JP5695379B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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この発明は、直流電圧源から交流電圧を得る電力変換装置に関し、より特定的には、直流電圧源の中性点電圧を交流出力端子に出力する3レベルインバータの低損失化の技術に関する。
電力変換装置として、たとえば特開2002−247862号公報(特許文献1)には、2個の直流電源を直列に接続してなる直流電圧源の中性点電圧を交流出力端子に出力するように構成された3レベルインバータが開示される。
この特許文献1に記載される3レベルインバータは、直列接続した2個の直流電源と、直流電源の両端子間に、スイッチング素子とスイッチング素子に逆並列接続されたダイオードとによって構成され、スイッチング素子とダイオードとを1つのパッケージに納めたスイッチングデバイスを2個直列接続して挿入するとともに、2個のスイッチングデバイスの接続点を交流出力端子とし、2個のスイッチングデバイスを逆並列接続して直流電源の中性点と交流出力端子との間に挿入する。
特開2002−247862号公報
上記の特許文献1に記載される3レベルインバータは、直流電源の中性点と交流出力端子とを接続する回路をスイッチングデバイス2個で構成することにより、装置の小型・軽量化を実現している。しかしながら、スイッチング素子をオン・オフ動作させるときに発生する電力損失について、上記の特許文献1は何ら言及していない。
それゆえ、この発明の目的は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低損失化が可能な電力変換装置を提供することである。
この発明に係る電力変換装置は、交流ラインと直流正母線、直流負母線および直流中性点母線との間に設けられ、直流電力を交流電力に変換する。電力変換装置は、直流正母線と交流ラインとの間に接続された第1の半導体スイッチング素子と、直流負母線と交流ラインとの間に接続された第2の半導体スイッチング素子と、直流中性点母線と交流ラインとの間に接続された交流スイッチと、第1および第2の半導体スイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続された第1および第2のダイオードとを備える。電力変換装置は、第1の半導体スイッチング素子および第1のダイオードを経由して直流正母線と交流ラインとの間に形成される第1の電流経路、第2の半導体スイッチング素子および第2のダイオードを経由して直流負母線と交流ラインとの間に形成される第2の電流経路、および、交流スイッチを経由して直流中性点母線と交流ラインとの間に形成される第3の電流経路を有し、第1および第2の電流経路の各々のインダクタンス値は、第3の電流経路のインダクタンス値よりも大きい。
好ましくは、電力変換装置は、一方端子が直流正母線に接続され、他方端子が第1の半導体スイッチング素子に接続された第1のヒューズと、一方端子が直流負母線に接続され、他方端子が第2の半導体スイッチング素子に接続された第2のヒューズと、一方端子が直流中性点母線に接続され、他方端子が交流スイッチに接続された第3のヒューズとをさらに備える。第1および第2のヒューズのインダクタンス値は、第3のヒューズのインダクタンス値よりも大きい。
好ましくは、第1および第2のヒューズは、第1の定格電流を有するヒューズ素子で構成され、第3のヒューズは、第1の定格電流よりも小さい第2の定格電流を有するヒューズ素子を、複数個並列に接続して構成される。
好ましくは、第1および第2のヒューズは、所定の定格電流を有するヒューズ素子で構成され、第2のヒューズは、所定の定格電流を有するヒューズ素子と、容量素子とを並列に接続して構成される。
好ましくは、電力変換装置は、直流正母線、直流負母線および直流中性点母線を介してそれぞれ供給された正電圧、負電圧および中性点電圧を交流電圧に変換して交流ラインに与える3レベルインバータである。
この発明によれば、スイッチング素子のスイッチング動作の際に発生するサージ電圧によりスイッチング電流の不要な転流を防止することができる。これにより、不要な転流電流によるリカバリー損失およびリカバリーサージ電圧が発生するのを抑制できるため、電力変換装置の低損失化が可能となる。
本発明の電力変換装置の一実施の形態である3レベルインバータの構成を示す図である。 図1における交流スイッチの構成例を示す図である。 図1に示す3レベルインバータにおけるU相出力端子Uを含んだ単相インバータを示す図である。 図3の単位インバータの等価回路図である。 図3に示す3レベルインバータの動作を説明する図である。 本実施の形態に係る3レベルインバータの動作を説明する図である。 本実施の形態に係る3レベルインバータの構成例を示す図である。 本実施の形態に係る3レベルインバータの他の構成例を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の電力変換装置の一実施の形態である3レベルインバータの構成を示す図である。
図1を参照して、3レベルインバータは、直流電圧源からの直流電力を三相交流電力に変換して負荷(図示せず)に供給する。3レベルインバータは、直流正母線8と、直流中性点母線9と、直流負母線10と、平滑用コンデンサ4と、直流正母線8と直流負母線10との間に並列に設けられる、U相上下アーム15と、V相上下アーム16と、W相上下アーム17と、交流スイッチ5,6,7とを備える。
直流電圧源は、直列接続された直流電源1,2から構成される。直流電圧源は端子P,Nから給電する。直流電源1,2の中間点は、電源中性点Cとして機能する。
直流正母線8は、端子Pに接続され、直流負母線10は、端子Nに接続され、直流中性点母線は、電源中性点Cに接続されている。平滑用コンデンサ4は、直流正母線8と直流負母線10との間に接続される。
各相上下アームは、直流正母線8と直流負母線10との間に直列接続された半導体スイッチから構成される。半導体スイッチは、電力用半導体スイッチング素子を含む。本実施の形態では、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「半導体スイッチング素子」という)としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる。なお、半導体スイッチング素子としては、電力MOS(Metal Oxide Semiconductor)あるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。
たとえば、U相上下アーム15は、IGBT素子Q1,Q2から成り、V相上下アーム16は、IGBT素子Q3,Q4から成り、W相上下アーム17は、IGBT素子Q5,Q6から成る。また、IGBT素子Q1〜Q6に対して、逆並列ダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。IGBT素子Q1〜Q6のオン・オフは、図示しない制御装置からのスイッチング制御信号S1〜S6によってそれぞれ制御される。本実施の形態では、IGBT素子Q1〜Q6の制御方式として、PWM(Pulse Width Modulation)制御を採用する。
各相上下アーム15〜17のIGBT素子の中間点は、各相出力端子U,V,Wに接続されている。出力端子U,V,Wは、図示は省略するが、U相ライン、V相ラインおよびW相ラインにそれぞれ接続される。出力端子U,V,Wは、「交流出力端子」を構成し、U相ライン、V相ラインおよびW相ラインは、「交流ライン」を構成する。
各交流スイッチ5,6,7は、直流中性点母線9と各交流ラインとの間に接続されている。たとえば、交流スイッチ5は、一方端が直流中性点母線9に接続され、他方端がU相出力端子Uを介してU相ラインに接続される。交流スイッチ6は、一方端が直流中性点母線9に接続され、他方端がV相出力端子Vを介してV相ラインに接続される。交流スイッチ7は、一方端が直流中性点母線9に接続され、他方端がW相出力端子Wを介してW相ラインに接続される。
交流スイッチは、双方向に通電可能に構成される。たとえばU相出力端子Uに関する構成についてみれば、交流スイッチ5は、図2(a)〜(c)に示される回路により構成することができる。図2(a)の構成例では、交流スイッチ5は、U相出力端子Uを電源中性点Cに接続するためのIGBT素子Q7,Q8と、ダイオードD7,D8とを含む。IGBT素子Q8のエミッタはU相出力端子Uに接続され、そのコレクタはIGBT素子Q7のコレクタに接続される。IGBT素子Q7のエミッタは直流中性点母線9に接続される。IGBT素子Q7,Q8に対して、逆並列ダイオードD7,D8がそれぞれ接続される。なお、図1におけるダイオードD1〜D6が還流ダイオードとして機能するのに対し、ダイオードD7,D8はクランプダイオードとして機能する。
図2(b)の構成例では、交流スイッチ5は、U相出力端子Uと電源中性点Cとの間に、IGBT素子Q7およびダイオードD8、およびIGBT素子Q8およびダイオードD7の各直列回路を逆並列に接続して構成される。
図2(c)の構成例では、交流スイッチ5は、U相出力端子Uと電源中性点Cとの間に、IGBT素子Q7およびIGBT素子Q8を逆並列に接続して構成される。
このような構成とすることにより、U相出力端子Uが0電位になるべきとき、U相出力端子Uの電位が電源中性点Cに対して正電位であれば、IGBT素子Q7(およびダイオードD8)を介して、また負電位であればIGBT素子Q8(およびダイオードD7)を介して等電位電流が流れ、U相出力端子Uと電源中性点Cとが0電位となる。この構成は、V相出力端子VおよびW相出力端子Wについても同様である。
次に、3レベルインバータの動作について説明する。図3は、図1に示す3レベルインバータにおけるU相出力端子Uを含んだ単相インバータを示す図である。
図3を参照して、交流スイッチ5がオン(図2のIGBT素子Q7,Q8がオン)であって、IGBT素子Q1,Q2がオフであるときには、U相出力端子Uは、交流スイッチ5を介して電源中性点Cに接続される一方、端子P,Nから切り離されるため、U相出力端子Uの電位は電源中性点Cの電位に固定される。次に、IGBT素子Q1,Q8がオンとなり、IGBT素子Q2,Q7がオフとなると、U相出力端子Uは端子Pに接続される一方、電源中性点Cおよび端子Nから切り離されるため、U相出力端子Uの電位は端子Pの電位となる。この状態がある時点まで続いた後、再びIGBT素子Q7,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q2がオフとなることにより、U相出力端子Uの電位が再び電源中性点Cの電位となる。
次に、IGBT素子Q2,Q8がオンとなり、IGBT素子Q1,Q7がオフとなると、U相出力端子Uは端子Nに接続される一方、電源中性点Cおよび端子Pから切り離されるため、U相出力端子Uの電位は端子Nの電位となる。
以上の動作において、IGBT素子Q1とIGBT素子Q7とは、一方がオンのとき他方がオフとなるように同期的に反転動作を行なう。また、IGBT素子Q2とIGBT素子Q8とは、一方がオンのとき他方がオフとなるように同期的に反転動作を行なう。これにより、U相出力端子Uの電位は、端子P,Nのいずれか一方の電位および電源中性点Cの電位の3つの電位のいずれかとなる。この結果、変調時におけるU相出力端子Uの電位に変化幅は、交流スイッチ5を有さない一般的な2レベルインバータと比較して1/2に低減されるため、インバータ出力における高調波の振幅が半減するとともに、高調波含有率も約半分に低減される。
その一方、3レベルインバータにおいては、IGBT素子Q1〜Q6のスイッチング動作の際にサージ電圧が発生する。このサージ電圧Vは、IGBT素子のターンオン動作またはターンオフ動作が開始されたときのスイッチング電流Iswの変化速度(dIsw/dt)に比例する(V=L・dIsw/dt)。但し、Lは3レベルインバータの内部配線、バスバーおよび半導体スイッチ等のインダクタンスを示す。発生したサージ電圧は、IGBT素子のスイッチング電圧Vswに重畳されて各相出力端子U,V,Wに出力される。そして、サージ電圧がIGBT素子に逆並列に接続されたダイオードの立ち上り電圧Vを超えた場合には、当該ダイオードの順方向に電流が流れる。
ここで、理想ダイオードでは、逆方向には電流が流れないが、実際には、順方向に電流が流れた後に急に逆電圧が印加されると一瞬逆方向に電流が流れる。この電流は、ダイオードの「リカバリー電流」と呼ばれる。リカバリー電流の発生時には、半導体スイッチに内蔵されているダイオード自体の損失に加え、リカバリー電流が流れるIGBT素子にも損失(以下、これらの損失を総じて「リカバリー損失」ともいう)が発生する。
以下では、一般的な3レベルインバータにおいて発生するリカバリー電流およびリカバリー損失について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、図3の単位インバータの等価回路図である。
図4を参照して、電源中性点CとU相出力端子Uとの間には負荷20が接続される。U相出力端子Uと負荷20とは、U相ラインULによって接続されている。負荷20流れるU相電流Iuは、負荷20からU相出力端子Uに向かう方向を正とし、U相出力端子Uから負荷20に向かう方向を負とする。
図4において、Lpは直流正母線8を構成する配線のインダクタンスを示し、Lcは直流中性点母線9を構成する配線のインダクタンスを示し、Lnは直流負母線10を構成する配線のインダクタンスを示す。また、Le1,Le2,Lacは、U相上下アーム15を構成する半導体スイッチおよびバスバー等のインダクタンスを示す。具体的には、Le1は、IGBT素子Q1およびダイオードD1からなる半導体スイッチのインダクタンスであり、Le2は、IGBT素子Q2およびダイオードD2からなる半導体スイッチのインダクタンスであり、Lacは半導体スイッチの中間点とU相出力端子Uとの間の配線のインダクタンスである。
まず、IGBT素子Q2,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q7がオフであるときには、U相出力端子Uは端子Nに接続される。これにより、直流電圧源の中間点Cから負荷20〜U相ラインUL〜U相出力端子U〜IGBT素子Q2〜直流負母線10〜端子Nを経由する電流経路が形成され、当該電流経路をU相電流Iuが流れる。なお、図中の電流I2はIGBT素子Q2を流れるスイッチング電流であり、電圧V2はIGBT素子Q2のコレクタ−エミッタ間のスイッチング電圧である。IGBT素子Q2がオンされた状態では、スイッチング電流I2≠0である一方でスイッチング電圧V2=0である。
次に、交流スイッチ5のIGBT素子Q7,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q2がオフに切替えられると、すなわち、交流スイッチ5がオンされ、IGBT素子Q2がオフされると、IGBT素子Q2に流れていた電流I2は、交流スイッチ5に転流し、直流電圧源の中間点Cに流れ込む。その際、IGBT素子Q2のターンオフ時のスイッチング電流I2の変化速度dI2/dtによって、インダクタンスLac,Lnには図中の+方向に電圧Lac・dI2/dt,Ln・dI2/dtがそれぞれ発生する。また、インダクタンスLcには図中の+方向に電圧Lc・dI5/dtが発生する。
このときのIGBT素子Q2に印加されるスイッチング電圧V2およびスイッチング電流I2と、IGBT素子Q1に印加されるスイッチング電圧V1およびスイッチング電流I1との波形を図5に示す。
図5では、IGBT素子Q2,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q7がオフである状態から時刻t1において、IGBT素子Q7,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q2がオフに切替えられた後のスイッチング電圧V1,V2およびスイッチング電流I1,I2の状態を示している。
時刻t1においてIGBT素子Q2がオフに切替えられると、スイッチング電圧V2は、直流電源2の直流電圧Vb2に対してサージ電圧ΔV分増加する。
サージ電圧ΔVは、式(1)により表わされる。
ΔV=Lac・dI2/dt+Lc・dI5/dt ・・・(1)
ここで、I2≒I5の場合には、式(1)は式(2)となる。
ΔV=(Lac+Lc)・dI2/dt ・・・(2)
時刻t2において、このサージ電圧ΔVがIGBT素子Q1のスイッチング電圧V1を超えると、ダイオードD1が順方向にバイアスされるため、IGBT素子Q2から交流スイッチ5に転流する電流の一部が、ダイオードD1の順方向に流れて直流電源1側に転流する(図4のスイッチング電流I1参照)。
そして、このように順方向に電流が流れた後に急に逆電圧が印加されると、時刻t2以後の時刻t3においてダイオードD1には一瞬逆方向に電流(リカバリー電流)が流れる。このとき、ダイオードD1およびIGBT素子Q1にはリカバリー損失が発生する。また、スイッチング電圧V1には、スイッチング電流I1の変化速度dI1/dtによって、図中の+方向に電圧(Lp+Le1)・dI1/dtが発生する。以下、この電圧を「リカバリーサージ電圧」ともいう。
本実施の形態に係る3レベルインバータは、このリカバリー損失およびリカバリーサージ電圧の発生を防止する手段として、3レベルインバータの内部配線、バスバーおよび半導体スイッチ等のインダクタンス値の大小関係を設定することによりリカバリー電流の発生を抑制する。詳細には、以下の式(3),(4)に示す関係が成立するように、3レベルインバータの内部配線等のインダクタンス値を設定する。
Lp+Le1>Lc+Lac ・・・(3)
Ln+Le2>Lc+Lac ・・・(4)
ここで、上記式(3)に示す関係は、交流スイッチ5がオンされ、IGBT素子Q2がオフされるときにインダクタンスLac,Lc,Le1,Lpに発生する電圧の方向(図中の+方向)に基づいて導出される。同様に、上記式(4)に示す関係は、交流スイッチ5がオンされ、IGBT素子Q1がオフされるときにインダクタンスLac,Lc,Le2,Lnに発生する電圧の方向に基づいて導出される。
これにより、たとえば交流スイッチ5をオンし、IGBT素子Q2をオフさせるときには、上記式(3)に示す関係により、U相出力端子U〜IGBT素子Q1〜直流正母線8〜端子Pを経由する電流経路のインダクタンス値が、U相出力端子U〜交流スイッチ5〜直流中性点母線9〜電源中性点Cを経由する電流経路のインダクタンス値よりも大きくなる。これにより、IGBT素子Q2を流れていた電流I2がすべて交流スイッチ5に転流し、ダイオードD1に転流し難くなる。この結果、ダイオードD1にリカバリー電流が流れるのを防止できるため、リカバリー損失およびリカバリーサージ電圧の発生を抑制することができる。
図6は、本実施の形態に係る3レベルインバータにおいて、交流スイッチ5のIGBT素子Q7,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q2がオフに切替えられるときのIGBT素子Q2に印加されるスイッチング電圧V2およびスイッチング電流I2と、IGBT素子Q1に印加されるスイッチング電圧V1およびスイッチング電流I1との波形を示す図である。
図6では、IGBT素子Q2,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q7がオフである状態から時刻t1において、IGBT素子Q7,Q8がオン、IGBT素子Q1,Q2がオフに切替えられた後のスイッチング電圧V1,V2およびスイッチング電流I1,I2の状態を示している。
図6の各波形と図5の各波形とを比較すると、時刻t1においてIGBT素子Q2がオフに切替えられたときに、スイッチング電圧V2が、直流電源2の直流電圧Vb2に対してサージ電圧ΔV分増加する点で共通するが、図6では、スイッチング電流I1が流れず、リカバリー電流の発生が抑制されている。これにより、リカバリー損失およびリカバリーサージ電圧の発生も抑制されている。
(3レベルインバータの構成例)
以下では、上記(3),(4)に示すインダクタンス値の関係を実現するための3レベルインバータの構成例について図面を参照して説明する。
図7は、本実施の形態に係る3レベルインバータの構成例を示す図である。なお、図7では、図1に示す3レベルインバータにおけるU相出力端子Uを含んだ単相インバータを示しているが、V相出力端子VおよびW相出力端子Wについても同様に構成される。
図7に示す単相インバータは、図3に示す単相インバータと対比して、ヒューズ11,12,13,14を含む点で異なる。
ヒューズ11,12,13,14は、IGBT素子が故障して短絡状態となったときにヒューズを経由する電流経路を短絡電流が流れることにより切断される。そして、ヒューズの切断により該電流経路が遮断されるため、故障点を速やかに切り離され、過電流や過電圧の発生を防止することができる。
図7の例では、IGBT素子Q1のコレクタと端子Pとの間に1個のヒューズ11を接続し、IGBT素子Q2のエミッタと端子Nとの間に1個のヒューズ14を接続するのに対して、交流スイッチ5と電源中性点Cとの間には、2個のヒューズ12,13を並列接続する。これにより、U相出力端子Uと電源中性点Cとの間の過渡的な転流インダクタンスを、U相出力端子Uと端子Pとの間のインダクタンス、およびU相出力端子Uと端子Nとの間のインダクタンスよりも小さくしている。したがって、IGBT素子Q1(またはQ2)をオフするときのスイッチング電流が交流スイッチ5に転流し易くなるため、ダイオードD2(またはD1)に転流するのを防止して、不要にリカバリー損失およびリカバリーサージ電圧が発生するのを抑制することができる。
なお、図7では、2個のヒューズ12,13を並列接続した例について説明したが、これに限定されず、複数個のヒューズを並列接続する構成とすることができる。あるいは、2個のヒューズ12,13を並列接続する構成に代えて、ヒューズ11,14よりもインダクタンス値の小さいヒューズを1個接続する構成としてもよい。
(変更例)
図8は、本実施の形態に係る3レベルインバータの他の構成例を説明する図である。
図8を参照して、本変更例に係る3レベルインバータは、図7に示す3レベルインバータと対比して、ヒューズ13に代えて、コンデンサ13Aを含む点でのみ異なる。
コンデンサ13Aは、交流スイッチ5と電源中性点Cとの間に、ヒューズ12と並列に接続されている。コンデンサ13Aは、たとえばフィルムコンデンサからなる。
本変更例では、IGBT素子Q1のコレクタと端子Pとの間に接続されるヒューズ11、IGBT素子Q2のエミッタと端子Nとの間に接続されるヒューズ14に対して、交流スイッチ5と電源中性点Cとの間に接続されるヒューズ12にのみコンデンサ13Aを並列に接続することにより、U相出力端子Uと電源中性点Cとの間の過渡的な転流インダクタンスを、U相出力端子Uと端子Pとの間のインダクタンス、およびU相出力端子Uと端子Nとの間のインダクタンスよりも小さくしている。これにより、IGBT素子Q1(またはQ2)をオフするときのスイッチング電流が交流スイッチ5に転流し易くなるため、ダイオードD2(またはD1)に転流するのを防止して、不要にリカバリー損失およびリカバリーサージ電圧が発生するのを抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれることが意図される。
1,2 直流電源、4 平滑用コンデンサ、5,6,7 交流スイッチ、8 直流正母線、9 直流中性点母線、10 直流負母線、11,12,13,14 ヒューズ、13A コンデンサ、15 U相上下アーム、16 V相上下アーム、17 W相上下アーム、D1〜D8 ダイオード、Q1〜Q8 IGBT素子。

Claims (5)

  1. 交流ラインと直流正母線、直流負母線および直流中性点母線との間に設けられ、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置であって、
    前記直流正母線と前記交流ラインとの間に接続された第1の半導体スイッチング素子と、
    前記直流負母線と前記交流ラインとの間に接続された第2の半導体スイッチング素子と、
    前記直流中性点母線と前記交流ラインとの間に接続された交流スイッチと、
    前記第1および第2の半導体スイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続された第1および第2のダイオードとを備え、
    前記電力変換装置は、
    前記第1の半導体スイッチング素子および前記第1のダイオードを経由して前記直流正母線と前記交流ラインとの間に形成される第1の電流経路、前記第2の半導体スイッチング素子および前記第2のダイオードを経由して前記直流負母線と前記交流ラインとの間に形成される第2の電流経路、および、前記交流スイッチを経由して前記直流中性点母線と前記交流ラインとの間に形成される第3の電流経路を有し、
    前記第1および第2の電流経路の各々のインダクタンス値は、前記第3の電流経路のインダクタンス値よりも大きい、電力変換装置。
  2. 一方端子が前記直流正母線に接続され、他方端子が前記第1の半導体スイッチング素子に接続された第1のヒューズと、
    一方端子が前記直流負母線に接続され、他方端子が前記第2の半導体スイッチング素子に接続された第2のヒューズと、
    一方端子が前記直流中性点母線に接続され、他方端子が前記交流スイッチに接続された第3のヒューズとをさらに備え、
    前記第1および第2のヒューズのインダクタンス値は、前記第3のヒューズのインダクタンス値よりも大きい、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1および第2のヒューズは、第1の定格電流を有するヒューズ素子で構成され、
    前記第3のヒューズは、前記第1の定格電流よりも小さい第2の定格電流を有するヒューズ素子を、複数個並列に接続して構成される、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1および第2のヒューズは、所定の定格電流を有するヒューズ素子で構成され、
    前記第のヒューズは、前記所定の定格電流を有するヒューズ素子と、容量素子とを並列に接続して構成される、請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記電力変換装置は、前記直流正母線、前記直流負母線および前記直流中性点母線を介してそれぞれ供給された正電圧、負電圧および中性点電圧を交流電圧に変換して前記交流ラインに与える3レベルインバータである、請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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