JP6030488B2 - 音声出力装置 - Google Patents
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Description
図7に示すように、難聴者は、左右の聴力に差がある場合がある。
左右の聴力差を有する難聴者にとって使いやすい音量調整装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1の装置は、ステレオヘッドホンを用いるものであり、左右の耳それぞれに、正しくステレオヘッドホンが装着されていることが前提となっている。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1は、本発明による音声出力装置である携帯電話端末100の第1実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
以下の説明では、図1中で見えている側の面を表面と呼び、見えていない側の面を裏面と呼ぶ。
また、図1中には、それぞれが直交するX軸、Y軸、Z軸の直交座標を示した。
本実施形態の保護パネル101は、タッチパネルとして構成されており、携帯電話端末100の各種情報を表示する表示部としての機能と、数字や文字入力、各種選択等を行うときに操作される操作部としての機能とを有している。
携帯電話端末100は、上述した構成の他、制御部511と、検出部512と、加速度センサ513と、記憶部514と、設定部515と、通信部551と、駆動回路部552とを備えている。
加速度センサ513は、携帯電話端末100に作用する加速度を検出する。加速度センサ513は、携帯電話端末100が大きく動いていないときには、重力加速度の方向、すなわち、重力が作用する方向を検出することができる。よって、制御部511は、加速度センサ513から得た情報により、携帯電話端末100がどのような向きを向いているのかを検出することが可能となる。
したがって、検出部512は、加速度センサ513が検出した重力加速度により、利用者が携帯電話端末100を左右どちらの耳で使用しているかを検出することができる。
本実施形態の加速度センサ513は、端末本体の動きを検出するモーションセンサーとして、多くの携帯電話端末等に従来から内蔵されている加速度センサを利用している。なお、加速度センサ513としては、従来からある加速度センサを利用せずに、左右検出のために専用のセンサを設けてもよい。
また、加速度センサ513のサンプリング周波数が高い場合は、静的な重力加速度を安定して検出するために、手ぶれによる高周波成分を低減させるローパスフィルタを通して安定させることが好ましい。
発着信時に、加速度センサ513は、携帯電話端末100に作用している加速度を検出する。具体的には、図1に示した、レシーバー面をXY軸とするX軸方向の加速度の「方向」と「大きさ」を主に計測し、制御部511に伝える。
図3に示すように、携帯電話端末100を左耳にかざす場合と右耳にかざす場合とでは、X軸における加速度の方向が反対になっている。
この加速度の向きの検出結果に基づいて、制御部511は、携帯電話端末100が左耳にあてがわれているのか、右耳にあてがわれているのかを判断する。
なお、この図3に示す例では、利用者が頭を起こしている状態にあることを前提としている。
具体的には、制御部511は、携帯電話端末100が左耳にあてがわれていると判断したときには、「左耳用モード」の設定を記憶部514から呼び出して、駆動回路部552へ指示する。
一方、制御部511は、携帯電話端末100が右耳にあてがわれていると判断したときには、「右耳用モード」の設定を記憶部514から呼び出して、駆動回路部552へ指示する。
記憶部514は、左耳で聞き取りやすい音を出力する「左耳用モード」と、右耳で聞き取りやすい音を出力する「右耳用モード」との少なくとも2つの音響特性の設定を記憶する。「左耳用モード」と「右耳用モード」とは、それぞれ、利用者毎に異なるものであるから、予め設定しておくこととなる。
設定部515は、「左耳用モード」と「右耳用モード」のそれぞれについて、音量設定やイコライジング、ダイナミックレンジ圧縮等の音響特性の詳細な設定を受け付ける。どのような音響特性が利用者にとって適切であるのかは、利用者によって異なるので、設定部515では、操作入力にしたがって、各モードでの音声処理についてのカスタマイズが可能となっている。カスタマイズされた「左耳用モード」又は「右耳用モード」の設定内容は、記憶部514に記憶される。なお、この設定は、医療機関で行ってもよいし、携帯電話サービスを提供する事業者が行ってもよい。また、利用者自身が携帯電話端末100を操作して設定可能としてもよい。
設定部515は、例えば、上下キーに10段階の音量の設定ができ、「左耳用モード」と「右耳用モード」のそれぞれについて、音量の設定が可能である。また、設定部515は、左右キーによって、右キーを押せば右耳の音響特性の設定を呼び出し、左キーでは左耳用の設定を呼び出すことを行ってもよい。なお、図4中の操作キーは、表示部に表示されたものであり、タッチパネル操作によって、実現される操作部であるが、実際の操作部材にこれらの機能を割り当ててもよい。
難聴者は、様々な聞こえの周波数特性を持つため、各々の聞こえ特性に合わせた高度な周波数イコライジング(例:10バンドEQ機能)を施す事により、より聞こえやすい音声伝達が可能となる。よって、この難聴者用のイコライジングは、利用者個々に合わせた設定値とすることが望ましい。
また、音声出力部104に圧電素子からなる振動子を用いる場合には、圧電素子は、2から4KHzの周波数帯の出力が大きい特性をもっている。必要以上に出力されているこれらの帯域をイコライジング処理で抑制することで周波数特性を向上させながら、音漏れとして耳に付きやすい2から4kHzの周波数帯域の出力を抑制することができる。
難聴者は、小さい音が聞こえづらく、反面大きな音は健聴者と変わらない程度に聞こえる特性を持つ場合が多い。つまり、単に大音量にしても逆にうるさく不快に感じてしまう場合がある。そこで、本実施形態では、ダイナミックレンジ圧縮部555により小さい音を大きくし、大きい音は小さい音よりも増幅しないダイナミックレンジ圧縮処理を行う。ダイナミックレンジ圧縮処理は、例えば周波数帯域毎に(例えば低域、中域、高域に三分割して)、それぞれ異なるダイナミックレンジ圧縮を行うことで、様々な難聴の聞こえのタイプに対応できる。本実施形態では、先に示した図2に示すように、低域用ダイナミックレンジ圧縮部555aと、中域用ダイナミックレンジ圧縮部555bと、高域用ダイナミックレンジ圧縮部555cとの3つのダイナミックレンジ圧縮部が設けられている。
第2実施形態の携帯電話端末200は、検出部512が行う、利用者が携帯電話端末200を左右どちらの耳で使用しているかの検出の手法が異なる他は、第1実施形態と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の携帯電話端末200の検出部512は、加速度センサ513に加えて、磁気センサ516を備えている。
第2実施形態の携帯電話端末200では、ユーザの耳に磁気ピアスや磁気イヤリング、磁気イヤーカフス等の磁気装飾具(装用具)を装着することにより、左右の耳で異なる磁力の方向を発生させ、磁気センサ516によりその磁力を検出する。これにより、第2実施形態の携帯電話端末200では、第1実施形態よりも、より精度よく左右耳を判定することが可能となる。
制御部511は、検出部512により検出した磁気の磁力線の向きにより、左右いずれの耳であるのかを判断する。
図6に示すように、左右を識別させるため左右の磁気装飾具には極を逆にして磁石601L,601Rを取り付ける。そうすることで音声出力装置を耳に当接させた際に磁気センサ516を通る磁力線は地磁気より強力であり、左右で磁力の方向が反対方向になる。なお、携帯電話端末200の磁気センサ516の配置位置としては、携帯電話端末200の使用時に磁気装飾具に取り付けた磁石に近くなる位置、すなわち、耳あて部分(音声出力部104)の近傍に配置することが好ましい。
(1)第2実施形態において、磁気装飾具を利用する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、手の指に装用する指輪から小型永久磁石により磁気を発生させ、携帯電話端末が左右どちらの手で握られているかを検出し、例えば左手なら左耳に使用されるとしてもよい。
101 保護パネル
102 操作キー
103 マイク
104 音声出力部
110 筐体
511 制御部
512 検出部
513 加速度センサ
514 記憶部
515 設定部
516 磁気センサ
551 通信部
552 駆動回路部
554 イコライザ部
555 ダイナミックレンジ圧縮部
555a 低域用ダイナミックレンジ圧縮部
555b 中域用ダイナミックレンジ圧縮部
555c 高域用ダイナミックレンジ圧縮部
556 アウトプットパワーコントローラ
557 アンプ
601L,601R 磁石
Claims (3)
- 音声を出力する音声出力部と、
前記音声出力部から出力する音声の音響特性について、少なくとも2つ以上の音響特性の設定を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された音響特性を用いて前記音声出力部を駆動する駆動回路部と、
利用者が左右どちらの耳で音声出力装置を使用しているか検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて、左右どちらの耳で使用されているかを判断し、前記駆動回路部が用いる音響特性を変更するように制御する制御部と、
を備え、
前記検出部は、磁気を発生させる装用具から生じる磁気の検出が可能な磁気センサを有し、前記制御部は、前記磁気センサが検出する磁気の大きさ及び/又は方向を加味して、前記音声出力装置が左右どちらの耳に使用されているかを判断することを特徴とする音声出力装置。 - 請求項1に記載の音声出力装置において、
検出部は、当該音声出力装置に作用する加速度を検出する加速度センサをさらに有し、
前記制御部は、さらに、前記加速度センサが検出する加速度の大きさ及び/又は加速度の方向を加味して、前記検出部が検出した前記音声出力装置を前記利用者が左右どちらの耳で使用しているのかを判断することを特徴とする音声出力装置。 - 音声を出力する音声出力部と、
前記音声出力部から出力する音声の音響特性について、少なくとも2つ以上の音響特性の設定を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された音響特性を用いて前記音声出力部を駆動する駆動回路部と、
利用者が左右どちらの耳で音声出力装置を使用しているか検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて、左右どちらの耳で使用されているかを判断し、前記駆動回路部が用いる音響特性を変更するように制御する制御部と、
を備え、前記検出部は、磁気を発生させる装用具から生じる磁気の検出が可能な磁気センサを有する音声出力装置における音声出力方法であって、
前記制御部は、前記磁気センサが検出する磁気の大きさ及び/又は方向を加味して、前記音声出力装置が左右どちらの耳に使用されているかを判断し、前記駆動回路部が用いる音響特性を変更するように制御して、前記音声出力部が音声を出力することを特徴とする音声出力方法。
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