JP6032910B2 - 発射弾数計測装置 - Google Patents
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Description
ところで、この実弾の個数管理について、当初は訓練者(射撃訓練を行う者)自身の管理に委されていた。例えば、訓練者が発射後の空薬莢を保管し、その個数から訓練者自身で発射弾数を把握し管理していた。
この問題は、銃器が自動銃の場合、発射に伴って空薬莢が勢い良く排出されてしまうので、特に顕著になっていた。
そこで、訓練者の管理に頼ることなく自動的に発射弾数の計測が得られるようにした様々な装置が従来から提案され、実用化されている。
一方、標的の近傍に着弾検出用のセンサを設けるようにした第3の従来技術の場合、少なくとも標的の近傍に着弾した弾丸は検出できるが、当該弾丸を発射した銃器の特定が不明確なので、これも射撃訓練の信頼性に問題がある。しかも、標的の近傍に着弾した弾丸が検出できなかった場合、訓練者による射撃が本当に行われたか否か確認できないので、発射弾数の管理が得られない。
ここで、射撃訓練の結果は、訓練者個人の技量評価に直接係る重要な事項であり、従って、発射弾数の確実な管理と共に高い信頼性が望まれるのは言うまでもない。
従って、本発明によれば、発射弾数のカウント結果に高い信頼性を与えることができ、この結果、発射弾数の確実な管理による高い信頼性をもった発射弾数計測装置が容易に提供できる。
まず、図1は、本発明に係る発射弾数計測装置の一実施の形態で、これは射場に3箇所の射座(図示してない)が設定され、これに対応して、同じく3基の標的装置TA、TB、TCが、射座から所望の射撃距離を保って設置してある訓練用の射撃場に本発明を適用した場合の一例で、図示のように、3個の射場側弾道検出器1A、1B、1Cと同じく3個の標的側弾道検出器2A、2B、2C、同3個の信号制御器3A、3B、3C、無線制御部4、中継部5、それにコントローラ6を備えている。
このとき、弾丸が通過した時刻も、かなりの精度、例えばマイクロセカンドオーダの精度で検出し、同じく記録する働きもする。
まず、射場側弾道検出器1A、1B、1Cの場合、その名称の通り、射場と標的の間で、射場の近傍に位置して設置され、他方、標的側弾道検出器2A、2B、2Cの場合、同じく射場と標的の間ではあるが、標的の近傍に位置して設置されている。
他方、標的側弾道検出器2A、2B、3Cの場合、夫々に備えられている無線伝送機能により、伝送に必要な処理が施されてから無線制御部4に供給され、RS-232C又はLAN等により中継部5に無線伝送され、コントローラ6に送られる。
なお、説明の簡略化のため、ここでは、代表として射場側弾道検出器1Aと標的側弾道検出器2Aについてだけ説明するが、何れのユニットでも同じであることは言うまでもない。
図2において、まず、符号Gは射場を表している。
従って、射撃訓練に際して、訓練者Mは、この射場Gに赴き、そこに設定されている射座Pに位置決めする。
なお、この図2では、訓練生Mの射撃姿勢が立射(立ち撃ち)の場合を示しているが、他の射撃姿勢、例えば膝射(膝撃ち)や伏射(伏せ撃ち)などの場合も同じである。
そして、まず、射場側弾道検出器1Aについては、その検出エリア1AAの中心座標点を射線Lsが通るようにした上で、射座P側の近傍に当該射場側弾道検出器1Aを位置決めし、次に、標的側弾道検出器2Aについては、その検出エリア2AAの中心座標点を射線Lsが通るようにした上で、標的装置TA側の近傍に当該標的側弾道検出器2Aを位置決めするのである。
なお、このときの訓練者Mから標的Tまでの距離、つまり射線Lsの長さは同じである必要はなく、訓練の状況に応じて任意に決めれば良い。ちなみに本実施形態の場合、図1に示されているように、訓練者Mから標的装置TBまでの距離が一番遠く、他方、標的装置TCまでの距離は一番近くなっている。
まず、この実施形態においては、標的装置TA、TB、TC(以下、TA〜と記す)の標的Tの制御指示や動作状態の表示、弾着結果の表示はコントローラ6が司る。
このためコントローラ6はRS-232C又はLANにより、一方では中継部5と無線制御部4を介して射場側弾道検出器1A、1B、1C(以下、1A〜と記す)の各制御部3A〜と接続され、他方では、標的側弾道検出器2A、2B、2C(以下、2A〜と記す)と接続されている。
なお、このため標的側弾道検出器2A〜の各々には通信用の制御部が設けられている。
このため、標的装置TA〜は、標的Tの状態やそれに対する着弾状態を監視し、コントローラ6から状態取得要求があった場合、対応する状態を送信する。
そこで、コントローラ6は、射撃訓練を実施する際、開始前、まず時刻規制を実行し、システム内の各装置に一斉に時刻を送信して時計を合わせ、これによりコントローラ6と各標的装置TA〜がもつ時刻を一致させ、着弾などのイベントの発生時刻を一意にすることができるようにする。
そこで、コントローラ6は、標的側弾道検出器2A〜が検出した位置情報と標的装置TA〜で検出された検出時刻が着弾情報として取得できるようになり、この結果、位置情報が取得された回数を集計することにより、標的Tへの着弾の有無にかかわらず、訓練中に発射された弾数のカウントが、一応は可能になる。
・ 訓練で使用する標的装置は、通常、移動可能に作られていて、練習場の
任意の場所に設置できるようになっている。従って標的装置を中心として
配置された弾着装置(標的側弾道検出器)だけでは、検出エリアまで到達し
なかった弾丸についてはカウントできない。
・ 弾着装置(標的側弾道検出器)は、衝撃波により着弾検出を行っているた
め、野外にある練習場では、小石等の跳ね返りによる衝撃波も検出してし
まう可能性がある。
図1と図2において、射場側弾道検出器1A〜は、これも前述した通り、空間上の規定範囲、例えば5m×5mの方形の範囲内を弾丸が通過した場合、その通過した位置を平面座標として認識できる。
このとき射場側弾道検出器1A〜で検出した通過弾丸の位置情報は、各ユニットから個別にコントローラ6に無線伝送されるようにしてもよいが、この場合、検出器の処理負荷が重くなるため、この実施形態では、各信号制御器3A、3B、3Cを介して有線により無線制御部4に接続している。
そして、コントローラ6では、標的側弾道検出器2A〜で取得した着弾情報と射場側弾道検出器1A〜で取得した銃器発射情報の双方のデータを取り込んで解析する。
そうすると、この場合、コントローラ6は、射場側弾道検出器1A〜の銃器発射情報により、当該弾丸の発射に対応する銃器の特定、すなわち訓練生Mの特定を行う。
そして、訓練者Mの何れが発射した弾丸であるのか判別できたとき、初めて弾着数、つまり発射弾数としてカウントする。
この場合、実弾射撃訓練結果と当該訓練を実施した訓練者の正確な対応が常に確実に得られ、この結果、発射弾数の確実な管理が得られることになる。
この場合、検出エリアが重複した部分で同じ弾丸の通過を検出したものと判断し、この場合、一方だけをカウントし、二重にカウントされないようにする。
まず、標的側弾道検出器2A〜は、射線Ls上で射場Gとは反対側の端部、すなわち射場Gから射撃距離D離れた場所に設置する。
このとき射撃距離Dは、射撃訓練の内容に応じて予め決められている。
次に、射場側弾道検出器1A〜は、射線Ls上で射場Gの近傍に、距離x離れて設置する。
そこで、このときの距離xについて、以下に説明する。
ここで銃器の射撃に関しては、いかに熟練者であっても百発百中は難しく、このため、訓練者Mが銃器を発射した場合、それを必ず検出するためには、上記した距離xをなるべく小さくし、射場側弾道検出器1A〜を射場Gに充分に近づけておく必要がある。
そこで、このときの距離をxとすれば、x=2.5/tan15°(≒9.3)となるので、略9mにしてやれば良い。
但し、この距離xは、必ずしも固定値にする必要はなく、図3(b)に示すように可変値にしても良いことはいうまでもない。
射撃訓練は、通常、事前に作成してある訓練用のスケジュールに従って、所望の練習指導員の指図と誘導のもとで実施される。
そこで、この場合、まず、コントローラ6に、予め当該スケジュールの実行に必要なプログラムを格納しておく。
処理を開始したら、まず、標的Tの配置を行う(S1)。すなわちコントローラ6のスケジュールから与えられる指示に従って練習指導員が射撃距離Dに標的Tと標的側弾道検出器2A〜を設置し、距離xに射場側弾道検出器1A〜を設置するのである。
この処理S2の後、実弾での射撃訓練の開始が訓練者に許可され、射撃が実施される(S3)。
そして、この処理S3に従って訓練者による射撃が実施されている間、以下に続く処理S5〜処理S9がコントローラ6により実行され、この結果、後述するように、発射弾数の正確な把握が訓練者との正確な対応のもとで容易に得られることになる。
図5は、このときの処理S6における解析処理の説明で、ここで、上側の表Aが射場側弾道検出器1A〜から取得した銃器発射情報によるデータを書き込んだ表で、下側の表Bが標的側弾道検出器2A〜から取得した着弾情報によるデータを書き込んだ表である。
このとき、図2から明らかなように、射場側弾道検出器1A〜による検出エリア1AA〜から標的側弾道検出器2A〜による検出エリア2AA〜までの距離をLとすれば、この距離Lは、距離Dから距離xを減算した値であり、従って、この場合、既知の値になっている。
そうすると、この場合、検出エリア1AA〜で弾丸の通過が検出されてから検出エリア2AA〜に弾丸の通過が検出されるまでの時間tは、ほぼ正確に予測が可能である。
ここで、いま、距離Lが60mで、弾丸の弾速(初速)が750m/sであったとすると、この場合、時間t=80msとなる。
そうすると、この場合、着弾側の番号1の検出器により弾丸の通過が検出されたことから、このとき発砲された弾丸がNo.1の訓練者によるものであることが確定される。
従って、この実施形態によれば、カウントした発射弾数と、当該カウントの対象となった弾丸を発射した訓練者との対応が常に確実に与えられるので、発射弾数のカウント結果に高い信頼性を与えることができ、この結果、発射弾数の確実な管理による高い信頼性をもった発射弾数計測装置が容易に提供できることになる。
そこで、この場合、銃器から発射された弾丸のカウントに加え、当該弾丸の弾道も直ちに求められる。
射撃訓練の目的には、訓練者の技量について的確な判定が与えられるようにすることも含まれる。
このときの判定は、一応、弾丸が標的に当っていることが前提になるが、しかし、外した場合でも、どの程度の外れかを知ることができれば、それも技量判定に加えることができ、射撃訓練の有用性向上に寄与できるものと考えられる。
ここで、この射線Lsについてみると、これは、射場側弾道検出器1A〜の検出エリア1AA〜を通過した弾丸のXY座標点(射場側座標点)と標的側弾道検出器2A〜の検出エリア2AA〜を通過した弾丸のXY座標点(標的側座標点)を結ぶ直線になっており、その始点は銃器の銃口で、終点は標的Tになっている。
ここで、図6と図7は、この弾道の様子について示したもので、これらの図では、3種の弾道D1、D2、D3が示されている。
このときの図6と図7の違いは、標的側の検出エリアが一方(図6)では分離しているのに対して、他方(図7)では一部が重なりあっている点にある。
なお、これらの図では、弾丸の弾道が左右に曲がっているように描かれているが、これは作画上、やむを得ずそうなってしまっただけで、実際は、上から見た場合、ほぼ直線になっている。但し、風の影響は無視している。
ここで、弾道D2の場合、標的Tに命中した場合も含むので、当該訓練者の技量については有る程度の評価ができるが、弾道D1と弾道D3の場合は、かなり悪い評価にならざるを得ないことになる。
この結果、もしも逸れ弾の回収を要する場合、本発明が有用である。
従って、上記実施形態によれば、射撃訓練が何回か実施された場合、全部の射撃訓練に使用した実弾の総数をカウントして結果が保持できることになり、この結果、カウント結果を集約する必要がなく、練習結果を容易に管理することができる。
1AA、1BA、1CA 検出エリア(射場側弾道検出器による検出エリア)
2A、2B、2C 標的側弾道検出器
2AA、2BA、2CA 検出エリア(標的側弾道検出器による検出エリア)
3A、3B、3C 信号制御器
4 無線制御部
5 中継部
6 コントローラ
A 標的
TA、TB、TC 標的装置
G 射場(練習場にある射場)
M 訓練者(訓練を行う射手)
P 射座
Claims (2)
- 射撃場の射座と標的との間で、銃器から発射された弾丸が発生する衝撃波の検出により当該弾丸の発射個数を計数する方式の発射弾数計測装置において、
前記射座と前記標的との間を結ぶ直線上で前記衝撃波を検出する第1の検出手段及び第2の検出手段と、前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段による前記弾丸の検出結果を突合せて当該弾丸の発射個数を計数するコントローラと、を備え、
前記第1の検出手段は、前記直線上で前記射座の近傍に配置し、
前記第2の検出手段は、前記直線上で前記標的の近傍に配置し、
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、何れも前記直線上で上下方向と左右方向とに広がる範囲を検出エリアとし、当該検出エリア内で前記弾丸が通過した位置をXY座標によるデータとして検出するものであり、
前記コントローラは、前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段により検出された前記XY座標のデータに基づいて前記弾丸の弾道を算出する弾道算出手段と、前記弾道算出手段による前記弾道の算出結果が前記第2の検出手段での前記XY座標を逸れた場合の前記弾丸の到達地点を当該弾道の延長先を計算することにより予想する算出を行う予測到達地点算出手段と、を備えたことを特徴とする発射弾数計測装置。 - 請求項1記載の発射弾数計測装置において、
前記コントローラは、前記弾道算出手段による前記弾道の算出結果が前記第2の検出手段での前記XY座標を逸れた場合に前記予測到達地点算出手段により算出した予想到達地点を同心円図形として表わすことを特徴とする発射弾数計測装置。
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