JP6012008B2 - スイッチング回路 - Google Patents

スイッチング回路 Download PDF

Info

Publication number
JP6012008B2
JP6012008B2 JP2012156909A JP2012156909A JP6012008B2 JP 6012008 B2 JP6012008 B2 JP 6012008B2 JP 2012156909 A JP2012156909 A JP 2012156909A JP 2012156909 A JP2012156909 A JP 2012156909A JP 6012008 B2 JP6012008 B2 JP 6012008B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
igbt
turned
igbt switch
switches
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012156909A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014023190A (ja
Inventor
永木 敏一
敏一 永木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2012156909A priority Critical patent/JP6012008B2/ja
Publication of JP2014023190A publication Critical patent/JP2014023190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6012008B2 publication Critical patent/JP6012008B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、電力を双方向に変換するDC/DCコンバータやAC/DCコンバータなどに使用されるスイッチング回路に関する。
従来、電力を双方向に変換するコンバータとして、特に変換する電力が数kW以上となる場合には、例えば特許文献1に示されているように、スイッチング素子としてIGBT(insulated gate bipolar transistor)が使用されている場合が多い。その理由は、大電流域において、IGBTの飽和電圧がFET(field effect transistor)の飽和電圧と比較して小さく、IGBTのオン時損失が小さくなるためである。しかしながら、スイッチング素子としてIGBTを使用した場合、スイッチオフ時にテール電流が発生するため、スイッチオフ損失が増大する。このような問題点を解決するため、例えば特許文献2には、IGBTとFETを並列接続して使用し、オン時はIGBTの飽和電圧を使用し、スイッチオフ時はFETのスイッチオフ特性を使用する技術が示されている。
(第1参考例)
図14は、上記特許文献1に示された回路構成に、特許文献2に記載の技術を実施したDC/DCコンバータの第1参考例を示す。図14(a)に示す低電圧入出力端子1に接続された直流電圧を昇圧して高電圧入出力端子2から出力する昇圧動作の場合、IGBTスイッチ8とIGBTスイッチ6が共にオフの状態では、IGBTスイッチ8に接続されたダイオード9を介して、低電圧入出力端子1に接続された直流電源18の電圧は高電圧入出力端子2に伝達されている。次に、IGBTスイッチ8をオフした状態でIGBTスイッチ6をオンすると、直流電源18、インダクタ5、IGBTスイッチ6、直流電源18の順に電流が流れ、インダクタ5にエネルギーが蓄積される。その後、IGBTスイッチ6をオフすることにより、インダクタ5に蓄積されたエネルギーが、直流電源18からの電圧に重畳され、ダイオード9を経由して、高電圧入出力端子2に伝達される。高電圧入出力端子2の電圧は、IGBTスイッチ6のオン/オフに伴って変化し、コンデンサ4により平滑化された電圧は直流電源18の電圧よりも高くなる。
図14(a)に示す第1参考例の場合、IGBTスイッチ6に並列接続されたFETスイッチ15を先にオンし、その後IGBTスイッチ6をオンする。次に、FETスイッチ15がオンしている間にIGBTスイッチ6をオフし、その後FETスイッチ15をオフする。それにより、インダクタ5に蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチ6によるオフではなくFETスイッチ15によるオフとなる。そのため、FETのオフ特性で支配されたスイッチオフ損失となり、IGBTのスイッチオフ損失と比較してスイッチオフ損失量が低減される。
一方、図14(b)に示す高電圧入出力端子2に接続された直流電源18の電圧を降圧して低電圧入出力端子1から出力する降圧動作の場合、一般的には、IGBTスイッチ6をオフにした状態でIGBTスイッチ8をオンしインダクタ5にエネルギーを蓄積する。このとき、高電圧入出力端子2に接続された直流電源18の電圧は、低電圧入出力端子1に伝達される。その後、IGBTスイッチ8をオフすることにより、直流電源18の電圧は低電圧入出力端子1に伝達されなくなり、インダクタ5に蓄積されたエネルギーが、ダイオード7を経由して、低電圧入出力端子1に伝達される。低電圧入出力端子1の電圧は、IGBT8のオン/オフに伴って変化するが、IGBTスイッチ8のオフ期間中の電圧は直流電源18の電圧よりも低くなるため、コンデンサ3により平滑化された電圧は直流電源18の電圧よりも低くなる。
図14(b)に示す第1参考例の場合、IGBTスイッチ8に並列接続されたFETスイッチ16を先にオンし、その後IGBTスイッチ8をオンする。次に、FETスイッチ16がオンしている間にIGBTスイッチ8をオフし、その後FETスイッチ16をオフする。それにより、インダクタ5に蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチ8によるオフではなくFETスイッチ16によるオフとなる。そのため、FETのオフ特性で支配されたスイッチオフ損失となり、IGBTのスイッチオフ損失と比較して、スイッチオフ損失量が低減される。
特開2010−004728号公報 特開平04−354156号公報
ところで、FETスイッチ15及び16の寄生ダイオード15d及び16dの逆回復時間がIGBTスイッチ6及び8に逆並列接続されたダイオード7及び9の逆回復時間に対して長い。また、FETスイッチ15及び16の寄生ダイオード15d及び16dの順方向電圧がIGBTスイッチ6及び8に逆並列されるダイオード7及び9の順方向電圧に対して低い。そのため、図14(a)に示すように、昇圧動作時にIGBTスイッチ6をオフする際には、寄生ダイオード16dに電流が流れる(図中、破線矢印参照)。また、昇圧動作時にIGBTスイッチ6をオンする際には、寄生ダイオード16dのアノード側が0Vになるので、寄生ダイオード16dに逆電圧が印加されるが、寄生ダイオード16dの長い逆回復時間により、大きな短絡電流がIGBTスイッチ6に流れ(図中、実線矢印参照)、スイッチオン損失が増加する。一方、図14(b)に示すように、降圧動作時にIGBTスイッチ8をオフする際には寄生ダイオード15dに、電流が流れる(図中、破線矢印参照)。また、降圧動作時にIGBTスイッチ8をオンする際には、寄生ダイオード15dに逆電圧が印加され、寄生ダイオード15dの長い逆回復時間により、大きな短絡電流がIGBTスイッチ8に流れ(図中、実線矢印参照)、スイッチオン損失が増加する。さらに、オン速度の速いFETスイッチ15及び16のオンがIGBTスイッチ6及び8のオンより先行するため、ダイオード7及び9の逆回復特性によるピーク電流値が増加し、スイッチオン損失が増加する。
FETスイッチ15、16の寄生ダイオード15d、16dの逆回復時間の影響を低減するため、逆阻止用ダイオードをFETスイッチ15及び16にそれぞれ直列接続することも考えられる。ところが、FETスイッチ15及び16側のスイッチオン電圧が高くなるという問題が発生するため、好ましくない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、簡素な構成で、IGBTのスイッチオフ損失を削減し、FET寄生ダイオードの影響を受けることなく、FET側のスイッチオン電圧の上昇を抑制可能なスイッチング回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るスイッチング回路は、逆並列ダイオードが接続され、昇圧動作時にオフされる第1のIGBTスイッチと、逆並列ダイオードが接続され、降圧動作時にオフされる第2のIGBTスイッチを備え、前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタが接続された第1及び第2のIGBT直列回路を有し、前記第1のIGBTスイッチのコレクタ同士が高電圧入出力端子の高電圧端子に接続され、前記第2のIGBTスイッチのエミッタ同士が高電圧入出力端子の低電圧端子に接続されたスイッチング回路であって、
前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第1の双方向スイッチが接続され、
前記第1及び第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチ及び前記第2のIGBTスイッチのうち、いずれかのIGBTスイッチをオフする際に、前記第1の双方向スイッチのオン及びオフ動作を併用することを特徴とする。
また、前記第1の双方向スイッチは、逆接続された2つのFETスイッチで構成されていることが好ましい。
また、前記第1のIGBTスイッチ及び前記第2のIGBTスイッチのうち、いずれかのIGBTスイッチをオフする際に、前記いずれかのIGBTスイッチがオンしている間に前記第1の双方向スイッチを構成する前記2つのFETスイッチの少なくとも一方をオンし、その後、前記いずれかのIGBTスイッチをオフすることが好ましい。
また、前記第1及び第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、低電圧入出力端子の間にそれぞれインダクタが接続され、
昇圧動作時において、前記第1のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチと、前記第2のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチが、位相差をもってインターリーブ駆動され、
降圧動作時に前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチと、前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチが、位相差をもってインターリーブ駆動され、
それによって、双方向DC/DCコンバータとして機能することが好ましい。
また、前記第1のIGBTスイッチのコレクタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第2の双方向スイッチが接続されていることが好ましい。
または、前記第2のIGBTスイッチのエミッタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第3の双方向スイッチが接続されていることが好ましい。
または、前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、低電圧入出力端子の一方の端子の間にインダクタが接続され、
前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、低電圧入出力端子の他方の端子の間に他のインダクタが接続され、
前記第1のIGBTスイッチのコレクタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第2の双方向スイッチが接続され、
昇圧動作時において、前記低電圧入出力端子に交流電源が接続され、前記交流電源の正の半サイクル期間と負の半サイクル期間に応じて、前記第1のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチと前記第2のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチを交互に駆動し、
降圧動作において、前記高電圧入出力端子に直流電源が接続され、前記低電圧入出力端子から出力される交流電源の正の半サイクル期間と負の半サイクル期間に応じて、前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチと前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチを交互に駆動し、
それによって、双方向AC/DC・DC/ACコンバータとして機能することを特徴とすることが好ましい。
また、前記第2のIGBTスイッチのエミッタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第3の双方向スイッチが接続されていることが好ましい。
IGBTスイッチをオン又はオフする際に、適宜双方向スイッチをオン及びオフさせれば、IGBTスイッチよりもスイッチオフ損失の少ない双方向スイッチのオン及びオフでスイッチング回路を駆動することができる。また、2つのIGBTスイッチを接続したIGBT直列回路で1つのコンバータを構成し、そのコンバータを複数並列接続した場合に、1つの双方向スイッチを2つのコンバータで兼用することができ、双方向スイッチの数をIGBTスイッチの数よりも少なくすることができる。
本発明の第1実施形態に係る双方向DC/DCコンバータの構成を示す回路図。 (a)は第1実施形態に係るDC/DCコンバータを昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す波形図、(b)は降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す波形図。 本発明の第2実施形態に係る双方向DC/DCコンバータの構成を示す回路図。 (a)は第2実施形態に係るDC/DCコンバータを昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す波形図、(b)は降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す波形図。 本発明の第3実施形態に係る双方向DC/DCコンバータの構成を示す回路図。 (a)は第3実施形態に係るDC/DCコンバータを昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す波形図、(b)は降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す波形図。 本発明の第3実施形態に係る双方向DC/DCコンバータの変形例の構成を示す回路図。 (a)は第3実施形態に係るDC/DCコンバータの変形例を昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す波形図、(b)は降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す波形図。 本発明の第4実施形態に係る双方向AC/DC・DC/ACコンバータの構成、特にAC/DC変換昇圧動作時を示す回路図。 第4実施形態に係るAC/DC・DC/ACコンバータのAC/DC変換時のIGBTスイッチ6a及び6bの電流波形、及びDC/AC変換降圧動作時のIGBTスイッチ8a及び8bの電流波形を示す図。 (a)は第4実施形態に係るAC/DCコンバータを、交流電源の正の半サイクル期間中に昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す波形図、(b)はDC/ACコンバータを交流電源の正の半サイクル期間中に降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す波形図。 本発明の第5実施形態に係る双方向AC/DC・DC/ACコンバータの構成、特にAC/DC変換昇圧動作時を示す回路図。 (a)は第5実施形態に係るAC/DCコンバータを、交流電源の正の半サイクル期間中に昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す波形図、(b)はDC/ACコンバータを交流電源の正の半サイクル期間中に降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す波形図。 (a)は、第1参考例に係る双方向DC/DCコンバータの構成及び昇圧動作を示す図、(b)は第1参考例における降圧動作を示す図。 第2参考例に係る双方向DC/DCコンバータの構成を示す図。
(第2参考例)
はじめに、上記第1参考例の問題点を解決するために、本発明に至る途中に検討された第2参考例について説明する。図15は、第2参考例に係る双方向DC/DCコンバータのスイッチング回路の構成を示す。図14と図15を比較してわかるように、第2参考例では、2つのFETスイッチを逆向きに接続して構成された双方向スイッチ20及び21を、IGBTスイッチ6及び8にそれぞれ並列に接続している。
低電圧入出力端子1に接続された直流電源(図示せず)の電圧を昇圧して高電圧入出力端子2から出力する昇圧動作の場合、IGBTスイッチ8をオフした状態で、双方向スイッチ20及び21をオフし、IGBTスイッチ6をオンする。それにより、低電圧入出力端子1からの電気エネルギーをインダクタ5に蓄積する。次に、IGBTスイッチ6をオフする前に双方向スイッチ20をオンする(FETスイッチ20a及び20bをオンする)。このとき、IGBTスイッチ6がオンしているため、FETスイッチ20a及び20bはゼロ電圧でオンし、FETスイッチ20a及び20bによるスイッチオン損失はほとんどない。その後、IGBTスイッチ6をオフするが、FETスイッチ20a及び20bがオンしているため、IGBTスイッチ6はゼロ電圧でオフし、IGBTスイッチ6によるスイッチオフ損失はほとんどない。さらに、FETスイッチ20a及び20bをオフすると、インダクタ5に蓄積されたエネルギーが低電圧入出力端子1の入力電圧に重畳され、ダイオード9経由にて高電圧入出力端子2に伝達される。FETスイッチ20a及び20bは、IGBTスイッチ6と比較して、スイッチオフ損失が少ない。このとき、双方向スイッチ21がオフ(FETスイッチ21a及び21bがオフ)しており、各FETスイッチ21a及び21bの寄生ダイオード21ad及び21bdは逆接続であるため、双方向スイッチ21(寄生ダイオード21ad及び21bd)には電流は流れない。
また、IGBTスイッチ6をオフする際、IGBTスイッチ6と同時に導通しないようにデッドタイムを設けて双方向スイッチ21(FETスイッチ21a及び21b)をオンする(同期整流)ことで、電流が双方向スイッチ20(FETスイッチ20a及び20b)のオン抵抗側を流れる。そのため、ダイオード9の順方向電圧に比較して双方向スイッチ21のオン電圧が低くなり、導通損失が少なくなる。なお、デッドタイム期間はFETスイッチ21a及び21bがオフとなるため、ダイオード9にのみ電流が流れる。FETスイッチ21a及び21bをオン/オフする時の電圧はダイオード9の順方向電圧であり、スイッチオン/スイッチオフ損失はほとんどない。このとき、FETスイッチ21a及び21bのオフからIGBTスイッチ6オンまでのデッドタイムは、寄生ダイオード21ad及び21bdの逆回復時間に対して十分余裕のある時間に設定する。次のサイクルにおいてIGBTスイッチ6をオンする際、その直前には寄生ダイオード21ad及び21bdに電流は流れていないため、寄生ダイオード21ad及び21bdの逆回復時間による大きな短絡電流は、IGBTスイッチ6には流れない。従って、先にIGBTスイッチをオフし、次にFETスイッチをオフすれば、スイッチオフ損失量を低減することができる。また、同期整流を行えばダイオードの導通損失を低減することも可能となる。
高電圧入出力端子2に接続された直流電圧を降圧して低電圧入出力端子1から出力する降圧動作の場合、上記IGBTスイッチ6がIGBTスイッチ8に、ダイオード9がダイオード7に置き換わり、双方向スイッチ20と21の動作が逆になる。その他の動作及び効果は同様であるため、説明を省略する。
このように、第2参考例によれば、IGBTスイッチ6又は8のスイッチング損失などを大幅に低減することができるが、1つのIGBTスイッチに対して2つのFETスイッチで構成された双方向スイッチが1つ必要である。そのため、スイッチング回路の構成が複雑になる。また、図15に示す構成例では、2つのIGBTスイッチと4つのFETスイッチで1つのDC/DCコンバータを構成しているが、大電力に対応するために、複数のコンバータを並列接続することが行われている。後者の場合、単に第2参考例に係るスイッチング回路を用いて複数のコンバータを並列接続すると、それに伴って回路構成がさらに複雑になる。ところが、本発明によれば、複数のコンバータを並列接続した場合に、2つのFETスイッチで構成された双方向スイッチの数をIGBTスイッチの数よりも少なくすることができるという顕著な効果が得られる。以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形に係るスイッチング回路は、2つのコンバータを並列接続して構成された双方向DC/DCコンバータに関する。図1は、第1実施形態に係る双方向DC/DCコンバータの構成を示す。図2(a)は、上記DC/DCコンバータを昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。図2(b)は、上記DC/DCコンバータを降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動波形の一例を示す。このように2つのコンバータを並列に接続して構成する場合、各コンバータの同一動作を行うスイッチのオン/オフのタイミングを、位相を異ならせて駆動する(インターリーブ駆動)ことにより、雑音や電波障害などを減少させることができる。
図1に示すように、2つのコンバータは、それぞれ低電圧入出力端子1、コンデンサ3、コンデンサ4及び高電圧入出力端子2を共有している。第1のコンバータは、さらにインダクタ5a、IGBTスイッチ6a、IGBTスイッチ6aに逆並列接続されたダイオード7a、IGBTスイッチ8a及びIGBTスイッチ8aに逆並列接続されたダイオード9aを備えている。同様に、第2のコンバータは、さらにインダクタ5b、IGBTスイッチ6b、IGBTスイッチ6bに逆並列接続されたダイオード7b、IGBTスイッチ8b及びIGBTスイッチ8bに逆並列接続されたダイオード9bを備えている。IGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ8aの接続点とIGBTスイッチ6bとIGBTスイッチ8bの接続点の間には、逆向きに接続された2つのFETスイッチ10a及び10bによって構成された第1の双方向スイッチ10が接続されている。
IGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ8aに着目すると、これら2つのIGBTスイッチが同じ向きに直列接続されており(第1のIGBT直列回路)、昇圧時にオフされるIGBTスイッチ8a(第1のIGBTスイッチ)のエミッタと降圧時にオフされるIGBTスイッチ6a(第2のIGBTスイッチ)のコレクタが接続されている。インダクタ5aは、低電圧入出力端子1とIGBTスイッチ8aとIGBTスイッチ6aの接続点との間に接続されている。同様に、IGBTスイッチ6bとIGBTスイッチ8bはIGBTスイッチが同じ向きに直列接続されており(第2のIGBT直列回路)、昇圧時にオフされるIGBTスイッチ8b(第1のIGBTスイッチ)のエミッタと降圧時にオフされるIGBTスイッチ6b(第2のIGBTスイッチ)のコレクタが接続されている。インダクタ5bは、低電圧入出力端子1とIGBTスイッチ8bとIGBTスイッチ6bの接続点との間に接続されている。IGBTスイッチ8aのコレクタとIGBTスイッチ8bのコレクタは互いに接続され、さらに高電圧入出力端子2の高電圧端子に接続されている。IGBTスイッチ6aのエミッタとIGBTスイッチ6bのエミッタは互いに接続され、さらに低電圧入出力端子1と高電圧入出力端子2の低電圧端子(又はグランド側)に接続されている。さらに、コンデンサ3は低電圧入出力端子1に、コンデンサ4は低電圧入出力端子1に、それぞれ並列接続されている。
図2(a)は、昇圧動作時における低電圧入出力端子1の入力電圧と高電圧入出力端子2の出力電圧の比(昇圧比)が2以上の場合の各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。この場合、IGBTスイッチ6aと6bをオンするタイミングの位相遅れを180度とする。IGBTスイッチ6a及び6bのデューティ(1周期に占めるオンパルス幅比)は0.5以上となり、IGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ6bをそれぞれオンさせるための2つのパルス信号に重なり期間が存在する。
昇圧動作中、IGBTスイッチ8a及び8bは共にオフである。IGBTスイッチ6aと6bが共にオン状態のとき、低電圧入出力端子1の入力電力がインダクタ5a及び5bにエネルギーとして蓄積される。次に、IGBTスイッチ6bがオンの状態で、IGBTスイッチ6aをオフする前に第1の双方向スイッチ10(FETスイッチ10a及び10b)をオンする。このとき、IGBTスイッチ6a及び6bは共にオン状態であるため、FETスイッチ10a及び10bはゼロ電圧でオンし、スイッチオン損失はほとんどない。IGBTスイッチ6aと第1の双方向スイッチ10とIGBTスイッチ6bの直列回路が1つのスイッチ組となる。
その後、IGBTスイッチ6aをオフする。IGBTスイッチ6aに流れていた電流はFETスイッチ10a、FETスイッチ10b及びIGBTスイッチ6bに流れる。FETスイッチ10a、FETスイッチ10b及びIGBTスイッチ6bが元々オンしているため、IGBTスイッチ6aはゼロ電圧でオフし、スイッチオフ損失はほとんどない。さらに、FETスイッチ10a及び10bをオフすると、インダクタ5aに蓄積されたエネルギーが、低電圧入出力端子1の入力電圧に重畳され、ダイオード9aを経由して高電圧入出力端子2に伝達される。IGBTスイッチ6bをオフする場合も、IGBTスイッチ6bと第1の双方向スイッチ10とIGBTスイッチ6aの直列回路が1つのスイッチ組となり、IGBTスイッチ6aをオフする場合と同様の動作となる。従って、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチ6a及び6bのオフによらず、FETスイッチ10a及び10bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。
図2(b)は、降圧動作時における各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。なお、図2(a)に示す昇圧動作時と比較して、低電圧入出力端子1及び高電圧入出力端子2の電圧は同一であり、IGBTスイッチ8a及び8bのベース駆動信号のパルス幅は図2(a)におけるIGBTスイッチ6a及び6bのオフ期間と同一である。従って、IGBTスイッチ8a及び8bのオンデューティは0.5以下となり、IGBTスイッチ8a及び8bをそれぞれオンさせるための2つのパルス信号の位相遅れが180度の場合、これら2つのパルス信号に重なり期間を設けることはできない。そこで、IGBTスイッチ8a及び8bをオンさせるための2つのパルス信号の位相遅れ期間を180度以内とし、これら2つのパルス信号に重なり期間を確保している。
降圧動作中、IGBTスイッチ6a及び6bは共にオフである。IGBTスイッチ8aと8bが共にオン状態のとき、高電圧入出力端子2の入力電力がインダクタ5a及び5bにエネルギーとして蓄積される。次に、IGBTスイッチ8aをオフする前に第1の双方向スイッチ10(FETスイッチ10a及び10b)をオンする。このとき、IGBTスイッチ8a及び8bは共にオン状態であるため、FETスイッチ10a及び10bはゼロ電圧でオンし、スイッチオン損失はほとんどない。IGBTスイッチ8aと第1の双方向スイッチ10とIGBTスイッチ8bの直列回路が1つのスイッチ組となる。
その後、IGBTスイッチ8aをオフする。IGBTスイッチ8aに流れていた電流はFETスイッチ10a、FETスイッチ10b及びIGBTスイッチ8bに流れる。FETスイッチ10a、FETスイッチ10b及びスイッチ8bが元々オンしているため、IGBTスイッチ8aはゼロ電圧でオフし、スイッチオフ損失はほとんどない。さらに、FETスイッチ10a及び10bをオフすると、インダクタ5aに蓄積されたエネルギーが、ダイオード7aを経由して低電圧入出力端子1に伝達される。
IGBTスイッチ8a及び8bを駆動するための2つのパルス信号のオンデューティが0.5以下のため、図2(b)の左側において、IGBTスイッチ8bがオンしている状態でIGBTスイッチ8aをオフすることはできるが、逆に、IGBTスイッチ8aをオンしている状態でIGBTスイッチ8bをオフすることはできない。すなわち、インダクタ5aに蓄積されたエネルギーの放出は、IGBTスイッチ8aのオフによらず、FETスイッチ10a及び10bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。ところが、インダクタ5bに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、そのままIGBTスイッチ8bのオフにより、スイッチオフ損失が発生する。IGBTスイッチ8a及び8bの駆動信号として、同じ波形のパルス信号を続けて出力すると、IGBTスイッチ8bにおいてのみスイッチオフ損失が発生し、IGBTスイッチ8bが劣化する。そこで、本実施形態においては、所定のパルス数だけ同じ波形のパルス信号を出力すると、図2(b)の右側に示すように、IGBTスイッチ8bをオフする際にIGBTスイッチ8aがオンしている状態となるように、上記所定のパルス数だけ異なる波形のパルス信号を出力する。第1実施形態の場合は、2つのコンバータで構成されているため、図2(b)における左側の波形と右側の波形は線対称形となり、それぞれ所定のパルス数だけ交互に出力される。
このように、第1実施形態の構成によれば、双方向DC/DCコンバータを2つのコンバータで構成することにより、4個のIGBTスイッチに対して1つの双方向スイッチを設けるだけでよく、2つのFETスイッチで構成された双方向スイッチの数をIGBTスイッチの数よりも少なくすることができるという顕著な効果が得られる。さらに、IGBTスイッチをオフする際、FETスイッチがオンしておき、その後FETスイッチをオフしているので、IGBTスイッチによるスイッチオフ損失はほとんど発生せず、全体的なスイッチオフ損失を低減することができる。さらに、IGBTスイッチ8a及び8bのいずれか一方にはスイッチオフ損失が発生するけれども、IGBTスイッチ8aと8bに交互にスイッチオフ損失を発生させることにより、熱的にバランスをとることができる。
(第2実施形態)
第2実施形に係るスイッチング回路は、3つのコンバータを並列接続して構成された双方向DC/DCコンバータに関する。図3は、第2実施形態に係る双方向DC/DCコンバータの構成を示す。図4(a)は、上記DC/DCコンバータを昇圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。図4(b)は、上記DC/DCコンバータを降圧動作させるときの各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。これら3つのコンバータをインターリーブ駆動する点は第1実施形態の場合と同様である。
図3に示すように、3つのコンバータは、それぞれ低電圧入出力端子1、コンデンサ3、コンデンサ4及び高電圧入出力端子2を共有している。第1のコンバータは、さらにインダクタ5a、IGBTスイッチ6a、IGBTスイッチ6aに逆並列接続されたダイオード7a、IGBTスイッチ8a及びIGBTスイッチ8aに逆並列接続されたダイオード9aを備えている。同様に、第2のコンバータは、さらにインダクタ5b、IGBTスイッチ6b、IGBTスイッチ6bに逆並列接続されたダイオード7b、IGBTスイッチ8b及びIGBTスイッチ8bに逆並列接続されたダイオード9bを備えている。第3のコンバータは、さらにインダクタ5c、IGBTスイッチ6c、IGBTスイッチ6cに逆並列接続されたダイオード7c、IGBTスイッチ8c及びIGBTスイッチ8cに逆並列接続されたダイオード9cを備えている。
IGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ8aの接続点とIGBTスイッチ6bとIGBTスイッチ8bの接続点の間には、逆向きに接続された2つのFETスイッチ10a及び10bによって構成された第1の双方向スイッチ10が接続されている。また、IGBTスイッチ6bとIGBTスイッチ8bの接続点とIGBTスイッチ6cとIGBTスイッチ8cの接続点の間には、逆向きに接続された2つのFETスイッチ13a及び13bによって構成された第1の双方向スイッチ13が接続されている。さらに、IGBTスイッチ6cとIGBTスイッチ8cの接続点とIGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ8aの接続点の間には、逆向きに接続された2つのFETスイッチ14a及び14bによって構成された第1の双方向スイッチ14が接続されている。その他の説明は、上記第1実施形態の場合と同様であるため省略する。
図4(a)は、昇圧動作時における低電圧入出力端子1の入力電圧と高電圧入出力端子2の出力電圧の比(昇圧比)が3以上の場合の各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。この場合、IGBTスイッチ6a、6b及び6cのオン位相遅れを120度とする。IGBTスイッチ6a、6b及び6cのデューティ(1周期に占めるオンパルス幅比)は0.67以上となり、IGBTスイッチ6a、6b及び6cをそれぞれオンさせるための3つのパルス信号に重なり期間が存在する。昇圧動作そのものについては、上記第1実施形態の場合と同様のため、その説明を省略する。
図4(b)は、降圧動作時における各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。なお、図4(a)に示す昇圧動作時と比較して、低電圧入出力端子1及び高電圧入出力端子2の電圧は同一であり、IGBTスイッチ8a、8b及び8cのベース駆動信号のパルス幅は図4(a)におけるIGBTスイッチ6a、6b及び6cのオフ期間と同一である。従って、IGBTスイッチ8a、8b及び8cのオンデューティは0.33以下となり、IGBTスイッチ8a、8b及び8cをオンさせるための3つのパルス信号の位相遅れが120度の場合、これら3つのパルス信号に重なり期間を設けることはできない。そこで、IGBTスイッチ8aと8bをオンさせるための2つのパルス信号の位相遅れ期間及びIGBTスイッチ8bと8cをオンさせるための2つのパルス信号の位相遅れ期間をそれぞれ120度以内とし、これらのパルス信号に重なり期間を確保している。
図4(b)の左側においても、IGBTスイッチ8bがオンしている状態でIGBTスイッチ8aをオフすること及びIGBTスイッチ8cがオンしている状態でIGBTスイッチ8bをオフすることはできるが、IGBTスイッチ8aをオンしている状態でIGBTスイッチ8cをオフすることはできない。すなわち、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチ8a及び8bのオフによらず、FETスイッチ10a及び10b及びFETスイッチ13a及び13bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。ところが、インダクタ5cに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、そのままIGBTスイッチ8cのオフにより、スイッチオフ損失が発生する。そこで、第2実施形態においても、所定のパルス数だけ同じ波形のパルス信号を出力すると、図4(b)の右側に示すように、IGBTスイッチ8cをオフする際にIGBTスイッチ8aがオンしている状態となるように、上記所定のパルス数だけ異なる波形のパルス信号を出力する。第2実施形態の場合は、3つのコンバータで構成されているため、3つのIGBTスイッチ8a、8b及び8cの順にスイッチオフ損失が発生するように、それぞれ波形の異なる3通りのパターンを上記所定のパルス数ずつ出力するようにローテーションさせればよい。
このように、第2実施形態の構成によれば、DC/DCコンバータを3つのコンバータで構成することにより、6個のIGBTスイッチに対して3つの第1の双方向スイッチを設けるだけでよく、2つのFETスイッチで構成された双方向スイッチの数をIGBTスイッチの数よりも少なくすることができるという顕著な効果が得られる。また、図3に示すように、3組のIGBT直列回路に対して3つの第1の双方向スイッチを設けたが、図1に示す第1実施形態のように、1つの第1の双方向スイッチを、それが接続されている2組のIGBT直列回路に対して使用することにより、第1の双方向スイッチの数をさらに少なくすることができる。例えば、IGBTスイッチ6aと8a及び6bと8bのオン又はオフに際して第1の双方向スイッチ10を使用し、IGBTスイッチ6bと8b及び6cと8cのオン又はオフに際して第1の双方スイッチ素子13を使用すれば、第1の双方向スイッチ素子14を省略することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るスイッチング回路は、2つのコンバータを並列接続して構成された双方向DC/DCコンバータに関する。図5に示すように、第3実施形態に係るスイッチング回路は、第1の双方向スイッチ10を構成するFETスイッチ10aと10bの接続点と高電圧入出力端子2の間に第2の双方向スイッチ11が接続されている。第2の双方向スイッチ11も、逆向きに接続された2つのFETスイッチ11aと11bで構成されている。
昇圧動作を行う場合、第2の双方向スイッチ11をオフした状態で、図2(a)に示す第1実施形態の駆動信号と全く同じ駆動信号を用いて各スイッチを駆動することができるが、さらに、図6(a)に示す駆動信号を用いて各スイッチを駆動することもできる。図6(a)は、第1実施形態の場合と同様に、昇圧動作時における低電圧入出力端子1の入力電圧と高電圧入出力端子2の出力電圧の比(昇圧比)が2以上の場合の各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。この場合も、IGBTスイッチ6aと6bをオンするタイミングの位相遅れを180度とする。
昇圧動作中、IGBTスイッチ8a及び8bは共にオフである。IGBTスイッチ6aと6bが共にオン状態のとき、低電圧入出力端子1の入力電力がインダクタ5a及び5bにエネルギーとして蓄積される。次に、IGBTスイッチ6aをオフする前に第1の双方向スイッチ10(FETスイッチ10a及び10b)をオンする。このとき、IGBTスイッチ6a及び6bは共にオン状態であるため、FETスイッチ10a及び10bはゼロ電圧でオンし、スイッチオン損失はほとんどない。次に、IGBTスイッチ6aをオフする。IGBTスイッチ6aに流れていた電流はFETスイッチ10a、FETスイッチ10b及びIGBTスイッチ6bに流れる。FETスイッチ10a、FETスイッチ10b及びIGBTスイッチ6bが元々オンしているため、IGBTスイッチ6aはゼロ電圧でオフし、スイッチオフ損失はほとんどない。
その後、FETスイッチ10aがオンした状態でFETスイッチ10bをオフする。インダクタ5aに蓄積されたエネルギーは、低電圧入出力端子1の入力電圧に重畳され、ダイオード9aを経由して高電圧入出力端子2に伝達される。FETスイッチ10bは、IGBTスイッチ6aと比較して、スイッチオフ損失が小さい。そして、所定のデッドタイムをおいて、第2の双方向スイッチ11(FETスイッチ11a及び11b)をオンする(同期整流)。デッドタイム期間は、FETスイッチ11a及び11bがオフであるため、ダイオード9aにのみ電流は流れる。IGBTスイッチ10a、FETスイッチ11a及び11bのオン又はオフ時の電圧はダイオード9aの順方向電圧であるため、これらのスイッチによるスイッチオン損失及びスイッチオフ損失はほとんどない。第2の双方向スイッチ11がオンした後は、電流は第2の双方向スイッチ11(FETスイッチ11a及び11b)のオン抵抗を流れるため、ダイオード9aの順方向電圧と比較して、FETスイッチ10aと第2の双方向スイッチ11のオン電圧が低くなり、導通損失が減少する。その後、FETスイッチ10a及び第2の双方向スイッチ11(FETスイッチ11a及び11b)をオフする。
さらに、第2の所定のデッドタイムをおいて、IGBTスイッチ6aをオンする。第2の所定のデッドタイムとして、FETスイッチ10a、11a及び11bの寄生ダイオード10ad、11ad及び11bdの逆回復時間に対して十分余裕のある時間を設定する。次のサイクルにおいてIGBTスイッチ6aをオンする際、その直前に寄生ダイオード10ad、11ad及び11bdに電流は流れていないため、寄生ダイオード10ad、11ad及び11bdの逆回復時間による大きな短絡電流は流れない。従って、IGBTスイッチを先にオフし、その後FETスイッチをオフすることにより、スイッチオフ損失を低減することができ、また、同期整流を行うことにより、ダイオード導通損失を低減することができる。なお、IGBTスイッチ6bをオフする場合も同様の動作となる。
図6(b)は、降圧動作時における各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。なお、図6(a)に示す昇圧動作時と比較して、低電圧入出力端子1及び高電圧入出力端子2の電圧は同一であり、IGBTスイッチ8a及び8bのベース駆動信号のパルス幅は図6(a)におけるIGBTスイッチ6a及び6bのオフ期間と同一である。従って、IGBTスイッチ8a及び8bのオンデューティは0.5以下となり、IGBTスイッチ8a及び8bをそれぞれオンさせるための2つのパルス信号の位相遅れが180度とし、これら2つのパルス信号に重なり期間を設けていない。
降圧動作中、IGBTスイッチ6a及び6bは共にオフである。IGBTスイッチ8aがオン状態のとき、高電圧入出力端子2の入力電力がインダクタ5aにエネルギーとして蓄積される。次に、IGBTスイッチ8aをオフする前にFETスイッチ10aと第2双方向スイッチ11(FETスイッチ11a及び11b)をオンする。このとき、IGBTスイッチ8aはオン状態であるため、FETスイッチ10a、11a及び11bはゼロ電圧でオンし、スイッチオン損失はほとんどない。
その後、IGBTスイッチ8aをオフする。IGBTスイッチ8aに流れていた電流はFETスイッチ11a、FETスイッチ11b及びFETスイッチ10aに流れる。FETスイッチ10a、FETスイッチ11a及びFETスイッチ11bが元々オンしているため、IGBTスイッチ8aはゼロ電圧でオフし、スイッチオフ損失はほとんどない。さらに、FETスイッチ10a、11a及び11bをオフすると、インダクタ5aに蓄積されたエネルギーが、ダイオード7aを経由して低電圧入出力端子1に伝達される。IGBTスイッチ8bをオフする場合も同様の動作となる。
このように、第3実施形態によれば、IGBTスイッチ8a及び8bを駆動するための2つのパルス信号に重なり期間を設けていないけれども、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチ8a及び8bのオフによらず、FETスイッチ10a、10b、11a及び11bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。また、第1実施形態と比較して、第3実施形態によれば、降圧動作時に駆動信号の波形を変更する必要が無く、同じ波形の信号を続けて出力することができ、制御が容易になる。
図7及び図8は、第3実施形態に係るスイッチング回路の変形例を示す。図5及び図6に示す構成例では、昇圧比が2以上の場合に対応しているが、図7及び図8に示す変形例は、昇圧比が2以下の場合に対応する。この変形例に係るスイッチング回路は、第1の双方向スイッチ10を構成するFETスイッチ10aと10bの接続点とゼロ電位(グランド)の間に第3の双方向スイッチ12が接続されている。第3の双方向スイッチ12も、逆向きに接続された2つのFETスイッチ12aと12bで構成されている。
図8(a)は昇圧動作を行う場合の各スイッチのベース及びゲート駆動波形を示しており、図6(b)に示す降圧動作時の駆動信号と比較して、IGBTスイッチ素子8a及び8bの駆動信号の波形とIGBTスイッチ素子6a及び6bの駆動信号の波形が入れ替わり、FETスイッチ11a及び11bの符号がFETスイッチ12a及び12bに代わっているだけである。また、図8(b)は降圧動作を行う場合の各スイッチのベース及びゲート駆動波形を示しており、図6(a)に示す昇圧動作時の駆動信号と比較して、IGBTスイッチ素子8a及び8bの駆動信号の波形とIGBTスイッチ素子6a及び6bの駆動信号の波形が入れ替わり、FETスイッチ11a及び11bの符号がFETスイッチ12a及び12bに代わっているだけである。各スイッチの動作は同様である。なお、この変形例において、図2(a)に示す第1実施形態の駆動信号と同様の駆動信号を用い、IGBTスイッチ素子8a及び8bの駆動信号の波形とIGBTスイッチ素子6a及び6bの駆動信号の波形が入れ替えることによっても降圧動作をさせることができる。
このように、第3実施形態の変形例によっても、インダクタに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチのオフによらず、FETスイッチのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。また、FETスイッチのオフからIGBTスイッチオンまでのデッドタイムを、寄生ダイオードの逆回復時間に対して十分余裕のある時間に設定する。それにより、次のサイクルにおいてIGBTスイッチをオンする際、その直前には寄生ダイオードに電流は流れていないため、寄生ダイオードの逆回復時間による大きな短絡電流は、IGBTスイッチには流れない。従って、IGBTスイッチをオフし、次にFETスイッチをオフすれば、スイッチオフ損失量を低減することができる。また、同期整流を行えばダイオードの導通損失を低減することも可能となる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係るスイッチング回路は、2つのコンバータを並列接続して構成された双方向AC/DC・DC/ACコンバータに関する。図9は、低電圧入出力端子1に交流電源17が接続されたAC/DCコンバータによる昇圧動作時の構成を示す。図9に示すように、第4実施形態に係るスイッチング回路は、IGBTスイッチ8aとIGBTスイッチ8bのコレクタ同士が接続された端子とIGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ6bのエミッタ同士が接続された端子の間に、高電圧入出力端子2とコンデンサ4が並列接続されている。また、IGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ8aの接続点とIGBTスイッチ6bとIGBTスイッチ8bの接続点の間には、逆向きに接続された2つのFETスイッチ10a及び10bによって構成された第1の双方向スイッチ10が接続されている。さらに、第1の双方向スイッチ10を構成するFETスイッチ10aと10bの接続点とIGBTスイッチ8aとIGBTスイッチ8bのコレクタ同士が接続された端子の間に第2の双方向スイッチ11が接続されている。さらに、第1の双方向スイッチ10を構成するFETスイッチ10aと10bの接続点とIGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ6bのエミッタ同士が接続された端子の間に第3の双方向スイッチ12が接続されている。
低電圧入出力端子1にはコンデンサ3が並列接続され、低電圧入出力端子1の一方の端子とIGBTスイッチ6aとIGBTスイッチ8aの接続点の間にインダクタ5aが接続され、低電圧入出力端子1の他方の端子とIGBTスイッチ6bとIGBTスイッチ8bの接続点の間にインダクタ5bが接続されている。AC/DC昇圧動作時には、低電圧入出力端子1には交流電源17が接続され、高電圧入出力端子2から昇圧された直流電力が出力される。また、DC/AC降圧動作時には、高電圧入出力端子2には直流電源が接続され、低電圧入出力端子1から降圧された交流電力が出力される。
ここで、AC/DCコンバータによる昇圧動作について説明する。低電圧入出力端子1に接続された交流電源17は、半サイクルごとに正の電圧と負の電圧が入れ替わるため、交流電源17の正の半サイクル期間について説明する。交流電源17の正の半サイクル期間については、電圧が変化する直流電源が低電圧入出力端子1に順方向に接続されている場合と同様に考えられる。IGBTスイッチ6a、6b、8a及び8bが全てオフの状態で、低電圧入出力端子1に接続された交流電源17の電圧が0Vから上昇すると、インダクタ5b、ダイオード9b、コンデンサ4、ダイオード7a、インダクタ5aの経路で高電圧入出力端子2に交流電源17の正の電圧が伝達される。同時に、コンデンサ3及び4が充電される。
次に、IGBTスイッチ6a、8a及び8bがオフの状態で、IGBTスイッチ6bをオンすると、交流電源17から、インダクタ5b、IGBTスイッチ6b、ダイオード7a、インダクタ5a、交流電源17の順に電流が流れ、インダクタ5a及び5bにエネルギーが蓄積される。さらに、IGBTスイッチ6bをオフすると、上記電流が流れなくなり、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーが、インダクタ5b、ダイオード9b、コンデンサ4、ダイオード7a、インダクタ5aの順に電流が流れ、低電圧入出力端子1に接続された交流電源17の正の電圧に重畳されて、高電圧入出力端子2に伝達される。高電圧入出力端子2には、IGBTスイッチ6bのオン/オフに伴って交流電源17の電圧よりも高い電圧が印加される。そのため、コンデンサ4によって平滑化された直流電圧は、交流電源17の実効電圧よりも高くなっている。なお、交流電源17の正の半サイクル期間中に複数回IGBTスイッチ6bのオンとオフを繰り返す。図10の左側(交流の正の半サイクル期間)はIGBTスイッチ6bに流れる電流波形を示す。
交流電源17の負の半サイクル期間については、電圧が変化する直流電源が低電圧入出力端子1に逆方向に接続されている場合と同様に考えられる。IGBTスイッチ6a、6b、8a及び8bが全てオフの状態で、低電圧入出力端子1に接続された交流電源17の電圧が0Vから下降すると、インダクタ5a、ダイオード9a、コンデンサ4、ダイオード7b、インダクタ5bの経路で高電圧入出力端子2に交流電源17の負の電圧が伝達される。ここで、交流電源17の負の電圧は、ダイオード9aによって反転され、コンデンサ4には交流電源17の正の半サイクル期間と同じ向きに電圧が印加されるので、高電圧入出力端子2には直流電圧が伝達される。コンデンサ3は、上記交流電源17の正の半サイクル期間とは逆向きに充電される。
IGBTスイッチ6b、8a及び8bがオフの状態で、IGBTスイッチ6aをオンすると、インダクタ5a、IGBTスイッチ6a、ダイオード7b、インダクタ5bの順に電流が流れ、インダクタ5a及び5bにエネルギーが蓄積される。次に、IGBTスイッチ6aをオフすると、上記電流が流れなくなり、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーが、インダクタ5a、ダイオード9a、コンデンサ4、ダイオード7b、インダクタ5bの順に電流が流れ、低電圧入出力端子1に接続された交流電源17の電圧に重畳され、高電圧入出力端子2に伝達される。交流電源17の負の半サイクル期間中に複数回IGBTスイッチ6aのオンとオフを繰り返す。図10の右側(交流の負の半サイクル期間)IGBTスイッチ6aに流れる電流波形を示す。
次に、DC/ACコンバータによる降圧動作について説明する。低電圧入出力端子1から交流電力を出力するため、交流電源の半サイクルごとに正の電圧と負の電圧を入れ替える必要がある。まず、交流電源17の正の半サイクル期間について説明する。IGBTスイッチ8a及び8bがオフの状態では、IGBTスイッチ8a及び8bに接続されたダイオード9a及び9bが逆バイアスであるため、高電圧入出力端子2に接続された直流電源(図示せず)の電圧は低電圧入出力端子1には伝達されない。次に、IGBTスイッチ6aがオン、IGBTスイッチ6b及び8aがオフの状態で、IGBTスイッチ8bをオンすると、高電圧入出力端子2に接続された直流電源の電圧は、IGBTスイッチ8b、インダクタ5b、コンデンサ3、インダクタ5a、IGBTスイッチ6a、直流電源の経路で低電圧入出力端子1に伝達される。その際、インダクタ5a及び5bにエネルギーが蓄積されると共に、コンデンサ3が充電される。次に、IGBTスイッチ8bをオフすると、コンデンサ3及びインダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーが、インダクタ5b、コンデンサ3、インダクタ5a、IGBTスイッチ6a、ダイオード7bの経路で放出される。交流の正の半サイクルに相当する期間内に複数回IGBTスイッチ8bのオン/オフを繰り返す。低電圧入出力端子1には、IGBTスイッチ8bがオンしている間だけ、最大でも直流電源の電圧が伝達されるが、それ以外の期間は、コンデンサ3及びインダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーによる電圧が伝達されるだけである。そのため、コンデンサ3によって平滑化された低電圧入出力端子1の電圧の実効値は、高電圧入出力端子2に接続された直流電源の電圧よりも低くなる。低電圧入出力端子1から出力される交流電圧の波形を正弦波状にするには、交流電圧の変化に応じてIGBTスイッチ8bをオン/オフするタイミング及びデューティを変化させればよい。
交流の負の半サイクル分を出力する場合、IGBTスイッチ6bがオン、IGBTスイッチ6a及び8bがオフの状態で、IGBTスイッチ8aをオンすると、高電圧入出力端子2に接続された直流電源の電圧は、IGBTスイッチ8a、インダクタ5a、コンデンサ3、インダクタ5b、IGBTスイッチ6b、直流電源の経路で低電圧入出力端子1に伝達される。その際、インダクタ5a及び5bにエネルギーが蓄積されると共に、コンデンサ3が充電される。次に、IGBTスイッチ8aをオフすると、コンデンサ3及びインダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーが、インダクタ5a、コンデンサ3、インダクタ5b、IGBTスイッチ6b、ダイオード7aの経路で放出される。交流の負の半サイクルに相当する期間内に複数回IGBTスイッチ8aのオン/オフを繰り返す。低電圧入出力端子1には、IGBTスイッチ8aがオンしている間だけ、最大でも直流電源の電圧が反転して伝達されるが、それ以外の期間は、コンデンサ3及びインダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーによる電圧が伝達されるだけである。そのため、コンデンサ3によって平滑化された低電圧入出力端子1の電圧の実効値(絶対値)は、高電圧入出力端子2に接続された直流電源の電圧よりも低くなる。交流の正の半サイクル分を出力する場合と、交流の負の半サイクル分を出力する場合とで、コンデンサ3は逆向きに充電されるので、低電圧入出力端子1から交流電力が出力される。
図11(a)は交流の正の半サイクルにおけるAC/DC変換昇圧動作時の各スイッチのベース又はゲート駆動波形を示す。AC/DC変換昇圧動作については先に説明しているので、各スイッチの動作についてのみ説明する。図11(a)に示すように、IGBTスイッチ6a、8a及び8b、FETスイッチ10a、11a及び11bは常時オフとする。
IGBTスイッチ6bをオフする前に、FETスイッチ10bと第3の双方向スイッチ12(FETスイッチ12a及び12b)をオンにする。このとき、IGBTスイッチ6bはオンしているため、FETスイッチ10b、12a及び12bはゼロ電圧でオンし、損失はほとんどない。その後IGBTスイッチ6bをオフする。IGBTスイッチ6bに流れていた電流は、FETスイッチ10b、12a及び12bに流れる。FETスイッチ10b、12a及び12bがオンしているため、IGBTスイッチ6bはゼロ電圧でオフし、損失はほとんどない。さらに、その後、FETスイッチ10b、12a及び12bをオフすると、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーが、交流電源17(又はコンデンサ3)の電圧に重畳され、ダイオード9bを経由してコンデンサ4に流れ、コンデンサ4が充電される。従って、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーを放出する際の遮断は、IGBTスイッチ6bのオフによらず、FETスイッチ10a、12a及び12bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。
なお、図11(a)には描いていないが、図6(a)の場合と同様に、FETスイッチ10b及び第2の双方向スイッチ11を動作させれば、IGBTスイッチ6bをオフする際のダイオード9bの導通損失を低減することができる。また、交流の負の半サイクルについても同様であり、同様の動作により、スイッチオフ損失及びダイオード導通損失を低減することができる。
図11(b)は交流の正の半サイクルにおけるDC/AC変換降圧動作時の各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形を示す。DC/AC変換降圧動作については先に説明したので、各スイッチの動作についてのみ説明する。IGBTスイッチ8a及び6b及びFETスイッチ10a、12a及び12bは常時オフ、IGBTスイッチ6aは常時オンとする。
IGBTスイッチ8bをオフする前に、FETスイッチ10bと第2の双方向スイッチ11(FETスイッチ11a及び11b)をオンにする。このとき、IGBTスイッチ8bはオンのため、FETスイッチ10b、11a及び11bはゼロ電圧でオンし、損失はほとんどない。その後IGBTスイッチ8bをオフする。IGBTスイッチ8bに流れていた電流は、FETスイッチ10b、11a及び11bに流れる。FETスイッチ10b、11a及び11bがオンしているため、IGBTスイッチ8bはゼロ電圧でオフし、損失はほとんどない。その後、FETスイッチ10b、11a及び11bをオフすることにより、インダクタ5a、5bに蓄積されたエネルギーが、コンデンサ3に伝達される。従って、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーの放出は、IGBTスイッチ8bのオフによらず、FETスイッチ10a、11a及び11bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。
なお、図11(b)には描いていないが、図6(a)の場合と同様に、FETスイッチ10b及び第3の双方向スイッチ12を動作させれば、IGBTスイッチ8bをオフする際のダイオード7bの導通損失を低減することができる。また、交流の負の半サイクルについても同様である。このように、第4実施形態の構成によれば、スイッチオフ損失及びダイオード導通損失を低減することができ、高効率で小型の双方向AC−DCコンバータを構成することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係るスイッチング回路は、2つのコンバータを並列接続して構成された双方向AC−DCコンバータに関する。図12に示す第5実施形態に係るスイッチング回路は、図9に示す第4実施形態に係るスイッチング回路と比較して、第3の双方向スイッチ12が省略されている点が異なる。
図13(a)は交流の正の半サイクルにおけるAC/DC変換昇圧動作時の各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形の一例を示す。AC/DC変換昇圧動作については先に説明しているものと同様であるため、各スイッチの動作についてのみ説明する。AC/DC変換昇圧動作中、IGBTスイッチ6a、8a及び8b、及び第2の双方向スイッチ11(FETスイッチ11a及び11b)は、常時オフである。
IGBTスイッチ6bをオフする前に第1の双方向スイッチ10(FETスイッチ10a及び10b)をオンする。このとき、IGBTスイッチ6bがオンし、ダイオード7aが導通するため、FETスイッチ10a及び10bはゼロ電圧でオンし、損失はほとんどない。その後、IGBTスイッチ6bをオフする。IGBTスイッチ6b及びダイオード7aに流れていた電流は、FETスイッチ10a及び10bに流れる。FETスイッチ10a及び10bがオンしているため、IGBTスイッチ6bはゼロ電圧でオフし、損失はほとんどない。さらに、その後、FETスイッチ10a及び10bをオフすると、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーが、低電圧入出力端子1に接続された交流電源の電圧(又はコンデンサ3の端子電圧)に重畳され、ダイオード9bを経由して高電圧入出力端子2(又はコンデンサ4)に伝達される。従って、インダクタ5a及び5bに蓄積されたエネルギーの放出は、IGBTスイッチ6bのオフによらず、FETスイッチ10a及び10bのオフによるため、スイッチオフ損失が減少する。
なお、図13(a)には描いていないが、図6(a)の場合と同様に、FETスイッチ10b及び第2の双方向スイッチ11を動作させれば、IGBTスイッチ6bをオフする際のダイオード9bの導通損失を削減することができる。また、交流の負の半サイクルについても同様である。
図13(b)は、交流の正の半サイクルにおけるDC/AC変換降圧動作時の各スイッチのベース又はゲート駆動信号の波形を示す。DC/AC変換降圧動作及び各スイッチの動作は、図11(b)の場合と同一の動作となる。IGBTスイッチ8bをオフする際のIGBTスイッチ6aとダイオード7bの導通損失は、第1の双方向スイッチ10の同期整流により減少させることができる。また、交流の負の半サイクルについても同様である。このように、第5実施形態の構成によっても、スイッチオフ損失及びダイオード導通損失を削減することができ、高効率で小型の双方向AC−DCコンバータを構成することができる。
なお、上記説明において、双方向スイッチは2つのFETスイッチを逆接続して構成された一例を示しているが、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな双方向スイッチであれば良く、材料や構造などは特に限定されない。また、2つのFETスイッチを同時にオン/オフする場合は、逆接続された2つのFETスイッチの代わりに双方向特性を有する単一の双方向素子であってもよい。また、図3に示すように、第2実施形態において、IGBTスイッチ6aと8aの直列接続を第1のIGBT直列回路とすると、IGBTスイッチ6bと8bの直列接続又はIGBTスイッチ6cと8cの直列接続が第2のIGBT直列回路に相当する。同様に、IGBTスイッチ6bと8bの直列接続を第1のIGBT直列回路とすると、IGBTスイッチ6cと8cの直列接続が第2のIGBT直列回路に相当する。IGBT直列回路が4つ以上ある場合も同様である。
1 低電圧入出力端子
2 高電圧入出力端子
3、4 コンデンサ
5、5a、5b、5c インダクタ
6、6a、6b、6c、8、8a、8b、8c IGBTスイッチ
7、7a、7b、7c、9、9a、9b、9c ダイオード
10、11、12、13、14 双方向スイッチ
10a、10b、11a、11b、12a、12b、13a、13b、14a、14b FETスイッチ
10ad、10bd、11ad、11bd、12ad、12bd、13ad、13bd、14ad、14bd FET寄生ダイオード
17 交流電源
18 直流電源

Claims (8)

  1. 逆並列ダイオードが接続され、昇圧動作時にオフされる第1のIGBTスイッチと、逆並列ダイオードが接続され、降圧動作時にオフされる第2のIGBTスイッチを備え、前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタが接続された第1及び第2のIGBT直列回路を有し、前記第1のIGBTスイッチのコレクタ同士が高電圧入出力端子の高電圧端子に接続され、前記第2のIGBTスイッチのエミッタ同士が高電圧入出力端子の低電圧端子に接続されたスイッチング回路であって、
    前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第1の双方向スイッチが接続され、
    前記第1及び第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチ及び前記第2のIGBTスイッチのうち、いずれかのIGBTスイッチをオフする際に、前記第1の双方向スイッチのオン及びオフ動作を併用することを特徴とするスイッチング回路。
  2. 前記第1の双方向スイッチは、逆接続された2つのFETスイッチで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング回路。
  3. 前記第1のIGBTスイッチ及び前記第2のIGBTスイッチのうち、いずれかのIGBTスイッチをオフする際に、前記いずれかのIGBTスイッチがオンしている間に前記第1の双方向スイッチを構成する前記2つのFETスイッチの少なくとも一方をオンし、その後、前記いずれかのIGBTスイッチをオフすることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング回路。
  4. 前記第1及び第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、低電圧入出力端子の間にそれぞれインダクタが接続され、
    昇圧動作時において、前記第1のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチと、前記第2のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチが、位相差をもってインターリーブ駆動され、
    降圧動作時に前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチと、前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチが、位相差をもってインターリーブ駆動され、
    それによって、双方向DC/DCコンバータとして機能することを特徴とする請求項3に記載のスイッチング回路。
  5. 前記第1のIGBTスイッチのコレクタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第2の双方向スイッチが接続されていることを特徴とする請求項4に記載のスイッチング回路。
  6. 前記第2のIGBTスイッチのエミッタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第3の双方向スイッチが接続されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のスイッチング回路。
  7. 前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、低電圧入出力端子の一方の端子の間にインダクタが接続され、
    前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチのエミッタと前記第2のIGBTスイッチのコレクタの接続点と、低電圧入出力端子の他方の端子の間に他のインダクタが接続され、
    前記第1のIGBTスイッチのコレクタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第2の双方向スイッチが接続され、
    昇圧動作時において、前記低電圧入出力端子に交流電源が接続され、前記交流電源の正の半サイクル期間と負の半サイクル期間に応じて、前記第1のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチと前記第2のIGBT直列回路の前記第2のIGBTスイッチを交互に駆動し、
    降圧動作において、前記高電圧入出力端子に直流電源が接続され、前記低電圧入出力端子から出力される交流電源の正の半サイクル期間と負の半サイクル期間に応じて、前記第1のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチと前記第2のIGBT直列回路の前記第1のIGBTスイッチを交互に駆動し、
    それによって、双方向AC/DC・DC/ACコンバータとして機能することを特徴とする請求項3に記載のスイッチング回路。
  8. 前記第2のIGBTスイッチのエミッタ同士の接続点と、前記第1の双方向スイッチの2つのFETスイッチの接続点の間に、IGBTスイッチのスイッチオフ損失よりも損失の小さな第3の双方向スイッチが接続されていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチング回路。
JP2012156909A 2012-07-12 2012-07-12 スイッチング回路 Active JP6012008B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012156909A JP6012008B2 (ja) 2012-07-12 2012-07-12 スイッチング回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012156909A JP6012008B2 (ja) 2012-07-12 2012-07-12 スイッチング回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014023190A JP2014023190A (ja) 2014-02-03
JP6012008B2 true JP6012008B2 (ja) 2016-10-25

Family

ID=50197539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012156909A Active JP6012008B2 (ja) 2012-07-12 2012-07-12 スイッチング回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6012008B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6517496B2 (ja) * 2014-11-04 2019-05-22 三菱電機株式会社 モータ駆動装置、電動送風機、および電気掃除機
JP6278007B2 (ja) * 2015-07-14 2018-02-14 トヨタ自動車株式会社 電源システム
DE102016209700B3 (de) * 2016-06-02 2017-08-31 Hagenuk KMT Kabelmeßtechnik GmbH Hochspannungsschaltungsanordnung zur Diagnose und Prüfung von Betriebsmitteln der elektrischen Energietechnik
KR102273767B1 (ko) * 2016-11-14 2021-07-06 삼성에스디아이 주식회사 양방향 dc-dc 컨버터, 및 이를 포함하는 에너지 저장 시스템

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09233823A (ja) * 1996-02-28 1997-09-05 Toyo Electric Mfg Co Ltd 交流−直流変換器およびその制御装置
JP4518047B2 (ja) * 2006-06-30 2010-08-04 Tdk株式会社 スイッチング電源装置
JP5695379B2 (ja) * 2010-09-30 2015-04-01 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014023190A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012176403A1 (ja) 昇降圧型ac/dcコンバータ
JP6032393B2 (ja) 整流回路
JP6008185B2 (ja) 3レベル電力変換装置及びその制御方法
JP4553881B2 (ja) Dc/dcコンバータの制御方法
KR102004771B1 (ko) 전원 공급 장치
JP6355187B2 (ja) 電力変換装置
EP2410648A1 (en) DC/DC converter circuit and method for controlling a DC/DC converter circuit
JP4075884B2 (ja) 電荷蓄積素子の電力制御回路
WO2013145854A1 (ja) 電力変換装置
JP2012050264A (ja) 負荷駆動装置
JP6012008B2 (ja) スイッチング回路
JP4913395B2 (ja) 変換器
JP5892172B2 (ja) インバータ装置
JP2021048699A (ja) 電力変換装置
JP2021048700A (ja) 電力変換装置
US20210184574A1 (en) Hybrid Boost Converters
JP4265356B2 (ja) Dc−dcコンバータ
JP6458235B2 (ja) スイッチング電源装置
JP6999387B2 (ja) 電力変換装置
JP2018170948A (ja) コンバータ
WO2011058665A1 (ja) 電力変換装置
Suja et al. Modified interleaved buck converter implementation for higher step-down conversion ratio
JP7275667B2 (ja) スイッチング電源装置
Shahzad et al. Low-cost high-efficiency single-stage solid-state transformer for lighting applications
KR102049800B1 (ko) 다중입력 벅-부스트 컨버터 및 그 구동방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150219

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150312

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160912

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6012008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151