腐食性、低摩耗性、自己潤滑性、高硬度、表面平滑性に優れている。また、ta−Cは化学的吸着及び酸化反応等が起きにくい特性を有し、磨耗や傷の発生による部分的機能劣化に対しても有効な部材である。
グリッドの表面に形成された保護層(ta−C層)は、帯電性能を阻害せずに高い腐食効果を得る機能が最大限に発揮できるよう体積抵抗率、膜厚、および、表面の平滑性を最適化する必要がある。そのため、体積抵抗率は中抵抗と帯電部材に適した体積抵抗率となるように材料特性を調整することが好ましい。そのため、保護層(ta−C層)の体積抵抗率は10〜1010Ω・cm程度であればよい。本実施例は、より好ましい10〜10Ω・cm程度の体積抵抗率となるように保護層(ta−C層)を形成した。また、本実施例ではta−C層をsp3結合とsp2結合の割合が7:3となる成膜条件を選出した。
■(保護層の形成方法について)
本実施例において、グリッドの基材206b(SUS)に対して、FCVA(Filtered Cathodic Vacuum Arc Technology)法を用いてta−C層を形成した。ta−CはCrよりも耐腐食性等の面で優れた特性を備えるコート材料であるが、成膜(コーティング)方法が限られている。具体的に、グリッド電極をDLCでコートするためには、いわゆる蒸着(スパッタ)で成膜するのが一般的である。
蒸着による成膜はめっき液に基材を浸ける「液浸めっき」などと異なり、グリッドの両面に略同一の保護層を形成するのが難しい。これは、グリッドを低圧の保護膜形成室(チャンバー)内に保持し、保護層を形成する材料を一方向から吹きつけるためである。そのため、1度の蒸着処理でグリッドの両面に略同一厚みの皮膜を形成するのは困難である。なお、略同一の厚みとは膜厚の10%、本例では±5μm程度の差を指す。
なお、保護層を形成することを、ライニング(lining)、フェイシング(facing)、コーティング(coating)などと呼ぶ場合があるが、本実施例ではこれらを総括して表面処理と呼ぶ。
FCVA法によりSUS基材にta−C層を形成する際には、黒鉛をバキュームアーク放電により炭素プラズマを発生させ、そこからイオン化した炭素を抽出して、SUS基材上に堆積させる。なお、FCVA法の他に、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などで成膜してもよい。当然、保護膜を形成する材料に応じて適切な処理方法を選択すればよく、上記処理方法に限るものではない。
■(グリッドへの保護膜形成について)
FCVA法等の蒸着による保護層の成膜には指向性を備える。つまり、保護材を吹き付ける面とその反対側の面では保護膜の成長速度が異なる。ここで、エッチング処理した薄板形状のエッチンググリッドであれば、メッシュ部分を炭素(プラズマ)が通過して裏面へと回り込み易い。
そのため、片面から成膜してもグリッドの裏面側にも十分な厚みの保護膜を形成することができる。当然、両面から成膜するわけではないので、表面側の保護層は裏面側の保護層よりも厚くなりやすい。なお、蒸着によりグリッドの両面の保護層の厚みを同一しようとすれば、グリッドの両面から成膜すればよい。しかし、片面から成膜する場合に比べてコストが高くなる。しかし、膜厚と成膜時間は比例関係にあるため、膜厚を厚くしようとすれば成膜に要する時間が長くなる。当然、成膜時間が長くなると成膜工程のタクトタイムの低下を招き、コストアップを招くため好ましくない。
そのため、ta−C層の膜厚は板状グリッドのエッチングにより形成したメッシュのエッジ部分(薄板の端面)で成膜不良が発生しない膜厚まで成長させることが望ましい。これは、エッジ部分において成膜不良が発生すると画像形成時においてエッジ部分に腐食電流が集中するためである。なお、保護層の厚みを0.02μm未満で形成しようとする場合、エッジ部分近傍で成膜不良が発生する可能性がある。そのため、グリッドに形成する保護膜の厚みは0.02μm以上とすることが好ましい。
■(保護層の表面性について)
続いて、保護層(ta−C層)を形成した後のグリッドの表面性について説明する。ta−C層の表面の粗さが粗くなると、グリッドの表面に形成されたta−C層の表面積を増やす方向になる。ta−C層の表面積が大きくなると、ta−C層の表面に放電生成物、あるいは、エアロゾルや飛散してきたトナーや外添材等が付着する可能性が高くなる。
ta−C層の表面に吸着された放電生成物、あるいは、エアロゾルや飛散してきたトナーや外添材等の付着や腐食に伴う画像不良を招く恐れがある。そのため、ta−C層の表面を平滑化することが好ましい。
また本実施例のグリッドは、グリッドを清掃する清掃部材としての清掃ブラシが接触する。清掃ブラシの接触による保護層の摩耗を抑制するためには、保護層の表面が平滑である事がより好ましい。板状のグリッドの表層材質として、様々な材質が適用可能であるが、ta−C層は、上述のように対摩耗性にも優れており、清掃部材など接触摩擦が生じる構成におけるグリッドの保護層の材質として好ましい。なお、SUS上に被膜されたta−C層の平滑性は下地となるSUSの表面の粗さが反映されやすい。
ta−C層表面をJIS−B0601:2001に定義される算術平均高さRaが2.0μm以下にすることが望ましい。また、成膜コストは高くなるがta−C層表面が1.0μm以下であれば、外添剤の付着を抑制することができる。本実施例ではグリッドのta−C層表面を0.07μm〜0.05μmとなるように成膜した。なお、上述の平滑性をta−C層が持つためには、SUS表面をJIS−B0601:2001に定義される算術平均高さRaが1.5μm以下とした。本実施例の保護層を成膜する前のSUS表面は0.5μm〜0.3μmのものを用いた。
■(ta−C層の成膜条件について)
以下に、エッチンググリッドへの保護層(ta−C層)を形成の条件について詳しく説明する。ta−C層(保護層)の成膜温度は0℃以上350℃以下が好ましく、40℃以上220℃以下がより好ましい。また、成膜速度は1.5nm/secに設定し、グリッドの放電ワイヤ側の膜厚0.05μm、シャッタ側の面(感光ドラム面側)の膜厚をワイヤ側の膜厚よりも厚い0.06μmとした。ここで、ベース材料の色と、保護層の色に差があれば光学濃度を測定することで膜厚の厚差を検知しても良い。具体的には、SUSは金属光沢を備える銀白色であり、それに対してta−Cは膜厚に応じて、赤茶色〜青紫色(群青色)〜青みがかった銀色と色が変わる。そのため、成膜厚みを色味、濃度差で検知してもよい。当然、保護材が無色透明の場合や正確に層厚を測定したい場合は、グリッド断面を電子顕微鏡で観察すればよい。
なお、保護材としてアモルファスカーボン(ta−C)を用いる場合、保護膜中のカーボンはsp3構造とsp2構造が一定割合で存在する。発明者の検討により、sp2構造よりsp3構造を多く含む方が、対腐食性、対摩耗性に優れる事が判明した。
これはsp2構造が多いとグラファイト平面層間にミクロ孔充填が発生しやすく、他化学種(本実施例ではオゾン、放電生成物、遊離基)を吸着、充填しやすい状態になる。腐食自身は両者の組成において遜色がないが他因子(もらい錆等)による腐食の影響が組成比に影響したと推察している。これに対し、sp3構造の組成を多くすることによりナノ細密構造となり、結晶構造の割合を高めることが上記の他因子による弊害を抑制したと推察される。
そこで、本実施例のta−C層のsp3構造及びsp2構造の組成割合に関しては、ta−C層のsp3構造及びsp2構造の組成割合がsp3:sp2=6:4以上の割合でsp3構造を多く含む事が好ましいことが検討により判明した。また、より好ましくは、sp3:sp2=7:3以上の割合でsp3構造を含む事が好ましいことが発明者らの検討により判明した。本実施例では、sp3構造及びsp2構造の組成割合が7:3となる成膜条件を選出し、本実施例のグリッドの表層成膜に用いた。なお、保護層中の炭素のsp3構造とsp2構造の割合はラマン顕微鏡(例えば、ナノフォトン社製RAMAN−11)などを用いて検出することができる。より具体的には、光源として単色光であるレーザー光をta−C層に照射して、発生したラマン散乱光を分光器や干渉計で検出してスペクトル分布を得る。取得したスペクトルのピークに基づき、sp3とsp2構造の割合を算定することができる。
また、組成割合を変更する成膜条件に関しては、FCVA法の他に、特開2005−15325に記載されているレーザーアブレーション法、表面科学Vol.24,No.7,pp.411−416に記載されている高周波マグネトロンスパッタリング法を用いてもよい。これにより、基板温度、パルス電圧、アシストガス流量、雰囲気内ガス種及びアニール処理温度を設定することにより様々な組成割合の保護層を成膜することができる。
また、成膜の際は、板状のグリッドの放電ワイヤと感光ドラムの其々の面に対して成膜して成膜の厚みを調整してもよいし、片面側からの成膜時に、もう一方の面に成膜材(ta−C)が回り込むような成膜方法により成膜してもよい。尚、放電ワイヤや感光体に対向する面のみでなく、放電ワイヤ、あるいは、像担持体と対向する面と直交するグリッドの側面に対してもta−C層が設けられるよう成膜を行っている。これにより、放電生成物やエアロゾル等の付着と、付着に起因する弊害を抑制する事ができる。本実施例では、放電ワイヤ、あるいは、像担持体と対向する面と直交するグリッドの側面に、ta−C層を0.02μm以上形成するように成膜した。
本実施例では、成膜した表面上の粗さを、JIS−B0601:2001に定義される算術平均高さRaが2.0μm以下になるようta−C層を成膜した。ta−C層を板状のグリッド表層に成膜することで耐腐食性に加えて、耐摩耗性や耐付着性を良好にすることができる。これにより、グリッドの腐食に加えて、摩耗、異物の付着に起因する画像不良の発生を長期にわたって抑制できる。なお、表層の材質はta−Cである事がより好ましいが、それ以外の材質を用いてもよい。
■(グリッド表裏の保護層厚みについて)
前述のように、グリッドを放電ワイヤ側へ引き込む構成では、グリッドの引き込み機構と摺擦する部分A(図6参照)に局所的な摩耗が生じる。そのため、本実施例のグリッドは基材に対して保護層を設ける処理が施されており、グリッドの被帯電体側の層厚は前記電極側の層厚よりも厚くした。具体的には、グリッドの放電ワイヤ面の成膜厚に対して、感光体ドラム面側の成膜厚を1.15倍〜2.0倍となるように成膜した。なお、放電ワイヤ側の面と感光体ドラム側の面の汚染、摩耗がほぼ同程度とするためには、1.2倍〜1.8倍に収めることがより好ましい。当然、グリッドの成膜厚を厚くすることで帯電むらを抑制することもできるが、グリッドに保護膜を成膜する期間が長くなる等のコストアップを招くため好ましくない。そのため本実施例のグリッドは、放電ワイヤ側の保護層の膜厚0.05μm、感光ドラム面側のグリッド表層の膜厚を0.07μmとした。
§6.{グリッドの耐久評価}
前述の通り、引き込み機構でグリッドを引き込みつつ繰り返し清掃することにより、引き込み機構と接触するta−C層が摩耗し、そこから腐食することが判明した。そこで、発明者らは好ましい保護層の厚みを検討すべく、グリッドのta−C層の成膜厚を変更して、ta−C層の削れ試験と、画像および腐食評価試験を行った。
評価試験を行うにあたり、グリッドのta−C層の膜厚は、帯電ワイヤと対向する面の膜厚20〜90nm、感光ドラムと対向する面の膜厚20〜120nmの範囲のta−C層を成膜したグリッドを準備し、試験を実施した。なお、試験は、引き込み機構と清掃ブラシ以外の構成の影響を少なくするため、シャッタを外した状態で試験を行った。
■(試験条件と評価基準について)
試験条件として、コロナ帯電器の帯電ワイヤに総電流1000μA、グリッドに印加する電圧を−800v印加した。高温高湿環境(30℃、80%)内で前記の高電圧を印加し、累計500時間コロナ放電を行った。その際、0.25時間毎に帯電器に印加する高電圧の印加をOFFし、グリッド清掃の往復動作を実施し、再び、高電圧の印加をONするという作業を繰り返し、累計500時間のコロナ放電を行った。
上述のように構成した画像形成装置を用いて行った評価試験の結果について以下に述べる。図11はグリッドの感光ドラム面側と放電ワイヤ面側の保護層の削れ量を測定した結果を説明するためのグラフである。また、図12は上記構成の装置を用いて画像を出力した際の試験結果を示す図表である。
■(削れ試験について)
図11はグリッド表層に設けた保護層(ta−C層)の摩耗度合いを示したグラフである。コロナ放電を50時間毎にグリッドのta−C膜厚の削れ量を、光学顕微鏡や表面粗さ計などを用いて測定した。グリッド表層の削れ量の測定は、図6に示すA、B、Cの内部で、複数の点を測定し、その結果のち最も薄い厚みをグリッド表層の削れ量とした。
図11は、放電ワイヤ側のta−C膜厚に50nm、感光ドラム側のta−C膜厚に100nmのグリッドを準備し、上述の試験方法により、グリッド表面の感光ドラム面側と放電ワイヤ面側の削れ量を測定した結果である。
図11の結果によれば、コロナ放電500時間で、放電ワイヤ側のta−C膜厚は、約30nmの削れ量に対して、感光ドラム側のta−C膜厚は、約85nmであることが分かった。特に、感光ドラム側は、放電ワイヤから最近接部の位置(B)における表層の削れ量より、両端部のブラシホルダの引き込み機構252が接触する部分(A)の削れ量の方が多くなった。
また、感圧センサーを用いて、清掃ブラシがグリッドに接触する接触圧と、ブラシホルダ251の引き込み機構252がグリッドに接触する圧を測定した。すると、清掃ブラシの接触圧に対して、ブラシホルダ251の引き込み機構252の接触圧は7〜30倍程度の強さであることが分かった。図11に示す結果からも分かるように、感光ドラム側の削れ量が放電ワイヤ側の削れ量より大きい。なお、放電ワイヤ側の面(C)と、感光ドラム側の面の接触圧と削れ量の間の相関が少ないのは、コロナ放電直後に清掃動作を実施するため、清掃部材の機械的な摺擦に加え、放電による表面性の変化も影響しているためと推測している。
■(画像試験について)
画像の評価試験は、キヤノン社製のカラー複写機imagePRESS C1にグリッド清掃ブラシ付きのコロナ帯電器にta−C層が形成されたグリッドを装着し評価を実施した。上記のコロナ放電試験を行った帯電器にて、ハーフトーン画像等を出力し、画像とグリッドとの評価を行った。
画像の評価は、初期画像と比較し斑の発生による濃度のムラと、グリッドの腐食の程度を、以下の評価基準で行った。なお、画像評価基準におけるDはハーフトーン画像における濃度を示し、像担待体長手における濃度斑の最大最小の差をΔDとして表す。また、グリッドの腐食の程度とはグリッド両面のうち腐食度合いが高い面について評価をした。
[画像評価基準]
○濃度ムラ等無し、ΔD≦0.05
△軽微にムラ有り、0.05≦ΔD≦0.2
×ムラ有り、0.2≦ΔD
[腐食評価基準]
◎:ほとんど付着物無し、軽微の付着
○:局所的な異物付着
△:全面に軽微な異物付着
×:全面に付着
図12の結果によれば、放電ワイヤ側は40nm以上、かつ感光ドラム側は60nm以上のta−C成膜があると、腐食、画像評価ともに良好であることがわかった。さらに、望ましくは、放電ワイヤ側は50nm以上、かつ感光ドラム側は70nm以上がより耐久性が良好であるという結果であった。
図11に示した、グリッド表層の削れ量の結果と画像、腐食試験の評価が一致しないのは、グリッド表層の削れ量そのものが直接的に、画像劣化につながらない事を意味する。
しかし、グリッド表層の削れ量が一定値に到達すると、そこをきっかけとして腐食や異物の付着が始まり、腐食や帯電ムラが生じて腐食評価と画像評価のレベルが低下していくと考えられる。そのため、帯電装置としてグリッド表層の削れ量と、腐食、画像のレベルを見極め、ta−C層の膜厚を決定していく必要がある。その際、清掃ブラシや引き込み機構とグリッドの接触圧も考慮するのが好ましい。
本実施例では、試験結果を鑑みて、上述のようにグリッドのta−C層を、放電ワイヤ側のグリッドの保護層の膜厚0.05μm、とし、感光ドラム面側のグリッドの保護層の膜厚を0.07μmとした。それにより、長期間にわたってグリッドによる帯電ムラの発生を抑制する事ができた。
望ましくは、グリッドを交換する時に、放電ワイヤ側の面と感光ドラム側の両側面の削れと腐食が同時進み、規格以下(NG)の画像が出力されることが好ましい。グリッドのどちらかの面の汚染レベルが良好のまま、交換することはグリッドの表層成膜を不必要に厚くしていることを意味する。成膜厚が厚いと、基層と成膜層とが剥がれやすくなったり、ボンディングが生じたりする可能性が増える。また、成膜時の時間と材料を必要以上に要するため、グリッドのコストが高くなってしまう問題もある。
ta−C層の成膜厚は、170nm以上になると、成膜が難しく、成膜時の成膜材料と時間を多く必要となる。そのため、成膜厚は170nm以下にすることが好ましい。また、放電ワイヤに印加する総電流1000μAとし、500時間の耐久試験を行った。その結果、500時間の放電後も腐食レベルを△レベル以上に保つには、ta−C層の成膜厚は放電ワイヤ側の面は20nm以上170nm以下、感光体ドラム側の面は、30nm以上170nm以下とすることが良いことが判明した。
上述の腐食レベルを△レベル以上に保つ範囲である事を前提に、グリッドの放電ワイヤ面と感光体ドラム面のそれぞれの表層厚みを、どの程度の厚み比にしたらよいか、検討した。その結果、少なくとも放電ワイヤ面の成膜厚に対して、感光体ドラム面側の成膜厚を1.15倍以上にすることで、放電ワイヤ面より早く清掃ブラシの摺擦や、異物の付着などにより、削れに起因する腐食がNGことを抑制することができた。
製造上の寸法公差や装置の使用状況や環境、放電ワイヤに印加する電流値のばらつきや、清掃ブラシの接触圧のばらつきで多少評価試験の結果は変動する。そのため、これらを考慮すると、グリッドの放電ワイヤ面側の成膜厚に対して、感光体ドラム面側の成膜厚を1.15倍〜2.0倍の範囲にある事がより好ましい。さらに好ましくは、1.2倍〜1.8倍の範囲にすることで、放電ワイヤ側の面と感光体ドラム側の面の汚染レベルが、ほぼ同時に進行させることができる。これにより、グリッドの成膜厚を必要以上に厚くする事がなくなる。グリッドの生産時間の短縮やコストダウンにつなげる事ができる。なお、表層の膜を形成する材質は、ta−C層でなくても、同様の効果を得る事が出来る。以上のように、コロナ帯電器のグリッドの表層膜厚を放電ワイヤ側より感光ドラム面側の膜厚を厚くする事によって、帯電ムラの発生を長期間にわたって抑制することができる。
■(シャッタに付着する放電生成物の影響)
前述の試験では、他の構成の影響を少なくするために、シャッタを外した状態で試験を行った。シャッタでコロナ帯電器の開口を遮蔽することにより画像流れの発生を抑制することができる。しかし、シャッタはグリッドと感光体の間の狭い隙間(2mm以下)を通るように設けられている。そのため、シャッタで開口を遮蔽した際に振れによりシャッタとグリッドが接触してしまう場合がある。これにより、シャッタに放電生成物が付着することでグリッドへの腐食力が変化してしまう。そこで、上記グリッドの清掃毎に、シャッタを閉じた状態で12時間放置する試験工程を追加した。
本実施例のシャッタはシート状のシャッタをアーチ状に規制することでコシを与えている。そのため、シャッタは主にグリッドの感光体側の面のうち引き込み機構と接触しない部位(B)と接触する。言い換えると、グリッドを放電ワイヤ側に引き込む引き込み機構により摺擦され摩耗する箇所(A)と、シャッタの振れによりグリッドと接触する可能性がある箇所(B)が異なる。つまり、グリッドの感光体側の面の保護層厚み放電ワイ側の面よりも極端に厚くする必要はなく、放電ワイヤ側の保護層の膜厚0.05μm、感光ドラム面側のグリッド表層の膜厚を0.07μmという構成で長期に渡り帯電むらを抑制することができた。
本実施例では、画像形成中にコロナ帯電器内で放電により発生する放電生成物による影響を低減するファン、ヒータを備える構成について説明する。実施例1と略同一の構成については同一符号を付すことで説明を省略する。
本実施例の画像形成装置は感光体を加熱する加熱手段としてのヒータ(不図示)と、コロナ帯電器2内へ空気を送る送風手段としてファン(不図示)を備える。なお、ヒータとファンは制御手段としての制御回路Cにより制御される。制御回路Cは感光体を目標温度(38℃)に保ち、感光体表面に付着した放電生成物の吸湿を抑制する。これにより、画像流れを抑制することができる。
また、放電ワイヤ近傍で放電により生成する放電生成物をファンにより機外へと排出する。具体的には、ファンは放電ワイヤの上方からグリッドを通過して感光体へ向かうエアフローを作り出す。このように送風することで、飛散したトナーのグリッドへの付着を低減するとともに、放電生成物のグリッドの放電ワイヤ側の面への付着量を低減することができる。
画像形成終了時からシャッタを閉じるまでの期間、ファンを回転させることで、シャッタへの放電生成物の付着を低減できる。グリッド206やシャッタ210に付着するNOxなどの放電生成物の量を低減することができる。そのため、本実施例では画像形成中に加え、画像形成終了後から所定時間は送付ファンを動作させ、帯電器内に残留する放電生成物の量を低減する制御を実施した。
また、画像形成終了後、コロナ帯電器の開口をシャッタ210で遮蔽する際にも画像形成時よりも低速でファンを回転させることで、シャッタのグリッドへの接触を軽減することができる。しかし、シャッタが感光体へ付着すると感光体が汚染する可能性があるため、本実施例ではシャッタでコロナ帯電器の開口を閉じた状態では、ファンを停止するように制御した。
このように、画像形成中にはファンにより送風しつつ、シャッタで開口を遮蔽した際にファンを停止する制御を採用する場合、実施例1と比べてグリッドの放電ワイヤ側に放電生成物が堆積し難くなる。
このように、本実施例のようにファンとヒータを追加することにより、長期間の間、画像流れや汚染による画像不良の発生を抑制できた。また、ファンを設けることにより、放電ワイヤに流れる電流値の変動が生じたとしても、グリッドのワイヤ側の面に付着する放電生成物の影響を低減することができる。
100 画像形成装置
1 感光体(像担持体、被帯電体)
2 コロナ帯電器(スコロトロン)
203、204 シールド(ケーシング)
205 放電ワイヤ(放電電極)
206 グリッド(制御電極)
210 シャッタ(遮蔽部材)
250 清掃ブラシ(グリッド清掃部材)
252 引き込み機構

Claims (9)

  1. 被帯電体に対向する開口を備えるシールドと、
    前記シールドの内側に設けられた放電電極と、
    前記放電電極より前記被帯電体側に設けられた板状のグリッドと、
    前記グリッドの前記放電電極側の面から接触して前記グリッドの長手方向に移動し、前記グリッドを清掃する清掃部材と、
    前記清掃部材と共に前記グリッドの長手方向に移動し、前記グリッドの前記被帯電体側の面を前記放電電極側へ押圧する機構と、を備える帯電装置であって、
    前記グリッドは基材と、前記基材の表面に設けられたコーティング層と、を備え、前記グリッドの前記被帯電体側の前記コーティング層の厚みは前記放電電極側の前記コーティング層の厚みより厚いことを特徴とする帯電装置。
  2. 前記被帯電体と前記グリッドの間で前記開口を開閉するシャッタと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 前記コーティング層はダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  4. 前記コーティング層は主にテトラヘデラルアモルファスカーボンから成り、前記コーティング層を成す炭素はsp3構造の割合がsp2構造の割合よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  5. 前記コーティング層は主にテトラヘデラルアモルファスカーボンから成り、前記コーティング層を成す炭素はsp3構造とsp2構造の割合が組成比は6/4以上であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  6. 前記コーティング層の体積抵抗率は10〜1010Ω・cmであることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  7. 前記グリッドの前記被帯電体側の前記コーティング層の厚みは30nm以上170nm以下であり、前記グリッドの前記放電電極側の前記コーティング層の厚みは20nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  8. 前記機構は記清掃部材より剛性が高いことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  9. 前記グリッドの前記被帯電体側の前記コーティング層の厚みは前記グリッドの前記放電電極側の前記コーティング層の厚みの1.2〜1.8であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
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