JP6032866B2 - 電力変換器の制御方法及び制御装置 - Google Patents
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このため、従来技術では、以下に述べるような方法によってインバータ部2の出力電流を制限し、継続的な運転を可能にしている。
なお、ここでは便宜的に、電流制限指令生成手段6を第1の手段、駆動信号生成手段4を第2の手段というものとする。
いま、図4(a)に示すように、電流制限動作によって全ての半導体スイッチ8〜13がオフしており、半導体スイッチ8,12,13の還流ダイオードにより矢印方向に電流ループが作られているものとする。この状態から電流制限を解除し、図4(b)に示すごとく三相(U,V,W相)の半導体スイッチ11,9,10が同時にオンすると、インバータ部2の直流端子A,B間には、三相分の還流ダイオードによる逆回復電流が流れる。このため、上記逆回復電流と端子A,B間の配線インダクタンスとにより、端子A,B間に過大な逆回復サージ電圧が発生して半導体スイッチ等を破壊する恐れがある。
前記電流制限指令の解除時点から一定期間にわたり前記電力変換器から零電圧を出力させ、その後に、前記半導体スイッチを通常の制御動作に復帰させる制御方法において、
前記一定期間が、前記解除時点から、前記半導体スイッチ本来のスイッチング動作を行うための駆動信号の反転時点より後のキャリア半周期経過時点までの期間であることを特徴とする。
前記第2の手段が、前記電流制限指令の解除時点から、一定期間にわたり前記電力変換器から零電圧を出力させ、その後に、前記半導体スイッチを通常の制御動作に復帰させるような駆動信号を出力する制御装置において、
前記一定期間が、前記解除時点から、前記半導体スイッチ本来のスイッチング動作を行うための駆動信号の反転時点より後のキャリア半周期経過時点までの期間であることを特徴とする。
また、請求項4に係る電力変換器の制御装置は、請求項3に記載した電力変換器の制御装置において、前記電力変換器から零電圧を出力させる手段として、前記電力変換器を構成する各相の上アームの半導体スイッチを全て、または、各相の下アームの半導体スイッチを全て、オンさせる手段を備えたことを特徴とする。
これらの動作は、駆動信号生成手段におけるソフトウェアを一部変更するだけで実現可能であり、特許文献1に記載されているような複雑な過電流保護回路を用いる必要がないので、回路構成の簡略化、コストの低減に寄与することができる。
本実施形態では、電流制限指令を解除した時に図4(b)のように全相の半導体スイッチが同時にオンするのを回避するために、インバータ部2により零電圧を出力させる。ここで、インバータ部2による零電圧の発生は、図4(a),(b)における三相の上アームの半導体スイッチ8,9,10を全てオン(下アームの半導体スイッチ11,12,13を全てオフ)または下アームの半導体スイッチ11,12,13を全てオン(上アームの半導体スイッチ8,9,10を全てオフ)すればよく、これらのオン/オフ動作は図3における駆動信号生成手段4によって実現可能である。
また、図1(a),(b)において、動作モード1はPWM制御による通常のスイッチング動作期間、動作モード2は電流制限指令が動作状態になったことによるスイッチング休止期間(上アーム、下アーム共にオフ)、動作モード3はインバータ部2の零電圧発生期間を示している。更に、上アームゲート信号及び下アームゲート信号内に示した破線部分は、電流制限指令がない場合の通常のスイッチング動作によるゲート信号である。
しかし、この場合、零電圧発生期間を解除して本来のスイッチング動作に移行する時(動作モード3から動作モード1への移行時)、図1(a),(b)に符号cにて示す如く、上アームゲート信号がオフからオンに反転するタイミングで下アームゲート信号がオンからオフに反転し(図1(a))、上アームゲート信号がオンからオフに反転するタイミングで下アームゲート信号がオフからオンに反転する(図1(b))こととなり、いずれの場合も上下アームが短絡する恐れがある。
図2(a)は零電圧を発生させるゲート信号の解除タイミングがキャリアの谷の場合、図2(b)は上記解除タイミングがキャリアの山の場合であり、前記同様に、動作モード1はPWM制御による本来のスイッチング動作期間、動作モード2は電流制限指令が動作状態になったことによるスイッチング休止期間(上アーム、下アーム共にオフ)、動作モード3はインバータ部2の零電圧発生期間を示している。また、上アームゲート信号及び下アームゲート信号内に示した破線部分は、電流制限指令がない場合のPWM制御によるゲート信号である。
2:インバータ部
3:電動機
4:駆動信号生成手段
5:電流検出器
6:電流制限指令生成手段
7:コンデンサ
8〜13:半導体スイッチ
20:制御装置
A,B:直流端子
Claims (4)
- 電力変換器の出力電流が設定値に達したときに発生する電流制限指令により、前記電力変換器を構成する全ての半導体スイッチをオフするようにした電力変換器の制御方法であって、
前記電流制限指令の解除時点から一定期間にわたり前記電力変換器から零電圧を出力させ、その後に、前記半導体スイッチを通常の制御動作に復帰させる制御方法において、
前記一定期間が、前記解除時点から、前記半導体スイッチ本来のスイッチング動作を行うための駆動信号の反転時点より後のキャリア半周期経過時点までの期間であることを特徴とする電力変換器の制御方法。 - 請求項1に記載した電力変換器の制御方法において、
前記電力変換器から零電圧を出力させる方法は、前記電力変換器を構成する各相の上アームの半導体スイッチを全て、または、各相の下アームの半導体スイッチを全て、オンさせる方法であることを特徴とする電力変換器の制御方法。 - 電力変換器の出力電流が設定値に達したときに電流制限指令を生成する第1の手段と、 前記電力変換器を構成する半導体スイッチをオン/オフさせるための駆動信号を生成する手段であって、前記電流制限指令により、前記電力変換器を構成する全ての半導体スイッチをオフさせるようにした第2の手段と、を備えた電力変換器の制御装置であって、
前記第2の手段が、前記電流制限指令の解除時点から、一定期間にわたり前記電力変換器から零電圧を出力させ、その後に、前記半導体スイッチを通常の制御動作に復帰させるような駆動信号を出力する制御装置において、
前記一定期間が、前記解除時点から、前記半導体スイッチ本来のスイッチング動作を行うための駆動信号の反転時点より後のキャリア半周期経過時点までの期間であることを特徴とする電力変換器の制御装置。 - 請求項3に記載した電力変換器の制御装置において、
前記電力変換器から零電圧を出力させる手段として、前記電力変換器を構成する各相の上アームの半導体スイッチを全て、または、各相の下アームの半導体スイッチを全て、オンさせる手段を備えたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
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