JP2020514019A - 逆浸透またはナノ濾過を使用するanmbrからの濾液の処理 - Google Patents

逆浸透またはナノ濾過を使用するanmbrからの濾液の処理 Download PDF

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Abstract

本発明は、嫌気性膜バイオリアクター(2)からの濾液(1a〜1c)を処理する方法であって、嫌気性膜バイオリアクター(2)からの濾液(1a〜1c)を実質的に嫌気性に保ちながら、嫌気性膜バイオリアクターからの濾液(1a)のpHを低下させ、低下したpHを有する濾液を逆浸透処理またはナノ濾過処理(3)にかけて、逆浸透またはナノ濾過透過物(4)および逆浸透またはナノ濾過濃縮物(5)を形成する方法に関する。本発明は、本発明による方法を実行するのに好適な装置ならびに植物または動物のための精製水および/もしくは栄養素を得るためのプロセスにさらに関する。

Description

本発明は、嫌気性膜バイオリアクター(anaerobic membrane bioreactor:AnMBR)からの濾液を処理する方法に関する。本発明は、生分解性有機物質を含む水性流体廃棄物ストリームを処理するための消化槽、膜濾過ユニットおよび逆浸透ユニットまたはナノ濾過ユニットを含む装置にさらに関する。
廃棄物ストリームの生物学的処理では、廃棄物ストリーム、例えば廃水ストリーム中の生分解性汚染物(生分解性有機物質)を分解するために、活性バイオマス(微生物)が使用される。
いわゆる嫌気性処理(無酸素)のためには、当技術分野で一般的に既知の嫌気性微生物共同体(コンソーシアム)が、汚染物をバイオリアクターでバイオガスを形成するメタンおよび二酸化炭素に実質的に変換する。嫌気性条件下では、典型的には廃棄物中の生分解性物質の小部分がバイオマス増殖のために使用されるにすぎないので、バイオマスの生成は一般的に比較的低い。
生分解性有機物質の変換は、バイオマス、廃棄物ストリームからの未反応の化合物および無機反応生成物を含む水性懸濁液(混合液)を含有するバイオリアクター中で実施されることが適当である。
そのようなバイオマス、未反応の固体および粒子状無機反応生成物は、濾過により、例えば膜濾過により、バイオリアクターから取り出された流体から分離することができる。膜は、廃棄物ストリームの生物学的嫌気性処理との組合せで使用することができて、廃水処理プロセスからの廃水の品質を改善し、バイオマスの流失を避けて、プラントの環境負荷を低下させ、および有機物の装荷を増大させる。膜分離ユニットと組み合わされた生物学的リアクターは、膜バイオリアクター(MBR)と一般的に称される。微生物が実質的に嫌気性条件下で働くそのようなシステムは、嫌気性膜バイオリアクター(AnMBR)と称される。膜濾過ユニットでは、固体の多い保持液、および嫌気性膜バイオリアクターからの固体の少ない濾液(透過物)が形成される。前記濾液は一般に、溶解した無機物(カルシウム、マグネシウム、アンモニウムのような無機カチオン;リン酸イオン、炭酸イオンのような無機アニオン;二酸化炭素など)を含有し、通常、残存する溶解した有機物も含有する。これらを除去するために、典型的には好気性処理プロセスを含む後処理が、下流で実施される。
特に、AnMBRの膜フィルターからの濾液を精製するためのさらなる代替法、特に付着物(ファウリング)生成および/またはスケール形成の傾向が低下する方法であって、AnMBRからの濾液の処理容量(一定の期間、例えば1年当たりに処理され得る濾液の体積)が改善される方法が望まれている。
そのような代替方法または装置、特に本出願で言及する何らかの利点を提供する方法または装置を提供することが本発明の目的である。
本発明者らは、AnMBRからの濾液中に溶解した物質を除去するための、数種類の特定の手段と組み合わせた特定のタイプの処理ユニットを使用することにより、これが達成されることに気づいた。
したがって、本発明は、嫌気性膜バイオリアクター(2)からの濾液(1a〜1c)を実質的に嫌気性に保ちながら、嫌気性膜バイオリアクターからの濾液(1a)のpHを低下させ、低下したpHを有する濾液を逆浸透処理またはナノ濾過処理(3)にかけて、逆浸透またはナノ濾過透過物(4)および逆浸透またはナノ濾過濃縮物(5)を形成する、嫌気性膜バイオリアクター(2)からの濾液(1a〜1c)を処理する方法に関する。
本発明は、本発明による方法を実行するのに好適な装置にさらに関する。そのような装置は、消化槽(9)および膜濾過ユニット(11)を備える嫌気性膜バイオリアクター(2)を備え、膜濾過ユニット(11)の濾液排出口は、酸、特に二酸化炭素を膜濾過ユニット(11)からの濾液中に導入するための混合ユニット(8)を介して逆浸透またはナノ濾過ユニット(3)に接続されており、逆浸透またはナノ濾過ユニットは、逆浸透またはナノ濾過透過物の排出口(28)および逆浸透またはナノ濾過濃縮物の排出口(29)を有する。さらに、(混合ユニットが、装置で生ずる二酸化炭素を濾液中に導入するための混合ユニットである実施形態では)装置は、典型的には、
− 前記透過物から二酸化炭素を回収するための二酸化炭素回収ユニット(7)であって、前記透過物排出口に接続されている導入口(33)を有し、二酸化炭素が回収された液体、特に水のための排出口(35)、および回収された二酸化炭素のための排出口(34)をさらに有し、回収された二酸化炭素のための排出口(34)が、二酸化炭素を混合ユニット(8)に導入するための混合ユニット(8)の導入口(25a)に接続されている、二酸化炭素回収ユニット(7)、
− 前記濃縮物から二酸化炭素を回収するための二酸化炭素回収ユニット(6)であって、前記濃縮物排出口(29)に接続されている導入口(30)を有し、二酸化炭素が回収された濃縮物のための濃縮物排出口(32)、および回収された二酸化炭素のための排出口(31)をさらに有し、回収された二酸化炭素のための排出口が、二酸化炭素を混合ユニット(8)に導入するための混合ユニット(8)の導入口(25b)に接続されている、二酸化炭素回収ユニット(6)、および
− 消化槽(9)で生じたバイオガスから二酸化炭素を回収するための二酸化炭素回収ユニット(40)であって、バイオガスを導入するための導入口(39)、二酸化炭素が回収されたバイオガスのための排出口(41)、および回収された二酸化炭素のための排出口(42)を有し、回収されたバイオガスのための排出口(42)が、二酸化炭素を混合ユニット(8)に導入するための混合ユニット(8)の導入口(25c)に接続されている、二酸化炭素回収ユニット(40)、
の少なくとも1つを備え、該装置は、消化槽、膜濾過ユニットおよび逆浸透またはナノ濾過ユニットにおいて、実質的に嫌気性の条件を維持するように構成されている。
本発明による装置または方法は、精製水および/または栄養素を製造するために特に適当である。したがって、本発明は、植物または動物のための精製水および/または栄養素を得るためのプロセスであって、生分解性有機物質および無機物を含む水性廃棄物ストリームの本発明による装置における処理を含み、または濾液が得られる嫌気性膜リアクターにおける水性廃棄物ストリームの処理を含み、濾液が本発明による方法で処理される、プロセスにさらに関する。
逆浸透(RO)およびナノ濾過(NF)は、従来使用される場合、付着物またはスケールを生じ易い。
ROまたはNFで使用される半透過性膜の細孔は小さくて、比較的少量の(有機)付着物または(無機)スケールであっても実質的な問題になってしまう。
このことが、ROまたはNFの使用が、AnMBRの濾液を処理するための自明の選択でない理由である。AnMBRシステムは、有機物質含有量が未だ比較的高い(典型的には最大で約100mgCOD/l)濾液を生ずる傾向がある。ROまたはNFが、AnMBRからの濾液を処理するために使用される場合、AnMBRの濾液中に存在する物質も、それらが栄養素として作用して微生物が増殖し、ROまたはNFユニットにおける有機付着物の原因になり得るので、ROまたはNFを用いるAnMBR濾液の処理をさらに複雑にし得る。
さらに、特に、無機イオンは、ROまたはUFユニット中で沈殿して、例えば炭酸塩(CaCO)またはストルバイト(MgNHPO・6HO)を形成することがある。これはスケールの生成を生じさせ得る。このスケールの生成は、ROまたはNFユニットに原料を供給する流体ストリームの組成の変化によってさらに顕著になることがあり、それはROまたはNF中の細孔の目詰まりの原因になり得る。逆浸透プロセスでは、二酸化炭素の一部が保持液中に残留し、一部がROまたはNF膜を通り抜けてROまたはNFの透過物中に入ることになる。それによりpHの上昇が起こり得る。本発明者らは、高すぎるpHは、ストルバイト(約pH7.5以上で)、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなどの無機塩の沈殿を生じさせることに気づいた。約7.5のpHも、多くの微生物が十分に増殖し得、したがってROまたはNF膜の有機付着物が生じ得るpHである。
本発明者らは、ROまたはNFに供給される濾液のpHを低下させることにより、pHを有利に低い値に維持することが可能であることに気づいた。特に本発明者らは、ROまたはNFシステムへの供給原料に外部の酸を添加することにより望ましくないpH上昇を避けるよりも、むしろ、AnMBRから生ずる二酸化炭素を使用することにより、これが可能であることに気づいた。しかしながら、別の方法で、特にクエン酸などの有機酸、またはスルファミン酸(HNSO)などの無機酸であってもよい別の酸を添加することにより、pHを低下させることも可能である。
ROまたはNFにおける実質的な嫌気性条件を維持することと組み合わせて、このpH低下を利用して、特にAnMBRから生ずる二酸化炭素を使用することにより、特にスケールおよび付着物の両方のリスクが低下され得るので、システムは、長期間、所望の能力で動作され得ることを、本発明者らはさらに明確に理解した。さらに、このことは、NFユニットのROを清浄化するための化学物質の年間必要量の削減を可能にする。したがって、本発明は、化学物質の使用を削減できる。スケールに関して、本発明者らは、無機塩の沈殿によるスケールの他に、硫黄のスケールが、従来使用されているROまたはNFユニットにおける重大なリスク要因であることに気づいた。硫黄のスケールは、硫化水素(例えば消化槽またはその下流で微生物により産生されて、ROまたはNFユニットの供給原料中に存在することもある)の酸化により生ずる。そのようなリスクは、本発明によって、少なくとも実質的に回避、または少なくとも低減される。
本発明による方法が、スケールを軽減するスケール防止剤の消費を相当に減少させることができることはさらなる利点である。炭酸カルシウムのような幾種類かの塩によるスケール形成を回避するために、比較的効果的なスケール防止剤が、当技術分野において知られているが、例えば、リン酸カルシウムについては知られていない。(大量の)スケール防止剤の必要性を回避することは、ROまたはNFの下流で、透過物または濃縮物をさらに処理するためにも有利である。特に、濃縮物をさらに沈殿処理にかけ、塩、例えばストルバイトを沈殿させる場合、(高濃度の)スケール防止剤が存在すると沈殿がより困難になる。
本発明による方法が、さらなる実質的精製処理なしで、または限定的なさらなる精製処理もしくは消毒だけで、工業用水もしくは家庭用水として使用することができるROまたはNF透過物を提供するために適することは、さらなる利点である。
本発明は、特に、二酸化炭素が(も)ROまたはNFの濃縮物(その濃縮物は「ブライン」と称されることもある)から炭酸塩として回収される実施形態で、二酸化炭素ガス放出の減少がさらに可能である。
本発明による方法の効果(単数または複数)を考慮に入れて、本発明は、以下の態様の1つまたは複数に関して特に有利である。すなわち、全エネルギー消費の削減、ROまたはNFユニットの(膜(単数または複数)の)付着物の減少、ROまたはNFユニットの(膜(単数または複数)の)スケールの減少、ROまたはNFユニットの(膜(単数または複数)の)寿命の延長、処理を実行する装置の稼働率(部品の清浄化または置き換えのための停止と停止の間の時間)の向上、ROまたはNF膜を通る流束の増大、ROまたはNFの性能改善、処理能力の増大、精製水回収能力の増大、処理効率の向上、全体的な設備投資額(Capex)の削減、全体的な操業費(Opex)の削減、である。
図1は、ROもしくはNFの濃縮物から二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収ユニット、および/またはROもしくはNFの透過物から二酸化炭素を回収するために存在する二酸化炭素回収ユニットについて、本発明の特定の実施形態を図式的に示す図である。 図2は、二酸化炭素ユニットがAnMBRで生じたバイオガスから二酸化炭素を回収する本発明の特定の実施形態を図式的に示す図である。 図3は、ROまたはNFの濃縮物から二酸化炭素を回収するユニット、ROまたはNFの透過物から二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収ユニット、およびAnMBRで生じたバイオガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素ユニットの詳細を図式的に示す図である。
本明細書において使用する用語「または」は、別様に特定されない限り「および/または」として定義される。
本明細書において使用する用語「a」または「an」は、別様に特定されない限り「少なくとも1つ」として定義される。
名詞(例えば、化合物、添加剤その他)を単数形で言及する場合、複数形も含まれることが意図される。
用語「(少なくとも)実質的(に)(substantial(ly))」は、本明細書では、通常、特定された一般的特性または機能を有することを示すために使用される。定量可能な特徴を指す場合、この用語は、その特徴の最大の少なくとも50%であり、さらに特に75%を超える、さらになお特に90%を超えることを示すために特に使用される。用語「実質的に(essentially)含まない」は、本明細書では、通常、物質が存在しない(有効な出願日に利用可能な分析技術で達成できる検出限界未満)かまたは前記物質を実質的に含まない製品の性質に有意に影響しないような少量で存在することを示すために、使用される。実用では、定量的用語で、製品は、物質の含有率が0〜0.1wt%、特に0〜0.01wt%、さらに特に0〜0.001wt%であれば、物質を実質的に含まないと通常考えられる。
本出願の文脈で、用語「約(about)」は、一般的に所与の値から15%以下の偏差、特に10%以下の偏差、さらに特に5%以下の偏差を意味する。
本明細書において使用する「生分解性有機物質」は、実質的に嫌気性条件下のリアクターでバイオマスにより、特にバイオマスまたはメタンに変換され得る有機物質である。
本明細書において使用する「有機物質」は、化学的に酸化され得る、ISO6060:1989に記載された化学酸素要求(COD)試験により決定され得る任意の有機物質である。有機物質の含有量はCODのg数、すなわち有機物質の酸化のために消費される酸素のグラム数で一般的に表現される。
用語「pH」は、見かけのpH、すなわち標準の、較正されたpH電極で測定されたpHに対して本明細書では使用される。
明確にする目的および簡潔な記載のために、本明細書では、特徴が、同じかまたは別の実施形態の部分として記載されているが、しかしながら、本発明の範囲は、記載された特徴の全てのまたは一部の組合せを有する実施形態を含むことができることは認識されるであろう。特に定義されていない本明細書で使用される用語は、WO2013/139823で定義されており、またはそこで定義されていなければ、共通の一般的知識に従って使用されている。
膜バイオリアクターからの濾液は、原則として、任意のAnMBRから、例えば、WO2011/13092A1、WO2013/139823またはそれらに引用された先行技術に記載された(ように作動された)AnMBRからの濾液であってよい。
AnMBRで処理された廃棄物ストリームは、原則として、嫌気性条件下で生分解性である有機物質を含む任意の水性廃棄物ストリームであってもよい。好ましくは、廃棄物ストリームは、地方自治体の廃水ストリーム、工業廃水ストリーム、下水のストリーム、発酵プロセスからの水性廃棄物ストリーム(残存発酵ブロスなど)、水性スラリーおよび水性スラッジの群から選択される。本発明による方法において、嫌気性消化槽中に導入される廃棄物ストリームの含水量は広範囲で変化し得る。好ましくは、含水量は、廃棄物ストリームの50wt%を超えて、特に少なくとも80wt%、さらに特に90wt%以上である。(有機)廃棄物の含有量は、50%以下、20%以下、10%以下または2%以下であってもよい。
好ましい実施形態において、廃棄物ストリームは、特に、食品もしくは飲料の製造(例えば、乳製品の製造、果実の加工処理)からの工業廃水または化学工場からの廃水または農業廃水である。
ROまたはNFに導入される濾液は、通常、pH低下前でも、溶解した二酸化炭素(特にHCO /CO 2−)を含有する。二酸化炭素は、典型的にはAnMBRで形成され、その一部は、消化槽の液体流出物に溶解しており、さらに結果として濾液にも溶解している。
本発明による方法は、窒素含有化合物、リン含有化合物、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの群から選択される1種または複数の化合物の実質的な量を含有する廃棄物ストリームから生ずる濾液の処理のために、または1種もしくは複数のこれらの化合物の実質的な量が廃棄物ストリームの処理で使用され、および1種または複数のこれらの化合物が濾液中に存在するかもしくは添加された、濾液の処理のために特に有利である。前記窒素の少なくとも実質的部分は、典型的にはアンモニウムの部分である。前記リンの少なくとも実質的部分は、典型的にはリン酸塩の部分である。食品もしくは飲料製造からの廃水または農業廃水は、比較的多量のアンモニウム、リン酸塩、カルシウムおよび/またはマグネシウムをしばしば含有する廃水の例である。
本発明の好ましい方法では、ROまたはNFにかけられる濾液は、少なくとも20ppmのリン酸塩、特に少なくとも50ppmのリン酸塩を含有する。特に、本発明は、リン酸塩に加えてアンモニウムおよびマグネシウムをさらに含む濾液の有利な処理を可能にする。そのような濾液について、ストルバイトの沈殿によるスケールは、実質的に避けられるか、またはROもしくはNFが本発明の手段を使用せずに実施される参照方法と比較して少なくとも減少され得る。本発明の方法から特に利益を得るアンモニウムおよびリン酸塩を含む濾液は、アンモニウムのリン酸塩に対するモル比が、1.0を超え、好ましくは1.5以上、より好ましくは約2.5以上である。
本発明による方法は、少なくとも100mg/lのカルシウム、特に100〜600mg/lのカルシウムなどの実質的量のカルシウムを含有するAnMBRからの濾液を処理するためにも有用である。本発明の手段に基づいて、炭酸カルシウムの沈殿によるスケール形成を実質的に回避するかまたは少なくとも減少させることが可能である。
ROまたはNFにより処理されるべきAnMBR濾液が得られるAnMBRは、それ自体既知の様式で動作することができる。通常、消化槽中の総懸濁固体量(TSS)の平均は、少なくとも5g/l、特に8〜60g/l、さらに特に8〜45g/l、さらに特に10〜35g/lである。
バイオマス(嫌気性微生物)が使用されて生分解性有機物質を分解し、それによりバイオガス(二酸化炭素およびメタンを含む)を形成するAnMBRの消化槽(9)は、好ましくは、混合される反応器、特に連続撹拌槽型の反応器(CSTR)である。
消化槽の水性流出物の濾過は、消化槽の内側または消化槽の外側に位置し得る濾過ユニット(11)で実施される。濾過ユニットは、膜濾過ユニット、典型的には限外濾過ユニットである。膜濾過ユニットでは、濾液および保持液が形成される。濾液の少なくとも一部は、本発明による方法でさらに処理される。
ROまたはNFの処理中における条件は、実質的に嫌気性であることが重要である。それにより(バイオの)付着物が減少するかまたは回避されるが、それはスケールの減少または回避にも有効である。原理的に、実質的嫌気性条件は、任意の様式で達成することができる。しかしながら、本発明者らは、これを達成するために有利な複雑でない様式を見出した。すなわち、濾過膜ユニット(11)からの濾液を、ROまたはNFのための供給コンテナとしても機能するAnMBR濾液コンテナ(12)(本明細書では、今後短縮して「濾液コンテナ」とも称される)に供給することである。AnMBR濾液コンテナ(12)は、例えば備蓄槽または他の屋根付き容器であり、上部空間(13)を有し、濾液コンテナの前記上部空間および消化槽の上部空間(10)との間にガス導管(14)を備える。これにより、少なくとも使用中に、濾液コンテナおよび消化槽は、連通した容器である。消化槽で形成されるバイオガスの圧力は、消化槽の内側において確実に大気圧を超えるようにし、濾液コンテナとガス連通状態である場合、濾液コンテナ内、およびさらに下流の少なくともROまたはNFユニットの内側、またはその後までの嫌気性条件を維持するために効果的である。
好ましくは、前記ガス導管は、消化槽の上部空間と透過物コンテナの上部空間の間に泡沫トラップ(15)を備える。泡沫は、一般的に消化槽の内側で形成される。本発明者らは、泡沫はあまりに高濃度で存在すれば、ROまたはNFに有害な影響を及ぼす物質を含有することもあることに気づいた。この泡沫トラップの存在は、これらの物質によるROまたはNFによる処理のために使用される濾液の汚染を防止する。当業者には、ガス導管に泡沫トラップを備える方法は既知であろう。
AnMBRの濾過膜を出る濾液は、消化槽中のpHとおよそ同じpHを有することができ、そのpHはおよそ中性または僅かに酸性またはアルカリ性、特に約6.8から約7.8の範囲内のpHであり得る。
AnMBRからの透過物をROまたはNFにかける前に、濾液は、pHを低下させるように処理される。通常、ROまたはNFにかけられる濾液のpHは、約pH7.0以下、好ましくは約pH6.7以下、より好ましくは特に約pH6.5以下の値に調節される。通常、pHは、特にOPEXを考慮して、約6.0以上、好ましくはpH6.2以上、特にpH6.3以上である。特に好ましい実施形態では、ROまたはNFにかけられる濾液のpHは、6.3から6.5の範囲内である。
濾液のpHは、濾液がROまたはNFにかけられる比較的少し前に、すなわちできればAnMBR濾液コンテナの下流で調節されることが好ましい。これは、AnMBRからの濾液が消化槽にリサイクルされる場合に特に望ましい。そのような場合、リサイクルストリームとROまたはNFにより処理されるべきストリームとに分岐される前の濾液に酸を添加すると、酸を添加した濾液が消化槽にリサイクルされて、pH低下に効果的に使用される部分を減少させて、AnMBRから回収されるバイオガス中におけるメタンの相対含有量を低下させる可能性がある。
さらなるROまたはNFの条件は、精製水を得るために当技術分野において一般的に知られている条件に基づいて実施され得る。例えば、C.Fritzmannら/Desalination 216巻(2007年)1〜76頁を参照されたい。
ROまたはNF中に、ROまたはNF濃縮物(ブライン)およびROまたはNF透過物が形成される。濃縮物は、無機塩、有機物が濃縮されて、バイオマスを含有することができる。さらに、好ましい態様として酸がpHを低下させるために使用されていれば、バイオマスは、pHを低下させるためにAnMBR濾液中に溶解した二酸化炭素などの酸の部分を通常含有するであろう。経験則として、ROまたはNFにより得られた濃縮物は、最大で約30wt%の、好ましくは25〜35wt%の水以外の成分を含有する。
ROまたはNFの濃縮物は、それ自体既知の様式に基づいて、さらに処理されるかまたは廃棄されてもよい。
有利な実施形態では、ROまたはNF濃縮物は、二酸化炭素を回収するために処理されて、その二酸化炭素は、ROまたはNFにより処理されるべき濾液のpHを調節するために使用される。これは、例えば膜接触器または真空脱ガス装置を使用して行うことができる。
好ましい実施形態では、ROまたはNF濃縮物は、沈殿工程にかけられて、そこで塩が沈殿する。特に、それは、リン酸塩および/またはアンモニウム塩または例えば肥料として使用され得る別の栄養分を含む塩の沈殿を調製するために有利である。栄養製品中に1種以上、存在し得る栄養素として可能性のある金属カチオンは、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよび微量金属を含む。ストルバイト、リン酸カルシウムおよび/または炭酸カルシウムを含む沈殿が形成され得ることが有利である。沈殿は、アルカリ土類酸化物(MgO、CaO)または水酸化物(CaOH、MgOH)または水酸化アルカリ、特にKOH、などの栄養価を有するアルカリ性物質を添加することにより、行うことができる。有利に、過飽和反応器(supersaturator reactor)が使用される。それにより、添加されるアルカリ性物質の使用を避けることができるかまたは実質的に減少させることができる。沈殿は、さらなる処理にかけること、特に乾燥することができる。乾燥中に、固体片(塩の結晶)が回収される。NHを含む気相を使用(または形成)することができて、NHは、気相から水吸収器で回収することができ、そこで水酸化アンモニウムが回収される。これは肥料製造等のために使用することができる。
ROまたはNF濃縮物からの二酸化炭素の回収を、無機塩を回収する沈殿工程と組み合わせることは特に好ましい。二酸化炭素の回収により、ROまたはNF濃縮物のpHは上昇して、それにより沈殿を達成するためのアルカリ性物質は減少するかもしくは必要とされず、および/または沈殿を達成するために必要とされるROもしくはNF濃縮物の濃度は減少する。
好ましい実施形態で、二酸化炭素は、ROまたはNF透過物から回収される。二酸化炭素を有利に回収するために適当な設備は、ROまたはNF濃縮物から二酸化炭素を除去する、真空ストリッパー、ガスストリッパー(窒素を使用して二酸化炭素を気化するストリッパーなど)および膜接触器からなる群から選択される。
さらに、嫌気性の消化槽で生じたバイオガスから二酸化炭素を回収して、ROまたはNFの供給原料として使用する前にその二酸化炭素をAnMBR濾液中に導入することが可能である。バイオガスから二酸化炭素を回収するために、メタンより二酸化炭素に透過性の、または二酸化炭素よりメタンに透過性のガス選択膜による分離などの既知の技法を使用することができる。バイオガスを酸化工程にかけることもでき、それにより二酸化炭素が形成され、生じたガスがpH調節のために使用される。
図1〜3は、本発明による方法および装置を図式的に例示する。該装置は、さらなる流体の配管(例えばリサイクル用の配管)、導入口、排出口、処理ユニット、およびポンプ、バルブ、コントローラー、センサーなどの追加の設備、例えば、本明細書で言及した先行技術およびハンドブックに記載されたその他の設備を含むことができることは、当業者により理解されるであろう。当業者は、共通の一般的知識および本明細書で開示された情報に基づいて、これらが必要とされるかまたは望まれるかを決定することができるであろう。本明細書の残りの記載および特許請求の範囲から理解されるように、図に示された多数の項目、例えば泡沫トラップ(15)、および二酸化炭素回収ユニット(6、7、40)を2つ以上配置することが任意選択であることも、当業者には明らかである。別々の図面による部品を組み合わせることが可能であり、例えば図3に例示されたように、特に図1の二酸化炭素回収施設の1つまたは両方と図2の二酸化炭素回収施設とを組み合わせることが可能であるの、ことも、当業者には明らかである。
有機物質の嫌気性分解は、少なくとも使用中は嫌気性微生物を含有する消化槽9で実施される。消化槽は、典型的には、流体の廃棄物ストリーム16のための導入口、バイオガス38のための排出配管および液体流出物17の排出口を有する。
液体流出物17のための排出口は、導管17aを通して膜濾過ユニット11の導入口18と接続されており、それにより液体流出物は、濾過ユニット11に導入され得る。濾過ユニットでは、保持液が形成されて、そのための保持液排出口19が存在し、濾液のための濾液排出口20が存在する。濾過ユニット11からの濾液(AnMBR濾液とも称される)は、濾過ユニットのための導入口18に部分的にリサイクルされてもよく、または消化槽9にリサイクルされてもよい(不図示)。AnMBR濾液は、配管1cおよび導入口21を通して濾液コンテナ13中に便利に導入される。典型的には濾液コンテナは濾液槽であり、(明らかに、設計された、液体のためのおよび任意選択でガスのための1つまたは複数の導入口および排出口は別にして)一般的に閉じた構造である。この濾液コンテナ13から、AnMBR濾液が濾液コンテナの排出口22を通してROユニット(3)の方向に供給される。濾液の一部がリサイクルされる場合にも、濾液コンテナ13を通して便利に行われる。
二酸化炭素の導入は、一般的にROユニット3に進入する前であって、好ましくは透過物コンテナ12とROまたはNFユニット3との間に行われる。このために、通常、従来の気液混合ユニット8が備えられて、その導入口24は濾液排出口22に配管1bを通して接続されている。気液混合ユニット8は、1つまたは複数の二酸化炭素導入口(25a、25b)およびpHが低下した濾液のための排出口26をさらに有する。好ましくは、混合ユニットがpHセンサーを備えるか、またはpHセンサーは、気液混合ユニット8の下流かつROまたはNFユニット3の上流に備えられる。このセンサーは、ROまたはNFユニットに進入する濾液のpHを所望の範囲内に維持するために、濾液流量に対する二酸化炭素流量を調節するための制御デバイスに接続されていてもよい。二酸化炭素が導入された濾液のための排出口26は、ROまたはNFユニット3の導入口27に配管1aを介して接続されている。
ROまたはNFユニット3は、ROまたはNF膜を含む。ROまたはNF膜によりAnMBR濾液中の水以外の物質の少なくとも実質的部分が保持され、水(それに加えて、通常、若干の溶解したガス、特に二酸化炭素)は通過する。保持された部分は、塩が濃縮されたブライン、および当てはまれば、残存有機物およびバイオマスである。透過物は精製水であり、それは、任意で最終の処理、例えば、pHを約中性とするpH調節の後で、家庭用の水または工業用水として使用され得る。pH調節には、二酸化炭素回収が適当な処理である。
ROまたはNFユニット3は、ROまたはNF濃縮物のための排出口29およびROまたはNF透過物のための排出口28を備える。図1により例示される実施形態で、ROまたはNF濃縮物およびROまたはNF透過物のための前記排出口の少なくとも1つはそれぞれ、二酸化炭素回収ユニットと接続されている。
図1において、ROまたはNF濃縮物のための排出口29は、二酸化炭素回収ユニット6の導入口30に配管5を介して接続されている。二酸化炭素回収ユニット6は、二酸化炭素が回収された濃縮物のための排出口32を備える。それはさらにガス排出口31を備える。これは気液混合ユニットの導入口25bにガス配管36を介して接続されている。
図1において、ROまたはNF透過物のための排出口28は、二酸化炭素回収ユニット7の導入口33に配管4を通して接続されている。二酸化炭素回収ユニット7は、二酸化炭素が回収された水のための排出口35を備える。それは、さらにガス排出口34を備える。この排出口は、気液混合ユニットの導入口25aにガス配管37を通して接続されている。二酸化炭素回収ユニット6および7の両方が存在する場合は、導入口25aおよび導入口25bは同じ導入口であってもよい。
図1は、使用中に嫌気性条件を維持するために好ましい方法をさらに例示する。消化槽9および濾液コンテナ12は、少なくとも使用中には、消化槽9の上部空間10と濾液コンテナ12の上部空間13とを接続するガス導管13a、14bを介して連通している容器である。存在することが好ましい泡沫トラップ15も図示されている。当業者により理解されるように、導管14bは、消化槽の上部空間10中に直接接続することもバイオガス排出配管38を介して接続することもできる。消化槽9の上部空間と濾液コンテナ12の上部空間との間のガス連通接続を提供することのさらなる利点は、逆流処理中のガス急増の防止である。逆流処理中、ある(小さい)量のバイオガスが膜濾過ユニットの膜(単数または複数)を通して急激に押し戻される。これは、消化槽の上部空間のバイオガス流速の急上昇を引き起こす可能性があり、透過物コンテナが接続していない場合、それは最終的にバイオガスの望ましくない急発生(flaring)を生じる可能性がある。消化槽および濾液コンテナを連通容器とするガス導管(14a、14b)により、濾液コンテナ12から流出した任意の過剰な液体体積が、逆流中に、消化槽9からのバイオガスと瞬時に等しい体積になるであろう。この問題に対する代替的解決は急発生したバイオガスを捕捉するガスホルダーを設置することである。しかしながら、これはさらに複雑な解決策である。
さらなる実施形態において(図2参照)、装置は、消化槽(9)で生成するバイオガスから二酸化炭素を回収するためのガス処理ユニット(40)を備え、そのガス処理ユニットには、消化槽(9)のバイオガス排出口(38)とガス処理ユニット(40)のバイオガス導入口(39)の間に導管が備えられる。前記ガス処理ユニット(40)は、二酸化炭素が回収されたバイオガス(したがって、メタンが富化されている)のための排出口(41)および回収された二酸化炭素のための排出口(42)をさらに備える。回収された二酸化炭素のための排出口(42)は、ガス混合ユニット8の導入口(25c)と接続されている。図2のさらなる構成は、図1における同じ番号を有する構成に対応する。
図3は、本発明による装置の設計をより詳細に示す。

Claims (16)

  1. 嫌気性膜バイオリアクター(2)からの濾液(1a〜1c)を処理する方法であって、
    前記嫌気性膜バイオリアクター(2)からの前記濾液(1a〜1c)を実質的に嫌気性に保ちながら、前記嫌気性膜バイオリアクターからの前記濾液(1a)のpHを低下させ、低下したpHを有する前記濾液を逆浸透処理またはナノ濾過処理(3)にかけて、逆浸透またはナノ濾過透過物(4)および逆浸透またはナノ濾過濃縮物(5)を形成する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    二酸化炭素を前記濾液中に導入することにより、pHを低下させる、方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    前記二酸化炭素の少なくとも一部が、前記逆浸透またはナノ濾過透過物(4)から回収される、方法。
  4. 請求項2または3に記載の方法において、
    前記二酸化炭素の少なくとも一部が、前記逆浸透またはナノ濾過濃縮物から回収される、方法。
  5. 請求項2、3または4に記載の方法において、
    前記二酸化炭素の少なくとも一部が、前記嫌気性膜バイオリアクター(2)で生じたバイオガス(38)から回収される、方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の方法において、
    前記逆浸透またはナノ濾過にかけられる前記嫌気性膜リアクターからの前記濾液のpHを、pH7.0以下の値に、好ましくは6.3から6.5の範囲内のpHに低下させる、方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の方法において、
    − 前記嫌気性膜バイオリアクター(2)の前記濾液は、嫌気性膜バイオリアクター(2)の膜濾過ユニット(11)、特に限外濾過ユニット(11)で形成され、前記嫌気性膜バイオリアクター(2)は消化槽上部空間(10)を有する嫌気性消化槽(9)をさらに備え、
    − 実質的に嫌気性条件を維持しながら、前記膜濾過ユニット(11)で形成された前記濾液(1c)が濾液コンテナ上部空間(13)を有する濾液コンテナ(12)中に供給され、前記濾液コンテナ(12)から、前記嫌気性膜バイオリアクターからの前記濾液(1b、1a)が逆浸透またはナノ濾過ユニット(3)に供給され、そこで前記逆浸透処理またはナノ濾過処理が行われ、
    前記消化槽(9)および前記濾液コンテナ(12)は、前記消化槽上部空間(10)と前記濾液コンテナ上部空間(13)とを接続するガス導管(14a、14b)を介して連通する容器である、方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、
    前記嫌気性膜リアクターからの前記濾液に、酸を導入することにより、特に回収された二酸化炭素を導入することにより、前記濾液のpHを低下させ、前記導入は、前記濾液コンテナ(12)の下流かつ前記逆浸透またはナノ濾過ユニット(3)の上流で行われる、方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法において、
    逆浸透またはナノ濾過にかけられる、前記嫌気性膜バイオリアクターからの前記濾液が、少なくとも20ppmのリン酸塩、特に約50ppm以上のリン酸塩およびアンモニアを含有し、アンモニアのリン酸塩に対するモル比は1.5より大きい、特に約2.5以上である、方法。
  10. 請求項2から5のいずれか一項に記載の、または請求項2から5のいずれか一項に従属する請求項6から9のいずれか一項に記載の方法において、
    二酸化炭素が、前記逆浸透またはナノ濾過濃縮物から回収され、それにより、逆浸透またはナノ濾過処理の直後の前記濃縮物と比較して二酸化炭素含有量が低下した濃縮物が得られ、
    前記二酸化炭素含有量が低下した濃縮物が、塩析、好ましくは過飽和工程にかけられ、沈殿物、好ましくはアンモニアおよび/またはリン酸塩を含む沈殿物が回収される、方法。
  11. 請求項2から5のいずれか一項、請求項2から5のいずれか一項に従属する請求項6から9のいずれか一項、または請求項10に記載の方法において、
    前記逆浸透またはナノ濾過透過物が、真空ストリッパー、ガスストリッパー(窒素を使用して前記透過物から二酸化炭素を取り出すストリッパーなど)および膜接触器からなる群から選択される二酸化炭素回収ユニットで処理され、前記透過物から二酸化炭素を取り出す、方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行するのに適した装置であって、
    消化槽(9)および膜濾過ユニット(11)を備える嫌気性膜バイオリアクター(2)を備え、前記膜濾過ユニット(11)の濾液排出口は、二酸化炭素を前記濾液中に導入するための気液混合ユニット(8)を介して逆浸透またはナノ濾過ユニット(3)に接続されており、前記逆浸透またはナノ濾過ユニットは、逆浸透またはナノ濾過透過物排出口(28)および逆浸透またはナノ濾過濃縮物排出口(29)を有し、
    前記装置は、
    − 前記透過物から二酸化炭素を回収するための二酸化炭素回収ユニット(7)であって、前記透過物排出口に接続されている導入口(33)を有し、二酸化炭素が回収された液体、特に水のための排出口(35)、および回収された二酸化炭素のための排出口(34)をさらに有し、前記回収された二酸化炭素のための排出口(34)が、前記二酸化炭素を前記混合ユニット(8)に導入するための前記混合ユニット(8)の導入口(25a)に接続されている、二酸化炭素回収ユニット(7)、
    − 前記濃縮物から二酸化炭素を回収するための二酸化炭素回収ユニット(6)であって、前記濃縮物排出口(29)に接続されている導入口(30)を有し、二酸化炭素が回収された濃縮物のための濃縮物排出口(32)、および回収された二酸化炭素のための排出口(31)をさらに有し、前記回収された二酸化炭素のための排出口が、前記二酸化炭素を前記混合ユニット(8)に導入するための前記混合ユニット(8)の導入口(25b)に接続されている、二酸化炭素回収ユニット(6)、および
    − 前記消化槽(9)で生じたバイオガスから二酸化炭素を回収するための二酸化炭素回収ユニット(40)であって、前記バイオガスを導入するための導入口(39)、二酸化炭素が回収されたバイオガスのための排出口(41)、および回収された二酸化炭素のための排出口(42)を有し、前記回収されたバイオガスのための排出口(42)が、前記二酸化炭素を前記混合ユニット(8)に導入するための前記混合ユニット(8)の導入口(25c)に接続されている、二酸化炭素回収ユニット(40)、
    の少なくとも1つをさらに備え、
    前記装置は、前記消化槽、膜濾過ユニットおよび前記逆浸透またはナノ濾過ユニットにおいて、実質的に嫌気性の条件を維持するように構成されている、装置。
  13. 請求項12に記載の装置において、
    上部空間(10)を有する消化槽(9)を備え、前記消化槽は、水性流体ストリームのための導入口(16)、ガス排出口(18)、導管(17a)を介して膜濾過ユニット(11)の導入口(18)と接続されている液体流出物のための排出口(17)を有し、前記膜濾過ユニット(11)は保持液排出口(19)および濾液排出口(20)を有し、
    上部空間(13)を有する濾液コンテナ(12)を備え、前記濾液コンテナは、濾液導管(1c)を介して前記濾過ユニット(11)の濾液排出口(20)と接続されている導入口(21)および濾液排出口(22)を有し、
    前記消化槽(9)および前記濾液コンテナ(12)は、少なくとも使用中は、前記消化槽(9)の前記上部空間(10)と前記濾液コンテナ(12)の前記上部空間(13)とを接続するガス導管(13a、14b)を介して連通する容器である、装置。
  14. 請求項13に記載の装置において、
    前記消化槽上部空間(10)と前記濾液コンテナ上部空間(13)とを接続する前記ガス導管(14a、14b)が、泡沫トラップ(15)を備える、装置。
  15. 請求項13または14に記載の装置において、
    逆浸透またはナノ濾過濃縮物から二酸化炭素を回収するためのユニット(6)としての過飽和リアクター、
    前記膜濾過ユニットとしての限外濾過ユニット、および
    前記消化槽としてのCSTR
    の少なくとも1つを備える、装置。
  16. 植物または動物のための精製水および/または栄養素を得るためのプロセスであって、
    請求項12から15のいずれか一項に記載の装置における、生分解性有機物質および無機物を含む水性廃棄物ストリームの処理を含み、または
    濾液が得られる嫌気性膜リアクターによる水性廃棄物ストリームの処理を含み、かつ前記濾液が請求項1から11のいずれか一項に記載の方法で処理される、プロセス。
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