JP6030662B2 - 質量分光計の真空インターフェース方法および真空インターフェース装置 - Google Patents

質量分光計の真空インターフェース方法および真空インターフェース装置 Download PDF

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Description

本発明は、質量分光計の真空−大気インターフェースに関し、また本発明は、主としてマイクロ波誘導プラズマイオン源またはレーザー誘導プラズマイオン源などの誘導的に結合されたプラズマイオン源に使用するための方法に関する。このようなインターフェースは、プラズマ−真空インターフェースとも呼ばれる。以下、誘導結合プラズマ質量分光測定法(ICP−MS)を用いた実施形態を中心に議論する。
ICP−MSの一般的な原理は周知であり、ICP−MS機器は、一兆分率(ppt:parts per trillion)およびそれを超える範囲まで、ロバストで高感度なサンプルの元素分析を提供する。通常、サンプルは溶液または懸濁液で、噴霧器によってキャリアガス中のエアロゾルの形で供給される。キャリアガスは一般的にはアルゴンであるが、ヘリウムである場合もある。噴霧されたサンプルはプラズマトーチ中を通過するが、このプラズマトーチは通常、それぞれがチャンネルを形成する多数の同心円管を備え、下流側端部に向かって、らせん状の誘導コイルで囲まれている。外部流チャンネル内を流れるプラズマガスは、通常アルゴンであるが、プラズマガスに放電が作用し、一部のプラズマガスがイオン化される。高周波電流がトーチコイルに印加された結果生じた交流磁界により、自由電子の動きが加速され、プラズマガスがさらにイオン化される。このプロセスは、通常5,000K〜10,000Kの温度で、安定したプラズマ状態が達成されるまで継続される。キャリアガスおよび噴霧されたサンプルは、トーチチャンネルの中心部分を通って流れ、プラズマの中心領域へと流れる。中心領域の温度は、サンプルの原子化およびその後のイオン化を起こさせるのに十分な高温である。
次いで、イオンを分離して質量分光計による検出を行うには、プラズマ中のサンプルイオンを、イオンビームへと形成する必要があるが、この質量分光計には、とりわけ四重極質量分析器、磁場型および/または電場型分析器、飛行時間型分析器あるいはイオントラップ型分析器などを用いることができる。検出には通常、多段階の減圧、プラズマからのイオンの抽出およびイオンビーム形成を伴うが、潜在的な妨害イオンを除去するための衝突/反応セル段階を含んでもよい。
減圧の第1段階は、真空インターフェースの第1開口部を通して、プラズマをサンプリングすることにより達成される。この第1開口部は通常、内径が0.5〜1.5mmの開口した先端をもつサンプリングコーンが用いられる。サンプリングされたプラズマは、サンプリングコーンの下流の方へ膨張して、真空の膨張チャンバ内に入る。その後、膨張プラズマの中心部分は、スキマーコーンが用いられる第2開口部を通って、さらに真空度の高い第2の真空チャンバの中に入る。プラズマがスキマーコーンを通って膨張するにつれて、プラズマの濃度が十分に減少して、スキマーコーンの下流のイオンレンズによって生じた強力な電界を利用してイオンを抽出することにより、イオンビームを形成することができる。形成されたイオンビームは、1つ以上のイオンデフレクタ、イオンレンズ、および/またはイオンガイドによって前方へ、質量分光計の方へ偏向および/または案内され、静的なフィールドまたは時間変化するフィールドで動作されることができる。
上述したように、潜在的な妨害イオンをイオンビームから除去するために質量分光計の上流で衝突/反応セルが用いられてもよい。これらは、通常アルゴンベースのイオン(Ar、Ar 、ArOなど)であるが、イオン化された炭化水素、金属酸化物あるいは金属水酸化物など他のものであってもよい。衝突/反応セルがイオン−中性粒子間の衝突/反応を促進することによって、不要な分子イオン(およびAr)は優先的に中和され、他の中性ガス成分とともに送り出されるか、あるいはさらに小さな質量電荷比(m/z)のイオンへと切り離され、下流のm/z識別段階ではねられる。米国特許第7,230,232号明細書および米国特許第7,119,330号明細書には、ICP−MSに用いられる衝突/反応セルの例が記載されている。
ICP−MS機器は、高い伝達性、高い安定性、プラズマ中のサンプルマトリクス(例えば、水、有機化合物、酸、溶解固形物および塩類などのサンプルのバルク構成)からの影響が少ないこと、酸化物イオンまたは二重荷電イオンのスループットが少ないことなど多くの分析的な必要条件を満たしていることが好ましい。これらのパラメータは、後続のイオン光学系と同様、サンプリングコーンとスキマーコーンとの両方の形状および構造に大きく左右される可能性がある。
ICP−MSがますます日常的に使用されることを考慮して、機器のスループットは最も重要なパラメータのうちの1つになっている。メンテナンス、部品のクリーニングおよび/または交換が必要であるので、機器の運転時間が減少して、そのスループットに影響を及ぼす可能性がある。このパラメータは、サンプル投入から検出器までの機器の全長に沿って、特にプラズマトーチのガラス器上および、サンプリングコーンとスキマーコーンとの内面および外面上に、従前のサンプルからの物質が堆積することにより引き起こされたメモリー効果に大きく左右される。スキマーコーンへの影響は、例えば米国特許第7,119,330号明細書および米国特許第7,872,227号明細書、およびThermo Fisher Scientific Technical Note Nr.40705におけるように、機器に使用されるスキマーコーンが閉塞されたものであるほど、あるいは細長いものであるほど顕著になる。
このため、そのような堆積を低減する方策、またはそのような堆積による機器への影響を低減する方策を提供し、堆積の結果生じるスループットの損失を低減することが望まれる。本発明は、改良された、または代替となるスキマーコーン装置および方法を提供することにより上記および他の目的に対処することを目指すものである。
本発明の一態様によれば、スキマー開口部と、下流のイオン抽出光学系とを有するスキマー装置を備える質量分光計の真空インターフェースを動作させる方法が提供され、この方法は、スキマー開口部を通して膨張プラズマをスキミングすることと、スキマー装置に隣接するスキミングされたプラズマの一部分を、スキミングされたプラズマの残部からスキマー装置内で分離することとを含み、この分離は、残部をイオン抽出光学系の方へ膨張させつつ、分離された部分がイオン抽出光学系に達することを防ぐ(すなわち、阻止または妨害する)手段を講じることにより行われる。スキマー装置は、円錐状の開口部を有するスキマーコーンであることが好ましい。
上述したように、スキマー装置によってスキミングされているプラズマ中に含まれる一部の物質は、スキマー装置上、特にスキマー装置の内部表面、すなわちスキマー装置の下流表面を含む表面上に堆積され得る。特に、スキマー開口部に隣接するスキマー装置の下流側の部分でかなりの堆積が生じていることがわかった。このような堆積した物質は、後続のプラズマがスキマー装置を通してスキミングされるときに、物質が散乱し、もしも除去されなければスキマー装置表面から遊離されて、そのプラズマとともに器具を通過すれば、そのために後続の分析が影響を受ける可能性があるので問題となり得る。発明者らは、このようなスキマー装置表面上の堆積に由来するイオンは、(スキマー装置中のプラズマ膨張の全体にわたって広がって、または分散してというよりもむしろ)最初にスキマー装置の内部表面付近のプラズマ流の境界層に集中していることに気付いた。従って、スキマー装置表面に隣接する、スキミングされたプラズマの一部分をスキマー装置内でプラズマの残部から分離することにより、これらの堆積イオンを高い比率で除去することが可能になり、それによってそのようなイオンをはっきりと区別することが可能になり、メモリー効果が低減される。従前に堆積したイオンが、スキマー装置の下流を通ってイオン抽出光学系に入る数を減少させることを目的として、プラズマの残部を下流のイオン抽出光学系へと引き続き膨張させることで、境界層とプラズマの残部との間の相互作用および混合を、低減または最小化することができるので好都合である。
理解されるように、使用に内部に物質が堆積したスキマーの問題を考慮して本発明は、そのような堆積物が、後になってイオン抽出光学系の方へと膨張するプラズマと接触することを防ぐか、または接触する程度を減少させることで、メモリー効果の一因とならないようにすることを目指すものである。すなわち、本発明の実施形態は、堆積場所で堆積物質をトラップするか、あるいは、(プラズマとの相互作用などの様々なプロセスによって)遊離された堆積物質を、堆積物質がオリフィスをふさぐか、またはプラズマ中へ再導入されるおそれがある、スキマー装置オリフィス付近またはすぐ下流の堆積領域から分離して、さらに遠ざかった下流領域で除去またはトラッピングされるようにする。下流領域では、システムに対するかなり低い汚染リスクで物質を堆積することが可能で、物質はイオン抽出領域のフィールドを妨害しない(あるいは少なくとも妨害するとしてもごくわずかな程度である)。空間上の制約が問題となることはあまりない。それはシステムを滞らせずに多量の物質がそこに堆積し得るという意味であり、物質が再度遊離されても、「後方に」(すなわち上流側つまり径方向内側に)流れて測定に影響を及ぼす可能性は、かなり減少される。
スキマー装置の内部表面に従前に堆積した物質で汚染されやすい、スキミングされたプラズマの一部分は、スキマー装置の内部のスキミングされたプラズマの残部から除去されるか、あるいは分離される。この分離は、スキマー装置自体の内容積内部で起こるので、潜在的汚染物質をイオン抽出光学系の上流で除去することができる。そうでなければ下流の処理および分析にとって望ましくない非サンプルイオンが引き込まれてしまう。このようにして、このような堆積された物質が抽出前にスキミングされたサンプルプラズマと混合する機会は、著しく減少される。
理解されるように、スキマー装置によってスキミングされた、膨張プラズマは、通常最初にサンプル採取装置(例えばサンプリングコーン)を通過する。サンプリング装置は、大気圧、つまり比較的高い圧力で、プラズマ源とインターフェース接続する典型的な部品である。従って、スキマー装置に到達する膨張プラズマの圧力が、通常数ミリバール(mbar)まで低減される。
本発明のさらなる一態様によれば、内部表面と、スキマー装置を通してプラズマをスキミングして、スキミングされたプラズマをスキマー装置の下流に供給するためのスキマー開口部を有するスキマー装置と、スキマー装置の内部表面上に配置され、スキミングされたプラズマの残部を下流に膨張させつつ、スキマー装置の内部表面に隣接するスキミングされたプラズマの一部分をスキミングされたプラズマの残部からスキマー装置内で分離するためのプラズマ分離手段とを備える質量分光計の真空インターフェースのためのスキマー装置が提供される。
プラズマ分離手段は、内部表面上に堆積させることによって、内部表面に粘着、取り付け、または固定されることによって、あるいはそうでなければ内部表面に物理的に連結、係合、または接続されることによってスキマー装置の内部表面上に配置または形成、あるいは内部表面と結合される。このようにして、従前に堆積した不要な物質を含んだスキミングされたプラズマの通過境界層は、境界層から不要物質を除去するために作用するスキマー装置内の吸着性領域の制約を受ける。この分離は、スキマー装置自体の内部で起こるので、潜在的汚染物質を、イオン抽出光学系の上流で除去することができ、これによりそのような堆積物が、スキミングされたサンプルプラズマと抽出前に混合してサンプルプラズマを汚染する機会は減少する。
スキマー装置は、円錐状の開口部を有するスキマーコーンであることが好ましい。本明細書中で用いられる用語「コーン」とは、上流側の端の少なくとも一部分が一般的に円錐形状であるあらゆる物体であり、それ以外の物体残部は円錐形状であってもなくてもよい。従って、用語「スキマーコーン」は、質量分光計の真空インターフェースにおいてスキミング機能を果たす物体であって、少なくともその上流側、すなわち大気/プラズマに面する側の領域に円錐形状を有する物体として理解されるべきである。
本発明のさらなる一態様によれば、スキマー開口部と、内部表面とを有するスキマー装置を備える質量分光計の真空インターフェースを動作させる方法が提供され、この方法は、スキマー装置の内部表面に沿って外向きの流れを確立することを含む。外向きの流れを確立するために、チャンネル形成部材がスキマー装置内に設けられることが好ましく、この外向きの流れは層流であることが好ましい。
本明細書中で用いられる、外向きの流れとは、一般的に下流および/またはスキマーコーン装置の軸から半径方向外向きの流れを意味する。このため、スキマー装置が円錐状の開口部を備える実施形態では、流れがスキマー装置の内部表面に沿って向けられるので、外向きの流れは、下流と、スキマーコーン装置の軸から半径方向外向きとの両方に確立される。スキマー装置が、スキマーコーン装置の軸に対して一般的に直交する平面状表面に開口部を備える他の実施形態では、流れがスキマー装置の内部表面に沿って向けられるので、外向きの流れは、スキマーコーン装置の軸から半径方向外向きに確立される。
本発明のさらなる一態様によれば、スキマー開口部と、スキマー装置の内部表面とを有するスキマー装置を備える質量分光計の真空インターフェースを準備または動作させる方法が提供され、この方法は、内部表面上に吸着性材料料またはゲッタ材料料を配置するステップを含む。内部表面は、従前のあるいは現在のプラズマ流からの物質を堆積し得る堆積領域を備えていることが好ましく、材料は内部表面の少なくとも堆積領域の、少なくとも一部(より好ましくは全部)に配置されることが好ましい。この配置ステップは、従前に配置された材料をリフレッシュするために断続的に行なわれてもよい。
内部表面上に吸着性材料またはゲッタ材料を設けることは、多数の有益な効果がある。第1に、吸着性材料またはゲッタ材料は、堆積物をトラップまたは収集する機能を果たし、堆積物はとにかく堆積するかもしれないが、後続して堆積物が遊離することを防止、または少なくとも低減する。第2に、スキマー装置の動作時に材料を設けると、材料はスキマー装置の内部表面上にその時点までに堆積した物質を覆う、あるいは「埋める」機能を果たすことで、その物質が後続してプラズマ流中へと遊離することを効果的に防ぐか、あるいは少なくとも大幅に妨げる。第3に、従前に配置された吸着性材料またはゲッタ材料の上から第2の、すなわち後続して材料を適用すると、材料はスキマー装置の内部表面上に元々設けられた材料をリフレッシュ、あるいは活性化する機能を果たし、吸着性/トラップ効果の維持に役立つ。
本発明のさらなる一態様によれば、質量分光計の真空インターフェースのためのスキマー装置が提供され、このスキマー装置は、内部表面と、スキマー装置を通してプラズマをスキミングして、スキミングされたプラズマをスキマー装置の下流に供給するためのスキマー開口部と、スキマー装置の内部表面に配置された吸着性材料またはゲッタ材料とを備える。
本発明の他の好ましい特徴および利点は、説明および本明細書に添付の従属クレームにおいて明確にされる。
本発明は多くの様式で実施することができ、いくつかの実施形態が単なる非制限的な例として、下記図面を参照して、以下で記載される。
本発明の一実施形態による質量分光器具を概略的に示す図である。 本発明の他の実施形態によるスキマーコーン装置を備えるプラズマイオン源の一部を示す図である。 先行技術のスキマーコーンを通る流れを示す略図である。 本発明の一実施形態によるスキマーコーンを通る流れを示す略図である。 本発明の他の実施形態によるスキマーコーンを通る流れを示す略図である。 本発明のさらなる実施形態によるスキマーコーン装置を備えるプラズマイオン源の一部を示す図である。
図1を参照すると、第1実施形態による質量分光器具1が概略的に示されている。サンプル投入10は、好適な形態で分析されるサンプルをプラズマ発生器20へ供給する。プラズマ発生器は、プラズマ中でイオン化された形態のサンプルを下流処理および下流分析のために供給する。プラズマは、サンプリングされ、サンプリングとスキミングとのインターフェース30によって次第に減圧環境へと取り込まれる。このインターフェースを越えると、プラズマはイオン抽出光学系50によってイオン抽出フィールドの制約を受け、このイオン抽出光学系50は、電子をはじき出し、中性成分を送り出しながら、陽イオンをプラズマから引き出してイオンビームへと引き込む。その後、イオンビームは、質量分析のためにイオン移動60によって下流に運ばれる。このイオン移動60は、静的な、または時間変化するイオンレンズ、光学系、偏向器および/またはガイドを備えてもよい。イオン移動60は、イオンビーム中の不要な、潜在的な妨害イオンを除去するための衝突/反応セルを備えてもまたよい。イオン移動60から、イオンビームは質量分光分析のために質量分離器および検知器70を通る。
質量分光器具計1の上記段階は、一般的に本発明の上記背景技術部分、特に誘導結合プラズマ質量分光測定法を用いた実施形態に述べられているように設けられてもよい。しかしながら、プラズマ発生器20は、マイクロ波誘導源またはレーザー誘導源によって代替的に設けられてもよい。
本実施形態では、スキミングインターフェースへの入口の下流であるがイオン抽出光学系50の前に、プラズマ分離器40が設けられ、その下流を通過するプラズマがスキミングインターフェース内で分離される。スキミングインターフェースを通過して膨張するプラズマに含まれる一部の物質は、スキミングインターフェース自体に堆積させることができる。これにはサンプルマトリクスおよびプラズマ発生器からの物質だけでなく、サンプルイオンが含まれてもよい。1つのサンプルを分析中に、従前のサンプル(あるいは従前の複数のサンプル)の分析から出た堆積物は、スキミングインターフェース表面から遊離されるか、漏れ出ることがある。これは通常、プラズマによる堆積物と、インターフェースを通って流れる他の物質との粒子衝撃、あるいはおそらくスキマー装置の下流で遊離された電子が原因の電子衝撃の結果として生じる。発明者らは、従前の堆積物(堆積イオン)から放出されたイオンは、少なくとも最初のうちは、プラズマ流と、スキミングインターフェースとの境界層に集中される傾向があることを発見した。このため、プラズマ分離器40がスキミングインターフェース自体の中に設けられ、スキミングインターフェースの下流に膨張するプラズマを分離して、スキミングインターフェースに隣接する部分が、スキミングインターフェース内でスキミングされたプラズマの残部とは異なる処理が行われるようにすることで、プラズマが引き続きイオン抽出光学系50に向かって膨張することが可能になる。具体的には、プラズマの分離された部分は、境界層除去42で除去されるので、除去された部分に含まれる堆積イオンは、一切イオン抽出光学系50に吸収されず、下流分析を妨げることはない。プラズマ流の境界層部分を除去することにより、堆積イオンをはっきりと区別することが可能になり、スキミングインターフェースにおけるメモリー効果を低減することができて好都合である。
プラズマ分離器40は、プラズマ流の境界層部分が、引き続きイオン抽出光学系50の方へ膨張するスキミングインターフェース内のプラズマ流の残部から離れて転送されるように配列されてもよい。代替的に、プラズマ分離器40は、プラズマ流の境界層部分内の物質、すなわち少なくともその部分内に含まれる堆積イオンを収集して、収集された物質が下流にさらに進むのを防ぐように配列されてもよい。プラズマ分離のための他の方法および装置は、当業者には、本開示を考慮することで明らかであろう。
図2を参照すると、本発明の第2実施形態によるプラズマイオン源の真空インターフェース部分が示されている。この図は、プラズマ流の境界層部分がプラズマ流の残部から離れて転送される実施形態を示している。具体的には、サンプリングコーン131、スキマーコーン133および抽出レンズ150が示されている。サンプリングコーン131は円錐形状の外部表面および円錐形状の内部(下流側)表面を有し、これら表面の交差する点にサンプリング開口部132が設けられている。
スキマーコーン133は、一般的に円錐形状である第1部分と、一般的に円筒形状である第2部分とを有する。円錐形状の部分は、円錐形状の外部表面および円錐形状の内部(下流側すなわち裏側)表面135を有し、これらの交差する点に、スキマー開口部134が設けられている。円錐形状の部分は、一般的に円筒状である部分(スキマーコーンの外部表面は、いくつかの実施形態では円錐形状のままであるかもしれない)に一体化する。一般的に円筒状である部分には、一般的に円筒状である部分に対して間隔を置いて配置された一般的に輪状である部材140を受けるための一般的に円筒状である凹部が形成されている。一般的に円筒状である凹部部分のスキマーコーン133の内部表面は、輪状の部材140の表面の輪郭を実質的に補完する。チャンネル141が凹部と輪状の部材140との間で形成され、スキマーコーン133を通るガスに別個の流路を供給する。
スキマーコーン133の下流に、矢印128で示されるように、イオン抽出レンズ150は下流分析のために、プラズマからサンプルイオンを引き出して軸Aに沿ったイオンビームの中へ引き入れるように構成されている。チャンネル141は、好適に配列された真空ポンプによって送り出されるように、スキマーコーン133の下流側端部で外に向かって開いている。下流のチャンネル開口部分の位置を、抽出レンズ150の周辺領域の方へ、または抽出レンズ150の周辺領域に配列すると、抽出レンズ150の抽出フィールドによって、チャンネル141から出て行くイオンが抽出レンズ150を通って引き出されることを防ぐか、または低減することができるので好都合である。
動作時には、上流のプラズマ発生器からのプラズマ122は、サンプル採取コーン131のサンプリング開口部132を通ってサンプリングされる。サンプリングされたプラズマはプラズマ膨張124を形成する。このプラズマ膨張124は、その後スキマーコーン133のスキマー開口部134を通してスキミングされる。スキミングされたプラズマ膨張126は、二次プラズマ膨張と呼ばれることもあるが、スキマー開口部134の下流に示される。膨張126におけるプラズマは、スキマーコーン133の下流側端部に付近に近づくにつれて、プラズマは次第に希薄になっていく。イオン抽出レンズ150は、抽出フィールドを生成し、その結果、プラズマ中に、プラズマ境界またはプラズマ端を画定する安定した二重層が形成されて、そこからサンプルイオンが抽出レンズ150によって抽出され、合焦される。
上記で議論したように、スキミングされたプラズマ、すなわち二次プラズマ膨張126からの物質は内部スキマー表面135上に堆積してもよい。堆積物は、時間がたつにつれて蓄積されるので、プラズマイオン源質量分光計のスキマーコーン(およびサンプリングコーン)の日常的なクリーニングおよび/または交換が一般的に必要となる。一方、従前に堆積した物質は、通常プラズマ膨張内のイオン、ガス、または電子からの粒子衝撃の結果として、プラズマ膨張126へ遊離されるか放出され、これにより不純物イオンがプラズマ中に導入される。このようなメモリー効果は、潜在的に現在のサンプルの分析を妨げる可能性があり、当然のことながらそれは望ましくない。
発明者らは、これらの堆積イオンは、一旦放出されると、内部スキマー表面135に一般的に直に隣接する膨張プラズマの流れに沿って運ばれるか、押し流される傾向があり、それゆえ内部スキマー表面135に一般的に直に隣接する膨張プラズマの流れの中、すなわちプラズマ膨張と、スキマーコーン内部のその表面との境界層の中に集中する傾向があることを発見した。従って発明者らは、この境界層を除去すれば、プラズマ膨張からの堆積イオンをかなりの割合で除去することもできるので、好都合であると認識した。
矢印142a〜142cで示されるように、プラズマの境界層は、スキマーコーン133と、輪状の部材140との間に形成されたチャンネル141へと迂回させられることにより、スキマーコーン133内のプラズマ膨張の残部から分離される。プラズマの分離された部分は、チャンネル141に沿ってイオン抽出レンズ150の抽出フィールドが有効な領域から離れた下流側開口部分へ進む。プラズマの分離された部分は、真空ポンプによってチャンネル開口部分から送り出されてもよい。この真空ポンプは、プラズマイオン源質量分分光計のスキミングインターフェースの下流を減圧するために従来採用されているものが好ましい。送り出される代わりに、チャンネル開口部分を出て行く一部の堆積物は、イオン抽出レンズ150などの下流の構成部品に堆積させることがあるが、いずれにしてもイオン抽出レンズ150の抽出フィールドの制約を受けることを大幅に防ぐ。
二次プラズマ膨張126の境界層の分離および除去は、ほとんどの堆積が生じる領域の下流、すなわち通常スキマーコーン133の内部表面135から最初の数ミリメータ前後の領域で起こることが好ましい。さらに、あらゆる動作条件下において(例えばイオン抽出光学系のあらゆるサンプルに対して、およびあらゆる電圧に対して)、堆積に由来するイオンがイオン抽出光学系に引き込まれて、後続して検出されてしまうことを減少または防止するために、分離と除去は、プラズマ境界の上流で起こることが好ましい。
代替的な配列では、一般的に輪状である部材140は、部材本体を通って延在する1つ以上の開口部分またはチャンネルが設けられていてもよい。このようにして、矢印142aで示されるように、プラズマの境界層はチャンネル141へと迂回し、その後、部材の開口部分を通って通気されてもよい。矢印142bで示されるように、部材140自体の本体を通る開口部分に加えて、部材とスキマーコーン凹部の間にさらにチャンネルが形成されるように部材140を寸法設計してもよい。代替的に、部材140は、そのような中間チャンネルを設けずにスキマーコーン凹部内に収容されるように寸法設計することで、部材を通る開口部分だけが通気を行うようにしてもよい。代替的または追加的に、一般的に輪状である部材140の外部表面およびスキマーコーン凹部に形成された1つ以上の樋の間に、通気チャンネルが形成されてもよい。
図2の実施形態で示されるように、スキマーコーン133の内部表面135は、円錐形の部分を有しており、その下流側端部には軸Aを一般的に横切る環状の壁が設けられている。環状の壁の軸Aに対して半径方向外側の端に、スキマーコーン133の内部表面135の角度と比較して角度を小さくした、さらなる壁が設けられる。一実施形態では、図2に示されるように、さらなる壁は、一般的に円筒状であり、一般的に軸Aと同軸である。さらなる壁と、環状の壁とにより、輪状の部材140が配置される凹部が形成される。輪状の部材140の内部の(空洞部の)直径は、スキマーコーン133の円錐形の内部表面の下流側端部の直径より大きいことが好ましい。これにより、二次プラズマ膨張126は、スキマーコーン133を通って、特に、例えばバッフルなどの直接の障害にまったく遭遇することなく、膨張することが可能になる。
しかしながら、離散的で段階的なコーン角の減少(すなわち、内部表面135と、部材140の内部表面とを備える一般的に円錐形である、スキマーコーン133の内部領域の表面の角度)は、スキミングされたプラズマの自由噴流膨張を妨げる。このことは、チャンネル141の下流(すなわち内部領域の角度が変化した後)であるが、依然として部材140内の衝撃波形成につながる。この衝撃波の位置は、スキマーコーン開口部134の内径、スキマーコーンの形状などに左右され、スキマーコーンが汚染されるにつれて、衝撃波の位置も時間とともに変化することがある。それにもかかわらず、衝撃波は、部材140の内側体積内に閉じ込められたままになる。従って、プラズマからのイオンの抽出条件は、一般的に同じままであるので、インターフェースの高い安定性が守られる。
軸Aに対するスキマーコーン133の内部表面135の円錐形状の部分の角度αは、15°〜30°にあることが好ましく、23.5°が最も好ましい(スキマーコーン133の外部の円錐形状の表面は、軸Aに対する角度の範囲内にあってもまたよいが、40°が最も好ましい)。輪状の部材140の内部表面と軸Aとの間の角度βは、−α/2<β<αの範囲内(つまり−15°〜+30°)にあることが好ましく、最も好ましくは、3°である。
従来のスキマーコーンは、全体にわたって円錐形状の内部表面を有する傾向がある。図2の実施形態では、スキマーコーン133の円錐形状の部分および輪状の部材140内の領域が有効な膨張領域であるとして、膨張領域はもはや、全体にわたって円錐形ではないが、α−βの角度に変化があることがわかる。このような角度の変化の結果、スキマーインターフェースのプラズマ膨張によって衝撃波が形成される可能性がある。チャンネル141の幅が十分であり、一般的に軸Aに沿ったプラズマ膨張の流れを混乱させることなく、スキマーコーンの内部表面135付近に生じた渦を送り出すことが可能である場合には、この衝撃波が問題を引き起こすとは考えられない。これらの条件下では、上記で議論したように、角度αおよび角度βは同一である必要がない。
サンプリングコーン開口部132の内径は0.5mm〜1.5mmであることが好ましく、1mmであることが最も好ましい。スキマーコーン開口部134の内径dは0.25mm〜1.0mmであることが好ましく、0.5mmであることが最も好ましい。この開口部134は、長手方向に延在して長さ1mm以内の円筒状のチャンネルを形成してもよい。チャンネル141の幅は、内径dの1〜2倍、従って、0.3mm〜1mmの範囲にあることが好ましく、0.5mmであることが最も好ましい。スキマーコーン133の先端から(すなわち開口部134)のチャンネル141までの距離は、d*tan(α)の14〜20倍の範囲または1mm〜6mmにあることが好ましく、3.5mmであることが最も好ましい。スキマーコーン133の先端(すなわち開口部134)から輪状の部材140の下流側端部までの距離は、d*tan(α)の25〜40倍の範囲または2mm〜12mmにあることが好ましく、7.5mmであることが最も好ましい。
図2の実施形態は、チャンネル141を半径方向に完全に開放されたチャンネルとして示しているが、これに代わり多数のチャンネルを個々にスキマーコーンの内部表面の周囲に分散して配置されてもよいことが理解されるだろう。
チャンネル141または複数のチャンネルを設けるさらなる利点は、これによりスキマーコーンに沿って熱流の調節が可能になるということである。例えば、スキマー先端から下流基部への熱流の減少が可能になるまで、チャンネル141は内部からスキマーコーン133の外面の近くに接近することができる。
チャンネル141は、必ずしも円対称でなくてもよい。例えば、多数の(「コショウ入れ」のような)小さなポンプ穴、多数のスロットを有すること、または多孔性物質を使用することなどで、境界層除去機能が実行可能となる。また、境界層の通気はメモリー効果の低減に好都合であるが、同じ構造をもつ部品を使用して、他の機能を実現することも可能である。例えば、ガスを送り出すために一部分のポンプ穴を使用する一方で、除去されたガスを他のガスに交換するために他の部分を使用することが可能であり、この他のガスは、例えばイオン−分子反応(例えばヘリウム、水素など)を引き起こさせるための、あるいはプラズマジェット膨張を軸Aに近くに集中させてイオン抽出効率を向上させるための反応ガスである。前者の場合、反応ガスは、専用のガス供給源から供給されてもよく、後者の場合もそのように供給されてもよい。あるいは代替的に、従前の圧力領域を供給源としてもよい。
そのようなガス導入口は、ポンプ穴からわずかに下流に位置することが好ましく、反応ガスが下流の衝撃波の中でよく混合されるようにする。米国特許第7,119,330号明細書または米国特許第7,872,227号明細書とは異なり、衝撃波に先立って反応ガスをこのように早い段階で導入することにより、高圧の密閉チャンバは必要でなくなる。すなわち、このような配列を行うことで、プラズマ膨張を閉じ込める必要がなくなり、そのため完全に、または部分的に密閉された衝突チャンバは必要でなくなる。そのようなガス導入口のさらなる用途は、特にサンプルプラズマを処理しないときのクリーニングを目的として、スキマーを通る「後方への」ガスの流れを提供することである。
輪状の部材140は、(それが、通常導電接触しているスキマーコーン133に対して)電気的に中性であることが好ましく、イオン抽出光学系150によって生成された抽出フィールドに影響を及ぼさず、かつ抽出フィールドに影響されないことが好ましい。堆積イオンはチャンネルを通って除去されるが、このチャンネルを形成するという輪状の部材140の機能に関して、輪状の部材140に対するイオン抽出光学系の影響を最小化するのに役立つという点で、これは好都合である。
上記で議論したように、遊離される堆積物はすべて、少なくとも最初のうちは、スキマーコーンの内部表面との境界層に集中される。動作時に、チャンネルを作るための輪状の部材をスキマーコーンの中に設けることにより、スキマーコーンの内部表面にわたって層流が確立される。層流は、半径方向外側、すなわちスキマーコーン入口の開口部からチャンネルに向かう流れである。この層流によって、従前に内部表面に堆積していた、境界層内で遊離された物質を移送するためのメカニズムがもたらされる。
しかしながら、このメカニズムによってもたらされるさらなる利点は、まず第1に、内部表面上の物質の堆積が減少されることである。発明者らは、従来のスキマーコーンの内部表面上の物質の堆積は、乱流区域および/またはスキマーコーン内の相対的な「静止」または「静寂」区域に、少なくとも一因があることを理解している。通常この乱流は、内部表面の、または内部表面付近の物質の、軸から離れる逆流などである。この略図を図3に示す。この図は、スキマーコーン33およびイオン抽出光学系51を、両者の間の一般的に軸方向/近軸方向であるサンプルプラズマ35の流れとともに示している。スキマーコーン33の下流の内部表面に沿って、イオン抽出光学系51を通過しない一部の流れは、乱流37または相対的な死流39になり得る。内部表面上への物質の堆積は、少なくともこれらの流れ37および39中の物質が比較的長期間の間にスキマーコーンの内部表面付近に残留することが一因で引き起こされると理解されている。
図4は、流れを本発明の一実施形態によるスキマーコーンとともに示す略図である。本実施形態では、スキマーコーン133、イオン抽出光学系150およびチャンネル形成部材144が設けられる。スキマーコーン133およびチャンネル形成部材144は、図2の実施形態とは異なった形態であることに気がつくであろう。ここで、スキマーコーン133の内部表面は、全体にわたって円錐形状のままであり、チャンネル形成部材144は、その上流端において円錐形状の内輪郭および外輪郭を有する輪状である。理解されるように、チャンネル成形部材の機能は、スキマー装置内の領域を、中央領域と、外側に延在し、かつスキマー装置の内部表面に隣接するチャンネル領域とに分割することであり、サンプルプラズマは中央領域を通り、遊離された堆積物はチャンネル領域を通ることが望ましい。
チャンネルの形成により、径方向外側に向かう層流145が生じる。上記で説明されるように、この流れ145は、遊離された物質を移送する。しかしながら、層流145とともに、乱流区域および/または相対的な死流区域は、(チャンネル成形部材が下流まで延在している距離、およびその形状に応じて)除去されるか、さらに下流のスキマーコーンの内部表面上に少なくとも移動させられる。この層流の結果、特にコーン入口の開口部付近またはすぐ下流では、スキマーコーンの内部表面に物質が堆積する機会が除去されるか、または大幅に減少される。これにより、次には堆積された物質がこの領域から遊離されてサンプルプラズマと混合する機会が低減される。
この層流は、スキマーコーン入口の開口部から最初の0.1mm、0.2mm、0.5mm、1mm、2mmまたは5mmにわたって下流に延在してもよい。この距離は、スキマーコーン内のチャンネル形成部材の位置を変更することにより、および/または領域中の真空ポンプの圧送程度を調節することにより調節されてもよい。スキマーコーンの形状、チャンネル形成部材の形状および圧送率/流量率は、当業者によって最適化されてもよいことが理解されるだろう。
図5は、本発明のさらなる実施形態を示し、チャンネル形成部材が、スキマーコーン133内で軸方向に分離された2個のコーン146a、146bによって設けられている。これにより、第1のチャンネル147aが、スキマーコーンの内部表面と、第1のチャンネル形成部材146aとの間に形成され、第2のチャンネル147bが、第1のチャンネル形成部材146aと、第2のチャンネル形成部材146bとの間に形成される。第2のチャンネルは、望ましくない物質を追加的に除去するための第2の層流をもたらす。
図6を参照すると、本発明の第3の実施形態によるスキマーコーン装置のための代替的な配列が示されている。この図は、プラズマ流の境界層部分からの物質または少なくともその部分内に含まれた堆積イオンを収集するように、プラズマ分離器がスキマーコーン内に配列されている実施形態を示す。図6に示される機器の部分は、一般的に図2に示されるものと同一であるので、同様な項目には同一の符号を付してある。図6の実施形態では、プラズマ分離器は、分流加減器メカニズムの代わりに収集器メカニズムが設けられている。具体的には、スキマーコーン160は、一般的に円錐形状の内部表面162を有し、下流側端部に、あるいは下流側端部に向かって吸着性材料170が分散して配置される。金属(特にチタン昇華またはスパッタリングによって塗布される場合にはチタンゲッタが好ましい)、蒸発性もしくは非蒸発性のゲッタ、ガラスまたセラミックスなどの多孔性物質が、吸着性材料として使用されることが好ましい。他の適切な材料には、沸石、場合によりゲッタ材料と併用して、ゲッタ被覆スポンジ、アルミニウムスポンジなどが含まれ、酸素がない状態で動作させる場合には、さらに炭素や活性炭などが含まれる。理解されるように、吸着性材料170は、特に採用される物質の種類に応じて多数の方法で、内部表面162上に配置されてもよい。材料は、例えばシンタリング、化学的または物理的蒸着、あるいは他の化学的または電気化学的技法によって内部表面上に層または被膜を形成してもよい。代替的に、材料は、内部表面に機械的に粘着、固定、接着されてもよい。
従前の実施形態と同様に、プラズマ122はサンプル採取コーン131を通ってサンプリングされ、プラズマ膨張124をその下流に形成する。プラズマはその後、スキマーコーン160によってスキミングされ、スキミングされたプラズマ、すなわち二次プラズマ膨張126をその下流に形成する。イオン抽出光学系150は、抽出フィールドを生成して、プラズマからイオンを引き出し、後続の分析のためのイオンビームを形成する。
従前のサンプル分析で堆積した物質が、スキマーコーン160の内部表面162上に蓄積され、メモリー効果の問題を引き起こす可能性がある。この領域からの従前の堆積物または堆積イオンは、スキミングされたプラズマ、すなわち二次プラズマ膨張126のプラズマ境界層に集中して放出されることが理解される。このため境界内に含まれた堆積物は、吸着性材料170に遭遇して、吸着性材料170上に、または吸着性材料170中に収集されることにより、スキマーコーンの内部のプラズマ膨張から堆積物を除去する。これは、矢印172によって概略的に示されている。残ったプラズマは、スキマーコーン160全体にわたって膨張することが可能になり、その残部に含まれたサンプルイオンは、その後機器を通してその先へ伝達されるために、イオン抽出光学系150によって抽出される。
堆積物を除去するためのメカニズムの1つに、例えば、沸石のような多孔性物質あるいは金属、ガラスまたはセラミックスから作られた他のナノ構造材料によって拡散を促進することが含まれる。この拡散は、動作時のスキマーコーンの温度を上昇させることにより促進される。
一実施形態では、各サンプル分析の合間に収集器メカニズムを断続的にリフレッシュあるいは活性化することにより、収集器手段の耐用年数(すなわち、スキマー装置のクリーニングまたは交換が必要になるまでの時間)を延長することが可能である。すなわち、遊離された堆積物を捕えるための収集器材が設けられるスキマー装置の内部表面は、一定の間隔で新たな収集器材で覆われてもよい。この追加的な被覆は、単層または単層に近い厚さの材料の薄膜であることが好ましい。被覆材は、スパッタリングを行うか、あるいはスキマー装置内部の物質のフィラメント、ロッドまたはペレットの1つ以上を昇華させるか、局部加熱するか、あるいは後者の方法を膨張プラズマ中に機械的に導入することによって塗布されることが好ましい。このような塗布は、非サンプル段階の間、すなわちサンプル取込時間、またはクリーニング段階の間など各サンプル分析の合間に行なわれることが好ましい。多数のゲッタ材料/吸着性材料がこのために使用されてもよいが、チタンがこの目的には特に好適である。チタンは、ICP源中のキャリアガスおよび/またはプラズマガスとして通常使用されるアルゴンに反応しないからである。上記の技法は、真空技術においては知られているが、このようにメモリー効果低減のために適用されていることは知られていない。
この被覆層には2つの有益な効果がある。第1に、スキマー装置の内部表面上に堆積したあらゆる物質を、覆う、あるいは「埋める」機能を果たすことで、その物質が後続してプラズマ流へと遊離することを効果的に防ぐか、あるいは少なくとも大幅に妨げる。第2に、スキマー装置の内部表面上に元々設けられた吸着性材料またはゲッタ材料をリフレッシュあるいは活性化する機能を果たすことで、吸着性/トラップ効果の維持に役立つ。
図6の実施形態では、吸着性材料またはゲッタ材料170はスキマーコーンの内部表面の下流側端部に、または下流側端部に向かって設けられているが、本発明の他の実施形態では、スキマーコーンの内部表面上のさらに上流に、スキマーコーン入口の開口部付近に、または入口の開口部に隣接して、吸着性材料またはゲッタ材料が代替的または追加的に設けられている。実際のところ、吸着性材料またはゲッタ材料は、スキマーコーンの裏側(内部表面)全体に設けられてもよい。このような材料を入口の開口部付近に設けることは、大きな利点となり得ることがわかる。入口の開口部に堆積されるであろう物質をトラップまたは収集して、物質が遊離されるのを最初に防ぐか、あるいは少なくとも妨げて、(従って下流での除去が必要になるのを防ぐか、あるいは少なくとも妨げることを)効果的に行うことができるからである。
実際のところ、本発明の一態様では、スキマー装置の内部表面の少なくとも第1の領域は、吸着性材料またはゲッタ材料で覆われている。この第1の領域は、従前のまたは現在のプラズマ流からの物質が堆積し得る、堆積領域の、少なくとも一部または全部を含む。物質の被覆または層は、スキマー装置を最初に使用する前に、および/またはスキマー装置の動作中に断続的に塗布されてもよい。
上記の実施形態では、様々な部品が軸Aまたはそれに相当するものの周りに一般的に同心円上に配設されているが、このような配列である必要はない。サンプリングコーン、スキマーコーン、チャンネル、レンズが軸方向に対称である必要はなく、他の横断面配列についても同じ効果を得ることが可能である。例えば、図2、図4、図5、および/または図6の実施形態を軸Aの周りに回転対称とするのではなく、この配列を(図中紙面への、および図中紙面からの距離の範囲にわたって同一の横断面が、設けられるように)図中紙面に垂直な方向に沿って延在させることも可能で、その結果、「コーン」は円錐形状の代わりに例えば、スロット形状または「楕円円錐形状」に形成される。好ましい寸法は、そのような配列では異なり得るが、当業者には容易に理解できるため、本発明の概念は依然として適用可能である。
議論したように、本発明では主として誘導結合プラズマ質量分光測定法(ICP−MS)を採用する実施形態に関して説明しているが、本発明は多数のイオン源に適用される。例えば、実施形態は、アルゴンICP、ヘリウムICP、マイクロ波誘導プラズマ、およびレーザー誘導プラズマなどのプラズマのイオン化のための、およびエレクトロスプレーイオン化および大気圧化学イオン化のためのイオン源のような、高サンプル流/流束領域に膜(スキマー、開口板、電極、レンズなど)が存在する大気圧イオン源を用いて実施されてもよい。例としては、米国特許第5,756,994号明細書および米国特許第7,915,580号明細書に記載のものがある。実施形態は、レーザー脱離、好ましくはマトリクス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI:matrix−assisted laser desorption/ionisation)を用いたイオン源とともに大気圧下、減圧下、または真空圧力下で実施されてもまたよい。
他の変形、変更および実施形態は、当業者には明らかであり、本発明の一部を構成することを企図するものである。

Claims (23)

  1. スキマー装置を備える質量分光計の真空インターフェースを準備し、または動作させる方法であって、前記スキマー装置は、スキマー開口部と、前記スキマー装置の内部表面とを有し、前記方法は、吸着性材料またはゲッタ材料を前記内部表面上に配置するステップを含む方法。
  2. 前記内部表面が、従前のあるいは現在のプラズマ流からの物質を堆積し得る堆積領域を備え、前記材料が、前記内部表面の少なくとも前記堆積領域の、少なくとも一部分に配置される請求項1に記載の方法。
  3. 前記配置ステップが、前記スキマー装置の最初の使用の前に行われる請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記配置ステップが、前記スキマー装置の少なくとも最初の使用の後に行われる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記配置ステップが、従前に配置された材料をリフレッシュするために断続的に行われる請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記材料が、薄膜として設けられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記薄膜が、単層または単層に近い厚さである請求項6に記載の方法。
  8. 前記材料が、スパッタリングまたは、前記材料の昇華によって前記内部表面上に配置される請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記材料が、前記材料のフィラメント、ロッドまたはペレットの1つ以上に局部加熱を行うことによって前記スキマー装置内に配置される請求項8に記載の方法。
  10. 前記材料が、チタンである請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記材料が、金属、好ましくはチタン、ガラス、蒸発性ゲッタ、非蒸発性ゲッタ、セラミックス材料、沸石、ゲッタ材料と併用した沸石、ゲッタ被覆スポンジ、アルミニウムスポンジの1つ以上および、炭素または活性炭を備える請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記スキマー開口部を通して膨張プラズマをスキミングするステップと、前記スキマー装置に隣接する前記スキミングされたプラズマの一部分を、前記吸着性材料またはゲッタ材料で収集することによって、前記一部分を前記スキミングされたプラズマの残部から前記スキマー装置内で分離するステップとをさらに含む請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法ステップを含むプラズマ質量分光法を行う方法。
  14. 質量分光計の真空インターフェースのためのスキマー装置であって、内部表面と、前記スキマー装置を通してプラズマをスキミングするためのスキマー開口部で、かつスキミングされたプラズマが前記スキマー開口部の下流に流すためのスキマー開口部と、前記スキマー装置の前記内部表面上に配置された吸着性材料またはゲッタ材料とを備えるスキマー装置。
  15. 前記内部表面が、従前のあるいは現在のプラズマ流からの物質を堆積し得る堆積領域を備え、前記材料が、前記内部表面の少なくとも前記堆積領域の少なくとも一部分に配置される請求項1に記載の装置。
  16. 前記吸着性材料またはゲッタ材料が、未使用のスキマー装置の前記内部表面上に配置される請求項1または1に記載の装置。
  17. 前記吸着性材料またはゲッタ材料が、使用されたスキマー装置の前記内部表面上に配置される請求項1〜1のいずれか1項に記載の装置。
  18. 従前に配置された材料をリフレッシュするために断続的に吸着性材料またはゲッタ材料を前記内部表面に配置するための手段をさらに備える請求項1に記載の装置。
  19. 前記材料が、薄膜である請求項1〜1のいずれか1項に記載の装置。
  20. 前記薄膜が、単層または単層に近い厚さである請求項19に記載の装置。
  21. 前記材料が、チタンである請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
  22. 前記材料が、金属、好ましくはチタン、ガラス、蒸発性ゲッタ、非蒸発性ゲッタ、セラミックス材料、沸石、ゲッタ材料と併用した沸石、ゲッタ被膜スポンジ、アルミニウムスポンジの1つ以上および、炭素または活性炭を備える請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
  23. 請求項1〜2のいずれか1項に記載の前記スキマー装置を備えるプラズマ質量分光計
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