JP6035998B2 - 擬似太陽光照射装置 - Google Patents
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この種の擬似太陽光照射装置においては、キセノンランプ等の光源を箱体の中に設置し、箱体の放射面に光学フィルターを設けて擬似太陽光を放射する擬似太陽光照射ボックスを備え、擬似太陽光照射ボックスから放射される擬似太陽光を光出射開口から出射し、被照射面を照射する構成としている(例えば、特許文献1参照)。この擬似太陽光照射装置では、被照射面の照度むらを低減するために、光出射開口に透過性を有するベース板を設け、ベース板に出射光を調整する面状の光学部材を載置し、この光学部材をベース板にねじ止めしている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、環境変化による光学部材のしわや撓み等の変形を防止可能な照射装置及び擬似太陽光照射装置を提供することを目的とする。
図1は、本実施形態に係る擬似太陽光照射装置200の構成を模式的に示す縦断面図である。なお、図1においてWは幅方向を、Hは高さ方向を示している。
擬似太陽光照射装置200は、複数(本実施形態では、3つ)の擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cを備えている。各擬似太陽光照射ユニット1A,1Bは、複数の角材2を格子状に組んだ枠体4を有し、この枠体4は、例えば長さが略1.6m(メートル)、幅が略0.9m、及び高さが略0.8m程度の寸法に構成されている。各擬似太陽光照射ユニット1A,1Bは、長さ方向に延在する上下二枚の補助反射面150Aと、幅方向に延在する一対の補助反射面150Bとを備えている。
枠体4の長さ方向の一側面(側方)を除く三方の各側面(側方)は、外部光の進入を防止するために遮蔽板5で覆われている。
擬似太陽光照射ボックス6には、図2及び図3に示すように、1本の直管型のランプ(光源)22が擬似太陽光照射ボックス6に沿って配置されて線状光源を構成している。これらのランプ22には、紫外領域〜可視領域〜赤外領域の広い波長領域に亘り、強い連続したスペクトルを有する、例えばキセノンフラッシュランプ等が用いられている。ランプ22の両端部には端子台40が配設されている。
擬似太陽光照射ボックス6は、該擬似太陽光照射ボックス6が放射する擬似太陽光のスペクトルを変調しない材質で形成されたランプハウス7に収納されている。
被照射体10は、被照射面10Aが擬似太陽光照射ボックス6から所定の距離Lだけ離間するように、枠体4の上に取り付けられた試料支持枠12に載置され、被照射面10Aに対して、擬似太陽光照射ボックス6の上面6Bからの直接光と、反射面8で反射された反射光が照射される。反射光の配光は、被照射面10Aでの直接光の照度むらを補償するように制御されている。
保持具31は、反射板30の傾斜角度を調節するための角度調整機構を有し、これにより、反射板30のそれぞれを、互いに独立して光の反射角度を調整することができるようになっている。このとき、図1に示すように、枠体4の幅方向における両側面に近い幾つかの保持具31の高さが順次高くなされており、両側面側の反射板30の反射光が内側の反射板30に遮蔽されるのを防止している。
このように、擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cの側面に補助反射面150A,150Bを配置したため、擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cの側面に向かう光を有効利用して、被照射面10Aでの直接光の照度低下を補うことができるとともに、補助反射面を擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cの下部に水平に設ける場合に比べ、擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cを小型化できる。
すなわち、各擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cでは、反射面8の反射光による直接光の照度むら補償に加え、光拡散ユニット101によっても被照射面10Aの照度むらの低減が図られている。
これらベース板102、及び光拡散部材110,120には、擬似太陽光照射ボックス6が放射する擬似太陽光のスペクトルを変調しないように、それぞれ擬似太陽光のスペクトル範囲において透過率が一定(フラット)であり、さらに、好ましくは高い透過率を有する材質が用いられている。
図4及び図5に示すように、各擬似太陽光照射ユニット1A〜1Bには、被照射面10A側及び擬似太陽光照射ボックス6の上方に、擬似太陽光照射ボックス6と平行に延びる断面L字状の光拡散部材受け(保持具)103が、該擬似太陽光照射ボックス6を挟んだ両側の側面にそれぞれ設けられている。また、被照射面10A側及び擬似太陽光照射ボックス6の上方に、擬似太陽光照射ボックス6と直交して延びる断面L字状の光拡散部材受け104が、該擬似太陽光照射ボックス6の長さ方向において対面する側面にそれぞれ設けられている。
ベース板102及び光拡散部材110は被照射面10A側に設けられた光拡散部材受け103,104に載置され、後述する面押さえ具201(図6及び図7参照)によって固定され、光拡散部材120は擬似太陽光照射ボックス6の上方に設けられた光拡散部材受け103,104に載置され、図示しない固定具によって固定される。
被照射面10A側の光拡散部材110は、ベース板102の上面に配置され、光拡散板(光学部材)111及び光拡散フィルム(光学部材)112を積層して構成されている。被照射面10A側の光拡散板111は、被照射面10Aを照明する光が通過する照明光通過範囲全体を覆う大きさに形成された板状部材であり、両面に艶消し加工を施したマット状の拡散面を有している。本実施形態の光拡散板111は、厚みが約2mmであり、ベース板102とほぼ同じ光学的特徴を有する素材(本実施形態では、アクリル樹脂)を用いて形成されている。
このように構成された光拡散ユニット101を有する各擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cは、当該各擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cの正面に位置する被照射面10Aの所定面積(600mm×1200mm程度)において、照度むらを良好に低減することができる。
擬似太陽光照射装置200の照度むらは、擬似太陽光照射装置に対する規格(例えば、IEC60904−9第2版のクラスAの2%)に準拠している。
本実施形態の擬似太陽光照射装置200では、1500mm×2500mmの光拡散板111が使用されており、上記のような環境変化が生じた場合、光拡散板111の寸法変化は、約0.39%であり、2500mm方向で9.75mmの伸びと試算される。したがって、ねじ等で固定した場合には、伸びが許容できずに撓み(浮き上がり)が発生してしまう。また、ねじ等を通す光拡散板111の貫通孔を長孔等にした場合も、ねじ等の抵抗によって伸びの許容が阻害される場合が多い。
そこで、本実施形態では、環境変化による光拡散板111の寸法変化に対応可能に光拡散板111を固定する面押さえ具201(図6及び図7参照)を備えている。
面押さえ具201は、図6に示すように、光拡散板111の辺の全長と略同一の長さを有する板状の金具(例えば、ステンレス鋼)であり、光拡散板111の4辺のそれぞれに設けられている。なお、本実施形態の光拡散板111は矩形状であるため、面押さえ具201は、光拡散板111の長辺と短辺とで長さが異なるが、長さ以外は同一の構成であるため、ここでは同一の符号を付して説明する。例えば光拡散板111が正方形の場合には、4つの面押さえ具201の長さは同一になる。
面押さえ具201の長さ方向の端部には、隣接する面押さえ具201同士が重ならないように、光拡散板111の略中央に向けて斜めに切り欠いた斜辺部100Aが形成されている。
ベース板102には光拡散フィルム112が載置され、この光拡散フィルム112には光拡散板111が載置され、光拡散板111は面押さえ具201によってベース板102に対して押さえられている。すなわち、光拡散フィルム112は、ベース板102と光拡散板111との間に挟持されている。
本実施形態では、光拡散フィルム112はベース板102と光拡散板111との間に挟持され、光拡散板111に固定されていないため、光拡散板111が環境変化によって面方向に伸縮する場合には、光拡散板111だけが動いたり、光拡散板111の動きに応じて光拡散フィルム112が動いたりと、光拡散フィルム112が光拡散板111の伸縮に追従するので、光拡散フィルム112のしわや撓み等の変形を防止できる。
例えば、上記実施形態では、擬似太陽光照射ユニット1A〜1C毎に枠体4を形成したが、複数の擬似太陽光照射ユニットを並設した全体の大きさに合わせて枠体を形成してもよい。
また、上記実施形態では、複数の擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cをそれぞれ隣接して並設していたが、擬似太陽光照射ユニット1A〜1Cを、若干(例えば、数cm)の間隔をあけて並設してもよい。
また、上記実施形態では、光拡散部材110を、一枚の光拡散板111及び一枚の光拡散フィルム112として説明したが、光拡散部材110の構成はこれに限定されるものではなく、例えば光拡散板111または光拡散フィルム112のいずれかを省略してもよく、また光拡散板111及び/又は光拡散フィルム112を複数枚設けてもよい。
また、上記実施形態では、面押さえ具201を枠2に固定したが、面押さえ具201の固定位置は、枠2に限定されるものではなく、例えば光拡散部材受け203であってもよい。
また、上記実施形態では、照射装置を擬似太陽光照射装置として説明したが、照射装置はこれに限定されるものではない。
22 ランプ(光源)
102 ベース板
103,104 光拡散部材受け(保持具)
111 光拡散板(光学部材)
112 光拡散フィルム(光学フィルム)
200 擬似太陽光照射装置(照射装置)
200A 光出射開口
201 面押さえ具
201C 接触面(面)
Claims (5)
- 光源を収容し、前記光源の光をスペクトル調整して擬似太陽光を得る擬似太陽光照射ボックスを有し、前記擬似太陽光照射ボックスの放射面に対向させて光出射開口を設け、スペクトル調整した擬似太陽光を前記光出射開口から出射する擬似太陽光照射装置において、
前記光出射開口を覆うように透過性のベース板を設け、
前記ベース板に面状の光学部材を、面方向の伸縮が許容されるように載置し、
前記ベース板に対し前記光学部材を面で押さえる面押さえ具を、前記光学部材の膨張を許容するように、前記面押さえ具の面と前記光学部材との間に隙間を有して備えたことを特徴とする擬似太陽光照射装置。 - 前記ベース板の端縁を保持具に保持し、
前記面押さえ具は、前記ベース板を保持する保持具よりも光出射開口側に突出しない範囲で前記光学部材を押さえることを特徴とする請求項1に記載の擬似太陽光照射装置。 - 前記面押さえ具は、前記光学部材に接する面に、滑り性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の擬似太陽光照射装置。
- 前記光学部材と前記ベース板との間に光学フィルムを挟持したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の擬似太陽光照射装置。
- 前記光学フィルムは、エンボス形状を有する拡散面を前記ベース板側に向けて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の擬似太陽光照射装置。
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