以下、電子部品装着装置1の平面図である図1に基づいて、本発明の実施形態について説明する。先ず、電子部品装着装置1の装置本体2上の前部及び後部には部品供給装置3A、3B、3C、3Dが4つのブロックに分かれて複数並設されている。
前記各部品供給装置3A、3B、3C、3Dは、取付台であるカート台のフィーダベース上に部品供給ユニット5を多数並設したものであり、部品供給側の先端部が基板としてのプリント基板Pの搬送路に臨むように前記装置本体2に連結具を介して着脱可能に配設され、カート台が正規に装置本体2に取り付けられるとカート台に搭載された部品供給ユニット5に電源が供給され、また連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
なお、前記フィーダベースから部品供給ユニット5を抜こうとして、電源に接続されるコネクタ同士の接続を解除した場合には、この部品供給ユニット5への供給電源が遮断され、この遮断状態を図示しない制御装置がこれを検出することができ、また逆に前記フィーダベースに部品供給ユニット5を差し込んで取り付けて、前記コネクタ同士を接続すると、この部品供給ユニット5へ電源が供給され、この供給状態を制御装置がこれを検出することができる。
各部品供給装置3A、3B、3C、3Dは、部品供給側の先端部が装着ヘッド6の部品取出し領域である部品吸着取出位置に臨むように配設されている。
そして、手前側の部品供給装置3B、3Dと奥側の部品供給装置3A、3Cとの間には、基板としてのプリント基板Pを搬送する基板搬送装置8を構成する供給コンベア、第1位置決め部、中間コンベア、第2位置決め部及び排出コンベアが設けられている。
前記供給コンベアは上流より受けたプリント基板Pを第1位置決め部に搬送し、この各位置決め部で図示しない位置決め機構により位置決めされた基板P上に電子部品を装着した後、中間コンベアに搬送し、この中間コンベアより受けたプリント基板Pを第2位置決め部で位置決め機構により位置決めして電子部品を装着した後、排出コンベアに搬送され、その後下流側装置に搬送される。
Y方向にY軸駆動モータ11によりガイドレール9に沿って移動する各ビーム10にはその長手方向、即ちX方向にX軸駆動モータ13により移動する装着ヘッド6が設けられ、この装着ヘッド6には複数本の部品取出具である吸着ノズル7が設けられる。そして、前記装着ヘッド6には前記吸着ノズル7を上下動させるための上下軸駆動モータ14が搭載され、また鉛直軸周りに回転させるためのθ軸駆動モータ15が搭載されている。従って、装着ヘッド6の吸着ノズル7はX方向及びY方向に移動可能であり、鉛直軸回りに回転可能で、かつ上下動可能となっている。
4はプリント基板Pの位置認識のための基板認識カメラで、前記装着ヘッド6に固定されて、前記プリント基板Pに付された位置決めマークを撮像する。12は部品認識カメラで、電子部品が吸着ノズル7に対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために電子部品を撮像する。
収納テープCXの斜視図である図2に基づいて、収納テープCXについて説明する。この収納テープCXは、キャリアテープCaに所定間隔毎に形成された電子部品収納凹部である収納凹部Cb内に電子部品Dを収納して、前記収納凹部Cbを覆うようにカバーテープCcがキャリアテープCa上に接着されている。また、前記キャリアテープCaには所定間隔毎に送り孔Cdが形成されている。
更に、図3に示すように、カバーテープCcの接着部Ce(収納凹部Cbの左右に、カバーテープCcを接着(融着)固定している部分)は、装填される電子部品のサイズによって、その位置が異なる。即ち、この図3(ア)(図3の左部)及び(イ)(図3の右部)に示す収納テープCXは、ともに8mm幅の紙テープのものであるが、図3(ア)は大部品用の収納テープCXであって、前記収納凹部Cbも大きいので進行方向に沿って塗布された接着部Ceもより外側に位置し、また図3(イ)は小部品用の収納テープCXであって、前記収納凹部Cbも小さいので接着部Ceもより内側に位置する。
次に、前記部品供給ユニット5の概略側面図である図4及び前記部品供給ユニット5の概略平面図である図5に基づいて、フィーダベース上に並設され、例えば差し込まれた新しい収納テープCXを自動的に引き込み下流へ送ること、即ち自動ローディングすることが可能な部品供給ユニット5の構成について、説明する。先ず、部品供給ユニット5は、部品供給装置3A、3B、3C、3Dに回転自在に載置した図示しない収納テープリールに巻回した状態の収納テープCXを案内通路を介して導入するテープ導入機構(テープ導入部)を備えている。
このテープ導入機構は、テープ導入駆動源であってその出力軸16にギア18を備えた導入モータであるDCモータ17と、前記ギア18と噛み合うギア19が設けられた回転軸20の中間部に設けられたウォームギア21と噛み合うウォームホィール22を備えると共にテープ押さえ部材24に上方から押さえられた収納テープCXに形成した送り孔Cbにその外周部に形成されたテープ送り歯が噛み合ってこの収納テープCXを送る第1スプロケット23とから構成される。25は第1検出センサで、前記部品供給ユニット5内に導入された前記収納テープCXを検出するセンサである。また、テープ押さえ部材24は回転自在であり収納テープCXを支持するローラ24Aを備えている。
27は第2スプロケットで、この第2スプロット27は後述するテープ処理ユニット28への収納テープCXの供給動作を担う。29は第3スプロケットで、テープ処理ユニット28に設けられたカッター30により収納テープCXのカバーテープCcを切り開くように前記収納テープCXを前進移動させるためのものである。
図4に示した32はサーボモータで、その出力軸33に設けられたプーリと回転軸34に設けられたプーリとの間にはベルト35が張架され、前記サーボモータ32が正転すると、出力軸33及びベルト35を介して回転軸34が回転する。
従って、前記回転軸34が間欠回転すると、この回転軸34の中間部に設けられた各ウォームギア37、38と噛み合うウォームホィール39、40を備えた前記第2スプロケット27、第3スプロケット29がそれぞれ間欠回転することとなる。即ち、サプレッサ43により上方から押さえられた収納テープCXに形成した送り孔Cbに第2スプロケット27、第3スプロケット29の外周部に形成されたテープ送り歯が噛み合って、前記回転軸34が回転すると、第2スプロケット27及び第3スプロケット29が回転することとなり、収納テープCXを間欠的に送ることができる。
44は第2検出センサで、導入された前記収納テープCXを検出するセンサである。そして、前記部品供給ユニット5への収納テープCXの装填時に、前記第1スプロケット23から第2スプロケット27の各テープ送り歯への収納テープCXの送り孔Cdの嵌合時(速度差による乗り継ぎ)の遊びロス、即ち直ぐには嵌らず滑りながら、やがて嵌合することに配慮し、収納テープCX先端位置の把握を確実に行うため、第2スプロケット27と第3スプロケット29との間に、第2検出センサ44を配置して、収納テープCXの先端を検出した際に減速するようにしてから停止するように制御する。
なお、第1スプロケット23と第2スプロケット27との間隔は大きいため、収納テープCXの各送り孔Cdの累積されたピッチ誤差により両スプロケット23、27のテープ送り歯の嵌合動作に影響が出るため、第1スプロケット23の回転数は、第2スプロケット27の回転数よりやや遅い低速回転とする。更に、収納テープCXの送り位置精度に影響の出る送り孔Cdの変形を少なくするため、第1スプロケット23のテープ送り歯形状は丸歯状にした形状を採用して、送り孔Cdを初期状態のまま変形させずに、前方の第2スプロケット27、第3スプロケット29へ運べるようにした。
また、第2スプロケット27と第3スプロケット29は極力近くに配置し、累積ピッチ誤差の影響が出ないスパンとすると共に、テープ処理シーケンスで必要な加減速コントロール、速度制御、トルク制御が担えるよう前述したようにサーボモータ32を採用すると共に同一駆動源による動作とした。
また、50は部品供給ユニットの本体5Aに例えば図示しない固定ボルトにより固定された案内シュートであり、収納テープCXをこの案内シュート50に上方から常時押圧して収納テープCXの送り時に収納テープCXが上下に動かないようにし、第2スプロケット27及び第3スプロケット29のテープ送り歯から収納テープCXの送り孔Cdが抜けて外れないようにサプレッサ43が作用し、サプレッサ43の付勢力によりテープ処理ユニット28が上から収納テープCXを押圧する。
更に、前記テープ処理ユニット28のカッター30より下流側の部品取出位置には、電子部品Dより大きな平面積を有する部品取出開口65が開設され(図6参照)、前記案内面64に沿って収納凹部Cb内に収納された電子部品Dの幅よりも広く開かれた部品吸着取出位置において、装着ヘッド6に設けられた吸着ノズル7が前記部品取出開口65を介して前記収納凹部Cb内の電子部品Dを吸着して取出すことができる。
但し、この前記部品取出開口65が形成された部分には、前記各案内面64は形成できないが、前記部品取出開口65より下流側の先には再び左右に案内面64が形成され(図6参照)、やがてこの案内面64は形成されない(図14参照)。
なお、前記テープ処理ユニット28の下流部には、種別判別用の情報識別部66が設けられ、この情報識別部66は電子部品装着装置1の作業者識別用の情報識別部67と、電子部品装着装置1の情報識別部68とから構成される。作業者識別用の情報識別部67は作業者が目視してテープ処理ユニット28の種類が識別できるように、その型式、例えば「W8S」などが刻印されている。また、電子部品装着装置1の情報識別部68は、4個のドットを用いた二値化情報(ビット)で、即ち黒丸の印字が0〜15までのテープ処理ユニット28の種別(種類)が識別できるように付されている。
なお、前述したように、情報識別部68は4個のドットを用いた二値化情報(ビット)であったが、直接文字認識できるものや、バーコード情報(一次元又は二次元)を貼付したり、或いはメモリタグ、ミューチップなどの記録媒体を埋め込んでもよい。これらの媒体を使用する場合は、テープ処理ユニット28の型式情報の他に、ユニークな管理コードも情報に加えて、個々の管理も可能にすることができる。
なお、前記テープ処理ユニット28が対象とする電子部品のX方向の寸法が10.5mmで、Y方向の寸法が10.0mmである。
次に、図7の電子部品装着装置1の制御ブロック図について説明すると、前記電子部品装着装置1には、本装着装置1を統括制御する制御手段、判定手段、実行手段、命令手段等としての制御装置70と、該制御装置70にバスラインを介して接続される記憶装置71が備えられている。そして、制御装置70は前記記憶装置71に記憶されたデータに基づいて、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。
即ち、制御装置70は、インターフェース74及び駆動回路77を介して前記Y軸駆動モータ11、X軸駆動モータ13、上下軸駆動モータ14及び前記θ軸駆動モータ15等の駆動を制御すると共に各部品供給ユニット5を制御する。この図20では、説明の便宜上、複数あるものでも、例えば装着ヘッド6、部品供給ユニット5などは1つとして省略してある。
前記記憶装置71には、部品装着に係るプリント基板Pの種類毎に装着データが記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX方向(Xで示す)、Y方向(Yで示す)及び角度(Zで示す)情報や、製造する基板に装着する電子部品を供給する各部品供給ユニット5の配置番号情報等が格納されている。
また前記記憶装置71には、各プリント基板Pの種類毎に前記各部品供給ユニット5の配置番号(レーン番号)に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報、即ち部品配置情報(図25参照)が格納されており、この部品配置情報は前記カート台上のどの位置にどの部品供給ユニット5を搭載するかに係るデータである。更にはこの部品ID毎に電子部品のX方向及びY方向の寸法等の電子部品の特徴等に関する部品ライブラリデータ(図26参照)が格納されている。
73はインターフェース74を介して前記制御装置70に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ12により撮像して取込まれた画像や前記基板認識カメラ4により撮像して取り込まれた画像の認識処理が該認識処理装置73にて行われ、制御装置70に処理結果が送出される。即ち、制御装置70は、部品認識カメラ12に撮像された画像や前記基板認識カメラ4に撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置73に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置73から受取るものである。
75は部品画像や各種データ設定のための画面などを表示するモニタで、このモニタ75には入力手段としての種々のタッチパネルスイッチ76が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチ76を操作することにより、種々の設定を行うことができる。
また、前記導入モータ17及び前記サーボモータ32により収納テープCXを導入し間欠送りする部品供給ユニット5は、制御装置79と記憶装置80とを備えている。82はそれぞれインターフェース81を介して前記制御装置79に接続される駆動回路で、制御装置79はDCモータ17及びサーボモータ32を駆動回路82を介して制御する。この部品供給ユニット5に設けられる制御装置79は、インターフェース81及び74を介して電子部品装着装置1に設けられる制御装置70に接続される。
なお、図4、図5に示すように、前記部品供給ユニット5の杷手46の上面には操作パネル78が設けられ、この操作パネル78には部品供給ユニット5の配置番号(レーン番号)を選択するためのレーン番号選択ボタン78Aと、このレーン番号選択ボタン78Aの左部押圧毎に1ずつレーン番号を増加させて表示すると共に右部押圧毎に1ずつレーン番号を減少させて表示する表示部78Bと、送りボタン78Cと戻りボタン78D、ローディングボタン78Eとが設けられている(図15参照)。
従って、前記部品供給ユニット5を前述したフィーダベース上から取り外したり、取り付けたりする際に、表示部78Bを見ながら部品供給ユニット5の配置番号(レーン番号)をレーン番号選択ボタン78Aの押圧操作に基づいて選択(変更)することができる。その選択された部品供給ユニット5の配置番号(レーン番号)は記憶装置89、70に書換え記憶される。
次に、新しい収納テープリールに巻かれた新しい収納テープCXを部品供給ユニット5に装填するときには、先ず、作業者がテープ押さえ部材24を外して収納テープCX先端部を前記案内通路上に載置して、第1スプロケット23のテープ送り歯を収納テープCXの送り孔Cbに嵌合させた後に、テープ押さえ部材24をセットする。同様に、他の複数の部品供給ユニット5について、新しい収納テープCXが装填される。
以下、電子部品装着装置1による基板への電子部品の装着運転を開始するときの動作について、図8〜図11のフローチャートに基づいて説明する。
作業者がスタートスイッチSWを操作しONすると(ステップS01)、制御装置70が動作し、電子部品装着装置1に搭載され、装着データに登録されたおり、製造する基板に装着する電子部品を供給する各部品供給ユニットについて、上述したようにテープ処理ユニット28を備えて自動ローディングが可能な部品供給ユニットであるか否かを判断する(ステップS02)。以下、複数の自動ローディングユニットのうちの1台の自動ローディングユニット5についての制御装置70からの指令、制御装置70での判断等の動作について説明する。なお、他の複数の自動ローディングが可能な部品供給ユニット5についても同様に、制御装置70による指令及び判断が行われる。
そして、自動ローディングが可能な部品供給ユニット5ではないときは、制御装置70は、以後のローディング動作のための指示等を行わず、自動ローディングのための制御を停止する(ステップS03)。
また、自動ローディングが可能な部品供給ユニット(以下、自動ローディングユニットという。)5であるときは、制御装置70は、搭載されている複数の自動ローディングユニット5に対して順次、第1検出センサ25及び第2検出センサ44による収納テープCXの検出状態を読み出すための指令を出力し、例えばこれから生産する基板に装着する部品を供給する自動ローディングユニット5の各センサによる検出状態を自動ローディングユニット5から順次読み出す(ステップ04)。そして、まず、第2検出センサ44が収納テープCXを検出しているか否かを判断する(ステップS05)。第2検出センサ44が収納テープCXを検出していて、ONになっているときには、整合性確認を行う。この整合性の確認の動作について、図10のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、自動ローディングユニット5について、残数の管理が行われているか否かが判断される(ステップS61)。残数管理が行われている場合には、次に、制御装置70は、記憶装置70から残数管理データを読み出し(ステップS62)、残数管理データにより、対象の自動ローディングユニットについて、新しい収納テープが差し込まれたときに、その収納テープの残数が作業者によりモニタ75から入力され、加算されたか否かが判断される(ステップS63)。そして、新しい収納テープが差し込まれたときに、その収納テープの残数が作業者によりモニタ75から入力され、加算されているときには、対象の自動ローディングユニットから供給される電子部品の装着装置1の装着ヘッド6による吸着動作が開始される(ステップS64)。この結果、電子部品の基板への装着動作を短時間で開始することができる。
また、新しい収納テープが差し込まれたときに、その収納テープの残数が作業者によりモニタ75から入力されていないときには、その後動作である電子部品の供給は行われず、異常停止する(ステップS65)。
また、上記ステップS61において、残数管理が行われていないと判断された場合で、例えば電子部品装着装置1に信号線により外部の管理コンピュータが接続されているときには、管理コンピュータにより予め登録されている供給しなくてはならない電子部品の種類と、自動ローディングユニットにより供給される電子部品の種類とが比較され、一致の場合には、対象の自動ローディングユニットから供給される電子部品の装着装置1の装着ヘッド6による吸着動作が開始され、一致しなかった場合には、その後動作は行われず、異常停止する(ステップS66)。
また、第2検出センサ44が収納テープCXを検出していなくOFFしていた場合には、次に、収納テープCXの送り方の上流側に設けられた第1検出センサ 25が収納テープCXを検出しているか否かを判断する(ステップS07)。第1検出センサ25が収納テープCXを検出していて、ONになっているときには、後続の収納テープCXの整合性確認を行う。
この整合性の確認の動作について、図11のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、図10に示したフローチャート同様に、ステップS61〜ステップS63までの判断及び動作が行わ、ステップS63の判断で、新しい収納テープが差し込まれたときに、その収納テープの残数が作業者によりモニタ75から入力され、加算されているときには、後述するステップS17と同様にローディング指令が出力される(ステップS67)。この結果、収納テープのローディングを開始することができる。
また、新しい収納テープが差し込まれたときに、その収納テープの残数が作業者によりモニタ75から入力されていない場合には、その後の動作である電子部品の供給は行われず、異常停止する(ステップS65)。
また、上記ステップS61において、残数管理が行われていないと判断された場合で、例えば電子部品装着装置1に信号線により外部の管理コンピュータが接続されているときには、管理コンピュータにより予め登録されている供給しなくてはならない電子部品の種類と、自動ローディングユニットにより供給される電子部品の種類とが比較され、一致の場合には、対象の自動ローディングユニットから供給される電子部品の装着装置1の装着ヘッド6による吸着動作が開始され、一致しなかった場合には、その後動作は行われず、異常停止する(ステップS66)。
また、上述したステップS07の判断で、第1検出センサ25が収納テープCXを検出していなく、OFFになっているときには、制御装置70は、自動ローディングユニット5へDCモータ17を駆動させる駆動指令を出力する(ステップS08)。この駆動指令を入力した自動ローディングユニット5の制御装置79はDCモータ17を所定時間(例えば1秒)駆動させる。そして、駆動指令を出力した後、制御装置70は、自動ローディングユニット5の記憶装置80に格納されたDCモータ17についての後述するレジスタの状態を読み出し、このレジスタの状態によって、DCモータ17の駆動によるテープ引き込み動作が終了したか否かを所定時間(例えば600msec)経過(ステップ09)毎に判断する(ステップS10)。また、制御装置70から駆動指令を入力した自動ローディングユニット5では、制御装置79が駆動回路82を介してDCモータ17に駆動信号を出力し、DCモータ17は運転を開始する。
駆動指令を入力した自動ローディングユニット5の制御装置79はDCモータ17をタイマー45により所定時間(例えば1秒)駆動させるように制御し、収納テープCXは第1スプロケット23の回転により自動ローディングユニット5内の奥の方(図4では、左の方向)へ順次送られる。このように、DCモータ17が駆動しているときは、記憶装置80に格納されているレジスタはONである。
そして、収納テープCXが送られているとき、第1検出センサ25が収納テープCXを検出したときには、制御装置80は、DCモータ17を停止し、更に、記憶装置80に格納されているレジスタはONからOFFに切り換えられる。また、収納テープCXが第1検出センサ25に到達する前に収納テープに異常が発生し、第1検出センサ25が収納テープCXを検出する前にタイマー45による所定時間を計時した場合には、制御装置79は動作し、前記DCモータ17を停止し、DCモータ17は停止する。このとき、記憶装置80に格納されているレジスタはONからOFFに切り換えられる。更に、制御装置79は、第1検出センサ25が収納テープCXを検出した場合には、記憶装置80に格納されているレジスタをONからOFFに切り換える。
制御装置70は、駆動指令を出力した以後、所定の時間が経過した後には、自動ローディングユニット5の記憶装置80から所定時間毎(例えば600msec毎)にレジスタの状態を読み込み、レジスタの状態がONからOFFに変化したことによりDCモータ17によるテープ引き込み動作が終了したと判断する(ステップS10)。なお、制御装置70が引き込み動作終了と判断すると、その後、自動ローディングユニット5からアラーム情報を読み出しする。即ち、DCモータ17の駆動中、即ち、収納テープCXが送られているときに、収納テープCXの送りに、異常が発生したか否かの情報(アラームの情報)を自動ローディングユニット5から読み出す(ステップS11)。なお、収納テープCXの送りにおける異常は、例えば、収納テープCXの重なり等による第1スプロケット23でのテープの詰まり、或いは第1スプロケット23での回動部への埃等の付着による第1スプロケット23の回転異常によるDCモータ17で過負荷の発生等である。
そして、制御装置70が、アラーム情報が有るか否かを判断し(ステップS12)、アラーム情報が有ると判断した場合には、異常終了として(ステップS13)、モニタ75に収納テープの引き込み動作が異常終了したことを表示する。
制御装置70は、アラーム情報を入力しないときには、次に、第1検出センサ25及び第2検出センサ44による収納テープCXの検出状態を読み出すための指令を出力し、各センサの検出状態を自動ローディングユニット5の記憶装置から読み出す(ステップS14)。そして、第1検出センサ25が収納テープを検出して、ONしているか否かを判断し(ステップS15)、収納テープを検出していなく、OFFのときには、その後、自動ローディングユニット5の動作を行わずに、制御を終了する(ステップS16)。また、第1検出センサ25が収納テープを検出して、ONのときには、制御装置70は、ローディング指令を出力する(ステップS17)。この結果、作業者によるスタートスイッチSWの操作により、自動ローディングユニット5でのローディング動作を自動的に開始させることができ、作業性を向上させることができる。
その後、所定時間(例えば1秒間)経過するのを待ち、経過すると、上述したDCモータ駆動指令の出力後のDCモータによるテープ引き込み動作終了判断のときと同様に、制御装置70は、自動ローディングユニット5の記憶装置80に格納されたサーボモータ32についての後述するレジスタの状態を読み出し、このレジスタの状態(レジスタのONからOFFへの変化)によって、サーボモータ17の駆動によるローディング動作が終了したか否かを所定時間(例えば600msec)経過(ステップ18)毎に、判断する(ステップS19)。
以下、自動ローディングユニット5でのローディング動作について説明する。
制御装置70からローディング指令を入力した制御装置79は、DCモータ17の駆動を継続すると共に、サーボモータ32の駆動を開始させて、第1スプロケット23により収納テープCXが前方へ移動させられ、更に、第2スプロケット27及び第3スプロケット29の回転により収納テープCXが前方へ移動させられる。
そして、予め設定された送り量に従い、移動動作を継続し、この移動中に第2検出センサ44が収納テープCXの先端を検出したら、制御装置79はDCモータ17の駆動を停止させ、サーボモータ32を強制的に減速させながら停止させる。なお、この場合、前述の予め設定された送り量がなされたにもかかわらず、第2検出センサ44が収納テープCX先端を検出できない場合には、制御装置79はDCモータ17及びサーボモータ32を異常停止させるように制御、このとき、記憶装置のローディング動作に係るレジスタをONからOFFに切り換える。
続いて、サーボモータ32によって前述した減速してから停止する際の収納テープCXのオーバーラン量を鑑みて、最小ピッチ送りによる逆転動作を収納テープCXの先端が第2検出センサ44が検知しなくなるまで繰り返し、収納テープCXの先端位置を確定する。即ち、サーボモータ32の最少ピッチの逆転動作及び停止動作を繰り返すことにより収納テープCXの先端位置を確定する。
なお、第1スプロケット23はワンウェイクラッチを備えていて逆転はしないが、戻し量が微小であること、第1スプロケット23の歯高が低いことにより第2スプロケット27の送り歯に嵌合した収納テープCXはサーボモータ32の推力で後方へ滑り出される。
そして、所定量の1回送り動作で収納テープCXの先端部をカッター30の刃の直前位置まで高速で送りこむようにサーボモータ32の駆動を制御する。即ち、収納テープCXの先端位置の確定により、カッター30の刃の直前位置まで設計寸法に従い、収納テープCXを高速で送り込む。
その後、カバーテープCcのカッタ−30による切り開きゾーンへ収納テープCXを挿入し、カバーテープCcの切り開きを行う。この場合、カバーテープCcをキャリアテープCaから剥離するのではなく、進行方向に対して左右方向に切り開くように上方へ向けて開くため、超低速度又は超低加速度で所定量の1回送りを行う。
そして、収納テープCXの先端部の収納凹部Cbの位置を、部品取出開口65の位置に頭出しするためのピッチ送り動作を所定回数行う。この場合、先の収納テープCXの先端位置確定の位置からの累計送り量(第2スプロケット27のテープ送り歯の送り孔Cdへの嵌合によるサーボモータ32の駆動管理量)に従い、送りピッチに従っての収納凹部Cbの位置を部品取出開口65の位置に合わせるための所定送り動作を実施する。
この収納凹部Cbの位置の自動合わせは、収納テープCX先端の送り孔Cd基準に従った切断位置を元に、テーピング規格に則った収納凹部Cbの位置関係より、送り量をコントロールして行われる。
そして、第1スプロケット23、第2スプロケット27及び第3スプロケット29により収納テープCXがテープ送り方向の下流である前方へ移動させられる。
そして、予め設定された送り量に従い、収納テープCXの移動動作を継続し、この移動中に第2検出センサ44が収納テープCXの先端を検出したら、DCモータ17の駆動が停止し、サーボモータ32が強制的に減速させられ停止する。そして、自動ローディング動作が終わる。このとき、記憶装置80に格納されているローディング動作に係るレジスタがONからOFFに切り換わる。なお、この場合、前述の予め設定された送り量がなされたにもかかわらず、第2検出センサ44が収納テープCX先端を検出できない場合には、DCモータ17及びサーボモータ32は異常停止させられ、このときも、記憶装置80に格納されているローディング動作に係るレジスタがONからOFFに切り換わる。
制御装置70は、ローディング指令を出力した以後、上述したように、自動ローディングユニット5の記憶装置80から所定時間毎(例えば600msec毎)にローディング動作に係るレジスタの状態を読み込み、自動ローディング動作が終了したか否かを判断する(ステップS19)。そして、レジスタの状態がONからOFFに変化したことによりDCモータ17及びサーボモータ32による自動ローディング動作が終了したと判断する(ステップS19)。なお、制御装置70が自動ローディング動作の終了と判断する。
その後、制御装置70は、自動ローディングユニット5からアラーム情報を読み出しする(ステップS20)。自動ローディング動作に関係したアラーム情報は、例えば、DCモータ17及び第2サーボモータ32の運転にかかわらず検出センサ44が収納テープCX先端を検出できなく、制御装置79がDCモータ17及びサーボモータ32を異常停止させるように制御したときの情報であり、制御装置70がアラーム情報の有無を確認し(ステップS21)、その結果、無しと判断したときに、自動ローディング動作が異常なく完了したと判断する(ステップS22)。また、制御装置70がアラーム情報が有ると判断した場合には、異常終了として(ステップS23)、モニタ75に自動ローディング動作が異常終了したことを表示する。
電子部品装着装置1の制御装置70からの指令に基づく上述したステップS04からステップS23までの収納テープCXの引き込み、及び自動ローディング動作は、ステップS02で判断された自動ローディングユニットのうち、上述したように、生産する基板に電子部品を供給する自動ローディグユニット5を対象に、制御装置70からの指令により順次行われ、作業者による複数の収納テープを対象にしたローディング作業を大場に簡略化することができる。
続いて、サーボモータ32によって前述した減速してから停止する際の収納テープCXのオーバーラン量に鑑みて、最小ピッチ送りによる逆転動作を収納テープCXの先端が第2検出センサ44が検知しなくなるまで繰り返し、収納テープCXの先端位置を確定する。即ち、サーボモータ32の最少ピッチの逆転動作及び停止動作を繰り返すことにより収納テープCXの先端位置を確定する。
なお、第1スプロケット23はワンウェイクラッチを備えていて逆転はしないが、戻し量が微小であること、第1スプロケット23の歯の高さが低いことにより第2スプロケット27の送り歯に嵌合した収納テープCXはサーボモータ32の推力で後方へ滑り出される。
そして、所定量の1回送り動作で収納テープCXの先端部をカッター30の刃の直前位置まで高速で送りこむようにサーボモータ32の駆動は制御される。即ち、収納テープCXの先端位置の確定により、カッター30の刃の直前位置まで設計寸法に従い、収納テープCXを高速で送り込む。
そして、カバーテープCcをカッタ−30により切り開くゾーンへ収納テープCXの先端が移動し、カバーテープCcの切断分割を行う。
図12に示すように、収納テープCXが矢印方向Hに送られると、カッター30の刃先端(最先端部)が、収納テープCXの先頭端面111に突き当たる。
図12は、カッター30の刃先端の端縁106がカバーテープCcとキャリアテープCaの略境界部分110に突き当たった状態を示す。図12の状態から収納テープCXが矢印方向Hへ更に移動すると、移動に伴い、端縁106がカバーテープCcとキャリアテープCaとの略境界部分110を上下に分け、底面加工面104がキャリアテープCaの端面角部に当接し、カッター30はキャリアテープCaの上面に乗り上がる。カッター30がキャリアテープCaの上面に乗り上がると、端縁106と底面103との高さの差の分カッター30が上昇し、それに伴い、テープ処理ユニット28も上昇し、この結果、テープ処理ユニット28でのカッター30より上流側の部分の下面と、収納テープCXとの間には、僅かな間隔が形成される。また、カッター30より下流側のテープ処理ユニット28の下流部28Bの部品取出開口65の周囲では、テープ処理ユニット28が傾斜しているので下流部28Bの下面とキャリアテープCaとの間隔はほとんど無く、キャリアテープCaはテープ処理ユニット28により上方から押えられている。
また、カッター30に達した収納テープCXのカバーテープCcが切断されずに上部加工面105の上を斜め上に移動し、図13の状態となる。
即ち、カッター30は、サプレッサ43と共にバネにより下方に押し付けられているので、この押し付け力に抗しながら上昇し、キャリアテープCaの上面に乗り上がる。このとき、カバーテープCcの送り方向Hと直交する幅方向の中央部に、端縁106が当接するが、端縁106は水平方向に僅かな寸法を有して直線状であるので、端縁106がカバーテープCcを突き破り切断することを回避することができる。この結果、端縁106及び上部加工面105がカバーテープCcを押し上げながら収納テープCXに対して相対的に進む。そして、カバーテープCcの図13における左側端部は少なくとも上部加工面105上では切断されることなく、上部加工面105上端より更に上昇し、ある程度角状刃部102の上部に達すると切断される。
図13のカバーテープCcは、切断されずにカッターの刃部101の上に残っている状態を示し、この部分より左側では切断されるため図13には図示していない。即ち、カバーテープCcは、収納凹部を挟んだ両側がキャリアテープCaに接着されているので、カッター刃部20aにより持ちあげられた高さが増す毎に張力が増加する。カバーテープCcの所定以上の張力が角状刃部102に掛る部分が、角状刃部102により切断され分割される。
図12は、カッター30の先端の端縁106の高さがカバーテープCcとキャリアテープCaの境界であり、この境界で端縁106が収納テープCXの先頭端面11に当たる場合であるが、収納テープCXの種類により、カバーテープCcの厚さは異なることがある。カッター30は、下方に押し付けられているテープ処理ユニット28に取り付けられており、上流から移動してきた収納テープCXの端縁106がカッター30に当接するまでは、カッターが当接する位置(カッターの刃先)より上流側で収納テープCXはテープ処理ユニット28により下方に押さえられ、収納テープCXとテープ処理ユニット28との隙間はほとんど無い。このため、カッター30と収納テープCXの上面の高さは常に一定の位置関係に保たれる。
こうして、例えば、図12のように、カッター30の刃の端縁106は、収納テープCXの先頭端面11の同じ高さ位置に突き当たる。
また、収納テープCXが、電子部品の収納凹部が下方へ突出して形成されキャリアテープの収納凹部がカバーテープにより覆われたエンボステープの場合にも同様に、収納テープの下流方向への移動によりカッターの底面加工面がキャリアテープの角部付近内部に押し当ることで、カッターは下方への力より大きい上方への力を受ける。従って、カッター30は、刃部101の端縁106がキャリアテープCaを上方に削りつつ、或いは下方に撓ませながら、底面103がキャリアテープCaの上面に乗る位置まで上昇する。
この上昇過程で、キャリアテープCaより上方で上部加工面105(もしくは更に角状刃部102)は、図16に示すように、カバーテープCcを持ち上げるが、収納テープCXの移動に伴い角状刃部102は上述と同様にカバーテープCcを切断する。
このように、底面加工面104が形成されているので、カバーテープCcの厚さにある程度のばらつきがあっても、キャリアテープCaの端面の途中にカッター刃部101の端縁106が突き刺さったままになり、カバーテープCcを座屈させてカバーテープCcを切断できない状態になったり、刃先端が欠けてしまったりすることを防止できる。
また、カッター30の刃先である端縁106が、カバーテープCcとキャリアテープCaの境界より少し上の位置で収納テープCXの先頭端面11に当たる場合であっても、カバーテープCcの端面の下側で当たるのであれば、カバーテープCcは上方に逃げ、その下に刃先端が入り込むことができる。従って、底面加工面104を有するカッター30の端縁106が収納テープCXに当たる位置が、これらのばらつき許容範囲の略中央の高さ位置となるように、カッター30をテープ処理ユニット28に設けることが望ましい。
更に、収納テープCXでは、図12〜図14に示したように、先頭の収納凹部Cbには電子部品Dを収納しないようにすることが好ましい。
そして、収納テープCXの先端から2番目であり、電子部品が収納されている収納凹部Cbの位置を、部品取出開口65に頭出しするためのピッチ送り動作を所定回数行い、頭出し後は、電子部品を部品取出開口65に送るためにピッチ送り動作を行う。
このように収納テープのピッチ送り動作が行われるとき、電子部品が収納されている収納凹部Cbがカッター30に到達する前に、電子部品は第1の部品落下装置91或いは第2の部品落下装置141により収納凹部Cbの底Cdに落下しているので、電子部品が収納されている収納凹部Cbがカッター30に到達したとき、カッター30の端縁106が電子部品Dに当たることを確実に回避することができ、この結果、収納テープCXはカッター30をスムーズに通過し、部品取出開口65まで移動することができ、スムーズに電子部品の供給を開始し、安定した部品供給を図ることができる。
なお、上述した実施の形態では、ステップS17にて、制御装置70が、ローディング指令を出力し、この結果、自動ローディングユニット5でのローディング動作が自動的に始まったが、制御装置70からのローディング指令ではなく、自動ローディングユニット内の制御装置79による制御により、ローディング動作が始まるようにしてもよい。
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。