JP6031241B2 - プラント排水の処理方法及び処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、有機化合物を含むプラント排水を嫌気性生物処理及び好気性生物処理するときのコストを低減し、処理水の性状を改良するようにしたプラント排水の処理方法及び処理システムに関する。
近年、水資源の有効利用、特にリサイクル利用が重要視される中で、排水や下水を浄化処理することが提案されている。なかでも有機化合物を含む水に対して嫌気性及び好気性生物処理を施すことにより、有機化合物を分解除去し浄化する方法が知られている。
例えば特許文献1は、化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含むプラント排水に対し、無酸素槽、嫌気性生物処理槽、好気性生物処理槽、固液分離手段、逆浸透膜分離装置(RO)における各処理工程を通し、嫌気性微生物及び好気性微生物による生物学的処理を行うとき、窒素成分及びリン成分を含む化合物と共にRO濃縮水を、無酸素槽に添加することにより、生物学的処理にかかる処理コストを削減することを提案している。
このプラント排水の処理方法及びシステムは、生物学的処理にかかるコストを削減するのに有用である。しかし処理コストを更に低減すること及び浄化処理された水の性状を改良することが求められている。例えば嫌気性生物処理槽、好気性生物処理槽におけるpHはほぼ中性であることが望ましいが、酸性のプラント排水を処理したり、無酸素槽で有機化合物から有機酸が生成するとpHが酸性領域になるため、嫌気性生物処理をする工程でアルカリを添加しpHを調節する必要がある。また好気性生物処理をする段階では有機酸が分解・除去されるとpHがアルカリ性領域になり、好気的微生物処理に好ましくない状況になるため、好気性生物処理槽に酸を添加しpHを調節する必要がある。このようにアルカリ及び酸を添加しpHを調節することは、プラント排水を生物学的処理するコストを高くする要因になっていた。またpHを調節するため、塩酸やアルカリを添加すると、固液分離した処理水が塩化物イオンやアルカリ金属イオン等を含むため、再利用する用途が限定されていた。
国際公開番号WO2011/043144号
本発明の目的は、有機化合物を含むプラント排水を嫌気性生物処理及び好気性生物処理するときのコストを低減し、処理水の性状を改良するようにしたプラント排水の処理方法及び処理システムを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のプラント排水の処理方法は、化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含むプラント排水の処理方法であって、前記プラント排水を第1部分と第2部分とに分ける分割工程と、前記第1部分を嫌気状態で嫌気性生物処理して嫌気的処理水を得る嫌気的処理工程と、前記嫌気的処理水に微生物活性化剤を添加する工程と、前記嫌気的処理工程での処理を行わない前記第2部分と前記嫌気的処理水とを混合しながら、前記第2部分及び嫌気的処理水を好気性生物処理する好気的処理工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のプラント排水の処理システムは、化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含むプラント排水の処理システムであって、前記プラント排水を第1部分と第2部分とに分ける分割手段と、前記第1部分を嫌気状態で嫌気性生物処理して嫌気的処理水を得る嫌気性生物処理槽と、前記嫌気的処理水に微生物活性化剤を混合する手段と、前記嫌気性生物処理槽を通さない前記第2部分と前記嫌気的処理水とを混合しながら、前記第2部分及び嫌気的処理水を好気性生物処理する好気性生物処理槽と、を有することを特徴とする。
本発明のプラント排水の処理方法によれば、プラント排水を第1部分と第2部分に分け、このうち第2部分を、嫌気性生物処理工程をバイパスさせて好気性生物処理工程に送るようにしたので、嫌気性生物処理工程での処理量が減りアルカリの添加量が削減可能になり、また好気性生物処理工程に添加する酸の全量又は一部をプラント排水の第2部分で代用するため酸の添加量が削減可能になる。このため酸及びアルカリの添加量を削減し処理コストを低減することができる。また塩酸等の添加量を削減又はなくすことができるので、固液分離手段を通した処理水中の塩化物イオン等、最終的に得られた処理水の再利用の障害になるイオンの含有量を削減又はなくすことができ、処理水を再利用する用途を拡大することができる。
前記微生物活性化剤としては、生活排水、人工下水、食品及び食品加工工場からの排水、厨房排水、汚泥消化槽脱離液から選択することができる。前記嫌気的処理工程のpHを5.5〜7.0に調節することが好ましい。
前記嫌気的処理工程の前に、前記第1部分を無酸素状態で嫌気性生物処理する前処理工程を有することができる。或いは、前記分割工程の前に、前記プラント排水を無酸素状態で嫌気性生物処理する前処理工程を有することができる。
前記好気的処理工程での好気性生物処理としては、膜分離活性汚泥処理であることが好ましい。
本発明のプラント排水の処理システムは、プラント排水を第1部分と第2部分に分け、このうち第2部分を、嫌気性生物処理槽をバイパスさせ好気性生物処理槽に送るようにしたので、嫌気性生物処理槽での処理量が減りアルカリの添加量が削減可能になり、また好気性生物処理槽に添加する酸の全量又は一部をプラント排水の第2部分で代用するため酸の添加量が削減可能になる。このため酸及びアルカリの添加量を削減し処理コストを低減すると共に、最終的処理された処理水中の再利用の障害になるイオンの含有量を削減又はなくすことができる。
前記微生物活性化剤は、生活排水、人工下水、食品及び食品加工工場からの排水、厨房排水、又は汚泥消化槽脱離液であるとよい。前記嫌気性生物処理槽の上流に、前記プラント排水または第1部分を無酸素状態で嫌気性生物処理する無酸素槽を有することができる。
本発明のプラント排水の処理方法に使用する処理システムの実施形態の一例を示す系統図である。 本発明のプラント排水の処理方法に使用する処理システムの実施形態の他の例を示す系統図である。 本発明のプラント排水の処理方法に使用する処理システムの実施形態の更に他の例を示す系統図である。
本発明において、処理対象とするプラント排水は、化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含む排水である。化学プラントから排出されたプラント排水としては、例えばフィッシャー・トロプシュ法を使用したプラントで製造された副生成水など化学反応の副生成物としての排水や、主生成物を精製するときに使用した洗浄水が例示される。また、反応装置や設備を洗浄するのに使用した排水を処理することもできる。
このような中高濃度の有機化合物を含むプラント排水は、純水や飲用水の原水、或いは農業用水として利用することができない。また、工業用水としての利用も制限される。有機化合物としては、低級炭化水素や水溶性の含酸素炭化水素であり、例えばアルカン、アルコール、ケトン、アルデヒド、有機酸等を例示することができる。これらの有機化合物は、単独種又は複数種の組合せであってもよい。
図1,2は、フィッシャー・トロプシュ法により副成した副生成水のように、有機化合物を含む酸性のプラント排水の処理システムの実施形態の一例を模式的に示す説明図である。
図1,2において、1は無酸素槽、2は嫌気性生物処理槽、3は好気性生物処理槽、4は逆浸透膜分離装置(RO膜分離装置)である。本発明では、嫌気性生物処理槽2及び好気性生物処理槽3を必ず含み、無酸素槽1及び逆浸透膜分離装置4は任意に追加することができる。なお、無酸素槽及び嫌気性生物処理槽はいずれも嫌気性生物処理を行う処理槽である。上流側に配置された無酸素槽は、無酸素状態で嫌気性生物処理を行う。また下流側に配置された嫌気性生物処理槽は、嫌気状態で嫌気性生物処理を行う。本明細書において、無酸素状態とは、液中に溶存酸素がなく、亜硝酸、硝酸の中の結合性の酸素だけが存在する状態をいう。また嫌気状態とは、液中に溶存酸素及び結合性の酸素が存在しない状態をいう。
本発明のプラント排水の処理システムにおいて、プラント排水10は、嫌気性生物処理槽2の上流において、プラント排水の第1部分11と第2部分14に分けられる。嫌気性生物処理槽2は、プラント排水の第1部分11を導入し、嫌気状態で嫌気性生物処理を行い、嫌気的処理水13として排出する。好気性生物処理槽3は、嫌気的処理水13を導入し好気性生物処理を行い、その処理水を固液分離手段に通し好気的処理水16として排出する。また好気性生物処理槽3は、プラント排水の第2部分14を、嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に導入する手段を有する。必要に応じ無酸素槽1を配置するときは、図1に示したように無酸素槽1の上流でプラント排水10を第1部分11と第2部分14に分けるか、或いは図2のように無酸素槽1の下流でプラント排水10を第1部分と第2部分に分けることができる。プラント排水10がフィッシャー・トロプシュ法の副生成水のように酸性であるとき、図1に示したようにプラント排水の第2部分14を、無酸素槽1及び嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に送ることが好ましい。一方、プラント排水10が中性又はアルカリ性であるとき、図2に示したように前処理水の一部15を、プラント排水の第2部分として、嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に送ることが好ましい。
図1において、プラント排水の第2部分14が、無酸素槽1及び嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に添加されるのに対して、プラント排水の第1部分11は、無酸素槽1及び嫌気性生物処理槽2において、無酸素状態及び嫌気状態で嫌気性生物処理が施される。
無酸素槽1は、嫌気性ガスの曝気手段を備え、導入したプラント排水の第1部分11に対し嫌気性ガスを曝気することにより槽内を無酸素状態に近づけ、嫌気性微生物と混合撹拌し、有機化合物の無酸素状態での嫌気性生物処理を行い、前処理水12を排出する。また無酸素槽1は、RO濃縮水の添加手段を有することができる。また必要に応じ引抜き汚泥の添加手段及び窒素成分及びリン成分を含む化合物の添加手段を有することができる。RO濃縮水、引抜き汚泥、窒素成分及びリン成分などの成分を栄養分として摂取することにより、無酸素槽1内の嫌気性微生物が活性化し、有機化合物の嫌気性生物処理を促進する。
嫌気性生物処理槽2は、無酸素槽1の下流に配置され、前処理水12を導入し、嫌気状態の嫌気性生物処理により有機化合物を更に分解し、メタン、二酸化炭素を含む混合ガス及び嫌気的処理水13を排出する。嫌気性生物処理槽2は、必要に応じpH調節手段、例えばアルカリ等のpH調節剤20を添加する手段を備えることができる。pH調節手段により、嫌気性生物処理槽2内のpHを、嫌気性微生物に適したpH範囲に調節する。
本発明において、嫌気性生物処理槽2は、好ましくは上向流嫌気性スラッジブランケット(UASB)である。このUASBは、通常使用される嫌気性生物処理装置であり、生物分解の効率が高い。
好気性生物処理槽3は、嫌気性生物処理槽2の下流に配置され、嫌気的処理水13及びプラント排水の第2部分14を導入し混合しながら、好気性生物処理を行い、さらに固液分離手段により固液分離し、好気的処理水16として排出する。好気性生物処理槽3は、必要に応じ他のpH調節手段、すなわち酸等のpH調節剤21の添加手段を有することができる。
好気性生物処理槽3では、pHを好適な範囲に調節しながら好気性生物処理により、嫌気性生物処理槽2で分解された有機化合物を更に分解する。好気性生物処理された処理水は、固液分離手段に通され、好気的処理水16が分離され排出される。ここで好気性生物処理槽3から必要に応じて抜き出された引抜き汚泥22の少なくとも一部を無酸素槽1に返送することができ、その配管の途中に引抜き汚泥(活性汚泥)を可溶化する可溶化手段(図示せず)を配置することができる。
好気性生物処理槽は、好ましくは固液分離手段を備えた好気性生物処理槽(MBR;Membrane Bioreactor)、すなわち膜分離活性汚泥処理槽である。このMBRは、通常使用される好気性生物処理装置であり、槽内に空気を供給する散気管と固液分離手段を有する。
次いで逆浸透膜分離装置4が好気性生物処理槽3の下流に配置され、好気性生物処理槽3から排出された好気的処理水16を、RO透過水18及びRO濃縮水19に分離する。また逆浸透膜分離装置4と無酸素槽1とは配管により接続され、RO濃縮水の一部23が逆浸透膜分離装置4から無酸素槽1へ返送され、濃縮された窒素及びリンが微生物の栄養素として添加される。
図2は、化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含むプラント排水のうち、中性又はアルカリ性のプラント排水の処理システムの実施形態の一例を模式的に示す説明図である。
図2において、図1に示したプラント排水の第2部分14の代わりに、前処理水の一部15を好気性生物処理槽3に送ることを除き、図1と同じ構成を有する。プラント排水10が中性又はアルカリ性でも、無酸素槽1において無酸素状態で嫌気性生物処理することにより前処理水12が酸性になる。この前処理水12を、嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に添加することにより、嫌気的処理水13のpHを酸性に調節するのに使用することができる。なおプラント排水10、前処理水12及び嫌気的処理水13の性状及び処理量に幅広く対応するため酸等のpH調節剤21の添加手段を有することができる。
本発明の処理システムにおいて、図3に示すように、嫌気性生物処理槽2と好気性生物処理槽3の間に、微生物活性化剤24の混合手段5を設ける。混合手段5では、嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13と微生物活性化剤24を混合する。混合手段5は、独立した混合槽でも、スタティックミキサー等の混合装置でもよい。また混合手段5としては、嫌気性生物処理槽2と好気性生物処理槽3との間の配管に微生物活性化剤24を添加する手段、又は好気性生物処理槽3に微生物活性化剤24を直接添加する手段でもよい。嫌気的処理水13に微生物活性化剤24を混合することにより、好気性生物処理槽3中の好気性微生物を活性化することができる。
本発明の処理方法では、プラント排水10は第1部分11と第2部分14に分けられる(分割工程)。第1部分11は、嫌気性生物処理槽2において嫌気状態で嫌気性生物処理され(嫌気的処理工程)、嫌気的処理水13として好気性生物処理槽3に送られる。またプラント排水の第2部分14は嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に送られ、嫌気的処理水13と混合し、pHを適切な範囲に調節しながら好気性生物処理する(好気的処理工程)。また必要に応じ、無酸素槽1で無酸素状態の嫌気性生物処理する前処理工程、逆浸透膜分離装置(RO)4で処理するRO処理工程で処理することができる。
前処理工程では、無酸素槽1に供給されたプラント排水10又はその第1部分11が、嫌気性ガスで曝気することにより、酸素が除去され無酸素状態になり、嫌気性微生物の撹拌混合により分解反応が促進される。嫌気性ガスは酸素を含まない気体であり、例えば窒素、メタン、二酸化炭素が例示される。これらの気体は単独でも、複数種の混合ガスでもよい。好ましくはメタン及び二酸化炭素を含む混合ガスであるとよく、生物処理で発生したメタン及び二酸化炭素を含む混合ガスを使用することができる。
無酸素状態で嫌気性微生物が、プラント排水中の有機化合物を生物分解し、有機化合物の低分子量化を行う。すなわち嫌気性微生物が有機化合物の主鎖を切断したり、有機酸へ分解したりする。この有機化合物の分解・酸化により処理水のpHが低くなる。この処理された水が前処理水12として排出される。
無酸素槽1には、必要に応じてRO濃縮水の一部23、引抜き汚泥22、窒素成分及びリン成分を含む化合物を添加することができる。窒素成分としては、例えば尿素、アンモニウム塩等、リン成分としては、例えばリン酸、リン酸塩等が例示される。
次に嫌気的処理工程では、前処理水12が、嫌気性生物処理槽2に導入され更に嫌気状態で嫌気性生物処理が行われる。前処理水12は、上述した通りpHが低いためpH調節手段により、嫌気性微生物の活性を高くするように好適なpHに調節される。嫌気性生物処理槽2のpHとしては、好ましくはpH5.5〜7.0、より好ましくはpH6.0〜6.7にするとよい。このような範囲にpHを調節することによりアルカリの添加量を少なくすることができる。また嫌気状態で嫌気性生物処理が施された処理水のpHが高くなるのを抑制することができる。
pH調節手段は、特に制限されることはなく、通常のpH調節方法を用いることができ、適宜、アルカリからなるpH調節剤20を添加することができる。また有機物が除去された処理水を再利用することを考慮すると、塩化物イオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン、硫化物イオンなど再利用の用途を制限する元素をできる限り含有しないことが好ましい。
本発明において、プラント排水の第2部分14及び/又は前処理水の一部15を、嫌気性生物処理槽2をバイパスし、好気性生物処理槽3に送るので、嫌気性生物処理槽2におけるアルカリからなるpH調節剤20の添加量を削減することができる。これにより処理コストを低減すると共に、処理水中のナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどアルカリ添加に起因する元素の含有量を少なくすることができる。
嫌気性生物処理槽2としては、上向流嫌気性スラッジブランケット(UASB)が好ましく使用される。嫌気性生物処理槽2内の嫌気性生物分解により、分解された有機化合物が、更にメタン及び二酸化炭素に分解され、混合ガスとして排出される。このように低分子量有機化合物をメタン及び二酸化炭素へ分解することにより、処理水のpHが高くなる傾向にある。また、嫌気性生物処理槽2内で増殖し、増えすぎた嫌気性微生物は、適宜取出して、保存し再利用することができる。嫌気的処理工程の処理水は嫌気的処理水13として排出される。
好気的処理工程では、好気性生物処理槽3で、嫌気的処理水13と、プラント排水の第2部分14及び/又は前処理水の一部15とが混合されながら、好気性生物処理が行われる。嫌気的処理水13は、上述した通りpHが高くなっている。また好気性生物処理により更にpHが高くなるため、pH調節手段により、pHを好ましくはpH6.5〜8.0、より好ましくはpH7.0〜8.0に調節するとよい。好気性生物処理槽3のpHをこのような範囲内にすることにより、好気性微生物の活性を高くし、有機化合物の分解を促進することができる。好気性生物処理槽3のpH調節手段は、プラント排水の第2部分14及び/又は前処理水の一部15を混合する手段である。上述した通り、プラント排水10が、フィッシャー・トロプシュ法からの副生成水などのように、酸性であるとき、このプラント排水の第2部分14を好気性生物処理槽3に送り混合することができる。またプラント排水10が中性又はアルカリ性でも、無酸素槽1から排出された前処理水12が酸性であれば、前処理水の一部15をプラント排水の第2部分として、好気性生物処理槽3に送り混合することができる。また通常のpH調節方法を併せて用いることができ、酸又はアルカリからなるpH調節剤21を必要に応じ添加することができる。従来の処理方法では、嫌気的処理水13のpHを調節するため、酸からなるpH調節剤21を必ず添加する必要があったが、プラント排水の第2部分14及び/又は前処理水の一部15を、嫌気性生物処理槽2を通さずに、好気性生物処理槽3に送り混合することにより、pH調節剤21の添加量を削減又はなくすことができる。
有機化合物が除去された処理水を再利用することを考慮すると、pH調節剤21はできる限り塩化物イオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン、硫化物イオンなど再利用の用途を制限する元素を含有しないことが好ましい。これに対しプラント排水の第2部分14及び/又は前処理水の一部15は、これらの元素を積極的に含むものではない。したがって、処理コストを低減すると共に、好気的処理水16中の塩化物イオン、硫酸イオン、硫化物イオンなど無機酸の添加に起因する元素の含有量を少なくすることができる。
好気的処理工程では、好気性生物処理槽3の内部で固液分離処理する膜分離活性汚泥処理を行うことが好ましい。好気性生物処理槽3として固液分離手段を備えた好気性生物処理槽(MBR)、すなわち膜分離活性汚泥処理槽を使用することが好ましい。MBRは、散気管を有し、空気を供給することにより、好気性微生物を活性化する。これにより嫌気的処理水13に残存した有機化合物が、好気性生物処理により更に分解される。このように好気性生物処理された処理水は、MBRの槽内に備えられた分離膜により固液分離され、好気的処理水16として排出される。MBRの分離膜としては、好気性微生物の大きさより孔径が小さい分離膜であればよい。例えば限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)を例示することができる。
また好気性生物処理槽3では、好気性微生物(活性汚泥;微生物を含む懸濁液)が増えすぎた場合に、その一部を引抜き汚泥22として取出すことにより、活性汚泥の濃度を調整することができる。更に引抜き汚泥22の一部を嫌気性微生物の栄養素として利用することができる。このためには、引抜き汚泥を可溶化処理すること、すなわち好気性微生物の殻(細胞膜)を破壊或いは溶解して、微生物の栄養素として吸収しやすくすることが好ましい。引抜き汚泥を可溶化処理する方法としては、通常の方法を使用することができる。例えば引抜き汚泥を、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリで処理する方法、湿式ミルにより破砕処理する方法、凍結処理する方法、超音波処理する方法、オゾン処理する方法等を例示することができる。
固液分離手段により得られた好気的処理水16の少なくとも一部が逆浸透膜分離装置4へ供給され、好気的処理水の残り17は、散水用水、トイレ洗浄水、冷却塔などのプロセス水又はこれらの原水などの再利用水として使用することができる。
逆浸透膜分離装置4に供給された好気的処理水16は、溶存物質が除去されRO透過水18として精製される。このRO透過水18は、純水や飲用水の原水や農業用水として利用することができる。また、ボイラ用水、冷却用水、工業用水として使用してもよい。一方、好気的処理水16中の溶存物質は、RO濃縮水19として排出される。溶存物質としては、有機化合物の残存物や窒素化合物、リン化合物、塩化物イオン、アルカリ金属イオン等が含まれている。
本発明の処理方法では、この逆浸透膜分離装置4から排出されたRO濃縮水19の少なくとも一部23を、前処理工程の無酸素槽1に返送する。RO濃縮水19は、窒素化合物及びリン化合物を含有するため、微生物の栄養素として活用することができる。これにより、無酸素槽1への窒素成分及びリン成分を含む化合物の添加量を好ましくは20%〜60%、より好ましくは30%〜50%削減することができる。
一方、引抜き汚泥22の残部は、メタン発酵槽に導入し嫌気性生物処理することができる。これにより引抜き汚泥がメタン及び二酸化炭素を含む混合ガスに分解され排出される。更に嫌気性生物処理槽やメタン発酵槽から排出したメタン及び二酸化炭素を含む混合ガスは、無酸素槽に返送し嫌気性ガスとして曝気することができる。これにより生物処理のコストが低減する。或いは、混合ガスを化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントからなる主プラントに返送してもよい。嫌気性生物処理槽から排出される混合ガスの組成比は、CH4/CO2=8/2〜7/3であり、天然ガスからH2/CO=2の合成ガスを製造するフィッシャー・トロプシュ法のリフォーミング反応の原料にそのまま利用することができる。
本発明の処理方法において、嫌気的処理水13に微生物活性化剤24を添加した後、好気性生物処理槽3に供給する。これにより好気性微生物の活性を高くする。処理対象であるプラント排水は、食品工場や飲食店からの排水や生活排水とは異なり、生物処理を担う微生物の主要栄養元素である窒素、リン及び生体構成に必要なカリウム、ナトリウム、カルシウム等の微量金属元素をほとんど含んでいない。更にプラント排水中の有機化合物は糖(炭水化物)、脂肪、蛋白質を含まないため微生物の活性を高くすることができない。このため好気性微生物の栄養分として、混合手段5に微生物活性化剤24を供給し、嫌気的処理水13と混合し、下流の好気性生物処理槽3での好気性微生物の活性を高くする。
微生物活性化剤24としては、好気性微生物が摂取する栄養分及び/又は繊維状物質が挙げられる。微生物活性化剤24としては、好ましくは生活排水、人工下水、食品及び食品加工工場からの排水、厨房排水、汚泥消化槽脱離液等が例示される。特に生活排水を使用することが好ましい。生活排水は、生活雑排水及び/又はし尿からなる。ここで生活雑排水は、台所排水、風呂排水、洗濯排水等からなる。し尿としては、水洗トイレ排水が例示され、トイレットペーパーなどの繊維状物質を含むことができる。微生物活性化剤24を添加することによりコストをかけずに好気性微生物を活性化することができる。
本発明で使用する微生物活性化剤24としては、糖、脂肪、蛋白質、窒素、燐及び繊維状物質を含むものがよい。これら成分を含むことにより好気性微生物を活性化することができる。
上述した栄養素を含むように容易に調製可能な微生物活性化剤として人工下水が例示される。表1は人工下水の組成を例示するものである。
Figure 0006031241
なお微生物活性化剤24は、液体、粉末や粒状体などの固体のいずれでもよい。また微生物活性化剤24をそのまま嫌気的処理水と混合してもよいし、或いは微生物活性化剤24を水等に溶かした溶液にして嫌気的処理水と混合してもよい。
また微生物活性化剤24は、pHが好ましくは6.0〜8.0、生物化学的酸素要求量(BOD)が60〜1000mg/l、全窒素含有量が15〜100mg/l、全燐含有量が1.5〜15mg/lである成分を少なくとも含むことが好ましい。なお微生物活性化剤24は、微生物の活性を阻害しない範囲において、上記以外の成分を含んでもよい。
なお本明細書において、全窒素含有量は有機性窒素、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素の各含有量の合計とし、全燐含有量はりん酸態りんの含有量とする。また生物化学的酸素要求量(BOD)はJIS K0201 21、有機性窒素はJIS K0102 44、アンモニア性窒素はJIS K0102 42、亜硝酸性窒素はJIS K0102 43.1、硝酸性窒素はJIS K0102 43.2、りん酸態りんの含有量はJIS K0102 46.1に基づき分析された値とする。
好気的処理工程での嫌気的処理水13と微生物活性化剤24との混合比は、嫌気的処理水13を100重量部にするとき、微生物活性化剤24が好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜15重量部になるようにするとよい。
上記のように微生物活性化剤24を添加することにより、好気性生物処理槽3内の微生物が活性化する。また上流の嫌気性処理槽2において浮遊性物質が発生しMBRの分離膜の目詰まりの原因になることがあるが、好気性微生物の活性を高くすることにより、この嫌気性処理由来の浮遊性物質をほとんど消失させることができる。このため分離膜における目詰まりを抑制し、処理流束を大幅に改良することができる。例えば生活排水を添加しないときMBRの分離膜の処理流束が0.2m3/m2/day程度であったのが、生活排水を添加することにより、0.6〜0.65m3/m2/dayへと約3倍以上に改良することができる。
以下において実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
参照例1
図1に示した構成からなるプラント排水の処理システムを使用して、フィッシャー・トロプシュ法により副生したプラント水の浄化処理を行った。嫌気性生物処理槽2としてUASBを使用し、好気性生物処理槽3としてMBRを使用した。
プラント排水10の水質を表2の「プラント排水」の欄に示した。プラント排水の第1部分11を無酸素槽1へ19.8mL/分の流量で供給し、無酸素処理した。無酸素槽1から排出した前処理水12を嫌気性生物処理槽2に導入し、5%NaOH水溶液(pH調節剤20)を0.27mL/分で添加した。嫌気性生物処理槽2をpH6.3に調節しながら貯留(滞留時間:40.8時間)し、嫌気性生物処理を行った。嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13の水質を表2の「UASB処理水」の欄に示した。嫌気的処理水13の水質は、アルコール等の非酸性の酸化炭化水素の含有量、CODCrが大幅に低減した。
得られた嫌気的処理水13を好気性生物処理槽3へ導入した。またプラント排水の第2部分14を0.5mL/分で好気性生物処理槽3へ添加した。なお塩酸などのpH調節剤21は添加しなかった。これにより好気性生物処理槽3をpH7.4に調節し好気性生物処理を行った後、膜分離により固液分離した。好気性生物処理槽3から排出した好気的処理水16の水質を表2の「MBR処理水」の欄に示した。好気的処理水16の水質は、すべての有機物成分の含有量が大幅に削減していた。なお好気性生物処理槽3から引抜き汚泥22を抜き出し、その一部を、無酸素槽1のMLSS(曝気槽混合液中の浮遊物質)が10000mg/lになるように無酸素槽1に返送した。
得られた好気的処理水16を逆浸透膜分離装置4(RO)へ供給し、水回収率65%で運転した。RO処理されたRO透過水18及びRO濃縮水19の水質を表2の「RO透過水」及び「RO濃縮水」の欄に示した。RO透過水18の水質は清浄であり、EPA‘73のボイラ用水(48〜103バール)及び冷却水の水質基準に合格するレベルであった。なおRO濃縮水の一部23を無酸素槽1に循環させた。
この参照例1のプラント排水の処理方法は、後述する比較例1と比較し、アルカリ及び酸の添加量を削減し、処理コストを低減すること、及びMBR処理水中の塩化物イオンが未検出であることが確認された。
なお、非酸性酸化炭化水素(単位mg/l)はJIS K0114準用、酸性酸化炭化水素(単位mg/l)は高速液体クロマトグラフ法、他炭化水素(単位mg/l)は昭和49年環境庁告示第64号付表4、CODcr(単位mg/l)はJIS K 0102 20、浮遊物質量SS(単位mg/l)はJIS K 0201 21、溶解性蒸発残留物(TDS)はJIS K 0102 14.3、塩化物イオンはJIS K0102−35.1に基づき測定した。
Figure 0006031241
参照例2
図1に示した構成からなるプラント排水の処理システムにおいて、嫌気性生物処理槽2(UASB)に添加する5%NaOH水溶液(pH調節剤20)を0.42mL/分に変更し、嫌気性生物処理槽2のpHを7.0に調節したことを除き、参照例1と同様にして嫌気性生物処理、好気性生物処理及び逆浸透膜分離を行った。各工程における水質を表3に示した。
この参照例2のプラント排水の処理方法は、後述する比較例1と比較し、酸の添加量を削減し、処理コストを低減すること、及びMBR処理水中の塩化物イオンが未検出であることが確認された。
Figure 0006031241
実施例1
図3に示した構成からなるプラント排水の処理システムにおいて、フィッシャー・トロプシュ法により副生したプラント水の浄化処理を行った。嫌気性生物処理槽2としてUASBを使用し、好気性生物処理槽3としてMBRを使用した。
プラント排水の第1部分11の水質を表4の「プラント排水」の欄に示した。プラント排水の第1部分11を無酸素槽1へ19.8mL/分の流量で供給し、無酸素処理した。無酸素槽1から排出した前処理水12を嫌気性生物処理槽2に導入した。また嫌気性生物処理槽2に5%NaOH水溶液(pH調節剤20)を0.35mL/分で添加した。これにより嫌気性生物処理槽2をpH6.4〜6.5に調節しながら貯留(滞留時間:40.8時間)し、嫌気性生物処理を行った。嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13の水質を表4の「UASB処理水」の欄に示した。嫌気的処理水13の水質は、アルコール等の非酸性の酸化炭化水素の含有量、CODCrが大幅に低減した。
嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13を混合手段5に供給し、表5に示す水質の生活排水からなる微生物活性化剤24(2mL/分)と混合し、好気性生物処理槽3へ供給した。またプラント排水の第2部分14を0.5mL/分で好気性生物処理槽3に添加した。なお塩酸等のpH調節剤21は添加しなかった。これにより好気性生物処理槽3をpH7〜8に調節し好気性生物処理を行った後、膜分離により固液分離した。分離膜における処理流束は0.65m3/m2/dayと高く安定的であった。好気性生物処理槽3から排出した好気的処理水16の水質を表4の「MBR処理水」の欄に示した。好気的処理水16の水質は、すべての有機物成分の含有量が大幅に削減していた。なお好気性生物処理槽3から引抜き汚泥22を抜き出し、その一部を、無酸素槽1のMLSS(曝気槽混合液中の浮遊物質)が10000mg/lになるように無酸素槽1に返送した。
得られた好気的処理水16を逆浸透膜分離装置4(RO)へ供給し、水回収率65%で運転した。RO処理されたRO透過水18及びRO濃縮水19の水質を表4の「RO透過水」及び「RO濃縮水」の欄に示した。RO透過水18の水質は清浄であり、EPA‘73のボイラ用水(48〜103バール)及び冷却水の水質基準に合格するレベルであった。なおRO濃縮水の一部23を無酸素槽1に循環させた。
この実施例1のプラント排水の処理方法は、後述する比較例1と比較し、アルカリ及び酸の添加量を削減し、処理コストを低減すること、及びMBR処理水中の塩化物イオンが未検出であることが確認された。更にMBRの分離膜における処理流束が0.65m3/m2/dayと高く安定的であることが確認された。
Figure 0006031241
Figure 0006031241
比較例1
図1に示した構成からなるプラント排水の処理システムにおいて、プラント排水の第2部分14を好気性生物処理槽3へ添加しないようにして、フィッシャー・トロプシュ法により副生したプラント水の浄化処理を行った。嫌気性生物処理槽2としてUASBを使用し、好気性生物処理槽3としてMBRを使用した。
プラント排水の第1部分11の水質を表6の「プラント排水」の欄に示した。プラント排水の第1部分11を無酸素槽1へ19.8mL/分の流量で供給し、無酸素処理した。無酸素槽1から排出した前処理水12を嫌気性生物処理槽2に導入し、5%NaOH水溶液(pH調節剤20)を0.43mL/分で添加した。これにより嫌気性生物処理槽2をpH7.0に調節しながら貯留(滞留時間:40.8時間)し、嫌気性生物処理を行った。嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13の水質を表6の「UASB処理水」の欄に示した。嫌気的処理水13の水質は、アルコール等の非酸性の酸化炭化水素の含有量、CODCrが大幅に低減した。
嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13を好気性生物処理槽3へ導入し、1Nの塩酸(pH調節剤21)を0.16mL/分で添加した。これにより好気性生物処理槽3をpH8.3に調節し好気性生物処理を行った後、膜分離により固液分離した。好気性生物処理槽3から排出した好気的処理水16の水質を表6の「MBR処理水」の欄に示した。好気的処理水16の水質は、すべての有機物成分の含有量が削減し、溶解性蒸発残留物(TDS)及び塩化物イオン(Cl-)の含有量が増加した。なお好気性生物処理槽3から引抜き汚泥22を抜き出し、その一部を、無酸素槽1のMLSS(曝気槽混合液中の浮遊物質)が10000mg/lになるように無酸素槽1に返送した。
得られた好気的処理水16を逆浸透膜分離装置4(RO)へ供給し、水回収率65%で運転した。RO処理されたRO透過水18及びRO濃縮水19の水質を表6の「RO透過水」及び「RO濃縮水」の欄に示した。またRO濃縮水の一部24を無酸素槽1に循環させた。
Figure 0006031241
参照例3
図2に示した構成からなるプラント排水の処理システムを使用して、アルカリ性の石油精製プラントから排出したプラント排水の浄化処理を行った。嫌気性生物処理槽2としてUASBを使用し、好気性生物処理槽3としてMBRを使用した。
プラント排水の第1部分11の水質を表7の「プラント排水」の欄に示した。プラント排水の第1部分11を無酸素槽1へ19.8mL/分の流量で供給し、無酸素処理した。無酸素槽1から排出した前処理水12の水質を表7の「無酸素槽処理水」の欄に示した。前処理水12を嫌気性生物処理槽2に導入し、5%NaOH水溶液(pH調節剤20)を0.2mL/分で添加した。これにより嫌気性生物処理槽2をpH6.3に調節しながら貯留(滞留時間:40.8時間)し、嫌気性生物処理を行った。嫌気性生物処理槽2から排出した嫌気的処理水13の水質を表7の「UASB処理水」の欄に示した。
得られた嫌気的処理水13を好気性生物処理槽3へ導入し、前処理水の一部15を
0.5mL/分及び1Nの塩酸を0.04mL/分で好気性生物処理槽3へ添加した。これにより好気性生物処理槽3をpH7.4に調節し好気性生物処理を行った後、膜分離により固液分離した。好気性生物処理槽3から排出した好気的処理水16の水質を表7の「MBR処理水」の欄に示した。好気的処理水16の水質は、すべての有機物成分の含有量が大幅に削減していた。なお好気性生物処理槽3から引抜き汚泥22を抜き出し、その一部を、無酸素槽1のMLSS(曝気槽混合液中の浮遊物質)が10000mg/lになるように無酸素槽1に返送した。
得られた好気的処理水16を逆浸透膜分離装置4(RO)へ供給し、水回収率65%で運転した。RO処理されたRO透過水18及びRO濃縮水19の水質を表7の「RO透過水」及び「RO濃縮水」の欄に示した。RO透過水18の水質は清浄であり、EPA‘73のボイラ用水(48〜103バール)及び冷却水の水質基準に合格するレベルであった。なおRO濃縮水の一部23を無酸素槽1に循環させた。
なお、有機体炭素(TOC)はJIS K0102−22.1に基づき測定した。
この参照例3のプラント排水の処理方法は、後述する比較例2と比較し、アルカリ及び酸の添加量を削減し処理コストを低減すること、及びMBR処理水中の塩化物イオンの量を低減することが確認された。
Figure 0006031241
比較例2
図2に示した構成からなるプラント排水の処理システムにおいて、前処理水の一部15を好気性生物処理槽3へ直接添加しないようにして、石油精製プラントから排出したプラント水の浄化処理を行った。嫌気性生物処理槽2(UASB)に添加する5%NaOH水溶液を0.32mL/分に変更し嫌気性生物処理槽2のpHを7.0調節したこと、好気性生物処理槽3へ前処理水の一部15を添加せずに1Nの塩酸の添加量を0.08mL/分に倍増させたことを除き、参照例3と同様に嫌気性生物処理、好気性生物処理及び逆浸透膜分離を行った。各工程における水質を表8に示した。
Figure 0006031241
1 無酸素槽
2 嫌気性生物処理槽
3 好気性生物処理槽
4 逆浸透膜分離装置
5 混合手段
10 プラント排水
11 プラント排水の第1部分
12 前処理水
13 嫌気的処理水
14 プラント排水の第2部分
15 前処理水の一部
16 好気的処理水
18 RO透過水
19,23 RO濃縮水
22 引抜き汚泥
20,21 pH調節剤
24 微生物活性化剤

Claims (9)

  1. フィッシャー・トロプシュ法の化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含むプラント排水の処理方法であって、前記プラント排水を第1部分と第2部分とに分ける分割工程と、前記第1部分を嫌気状態で嫌気性生物処理して嫌気的処理水を得る嫌気的処理工程と、前記嫌気的処理水に微生物活性化剤を添加する工程と、前記嫌気的処理工程での処理を行わない前記第2部分と前記嫌気的処理水とを混合しながら、前記第2部分及び嫌気的処理水を好気性生物処理する好気的処理工程と、を含むプラント排水の処理方法。
  2. 前記微生物活性化剤を、生活排水、人工下水、食品及び食品加工工場からの排水、厨房排水、汚泥消化槽脱離液から選択する請求項1記載のプラント排水の処理方法。
  3. 前記嫌気的処理工程のpHを5.5〜7.0に調節する請求項1又は2記載のプラント排水の処理方法。
  4. 前記嫌気的処理工程の前に、前記第1部分を無酸素状態で嫌気性生物処理する前処理工程を有する請求項1〜3のいずれか1項記載のプラント排水の処理方法。
  5. 前記分割工程の前に、前記プラント排水を無酸素状態で嫌気性生物処理する前処理工程を有する請求項1〜3のいずれか1項記載のプラント排水の処理方法。
  6. 前記好気的処理工程での好気性生物処理が、膜分離活性汚泥処理であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載のプラント排水の処理方法。
  7. フィッシャー・トロプシュ法の化学プラント、石油プラント又は石油化学プラントから排出された有機化合物を含むプラント排水の処理システムであって、前記プラント排水を第1部分と第2部分とに分ける分割手段と、前記第1部分を嫌気状態で嫌気性生物処理して嫌気的処理水を得る嫌気性生物処理槽と、前記嫌気的処理水に微生物活性化剤を混合する手段と、前記嫌気性生物処理槽を通さない前記第2部分と前記嫌気的処理水とを混合しながら、前記第2部分及び嫌気的処理水を好気性生物処理する好気性生物処理槽と、を有するプラント排水の処理システム。
  8. 前記微生物活性化剤が、生活排水、人工下水、食品及び食品加工工場からの排水、厨房排水、又は汚泥消化槽脱離液である請求項7記載のプラント排水の処理システム。
  9. 前記嫌気性生物処理槽の上流に、前記プラント排水または第1部分を無酸素状態で嫌気性生物処理する無酸素槽を有する請求項7又は8記載のプラント排水の処理システム。
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