JP6036502B2 - 多層両面粘着シート、積層体、タッチパネル付表示装置、および多層両面粘着シートの剥離方法 - Google Patents

多層両面粘着シート、積層体、タッチパネル付表示装置、および多層両面粘着シートの剥離方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材を貼合することができ、貼合後に活性エネルギー線の照射することで粘着力を消失させ、光学部材から剥離することができる多層両面粘着シート、該多層両面粘着シートを用いた積層体、および該多層両面粘着シートを用いたタッチパネル付表示装置に関する。
両面粘着シートは様々な部材同士の接着に用いられている。中でも、粘着剤層の内部に基材を有さない両面粘着シートは、透明性が得られることから、光学部品同士の接着に用いられ、例えば、タッチパネルを製造する際の位置入力装置と該位置入力装置の前面側に配置された前面板との接着に用いられている(例えば、特許文献1参照)。また、タッチパネルと画像表示装置(液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機エレクトロルミネッセンスパネル)との接着にも両面粘着シートが使用されている。
しかしながら、従来の両面粘着シートを用いて光学部材同士を貼り合わせる際に、気泡や異物などを巻き込むなどの作業ミスが生じることがあるため、このミスを修正するために再剥離する必要があった。つまり貼り合わせにミスが生じても、光学部材を再利用するため光学部材から粘着シートを糊残りなく剥がす、いわゆる再剥離性が求められていた。
従来、再剥離性を備えた粘着シートとして、例えば特許文献2において、透明タッチパネルの固定電極部材下面と液晶ディスプレイ上面とが透明再剥離シートを全面的に介して装着されている液晶ディスプレイ一体型透明タッチパネルが開示されており、前記透明再剥離シートとして、透明な高分子粘着剤をゲルシート状に成形してなるシートが開示されている。
特許文献3には、透明基材の一方の面にタッチパネル側透明粘着剤層が形成され、他方の面に表示装置側透明粘着剤層が形成され、且つタッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるように構成されていることを特徴とする両面粘着シートが開示されている。具体的には、タッチパネル側透明粘着剤層の180°ピール粘着力を、表示装置側透明粘着剤層のそれよりも大きくすることで、タッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるような構成が開示されている。
また特許文献4には、タッチパネルと表示装置の表示面とのうち少なくともいずれか一方の面に対して再剥離可能となるように構成され、光学的に等方性を有していることを特徴とする両面粘着シートとして、表示装置側粘着剤層の表示装置の表示面に対する粘着力を、タッチパネル側粘着剤層のタッチパネルの貼着面に対する粘着力よりも小さくすることにより発揮される再剥離可能な構成が開示されている。
さらに特許文献5には、最外層が粘着剤層からなり、中間層は化学的又は物理的に変形させることが可能であって、該変形によって該中間層と粘着剤層とが剥離可能となる構成が開示されている。
特開2010−77287号公報 特開平10−260395号公報 特開2003−238915号公報 特開2004−231723号公報 特開2011−102369号公報
再剥離性を備えた従来の粘着シートの多くは特許文献2のように単層シートであり、再剥離性以外の性能、例えば粘着性や凹凸追従性、帯電防止性、金属腐食防止性といった他の性能と両立させることは困難であった。
例えば、両面粘着シートによって貼合されるタッチパネル用の光学部材には、粘着剤層が接する面の一部又は前面に印刷が施されている場合があり、印刷のインキ層によって通常5〜100μmの印刷段差が形成されている。この段差(凹凸)に追従するために粘着剤層を厚くしたり柔らかくするといった方法が挙げられるが、再剥離する際に糊残りしやすいという問題があった。
また、特許文献3や特許文献4のように多層シートであっても、被着体から粘着シートを剥離しやすくするために、被着体に接する粘着剤層の粘着力を貼合時において既に低下させる必要があった。つまり、再剥離が不要な場合であっても被着体同士の粘着力が低く、剥がれやすいという問題があった。
さらに、特許文献5のように中間に剥離層を有する両面粘着シートでは、剥離後に粘着剤層が被着体に残存してしまうため、タッチパネルと液晶表示装置を貼合した後に液晶表示装置のみを剥がして再利用したいという場合には適していなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、2つの光学部材(被着体)を貼合するのに十分な粘着力を有し、一方の光学部材から剥離する必要がある場合に、剥離する側の粘着剤層のみ粘着力を低下させて、光学部材から糊残りなく剥離することが可能であり、さらに自然光等の紫外線による粘着力の経時劣化を招きにくい多層両面粘着シート、該多層両面粘着シートを用いた積層体、および該多層両面粘着シートを用いたタッチパネル付表示装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一方の最外粘着剤層が活性エネルギー線硬化型粘着剤層である多層両面粘着シートを用いると、光学部材同士を貼合した後に活性エネルギー線を照射することで、光学部材に糊残りすることなく両面粘着シートを剥離することができ、かつ光学部材を再利用することができることを見出した。
すなわち本発明は、
[1] 第1最外粘着剤層と第2最外粘着剤層と中間粘着剤層の、少なくとも3層の粘着剤層を有する多層両面粘着シートであって、第1最外粘着剤層がベースポリマー(A)と架橋剤(B)と重合性不飽和基含有単量体(C)を含有する粘着剤層であり、第2最外粘着剤層に、前記重合性不飽和基含有単量体(C)の重合反応を開始させる重合開始剤(D)を含有し、前記重合開始剤(D)は前記第1最外粘着剤層の粘着剤組成物100質量部に対して1.0〜5.0質量部である、多層両面粘着シート、
[2]前記中間粘着剤層の厚みが60μm以上である、[1]に記載の多層両面粘着シート、
[3]前記第1最外粘着剤層の厚みが15〜150μmである、[1]または[2]に記載の多層両面粘着シート、
[4]前記第1最外粘着剤層の活性エネルギー線照射後の粘着力が、10N/25mm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の多層両面粘着シート、
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の多層両面粘着シートの第1最外粘着剤層および/または第2最外粘着剤層に剥離シートが積層された剥離シート付き多層両面粘着シート、
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載の多層両面粘着シートの第1最外粘着剤層および/または第2最外粘着剤層に光学部材が積層されている積層体、
[7] [1]〜[4]のいずれかに記載の両面粘着シートにより、表示装置とタッチパネルとが貼合されていることを特徴とするタッチパネル付表示装置、
[8] [6]に記載の積層体、または[7]に記載のタッチパネル付表示装置を加熱後、活性エネルギー線を照射することにより[1]〜[4]のいずれかに記載の両面粘着シートを剥離する方法、
を提供する。
本発明の多層両面粘着シートの一実施形態を示す断面図である。
<多層両面粘着シート>
本発明の多層両面粘着シートの一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の1つである多層両面粘着シート1を示す。本実施形態の多層両面粘着シート1は、第1最外粘着剤層11と第2最外粘着剤層12の間に中間粘着剤層13を備えたものであって、第1最外粘着剤層11はベースポリマー(A)と架橋剤(B)と重合性不飽和基含有単量体(C)を含有し、活性エネルギー線の照射により粘着力が低下、消失する粘着剤層である。第2最外粘着剤層12は熱硬化性粘着剤層であることが好ましく、中間粘着剤層13は熱硬化性粘着剤層であっても、活性エネルギー線硬化性粘着剤層であってもよい。第2最外粘着剤層12と中間粘着剤層13が熱硬化性粘着剤層の場合は、剥離時に活性エネルギー線を照射しても影響を受けず、粘着力を保持している。従って、第1最外粘着剤層11と中間粘着剤層13は貼合されたまま、第1最外粘着剤層11の中間粘着剤層13に接する面11bとは反対の面11aから多層両面粘着シート1を剥離することができる。つまり接着面11bから剥離することはなく、第1最外粘着剤層11が接していた光学部材には糊残りしない。
中間粘着剤層13が活性エネルギー線硬化性粘着剤層の場合は、両面粘着シートの製造時において多層化する前に、活性エネルギー線硬化性粘着剤層のみに活性エネルギー線を照射するのが好ましい。
このように、本発明の多層両面粘着シートは少なくとも3層の粘着剤層を有している。貼合時においてはいずれの粘着剤層も強い粘着力を有しており、粘着力は12N/25mm以上であって、特に15N/25mm以上であることが好ましい。粘着力が前記下限値以上であれば、被着体同士を十分に保持できる。
粘着剤層の層構成としては、3〜5層の層構成であることが好ましく、3層であることがより好ましい。
(粘着剤層)
各粘着剤層(第1最外粘着剤層、第2最外粘着剤層、中間粘着剤層)を形成する粘着主剤としては、表示装置の視認性を低下させない程度の透明性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤などの公知の粘着剤を使用することができる。粘着剤は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、第1最外粘着剤層11を形成する粘着剤と、第2最外粘着剤層12を形成する粘着剤と、中間粘着剤層13を形成する粘着剤とは、それぞれの間で、同一の種類の粘着剤であってもよく、異なる種類の粘着剤であってもよい。
各粘着剤層を形成する粘着主剤としては、特に耐久性の観点からは、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマー成分とするアクリル重合体をベースポリマー(A)として含有しているアクリル系粘着剤が好ましい。
[アクリル重合体]
アクリル重合体は、非架橋性アクリル単量体単位と架橋性単量体単位とを有する重合体である。ここで、「単量体単位」は重合体を構成する繰り返し単位である。「アクリル単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基またはメタクリロイル基であることを示す。また、非架橋性アクリル単量体は架橋性基を有さないアクリル単量体であり、架橋性単量体は架橋性基を有する単量体である。架橋性単量体は、非架橋性アクリル単量体と重合可能なものであればアクリル単量体であっても非アクリル単量体であってもよく、アクリル単量体であることが好ましい。
架橋性基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、グリシジル基等が挙げられる。
非架橋性アクリル単量体単位としては、たとえば、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基の水素原子を炭化水素基で置換した(メタ)アクリル酸エステル単位が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は1〜18が好ましく、1〜8がより好ましい。該炭化水素基は、該炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、架橋性基を含まないものであれば特に限定されず、たとえばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
該(メタ)アクリル酸エステルとして具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
これらの中でも、接着性の点からは、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸イソボルニルが好ましい。
架橋性単量体単位としては、カルボキシ基含有共重合性単量体単位、ヒドロキシ基含有共重合性単量体単位、アミノ基含有共重合性単量体単位、グリシジル基含有共重合性単量体単位が挙げられる。カルボキシ基含有共重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グラタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やその無水物などが挙げられる。
ヒドロキシ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
アミノ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アリルアミドなどが挙げられる。グリシジル基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
これらの中でも、粘着性、架橋性および重合性の観点から、ヒドロキシ基含有共重合性単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルがより好ましく、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが特に好ましい。
アクリル重合体における架橋性単量体単位の含有量は0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。架橋性単量体単位の含有量が前記下限値以上であれば充分に架橋でき、第1最外粘着剤層11において未架橋ポリマーによる糊残りが発生するおそれがなく、前記上限値以下であれば、凹凸追従性を確保できる。
また、アクリル重合体は、非架橋性アクリル単量体単位および架橋性単量体単位以外のその他の単量体単位を有してもよい。その他の単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
アクリル重合体におけるその他の単量体単位の含有量は0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。その他の単量体単位の含有量が前記下限値以上であれば、物性を容易に調整でき、前記上限値以下であれば、経時劣化による黄変などを防止できる。
[架橋剤]
架橋剤(B)としては、熱により架橋を引き起こす作用をもつものであれば特に制限はないが、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これら架橋剤の中でも、アクリル重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。特にアクリル重合体が架橋性単量体単位としてヒドロキシ基含有共重合性単量体単位のみを含む場合は、ヒドロキシ基の反応性からイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
架橋剤の含有量は、第1の最外粘着剤層11、第2の最外粘着剤層12、中間粘着剤層13のそれぞれにおいて所望とする粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。
[第1最外粘着剤層]
第1最外粘着剤層11は、上記ベースポリマー(A)と架橋剤(B)に加えて、重合性不飽和基を少なくとも1つ有する単量体(以下、「重合性不飽和基含有単量体(C)」とする)を含有する。
活性エネルギー線の照射により前記重合性不飽和基含有単量体(C)の重合反応を開始させる重合開始剤(D)は、第1最外粘着剤層11ではなく第2最外粘着剤層12に含有させる。加熱によって、第2最外粘着剤層12に含有する重合開始剤(D)は第1最外粘着剤層11にマイグレーション(移動)する。それにより、光学部材を貼り合せた後に活性エネルギー線の照射により第1最外粘着剤層11が硬化して粘着力が低下、消失することで、第1最外粘着剤層11が接する光学部材から糊残りなく多層両面粘着シート1を剥離することができる。
[重合性不飽和基含有単量体]
重合性不飽和基は、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが挙げられるが、エチレン性二重結合を含むことから(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
また、重合性不飽和基含有単量体(C)は、重合性不飽和基を1つ有する単官能モノマーでも、重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーでもよい。
重合性不飽和基含有単量体(C)のうち、単官能モノマーとしては、前記アクリル系重合体の説明で挙げた架橋性単量体、非架橋性(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、多官能(メタ)アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量600)ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量400)ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
単量体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1最外粘着剤層11の粘着剤組成物中、重合性不飽和基含有単量体(C)の含有量は、粘着剤組成物の総質量に対し、10〜70質量%であることが好ましい。重合性不飽和基含有単量体(C)の含有量が前記下限値未満であれば、光学部材からの剥離時に光学部材に糊残りするおそれがあり、前期上限値を超えると粘着物性に影響を与えるおそれがある。
[重合開始剤]
重合開始剤(D)としては、活性エネルギー線の照射により前記重合性不飽和基含有単量体(C)の重合反応を開始させ得るものであればよく、光重合開始剤等として公知のものが利用できる。
ここで、「活性エネルギー線」とは電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー電子を有するものを意味し、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
重合開始剤(D)としては、例えばアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アミン系開始剤等が挙げられる。これらのうち、アセトフェノン系開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。ベンゾインエーテル系開始剤として具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系開始剤として具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤として具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられる。チオキサントン系開始剤として具体的には、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等が挙げられる。アミン系開始剤として具体的には、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等が挙げられる。重合開始剤(D)としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合開始剤(D)は、第2最外粘着剤層12に存在する。第1最外粘着剤層11に重合開始剤が存在しないことで、第1最外粘着剤層11は自然光や表示装置から発せられる紫外線等の影響を受けにくく、経時変化による粘着力の低下、消失を招きにくい。
第1最外粘着剤層11を活性エネルギー線の照射により硬化させて粘着力を低下、消失させる場合には、活性エネルギー線照射前に多層両面粘着シート1を加熱することによって、第2最外粘着剤層に存在する重合開始剤(D)を第1最外粘着剤層11にマイグレーション(移動)させればよい。加熱は50℃以上で10分以上、好ましくは60℃以上で10分以上行うのが良い。前記下限値以上の温度で加熱すれば、重合開始剤(D)が第1最外粘着剤層にマイグレーションし、第1最外粘着剤層の硬化が可能となる。
重合開始剤(D)の含有量は、第1最外粘着剤層の粘着剤組成物の総質量に対し、1.0〜5.0質量部であることが好ましく、1.2〜2.0質量部であることがより好ましい。前記下限値未満であれば、多層両面粘着シート1を光学部材から剥離する際に光学部材に糊残りが発生するおそれがあり、前記上限値を超えると、活性エネルギー線照射前に硬化が進む可能性があり、粘着力に影響を与えるおそれがある。
[分子量]
本発明の多層両面粘着シート1における各粘着剤層の粘着剤組成物の平均分子量は、第1最外粘着剤層11における粘着剤組成物の質量平均分子量は10万〜200万であり、30万〜100万であることが好ましい。粘着剤組成物の質量平均分子量が前記下限値未満であると、剥離した際に被着体に粘着剤が残存するおそれがあり、前記上限値を超えると、凹凸追従性が損なわれる。
なお、粘着剤組成物の質量平均分子量は、架橋剤で架橋される前の重合体の質量平均分子量である。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクラマトグラフィにより測定し、ポリスチレン基準で求めた値である。さらに、第2最外粘着剤層12と中間粘着剤層13における粘着剤組成物の質量平均分子量は15万〜100万であり、35万〜80万であることが好ましい。粘着剤組成物の質量平均分子量が前記下限値未満であると、充分な凝集力が発現せず、耐久性が劣る場合があり、前記上限値を超えると、凹凸追従性が損なわれる。
[添加剤]
各粘着剤層には、必要に応じて、酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、充填剤などの他の添加剤が含まれてもよい。ただし、第1最外粘着剤層11にはシランカップリング剤は含まれない。また、各粘着剤層のいずれかが紫外線硬化型粘着剤層である場合、その粘着剤層に紫外線吸収剤は含まれない。これら添加剤の配合量は粘着剤層により異なるが、粘着剤層100重量部に対して、通常0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
[厚み]
多層両面粘着シート1において、第1最外粘着剤層11の厚みは、多層両面粘着シート1全体の所望の総厚み等を考慮して適宜設定できるが、多層両面粘着シート1全体の50%以下であることが好ましい。前記上限値以下であれば、多層両面粘着シート1は光学部材を貼合する際に十分な粘着力を有する。
また、第1最外粘着剤層11の厚みは15〜150μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。第1最外粘着剤層11の厚みが前記下限値以上であれば、活性エネルギー線照射後の粘着力が低下しやすく、被着体からの剥離が容易であり、前記上限値以下であれば、第1最外粘着剤層11を容易に形成できる。
さらに、第2最外粘着剤層12と中間粘着剤層13の合計厚みは、多層両面粘着シート1全体の所望の総厚み等を考慮して適宜設定できるが、100〜500μmであることが好ましい。前記下限値以上であれば、多層両面粘着シート1を凹凸面に貼着した際の凹凸追従性がより高くなり、前記上限値以下であれば、第2最外粘着剤層12と中間粘着剤層13を容易に形成できる。
中間粘着剤層13の厚みは、60μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましい。前記下限値以上であれば、室温下において重合開始剤が活性エネルギー線硬化型粘着剤層へマイグレーションすることを防ぎ、さらに自然光等の影響により活性エネルギー線硬化型粘着剤層が硬化し、粘着力が低下することを防ぐことができる。
<剥離シート付き両面粘着シート>
本発明の多層両面粘着シート1は、第1最外粘着剤層11と第2最外粘着剤層12とがそれぞれ剥離シートにより保護されていてもよい。剥離シートとしては、剥離シート用基材と該剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材としては、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO単位と(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CH)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
第1最外粘着剤層側剥離シートと第2最外粘着剤層側剥離シートとは、剥離しやすくするために、剥離性が異なることが好ましい。つまり、第1最外粘着剤層側剥離シートの第1最外粘着剤層11からの剥離性と、第2最外粘着剤層側剥離シートの第2最外粘着剤層12からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて第1最外粘着剤層側剥離シートの剥離性と第2最外粘着剤層側剥離シートの剥離性とを調整すればよい。
<剥離シート付き両面粘着シートの製造方法>
剥離シート付き両面粘着シートの製造方法としては、たとえば、以下の製造方法が挙げられる。
製造方法):剥離シート上に、中間粘着剤層形成用塗工液を塗工し、加熱もしくは活性エネルギー線を照射して中間粘着剤層13を形成し、中間粘着シートを得る工程と、他の剥離シート上に、第1最外粘着剤層形成用塗工液を塗工し、加熱して第1最外粘着剤層11を形成し、第1の粘着シートを得る工程と、他の剥離シート上に、第2最外粘着剤層形成用塗工液を塗工し、加熱もしくは活性エネルギー線を照射して第2最外粘着剤層12を形成し、第2の粘着シートを得る工程と、中間粘着剤層13と第1最外粘着剤層11とを積層し、圧着する工程と、中間粘着剤層13と第2最外粘着剤層12とを積層し、圧着する工程と、を有する製造方法。
塗工方法としては、ナイフコータ、マイクロバーコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、リバースグラビアコータ、バリオグラビアコータ、ダイコータ、カーテンコータ等から適宜選択することができる。
[積層体]
本発明の多層両面粘着シート1を用いて光学部材を貼合させることで、積層体を作製することができる。
光学部材とは、タッチパネルや画像表示装置等の光学製品における各構成部材である。タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー,トリアセチルセルロース,ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。
本発明の両面粘着シートによって貼合される一対の光学部材としては、タッチパネルの内部におけるITOフィルム同士の貼合、ITOフィルムとITOガラスとの貼合、タッチパネルのITOフィルムと液晶パネルとの貼合、タッチパネルモジュールとカバーレンズとの貼合などが挙げられる。
さらに具体的には、本発明の多層両面粘着シート1はタッチパネルを表示装置に貼合させる際に用いることができ、最外粘着剤層のいずれか一方がタッチパネル側粘着剤層となり、他方が表示装置側粘着剤層となる。
この場合、本発明の多層両面粘着シート1は、該多層両面粘着シート1を介してタッチパネルを表示装置の表示面に貼合させた後、活性エネルギーの照射によってタッチパネルと表示装置の表示面とのうち少なくともいずれか一方の面に対して再剥離可能となるような構成を有していることが重要であり、特に、表示装置の表示面から再剥離可能となるような構成を有していることが好ましい。このような構成の場合、表示装置には粘着剤が残存しないため、剥離後に何ら手を加えることなくそのまま表示装置を再利用することが可能であり、経済的にも有用である。
[タッチパネル]
本発明の多層両面粘着シート1によって貼合するタッチパネルは、その構成又は種類には特に限定されない。タッチパネルの貼合面(両面粘着シートが接着する面)は、通常、環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂など)等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂などの樹脂によるフィルム又はシートの表面である。
[表示装置]
本発明の多層両面粘着シート1によって貼合する表示装置は特に限定されず、液晶表示装置(LCDモジュール)の他、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイが例示される。LCDモジュールの表示面は、トリアセチルセルロース(TAC)やガラスが素材とされていてもよく、表示装置には偏光板が備えられていてもよい。従って、表示装置の表示面(両面粘着シートが貼合される面)は、通常、ガラス板、TACフィルムの表面である。
[剥離方法]
第1最外粘着剤層11と第2最外粘着剤層12とを備えた本発明の多層両面粘着シート1においては、第1最外粘着剤層11が表示装置に接着し、第2最外粘着剤層12がタッチパネルに接着されるのが好ましい実施形態である。本実施形態により、貼合ミスが生じた場合であっても、高価である表示装置を再利用することが可能となり、経済的である。
剥離の際には、活性エネルギー線、好ましくは紫外線を照射する。照射量は300mJ/cm以上が好ましく、前記下限値以上であれば容易に剥離可能となる程度の粘着力の低下、消失を招くことができる。
(作用効果)
本発明の多層両面粘着シート1は、通常は粘着力を有しているが活性エネルギーの照射後は粘着力を消失し、被着体である光学部材から糊残りなく両面粘着シートを剥離することができる。また、重合開始剤(D)が第2最外粘着剤層12に含まれるため、第1最外粘着剤層11は自然光等の影響を受けにくい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」のことである。
また、質量平均分子量Mは、THF(テトラヒドロフラン)を溶解した試料をゲルパーミエーションクラマトグラフィ(ポンプ:PU−980、検出器:RI−2031Plus、日本分光株式会社製)を用いて測定し、ポリスチレン基準で求めた値である。
(実施例1)
[第1最外粘着剤層の粘着剤溶液の合成]
アクリロニトリル80部、ブチルアクリレート15部に官能基としてアクリル酸5部モノマー組成で乳化重合し、Mw50万のアクリル共重合体を得た。このアクリル共重合体100部に、架橋剤として多官能性イソシアネート(日本ポリウレタン(株)製:コロネートL)5部、重合性不飽和基含有単量体としてトリメチロールプロパントリアクリレート100部を添加し、5%トルエン溶液に希釈して粘着剤1−1の溶液を得た。
[第2最外粘着剤層および中間粘着剤層の粘着剤溶液の合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、溶媒である酢酸エチル105質量部を添加した。次いで、反応装置内に、単量体成分としてのアクリル酸メチル55質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル45質量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル5.0質量部、開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と表記する。」)0.3質量部とをモノマー濃度が凡そ50質量%となるように酢酸エチル中に添加した。その後、攪拌しながら窒素ガス気流中、50℃で8時間攪拌した後、氷水浴にて急冷することにより重合反応を停止させて、質量平均分子量M70万のアクリル酸エステル共重合体溶液を得た。
この共重合体溶液の固形分100質量部に対し、架橋剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート系3官能性アダクト体〔旭化成(株)製:P301−75E〕0.4質量部、重合開始剤としてイルガキュア1.4部を加え、酢酸エチルにて濃度35質量%の溶液となるように希釈して、粘着剤1−2の溶液を得た。
また、上記と同様の粘着剤組成物であって、重合開始剤を含まない粘着剤1-3の溶液を得た。
[両面粘着シートの作製]
第1の剥離シートとして、PETフィルムに剥離剤層を備えた〔王子特殊紙(株)製、38μRL−07(L)〕を用意し、その第1の剥離シートの剥離剤層に、上記粘着剤1−1の溶液をナイフコータにより塗工し、100℃、3分間加熱し、第1最外粘着剤層を形成して、第1の粘着シートを得た。厚みは25μmとした。
また、第2の剥離シートとしてPETフィルムに前述の第1の剥離シートより剥離性が低い剥離剤層を備えた剥離フィルム〔王子特殊紙(株)製、38μRL−07(2)〕を用意し、その第2の剥離シートの剥離剤層に、上記粘着剤1−2の溶液をナイフコータにより塗工し、100℃、3分間加熱し、第2最外粘着剤層を形成して、第2の粘着シートを得た。厚みは25μmとした。
さらに、第1の剥離シート上に粘着剤1-3溶液をナイフコータにより塗工し、100℃、3分間加熱して中間粘着剤層を形成し、中間粘着剤シートを得た。厚みは100μmとした。
次いで、第1の粘着シートと中間粘着剤シートを積層して圧着し、さらに中間粘着剤シートと第2の粘着シートとを積層して圧着することにより、剥離シート付き多層両面粘着シート(150μm厚)を得た。
(比較例)
比較例1:中間粘着剤層の厚みを50μmとした以外は、実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
比較例2:粘着剤1−2の溶液において、重合開始剤を0.7部とした以外は、実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
比較例3:中間粘着剤層の厚みを50μmとし、かつ粘着剤1−2の溶液において重合開始剤を0.7部とした以外は、実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
[積層体の作製]
実施例1および比較例1〜3のそれぞれの剥離シート付き両面粘着シートを25mm×100mmにサンプリングし、それぞれの第1の剥離シートを剥離して露出した第1最外粘着剤層を清浄なガラス板表面に貼合し、2kgの圧着ローラーで2往復圧着させて透明積層体を得た。
[評価A:粘着力]
上記の透明積層体をアルミホイルで包んで遮光し、常温(23℃)で24時間保存後にJIS−Z−0237に規定する180度引きはがし法(ピール法)により、引張速度300mm/分で引きはがしたときの粘着力をテンシロン引張試験機(株式会社島津製作所製オートグラフ)にて測定した。
[評価B:紫外線照射後の粘着力]
アルミホイルで包んで遮光し、常温(23℃)で24時間保存した透明積層体に、紫外線照射器(アイグラフィック社製、ECS−301G1)により1回あたり350mj/cmの紫外線を第2粘着剤層側から1回照射し、評価Aと同様の方法で粘着力を測定した。
[評価C:加熱、紫外線照射後の粘着力]
アルミホイルで包んで遮光し、常温(23℃)で24時間保存した後、加熱をしてから紫外線を照射し、評価Aと同様の方法で粘着力を測定した。加熱温度は40℃、60℃の2通りで、加熱時間は10分とした(それぞれ評価C−1,C−2とする)。
Figure 0006036502
評価Aの結果、24時間経過後の粘着力は、どの透明積層体においても10N/25mm以上であり、被着体を保持するのに十分な粘着力を有していることが示された。
評価Bの結果、比較例1の粘着力が1.2N/25mmまでに低下した。中間粘着剤層を薄くし過ぎると、常温保存している状態で重合開始剤がマイグレーションを起こし重合開始剤の影響を受けやすくなる。
評価Cの結果、60℃以上に加熱することにより中間粘着剤層が柔らかくなり重合開始剤のマイグレーションが容易に行われ、粘着力が2N/25mm程度にまで低下し、被着体から容易に剥離できることが示された。また、ガラス上の糊残りの有無を目視で確認したところ、糊残りが全く存在しなかった。比較例2および比較例3は、粘着力に変化がなかった。
本発明の両面粘着シートは、再剥離性能に優れることから光学部材の貼合に有用であり、特にタッチパネルと液晶表示装置との貼合に有用である。
1 多層両面粘着シート
11 第1最外粘着剤層
11a 被着体との接着面
11b 粘着剤層との接着面
12 第2最外粘着剤層
13 中間粘着剤層

Claims (7)

  1. 第1最外粘着剤層と第2最外粘着剤層と中間粘着剤層の、少なくとも3層の粘着剤層を有する多層両面粘着シートであって、第1最外粘着剤層は、ベースポリマー(A)と架橋剤(B)と重合性不飽和基含有単量体(C)を含有し、活性エネルギー線の照射により重合性不飽和基含有単量体(C)の重合反応を開始させる重合開始剤(D)を含有しない粘着剤層であり、第2最外粘着剤層は、前記重合開始剤(D)を含有し、前記重合開始剤(D)は第1最外粘着剤層を形成する粘着剤組成物100質量部に対して1.0〜5.0質量部であり、中間粘着剤層の厚みが60μm以上である、多層両面粘着シート。
  2. 前記第1最外粘着剤層の厚みが15〜150μmである、請求項1に記載の多層両面粘着シート。
  3. 前記第1最外粘着剤層の活性エネルギー線照射後の粘着力が、10N/25mm以下である、請求項1または2に記載の多層両面粘着シート。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の多層両面粘着シートの第1最外粘着剤層および/または第2最外粘着剤層に剥離シートが積層されている剥離シート付き多層両面粘着シート。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の多層両面粘着シートの第1最外粘着剤層および/または第2最外粘着剤層に光学部材が積層されている積層体。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の多層両面粘着シートにより、表示装置とタッチパネルとが貼合されているタッチパネル付表示装置。
  7. 請求項に記載の積層体、または請求項6に記載のタッチパネル付表示装置を加熱後、活性エネルギー線を照射することにより請求項1〜3のいずれかに記載の多層両面粘着シートを剥離する方法。
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