JP6037746B2 - 内燃機関の燃焼状態判定装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の気筒におけるノッキングの有無を判定する燃焼状態判定装置に関する。
内燃機関の気筒での燃料の燃焼状態を推測する手法の一として、燃焼の際に点火プラグの電極を流れるイオン電流を参照することが知られている。イオン電流を基に気筒におけるノッキングを感知するためには、イオン電流検出用の回路を介して計測されるイオン電流信号を、ノッキングに起因して生じる信号の周波数成分のみを通過させるバンドバスフィルタに入力し、当該フィルタから出力される信号を判断材料とする(例えば、下記特許文献を参照)。
特開平09−228941号公報
一般に、自動車等では、内燃機関が出力する駆動力の一部を利用してオルタネータを回転させ、発電した電力をバッテリに充電するとともに、運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)や車体に実装されている照明灯、各種のモータ、オーディオ機器、カーナビゲーションシステム等といった種々の電気負荷(電装系)に供給している。
オルタネータが発電を行っている間は、イオン電流検出用の回路に周期信号が誘導され、これがノイズとしてイオン電流信号に混入する。このノイズは、ノッキングに起因して発生する信号と同じ周波数帯に成分を持つため、イオン電流信号検出用の回路を介して計測される電流信号にバンドパスフィルタ処理を施しても、十分に除去することはできない。信号にノイズが多く残存していると、気筒においてノッキングが起こっていないにもかかわらず、ノッキングがあったものと誤判定するおそれがある。
本発明は、上述の問題に初めて着目してなされたものであって、イオン電流信号を参照したノック判定の精度の一層の向上を図ることを所期の目的としている。
本発明では、燃焼の際に点火プラグの電極を流れるイオン電流を検出する回路を利用して電流信号をサンプリングし、そのサンプリング値の時系列に重畳する所定周波数成分を抽出し、その周波数成分を基にノッキングの有無を判定するものであって、対象の気筒の点火プラグの電極を流れるイオン電流におけるノッキングに起因して発生する信号が含まれる区間の周波数成分から、同一の気筒の点火プラグの電極を流れるイオン電流におけるノッキングに起因して発生する信号を含まない区間の周波数成分であってオルタネータ(オルタネータの機能とスタータ(セルモータ)の機能とを兼ねたモータジェネレータを含む)の作動に起因したノイズを含んだ成分を減算したものをノック判定値と比較して、当該気筒でのノッキングの有無を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置を構成した。これにより、オルタネータの作動に起因してイオン電流信号に混入する周期的なノイズを除去できる。
本発明によれば、イオン電流信号を参照したノック判定の精度がより一層向上する。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 内燃機関の火花点火装置の回路図。 内燃機関の気筒におけるイオン電流及び燃焼圧のそれぞれの推移を示す図。 内燃機関の気筒においてノッキングを引き起こしたときのイオン電流の推移を示す図。 本実施形態の燃焼状態判定装置の機能ブロック図。 イオン電流信号をフィルタ処理して得られる信号を例示する図。 イオン電流信号をフィルタ処理して得られる信号を例示する図。 本発明の変形例における、ノッキングに起因して発生する信号を含まない区間の周波数成分を示すマップデータの図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
燃焼状態判定装置たるECU0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の点火のタイミングでイグナイタ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
ECU0は、燃料の爆発燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、これを参照して燃焼状態の判定を行う。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図3に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
周知の通り、自動車では、内燃機関が出力する駆動力の一部を利用してオルタネータ(図示せず)を回転させ、発電した電力を車載のバッテリに充電するとともに、各種の電気負荷に供給している。
オルタネータが発電し出力する電圧の大きさは、レギュレータ(図示せず)を介して制御される。レギュレータは、オルタネータに付帯するIC式の既知のものである。オルタネータの発電電圧、即ちステータコイルに誘起される電圧は、フィールドコイルを流れるフィールド電流のDUTY比、即ちfDUTYに比例して大きくなる。レギュレータは、ECU0からオルタネータの発電電圧を指令する信号lを受け付け、その指令された発電電圧を実現するようにfDUTYを調節するPWM制御を行う。
広汎に普及している車両用オルタネータのレギュレータでは、オルタネータの発電電圧を二段階、例えばHI電位=約14.5VまたはLO電位=約12.8Vに切り替えることができる。この場合のECU0は、レギュレータに対し、オルタネータの発電電圧をHI電位とするか、LO電位とするかを指令する信号lを入力する。
なお、レギュレータとして、オルタネータの発電電圧を所定範囲、例えば12Vないし15.5Vの間で連続的に変えることのできるリニアレギュレータを採用することもある。この場合のECU0は、レギュレータに対し、オルタネータの発電電圧を上記範囲内の何れの値にするかを指令する信号lを入力する。
内燃機関を制御するECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、車載バッテリの充電状態を示すバッテリ電圧、バッテリ電流及びバッテリ温度を検出するセンサから出力されるバッテリ信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力される電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、レギュレータに対して発電電圧指令信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射時期(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火時期といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
以降、イオン電流信号hを参照したノック判定に関して詳述する。
図4に、気筒1での燃料の燃焼中にノッキングが起こった場合の、イオン電流の推移を例示する。ノッキングが引き起こされるとき、気筒1の燃焼室内では燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている。それ故、図3に示した正常燃焼の場合と比較して、イオン電流が早期にピークを迎える。さらに、イオン電流信号hの波形に、ノッキングに起因して発生する振動Sが重畳される。
因みに、図4に示しているイオン電流信号hの例では、ノッキングに起因した信号Sに加えて、スパイク状のノイズNが重畳されている。後述するオルタネータの作動に起因したノイズPとは異なり、このスパイクノイズNは瞬間的なものである。スパイクノイズNの発生期間は、ノッキングによる振動Sの発生期間と比較しても短い。スパイクノイズNの原因は、電子スロットルバルブ32等を駆動するモータの作動、半導体スイッチ素子のスイッチング動作、リレースイッチのON/OFF切換等、様々である。
図5は、ノック判定を行うECU0の機能ブロック図である。本実施形態では、各部51、52、53、54、55、56、57の機能を、ECU0が解釈し実行するプログラム、つまりはソフトウェアとして実装している。尤も、各部51、52、53、54、55、56、57の機能の一部または全部を、アナログ回路や論理回路等のハードウェアとして実装することも可能である。
気筒1におけるノッキングの有無を判定するにあたり、ECU0は、気筒1の点火プラグ12の電極を流れる電流信号hを、イオン電流検出用の回路を介してサンプリング51する。サンプリングレートは、例えば50kHzとする。量子化ビット数(電圧分解能)は、例えば12ビットとする。即ち、増幅部16にて増幅された検出電圧(最大振幅5V)を、212段階で数値化する。
ECU0は、サンプリング51した電流信号hを、ノッキングに起因して発生する信号Sが持つ周波数成分を通過させるバンドパスフィルタ52に入力する。バンドパスフィルタ52は、ノッキングに起因した信号S以外の成分を低減させるためのフィルタであって、例えば7kHzないし11.5kHzの周波数成分を通過させる。なお、バンドパスフィルタ52に入力してフィルタ処理した信号に、なまし処理(移動平均をとる、一次のローパスフィルタに入力する、等)を加えてもよいが、必須ではない。
図6及び図7はそれぞれ、イオン電流検出用の回路を介して取得51した電流信号hをバンドパスフィルタ52に入力して処理した結果得られる信号の例を示している。図6は、オルタネータの作動に起因したノイズPが混入した電流信号hをフィルタ52処理したものである。この信号には、ノッキングに起因して発生する信号Sの成分の他に、周期信号の如きノイズPが重畳されている。翻って、図7は、オルタネータの作動に起因したノイズPが混入していない電流信号hをフィルタ52処理したものである。
オルタネータが発電する交流の電流を直流に変換してバッテリ及び電気負荷に供給する都合上、その直流電流にはリップルが含まれている。このリップルは、イオン電流検出用の回路が接続している点火コイル14の周辺の磁界を変動させ、点火コイル14に周期的なノイズPを誘導する。
オルタネータの作動に起因したノイズPの波形、振幅及び周波数は、エンジン回転数(即ち、オルタネータの回転数)及びfDUTY(即ち、オルタネータの発電電圧)に応じて変化する。このノイズPは、ノッキングに起因して発生する信号Sと同じ周波数帯に成分を持つこととなるから、電流信号hをバンドパスフィルタ52処理しても十分には除去できない。ノイズPの強度は、エンジン回転数が高いほど大きくなり、またfDUTYが高いほど大きくなる。特に、fDUTYが50%を超えると、オルタネータから電装系の回路に流れる電流が巨大となり、ノイズPも甚大となる。
他方、ノイズPは、エンジン回転数及びfDUTYが変化しない限りは、波形、振幅及び周波数が一定の周期信号として、膨張行程以外の行程中を含め恒常的に発生し続ける。そこで、本実施形態では、ノッキングに起因して発生する信号Sが含まれる区間T1の周波数成分から、ノッキングに起因して発生する信号Sを含まない区間T2の周波数成分を減算することにより、このノイズPを除去するようにしている。
ECU0は、バンドパスフィルタ52で処理した後の信号から、ノッキングに起因して発生する信号Sを含むことが予想される区間T1の信号を切り出し、当該区間T1についてこの信号を時間積分53する。換言すれば、区間T1について、サンプリング値の時系列を積算する。時間積分53によって得た積算値は、電流信号hの区間T1に重畳する所定周波数成分の量を示す値となる。所定周波数成分とは、ノッキングに起因して発生する振動Sが属する周波数帯の成分のことである。
並びに、ECU0は、バンドパスフィルタ52で処理した後の信号から、ノッキングに起因して発生する信号Sを含まない区間T2の信号を切り出し、当該区間T2についてこの信号を時間積分54する。換言すれば、区間T2について、サンプリング値の時系列を積算する。時間積分54によって得た積算値は、電流信号hの区間T2に重畳する所定周波数成分の量を示す値となる。
区間T2の長さ(クランク角度(CA)または時間)は、区間T1の長さに等しくする。区間T2は、気筒1においてノッキングが発生する可能性のある時期の直前または直後の時期に設定することが望ましいが、気筒1の膨張行程以外の時期、例えば圧縮行程の前半等に設定しても構わない。但し、区間T1と区間T2とは、できるだけ近づけておく。区間T1と区間T2とが時間的に離れていると、途中でエンジン回転数またはfDUTYが変化し、区間T1におけるノイズPと区間T2におけるノイズPとが合致しなくなるおそれがある。
しかして、ECU0は、区間T1についての積算値から区間T2についての積算値を減算55し、以てノイズPの成分を除去する。ここで、両積算値は、同一の気筒1で計測された電流信号hに由来するものである必要がある。各気筒1とオルタネータとの距離は気筒1毎に異なり、電流信号hに混入するノイズPの強度も気筒1毎に異なるからである。
最後に、ECU0は、ノイズPを除去した積算値を、ノック判定値と比較56する。前者が後者を下回ったならば、当該気筒1にてノッキングは起こらなかったものと判定する。逆に、積算値がノック判定値以上であるならば、当該気筒1にてノッキングが起こったものと判定する。
なお、電流信号hをフィルタ処理52して得られる信号には、オルタネータの作動に起因するノイズP以外にも、ファンを回転させるモータを発生源とするノイズやその他の要因によるホワイトノイズ等が、バックグラウンドノイズとして含まれている。区間T1についての積算値から区間T2についての積算値を減算55すると、このバックグラウンドノイズも減算されることになる。
だが、比較判定56において用いられるノック判定値は、そのようなバックグラウンドノイズの存在を考慮に入れて設定されている。故に、ノック判定値と比較される積算値からバックグラウンドノイズ分までが減算55されてしまうと、誤判定を招きかねない。そこで、区間T1についての積算値から区間T2についての積算値を減算55する前に、区間T2についての積算値からバックグランドノイズの積算値に相当する値を予め減算57しておくことが好ましい。但し、ノック判定値からバックグラウンドノイズ分が既に除かれている場合には、上記の減算57は不要である。
ECU0は、内燃機関の気筒1においてノッキングが起こらなくなるまで点火時期を遅角させる一方、ノッキングが起こらない限りは点火時期を進角させて出力及び燃費の向上を図る。このノック判定及び点火時期の遅角/進角補正は、各気筒1毎に個別に行うことができる。
本実施形態では、燃焼の際に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流を検出する回路を利用して電流信号hをサンプリングし、そのサンプリング値の時系列に重畳する所定周波数成分を抽出し、その周波数成分を基にノッキングの有無を判定するものであって、ノッキングに起因して発生する信号Sが含まれる区間T1の周波数成分から、ノッキングに起因して発生する信号Sを含まない区間T2の周波数成分を減算したものをノック判定値と比較してノッキングの有無を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置0を構成した。
本実施形態によれば、オルタネータの作動に起因してイオン電流信号hに混入する周期的なノイズPを除去でき、気筒1においてノッキングが起こっていないにもかかわらずノッキングが起こったと誤判定するおそれが低下する。混合気への点火時期を不必要に遅角化せずに済むことから、機関の出力の上昇及び燃費の向上に資する。
また、本実施形態のノック判定の手法は、小さな容積のエンジンルームを持つスモールカーに好適であると言える。内燃機関の気筒1(及び、イオン電流検出用の回路)からオルタネータを遠く引き離せば、電流信号hに混入するノイズPも弱まるが、気筒1とオルタネータとの距離を大きくとればこれらが占有するスペースが巨大となる。本実施形態によれば、気筒1からオルタネータを遠く引き離すことなく、ノック判定の精度、信頼性を向上させることが可能である。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、電流信号hをフィルタ52で処理して得られる信号の区間T1における時間積分値を、同信号の区間T2における時間積分値から減算することで、ノイズPを除去していた。
だが、既に述べたように、ノイズPの強度は、エンジン回転数(オルタネータの回転数)及びfDUTY(オルタネータの発電電圧)に依存する。エンジン回転数及びfDUTYから、区間T2におけるノイズPの時間積分値を推測することは可能である。よって、実際に区間T2について信号を時間積分54する演算処理は必須ではない。
例えば、予めECU0のメモリに、図8に示すような、エンジン回転数及びfDUTYと区間T2におけるノイズPの時間積分値との関係を規定するマップデータを格納しておく。そして、ノック判定を行う際に、そのときのエンジン回転数及びfDUTYの値とキーとして当該マップを検索し、区間T2におけるノイズPの時間積分値を読み出して、これを区間T1における信号の時間積分値から減算55するようにしてもよい。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…燃焼状態判定装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
h…電流信号
S…ノッキングに起因して発生する信号
T1…ノッキングに起因して発生する信号を含む区間
T2…ノッキングに起因して発生する信号を含まない区間

Claims (1)

  1. 燃焼の際に点火プラグの電極を流れるイオン電流を検出する回路を利用して電流信号をサンプリングし、そのサンプリング値の時系列に重畳する所定周波数成分を抽出し、その周波数成分を基にノッキングの有無を判定するものであって、
    対象の気筒の点火プラグの電極を流れるイオン電流におけるノッキングに起因して発生する信号が含まれる区間の周波数成分から、同一の気筒の点火プラグの電極を流れるイオン電流におけるノッキングに起因して発生する信号を含まない区間の周波数成分であってオルタネータの作動に起因したノイズを含んだ成分を減算したものをノック判定値と比較して、当該気筒でのノッキングの有無を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置。
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