JP6037902B2 - 時計部品組立体、ムーブメント及び時計 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載された時計ムーブメントにおける薄板部材の位置決め構造は、地板と日車押さえ板との間に日車を配設し、日車押さえ板の一方の位置決め孔に一方の位置決めピンを支持させ、他方の位置決め部の位置決め切欠きに他方の位置決めピンを設けた。そして、位置決め切欠に形成した他方の位置決めバネを弾性変形させて他方の位置決めピンを押圧して位置決めすることで、日車押さえ板は2つの位置決めピン間に圧力を加えて仮止めして、位置決めしている。
また、上述した他の従来例においても、手動組立方法では、ジャンパを弾性変形させて日星車の歯に係合させた状態で、手でジャンパを抑え込んで裏物押さえをねじ締めすることができるが、自動による機械組立方法では手で押さえることができず、外側からくさびを差し込んでジャンパを庇の下側に押し込んで日星車の歯に係合させ、その後に裏物押さえをねじ締めするため、ネジ締めまでの間にジャンパの圧力で裏物押さえが浮いてしまい組立困難になることがあった。
本発明によれば、ジャンパと歯車を係合させるに際し、第一係合部によって庇部と歯車との間からジャンパを挿入可能な位置に地板と保持部材とを係止させ、更に歯車にジャンパを係合させた状態で、第二係合部によってジャンパと歯車の係合が外れないように地板と保持部材とを係止させる。そのため、機械組立等によってもジャンパと歯車を容易に係止させて保持できる。
本発明によれば、フックと第一係合部が係止した状態で、庇部と歯車との間からジャンパを挿入可能なように地板と保持部材とを係止させ、フックと第二係合部が係合した状態で、ジャンパと歯車を係合させて両者の係合が外れないように地板と保持部材を係止させることができる。
本発明によれば、第一フックと係合部が係止した状態で、庇部と歯車との間からジャンパを挿入可能なように地板と保持部材とを係止させ、更に第二フックと係合部が係合した状態で、ジャンパと歯車を係合させて両者の係合が外れないように地板と保持部材を係止させることができる。
本発明によれば、第一フックと第一係合部が係止した状態で、庇部と歯車との間からジャンパを挿入可能なように地板と保持部材とを係止させ、第二フックと第二係合部が係合した状態で、ジャンパと歯車を係合させて両者の係合が外れないように地板と保持部材を係止させることができる。
保持部材または地板の押圧によって、フックを設けたアームをガイド溝に沿って相対移動させて、フックを第一係合部に係止させ、更にフックを第二係合部に係合させることができる。
第一アームに設けた第一フックを係合部に係止させた状態で、庇部と歯車との間からジャンパを挿入可能なように地板と保持部材とを係合させ、更に第二アームに設けた第二フックを係合部に係止させた状態で、ジャンパと歯車を係合させて両者の係合が外れないように地板と保持部材を係止させることができる。
図1から図11には、本発明の第一実施形態によるムーブメント1の要部が開示されている。図1及び図2に示すムーブメント1において、各構成部品が組み付けられる地板2はムーブメント1を構成する輪列等を組み込むベース部材である。この地板2と文字盤の裏側に位置する裏物押さえ3(本発明の保持部材の一例)との間には、1日所定角度回転して日を表示する日星車4(本発明の歯車の一例)が配設されている。
また、ジャンパ部6には日星車4の歯4aの方向に傾斜するように初期撓みを持たせており、常態においてジャンパ部6は日星車4の歯4aに一部載置された位置に設けられている(図8参照)。更にジャンパ部6の近傍にはジャンパ部6を押さえつけるための庇部7が孔部3a内に突出して一体形成されている。
一方、地板2には、図3に示すように、日星車4に当接する位置にジャンパ部6を支持するための受けプレート14が形成され、更に裏物押さえ3に当接して変位を規制する当接ピン15が設けられている。地板2において当接ピン15と反対側の面には電池13が収納されている。
また、ガイド溝18の両側に位置する第一係合部16、16は裏物押さえ3側にテーパ面16a,16aが形成される。テーパ面16a,16aは、地板2の径方向外側へ突出する方向に、徐々に拡径するように形成された斜面である。
そして、裏物押さえ3を押圧してアーム9がガイド溝18に沿って第一係合部16方向に相対移動する際、各フック部11,12がテーパ面16a,16aに沿って、地板2の径方向外側へ、弾性変形しながら摺動することになる。図3に示すように、第一係合部16は第二係合部17よりも外側に突出する位置に形成されている。
また、第二係合部17は、第一係合部16よりも、地板2の径方向を基準に、地板2の中心方向に近接した位置に形成される。換言すれば、第二係合部17は、地板2の径方向を基準に、縮径する方向に形成されている。
この様に形成されることにより、第一係合部16と第二係合部17によって、段差が形成されるようになっている。換言すれば、第一係合部16と第二係合部17は、裏物押さえ3側を向いた断面略矢印状に形成されている。
なお、アーム9のフック部11,12と第一係合部16、16は本発明の第一係止手段を、アーム9のフック部11,12と第二係合部17、17は第二係止手段の一例をそれぞれ示している。また、フック部11,12は、本発明の第一係合部及び第二係合部の一例でもある。
まず、裏物押さえ3は日星車4を挟んで地板2に被せており、初期段階でジャンパ部6は上述したように全体が地板2の方向へ曲げられて形成されているため、裏物押さえ3の庇部7より下側に保持されている。この段階でアーム9は図4,5に示すようにフック部11,12が地板2の第一係合部16より裏物押さえ3側に位置している。
そして、図6及び図7において、裏物押さえ3を地板2側に押し込んで、アーム9のガイド部10を地板2のガイド溝18に沿って相対下降させ、図8及び図9に示すように、フック部11,12をテーパ面16aに沿って弾性変形させながら摺動させて乗り越えさせ、第一係合部16、16に係止させる。
この場合、弾性変形された各フック部11,12は、弾性変形の反作用として、地板2の径方向内側へ戻される力が働く。従って、各フック部11,12は、第一係合部16、16に係止されるのである。以下、各フック部11,12が第一係合部16、16に係止された状態を、仮固定と称する。
なお、ジャンパ部6の先端角部6aは、地板2に近接する方向に屈曲されているため、地板2の厚さ方向において、先端角部6aと歯4aは、相互に嵌合しやすい高さに設定されることとなる。従って、この場合には、先端角部6aが歯4aをスリップすることなく、嵌合させることができる。
第二係合部17は、地板2の径方向外側へ突出する方向に形成されている。従って、フック部11,12が第二係合部17,17に係止した状態では、第二係合部17,17によって、フック部11,12には、地板2の厚み方向へ引っ張られる方向へ力が働き、アーム9は、地板2の厚み方向へ弾性変形することとなる。
すると、各フック部11,12は、上述した引っ張られる力の反作用として、地板2の厚み方向へ戻される力が働く。従って、各フック部11,12は、第二係合部17,17に係止されるのである。
この状態で、裏物押さえ3はアーム9のフック部11,12が地板2の第二係合部17に係合状態に保持されるため、庇部7にジャンパ部6の弾性が付与されていても弾性変形しない。その後、裏物押さえ3をねじ締め固定することができる。
そのため、ジャンパ部6を日星車4の歯4aに係合させた状態で裏物押さえ3をねじ締めするまでに裏物押さえ3が弾性で浮くことを防止できる。
本第二実施形態によるムーブメント1Aは、図12に示すように、地板2に設けた係合部21はガイド溝18の両側に同一高さ(地板2の径方向を基準に、地板2の厚み方向に対して、同一の高さ)に形成されている。これに対し、アーム22は、第一アーム23と第二アーム24とに二分割して形成され、第一アーム23には先端のガイド部23aと第一フック部25(本発明の第一係止手段の一例)が形成され、第二アーム24には先端のガイド部24aと第二フック部26(本発明の第二係止手段の一例)が形成されている。
第一フック部25と第二フック部26はその長手方向に位置がずれており、第一フック部25は裏物押さえ3からの距離が比較的長い第一段目とされ、第二フック部26は裏物押さえ23からの距離が比較的短い第二段目とされている。
この段階で、第一実施形態と同様に、裏物押さえ3におけるジャンパ部6は日星車4の歯4aの上に当接させられており、次に、ジャンパ部6を裏物押さえ3の径方向外側へ撓ませて日星車4の歯4aの上から外し、ジャンパ部6の先端角部6aを日星車4の歯4aに係合させる。
この段階で、第一実施形態と同様に、裏物押さえ3は地板2の当接ピン15に当接して位置決めされ、庇部7はジャンパ部6に当接して弾性変形したジャンパ部6を日星車4の歯4aに係止した状態に固定保持する。その後、裏物押さえ3をねじ締め固定することができる。
本第三実施形態によるムーブメント1Bは、図17に示すように、地板2に設けた第一係合部28はガイド溝18内に設けられており、ガイド溝18の両側に第二係合部29がそれぞれ形成されている。第一係合部28は第二係合部29よりわずかに裏物押さえ3からの距離が大きく設定されている。
これに対し、アーム30は、二つの分割された脚部30a,30aの先端部(図17において下端部)が連結されて第一フック部31を形成し、脚部30a,30aには裏物押さえ3からの距離が第一フック部31よりも短い第二フック部32がそれぞれ形成されている。なお、第一係合部28と第二係合部29の距離の差は、第一フック部31と第二フック部32の距離の差より小さく設定されている。
この第一段階で、第一実施形態と同様にジャンパ部6は日星車4の歯4aの上に当接させられており、次にジャンパ部6を裏物押さえ3の径方向外側へ撓ませ弾性変形させて日星車4の歯4aの上から外し、ジャンパ部6の先端角部6aを日星車4の歯4aに係合させる。
この段階で、第一実施形態と同様に、裏物押さえ3の庇部7はジャンパ部6に当接して弾性変形したジャンパ部6を日星車4の歯4aに係止した状態に固定保持する。その後、裏物押さえ3をねじ締め固定することができる。
本第三実施形態においても、第一及び第二係合部28,29がガイド溝18とその両側にそれぞれ別個に設けられているため小さく且つ薄く形成できることになり、小型化できる。
本第四実施形態によるムーブメント1Cは、図22〜図24に示すように、地板2の端部に例えば略円柱状の係合部材34が裏物押さえ3の径方向外側に突出して形成されており、係合部材34には第一係合部35と第二係合部36が例えば階段状に形成されている。
また、地板2には、アーム40の進退をガイドするガイド溝41が形成されている。
そして、バネ部39を弾性変形させることでその中央のアーム40を上下方向に変位させることができ、裏物押さえ3の押圧位置に応じてアーム40の上端のフック部42を係合部材34の第一係合部35と第二係合部36のいずれかに選択的に係止できるようになっている。
この段階で、第一実施形態と同様にジャンパ部6は日星車4の歯4aの上に当接させられており、更にジャンパ部6を押動して弾性変形させて日星車4の歯4aの上から外し、庇部7との隙間からジャンパ部6を移動させて先端角部6aを日星車4の歯4a間に係止させる。
この段階で、第一実施形態と同様に、裏物押さえ3の庇部7はジャンパ部6に当接して弾性変形したジャンパ部6を日星車4の歯4a間に係合した状態に固定保持する。その後、裏物押さえ3をねじ締め固定することができる。
また、上述した各実施形態では裏物押さえ3にアーム9,30,40等を取り付け、地板2に係合部材34、または第一及び第二係合部16、28、35、17、29、36等を設けたが、これとは逆に、地板2にアーム9,30,40等を設け、裏物押さえ3に係合部材34、または第一及び第二係合部16、28、35、17、29、36等を設けてもよい。
なお、本発明において、裏物押さえ3は保持部材に含まれ、日星車4は歯車に含まれる。
2 地板
3 裏物押さえ
4 日星車
6 ジャンパ部
7 庇部
9、30、40 アーム
10、23a、24a ガイド部
11、12、42 フック部
16、28、35 第一係合部
17、29、36 第二係合部
18、41 ガイド溝
23 第一アーム
24 第二アーム
25、31 第一フック部
26、32 第二フック部
34 係合部材
37 孔部
39 バネ部
Claims (8)
- 地板と、
間欠的に回転する歯車と、
前記地板との間に前記歯車を保持する保持部材と、
該保持部材に設けられていて前記歯車に係合可能なジャンパと、
前記保持部材に設けられていて前記ジャンパの少なくとも一部を覆う庇部と、
前記地板と保持部材とを係止させる係止手段とを備え、
前記係止手段は、前記庇部と歯車との間から前記ジャンパを挿入可能なように前記地板と保持部材とを係止させる第一係止手段と、
前記歯車にジャンパを係合させた状態で前記地板と保持部材とを係止させる第二係止手段とを備えたことを特徴とする時計部品組立体。 - 前記係止手段は、前記地板と保持部材の一方に設けられたフックと他方に設けられていて前記保持部材からの距離が異なる第一係合部及び第二係合部とを備え、
前記第一係止手段は前記フックと第一係合部が係止した構成であり、前記第二係止手段は前記フックと第二係合部が係止した構成である請求項1に記載された時計部品組立体。 - 前記係止手段は、前記地板と保持部材の一方に設けられていて前記保持部材からの距離が異なる第一フック及び第二フックと他方に設けられた係合部とを備え、
前記第一係止手段は前記第一フックと係合部が係止した構成であり、前記第二係止手段は前記第二フックと係合部が係止した構成である請求項1に記載された時計部品組立体。 - 前記係合部は、地板と保持部材の一方に設けられていて前記保持部材からの距離が異なる第一フック及び第二フックと他方に設けられていて前記保持部材からの距離が異なる第一係合部及び第二係合部とを備え、
前記第一係止手段は前記第一フックと第一係合部が係止した構成であり、前記第二係止手段は前記第二フックと第二係合部が係止した構成である請求項1に記載された時計部品組立体。 - 前記フックは前記保持部材に形成されたアームに設けられ、該アームには前記地板に設けられた第一係合部と第二係合部の間に形成されたガイド溝を相対移動可能なガイド部が設けられている請求項2に記載された時計部品組立体。
- 前記保持部材には第一アームと第二アームに分割されたアームが設けられ、前記第一アームには前記第一フックが設けられ、前記第二アームには前記第二フックが設けられた請求項3に記載された時計部品組立体。
- 請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の時計部品組立体を有するムーブメント。
- 請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の時計部品組立体を有する時計。
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