JP6029988B2 - アーク溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワーク同士を積層して形成した積層部位をアーク溶接にて接合するアーク溶接方法に関する。
アーク溶接は、例えば、ワーク同士を積層して形成した積層部位を接合する手法の1つとして周知であり、広汎に実施されるに至っている。一般的には、積層部位の最上層側でアーク放電がなされ、特許文献1に記載されるように、これにより前記最上層から最下層までの全てのワークと、前記アーク放電内に供給された溶加材が溶融して溶融プールが形成される。この溶融プールが冷却固化することによって、積層部位が接合一体化される。
この種のアーク溶接において、特許文献2に記載されるように、酸化物や炭化物の粒子を補強材として溶接箇所に供給することが知られている。また、特許文献3には、肉盛り溶接を行うべく、溶融プールに対して粉末を供給することが提案されている。
特許第3681964号公報 特許第2959842号公報 特公平6−75792号公報
溶加材としては、その成分組成比がワークと同一のもの、又は略同一であるものが採用されるのが一般的である。従って、例えば、JISに規定される高張力鋼(いわゆるハイテン鋼)からなるワーク同士の積層部位をアーク溶接にて接合する場合、溶加材としては、高張力鋼の成分組成比に準じた成分組成比のものが選定される。
しかしながら、高張力鋼は概して高価であり、必然的に溶加材も高価である。このため、高張力鋼からなるワーク同士をアーク溶接にて接合する際の材料コストを低廉化することが容易ではないという不具合がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、鋼材製ワーク同士をアーク溶接にて接合する際の溶加材として安価なものを採用することが可能であり、このために材料コストの低廉化を図ることができるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、鋼材製ワーク同士を積層して形成した積層部位を、溶加材を用いるアーク溶接にて接合するアーク溶接方法において、
アーク放電によって前記積層部位を最上層から最下層まで全て溶融して溶融プールを形成する工程と、
前記溶融プールに対し、前記溶加材に含まれていない元素を含有した粉末を供給する工程と、
前記溶加材をアーク放電内に供給し、前記粉末が供給された前記溶融プールに対して前記溶加材由来の元素を添加してアーク溶接を行う工程と、
を有することを特徴とする。
すなわち、本発明においては、溶加材に含まれていない元素を、溶加材とは別途に粉末から供給するようにしている。このため、鋼材製ワークが高張力鋼からなる場合であっても、溶加材として、一般鋼に対してアーク接合を行う際に用いられる安価な一般鋼対応材を採用することができる。換言すれば、高価な高張力鋼対応材を溶加材として用いる必要がない。このため、材料コストの低廉化を図ることができる。
しかも、アーク溶接の場合、溶融プールで対流が生じる。このため、溶融プールに添加された粉末(又はその溶融物)が溶融プール、ひいてはその冷却固化物である溶接ビードの全体に拡散する。このため、全体にわたって物性が略均等である溶接ビードを得ることができる。このような溶接ビードでは、例えば、接合強度が局所的に小さくなることを回避することができる。
上記した溶融プールの対流は、溶接電流値が大きいほど活発となる。そして、この場合、溶融プールに添加された粉末(又はその溶融物)が溶融プール中を拡散することが容易となる。従って、粉末を添加するときには、溶接電流値を可及的に大きく設定することが好ましい。
その一方で、溶接電流値が大きい状態が長時間継続されると、溶融プールが液滴として積層部位から脱落する懸念がある。これを回避するべく、溶加材をアーク放電内に供給する前に、溶接電流値を粉末の供給開始時よりも小さくすることが好ましい。
また、積層部位の接合は、スポット接合として行うことが好ましい。この場合、ライン接合を行う場合に比してアークの揺らぎが小さい。従って、粉末を供給する間、その供給量を略一定とすることができる。換言すれば、粉末の供給量が安定する。
前記元素としては、鋼材の強度を向上させる元素であることが好ましい。この場合、例えば、鋼材製ワークが高張力鋼からなり、且つ溶加材として一般鋼対応材を採用したときであっても、十分な強度を示す溶接ビードを低コストで形成することができる。
この種の元素としては、Cr、Mo又はNi等を挙げることができる。従って、前記粉末として、Cr、Mo又はNiの少なくともいずれかを含む粉末を供給することが好ましい。粉末は、純金属の粉末であってもよいし、合金の粉末であってもよい。又は、2種以上の純金属の粉末を混合したもの、2種以上の合金の粉末を混合したもの、1種以上の純金属粉末と1種以上の合金粉末を混合したものであってもよい。
また、鋼材製ワークの好適な例としては、上記したように高張力鋼を挙げることができる。
本発明によれば、溶加材に含まれていない元素を、溶加材とは別途に粉末から供給するようにしている。すなわち、例えば、鋼材製ワークが高張力鋼からなる場合、溶加材として、例えば、一般鋼に対してアーク接合を行う際に用いられる一般鋼対応材を採用し、該溶加材に含まれていないCrやMo等の成分を粉末由来のものとして供給する。
従って、高張力鋼対応材を溶加材として用いる必要がない。このため、材料コストの低廉化を図ることができる。
アーク溶接装置の要部概略一部縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法の概略タイムチャートの一例である。 前記アーク溶接方法の概略タイムチャートの別の一例である。 前記アーク溶接方法の概略タイムチャートのまた別の一例である。 前記アーク溶接装置において粉末の供給を開始した状態を示す要部概略一部縦断面図である。 前記アーク溶接装置においてアーク溶接を開始した状態を示す要部概略一部縦断面図である。
以下、本発明に係るアーク溶接方法につき、これを実施するアーク溶接装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、アーク溶接装置10の要部概略一部縦断面図である。このアーク溶接装置10は、例えば、図示しないロボットの先端アームに設けられ、第1ワーク12、第2ワーク14及び第3ワーク16の平坦部位同士を積層して形成した積層部位に対してアーク溶接を行うためのものである。
本実施の形態では、これら第1ワーク12、第2ワーク14及び第3ワーク16はいずれも高張力鋼からなり、従って、第1ワーク12、第2ワーク14及び第3ワーク16は全て鋼材製ワークである。また、この中では、第2ワーク14の平坦部位の厚みが最大に設定されている。なお、参照符号18は溶融プール(後述)を示す。
このような積層部位に対してアーク溶接を行うアーク溶接装置10は、前記積層部位の最上層である第3ワーク16側からアーク放電を行うプラズマトーチ20と、粉末22を供給するための粉末供給機24と、溶加材26を保持したホルダ28とを有する。
プラズマトーチ20には、長尺棒形状をなす電極30と、この電極30を囲繞するプラズマガスノズル32と、該プラズマガスノズル32を囲繞する図示しないシールドガスノズルとが設けられる。プラズマガスノズル32からはプラズマガスが噴出され、一方、シールドガスノズルからはシールドガスが噴出される。なお、参照符号34はアーク(後述)である。
粉末供給機24としては、例えば、アルファ社製のダストディパーチャα(製品名)等の市販品を採用することができる。なお、ダストディパーチャαは、粉末22を1分毎に数mg単位で高精度に供給することが可能である。
ここで、粉末22としては、溶加材26に含まれていない元素を含むものが選定される。特に、第1ワーク12、第2ワーク14及び第3ワーク16をなす高張力鋼に固溶してその強度を向上させる元素を含有するものが好ましい。
この種の元素の典型例としては、Cr、Mo又はNi等を挙げることができる。粉末22は、このような金属単体(すなわち、純金属)の粉末であってもよいし、例えば、Cr合金等の合金の粉末であってもよい。これらの粉末は、比較的安価で入手が容易であるという利点がある。又は、2種以上の純金属粉末、2種以上の合金粉末、1種以上の純金属粉末と1種以上の合金粉末を混合した混合粉末であってもよい。
粉末供給機24からプラズマトーチ20にかけては、フィードライン36が設けられる。粉末供給機24から導出された粉末22は、フィードライン36を介してプラズマトーチ20の近傍に送られる。
ホルダ28は、溶加材26(溶接ワイヤとも呼称される)を、プラズマトーチ20に対して突出する方向に前進可能に保持する。この溶加材26は、粉末22に含有される前記元素を含まない鋼材からなる。すなわち、例えば、粉末22がCr粉末である場合には、Crを含まない鋼材が溶加材26として選定される。溶加材26の成分組成比は、例えば、C;0.09重量%、Si;0.6重量%、Mn;1.25重量%、P;0.01重量%、S;0.01重量%、残部がFe及び不可避的不純物である。比較のために高張力鋼製ワーク同士をアーク溶接にて接合する際に用いられる高張力鋼対応材からなる溶加材26の成分組成比の一例を示すと、C;0.05重量%、Si;0.78重量%、Mn;2.11重量%、P;0.01重量%、S;0.06重量%、Cr;0.17重量%、Mo;0.44重量%、残部がFe及び不可避的不純物である。
次に、本実施の形態に係るアーク溶接方法につき説明する。このアーク溶接方法は、その概略タイムチャートである図2〜図4に示されるように、アーク放電によって溶融プール18(図1参照)を形成する第1工程S1と、溶融プール18に対して前記粉末22を供給する第2工程S2と、前記溶加材26をアーク34内に供給する第3工程S3とを有する。なお、図2〜図4の相違については後述する。
図2を例として説明すると、先ず、第1工程S1においてアーク放電が行われる。このため、前記ロボットが所定の動作を行い、その結果、積層部位の最上層である第3ワーク16にプラズマトーチ20が対向する。
この状態でプラズマガスノズル32からプラズマガスが噴出されるとともに、電極30(図1参照)と第3ワーク16との間に、図示しない電源の作用下に電圧が印加される。その結果、所定の溶接電流下にアーク34が発生する。また、シールドガスノズルからシールドガスが噴出され、必要であれば、さらに炭酸ガスが噴出される。すなわち、アーク溶接は、MIG溶接又はMAG溶接のいずれであってもよい。
積層部位中のアーク34が接触した箇所は、第3ワーク16側から局所的に溶融する。最終的に、最下層である第1ワーク12も溶融し、その結果、第3ワーク16(最上層)から第1ワーク12(最下層)に至る全てが溶融することで溶融プール18が形成される。
次に、第2工程S2において、図5に示すように、前記粉末供給機24(例えば、ダストディパーチャα)の作用下に、Cr、Mo、Ni等の少なくともいずれかを含む粉末22が供給される。粉末22は、フィードライン36を伝わり、プラズマガスノズル32の近傍からアーク34中に投入される。粉末22は、このアーク34中で溶融した液相として、又は固相のままで溶融プール18に添加される。
溶融プール18では、アーク放電によって溶融物に対流が生じている。従って、溶融プール18に到達した粉末22(又はその溶融物)は対流によって撹拌され、これにより溶融プール18の全体にわたって略均一に拡散する。粉末22が固相のままで溶融プール18に添加された場合には、溶融プール18に添加された際、又はこの撹拌(拡散)の最中に溶融する。
この時点では、図2に示すように、溶接電流値が高く設定される。従って、溶融プール18では対流・撹拌が活発である。このため、粉末22が固相のまま溶融プール18に添加された場合であっても、該粉末22が溶融プール18中に拡散することが容易である。
このようにして粉末22(又はその溶融物)が溶融プール18中に拡散する結果、溶融プール18の冷却固化物である溶接ビードの強度が優れたものとなる。
積層部位に大きな接合強度が必要であるときには、粉末22の供給量が多く設定される。換言すれば、粉末22の供給開始から供給停止までの時間、すなわち、第2工程S2の継続時間が比較的長い(図2中の「S2」参照)。
そして、粉末22の供給(第2工程S2)を継続しながら、第3工程S3を開始する前に溶接電流を低減する。このように、溶接電流値が粉末22の供給開始時よりも小さくされることにより、溶融プール18が液滴として積層部位から脱落することを回避することができる。
溶接電流値が低減された直後、第3工程S3が開始される。すなわち、図6に示すように、ホルダ28から溶加材26が一層突出するように前進する。その結果、溶加材26の先端がアーク34に接触し、これにより溶融されて液相として溶融プール18に添加される。
溶融プール18では、上記したように対流が生じている。従って、溶加材26の溶融物も撹拌されて溶融プール18中を拡散する。第3工程S3では、上記したように第2工程S2に比して溶接電流値が低減されているので、溶融プール18の対流・撹拌の程度が小さくなっているが、液相は拡散が比較的容易であるので、溶加材26の溶融物は溶融プール18中を十分に拡散する。
図2に示すように、第3工程S3が終了する直前に粉末22の供給が停止される。すなわち、この場合、粉末22の供給停止(第2工程S2の終了タイミング)は、第3工程S3が終了する直前である。
その後、前記電源からの電圧印加、すなわち、溶接電流の供給が停止される。これに伴って積層部位に対するアーク放電が終了する。このことから諒解されるように、本実施の形態では、局所的なアーク溶接、すなわち、スポット接合が実施される。
アーク放電が終了すると、溶融プール18が大気に接触するようになる。このため、該溶融プール18から放熱が起こり、その結果、該溶融プール18が冷却固化する。すなわち、いわゆる溶接ビードが形成される。溶融プール18が第1ワーク12(最下層)から第3ワーク16(最上層)にわたって形成されるので、溶接ビードも第1ワーク12から第3ワーク16にわたって存在する。
溶接ビードは、溶加材26由来の成分(元素)と、粉末22由来の成分(元素)を含む固溶体からなる。すなわち、先に例示した溶加材26には、高張力鋼に含まれるCr、Moが含まれていないが、例えば、Cr粉末とMo粉末の混合粉末をアーク34に供給することにより、Cr、Moが拡散固溶した溶融ビードを得ることができる。従って、溶融プール18、ひいては溶接ビードの成分組成比を、高張力鋼に準じたものに調整することができる。
以上のように、本実施の形態においては、溶加材26に含まれていない元素を、溶加材26とは別途に粉末22から供給するようにしている。このため、高張力鋼からなる第1ワーク12、第2ワーク14及び第3ワーク16を接合する場合、溶加材26として、高価な高張力鋼対応材からなるものを用いる必要がない。
換言すれば、本実施の形態によれば、溶加材26として安価な一般鋼からなるものを採用することができる。このため、材料コストの低廉化を図ることができる。
上記した高張力鋼対応材からなる溶加材26を用いたとき、1打点あたりの溶接ビードの成分組成比の一例は、C;2.5mg、Si;39mg、Mn;106mg、P;0.5mg、S;3mg、Ni;103mg、Cr;8.5mg、Mo;22mg、残部がFe及び不可避的不純物である。一方、先に例示した溶加材26を用いるとともに、Cr粉末及びMo粉末が重量比で1:1で混合された混合粉末を100mg添加したときの溶接ビードの成分組成比の一例は、C;4.5mg、Si;30mg、Mn;62.5mg、P;0.5mg、S;0.5mg、Cr;50mg、Mo;50mg、残部がFe及び不可避的不純物である。
また、CrやMoは、溶融ビード中に略均一に拡散している。上記したように粉末22(又はその溶融物)を溶融プール18に添加するときには、該溶融プール18中に生じた対流が活発であり、このために粉末22が溶融プール18中の全体にわたって容易に拡散するからである。
従って、溶接ビードは全部位にわたって略均質である。このため、例えば、溶接ビード中に接合強度が他の部位に比して小さい部位が局所的に形成されること等が回避される。
しかも、本実施の形態では、スポット接合を行うようにしている。この場合、プラズマトーチ20を直線状に変位させるライン接合に比してアーク34に揺らぎが生じ難い。このため、1打点あたりの溶接ビードに含まれる粉末22の量が安定するという利点がある。
積層部位にさほどの接合強度が必要ないときは、図3に示すように、粉末22の供給量が少なく設定される。換言すれば、粉末22の供給開始から供給停止までの時間、すなわち、第2工程S2の継続時間が短い(図3中の「S2」参照)。
一方、接合強度を大きくするには、図4に示すように粉末22の供給量を増加すればよい。すなわち、粉末22の供給時間を長くする。以上のように、図2は接合強度を中程度とする場合の概略タイムチャートであり、図3は接合強度をそれよりも小さくする場合の概略タイムチャート、図4は接合強度を大とする場合の概略タイムチャートである。
図3に示すパターンでは、粉末22の供給タイミング(第2工程S2の開始タイミング)は図2に示すパターンよりも若干遅い。そして、溶加材26をアーク放電内に供給する第3工程S3を開始する前に、粉末22の供給が停止される。
また、図4に示すパターンでは、粉末22の供給タイミング(第2工程S2の開始タイミング)は、図2に示すパターンよりもさらに早い。そして、溶加材26をアーク放電内に供給する第3工程S3の開始と同時に、粉末22の供給量が増加される。粉末22の供給は第3工程S3の最中も継続され、その供給停止(第2工程S2の終了タイミング)は、第3工程S3が終了する直前である。
図2及び図4に示すパターンでは、溶加材26に対して粉末22が溶射されることになる。従って、溶加材26は、例えば、粉末22によって強度が向上し、この状態で、溶融プール18に供給される。
特に、図4に示すパターンでは、溶融プール18に粉末22を添加することによる溶接ビードの強度と、溶加材26に対して粉末22を溶射することによる溶加材26の強度とを同程度とすることにより、強固で均質な溶接ビードを得ることができる。
図3及び図4に示すパターンにおいても、第3工程S3が開始される直前に溶接電流値が低減されている。上記同様に、これにより溶融プール18が液滴として積層部位から脱落することを回避することができる。
第2工程S2において、溶融プール18に直接、又は溶加材26への溶射物として間接的に供給される粉末22の量は、溶融プール18に対して0.1〜5重量%であることが好ましい。勿論、必要な接合強度が大きくなるに従って、すなわち、図3に示すパターン、図2に示すパターン、図4に示すパターンの順序で、粉末22の供給量を多くすればよい。接合強度は、打点毎に相違させるようにしてもよい。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、高張力鋼ではなく一般鋼からなる鋼材製ワーク同士を接合するようにしてもよい。この場合、粉末22は、Cr、Mo、Niの群から選定された1種以上であってもよいし、W、V、Mnの群から選定された1種以上であってもよい。勿論、Cr、Mo、Ni、W、V、Mnの群から1種以上を選定するようにしてもよい。
10…アーク溶接装置 12、14、16…ワーク
18…溶融プール 20…プラズマトーチ
22…粉末 24…粉末供給機
26…溶加材 28…ホルダ
30…電極 32…プラズマガスノズル
34…アーク 36…フィードライン

Claims (6)

  1. 鋼材製ワーク同士を積層して形成した積層部位を、溶加材を用いるアーク溶接にて接合するアーク溶接方法において、
    アーク放電によって前記積層部位を最上層から最下層まで全て溶融して溶融プールを形成する工程と、
    前記溶融プールに対し、前記溶加材に含まれていない元素を含有した粉末を供給する工程と、
    前記溶加材をアーク放電内に供給し、前記粉末が供給された前記溶融プールに対して前記溶加材由来の元素を添加してアーク溶接を行う工程と、
    を有することを特徴とするアーク溶接方法。
  2. 請求項1記載のアーク溶接方法において、前記溶加材をアーク放電内に供給する前に、前記粉末の供給開始時よりも溶接電流値を小さくすることを特徴とするアーク溶接方法。
  3. 請求項1又は2記載のアーク溶接方法において、前記積層部位の接合をスポット接合として行うことを特徴とするアーク溶接方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法において、前記元素が、鋼材の強度を向上させる元素であることを特徴とするアーク溶接方法。
  5. 請求項4記載のアーク溶接方法において、前記粉末としてCr、Mo又はNiの少なくともいずれかを含む粉末を供給することを特徴とするアーク溶接方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアーク溶接方法において、前記鋼材製ワークとして高張力鋼からなるものを用いることを特徴とするアーク溶接方法。
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