JP6037262B2 - ストロボ光量調整用カメラアダプタ - Google Patents
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Description
ただし、上述のとおり従来は、カメラ本体と、減光板等あるいは減光板を供えるアダプタとは、1対1の関係にあるものが主流であり、またそれゆえ、ストロボ照射窓からの位置が固定されている減光板などが提案されているに過ぎなかった。即ち、従来技術は特定のカメラにおける特定の光量のストロボに対して減光させることを目的としており、多種のカメラに一つのアダプタを汎用させようとする課題を有しておらず、それぞれのカメラにおけるストロボ光量の相違を勘案した減光を可能とする点について未だ未検討であった。
(1)カメラ本体に取り付けた際に、該カメラ本体に備わるストロボ照射窓前面に位置せしめ、該ストロボ照射窓から照射されたストロボ光の少なくとも一部を減光することが可能な減光板と、上記減光板の板面と重ねて重複領域を形成し該重複領域の少なくとも一部においてストロボ照射窓から照射されるストロボ光の照射を受けることが可能な減光補助板と、マクロレンズと、上記マクロレンズを支持し、カメラ本体に取り付けた際に該カメラ正面視上、該カメラ本体に備わるレンズ前面に該マクロレンズを位置せしめることを調整可能とするフレキシブルアームと、上記フレキシブルアームが直接または間接に連続する、カメラ本体への着脱可能な取り付け部と、を有し、上記減光板および上記減光補助板それぞれには、上記マクロレンズの外径と略同等の形状の穴部が設けられており、該穴部を上記マクロレンズの外径に着脱可能且つ回動可能に嵌合することによって、該減光板および該減光補助板が間接的にフレキシブルアームによって支持されており、上記減光補助板は、上記重複領域に照射されたストロボ光の減光量が、単一の減光板を透過するストロボ光の減光量よりも大きくすることが可能な部材で構成されており、上記減光板および上記減光補助板の少なくとも一方をマクロレンズの外径を中心に回動させることによって上記重複領域の面積を調整可能とし、カメラ本体に取り付けた際に、上記減光板及び上記減光補助板とストロボ照射窓面との距離の調整および上記重複領域の面積の調整により、ストロボ照射窓から照射されたストロボ光の光量を調整することを特徴とするストロボ光量調整用カメラアダプタ、
を要旨とするものである。
以下に、図面を用いて本発明のストロボ光量調整用カメラアダプタを実施するための1の実施態様について説明する。図1は、本発明のアダプタの一実施態様であるアダプタ1の正面図であり、図2は、アダプタ1を後方から見たときの斜視図である。
本発明におけるネジ止め手段とは、本発明のアダプタをカメラ本体に取付けて着脱可能に固定するための望ましい1つの態様であり、多種のカメラの底面に設けられる共通規格のネジ穴を利用して、アダプタをカメラ本体に取り付ける手段であって、本発明のアダプタを特定のカメラだけではなく、多種のカメラに取り付け可能とすることによって本発明のアダプタに汎用性をもたらす取り付け手段である。
即ち、ネジ止め手段の一態様が採用されるアダプタ1において、固定基板10には、面内において長軸方向に伸長する貫通部13が形成されている。上記ネジ止め手段は、軸部14および頭部15を備える付属のネジ16と、固定基板10と、カメラ本体底部に設けられたネジ穴によって実施される。ネジ止め手段に関する詳細は後述する。
上記ネジ止め手段において利用される上記統一規格のネジ穴とは、一般的なカメラ底部に共通する規格として設けられている三脚取付け用ネジ穴である。多くのカメラにおいて、三脚取付け用ネジ穴は、一般的に、統一された規格であるため、本発明のアダプタをネジ止め手段で固定する態様は、ネジ16を上記規格のネジ穴に対応させることによって、上記統一規格の採用される一般的なカメラのいずれにおいても実施可能である。尚、上記統一規格のネジ穴に対応するネジ16として、同規格に対応したものであってもよいし、あるいは、4分の1インチのネジ穴とすることによっても、上記統一規格のネジ穴に対応可能である。
したがって、特定のカメラだけではなく、任意に選択されたカメラに本発明のアダプタを容易に取り付け、また取り外すことができる。またネジ16を、頭部15であって軸部14が設けられていない側に、さらに統一規格のネジ穴を設けた所謂Wネジとすることによれば、デジタルカメラ21にアダプタ1を取り付けた上、さらに三脚を取付けることもできるので好ましい。
尚、汎用性にはこだわらず、本発明のアダプタを特定のカメラに対応させて使用することを予定する場合には、当該特定のカメラの底部に設けられるネジ穴に対応するネジ16を用いればよい。
以下にアダプタ1における各構成についてさらに詳細に説明する。
本発明に用いられる減光板2は、ストロボ照射窓23から照射されたストロボ光の少なくとも一部を減光することが可能な部材で形成されたものである。例えば、乳白色の塩ビなどの樹脂板を適当な形状に切断し、これを減光板2とすることができる。ただし本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、減光板2を構成する部材は任意に選択してよい。
減光板2の寸法は特に限定されないが、多種のカメラにおけるストロボ照射窓に対応可能となるように、一般的なストロボ照射窓の縦横寸法を上回る面積を有し、面方向に動作させたときに多種のカメラにおいて任意の位置にあるストロボ照射窓全面を覆うことが可能な程度の大きさとすることが望ましい。厚みは、特に限定されないが、白色、灰色あるいは乳白色などの減光に適した色味の樹脂板を用いる場合には、0.5mm〜2mm程度で適度な減光効果が発揮されうる。また、一般的にカメラ撮影の際に用いられる拡散板、あるいはディフューザーと呼ばれる部材を本発明における減光板2として用いてもよい。減光可能な部材でなる板状部材の面で、直線的なストロボ光を受けると、該減光板を通過するストロボ光は光量が減光されるとともに、板状部材の面方向に光が拡散し、減光と同時に拡散効果をも発揮可能である。ストロボ光が拡散されることによれば、被写体、特にはレンズから距離の近い被写体に対し、望ましくない陰影を与えることを抑制する効果が発揮される。
ただし、減光板2のみでは、ストロボ光量の調整は充分ではなかったことを本発明者は種々の検討から確認し、本発明のアダプタ1に、さらに減光補助板3を設けたものである。上記減光補助板3は、減光板2の板面と重ねて重複領域Aを形成し該重複領域Aの少なくとも一部においてストロボ照射窓23から照射されるストロボ光の照射を受けることが可能である。もちろん被写体や撮影環境によっては、減光補助板3を減光板2と孔7、8の周囲以外は重ならないように回動させ、ストロボ照射窓23から照射されるストロボ光を実質的に減光板2のみで受けて減光させてもよい。
減光補助板3の形状および寸法は、特に限定されず、重複領域Aが多種のカメラにおいて任意の位置に設けられるストロボ照射窓前面に形成可能な程度に充分な大きさとすればよい。
また、アダプタ1では、デジタルカメラ21側から減光板2、減光補助板3の順に設けられているが、順番はこれに限定されず、逆転してもよい。即ち、アダプタ1のように、減光板2において直接にストロボ光を受け、これを透過したストロボ光をさらに重複領域Aが受けてよい。あるいはカメラ側から減光補助板、減光板の順に設けられた態様であって、ストロボ照射窓から照射された光は、重複領域および該重複領域の形成に関与しない減光板面に照射されてもよい。
上記減光補助板3は、上記重複領域Aに照射されたストロボ光の減光量が、単一の減光板2を透過するストロボ光の減光量よりも大きくすることが可能な部材で構成されていればよい。したがって、例えば、減光板2とストロボ光の透過量が同じか、あるいは異なる、他の減光板を減光補助板3として用いても良く、具板的には、減光板2と同様に乳白色等の樹脂板などから構成することができる。あるいは減光補助板3は、ストロボ光の透過が実質的にない、あるいはごく僅かであって、もっぱら照射されたストロボ光を反射する部材であっても良く、具体的には、アルミ板などの光沢のある部材により構成することができる。即ち、アタプタ1において減光補助板3を供える趣旨は、アダプタ1において実質的に減光板2のみにおいてストロボ照射窓23から照射されたストロボ光を受け、該減光板2を透過させることによって被写体に到達するストロボ光を減光させる場合(以下、「減光態様1」ともいう)に比べて、減光板2および減光補助板3の一部を互いに重ねて重複領域Aを形成し、ストロボ照射窓23から照射されたストロボ光の一部を減光板2にのみ透過させるとともに、他の一部を重複町域Aに照射させて、減光態様1よりも被写体に到達するストロボ光量を少なくさせる場合(以下、「減光態様2」ともいう)、および、さらに重複領域Aの面積を増大させて実質的にストロボ照射窓23から照射されたストロボ光を重複領域Aで受け、透過量を非常に小さく抑える場合(以下、「減光態様3」ともいう)を可能とすることにある。もちろん、減光態様1と2、2と3との間において、さらに詳細な減光量の調整が可能である。またアダプタの態様によっては、減光態様3を有していなくてもよい。以上のとおり本発明は、被写体の寸法やレンズと被写体との距離、撮影環境を考慮して、ストロボ光量の調整を行うことができ、望ましい陰影や明度の写真を撮影することが可能である。
アーム9は、柔軟な動作を可能とする、所謂フレキシブルアームであってよい。アーム9は、直接的にはマクロレンズ6を支持し、マクロレンズ6に支持される減光板2および減光補助板3を間接的に支持する。
図1〜4に示すアーム9は、複数の骨部材17が連結してなる構造であって、隣接する骨部材17と骨部材17との間において任意の方向に湾曲する動作が可能である(アーム9の詳細は図4参照)。骨部材17は一端が球部18であり、他端が球部18を嵌合可能な嵌合部19となっており、球部18と嵌合部19とを嵌合させることによって両者間でフレキシブルな動作可能に連結されたフレキシブルアームである。
ただしアーム9は、これに限定されず、例えばこれと異なる態様であって、柔軟な動作を可能とする他の態様のフレキシブルアームであってもよい。例えば金属製、あるいは樹脂性といった任意の材料で構成される、軽い力で所望の方向に湾曲でき、且つ、マクロレンズや減光板、減光補助板を支持可能な強度を有する部材をフレキシブルアームをとして用いてもよい。
取り付け部12は、上述のとおり図1〜4を用いて説明するネジ止め手段を可能とする構成であり、ネジ止め手段についての説明はここでは割愛する。
ただし本発明における取り付け部はこれに限定されるものではない。本発明における取り付け部は、特定のカメラにのみ取り付けることが可能な取り付け部をも包含するが、好ましい態様としては、任意の多種のカメラに取り付けることが可能な取り付け部である。即ち、上記ネジ止め手段のように、任意の多種のカメラに共通の構造を利用した取り付け手段を採用する取り付け部、あるいは、図5を用いて後述するバンド固定手段のように、任意の多種のカメラにおいて、撮影の妨げにならない箇所にバンドを掛けてアダプタを固定する手段であってもよく、またこれ以外の固定手段を適宜利用することができる。
マクロレンズ6は、従来、カメラの周辺機器として使用される、所謂、マクロレンズあるいはクローズアップレンズ等と呼ばれる、拡大レンズと同様の作用を有するレンズである。ただし、従来品は、一般的には、特定のカメラに装着可能に構成されているが、本発明におけるマクロレンズ6は、多種のカメラに汎用可能なアダプタ1に用いられるものであってフレキシブルアームに直接または間接に支持されるため、特定のカメラにおける特定の構造に装着するための構成は有していなくても良い。少なくとも、所謂、マクロレンズあるいはクローズアップレンズに備わるレンズと同様のレンズ4と枠体5を備えていればよい。
尚、本発明のアダプタにおいてマクロレンズは必須の構成ではないが、マクロレンズを備える本発明のアダプタであれば、上述のとおりマクロ撮影において非常に優れた効果を発揮することができる。マクロレンズを備えない本発明の態様については、後述において図5を用いて説明する。
図5は、本発明の異なる実施態様であるアダプタ31の正面斜視図である。アダプタ31は、マクロレンズを有しない態様の本発明のアダプタの実施態様の一つである。アダプタ31は、減光板32および減光補助板33が、フレキシブルな動作可能のアーム34に支持されている。減光板32および減光補助板33は互いに重ねられた状態で、面方向に回動可能にアーム34に固定されているため、減光板32と減光補助板33との重なりよりなる重複領域Aの面積は調整可能である。したがって、両者の重複領域Aの面積は任意の大きさに調整することができる。アーム34は、上述するアーム9と同じ構造のフレキシブルアームであって、固定基板35の一端に固定されている。したがって、アダプタ31を任意のカメラに取り付けた際に、該カメラ本体に備わるストロボ照射窓の任意の位置にあわせて、減光板32および減光補助板33の位置を調整することができ、多種なカメラに対応可能である。
アダプタ31に例示されるように、マクロレンズを用いない本発明の実施態様によれば、カメラ自体の機能や撮影環境にもよるが、たとえば被写体の大きさが数センチ以上、あるいは10cm以上、40cm以下、あるいはさらに30cm以下であって、レンズと被写体との距離が30cm以上50cm以下程度であっても、充分に望ましい撮影を行うことができる。より具体的には植物などの接写撮影などにおいて、陰影や明度の望ましい撮影ができるがこれに限定されない。
図6は、本発明の異なる態様を示す正面図である。図6に示す本発明のアダプタ41は、減光板42と減光補助板43とが、アーム45、45’により支持されており、また、マクロレンズ44も別体のアーム45’’に支持されている。アーム45、45’、45’’は、金属性または樹脂性の一連の部材であって、所望の方向に湾曲可能なフレキシブルアームである。
尚、アダプタ41に例示されるように、本発明のアダプタは、フレキシブルアームを2以上備え、それぞれに減光板、減光補助板、マクロレンズを支持させてもよいし、あるいは、1つのフレキシブルアームに減光板とマクロレンズ、他のフレキシブルアームに減光補助板を支持させるなど、支持の組み合わせを任意に決定してよい。
2、32、42 減光板
3、33、43 減光補助板
4 レンズ
5 枠体
6、44 マクロレンズ
7、8 穴部
9、34、45、45’、45’’ アーム
10、35、46 固定基板
11、47 スタンド
12、37、48 取付け部
13 貫通部
14 軸部
15 頭部
16 ネジ
17 骨部材
18 球部
19 嵌合部
21 デジタルカメラ
22 レンズ
23 ストロボ照射窓
24 シャッター
25 デジタル画像画面
A 重複領域
Claims (1)
- カメラ本体に取り付けた際に、該カメラ本体に備わるストロボ照射窓前面に位置せしめ、
該ストロボ照射窓から照射されたストロボ光の少なくとも一部を減光することが可能な減光板と、
上記減光板の板面と重ねて重複領域を形成し該重複領域の少なくとも一部においてストロボ照射窓から照射されるストロボ光の照射を受けることが可能な減光補助板と、
マクロレンズと、
上記マクロレンズを支持し、カメラ本体に取り付けた際に該カメラ正面視上、該カメラ本体に備わるレンズ前面に該マクロレンズを位置せしめることを調整可能とするフレキシブルアームと、
上記フレキシブルアームが直接または間接に連続する、カメラ本体に対し着脱可能に取り付けることを可能とする取り付け部と、
を有し、
上記減光板および上記減光補助板それぞれには、上記マクロレンズの外径と略同等の形状の穴部が設けられており、該穴部を上記マクロレンズの外径に着脱可能且つ回動可能に嵌合することによって、該減光板および該減光補助板が間接的にフレキシブルアームによって支持されており、
上記減光補助板は、上記重複領域に照射されたストロボ光の減光量が、単一の減光板を透過するストロボ光の減光量よりも大きくすることが可能な部材で構成されており、
上記減光板および上記減光補助板の少なくとも一方をマクロレンズの外径を中心に回動させることによって上記重複領域の面積を調整可能とし、
カメラ本体に取り付けた際に、上記減光板及び上記減光補助板とストロボ照射窓面との距離の調整および上記重複領域の面積の調整により、ストロボ照射窓から照射されたストロボ光の光量を調整する
ことを特徴とするストロボ光量調整用カメラアダプタ。
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