JP6034700B2 - 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム - Google Patents

形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6034700B2
JP6034700B2 JP2013001549A JP2013001549A JP6034700B2 JP 6034700 B2 JP6034700 B2 JP 6034700B2 JP 2013001549 A JP2013001549 A JP 2013001549A JP 2013001549 A JP2013001549 A JP 2013001549A JP 6034700 B2 JP6034700 B2 JP 6034700B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calculation element
calculation
determination
straight line
species
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013001549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014135339A (ja
Inventor
川 尚 志 市
川 尚 志 市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2013001549A priority Critical patent/JP6034700B2/ja
Priority to US14/020,667 priority patent/US20140195211A1/en
Publication of JP2014135339A publication Critical patent/JP2014135339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6034700B2 publication Critical patent/JP6034700B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
    • G06F30/23Design optimisation, verification or simulation using finite element methods [FEM] or finite difference methods [FDM]
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2111/00Details relating to CAD techniques
    • G06F2111/10Numerical modelling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明の実施形態は、形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラムに関する。
CVD(Chemical Vapor Deposition)やRIE(Reactive Ion Etching)等による物質の表面の加工において、加工形状のシミュレーションは重要な技術となっている。このシミュレーションでは、物質の表面を複数の計算要素に分割し、各計算要素に到達する反応種のフラックスや、物質の局所的な表面成長速度を算出することが一般的である。しかしながら、フラックスや表面成長速度をすべての表面にて矛盾なく計算するには長い計算時間が必要となる。理由は、計算時間が計算要素の個数の2乗のオーダーで増えていくためである。また、反応種は、直進性が強く、異方的に入射するイオン種と、直進性が弱く、等方的に入射する中性種とに分類されるが、従来のシミュレーションはこれらの反応種の違いを考慮せずに行われているため、計算の無駄や誤差が生じている。
反応種の特性を考慮することで形状シミュレーションを高速化および高精度化することが可能な形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラムを提供する。
一の実施形態による形状シミュレーション装置は、物質の表面を複数の計算要素に分割する分割部を備える。さらに、前記装置は、各計算要素から複数の方向に直線を伸ばし、各直線が前記物質の表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定する判定部を備える。さらに、前記装置は、前記判定の結果に基づいて、各計算要素に直接的に到達する反応種のフラックスである直接フラックスと、前記計算要素同士の位置関係を示す形態係数とを計算する計算部を備える。さらに、前記判定部は、各計算要素に到達したイオン種が反射する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記イオン種の反射方向のカットオフ角度を設定し、前記直線を伸ばす方向を前記カットオフ角度の範囲内に制限して前記判定を行う。さらに、前記判定部は、前記複数の計算要素のうちの第1の計算要素からの直線が第2の計算要素にぶつかった場合には、前記第1の計算要素からの直線が前記第2の計算要素の周囲の第3の計算要素にぶつかるか否かと、前記第3の計算要素が前記第1の計算要素の前記カットオフ角度の範囲内に位置するか否かとを判定する。さらに、前記判定部は、前記第3の計算要素として、前記第2の計算要素に直接的に隣接する計算要素と、前記第2の計算要素に、肯定の判定結果が得られた計算要素を介して間接的に隣接する計算要素とを選択し、選択可能な前記第3の計算要素がなくなるまで前記判定を繰り返す。
第1実施形態の形状シミュレーション方法の手順を示したフローチャート図である。 第1実施形態における物質の初期構造の例を示す斜視図である。 レベルセット関数について説明するための模式図である。 図1のステップS3の詳細を示したフローチャート図である。 物質表面を複数の計算要素に分割した様子を示した模式図である。 イオン種と中性種の直進性の違いについて説明するための模式図である。 イオン種の反射方向のカットオフ角度について説明するための図である。 図4のステップS12、S13の詳細を示したフローチャート図である。 ローカル座標系について説明するための図である。 可視判定値について説明するための模式図である。 可視係数について説明するための模式図である。 入射角度θinについて説明するための模式図である。 鏡面境界条件について説明するための模式図である。 周期境界条件について説明するための模式図である。 2次元における計算要素可視判定値について説明するための模式図である。 3次元における計算要素可視判定値について説明するための模式図である。 図4のステップS14の詳細を示したフローチャート図である。 図17の処理を説明するための模式図である。 図17の処理を説明するための模式図である。 図17の処理を説明するための模式図である。 比較例における計算時間の例を示したグラフである。 第1実施形態における計算時間の例を示したグラフである。 第1実施形態と比較例の計算時間を比較したグラフである。 第1実施形態と比較例におけるθ分割数と計算誤差との関係を示したグラフである。 イオン種のみを取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を比較したグラフである。 イオン種と中性種を取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を比較したグラフである。 イオン種のみを取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を項目別にに比較したグラフである。 イオン種と中性種を取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を項目別に比較したグラフである。 第2実施形態の形状シミュレーション装置の構成を示す外観図である。 図29の制御部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。これらの図面では、同一または類似の構成要素に同一の符号を付しており、重複する説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の形状シミュレーション方法の手順を示したフローチャート図である。本実施形態の形状シミュレーション方法は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置を使用して行われる。
本実施形態の形状シミュレーション方法ではまず、物質の初期構造を情報処理装置に入力する(ステップS1)。図2は、第1実施形態における物質の初期構造の例を示す斜視図である。図2に示す初期構造は、シリコン基板1と、シリコン基板1上に順に形成されたシリコン窒化膜2およびシリコン酸化膜3と、シリコン窒化膜2とシリコン酸化膜3とを貫通する複数の貫通孔4を含んでいる。初期構造の入力方法の例としては様々なフォーマットが考えられるが、本実施形態では、物質の表面の形状を点列で表現し、情報処理装置がこれを読み取る方法を用いている。
次に、入力された初期構造から、初期レベルセット関数を作成する(ステップS2)。図3は、レベルセット関数について説明するための模式図である。レベルセット関数ψは、物質の表面からの距離dを用いて定義される関数であり、計算領域内のメッシュごとに値を有する。レベルセット関数ψの値は、物質の表面において0と定義される(ψ=0)。また、物質の外部(真空中)ではψ>0であり、物質の内部(物質中)ではψ<0である。初期レベルセット関数を作成する際には、各メッシュ点から最近接となる表面を探し、その距離dを計算し、メッシュ点が真空中であればその符号を正とし、物質中であればその符号を負とする。なお、初期レベルセット関数は、ステップS2で作成する代わりに、ステップS1で入力してもよい。
次に、物質の局所的な表面成長速度Fを計算する(ステップS3)。ここで、表面の成長とは、表面への堆積だけでなく、表面のエッチングも含むものとする。なお、表面成長速度Fの計算は、タイムステップごとに行う必要はない。また、本実施形態では、後述するように、物質の表面におけるフラックス(総フラックス)から表面成長速度Fを計算し、表面成長速度Fからレベルセット関数を計算するが、代わりにフラックスからレベルセット関数を計算し、表面成長速度Fの計算は省略してもよい。
次に、表面成長速度Fを用いて、時間Δt経過後のレベルセット関数を計算する(ステップS4)。時間tにおけるレベルセット関数ψtは、以下の式(1)から計算できる。
Figure 0006034700
ただし、∇はベクトル微分演算子を表し、|∇ψt|は∇ψtのノルムを表す。時間Δt経過後のレベルセット関数は、式(1)を離散化した式に従い、レベルセット関数を時間発展させることで計算可能である。なお、本実施形態では、表面形状を時間発展させる代わりに、ある表面形状における表面成長速度Fやフラックスを計算してもよい。これは、後述するステップS5を1ステップ目でYesと判定する場合に相当する。
次に、予め設定したプロセス時間が経過したか否かを判定する(ステップS5)。プロセス時間が終了した場合には、物質の最終形状を出力し(ステップS6)、計算終了となる。プロセス時間が終了していない場合には、ステップS3に戻る。
なお、本実施形態では、形状表現の手法としてレベルセット法を用いているが、レベルセット法以外のセル法やストリング法などの手法を用いてもよい。
(1)ステップS3の詳細
次に、図4を参照し、ステップS3の詳細について説明する。
図4は、図1のステップS3の詳細を示したフローチャート図である。
まず、レベルセット法で表された物質表面を、複数の計算要素に分割する(ステップS11)。図5は、物質表面を複数の計算要素に分割した様子を示した模式図である。図5の例では、物質表面がメッシュごとに分割されている。その結果、1つのメッシュ内の物質表面が、1つの計算要素となっている。ステップS11の処理を行うブロックは、本開示の分割部の例である。
なお、物質表面の分割方法は、メッシュ単位に限られるものではなく、どのような方法を採用してもよい。また、物質表面の分割は、タイムステップごとに行う必要はなく、例えばステップS1の直後に行ってもよい。
また、図5に示す計算領域は、2次元領域となっているが、代わりに3次元領域としてもよい。また、図5に示す各計算要素の形状は、線分となっているが、代わりに点や多角形などとしてもよい。
図5は、第1の計算要素aと、第2の計算要素Bを示している。計算要素Bに到達する反応種のフラックスを計算する際には、気層から計算要素Bに直接的に到達する反応種のフラックスと、気層から任意の計算要素aを介して計算要素Bに間接的に到達する反応種のフラックスの両方を考慮するのが一般的である。前者のフラックスを直接フラックスと呼び、後者のフラックスを間接フラックスと呼ぶ。また、これらの合計を、総フラックスと呼ぶ。なお、反応種の例としては、堆積種やエッチング種などが挙げられる。
また、反応種は、直進性が強く、異方的に入射するイオン種と、直進性が弱く、等方的に入射する中性種とに分類される。図6は、イオン種と中性種の直進性の違いについて説明するための模式図である。
図6は、計算要素aに入射したイオン種が反射する様子を示している。図6に示すように、イオン種は直進性が強く、全方向に反射される訳ではないため、イオン種の間接フラックスを計算する際には、イオン種の反射方向のカットオフ角度を設定し、カットオフ角度の範囲外への反射を無視することが望ましい。これにより、本実施形態では、計算の無駄を減らして計算時間を短縮することや、無駄な計算の代わりに有用な計算に時間を割いて計算誤差を低減することができ、形状シミュレーションを高速化および高精度化することが可能となる。
図7は、イオン種の反射方向のカットオフ角度について説明するための図である。符号Ein、θinはそれぞれ、垂直入射したイオン種の入射方向と入射角度を示し、符号Eout、θoutはそれぞれ、垂直入射したイオン種を鏡面反射させた場合の反射方向と反射角度を示す。入射角度θinと反射角度θoutとの間には、θin=θoutの関係が成り立つ。
本実施形態では、図7に示すように、反射方向Eoutを中心にカットオフ角度θcutを設定し、カットオフ角度θcutの範囲外へはイオン種は反射しないと想定する。なお、カットオフ角度θcutを使用した形状シミュレーションの詳細については、後述する。
以下、計算要素Bにおける中性種の総フラックスΓB,neとイオン種の総フラックスΓB,ionについて説明する。
計算要素Bにおける中性種の総フラックスΓB,neは、以下の式(2)のように、計算要素Bにおける中性種の直接フラックスΓB,ne-directと、任意の計算要素aからの中性種の間接フラックスΓaB,ne-indirectの合計との和で表される。
Figure 0006034700
同様に、計算要素Bにおけるイオン種の総フラックスΓB,ionは、以下の式(3)のように、計算要素Bにおけるイオン種の直接フラックスΓB,ion-directと、任意の計算要素aからのイオン種の間接フラックスΓaB,ion-indirectの合計との和で表される。
Figure 0006034700
ここで、間接フラックスΓaB,ne-indirect、ΓaB,ion-indirectは、例えば以下の式(4)、式(5)で表すことができる。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
aa,iona,ne)は、計算要素aで吸収される中性種フラックスの割合を示す付着確率を表す。Raa,iona,ne)は、計算要素aで反射されるイオン種フラックスの割合を示す反射確率を表す。Paa,iona,ne)は、計算要素aでイオン種フラックスによるスパッタにより物質表面が削れて中性種フラックスが発生する割合を示すスパッタ確率を表す。Saa,iona,ne)、Raa,iona,ne)、Paa,iona,ne)の値は、計算要素aにおけるイオン種総フラックスΓa,ionと中性種総フラックスΓa,neに依存する。
また、ν(a,B)は、計算要素aと計算要素Bが互いに見えるか否かを示す可視係数(面間可視係数)を表す。計算要素a、Bを結ぶ直線が、計算要素a、B間において物質表面とぶつかる場合には、ν=0となり、ぶつからない場合にはν=1となる。
また、g(a,B)は、計算要素aと計算要素Bとの位置関係(面関係)を示す形態係数を表す。g(a,B)の値は、計算要素a、Bの互いの見えやすさの程度を示している。g(a,B)の値は、計算要素a、B間の距離や角度などに依存する。
形態係数gは、イオン種の反射やイオン種によるスパッタを取り扱う場合、イオン種の直進性や散乱にも依存する。そこで、本実施形態では、形態係数gの他に、イオン種の反射用の形態係数(反射形態係数)gionRと、イオン種によるスパッタ用の形態係数(スパッタ形態係数)gionSとを導入する。
ionR(a,B)は、計算要素aに到達したイオン種が反射する場合における、計算要素aと計算要素Bとの間の形態係数を表す。gionS(a,B)は、計算要素aに到達したイオン種によるスパッタにより中性種が発生する場合における、計算要素aと計算要素Bとの間の形態係数を表す。一方、g(a,B)は、計算要素aに到達した中性種が計算要素aから再度飛散する場合等における、計算要素aと計算要素Bとの間の形態係数を表している。中性種が再度飛散する場合の例としては、吸収された中性種が放出される場合や、中性種が反射する場合などが挙げられる。
式(2)、式(3)にそれぞれ式(4)、式(5)を代入すると、計算要素Bにおける総フラックスΓa,ion、Γa,neはそれぞれ、以下の式(6)、式(7)で表すことができる。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
図4のフローでは次に、任意の計算要素における直接フラックスΓB,ne-direct、ΓB,ion-directや、任意の計算要素間における可視係数ν、形態係数g、反射形態係数gionR、スパッタ形態係数gionSを計算する(ステップS12〜S14)。
次に、各計算要素iの直接フラックスΓi,ne-direct、Γi,ion-directをそれぞれ仮の総フラックスΓi,ne、Γi,ionとして使用し、各計算要素iにおける付着確率Sii,ioni,ne)、反射確率Rii,ioni,ne)、スパッタ確率Pii,ioni,ne)を計算する(ステップS15)。
次に、可視係数ν、形態係数g、gionR、gionS、直接フラックスΓi,ne-direct、Γi,ion-direct、付着確率Sii,ioni,ne)、反射確率Rii,ioni,ne)、スパッタ確率Pii,ioni,ne)を用いて、以下の式(8)、式(9)から、各計算要素iにおける総フラックスΓi,ion、Γi,neを計算する(ステップS16)。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
次に、ステップS15とステップS16の処理を、付着確率Sii,ioni,ne)、反射確率Rii,ioni,ne)、スパッタ確率Pii,ioni,ne)の値が収束するまで繰り返す(ステップS17)。なお、2回目以降のステップS15では、前回のステップS16で計算した総フラックスΓi,ion、Γi,neを、仮の総フラックスΓi,ion、Γi,neとして使用する。また、ステップS17では、Sii,ioni,ne)、Rii,ioni,ne)、Pii,ioni,ne)の値が収束したか否かを、Sii,ioni,ne)、Rii,ioni,ne)、Pii,ioni,ne)の変化が閾値以下になったか否かで判定する。そして、これらの確率Sii,ioni,ne)、Rii,ioni,ne)、Pii,ioni,ne)の値が収束した際の総フラックスΓi,ion、Γi,neを、総フラックスΓi,ion、Γi,neの正しい計算結果として取り扱う。
なお、計算要素の個数をNとする場合、任意の計算要素間における可視係数νや形態係数g、gionR、gionSは、まとめてN×N行列で表すことができる。行列の形で表された可視係数ν、形態係数g、gionR、gionSを、それぞれ可視係数行列、形態係数行列と呼ぶ。また、任意の計算要素におけるフラックスは、まとめてN行ベクトルで表すことができる。ベクトルの形で表されたフラックスを、フラックスベクトルと呼ぶ。
この場合、式(8)は、以下の式(10)のように行列方程式で表現することができる。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
Figure 0006034700
Figure 0006034700
ただし、I、Jは処理対象の計算要素の個数を表し、例えばI=J=Nである。また、式(13)では、表記スペースの都合上、付着確率Sjj,ionj,ne)をSjj)と略記すると共に、スパッタ確率Pii,ioni,ne)を含む項の記載を省略している。
行列方程式(10)は、どのような解法で解いてもよい。解法の例としては、反復法(ガウスザイデル法、SOR法、ヤコビ法、共役勾配法など)や、直接法(ガウスの消去法、LU分解法、コレスキー分解法など)が挙げられる。行列方程式(10)を解く際に、行列Aneが疎行列である場合には、CRSなどの保存方法を用いた上で疎行列に適したルーチンを使用することで、計算処理の省メモリ化や高速化を図ってもよい。
なお、式(9)も、式(8)と同様に行列方程式で表現可能である。本実施形態では、これら2つの行列方程式を上記の解法で解くことができる。
図4のフローでは次に、総フラックスΓi,ion、Γi,neから、各計算要素iにおける局所的な表面成長速度Fiを計算する(ステップS18)。例えば、K種類の反応種を使用する場合においては、表面成長速度Fiは、K個の局所的な総フラックスΓ1,i〜ΓK,iに依存した以下の式(14)のような形でモデリングされる。
Figure 0006034700
ただし、kは1≦k≦Kを満たす任意の実数である。なお、K種類の反応種は、中性種とイオン種のいずれか一方のみを含んでいてもよいし、中性種とイオン種の両方を含んでいてもよい。以上のようにして、ステップS3の処理が終了する。
(2)ステップS12、S13の詳細
次に、図8を参照し、ステップS12、S13の詳細について説明する。
ステップS12、S13では、中性種の直接フラックスΓB,ne-direct、イオン種の直接フラックスΓB,ion-direct、可視係数ν、および形態係数gを計算する。この際、中性種の直接フラックスΓB,ne-directと、イオン種の直接フラックスΓB,ion-directは、同じ方法で計算される。そこで、以下の説明では、中性種の直接フラックスΓB,ne-direct、可視係数ν、および形態係数gの計算方法について説明し、イオン種の直接フラックスΓB,ion-directの計算方法の説明は省略する。また、中性種の直接フラックスΓB,ne-directは、説明の便宜上、単に直接フラックスΓB,directと表記する。
図8は、図4のステップS12、S13の詳細を示したフローチャート図である。
図8のフローでは、各計算要素に固有のローカル座標系を使用する。図9は、ローカル座標系について説明するための図である。図9(a)は、各計算要素の法線ベクトルを示し、図9(b)は、各計算要素におけるローカル座標系を示す。図9(b)に示すように、ローカル座標系の直交座標(xlocal,ylocal,zlocal)は、+zlocal方向が法線ベクトル方向と一致するように定められる。また、ローカル座標系の極座標(rlocallocallocal)は、極角θlocalが動径rlocalと+zlocal方向との間の角度となり、偏角φlocalが動径rlocalと+xlocal方向との間の角度となるように定められる。
計算要素Bにおける直接フラックスΓB,directは、以下の式(15)により計算することができる。
Figure 0006034700
ただし、η(θlocallocal)は、計算要素Bからθlocallocalの方向に直線を伸ばした場合の可視判定の結果を示しており、可視判定値と呼ぶことにする。図10は、可視判定値ηについて説明するための模式図である。図10に示すように、上記直線が物質表面とぶつかる場合には、η=0となり、ぶつからない場合にはη=1となる。なお、図10に示すように、物質表面の片側の方向にだけ直線を伸ばす場合には、式(15)におけるθlocalの積分範囲は、0からπではなく、0からπ/2にしてもよい。
可視判定値ηと可視係数νとの違いについては、図11を参照されたい。図11は、可視係数νについて説明するための模式図である。ν(a,B)は、計算要素aと計算要素Bが互いに見えるか否かを示す。計算要素a、Bを結ぶ直線が、計算要素a、B間において物質表面とぶつかる場合には、ν=0となり、ぶつからない場合にはν=1となる。前者の例としては計算要素dを、後者の例としては計算要素cを参照されたい。
また、fflatは、平坦面での直接フラックスを示し、入力値として事前に与えられる。さらに、Normは、以下の式(16)で与えられる規格化定数を示す。さらに、f(θlocal)は、直接フラックスの面積素片の係数を示し、例えば以下の式(17)で与えられる。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
ただし、θinは、図12に示すような入射角度である。図12は、入射角度θinについて説明するための模式図である。入射角度θinは、法線ベクトル方向とθlocallocalの方向との間の角度に相当する。よって、ローカル座標系(rlocallocallocal)を用いる場合には、θin=θlocalが成り立つ。
以下、図8のフローについて具体的に説明する。
まず、極角θlocalの数列θlocal(m)の値(m=0、1、…、M−1)と、偏角φlocalの数列φlocal(o)の値(o=0、1、…、O−1)とを計算する(ステップS21)。これは、0からπまでの極角θlocalの範囲をM個の領域に分割し、0から2πまでの偏角φlocalの範囲をO個の領域に分割することに相当する。後述するように、式(15)の積分計算は、これらの数列θlocal(m),φlocal(o)を用いて離散化される。
式(15)の直接フラックスΓB,directの計算に、式(17)に示す面積素片係数を使用する場合には、例えば、以下の式(18)、式(19)のような数列θlocal(m),φlocal(o)を用意する。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
ここで、数列∂(m)は、以下の式(20)で与えられる。
Figure 0006034700
式(18)のθlocal(m)は、f(θlocal)|sinθlocal|をθlocal=0からθlocal=θlocal(m)まで積分した場合に、積分結果が∂(m)となる角度を表す。この定義から式(21)の関係が成り立ち、式(21)から式(22)が導出され、式(22)を変形することで式(18)が得られる。
Figure 0006034700
Figure 0006034700
以上のように、ステップS21では、0からπまでの極角θlocalの範囲を非等間隔に分割し、0から2πまでの偏角φlocalの範囲を等間隔に分割する。なお、本実施形態では、極角θlocalの範囲だけでなく、偏角φlocalの範囲も非等間隔に分割してもよい。また、極角θlocalの積分範囲を0からπ/2とする場合には、0からπまでではなく、0からπ/2までの極角θlocalの範囲をM個の領域に分割するようにしてもよい。
次に、各計算要素aから複数の方向に直線を伸ばし、各直線が物質表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定する(ステップS24)。計算要素aから直線を伸ばす方向は、計算要素aにおける数列θlocal(m),φlocal(o)により決定する。すなわち、ステップS24では、計算要素aからθlocal(m),φlocal(o)の方向に直線を伸ばす。よって、各計算要素aからは、M×O本の直線を伸ばすこととなる。ステップS24の処理は、N個の計算要素aの各々について行われる。ステップS24の処理を行うブロックは、本開示の判定部の例である。
なお、ステップS24では、鏡面境界条件や周期境界条件を考慮して可視判定を行ってもよい。図13、図14はそれぞれ、鏡面境界条件、周期境界条件について説明するための模式図である。このような判定を行っておくと、境界条件を取り込んだフラックス計算をローコストで行うことが可能となる。
以上のように、ステップS24では、複数の計算要素aからの各直線が、物質表面にぶつかるか否かと、どの計算要素にぶつかるかとを判定する。物質表面にぶつかった直線に関しては、ステップS25の処理を行い、物質表面にぶつからなかった直線に関しては、ステップS26の処理を行う。
ステップS25では、ある計算要素aからのいずれかの直線が計算要素Bにぶつかった場合には、その計算要素aを、計算要素Bの可視計算要素としてカウントする。一方、ある計算要素aからのいずれの直線も計算要素Bにぶつからなかった場合には、その計算要素aは、計算要素Bの可視計算要素としてカウントしない。このような処理をすべての計算要素aについて行うことで、計算要素Bから見ることのできるすべての計算要素aを特定することができる。なお、この処理は、計算要素Bのみに限らず、N個のすべての計算要素について同様に行う。
一方、ステップS26では、ある計算要素aからのある直線が物質表面にぶつからなかった場合(すなわち、気層に到達した場合)には、その直線の方向を、計算要素aの気層可視方向としてカウントする。このような処理をすべての直線について行うことで、気層から各計算要素aに直接的に反応種が到達する方向をすべて特定することができる。この特定結果は、直接フラックスの計算に利用することができる。例えば、計算要素Bにおける直接フラックスの計算には、計算要素Bについての気層可視方向のカウント結果が利用される。
図8のフローでは次に、ステップS26のカウント結果を利用して、計算要素Bにおける直接フラックスΓB,directを計算する(ステップS28)。直接フラックスΓB,directは、数列θlocal(m),φlocal(o)により式(15)を離散化することで、以下の式(23)のように表される。
Figure 0006034700
ただし、θBlocal(m),φBlocal(o)は、計算要素Bにおける数列θlocal(m),φlocal(o)を表す。式(23)のη(θBlocalBlocal)は、計算要素Bの気層可視方向ではη=1となり、その他の方向ではη=0となる。よって、式(23)は、ステップS26でカウントされた計算要素Bの気層可視方向を利用することで計算することができる。
図8のフローでは次に、ステップS25のカウント結果を利用して、計算要素a、B間の可視係数ν(a,B)と形態係数g(a,B)を計算する(ステップS29)。形態係数g(a,B)は、数列θBlocal(m),φBlocal(o)により以下の式(24)のように表すことができる。
Figure 0006034700
ただし、κ(θBlocalBlocal,a)は、計算要素BからθBlocalBlocalの方向に計算要素aが見えるか否かの可視判定の結果を示しており、計算要素可視判定値と呼ぶことにする。計算要素BからθBlocalBlocalの方向に計算要素aが見える場合にはκ(θBlocalBlocal,a)=1となり、見えない場合にはκ(θBlocalBlocal,a)=0となる。よって、式(24)は、ステップS25にて計算要素aが計算要素Bの可視計算要素としてカウントされたか否かを参酌することで計算することができる。
計算要素可視判定値κを2次元、3次元で計算する例を、それぞれ図15、図16に示す。図15、図16はそれぞれ、2次元、3次元における計算要素可視判定値κについて説明するための模式図である。
なお、可視係数ν(a,B)は、式(24)によるg(a,B)の計算結果から算出することができる。具体的には、g(a,B)=0の場合にはν(a,B)=0となり、g(a,B)>0の場合にはν(a,B)=1となる。
以上のように、ステップS28、S29では、ステップS24における判定の結果に基づいて、直接フラックスΓB,direct、可視係数ν(a,B)、および形態係数g(a,B)を計算する。ステップS28、S29の処理を行うブロックは、本開示の計算部の例である。なお、ステップS28では、中性種の直接フラックスΓB,ne-directと、イオン種の直接フラックスΓB,ion-directの両方が算出される。
図8のフローによるΓB,ne-direct、ΓB,ion-direct、ν(a,B)、g(a,B)の計算結果は、図1や図4のフローにおいて、総フラックスΓB,ion、ΓB,ne、表面成長速度Fi、レベルセット関数ψtなどの計算に用いられる。これらを計算するブロックも、本開示の計算部の例である。
(3)ステップS14の詳細
次に、図17を参照し、ステップS14の詳細について説明する。
図17は、図4のステップS14の詳細を示したフローチャート図である。また、図18〜図20は、図17の処理を説明するための模式図である。
ステップS14では、イオン種の反射を取り扱うための反射形態係数gionRと、イオン種によるスパッタに起因する中性種の発生を取り扱うためのスパッタ形態係数gionSとを計算する。これらの形態係数gionR、gionSの計算方法は、図8における形態係数gの計算方法と概ね同じであるが、以下の2点において形態係数gの計算方法と異なっている。
第1に、形態係数gionR、gionSを計算する際には、図8のステップS24において、直線を伸ばす方向のカットオフを行う(図19参照)。
図6、図7を参照して説明したように、イオン種は直進性が強く、全方向に反射される訳ではない。そこで、反射形態係数gionRの計算用にステップS24を行う際には、イオン種の反射方向のカットオフ角度θcut(図6、図7参照)を設定し、直線を伸ばす方向をカットオフ角度θcutの範囲内に制限する。
また、イオン種の反射と同様に、イオン種によるスパッタに起因する中性種の発生も異方性が強いことが知られている。そこで、スパッタ形態係数gionSの計算用にステップS24を行う際には、反射形態係数gionRの場合と同様に、中性種の発生方向のカットオフ角度を設定し、直線を伸ばす方向をカットオフ角度の範囲内に制限する。
なお、スパッタ形態係数gionS用のカットオフ角度は、反射形態係数gionR用のカットオフ角度と同じ値に設定してもよいし、反射形態係数gionR用のカットオフ角度とは異なる値に設定してもよい。
図19では、計算要素aから直線を伸ばす方向が、カットオフ角度の範囲内に制限されている。その結果、直線がぶつかった計算要素B1〜B5は、いずれもカットオフ角度の範囲内に位置している。なお、直線を伸ばす方向は、カットオフ角度以下に制限してもよいし、カットオフ角度未満に制限してもよい。
カットオフ角度θcutは、様々な定義をすることが可能である。例えば、イオン種の入射角度分布を、以下の式(25)のように定義する場合を想定する。
Figure 0006034700
式(25)は、式(15)に式(17)を代入したものに等しいことに留意されたい。
式(25)を用いる場合、カットオフ角度θcutは、式(25)における積分対象の式の値が小さくなる方向θlocal、φlocalをカットオフするように設定することが望ましい。この場合、この積分対象の式が計算要素数(計算要素の個数)Nに依存しているため、カットオフ角度θcutも、以下の式(26)のように、計算要素数Nに依存するように設定される。
Figure 0006034700
式(26)において、カットオフ角度θcutは、計算要素数Nの関数であり、計算要素数Nに依存している。この場合には、例えば、N=10のときにはθcut=30度、N=100のときにはθcut=10度、N=1000のときにはθcut=3度のように、カットオフ角度θcutが計算要素数Nに応じて変化することとなる。
第2に、形態係数gionR、gionSを計算する際に、計算要素aからの直線が計算要素Bにぶつかった場合には、計算要素Bの周囲の計算要素C、C’についてもステップS24の処理を行う(図18、図20参照)。計算要素Cは、計算要素Bに直接的に隣接する計算要素であり、計算要素C’は、計算要素Bに計算要素Cを介して間接的に隣接する計算要素である。計算要素a、計算要素B、計算要素C、C’はそれぞれ、本開示の第1、第2、第3の計算要素の例である。
具体的にはまず、計算要素aから、計算要素Bに直接的に隣接する計算要素Cに向けて新たな直線を伸ばし、この直線が他の計算要素を介さずに計算要素Cにぶつかるか否かを判定する。また、計算要素Cが、計算要素aのカットオフ角度θcutの範囲内に位置するか否かも判定する。これにより、計算要素Cについても、計算要素Bと同様にステップS24の判定処理が行われたこととなる。
また、計算要素aからの直線が計算要素Cにぶつかり、かつ、計算要素Cが計算要素aのカットオフ角度θcutの範囲内に位置する場合(すなわち、計算要素Cについて肯定の判定結果が得られた場合)には、計算要素Cに直接的に隣接する計算要素C’についてもステップS24の処理を行う。
本実施形態では、このような処理を、判定対象の計算要素がなくなるまで繰り返す。すなわち、本実施形態では、第3の計算要素として、第2の計算要素Bに直接的に隣接する計算要素と、第2の計算要素Bに、肯定の判定結果が得られた計算要素を介して間接的に隣接する計算要素とを選択し、選択可能な第3の計算要素がなくなるまで判定処理を繰り返す。
図20では、図19の計算要素B1〜B5に加え、計算要素C1〜C12についてもステップS24の処理が行われている。計算要素aからの直線は、計算要素C1〜C5、C8、C10、C11にぶつかるが、そのうち、計算要素C1はカットオフ角度の範囲外に位置しており、形態係数gionR、gionSの計算から除外される。また、計算要素C6、C7、C9、C12は、計算要素aから見て他の計算要素の背後にあるため、計算要素aからの直線がぶつからず、形態係数gionR、gionSの計算から除外される。
なお、形態係数gionR、gionSの計算時には図20の処理が行われるため、形態係数gの計算時よりステップS21の分割数(直線を伸ばす本数)M×Oを減らしても、十分な計算精度を得ることが可能である。これにより、本実施形態では、形態係数gionR、gionSの計算時におけるステップS24の計算時間を、形態係数gの計算時よりも短縮することが可能となる。また、本実施形態では、形態係数gionR、gionSの計算時に、図20の処理により計算要素Bだけでなく計算要素Bの周囲の計算要素でも判定処理を行うことで、判定処理をより細かく行い、計算誤差を低減することが可能となる。
図17および図18は、図20の処理の詳細を示している。以下、図17および図18を参照し、図20の処理の詳細について説明する。図17および図18は、図20の処理をシード・フィルアルゴリズムを用いて実行する一例を示している。
図17のステップS31〜S33では、計算要素aからカットオフ角度の範囲内の複数の方向に直線を伸ばし、各直線がどの計算要素にぶつかるかを判定している。すなわち、ステップS31〜S33は、図8のステップS21〜S24に相当している。
ステップS33では、計算要素aからの直線が計算要素Bにぶつかるか否かを判定している。この処理の様子を、図18(a)に示す。図18(a)の四角形は、計算要素Bとその周囲の計算要素を示す。各四角形内の数値は、各計算要素に立てられたフラグを示す。
フラグ「0」は、初期値に相当する。また、フラグ「1」が立てられた計算要素は、計算要素aからの直線がその計算要素にぶつかり、かつ、その計算要素がカットオフ角度の範囲内に位置することを意味する。また、フラグ「2」が立てられた計算要素は、計算要素aからの直線がその計算要素にぶつからないか、その計算要素がカットオフ角度の範囲外に位置することを意味する。
計算要素aからの直線が計算要素Bにぶつかった場合には、計算要素Bにフラグ「1」が立てられる(ステップS35)。一方、計算要素aからの直線が計算要素Bにぶつからなかった場合には、計算要素Bにフラグ「2」が立てられる(ステップS40)。図8(a)は、計算要素Bにフラグ「1」が立てられた様子を示している。
なお、ステップS34では、計算要素Bが計算要素aのカットオフ角度の範囲内に位置するか否かを判定している。しかしながら、ステップS31〜S32ではカットオフ角度の範囲内の方向のみに直線を伸ばすため、計算要素Bは原則的にカットオフ角度の範囲内に位置している。このステップS34は、後に計算要素Bの周囲の計算要素についてカットオフ判定を行う際に意味が出てくる。なお、図17に示すXmax、Ymax、Xmin、Yminはそれぞれ、計算要素Bの最大X座標、最大Y座標、最小X座標、最小Y座標を示す。
計算要素aからの直線が計算要素Bにぶつかった場合には、図18(a)に示すように、計算要素Bに直接的に隣接する各計算要素Cについても、計算要素Bと同様の処理を行う(ステップS36〜S39)。
具体的には、計算要素aから計算要素Cに向けて新たな直線を伸ばし、この直線が計算要素Cにぶつかるか否かを判定する(ステップS33)。また、計算要素Cが、計算要素aのカットオフ角度の範囲内に位置するか否かも判定する(ステップS34)。
そして、計算要素aからの直線がある計算要素Cにぶつかり、かつ、その計算要素Cがカットオフ角度の範囲内に位置する場合には、その計算要素Cにフラグ「1」が立てられる(ステップS35)。一方、計算要素aからの直線がその計算要素Cにぶつからなかった場合や、その計算要素Cがカットオフ角度の範囲外に位置する場合には、その計算要素Cにフラグ「2」が立てられる(ステップS40)。図8(b)は、各計算要素Cにフラグ「1」または「2」が立てられた様子を示している。
ある計算要素Cにフラグ「1」が立てられた場合には、図18(c)に示すように、その計算要素Cに直接的に隣接する各計算要素C’についても、計算要素Bと同様の処理を行う(ステップS36〜S39)。ただし、すでにフラグ「1」または「2」が立っている計算要素C’については、この処理は不要である。
本実施形態では、ステップS36〜S39の処理を、判定対象の計算要素がなくなるまで繰り返す。具体的には、図18(d)に示すように、フラグ「1」が立っている計算要素が、フラグ「2」が立っている計算要素に囲まれた状態になるまで、ステップS36〜S39の処理が繰り返される。
図18(d)の符号Rは、フラグ「1」が立っている計算要素からなる領域を示す。本実施形態では、この領域R内に含まれる計算要素を、計算要素aからの直線がぶつかり、かつ、計算要素aのカットオフ角度の範囲内に位置する計算要素としてカウントする。
なお、本実施形態では、ステップS12〜S14において、各計算要素に固有のローカル座標系を使用したが、代わりに、すべての計算要素に共通のグローバル座標系を使用してもよい。
(4)第1実施形態における計算時間と計算誤差
次に、以上の説明を踏まえて、第1実施形態における計算時間と計算誤差について説明する。
従来の方法では、任意の計算要素Bの直接フラックスΓB,ne-direct、ΓB,ion-directを計算するのに、計算要素数Nに比例する時間がかかる。理由は、計算要素Bに関するループ計算をN回繰り返し行うからである。また、従来の方法では、任意の計算要素a、B間の可視係数ν(a,B)や形態係数g(a,B)、gionR(a,B)、gionS(a,B)を計算するのに、N2に比例する時間がかかる。理由は、計算要素aに関するループ計算と計算要素Bに関するループ計算を、それぞれN回繰り返し行うからである。可視係数や形態係数の計算時間は、鏡面境界条件や周期境界条件を採用するとさらに長くなる。よって、従来の方法における計算時間の多くは、可視係数や形態係数の計算に費やされる。
一方、本実施形態では、図8や図17に示すように、各計算要素aから複数の方向に直線を伸ばし、各直線が物質表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定し、この判定結果に基づいて直接フラックス、可視係数、形態係数を計算する。そのため、可視係数と形態係数が、直接フラックスと同様に、計算要素aに関するループ計算をN回繰り返すことで計算される(ステップS22、S30を参照)。よって、本実施形態によれば、直接フラックス、可視係数、形態係数の計算時間を、計算要素数Nに比例する時間に抑えることができる。
また、本実施形態では、イオン種と中性種の特性の違いを考慮し、反射形態係数gionRやスパッタ形態係数gionSの計算用にステップS24の判定処理を行う際には、イオン種の反射方向や、イオン種によるスパッタに起因する中性種の発生方向のカットオフ角度を設定し、直線を伸ばす方向をカットオフ角度の範囲内に制限する。さらに、本実施形態では、上記の判定処理を、これらの直線がぶつかった計算要素の周囲の計算要素についても繰り返し適用する。よって、本実施形態によれば、計算の無駄を減らすことで計算時間を短縮することや、無駄な計算の代わりに有用な計算に時間を割くことで計算誤差を低減することが可能となる。なお、中性種の発生量が少ないなど、中性種の発生を無視できる場合には、式(4)におけるスパッタ形態係数gionSを含む項を無視して形状シミュレーションを行ってもよい。
また、本実施形態によるg、gionR、gionSの計算によれば、N2回のループ計算でg、gionR、gionSを計算する従来の方法に比べて、g行列、gionR行列、gionS行列(さらにはν行列)における0要素の個数が多くなる傾向にある。本実施形態では、各計算要素から複数の方向に直線を伸ばし、各直線が物質表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定することで、形態係数を計算する。その結果、本実施形態によれば、すべての計算要素の組合せ間でループ計算を行う場合と比べて、形態係数が0となる割合が大幅に増え、g行列、gionR行列、gionS行列の各々の全行列要素に占める0要素の割合は、半数以上(具体的には、多くの場合8割程度)となる。この場合、式(13)の行列Aneの非対角要素は半数以上が0となり、式(10)の行列方程式はシンプルな形となる(同様に、イオン種に関する行列Aionの非対角要素も半数以上が0となり、行列Aionを含む行列方程式もシンプルな形となる)。この結果として、本実施形態によれば、計算時間とメモリ使用量を大幅に減らすことが可能となる。
よって、本実施形態によれば、これらの行列方程式を繰り返し解きながら化学反応計算を行う場合に、これらの0要素に着目した計算アルゴリズムを採用することで、計算時間をさらに短縮することが可能となる。さらには、CRSなどの疎行列保持アルゴリズムを採用することで、0要素が多くなるほど省メモリ化を図ることも可能となる。この場合には、図4のステップS17において、Sii)、Rii)、Pii)が収束するまで行列方程式を繰り返し解くことになるが、0要素が多いことで行列方程式を1回解くのに要する計算時間が短縮されるため、ステップS17のトータルの計算時間が大幅に短縮される。
(5)第1実施形態の効果
最後に、第1実施形態の効果について説明する。
以上のように、本実施形態では、各計算要素から複数の方向に直線を伸ばし、各直線が物質表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定し、この判定結果に基づいて直接フラックスと形態係数を計算する。さらには、この判定結果に基づいて可視係数を計算する。
よって、本実施形態によれば、直接フラックスや形態係数の計算時間を、計算要素数に比例する時間に抑えることができる。よって、本実施形態によれば、間接フラックスの計算時間に影響を与える形態係数の計算時間を短縮することで、物質表面に直接的、間接的に到達する反応種を考慮した形状シミュレーションを高速化することが可能となる。
この効果の具体例については、図21〜図24を参照して後述する。
また、本実施形態では、イオン種と中性種の特性の違いを考慮し、反射形態係数やスパッタ形態係数の計算用に上記の判定処理を行う場合には、イオン種の反射方向や、イオン種によるスパッタに起因する中性種の発生方向のカットオフ角度を設定し、直線を伸ばす方向をカットオフ角度の範囲内に制限する。さらには、上記の判定処理を、これらの直線がぶつかった計算要素の周囲の計算要素についても繰り返し適用する。
よって、本実施形態によれば、計算の無駄を減らして計算時間を短縮することや、無駄な計算の代わりに有用な計算に時間を割いて計算誤差を低減することなどが可能となり、形状シミュレーションを高速化および高精度化することが可能となる。
この効果の具体例については、図25〜図28を参照して後述する。
(5.1)図21〜図24の説明
図21、図22はそれぞれ、比較例、第1実施形態における計算時間の例を示したグラフである。ただし、図21、図22では、カットオフ角度の設定前における第1実施形態の効果を検証するために、反射形態係数gionRとスパッタ形態係数gionSを無視して計算を行った(図23、図24も同様)。そして、比較例では、従来の方法を用いて直接フラックス、可視係数、形態係数(g)を計算した。図21、図22は、図2に示す構造を初期構造とした場合の直接フラックスの計算時間、可視計算(可視係数と形態係数の計算)の計算時間、化学反応収束計算の計算時間、全計算時間の合計を示している。
図21、図22に示すように、第1実施形態によれば、全計算時間を比較例よりも短縮することが可能となる。これらの比較結果を図23に示す。図23は、計算要素数が4万の場合の第1実施形態と比較例の計算時間を比較したグラフである。
図24は、第1実施形態と比較例におけるθ分割数と計算誤差との関係を示したグラフである。ただし、図24における計算では、ローカル座標系を使用した。また、n=1とn=1000のグラフは、比較例による計算結果を示す。図24に示すように、第1実施形態によれば、比較例よりも計算誤差を抑制できることが分かる。
(5.2)図25〜図28の説明
図25は、イオン種のみを取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を比較したグラフである。また、図26は、イオン種と中性種を取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を比較したグラフである。図25では、1種類のイオンを取り扱い、図26では、1種類のイオンと1種類の中性粒子とを取り扱った。また、図25、図26では、第1実施形態において、カットオフ角度の設定や図18の処理を行った(図27、図28も同様)。図25、図26は、図2に示す構造を初期構造とした場合の1ステップ当たりの全計算時間を示している。
図25、図26に示すように、第1実施形態によれば、図21、図22の場合よりもさらに顕著に、全計算時間を比較例よりも短縮することが可能となる。これらの比較結果の詳細を図27、図28に示す。
図27は、イオン種のみを取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を項目別にに比較したグラフであり、図25に対応している。また、図28は、イオン種と中性種を取り扱った場合の第1実施形態と比較例の計算時間を項目別に比較したグラフであり、図26に対応している。図27、図28における計算要素数は、約4万である。図27、図28に示す例では、第1実施形態における間接フラックスの計算時間を、比較例に比べて大幅に短縮することができた。
なお、第1実施形態の形状シミュレーション方法は、どのような情報処理装置を用いて実行してもよい。第2実施形態では、このような情報処理装置の一例である形状シミュレーション装置について説明する。
(第2実施形態)
図29は、第2実施形態の形状シミュレーション装置の構成を示す外観図である。
図29の形状シミュレーション装置は、制御部11と、表示部12と、入力部13とを備えている。
制御部11は、形状シミュレーション装置の動作を制御するモジュールである。制御部11は、例えば、第1実施形態の形状シミュレーション方法を実行する。制御部11の詳細については後述する。
表示部12は、液晶モニタなどの表示デバイスを有している。表示部12は、例えば、形状シミュレーション用の設定情報の入力画面や、形状シミュレーションの計算結果などを表示する。
入力部13は、キーボード13aやマウス13bなどの入力デバイスを有している。入力部13は、例えば、形状シミュレーション用の設定情報の入力用に使用される。設定情報の例としては、計算式に関する情報、実験値や予測値に関する情報、物質の構造に関する情報、フラックスに関する情報、形状シミュレーションの条件や手順に関する指示情報などが挙げられる。
図30は、図29の制御部11の構成を示すブロック図である。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、HDD(Hard Disk Drive)24と、CD(Compact Disc)ドライブなどのメモリドライブ25と、メモリポートやメモリスロットなどのメモリI/F(interface)26とを備えている。
本実施形態では、第1実施形態の形状シミュレーション方法用のプログラムである形状シミュレーションプログラムが、ROM22またはHDD24内に格納されている。入力部13から所定の指示情報が入力されると、CPU21は、ROM22またはHDD24からプログラムを読み出し、読み出したプログラムをRAM23に展開し、このプログラムにより形状シミュレーションを実行する。この処理の際に生じる各種データは、RAM23内に保持される。
なお、本実施形態では、形状シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用意し、この記録媒体からROM22やHDD24内に形状シミュレーションプログラムをインストールしてもよい。このような記録媒体の例としては、CD−ROMやDVD(Digital Versatile Disk)−ROMなどが挙げられる。
また、本実施形態では、形状シミュレーションプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由でダウンロードすることで、ROM22やHDD24内にインストールしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態の形状シミュレーション方法を実行するための形状シミュレーション装置や形状シミュレーションプログラムを提供することが可能となる。
なお、第1、第2実施形態では、形状シミュレーションの適用対象の例として半導体デバイスを取り上げたが、この形状シミュレーションは半導体デバイス以外のデバイスにも適用可能である。このようなデバイスの例としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスやディスプレイデバイスなどが挙げられる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置、方法、およびプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法、およびプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1:シリコン基板、2:シリコン窒化膜、3:シリコン酸化膜、4:貫通孔、
11:制御部、12:表示部、13:入力部、
21:CPU、22:ROM、23:RAM、24:HDD、
25:メモリドライブ、26:メモリI/F

Claims (5)

  1. 物質の表面を複数の計算要素に分割する分割部と、
    各計算要素から複数の方向に直線を伸ばし、各直線が前記物質の表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定する判定部と、
    前記判定の結果に基づいて、各計算要素に直接的に到達する反応種のフラックスである直接フラックスと、前記計算要素同士の位置関係を示す形態係数とを計算する計算部とを備え、
    前記判定部は、各計算要素に到達したイオン種が反射する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記イオン種の反射方向のカットオフ角度を設定し、前記直線を伸ばす方向を前記イオン種の反射方向のカットオフ角度の範囲内に制限して前記判定を行い、
    前記判定部は、各計算要素に到達したイオン種によるスパッタにより中性種が発生する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記中性種の発生方向のカットオフ角度を設定し、前記直線を伸ばす方向を前記中性種の発生方向のカットオフ角度の範囲内に制限して前記判定を行い、
    前記判定部は、前記複数の計算要素のうちの第1の計算要素からの直線が第2の計算要素にぶつかった場合には、前記第1の計算要素からの直線が前記第2の計算要素の周囲の第3の計算要素にぶつかるか否かと、前記第3の計算要素が前記第1の計算要素の前記イオン種の反射方向のカットオフ角度の範囲内に位置するか否かとを判定し、
    前記判定部は、前記第3の計算要素として、前記第2の計算要素に隣接する計算要素と、前記第2の計算要素には隣接しないが肯定の判定結果が得られた計算要素には隣接する計算要素とを選択し、選択可能な前記第3の計算要素がなくなるまで前記判定を繰り返し、
    前記判定部は、各計算要素に到達した中性種が各計算要素から再度飛散する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記直線を伸ばす方向のカットオフを行わずに前記判定を行う、
    形状シミュレーション装置。
  2. 物質の表面を複数の計算要素に分割する分割部と、
    各計算要素から複数の方向に直線を伸ばし、各直線が前記物質の表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定する判定部と、
    前記判定の結果に基づいて、各計算要素に直接的に到達する反応種のフラックスである直接フラックスと、前記計算要素同士の位置関係を示す形態係数とを計算する計算部とを備え、
    前記判定部は、各計算要素に到達したイオン種が反射する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記イオン種の反射方向のカットオフ角度を設定し、前記直線を伸ばす方向を前記イオン種の反射方向のカットオフ角度の範囲内に制限して前記判定を行い、
    前記判定部は、前記複数の計算要素のうちの第1の計算要素からの直線が第2の計算要素にぶつかった場合には、前記第1の計算要素からの直線が前記第2の計算要素の周囲の第3の計算要素にぶつかるか否かと、前記第3の計算要素が前記第1の計算要素の前記イオン種の反射方向のカットオフ角度の範囲内に位置するか否かとを判定し、
    前記判定部は、前記第3の計算要素として、前記第2の計算要素に隣接する計算要素と、前記第2の計算要素には隣接しないが肯定の判定結果が得られた計算要素には隣接する計算要素とを選択し、選択可能な前記第3の計算要素がなくなるまで前記判定を繰り返す、
    形状シミュレーション装置。
  3. 前記判定部は、各計算要素に到達したイオン種によるスパッタにより中性種が発生する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記中性種の発生方向のカットオフ角度を設定し、前記直線を伸ばす方向を前記中性種の発生方向のカットオフ角度の範囲内に制限して前記判定を行う、請求項2に記載の形状シミュレーション装置。
  4. 前記判定部は、各計算要素に到達した中性種が各計算要素から再度飛散する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記直線を伸ばす方向のカットオフを行わずに前記判定を行う、請求項2または3に記載の形状シミュレーション装置。
  5. 形状シミュレーション方法をコンピュータに実行させる形状シミュレーションプログラムであって、
    前記形状シミュレーション方法は、
    物質の表面を複数の計算要素に分割し、
    各計算要素から複数の方向に直線を伸ばし、各直線が前記物質の表面にぶつかるか否かと、各直線がどの計算要素にぶつかるかとを判定し、
    前記判定の結果に基づいて、各計算要素に直接的に到達する反応種のフラックスである直接フラックスと、前記計算要素同士の位置関係を示す形態係数とを計算する、
    ことを含み、
    前記判定では、各計算要素に到達したイオン種が反射する場合における前記形態係数の計算用に前記判定を行う場合、前記イオン種の反射方向のカットオフ角度を設定し、前記直線を伸ばす方向を前記イオン種の反射方向のカットオフ角度の範囲内に制限して前記判定を行い、
    前記判定では、前記複数の計算要素のうちの第1の計算要素からの直線が第2の計算要素にぶつかった場合には、前記第1の計算要素からの直線が前記第2の計算要素の周囲の第3の計算要素にぶつかるか否かと、前記第3の計算要素が前記第1の計算要素の前記イオン種の反射方向のカットオフ角度の範囲内に位置するか否かとを判定し、
    前記判定では、前記第3の計算要素として、前記第2の計算要素に隣接する計算要素と、前記第2の計算要素には隣接しないが肯定の判定結果が得られた計算要素には隣接する計算要素とを選択し、選択可能な前記第3の計算要素がなくなるまで前記判定を繰り返す、
    形状シミュレーションプログラム。
JP2013001549A 2013-01-09 2013-01-09 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム Active JP6034700B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001549A JP6034700B2 (ja) 2013-01-09 2013-01-09 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム
US14/020,667 US20140195211A1 (en) 2013-01-09 2013-09-06 Topography simulation apparatus, topography simulation method and recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001549A JP6034700B2 (ja) 2013-01-09 2013-01-09 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014135339A JP2014135339A (ja) 2014-07-24
JP6034700B2 true JP6034700B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=51061657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013001549A Active JP6034700B2 (ja) 2013-01-09 2013-01-09 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20140195211A1 (ja)
JP (1) JP6034700B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6661286B2 (ja) 2014-06-30 2020-03-11 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 樹脂膜、光学部材および偏光部材

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2803649B2 (ja) * 1996-08-21 1998-09-24 日本電気株式会社 形状シミュレーション方法
JP4068481B2 (ja) * 2003-02-28 2008-03-26 株式会社東芝 シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、シミュレーション装置および表面反応装置
JP5322413B2 (ja) * 2007-08-16 2013-10-23 株式会社東芝 シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム
JP5428450B2 (ja) * 2009-03-30 2014-02-26 ソニー株式会社 イオン照射ダメージの予測方法とイオン照射ダメージのシミュレータ、およびイオン照射装置とイオン照射方法
JP5918630B2 (ja) * 2012-05-30 2016-05-18 株式会社東芝 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014135339A (ja) 2014-07-24
US20140195211A1 (en) 2014-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5322413B2 (ja) シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム
US9070622B2 (en) Systems and methods for similarity-based semiconductor process control
JP6177671B2 (ja) シミュレーション方法、シミュレーションプログラムおよびシミュレータ
JP5036450B2 (ja) シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム
US20160246287A1 (en) Probabilistic evaluation of turbomachinery design to predict high cycle fatigue failure
US20200104708A1 (en) Training apparatus, inference apparatus and computer readable storage medium
JP6381962B2 (ja) シミュレーションシステム及び方法と該システムを含むコンピュータシステム
TWI774919B (zh) 資訊處理裝置、程式、製程處理執行裝置及資訊處理系統
JP5918630B2 (ja) 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム
JP2015103769A (ja) シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、加工制御システム、シミュレータ、プロセス設計方法およびマスク設計方法
Ertl et al. Three-dimensional level set based Bosch process simulations using ray tracing for flux calculation
JP5704246B2 (ja) 物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラム
CN106104535A (zh) 粒子刻蚀或沉积演化仿真方法、装置和计算机可读介质
JP6034700B2 (ja) 形状シミュレーション装置、形状シミュレーション方法、および形状シミュレーションプログラム
JP4883628B2 (ja) マグネトロンスパッタの設計支援方法、装置及びプログラム
US10460050B2 (en) Topography simulation apparatus, topography simulation method, and topography simulation program
US11586782B2 (en) Guide layout creating apparatus, guide layout creating method and recording medium
Chopra et al. A method to accelerate creation of plasma etch recipes using physics and Bayesian statistics
US20160085896A1 (en) Method for designing topographic patterns for directing the formation of self-assembled domains at specified locations on substrates
US20150205890A1 (en) Topography simulation apparatus, topography simulation method and recording medium
JP2015230982A (ja) 対象物分布解析装置および対象物分布解析方法
JPWO2013038476A1 (ja) 運動解析装置、運動解析方法及び運動解析プログラム
JP2023005735A (ja) 数理モデル取得装置、推定装置、数理モデル取得方法、推定方法及びプログラム
US9996639B2 (en) Topography simulation apparatus, topography simulation method and recording medium
CN109508172A (zh) 一种光线轨迹点计算方法及系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161028

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6034700

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350