[実施の形態1]
まず、本発明の一実施形態である聴診システム(情報処理システム)の概要について、図面を参照しつつ説明する。
(聴診システムの概要)
図2は、本実施形態の聴診システム200の概要を示す図である。図2に示すように、聴診システム200は、聴診器(電子聴診器)30と、端末装置(情報処理装置)100と、サーバ装置40とを含む。聴診器30および端末装置100は診療現場にて用いられ、サーバ装置40は、診療現場から離れており医師の駐在するサポートセンターに設置されるコンピュータである。
聴診器30と端末装置100とは、無線または有線にて互いに通信可能に接続されており、端末装置100とサーバ装置40とは、インターネット等のネットワーク50を介して互いに通信可能に接続されている。
本実施形態の聴診システム200では、以下のようにして聴診が行われる。図2に示す診療現場において、操作者Uは、測定手順をガイダンスするガイダンス画面(図6の(a)〜(f)の各図参照)を端末装置100に表示させ、ガイダンス画面の内容に従って、患者Pに対して聴診器30を用いて聴診を行う。具体的には、操作者Uは、ガイダンス画面にて指示されている測定位置(図3に示される1〜8)を聴診する。このとき、聴診器30にて取得された生体音情報は、聴診器30から端末装置100へ伝送され、端末装置100は、聴診中の生体音情報が異常候補(異常音の可能性が高い音)であるか否かを判定している。
そして、操作者Uが前記測定位置を聴診しつつガイダンス画面の録音ボタンを押すと、端末装置100は、聴診中の生体音情報が異常候補(異常音の可能性が高い音)であるか否かを示す異常情報と、当該生体音情報と、当該生体音情報の測定位置を示す測定位置情報(後述の測定番号)とを紐付けて保存するようになっている。端末装置100による生体音情報の録音が終了し、且つ、操作者Uが当該生体音情報に対応する測定位置の聴診を終えると、端末装置100は、ガイダンス画面において次に測定すべき測定位置を表示(指示)する。以上のような手順が繰り返されることによって、予め定められている全ての測定位置(図3の1〜8)の聴診が行われ、各測定位置の生体音情報が端末装置100に保存される。
その後、端末装置100に対する操作者Uの操作、または、サーバ装置40に対する医師Dの操作により、端末装置100に保存された生体音情報と当該生体音情報に紐付けられる各種情報とがサーバ装置40に送信される。医師Dは、生体音情報に紐付けられた測定位置情報(後述の測定番号)を確認しつつ、当該測定位置情報に紐付けられている生体音情報を再生させて視聴することにより、患者Pの診断を行うことができる。
なお、操作者Uは、医師以外の者であってもよい。例えば、操作者Uとしては、看護師等の医師以外の医療従事者、または、介護福祉士等の介護従事者が挙げられる。
(聴診器30の構成)
聴診器30は、所謂電子聴診器である。すなわち、聴診器30のチェストピースを、測定対象である患者Pの胸部または背部に当てることにより、患者Pの生体音を取得できる。生体音の種類は、特に限定されず、例えば、心音、呼吸音、腸音である。取得した生体音は、AD変換され、デジタルの生体音情報として端末装置100に送信され、端末装置100において管理される。
(端末装置100の構成)
端末装置100は、聴診器30によって取得された生体音情報を管理する機能、操作者Uに対してガイダンス画面を表示することで操作者Uに測定手順をガイダンスする機能を備える携帯型端末装置である。なお、携帯型端末装置としては、例えば、タブレット型端末、スマートフォン、PDA(personal digital assistant)、ノートパソコン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、端末装置100としては、使い勝手の点から携帯型端末装置が好ましいが、デスクトップ型のパーソナルコンピュータであっても勿論よい。
図1に示すように、端末装置100は、通信部101、制御部102、格納部103、表示部104を備えている。
通信部101は、聴診器30と情報の送受信を行い、また、ネットワーク50(図2)を介してサーバ装置40との間で情報の送受信を行うブロックである。特に、通信部101は、聴診器30から生体音情報を受信する。
格納部103は、制御部102が実行する制御プログラム、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および、これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。格納部103は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。また、格納部103は、通信部101が受信した生体音情報や、生体音情報に紐付けられる各種情報を格納する。
表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、患者Pの電子カルテ、生体音情報を管理するための画面、聴診器30の操作者Uに測定手順をガイダンスするためのガイダンス画面などを表示する。また、本実施形態の表示部104は、タッチパネル機能を有しており、操作者Uは、当該タッチパネル機能を利用して端末装置100を操作することが可能である。
(制御部102)
制御部102は、端末装置100の制御を行うCPU,MPUである。特に、制御部102は、例えば図6の(a)〜(f)の各々に示されるようなガイダンス画面150を表示部104に表示させる処理と、聴診中の生体音情報が異常候補(異常音の可能性が高い音)であるか否かを判定する処理と、当該生体音情報と異常候補であるか否かを示す異常情報と当該生体音情報の測定位置を示す測定位置情報(測定番号)とを対応付けて格納部103に記録する処理とを行うようになっている。
図1に示すように、制御部102は、異常判定部111、非類似判定部112、記録処理部113、表示制御部114を備える。
(異常判定部111)
異常判定部111は、聴診器30から通信部101へ送られている生体音情報を入力し、この生体音情報が異常候補(異常音の可能性が高い音)であるか否かを判定する判定処理を行うブロックである。
異常判定部111は、周知の手法により生体音情報が異常候補か否かを判定する。周知の手法としては、生体音情報とサンプルデータとの比較によって判定を行う手法が挙げられる。例えば、異常状態のサンプルデータを格納部103に複数種類格納しておき、異常判定部111が、入力された生体音情報と各サンプルデータとを周知の波形マッチングによって類似度を求め、類似度が閾値以上になるようなサンプルデータがあれば異常候補と判定し、そのようなサンプルデータが無ければ正常(異常候補ではない)と判定するような処理が一例として挙げられる。なお、当該処理とは異なる点があるものの、生体音情報とサンプルデータとの比較によって生体音情報が異常(異常候補)か否かを判定する技術の例として特許文献3〜特許文献5が挙げられる。
あるいは、異常判定部111は、前記のようなサンプルデータを用いることなく、生体音情報の波形から導出される特徴量を求め、この特徴量から異常候補か否かを判定するようになっていてもよい。このような判定を行う手法は、例えば、本願出願人による未公開先行出願である特願2011−272785号に示されている。この手法を用いた判定を以下簡単に説明する。
異常判定部111は、生体音情報の波形の自己相関関数と、生体音情報の波形をフーリエ変換して得られる2次元スペクトルと、生体音情報の波形を所定時間毎にフーリエ変換して得られる3次元スペクトログラムとを、特徴量として求める。なお、2次元スペクトルは周波数および周波数成分を軸とし、3次元スペクトログラムは、周波数、周波数成分、時間を軸としたものである。
つぎに、異常判定部111は、以下の処理A〜処理Cを行う。
処理A;自己相関関数の波形が2〜5秒の周期でピークを持ち、且つ、自己相関関数の包絡線のピークの振幅値の1/4における当該ピーク幅が呼吸周期(1呼吸の期間)の10%以下である場合は、真を出力し、そうでない場合は偽を出力する。
処理B;2次元スペクトルにおいて、200Hz以下の周波数成分の和が全体の80%以上であれば真を出力し、そうでない場合は偽を出力する。
処理C;3次元スペクトログラムにおいて、400Hz以上で周波数成分に周期性があれば真を出力し、そうでない場合は偽を出力する。なお、一定量以上の信号成分が発生するタイミングが所定秒(例えば3秒)の間隔で認められれば周期性有とし、認められない場合を周期性無しとする。
異常判定部111は、処理A〜処理Cの全ての出力が真であれば正常と判定し、処理A〜処理Cの出力のうち少なくとも1つが偽であれば異常候補と判定するようになっている。
いずれにしても、異常判定部111による判定処理は、聴診器30から入力した生体音情報が異常候補(異常を示す可能性の有る音)であるか否かを示す判定結果を出力する判定処理であればいかなる手法でも適用でき、処理内容に限定されるものではない。
そして、異常判定部111は、判定結果を示した異常音情報を、非類似判定部112、記録処理部113、表示制御部114へ伝送する。異常音情報は、生体音情報が異常候補であるか否かを示す情報である。
(非類似判定部112)
本実施形態では、ある測定位置の1回目の測定にて得られた生体音情報について異常判定部111が正常と判定し、且つ、当該測定位置に対して左右対称の関係となる位置(以下では「対称位置」と称すことがある)の1回目の測定にて得られた生体音情報についても異常判定部111が正常と判定した場合、非類似判定部112は、当該測定位置の生体音情報と当該対称位置の生体音情報とが非類似であるか否かを判定するようになっている。この理由を以下に説明する。
医師は、ある測定位置に対して診断を行う場合、当該測定位置の生体音のみから診断を行うのではなく、対称位置の生体音との比較結果をも考慮して診断を行う。この理由は、(a)ある測定位置についての生体音が変わった音であったとしても、聴診対象の患者Pにとって正常音に該当するケースもあり、測定位置の生体音を絶対評価するだけでは足りないことと、(b)聴診対象の患者Pにおいて左右対象の位置関係にある器官等は太さや形状が互いに類似していることから、測定位置と対称位置とが互いに正常であれば両者の生体音は類似しているため、測定位置の生体音と対称位置の生体音との比較が正確な診断に有効であるからである。
すなわち、測定位置と対称位置とが正常であれば測定位置の生体音と対称位置の生体音とは互いに類似する傾向にあり、測定位置と対称位置とのうちの少なくともいずれか一方に異常の疑いがあれば、測定位置の生体音と対称位置の生体音とが互いに非類似になる傾向にある。
そこで、本実施形態の聴診システム200においては、ある測定位置の1回目の測定の生体音情報と当該測定位置の対称位置の1回目の測定の生体音情報との両方が異常判定部111に正常と判定された場合、当該測定位置の生体音情報と当該対称位置の生体音情報とが非類似か否かを判定し、その判定結果を記録するようになっている。
つぎに、対称位置について説明する。本実施形態では、図3または図4に示されるように、測定番号1〜8の測定位置が設定される。ここで、ある測定位置に対する対称位置とは、人体の上部から下部へ向かう線であって人体を左側と右側とに2等分するような直線を想定した場合、当該直線を軸として当該測定位置と線対称になるような位置を指す。すなわち、対称位置とは、ある測定位置と前記線対称の関係にあることという所定の規則において、前記のある測定位置と対の関係になる測定位置といえる。したがって、測定番号1の測定位置と測定番号2の測定位置とが対の関係になり、測定番号1の測定位置は測定番号2の測定位置の対称位置になり、測定番号2の測定位置は測定番号1の測定位置の対称位置になる。同様に、測定番号3の測定位置と測定番号4の測定位置とが対の関係になり、測定番号3の測定位置は測定番号4の測定位置の対称位置になり、測定番号4の測定位置は測定番号3の測定位置の対称位置になる。また、同様に、測定番号5の測定位置と測定番号6の測定位置とが対の関係になり、測定番号5の測定位置は測定番号6の測定位置の対称位置になり、測定番号6の測定位置は測定番号5の測定位置の対称位置になる。さらに、同様に、測定番号7の測定位置と測定番号8の測定位置とが対の関係になり、測定番号7の測定位置は測定番号8の測定位置の対称位置になり、測定番号8の測定位置は測定番号7の測定位置の対称位置になる。つまり、奇数の測定番号の測定位置と、当該奇数に1を加算した偶数の測定番号の測定位置とが、左右対称の対の関係になる。
つぎに、非類似判定部112の判定処理の内容を説明する。非類似判定部112は、異常判定部111から送られてくる異常音情報に基づき、ある測定位置と当該測定位置の対象位置とのペアであって、互いに正常と判定されたペアを判定対象として検出するようになっている。
そして、非類似判定部112は、判定対象の測定位置の生体音情報と、判定対象の対称位置の生体音情報とが非類似であるか否かを判定する。
ここでの判定手法としては、周知の波形パターンマッチングによる判定手法を利用できる。つまり、一方の生体音情報の波形から導かれる所定の特徴量と他方の生体音情報の波形から導かれる所定の特徴量とを比較して、両特徴量の差が閾値以上であれば非類似と判定し、両特徴量の差が閾値未満であれば非類似ではないと判定するような手法が挙げられる。
判定手法の具体例を以下詳細に説明する。非類似判定部112は、判定対象の測定位置の生体音情報の波形および対称位置の生体音情報の波形の各々をフーリエ変換し、測定位置の生体音情報の波形の2次元スペクトルと、対称位置の生体音情報の波形の2次元スペクトルとを出力する。この2次元スペクトルは、周波数を横軸として周波数成分(信号強度)を縦軸としてスペクトルである。
つぎに、非類似判定部112は、出力したスペクトルの各々について、所定の周波数帯域(例えば200Hz以下)の周波数成分の和を第1特徴量として求め、測定位置の生体音情報から得られた第1特徴量が対称位置の生体音情報から得られた第1特徴量の90%〜110%の範囲から外れていれば非類似とし、90%〜110%の範囲内であれば類似と判定するようになっているような判定手法が挙げられる。
また、非類似判定部112は、出力したスペクトルの各々について、所定の周波数の信号強度を第2特徴量として求め、測定位置の生体音情報から得られた第2特徴量が対称位置の生体音情報から得られた第2特徴量の90%〜110%の範囲から外れていれば非類似とし、90%〜110%の範囲内であれば類似と判定するようになっているような判定手法であってもよい。
あるいは、非類似判定部112は、測定位置の生体音情報から得られた第1特徴量が対称位置の生体音情報から得られた第1特徴量の90%〜110%の範囲から外れ、且つ、測定位置の生体音情報から得られた第2特徴量が対称位置の生体音情報から得られた第2特徴量の90%〜110%の範囲から外れている場合に、非類似と判定し、それ以外の場合に類似と判定するようになっていてもよい。
なお、以上の判定にて用いられる特徴量は、所定の周波数帯域(例えば200Hz以下)の周波数成分の和や、所定周波数の信号強度等に限定されるものではなく、周知の特徴量抽出手法を用いて生体音情報の波形から導出可能であり且つ波形マッチングに利用可能な特徴量であればいかなる種類のパラメータであってもよい。
いずれにしても、非類似判定部112による判定処理は、ある測定位置の生体音情報の波形から抽出される特徴量と、当該測定位置の対称位置の生体音情報の波形から抽出される特徴量とを比較し、この比較結果に基づいて両波形が非類似か否かを判定するような波形パターンマッチングであればいかなる周知の手法をも適用でき、処理内容に限定されるものではない。
非類似判定部112は、ある測定位置の生体音情報の波形と当該測定位置の対称位置の生体音情報の波形とが非類似か否かの判定結果を示した非類似判定情報を、記録処理部113および表示制御部114へ伝送するようになっている。
(記録処理部113)
記録処理部113は、表示部104に表示されているガイダンス画面(図6参照)に示される録音ボタン500が押されると、操作者Uから録音指示が入力されたものとして、通信部101から生体音情報を所定時間分入力し、入力した生体音情報を格納部103に格納するようになっている。
但し、記録処理部113は、単に生体音情報を格納部103に記録するだけではなく、測定位置を示す測定番号と、異常判定部111による判定結果(直近の判定結果)である異常音情報と、前記生体音情報と、非類似判定部112による判定結果である非類似判定情報とを紐付けて記録する。
例えば、記録処理部113は、録音対象となる生体音情報を格納部103に格納し、且つ、前記測定番号と前記異常音情報と前記非類似判定情報と前記生体音情報の識別子(ファイル番号等)とを対応付けた測定テーブルを作成して格納部103に格納する。
図4は、格納部103に格納されている測定テーブルの一例である。図4に示す例では、×または○を示した異常音情報が示されている。×の異常音情報は正常音であることを示し、○の異常音情報は異常音であることを示す。また、図4に示す例では、×または○を示した非類似情報が示されている。×の非類似情報は類似であることを示し、○の非類似情報は非類似であることを示している。また、図4の「音データ識別子」は生体音情報の識別子に相当する。さらに、図4に示す測定テーブルのように、被験者ID(患者のID)、被験者の属性情報、聴診日時等も、前記識別子に対応付けて記録してもよい。
(表示制御部114)
表示制御部114は、表示部104の表示制御を行うブロックである。また、本実施形態において、表示制御部114は、図6に示されるガイダンス画面150を表示部104に表示させることによって、聴診システム200を用いた測定(聴診)の測定手順を操作者Uに対して指示(ガイダンス)するようになっている。以下、ガイダンス画面150を利用した測定について説明する。
聴診システム200においては、測定位置および各測定位置の測定順序を示す情報が予め格納部103に格納されており、表示制御部114は、当該情報に基づいて、測定位置と当該測定位置の測定順序(順番)とを示す測定番号を設定するようになっている。例えば、背部を測定するモードである背部モードが操作者Uに選択される場合、表示制御部114は、図3に示される1〜8の測定番号を設定する。当該測定番号は、測定位置および当該測定位置の基本的な測定順序(順番)を特定する情報である。つまり、図3の各測定番号に付されている位置が各測定番号の示す測定位置であり、各測定番号の数字が基本的な測定順序を指す。すなわち、基本的には、測定番号の小さい測定位置から順に測定が行われていくようになっている。
なお、図3は背部モードが選択される場合の測定番号を示した図であり、前胸部を測定するモードである前胸部モードが操作者Uに選択される場合、表示制御部114は、図3ではなく、図4に示される1〜8の測定番号を設定するようになっている。但し、以下では、便宜上、背部モードが操作者Uに選択されることを前提として説明する。
操作者Uが、端末装置100を操作することにより、背部モードの開始コマンドを端末装置100へ入力すると、表示制御部114は、図3に示すような測定番号1〜8を設定する。そして、表示制御部114は、図6の(a)に示されるガイダンス画面150を表示部104に表示させる。ガイダンス画面150には、図6の(a)に示されるように、各測定番号に対応する測定位置に各測定番号が付された擬似人体像300と、現時点で測定すべき位置として表示制御部114に指定されている測定位置(「測定指示位置」と称すこともある)を示した測定位置ボックス400と、録音ボタン500と、操作をガイダンスするためのメッセージ文が示されるガイダンスボックス600と、端末装置100が受信中の生体音情報の波形を示す受信波形ボックス700と、録音された生体音情報の波形を示す録音波形ボックス800と、録音波形ボックス800に示されている生体音情報に対応する測定位置を示した録音済測定位置ボックス900とが示されている。
表示制御部114は、ガイダンス画面150の測定位置ボックス400において、現時点にて測定すべき測定位置である測定指示位置を示し、測定指示位置を操作者に伝えていることになる。なお、本実施形態においては、図6の(a)に示されるように、測定位置ボックス400には、測定指示位置の測定番号と、当該測定指示位置の名称を示す文言が示されることになる。また、最初に指示される測定指示位置の測定番号は1であるため、測定開始時は、図6の(a)に示されるように、測定位置ボックス400に「1」が示されている。
そして、操作者Uは、図6の(a)のガイダンス画面150のガイダンスボックス600に示されているガイダンス(文言)に従って測定を行う。つまり、操作者Uは、図6の(a)のガイダンス画面150が表示されている状態において、測定番号1の位置を聴診することになる。
操作者Uが聴診を開始すると、通信部101が聴診器30から生体音情報を受信する。通信部101が生体音情報を受信すると、表示制御部114は、図6の(b)に示されるように、受信波形ボックス700において受信中の生体音情報の波形を表示し、ガイダンスボックス600において録音ボタン500を押すことを指示するメッセージを表示する。
なお、通信部101が生体音情報を受信すると、異常判定部111が当該生体音信号に対して異常候補か否かの判定を行うことになるが、ここでは、異常判定部111が、受信中の生体音情報(測定番号1の測定位置の生体音情報)を正常(異常候補でない)と判定したものとする。
そして、操作者Uが録音ボタン500を押すと、記録処理部113が生体音情報の録音を行う。録音が行われると、表示制御部114は、図6の(c)に示すように、受信波形ボックス700の波形表示を終了させ、代わりに、録音された生体音情報の波形を録音波形ボックス800に表示させ、録音された生体音情報に対応する測定位置を録音済測定位置ボックス900に表示させる。
その後、操作者Uが測定番号1に対応する測定位置の聴診を終了すると、通信部101は測定番号1に対応する生体音信号の受信も終了することになる。
以上のようにして、測定番号1に対応する生体音信号の録音が終了し、測定番号1に対応する生体音信号の受信も終了すると、表示制御部114は、測定番号1の次に測定させるべき測定位置を測定指示位置として、測定指示位置の測定番号を測定位置ボックス400に表示する。
ここで、本実施形態では、ある測定位置(測定位置Aとする)に対する1回目の測定にて生体音信号が異常判定部111にて正常と判定されると、基本的には、測定位置Aの次に測定されるべき測定位置の測定番号は、測定位置Aの測定番号に1を加算した番号になる。
したがって、以上の説明では測定番号1の測定位置の生体音情報が異常判定部111に正常と判定されているため、測定番号1の測定位置の次に測定される測定位置の測定番号は2である。よって、測定番号1に対応する生体音信号の録音が終了すると、表示制御部114は、図6の(c)に示すように、測定番号2の測定位置を測定指示位置として測定位置ボックス400に表示する。これにより、操作者Uに対して、測定指示位置として測定番号2が指定されることになり、操作者Uは、測定番号2についても、測定番号1の時と同様の操作を繰り返す。
(異常候補と判定された場合について)
本実施形態では、ある測定位置の1回目の測定にて生体音信号が異常判定部111にて異常候補と判定されると、当該測定位置と、当該測定位置に対して左右対称の関係となる測定位置(以下では「対称位置」と称す)との各々について2回づつ測定が行われるように、表示制御部114が測定指示位置のガイダンスを行うようになっている。この理由を以下に説明する。
ある測定位置について医師が診断を行う場合、当該測定位置の生体音のみから診断を行うのではなく、対称位置の生体音との比較結果をも考慮して診断を行う事は既に述べた通りである。そして、医師は、ある測定位置から検出される生体音を聴いて異常の疑いがあると考えた場合、当該測定位置と対称位置との各々について、1回ずつの聴診で済ますのではなく、再聴診(再測定)を行い、診断の精度を高める傾向にある(つまり、当該測定位置と対称位置との各々について2回ずつ測定を行う)。これは、1回の聴診だけでは単なるノイズ等が原因で正常音から離れた音になっているような事もあり得る等からである。これに対し、本実施形態の聴診システム200においては、操作者Uが医師以外の者であってもよく、医師は録音データによって診断するような形態も想定されている。それゆえ、このような形態で聴診されたとしても、コンピュータによって異常候補と判定される生体音情報がある場合、当該生体音情報に対応する測定位置と、この測定位置の対称位置との各々について再測定を行って録音しておけば(2回ずつ聴診を行って録音しておけば)、後の医師の診断において精度を高めることができるのである。
つぎに、ある測定位置の1回目の測定において生体音信号が異常判定部111に異常候補と判定された場合の表示制御部114のガイダンス処理について説明する。
(偶数の測定番号の測定位置の生体音信号が異常候補の場合)
まず、測定番号が偶数の測定位置の1回目の測定にて得られた生体音情報が異常判定部111にて異常候補と判定された場合について説明する。
測定中(聴診中)の測定位置の測定番号が偶数の場合、測定中の測定位置の対称位置の測定番号は、測定中の測定位置の測定番号から1を引いた奇数番号である。それゆえ、測定番号が偶数の測定位置が測定中(聴診中)であり、且つ、当該測定位置に対する測定が1回目の場合、測定中の測定位置の対称位置の測定は終了していることになる。したがって、測定番号が偶数の測定位置の測定が終了すると、当該測定位置と当該測定位置の対称位置とについては、1回ずつ測定が終了していることになる。
そこで、測定番号が偶数の測定位置の1回目の測定にて生体音情報が異常判定部111に異常候補と判定された場合、表示制御部114は、当該測定位置の測定の終了後(つまり録音終了後)、当該測定位置と対称位置との各々について、1回ずつ再測定が行われるように、ガイダンスを行う。
つまり、表示制御部114は、ある偶数の測定番号(測定番号aとする)の測定位置の1回目の測定にて得られる生体音情報が異常候補である場合、この測定の終了後、測定番号aから1を引いた奇数の測定番号(測定番号bとする)の測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスし、測定番号bの測定位置について操作者Uに再測定を行わせる。すなわち、測定番号bの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号bの測定位置の再測定を操作者Uに行わせる(測定番号bの測定位置の生体音情報が録音される)。
その後、表示制御部114は、測定番号bの測定位置の再測定にて得られた生体音情報が異常候補と判定されたか否かに関係なく、測定番号aの測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号aの測定位置について操作者Uに再測定を行わせる。すなわち、測定番号aの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号aの測定位置の再測定を操作者Uに行わせる(測定番号aの測定位置の生体音情報が録音される)。
これにより、偶数の測定番号aの測定位置と、測定番号aから1を引いた奇数の測定番号bの測定位置(対称位置)とについて、2回ずつ測定がされたことになる。その後、表示制御部114は、測定番号aに1を加算した測定番号(測定番号cとする)の測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号cの測定位置について操作者Uに1回目の測定を行わせる。
つぎに、測定番号が偶数の測定位置の1回目の測定において生体音情報が異常判定部111に異常候補と判定された場合に表示されるガイダンス画面の例を図6および図7に基づいて説明する。
図6の(a)(b)(c)に示すように、測定番号1の測定位置において生体音情報が正常と判定されて且つ測定が終了し、図6の(c)に示すように、測定位置ボックス400に測定番号2が示され、測定番号2について測定指示のガイダンスが開始されたものとする。操作者Uは、このガイダンスに従い、測定番号2の測定位置に対して聴診を開始する。
操作者Uが聴診を開始すると、通信部101が測定番号2の生体音情報を受信する。ここで、異常判定部111が、測定番号2の測定位置の生体音情報を異常候補と判定したものとする。この場合、表示制御部114は、図6の(d)に示されるように、受信波形ボックス700において受信中の測定番号2の生体音情報の波形を表示し、ガイダンスボックス600において、異常音を検出した旨のメッセージと、録音ボタン500を押すことを指示するメッセージとを表示する。
そして、操作者Uが録音ボタン500を押すと、記録処理部113は受信中の生体音情報(つまり測定番号2の生体音情報)の録音を行う。録音が行われると、表示制御部114は、図6の(e)に示すように、受信波形ボックス700の波形表示を終了させ、直近に録音された測定番号2の生体音情報の波形を録音波形ボックス800に表示させ、録音された生体音情報に対応する測定位置を録音済測定位置ボックス900に表示させる。また、表示制御部114は、図6の(e)に示すように、測定番号2の測定位置の対称位置である測定番号1の測定位置を測定位置ボックス400に表示させ、且つ、測定番号1の再測定指示のメッセージをガイダンスボックス600に表示させることにより、測定番号1の測定位置の再測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。
そして、操作者Uは図6の(e)のガイダンス画面150に従って測定番号1の測定位置について再聴診を開始する。これにより、通信部101が測定番号1の測定位置の生体音情報を受信し、異常判定部111が当該生体音情報に対して異常候補か否かの判定を行う。そして、表示制御部114は、図6の(f)に示されるように、受信波形ボックス700に受信中の測定番号1の生体音情報の波形を表示しつつ、ガイダンスボックス600において録音ボタン500を押すことを指示するメッセージを表示する。
図6の(f)に示されているガイダンス画面150の録音ボタン500を操作者Uが押すと、記録処理部113は受信中の生体音情報(測定番号1の測定位置の生体音情報)の録音を行う。録音が行われると、表示制御部114は、図7の(a)に示すように、受信波形ボックス700の波形表示を終了させ、直近に録音された測定番号1の生体音情報の波形を録音波形ボックス800に表示させ、録音された生体音情報に対応する測定位置を録音済測定位置ボックス900に表示させる。
なお、ここで録音された測定番号1の生体音情報は再測定にて得られたものであるが、図5に示すテーブルには、測定番号1の1回目の測定が既に行われていることから測定番号1が既に記録されているため、再測定の測定番号1と重複する。そこで、本実施形態では、記録処理部113は、再測定については、測定番号に「−(2)」を付加した番号を図5のテーブルに記録するようになっている。したがって、図5に示すように、測定番号1の測定位置に関しては、1回目の測定にて得られた生体音情報には「1」が紐付けられ、再測定にて得られた生体音情報には「1−(2)」が紐付けられることになる。
また、以上のようにして測定番号1の測定位置の再測定(録音)が終了すると、表示制御部114は、図7の(a)に示すように、測定番号2の測定位置を測定位置ボックス400に表示させ、且つ、測定番号2の再測定指示のメッセージをガイダンスボックス600に表示させることにより、測定番号2の測定位置の再測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。そして、図7の(b)(c)に示されるように、測定番号2についても測定番号1の時と同様に録音ボタン500が押されることで録音が行われて再測定を終了する。
このようにして、偶数の測定番号2の1回目の測定時に生体音信号が異常候補と判定された場合、測定番号1の測定位置に対する再測定と測定番号2の測定位置に対する再測定とが行われ、その結果、測定番号1の測定位置と測定番号2の測定位置との各々について合計2回ずつ測定が行われることになる。
その後、図7の(c)に示されるように、表示制御部114は、測定番号3の測定位置を測定位置ボックス400に表示させることにより、測定番号3の測定位置の1回目の測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。そして、操作者Uが測定番号3の測定位置の聴診を開始すると、表示制御部114は、図7の(d)に示すように、測定番号3の測定位置から得られた生体音信号の波形を受信波形ボックス700に表示させ、録音ボタン500を押すことを指示するメッセージをガイダンスボックス600に表示させる。このようにして、測定番号3の測定位置についても、測定番号2までの測定位置と同様の測定が行われる。
(奇数の測定番号の測定位置の生体音信号が異常候補の場合)
つぎに、測定番号が奇数の測定位置の1回目の測定にて得られた生体音情報が異常判定部111にて異常候補と判定された場合について説明する。
測定中(聴診中)の測定位置の測定番号が奇数の場合、測定中の測定位置の対称位置の測定番号は、測定中の測定位置の測定番号から1を足した偶数番号である。それゆえ、測定番号が奇数の測定位置が測定中(聴診中)であり、且つ、当該測定位置に対する測定が1回目の場合、測定中の測定位置の対称位置の測定は終了していないことになる。したがって、測定番号が奇数の測定位置の1回目の測定が終了すると、当該測定位置については測定が1回終了しているが、当該測定位置の対称位置については、測定が行われていないことになる。
そこで、測定番号が奇数の測定位置の1回目の測定にて生体音情報が異常判定部111に異常候補と判定された場合、表示制御部114は、当該測定位置の測定の終了後(つまり録音終了後)、当該測定位置については再測定が行われ、対称位置については1回目の測定と再測定とが行われるように、ガイダンスを行う。
つまり、表示制御部114は、ある奇数の測定番号(測定番号eとする)の測定位置の1回目の測定にて得られる生体音情報が異常候補である場合、この測定の終了後、測定番号eに1を足した偶数の測定番号(測定番号fとする)の測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスし、測定番号fの測定位置について操作者Uに1回目の測定を行わせる。すなわち、測定番号fの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号fの測定位置の測定を操作者Uに行わせる(測定番号fの測定位置の生体音情報が録音される)。
その後、表示制御部114は、測定番号fの測定位置の測定にて得られた生体音情報が異常候補と判定されたか否かに関係なく、測定番号eの測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号eの測定位置について操作者Uに再測定を行わせる。すなわち、測定番号eの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号eの測定位置の再測定を操作者Uに行わせる(測定番号eの測定位置の生体音情報が録音される)。
さらに、その後、表示制御部114は、測定番号eの測定位置の再測定にて得られた生体音情報が異常候補と判定されたか否かに関係なく、測定番号fの測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号fの測定位置について操作者Uに再測定を行わせる。すなわち、測定番号fの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号fの測定位置の再測定を操作者Uに行わせる(測定番号fの測定位置の生体音情報が録音される)。
これにより、奇数の測定番号eの測定位置と、測定番号eに1を足した偶数の測定番号fの測定位置とについて、各々1回目の測定および再測定が行われたことになる(合計2回ずつ測定がされたことになる)。その後、表示制御部114は、測定番号fの再測定にて得られた生体音情報が異常候補と判定されたか否かに関係なく、測定番号fに1を加算した測定番号gの測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号gの測定位置について操作者Uに1回目の測定を行わせる。
(非類似判定部112に非類似と判定された場合について)
また、本実施形態では、異常判定部111が、ある測定位置の1回目の測定の生体音信号と、当該測定位置の対称位置の1回目の測定の生体音信号との両方を正常(異常候補ではない)と判定した場合、非類似判定部112は、当該測定位置の生体音信号と当該対称位置の生体音信号とが非類似か否かを判定するようになっている。そして、非類似判定部112が、当該測定位置の生体音信号と当該対称位置の生体音信号とを非類似と判定した場合、表示制御部114は、当該測定位置と当該対称位置との各々について1回ずつ再測定が行われるように(つまり合計2回づつ測定が行われるように)、ガイダンスを行う。
すなわち、ある奇数の測定番号(測定番号gとする)の測定位置の1回目の測定にて得られる生体音情報が異常判定部111に正常と判定され、測定番号gに1を足した偶数の測定番号(測定番号hとする)の測定位置の1回目の測定にて得られる生体音情報も異常判定部111に正常と判定され、測定番号gの測定位置の生体音情報と測定番号hの測定位置の生体音情報とが非類似判定部112に非類似であると判定されると、表示制御部114は、測定番号gの測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることにより、測定番号gの測定位置について操作者Uに再測定を行わせる。すなわち、測定番号gの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号gの測定位置の再測定を操作者Uに行わせる。その後、表示制御部114は、測定番号gの測定位置の再測定にて得られた生体音情報が異常候補と判定されたか否かに関係なく、測定番号hの測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号hの測定位置について操作者Uに再測定を行わせる。すなわち、測定番号hの測定位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させ、操作者Uに録音ボタン500を押すことを指示するガイダンスをガイダンスボックス600に表示させることで、測定番号hの測定位置の再測定を操作者Uに行わせる。
これにより、ある奇数の測定番号gの測定位置と、測定番号gに1を足した奇数の測定番号hの測定位置(測定番号gの対称位置)とについて、再測定が行われたことになる(合計2回ずつ測定がされたことになる)。
その後、表示制御部114は、測定番号hに1を加算した測定番号(測定番号iとする)の測定位置を測定指示位置として測定手順をガイダンスすることで、測定番号iの測定位置について操作者Uに1回目の測定を行わせる。
つぎに、測定番号3の生体音情報と測定番号4の生体音情報とが順に異常判定部111にて正常と判定され、且つ、測定番号3の生体音情報と測定番号4の生体音情報とが非類似判定部112にて非類似と判定される場合を想定し、この場合において、表示部104に表示されるガイダンス画面の例を図7および図8に基づいて説明する。
図6、図7の(a)(b)(c)を用いて既に説明したように測定番号1、2の測定を終えた後、表示制御部114は、図7の(c)に示すように、測定番号3の測定位置を測定位置ボックス400に表示させることにより、測定番号3の測定位置の1回目の測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。そして、操作者Uが測定番号3の測定位置の聴診を開始すると、表示制御部114は、図7の(d)に示すように、測定番号3の測定位置から得られた生体音信号の波形を受信波形ボックス700に表示させ、録音ボタン500を押すことを指示するメッセージをガイダンスボックス600に表示させる。なお、ここで、測定番号3の測定位置の生体音情報は、異常判定部111に正常(異常候補ではない)と判定されたものとする。
図7の(d)の状態にて操作者Uが録音ボタン500を押すと、記録処理部113は受信中の生体音情報(測定番号3の測定位置の生体音情報)の録音を行う。録音が行われると、表示制御部114は、図7の(e)に示すように、受信波形ボックス700の波形表示を終了させ、直近に録音された測定番号3の生体音情報の波形を録音波形ボックス800に表示させ、録音された生体音情報に対応する測定位置を録音済測定位置ボックス900に表示させる。
また、表示制御部114は、図7の(e)に示すように、測定番号3の測定位置の対称位置である測定番号4の測定位置を測定位置ボックス400に表示させ、且つ、測定番号4の測定指示のメッセージをガイダンスボックス600に表示させることにより、測定番号4の測定位置の測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。そして、操作者Uが測定番号3の時と同様に、測定番号4の測定位置の聴診を開始すると、表示制御部114は、図7の(f)に示すように、測定番号4の測定位置から得られた生体音信号の波形を受信波形ボックス700に表示させ、録音ボタン500を押すことを指示するメッセージをガイダンスボックス600に表示させる。なお、測定番号4の測定位置の生体音情報は、異常判定部111に正常(異常候補ではない)と判定されたものとする。
図7の(f)の状態にて操作者Uが録音ボタン500を押すと、記録処理部113は受信中の生体音情報(測定番号4の測定位置の生体音情報)の録音を行う。
ここで、本実施形態では、ある奇数の測定番号(測定番号jとする)の生体音情報と、当該奇数に1を足した偶数の測定番号(測定番号kとする)の生体音情報とが正常と判定された場合、測定番号kの生体音情報の録音後、非類似判定部112が、測定番号jの生体音情報と測定番号kの生体音情報とが非類似か否かを判定し、非類似であれば、表示制御部114が、測定番号jおよび測定番号kについての再測定を操作者Uにガイダンスするようになっている。
つまり、図7の(f)の状態にて操作者Uが録音ボタン500を押すと、測定番号4の測定位置の生体音情報の録音が行われ、さらに、非類似判定部112は、測定番号3の測定位置から取得されて録音されている生体音信号と、測定番号4の測定位置から取得されて録音されている生体音情報とを格納部103から読み出し、読み出した両生体音情報が非類似か否かを判定する。
ここで、非類似判定部112が、測定番号3の生体音信号と測定番号4の生体音信号とを非類似ではないと判定した場合(類似と判定した場合)、表示制御部114は、測定番号3および測定番号4についての再測定のガイダンスを行わず、測定番号4に1を足した測定番号5についての1回目の測定のガイダンスを行う。
これに対し、非類似判定部112が、測定番号3の生体音信号と測定番号4の生体音信号とを非類似であると判定した場合、表示制御部114は、測定番号3および測定番号4について順に再測定をガイダンスするようになっている。
したがって、図7の(f)の状態にて操作者Uが録音ボタン500を押して録音され、さらに、測定番号3の生体音信号と測定番号4の生体音信号とが非類似であると判定された場合、表示制御部114は、図8の(a)に示すように、測定番号3の測定位置を測定位置ボックス400に表示させ、且つ、測定番号3の再測定指示のメッセージをガイダンスボックス600に表示させることにより、測定番号3の測定位置の再測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。
そして、操作者Uは図8の(a)のガイダンス画面150に従って測定番号3の測定位置について再聴診を開始し、通信部101が測定番号3の測定位置の生体音情報を受信し、異常判定部111が当該生体音情報に対して異常候補か否かの判定を行う。表示制御部114は、図8の(b)に示されるように、録音波形ボックス800に直近に録音された測定番号4の生体音情報の波形を表示し、受信波形ボックス700に受信中の測定番号3の生体音情報の波形を表示しつつ、ガイダンスボックス600において録音ボタン500を押すことを指示するメッセージを表示する。
図8の(b)に示されているガイダンス画面150の録音ボタン500を操作者Uが押すと、記録処理部113は受信中の生体音情報(測定番号3の測定位置の生体音情報)の録音を行う。録音が行われると、表示制御部114は、図8の(c)に示すように、受信波形ボックス700の波形表示を終了させ、直近に録音された測定番号3の生体音情報の波形を録音波形ボックス800に表示させ、録音された生体音情報に対応する測定位置を録音済測定位置ボックス900に表示させる。
また、測定番号3の再測定にて得られた生体音情報に対する異常判定部111の判定結果に拘わらず、図8の(c)に示すように、表示制御部114は、測定番号4の測定位置を測定位置ボックス400に表示させ、且つ、測定番号4の再測定指示のメッセージをガイダンスボックス600に表示させることにより、測定番号4の測定位置の再測定を操作者Uに指示(ガイダンス)する。そして、図8の(d)(e)に示すように、測定番号4についても測定番号3の時と同様に録音ボタン500が押されることで録音が行われて再測定を終了する。
このようにして、ある測定位置の生体音信号と、当該測定位置の対称位置の生体音信号とが、正常であるが互いに非類似と判定された場合、当該測定位置および当該対称位置の各々に対して再測定が行われ、その結果、当該測定位置および当該対称位置について2回測定が行われることになる。
(聴診システム200における処理の流れ)
次に、聴診システム200における処理の流れの一例について図9を参照しつつ説明する。図9は聴診システム200における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
操作者Uが端末装置100に背部モードの実行指示を入力すると、制御部102は、n=1を設定し(S1)、測定番号nの測定位置を測定指示位置として設定し(S2)、測定指示位置をガイダンス画面150の測定位置ボックス400に表示させるようになっている。
そして、操作者Uがガイダンス画面150のガイダンスボックス600のガイダンスに従って測定番号nの測定位置に対する聴診(測定)を開始する(S3)。聴診が開始されると、制御部102は、聴診により得られた生体音情報が異常候補か否かを判定する(S4)。
S4において制御部102が生体音情報を異常候補であると判定した後の処理について以下説明する。
制御部102は、生体音情報が異常候補であると判定した場合(S4においてYES)、操作者Uがガイダンス画面150の録音ボタン500を押す事を契機として生体音情報を録音し、生体音情報の音データ識別子と測定番号と異常音情報とを測定テーブルに記録する(S5)。なお、S5においては、生体音情報が異常候補であるため、○(異常)の異常音情報が測定番号(測定位置情報)や音データ識別子等と対応付けて測定テーブルに記録されるようになっている(図5を参照)。
つぎに、制御部102は、測定番号nについてS3,S4,S5にて行われた処理が再測定に該当するか否かを判定する(S6)。再測定に該当する場合(S6においてYES)、制御部102は、処理をS16に移行させる。
これに対し、測定番号nについてS3,S4,S5にて行われた処理が再測定に該当しない場合(S6においてNO)、制御部102は、測定番号nの測定位置に対する対称位置の測定が済んでいるか否かを判定する(S7)。すなわち、nが偶数であれば対称位置の測定が済んでいることになり、nが奇数であれば対称位置の測定が済んでいないことになる。
測定番号nの測定位置に対する対称位置の測定が済んでいる場合(S7にてYES)、測定番号n−1の測定位置に対する再測定と、測定番号nの測定位置に対する再測定とが行われる(S8)。つまり、S8では、測定番号n−1(n引く1)の測定位置を測定指示位置としてS2、S3、S4、S5(またはS10)と同様の処理が行われ、その後に、測定番号nの測定位置を測定指示位置としてS2、S3、S4、S5(またはS10)と同様の処理が行われることになる。
また、S7において、測定番号nの測定位置に対する対称位置の測定が済んでいないと判定された場合(S7にてNO)、測定番号n+1の測定位置に対する測定(1回目の測定)と、測定番号nの測定位置に対する再測定とが行われる(S9)。つまり、S9では、測定番号n+1の測定位置を測定指示位置としてS2、S3、S4、S5(またはS10)と同様の処理が行われ、その後に、測定番号nの測定位置を測定指示位置としてS2、S3、S4、S5(またはS10)と同様の処理が行われることになる。
S8またはS9を終えると、制御部102は、処理をS16に移行して、次に測定すべき測定位置が残っているか否かを判定する。具体的には、図3に示すように測定位置は8つあるので、nが8になっていれば測定すべき測定位置が残っていないことになり、nが7以下であれば測定すべき測定位置が残っていることになる。
したがって、n=1の場合、制御部102は、次に測定すべき測定位置が残っていると判定することになり(S16にてYES)、nに1を加算して(S17)、S2以降の処理を繰り返すようになっている。そして、制御部102は、S2以降の処理を繰り返してn=8になった後でS16に移行した場合、次に測定すべき測定位置が残っていないと判定し(S16にてNO)、処理を終了するようになっている。
つぎに、S4において制御部102が生体音情報を異常候補でないと判定した後の処理について説明する。
制御部102は、生体音情報が異常候補ではないと判定した場合(S4においてNO)、つまり生体音情報が正常であると判定される場合、S5と同様、操作者Uがガイダンス画面150の録音ボタン500を押す事を契機として生体音情報を録音し、生体音情報の音データ識別子と測定番号と異常音情報とを測定テーブルに記録する(S10)。なお、S10においては、生体音情報が正常であるため、×(正常)の異常音情報が測定番号(位置情報)や音データ識別子等と対応付けて測定テーブルに記録される(図5を参照)。
S10の後、制御部102は、S6と同様、測定番号nについてS3,S4,S10にて行われた処理が再測定に該当するか否かを判定する(S11)。再測定に該当する場合(S11においてYES)、制御部102は、処理をS16に移行させる。
これに対し、測定番号nについてS3,S4,S10にて行われた処理が再測定に該当しない場合(S11においてNO)、制御部102は、nが偶数か否かを判定する(S12)。すなわち、制御部102は、S3,S4,S10にて行われた測定の測定番号nが偶数か否かを判定しているのである。
S12においてnが偶数でないと判定される場合(S12においてNO)、制御部102は、処理をS16に移行させる。
これに対し、S12においてnが偶数であると判定される場合(S12においてYES)、制御部102は、測定番号n−1の測定位置について再測定が行われているか否かを判定する(S13)。なお、図5のテーブルには、再測定が行われた測定番号には「−(2)」が付されていることから、制御部102は図5のテーブルを参照することで再測定が行われたか否かを判定できるようになっている。この点はS6やS11においても同様である。
S13において測定番号n−1の測定位置について再測定が行われていると判定される場合(S13にてYES)、制御部102は処理をS16に移行させる。
これに対し、S13において測定番号n−1の測定位置について再測定が行われていないと判定される場合(S13にてNO)、制御部102は、測定番号n−1の測定で得られた生体音情報と、測定番号nの測定で得られた生体音情報とが非類似か否かを判定する(S14)。
S14において測定番号n−1の測定で得られた生体音情報と測定番号nの測定で得られた生体音情報とが非類似ではないと判定された場合(S14にてNO)、制御部102は処理をS16に移行させる。
これに対し、S14において測定番号n−1の測定で得られた生体音情報と測定番号nの測定で得られた生体音情報とが非類似と判定された場合(S14にてYES)、測定番号n−1の測定位置に対する再測定と、測定番号nの測定位置に対する再測定とが行われる(S15)。つまり、S15では、測定番号n−1の測定位置を測定指示位置としてS2、S3、S4、S10(またはS5)と同様の処理が行われ、その後に、測定番号nの測定位置を測定指示位置としてS2、S3、S4、S10(またはS5)と同様の処理が行われることになる。
S15を終えると、制御部102は、処理をS16に移行して、次に測定すべき測定位置が残っているか否かを判定し、残っていなければ図9のフローを終了することになる。
以上示したフローチャートにおいて、例えばn=2(偶数)であり、測定番号2の測定位置の1回目の測定にて生体音情報が異常候補と判定された場合(S4にてYES)、S5にて測定番号2の測定位置の生体音情報が録音されることで測定番号2の測定位置の1回目の測定を終える。その後、S6にてNOが選択され、S7にてYESが選択され、S8において、測定番号1の測定位置の再測定と測定番号2の測定位置の再測定とが行われる。その後、S16を経由し、S17においてn=3となり、測定番号3に対する処理へ移行することになる。このようにして、測定番号2(偶数)の測定位置の1回目の測定にて生体音情報が異常候補と判定された場合、測定番号2の測定位置と、測定番号2の対象位置である測定番号1とについて、2回ずつ測定が行われる。
また、以上示したフローチャートにおいて、n=1(奇数)であり、測定番号1の測定位置の1回目の測定にて生体音情報が異常候補と判定された場合(S4にてYES)、S5にて測定番号1の測定位置の生体音情報が録音されることで測定番号1の測定位置の1回目の測定を終える。その後、S6にてNOが選択され、S7にてNOが選択され、S9において、測定番号2の測定位置の1回目の測定と測定番号1の測定位置の再測定とが行われる。その後、S16を経由して、S17においてn=2となる。さらにその後、S2、S3、S4、S5(またはS10)を経由することで測定番号2の測定位置の再測定が行われる。そして、S5(またはS10)の次にS6(S11)に移行し、S6(S11)においてYESが選択されてS16に移行する。S16へ移行した後は、S17においてn=3となり、測定番号3に対する処理へ移行することになる。このようにして、測定番号1(奇数)の測定位置の1回目の測定にて生体音情報が異常候補と判定された場合、測定番号1の測定位置と、測定番号1の対象位置である測定番号2とについて、2回ずつ測定が行われる。
また、以上示したフローチャートにおいて、測定番号1(n=1)の1回目の測定においてS4にて異常候補でないと判定され、測定番号2(n=2)の1回目の測定においてS4にて異常候補でないと判定された後の処理について説明する。測定番号2についてS4にて異常候補でないと判定されると、S10にて測定番号2の生体音情報が記録される。そして、n=2の1回目の測定であることから、S11にてNOが選択され、且つ、S12にてYESが選択されることになる。その後、S13ではNOが選択されることになる。これは、測定番号1の1回目の測定においてS4にて異常候補でないと判定されていることから、測定番号1について再測定が行われていないためである。S13でNOが選択された後、S14において、測定番号1の生体音情報と測定番号2(n=2)の生体音情報とが非類似であるか否か判定されることになる。
S14において、測定番号1の生体音情報と測定番号2(n=2)の生体音情報とが非類似でない(類似である)と判定されると(S14にてNO)、S16に移行し、その後、S17においてn=3となり、測定番号3に対する処理へ移行することになる。
これに対し、S14において、測定番号1の生体音情報と測定番号2(n=2)の生体音情報とが非類似と判定されると(S14にてYES)、S15において、測定番号1の測定位置の再測定と測定番号2の測定位置の再測定とが行われる。その後、S16を経由し、S17においてn=3となり、測定番号3に対する処理へ移行することになる。このようにして、測定番号1の生体音情報と、測定番号1と対の関係になる測定番号2の生体音情報とが非類似であると判定された場合、測定番号1および測定番号2の各々について、再測定が行われる結果、合計で2回ずつ測定が行われることになる。
以上示したように、本実施形態において、表示制御部(ガイダンス部)114は、聴診器30を用いる使用者に対して、現時点で聴診器30を当てるべき測定位置(測定指示位置)をガイダンスするガイダンス処理を実行し、記録処理部113は、表示制御部114にガイダンスされている測定位置を示す測定番号(位置情報)と、聴診器30から入力している生体音情報とを対応付けて格納部103に記録する処理である生体音測定処理を行うようになっている。そして、ある測定位置(第1の測定位置と称す)の位置情報に対応付けられて格納部103に記録される生体音情報(第1の生体音情報と称す)の波形と、第1の測定位置と左右対称の関係になる測定位置(第2の測定位置と称す)に対応付けられて格納部103に記録される生体音情報(第2の生体音情報と称す)の波形とが異常判定部111に正常と判定された場合、非類似判定部112は、第1の生体音情報と第2の生体音情報とが非類似であるか否かの非類似判定を行うようになっている。そして、表示制御部114は、前記非類似判定にて非類似と判定された場合、前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との各々について、前記生体音測定処理が再度行われるように(再測定がおこなわれるように)、前記ガイダンス処理を行うようになっている構成である。
この構成によれば、前記第1の測定位置の生体音情報と、前記第1の測定位置と対の関係にある前記第2の測定位置(第1の測定位置と左右対称の位置)の生体音情報とが非類似と判定された場合、第1の測定位置および第2の測定位置の各々について、少なくとも聴診2回分の生体音情報を再生可能になり、医師等の診断の精度を高めることができるという効果を有する。
また、本実施形態では、左右対称の関係となる両測定位置のうちの少なくとも一方の測定位置に対応する生体音情報が異常判定部111に異常候補と判定された場合、表示制御部は、そのような両測定位置の各々について、少なくとも生体音測定処理が2回ずつ行われるように前記ガイダンス処理を行うようになっている。これにより、前記生体音情報を再生して診断を行う医師は、異常の候補となる測定位置と、この測定位置に対して左右対称の測定位置との各々について少なくとも2回以上の聴診分の生体音情報を聴く機会を有することになる故、診断の精度を高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、左右対称の関係の両測定位置から得られた両生体音情報のうちの少なくとも一方が本来は異常であるが、前記両生体音情報のいずれもが異常判定部111に正常と誤って判定されるような場合、前記両生体音情報の一方と他方とが非類似判定部112に非類似と判定されることで、前記の両測定位置について前記生体音測定処理を再度行われることができ(再測定を実施でき)、前記の両測定位置について前記生体音測定処理が1回づつで終了されることを防止できる。
また、本実施形態では、記録処理部113は、単に生体音情報を格納部103に記録するだけではなく、測定位置を示す測定番号(位置情報)と、異常判定部111による判定結果である異常音情報(異常判定情報)と、前記生体音情報と、非類似判定部112による判定結果である非類似判定情報とを紐付けて記録する。それゆえ、格納部103に記録されている情報を用いて診断を行う利用者や医師に対して、測定番号と非類似判定情報と異常音情報との対応関係を示すことにより、要注意の測定位置を認識させることができるため、診断の精度を向上させることができるという効果を有する。
また、表示制御部114は、図5のガイダンス画面150において、全ての測定位置(指示中の測定位置,未指示の測定位置,指示済の測定位置)を測定番号として擬似人体像300上に表示している。ここで、表示制御部114は、異常候補と判定された生体音情報に対応する測定位置の測定番号の表示形態と、非類似と判定された生体音情報に対応する測定位置の測定番号の表示形態と、他の測定位置の測定番号の表示形態とを異ならせる形態であってもよい。また、この形態においては、異常候補と判定された測定位置(異常測定位置と称す)の対称位置の測定番号の表示形態を、前記他の測定位置の測定番号の表示形態と異ならせ、異常測定位置の測定番号の表示形態と同一にしてもよい。例えば、色を異ならせることで表示形態を異ならせてもよいし、点滅の有無によって表示形態を異ならせてもよい。これにより、操作者Uからすれば、聴診が行われる全測定位置のうち、異常の可能性のある測定位置を一目で把握できるという効果を奏する。
また、表示制御部114は、操作者Uからの指示に応じて、図5に示すテーブルを表示部104に表示させるようになっていてもよい。さらに、この場合、図5に示すテーブルのうち、異常音情報が○(異常候補)になっている欄の表示色と、非類似情報が○(非類似)になっている欄の表示色と、その他の欄の表示色とを異ならせてもよい。この場合、操作者Uからすれば、異常の可能性のある測定位置を一目で把握できるという効果を奏する。
[実施の形態2]
また、表示制御部114は、図10に示されるようなガイダンス画面550を表示部104に表示させるようになっていてもよい。図10のガイダンス画面550では、対の関係にある測定位置と対称位置との各々について、1回目の測定時の録音済の生体音情報の波形と、再測定時の録音済の生体音情報の波形とを同時に表示させることが可能になっている。つまり、同時に4つの波形を表示させることが可能である。
具体的には、対の関係にある測定位置と対称位置との組毎に、各組に固有のガイダンス画面550が表示されるようになっている。そして、一組の測定位置と対称位置とについて、録音操作がされる度に、録音された生体音情報の波形が順次表示されていくようになっている。すなわち、図10は、測定番号1および測定番号2の組に固有のガイダンス画面550である。そして、図10は、測定番号1の測定位置の1回目の測定と測定番号2の測定位置の1回目の測定とが終了した後のガイダンス画面550であり、測定番号1の測定位置について1回目の測定時の生体音情報の波形と、測定番号2の測定位置について1回目の測定時の生体音情報の波形とが表示されている。図11は、測定番号1の測定位置の再測定と測定番号2の測定位置の再測定とが終了した後のガイダンス画面550であり、測定番号1の測定位置について1回目の測定時の生体音情報の波形と再測定時の生体音情報の波形とが示され、測定番号2の測定位置について1回目の測定時の生体音情報の波形と再測定時の生体音情報の波形とが示されている。
以上のように、図10および図11のようなガイダンス画面550では、ある測定位置(第1測定位置)に対応する生体音情報の波形と、当該測定位置の対称位置(第2測定位置)に対応する生体音情報の波形とが同時に示されている。それゆえ、ある測定位置の生体音情報の波形と当該測定位置の対称位置の生体音情報の波形との比較作業が容易になるというメリットがある。
また、図10および図11のようなガイダンス画面550では、対の関係にある測定位置と対称位置とが2回ずつ測定された場合、これらの測定にて録音される4つの生体音情報の波形を同時表示させることができ、操作者Uは4つの波形を比較する作業をも容易に行えるようになっている。
また、図10および図11に示すガイダンス画面550によれば、左右対称の関係にある測定位置同士のうち、左側の測定位置の生体音情報の波形を左側に表示し、右側の測定位置の生体音情報の波形を右側に表示するようになっており、操作者Uは左右のいずれの測定位置の波形であるかを一目で把握できるというメリットがある。
[実施の形態3]
また、表示制御部114は、図12に示されるようなガイダンス画面650を表示部104に表示させるようになっていてもよい。図12のガイダンス画面650では、測定位置毎に、各測定位置の録音済の生体音情報の波形を表示させるボックスが示されており、各ボックスは、1回目の測定時の録音済の生体音情報の波形と、再測定時の録音済の生体音情報の波形とを示すものである。
すなわち、図12に示されるガイダンス画面650では、全ての測定位置についての生体音情報の波形を一括して確認できる。さらに、図12に示すガイダンス画面550においても、左右対称の関係にある測定位置同士のうち、左側の測定位置の生体音情報の波形を左側に表示し、右側の測定位置の生体音情報の波形を右側に表示するようになっており、操作者Uは左右のいずれの測定位置の波形であるかを一目で把握できるというメリットがある。
[ソフトウェアの実現例]
最後に、制御部102の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、制御部102は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御部102の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御部102に供給し、そのCPUやMPUが記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、制御部102を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。