JP6029045B2 - Hodeに対する特異的抗体、酸化ストレスに起因する疾患の診断方法、キット、ハイブリドーマおよび免疫学的検出方法 - Google Patents

Hodeに対する特異的抗体、酸化ストレスに起因する疾患の診断方法、キット、ハイブリドーマおよび免疫学的検出方法 Download PDF

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本発明は、HODE に対する特異的抗体、特に9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEを特異的に認識する抗体および該抗体を産生するハイブリドーマに関する。
また、本発明は、該抗体を有する免疫測定キット、該抗体を用いたHODEの免疫学的検出方法、酸化ストレスに起因する疾患を診断する方法に関する。
酸化ストレスは、種々の疾患と関与することが知られており、酸化ストレスマーカーとして、アクロレイン、4-ヒドロキシノネナール、マロンジアルデヒド、クロトンアルデヒド、8-OHdG(8-ヒドロキシデオキシグアノシン)、メチルグリオキザール、8−アイソ−プロスタグランジンF2α、血漿過酸化脂質(TBARS) 、CoQ10、酸化型α1-antitrypsin、酸化シスチン、尿中Biopyrrinsなどの非常に多くのマーカーが知られている。
これらのマーカーは、活性酸素(スーパーオキシドラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなど)との反応により産生されると考えられるが、酸化ストレスとどの程度関連しているかは不明である。
リノール酸の過酸化生成物であるHODE(ヒドロキシオクタデカジエノイックアシッド)は、酸化ストレスを反映する指標として注目されており、HODEはC型肝炎、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病、腎症関連疾患との関連が知られている(特許文献1〜4)。
一方、HODEは測定の途中でも徐々に分解或いは更なる反応により他の物質に変化していくため、正確な測定が困難であった。特に酸化ストレスによる疾患と関連するHODEは9-(E,E)-HODEと13-(E,E)-HODEであるが、HODE類として9-(E,Z)-HODE、13-(Z,E)-HODEなどがサンプル中に共存するため、9-(E,E)-HODEと13-(E,E)-HODEを定量的に測定するためには、LC-MS/MSのような高価な機器が必要であり、かつ時間もかかるため、迅速かつ正確な診断ができなかった。
特開2009-085647 特開2007-024871 特開2006-349452 特開2006-349451
本発明は、9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを簡便かつ正確に測定する技術を提供することを目的とする。
本発明者は、9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEを特異的に認識し、9-(E,Z)-HODE、13-(Z,E)-HODEを実質的に認識しない抗体が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下のHODE に対する特異的抗体、酸化ストレスに起因する疾患の診断方法、キット、ハイブリドーマおよび免疫学的検出方法を提供するものである。
項1. 9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを特異的に認識し、9-(E,Z)-HODE、13-(Z,E)-HODEを実質的に認識しない抗体。
項2. 9-(E,E)-HODEを特異的に認識し、9-(E,Z)-HODE、13-(E,E)-HODE、13-(Z,E)-HODEを実質的に認識しない項1に記載の抗体。
項3. 13-(E,E)-HODEを特異的に認識し、13-(Z,E)-HODE、9-(E,Z)-HODE、9-(E,E)-HODEを実質的に認識しない項1に記載の抗体。
項4. モノクローナル抗体である項1〜3のいずれかに記載の抗体。
項5. ハイブリドーマ細胞株「Hybridoma clone 4A91」(受託番号FERM P−22169)、「Hybridoma clone 1213-1」(受託番号FERM P−22170) または「Hybridoma clone 1213-5」(受託番号FERM P−22171)によって産生されたモノクローナル抗体である項1〜4のいずれかに記載の抗体。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の抗体を含む、酸化ストレスに起因する疾患もしくは酸化ストレスの程度を診断するための診断剤。
項7. 項4に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
項8. 酸化ストレスに起因する疾患を診断する方法であって、
(a)ヒト由来のサンプルに項1〜5のいずれかに記載の抗体を接触させる工程、
(b)前記抗体に結合された9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEを検出もしくは定量する工程を含み、(b)において定量された、閾値レベルを上回る前記試料中の9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの量が酸化ストレスに起因する疾患の存在を示唆し、閾値レベルを下回る前記試料中の9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの量が酸化ストレスに起因する疾患の不存在を示唆する、方法。
項9. 項1〜5のいずれかに記載の抗体を含む、9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを特異的に検出若しくは定量するための免疫測定キット:
項10. 酸化ストレスに起因する疾患もしくは酸化ストレスの程度を診断するための項9に記載の免疫測定キット:
項11. 第1抗体として項1〜5のいずれかに記載の抗体を、第2抗体として第1抗体に対する標識された抗体を有する、項9又は10に記載のキット。
項12. さらに9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEと血清アルブミン(BSAもしくはHSA)もしくはオボアルブミン(OVA)の複合体を有する項9〜11のいずれかに記載のキット
項13. 第1抗体として項1〜5のいずれかに記載の抗体を、第2抗体として第1抗体に対する標識された抗体を用いる間接競合阻害法(ELISA 法) による9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの免疫学的検出方法。
項14. 血清アルブミンで標識された9-(E,E)-HODEおよび/または血清アルブミンで標識された13-(E,E)-HODEをプレートに固相化する工程を含む、項13に記載の免疫学的検出方法。
本発明によれば、9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを簡便、迅速かつ正確に定量することが可能であり、酸化ストレスの程度を容易に評価することができ、酸化ストレスに起因する疾患の診断を容易に行えるようになった。
例えば、アルツハイマー病、血管性痴呆と総HODEが関係していることが知られているが、本発明により9-(E,E)-HODE、13-(E,E)-HODEを正確に定量できるようになったため、より正確な診断が可能になると期待される。
健常者におけるバイオマーカーの変動 HODEの生成過程を示す。 OVA-9-(E,E)-HODEを用いたELISA法による9-(E,E)-HODE測定 BSA-9-(E,E)-HODEを用いたELISA法による9-(E,E)-HODE測定 BSA-9-(E,E)-HODEを用いたELISA法による9-(E,E)-HODE以外のHODE、リノール酸、アラキドン酸由来酸化生成物(HETE)の測定(特異性の確認) BSA-13-(E,E)-HODEを用いたELISA法による13-(E,E)-HODE測定 BSA-13-(E,E)-HODEを用いたELISA法による13-(E,E)-HODE以外のHODE、リノール酸の測定(特異性の確認)
本発明において「抗体」とは、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体のフラグメント、F(ab’)化抗体、F(ab’)化抗体、短鎖抗体(scFv)、ダイアボディ、およびミニボディを包含する。
本発明において、サンプルは、ヒト由来の、血液(血漿、血清、血球(赤血球、白血球)を含む)、尿、脳脊髄液、涙液、精液、唾液、リンパ液、組織の一部(生検等により得られる)などが挙げられ、好ましくは血液(血漿、血清、血球を含む)、尿、特に血漿または血清が例示される。
HODEは、水酸基を有するオクタデカジエノイックアシッド(octadecadienoic acid)を包含する。該HODEの水酸基の結合する炭素の部位および2つの二重結合による幾何異性体((E, E)体、(E, Z)体もしくは(Z, E)体)により4種類の異性体が存在する。これらの異性体のうち(E, E)体が非特異的なラジカル酸化を受け生成されるという点で重要であり、本発明の抗体は、(E, E)体を特異的に認識し、他の異性体を実質的に認識しないことを特徴としている。
図1に示すように、還元型CoQ10、酸化型COQ10などは年齢とともに低下するが、(E,E)-HODE、或いはHODE比(ZE/EE)は年齢と相関があり、(E,E)-HODEは年齢とともに蓄積され、過去に受けた酸化ストレスの程度を評価することができ、酸化ストレスに起因する疾患に対するなりやすさ、治癒の可能性、治療の有効性の評価、或いは酸化ストレスに起因する疾患になっているか否かの診断に役立つものである。
HODEとしては、具体的には9-hydroxyoctadecadienoic acid (9-HODE), 13-hydroxyoctadecadienoic acid (13-HODE), 10-hydroxyoctadecadienoic acid (10-HODE), 12-hydroxyoctadecadienoic acid (12-HODE)が挙げられ、9-HODE、13-HODEが本発明の測定対象であり、酸化ストレスに起因する疾患の診断に重要なHODEである。本発明では、免疫測定法により、9-(E, E)-HODE, 13-(E, E)-HODEを特異的に検出、定量することができる。HODEの生成過程を図2に示す。
HODEの免疫測定法としては、ELISA、EIA、RIA、CLIA、CLEIA、ラテックス凝集法、イムノクロマト法などが挙げられ、ELISAが好ましい。免疫測定法には、直接法、間接法、競合法、サンドイッチ法など多くの変法があり、いずれの方法を使用してもよい。
図2には、間接競合法ELISAによるHODEの測定の模式図が示されている。9-(E, E)-HODE, 13-(E, E)-HODEなどは、血清アルブミン(BSA、HSA)、オボアルブミン (OVA)などにより標識してプレートに吸着させることができる。
サンプルは、まず還元剤で処理されて、ヒドロペルオキシド、ペルオキシド等の活性酸素との反応生成物をその還元体に導き、それ以上の分解を抑制するのが好ましい。例えば、HODEの原料であるリノール酸などは、活性酸素と反応してヒドロペルオキシドになる。
これを還元体に導くと、9-HODEまたは13-HODEなどに変換される。なお、HODEは、哺乳動物生体内の活性酸素と反応し、さらに還元されて9-HODE、13-HODEなどに導かれるが、一重項酸素と反応すると10-HODEまたは12-HODEに変換され得る。
生体サンプルを還元して過酸化物を安定なHODEに導くための還元剤としては、ヒドロペルオキシドを還元できるが、炭素−炭素二重結合、カルボキシル(COOH)基、エステル基などは還元しない還元剤が使用され、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、ソディウムシアノボロヒドリド(NaCNBH3)、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)などが挙げられる。
還元反応は、還元剤を1当量から過剰量用い、メタノール、エタノールなどのアルコール又は含水アルコール中で、0℃〜50℃程度の温度下に1分から5時間程度反応させることにより有利に進行する。
上記の還元処理により生成する9-HODE、13-HODEなどのHODEは比較的安定な化合物であり、それ以上の分解は抑制される。
上記で得られた還元体は、HODEの脂肪酸型のものも存在するが、多くはホスファチジルコリンなどのリン脂質、コレステロールエステル、トリグリセライド、ジグリセライドなどのグリセリンエステルとして存在する。従って、このエステルを加水分解して高級脂肪酸に導くために、アルカリ処理剤、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物と反応させてHODEを脂肪酸に導く。
アルカリ加水分解は塩基の存在下に、室温から溶媒の沸騰する程度の温度下に10分間から24時間程度行うことにより有利に進行する。塩基としては、溶液をアルカリ性にしてエステルを加水分解できるものであれば特に限定されないが、例えばアルカリ金属水酸化物(NaOH, KOH, LiOHなど)、アルカリ土類金属水酸化物(Ca(OH)2, Mg(OH)2, Ba(OH)2)など)、アルカリ金属炭酸水素塩(NaHCO3, KHCO3, LiHCO3), アルカリ金属炭酸塩(Na2CO3, K2CO3, Li2CO3)などが挙げられる。好ましい塩基はNaOH, KOH, LiOHなどのアルカリ金属水酸化物である。
加水分解は、水中で行ってもよく、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、DMF,DMSO,N−メチルピロリドン、などの溶媒を水と混合して行うこともできる。
このような加水分解によって、遊離形態と共にエステル形態の酸化物(HODE類)を測定することができる。
アルカリ処理後のサンプルは、本発明の免疫測定法により測定することができる。
アルカリ処理後、さらにフィルターで濾過することが望ましい。濾過に使用されるフィルターとしては、カットオフ値が2000〜100000Da程度、好ましくは3000〜50000Da程度、好ましくは5000〜30000Da程度である。フィルターとしては例えばYM10フィルター(日本ミリポア株式会社製)を使用することができる。
本発明の免疫測定キットは、9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを特異的に認識し、9-(E,Z)-HODE、13-(Z,E)-HODEを実質的に認識しない抗体を必須成分として含み、該抗体に対する標識された抗体(二次抗体)をさらに含むのが好ましい。本発明のキットは抗体(一次抗体、必要に応じて二次抗体)の他にヒト由来のサンプルを還元し、ヒドロペルオキシド等の過酸化物をアルコールに導くための還元剤、および、エステル型のヒドロペルオキシドを遊離のカルボン酸に鹸化するためのアルカリ処理剤を含んでいてもよい。
キットに含まれる還元剤は、サンプルの過酸化物を還元するための過剰量含まれるのが好ましく、例えば1サンプルあたり0.1〜100mg程度(或いは3マイクロモル〜3ミリモル)使用される。好ましい還元剤は、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)である。
また、アルカリ処理剤はエステルを加水分解できる量であれば特に限定されないが、例えば1〜1000mg程度(或いは0.2〜20ミリモル)使用される。
本発明の免疫測定キットには、さらに還元剤をサンプルに加えた還元反応に使用される溶剤を含むことができる。好ましい溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶剤が例示される。
本発明で診断される、酸化ストレスに起因する疾患としては、アルツハイマー病、血管性認知症、ウイルス性肝炎(A型、B型、C型)、糖尿病、動脈硬化、腎症関連疾患、メタボリックシンドロームなどが挙げられる。
本発明の抗体の作製方法は特に限定されず、公知の方法に準じて9-(E,E)-HODE及び/又は13-(E,E)-HODEを免疫原として公知の方法により動物を免疫したりし、当該分野で知られているあるいは汎用されている方法、例えばケラー、ミルシュタインらの方法(Nature,256:495−97,1975)あるいはそれに準じて製造することができる。 以下に本発明のモノクローナル抗体の作製について詳細に説明する。
本発明のモノクローナル抗体は、ミエローマ細胞を用いての細胞融合技術を利用して得られたモノクローナル抗体であり、例えば次のような工程により作製できる。しかし、ミエローマ細胞を用いた場合にだけ限定されるものではない。
抗原となる9-(E,E)-HODE及び/又は13-(E,E)-HODEは、そのまま適当なアジュバントと混合して動物を免疫するのに使用できるが、免疫原性コンジュゲートとして、必要に応じて適当なアジュバントと混合して動物を免疫することが望ましい。また、免疫原性コンジュゲートは、9-(E,E)-HODE及び/又は13-(E,E)-HODEを含む免疫原を適当な縮合剤を介して種々の担体と結合させて作製できる。
担体がタンパク質の場合、担体タンパク質類は活性化され得る。
活性化は、活性エステル(ニトロフェニルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、1−ベンゾトリアゾールエステル基、N−スクシンイミドエステル基など)にすることにより、実施できる。担体としては、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン(BSA、HSA)、卵白アルブミン、グロブリン、ポリリジンなどのポリペプタイド、細菌菌体成分、例えばBCGなどが挙げられる。
動物を免疫するには、例えば村松繁、他編、実験生物学講座14、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日本生化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究法、東京化
学同人、1986年、または、日本生化学会編、新生化学実験講座12、分子免疫学III、抗原・抗体・補体、東京化学同人、1992年などに記載されている方法に準じて行うことができる。抗原と共に用いられるアジュバントとしては、例えばフロイント完全アジュバント、リビ(Ribi)アジュバント、百日咳ワクチン、BCG、リピッドA、リポソーム、水酸化アルミニウム、シリカなどが挙げられる。免疫は、例えばBALB/cなどのマウスをはじめとする動物を使用して行われる。抗原の投与量は、例えばマウスに対して約1〜400μg/動物で、一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注射し、以後1〜4週間おきに、より好ましくは1〜2週間ごとに腹腔内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追加免疫を2〜10回程度反復して行う。免疫用のマウスとしてはBALB/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウスとのF1マウスなどを用いることもできる。必要に応じて抗体価測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫の程度を確認できる。
細胞融合に使用される無限増殖可能株(腫瘍細胞株)としては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶことができ、例えばP3−NS−1−Ag4−1(NS−1,Eur.J.Immunol.,6:511−519,1976)、SP2/0−Ag14(SP2,Nature,276:269〜270,1978)、マウスミエローマMOPC−21セルライン由来のP3−X63−Ag8−U1(P3U1,Curr.topicsMicrobiol.Immunol.,81:1−7,1978)、P3−X63−Ag8(X63,Nature,256:495−497,1975)、P3−X63−Ag8−653(653,J.Immunol.,123:1548−1550,1979)などを用いることができる。
上記工程に従い免疫された動物、例えばマウスは最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、それから脾細胞懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうして得られた脾細胞懸濁液と上記ミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培地)、DMEM培地、RPMI−1640培地などの細胞培地中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリコールを添加する。細胞融合剤としては、この他各種当該分野で知られたものを用いることができ、この様なものとしては不活性化したセンダイウイルス(HVJ:HemagglutinatingVirus of Japan)なども挙げられる。好ましくは、例えば30〜60%のポリエチレングリコールを0.5〜2ml加えることができ、分子量が1,000〜8,000のポリエチレングリコールを用いることができ、さらに分子量が1,000〜4,000のポリエチレングリコールがより好ましく使用できる。融合培地中でのポリエチレングリコールの濃度は、例えば30〜60%となるようにすることが好ましい。必要に応じて、例えばジメチルスルホキシドなどを少量加え、融合を促進することもできる。融合に使用する脾細胞(リンパ球):ミエローマ細胞株の割合は、例えば1:1〜20:1とすることができるが、より好ましくは4:1〜10:1とすることができる。融合反応を1〜10分間行い、次にRPMI−1640培地などの細胞培地を加える。融合反応処理は複数回行うこともできる。融合反応処理後、遠心などにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
ハイブリドーマの選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含む、FCS含有MEM培地、DMEM培地、IMDM培地、RPMI−1640培地などの培地(例えばHAT培地)が挙げられる。選択培地交換の方法は、一般的には培養プレートに分注した容量と等容量を翌日加え、その後1〜3日ごとにHAT培地で半量ずつ交換するように処理することができるが、適宜これに変更を加えて行うこともできる。また融合後8〜16日目には、アミノプテリンを除いた、所謂HT培地で1〜4日ごとに培地交換をすることができる。フィーダーとして、例えばマウス胸腺細胞を使用することもでき、それが好ましい場合がある。
ハイブリドーマの増殖の盛んな培養ウェルの培養上清を、例えば放射免疫分析(RIA)、酵素免疫分析(ELISA)、蛍光免疫分析(FIA)などの測定系、あるいは蛍光惹起細胞分離装置(FACS)などで、(E,E)-HODE(9,13)を抗原として用いたり、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目的抗体を測定するなどでスクリーニングする。その後、目的抗体を産生しているハイブリドーマをクローニングする。クローニングは、寒天培地中でコロニーをピック・アップするか、あるいは限界希釈法により行う。より好ましくは限界希釈法により行うことができる。クローニングは複数回行うことが好ましい。
得られたハイブリドーマ株は、FCS含有またはFCSを含まないMEM培地、DMEM培地、IMDM培地、RPMI−1640培地などの適当な増殖用培地中で培養し、その培地上清から所望のモノクローナル抗体を得ることができる。大量の抗体を得るためには、ハイブリドーマを腹水化することが挙げられる。この場合、ミエローマ細胞由来の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に各ハイブリドーマを移植し、増殖させるか、あるいはヌード・マウスなどに各ハイブリドーマを移植し、増殖させ、該動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を回収して得ることができる。動物はハイブリドーマの移植に先立ち、プリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)などの鉱物油を腹腔内投与しておくことができ、その処理後、ハイブリドーマを増殖させ、腹水を採取することもできる。その腹水液をそのまま、あるいは従来公知の方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどによるゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法などにより精製してモノクローナル抗体として用いることができる。より好ましくは、モノクローナル抗体を含有する腹水液を硫安分画した後、DEAB−セファロースのような陰イオン交換ゲル及びプロテインAカラムのようなアフィニティー・カラムなどを用いて精製分離処理できる。さらに好ましくは抗原又は抗原断片(例えば合成ペプチド、組換え抗原タンパク質あるいはペプチド、抗体が特異的に認識する部位など)を固定化したアフィニティークロマトグラフィー、プロテインAを固定化したアフィニティークロマトグラフィーなどを用いて精製分離処理できる。
こうして大量に得られた抗体の核酸配列を決定したり、ハイブリドーマ株から得られた抗体をコードする核酸配列を利用して、遺伝子組換え技術により抗体を作製することも可能である。
さらに、これら抗体をトリプシン、パパイン、ペプシンなどの酵素により処理して、場合により還元して得られるFab、Fab'、F(ab')2といった抗体フラグメントにして使用してもよい。抗体は、酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼあるいはβ−D−ガラクトシダーゼなど)、化学物質、蛍光物質あるいは放射性同位元素などにより標識しても良い。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1(9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを特異的に検出する抗体の作製)
9-(E,E)-HODEもしくは 13-(E,E)-HODE (1mg)を、1-Ethyl-3-[3-dimethylaminopropyl]carbodiimide (2 mg)、N-hydrosuccinimide (2 mg) とともにジメチルホルムアミド0.6 mlに溶解し、アルゴンガス封入して 24時間インキュベーション (遮光、室温下)した。24時間後、6 mgのkeyhole limpet hemocyanin(KLH)含有タンパク質溶液(phosphate buffered saline(PBS)で希釈) を加え、さらに4時間インキュベーションした後、PBSで一晩透析して抗原を調製した。
Balb/c マウス (6週齢♀3匹) に対し、KLH-9-(E,E)-HODEもしくはKLH-13-(E,E)-HODEとFreund’s complete adjuvant (追加免疫用抗原とFreund’s incomplete adjuvant) を等量シリンジ内で混合し、乳化させたものを、0.1 ml/匹腹腔内投与を行い免疫した。
bovine serum albumin(BSA)-9-(E,E)-HODEもしくはBSA-13-(E,E)-HODEに対する抗体力価の上昇が見られたマウスに対して、細胞融合を行う3日前にKLH-9-(E,E)-HODEもしくはKLH-13-(E,E)-HODEを眼底静脈に投与して最終免疫を実施した。
免疫したマウスをエーテル麻酔したあと頚椎脱臼により屠殺、開腹して脾臓を摘出した。脾細胞を取り出しfetal bovine serum(FBS)-free/Dulbecco’s modified Eagle medium(DMEM)にて2回洗浄し、脾細胞とミエローマ細胞 (P3U1) の数が7.5:1となるように混合して細胞融合処理を行った。1500 rpm, 5 min遠心した沈殿にpolyethylene glycol(PEG) 1 mlを添加し90秒間振とうした後、FBS-free/DMEM 26mlをゆっくりと添加した。その後、1000 rpm で5分遠心し細胞を回収、HAT培地80 mlを加え96穴マイクロプレートに蒔き、CO2インキュベーターに入れ培養した。
細胞融合処理をして10日後に、BSA-9-(E,E)-HODEもしくはBSA-13-(E,E)-HODEを用いて、ハイブリドーマのELISA法による初回スクリーニングを行った。スクリーニングの結果、BSA-9-(E,E)-HODEもしくはBSA-13-(E,E)-HODEとの反応性が特に顕著なクローンについて限界希釈法によるクローニングを2回行い、BSA-9-(E,E)-HODEに特異的なモノクローナル抗体細胞株 (クローン4A91)、BSA-13-(E,E)-HODEに特異的なモノクローナル抗体細胞株 (クローン1213-1、1213-5の2種類)を得た。
Hybridoma clone 4A91株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(あて名:〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM P-22169(受託日2011年9月8日)として寄託されている。
Hybridoma clone 1213-1株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(あて名:〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM P-22170(受託日2011年9月8日)として寄託されている。
Hybridoma clone 1213-5株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(あて名:〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に受託番号FERM P-22171(受託日2011年9月8日)として寄託されている。
実施例2 ELISAによる9-(E,E)-HODEの測定
以下の実施例で、血漿の鹸化、還元、フィルター処理は、以下のプロトコールに従って実施した。
血漿のけん化・還元 プロトコール
準備: 100 mM dibutylhydroxytoluene(BHT) in methanol(MeOH)
Triphenylphosphine(Ph3P) ;SIGMA -ALDRICH
1mM Ph3P in MeOH with 100mM BHT
1 M potassium hydroxide(KOH) in MeOH
10 % CH3COOH in H2O
Chloroform(CHCl3)/酢酸エチル(4/1)
各種内部標準(10mg/l 13-(Z,E)-HODE-d4
方法
(i)血漿サンプル:200 μl plasmaに300 μl PBSを加える
(ii) 1mM Ph3P in MeOH (with100 μM BHT)
liquid chromatography-tandem mass spectrometry(LC-MS/MS)用には各内部標準を添加する。
*内部標準は1サンプル当たり5 μlずつを500 μl の100 μM BHT in MeOHに混合。
(iii) 窒素置換後にふたを閉めて30分間室温にて放置
(iv) 500 μlの 1M KOH in MeOHを加えて30分間40℃加温
(v) 2 ml の10 % CH3COOHを加える。
(vi) 5 ml CHCl3/酢酸エチル(4/1)を加えて1分間振盪混合。
(vii) 4℃ 3000Gで10分間 遠心
(viii) 上層およびタンパク層を吸引除去する。
下層(約5 ml)をN2ガスで約1mlまで濃縮する。
この過程で、血漿サンプルは蛋白の混入を抑えるためにパスツールで新しいチューブに移してからN2ガスでサンプルが1mlくらいまで濃縮する。
1mlくらいまで濃縮されたらエッペンチューブに移して完全乾固。
できるだけ水分、蛋白の混入がないように注意する。
LC-MS/MS用サンプルは1mlまで濃縮しエッペンに移してN2ガスで完全に乾固。
MeOH/H2O(7/3)を200 ml加えて振盪混合。10000rpm ×5 min遠心.
上清をサンプルとする。
ELISA用の血漿サンプルのFilter処理
準備:
Filter: Microcon Centrifugal Filter Units Ultracel YM100、YM50、YM30、YM10
前処理(24時間以上前に):
(i)500μl の0.05% Tween 20含有PBS(0.05% PBST)をFilterに入れ10000G 10min で遠心
(ii) 0.05% PBSTに浸しておく
前処理(サンプル処理直前)
(i) 0.05% PBST 300μl 入れ20℃、10000G で20分間遠心
(ii) フィルターを上下反転させて 20℃、1000G で3分間遠心
(iii) フィルターが乾かないようにふたをしておく。
血漿サンプルの処理
(i) 前日に完全乾固し、-20℃に保存してある血漿サンプルを
0.05% PBST 200μl で再溶解する。(5倍濃縮となる)
(ii) 4℃、4100rpmで10分間遠心
(iii) エッペンに移して4℃、15000rpm で10分間遠心
(iv) フィルターに載せて 20℃、10000G〜15000Gで20-30分間遠心
ELISAによる9-(E,E)-HODEの測定
以下のプロトコールに従い、実施例1で得られた抗体(4A91抗体)を用いて9-(E,E)-HODEを測定した。
ELISA protocol
前日の前処理
OVA-9-(E,E)-HODEを0.25mg/wellでMaxsorb 96well (ヌンク社製)にコーティングし、4℃で終夜保存。
翌日の測定
(i) 0.05%PBSTでwash×3 (200μl/well)
(ii)1%BSA-PBS 200μlで 37℃ 2hr ブロッキング
(iii)標準(STD)各濃度のHODE 120μl in PBSと1000倍希釈4A91抗体120ul(0.1%
BSA in PBSで希釈)をエッペン内で混ぜた後37℃で 1時間プレインキュベーション
(iv) 0.05%PBSTでwash×3
(v) (iii)で作成したサンプルを100μlずつwellに入れて、シェーカーで振盪しながら37℃で2時間インキュベート
(vi) 0.05%PBSTでwash×3
(vii)二次抗体として5000倍希釈したHRP標識Donkey anti-mouse IgG(0.1%BSA in PBSで希釈)を100μl/wellで添加しシェーカーで振盪しながら37℃で1時間インキュベート。
(viii) 0.05%PBSTでwash×3
(ix) tetramethyl-benzidene(TMB) 溶液を100μl/wellで添加し 37℃で15〜30分間インキュベート。
(x) 1N-H2SO4 100μl/well添加し発色反応を停止する。
(xi) 吸光度(450nm 620nm)を測定。
結果を図3に示す。 図3より定量可能範囲は62.5-500nMであることが明らかになった。
血漿サンプルをけん化、還元し5倍濃縮し、フィルターろ過してサンプルとした。このサンプルを上記プロトコールに従い測定した。測定は、血漿サンプル自体と、血漿サンプルに20nMの-9-(E,E)-HODEを加えたサンプルの測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0006029045
実施例3 ELISAによる9-(E,E)-HODEの測定
実施例2のOVA-9-(E,E)-HODEに代えて、BSA-9-(E,E)-HODEを作製し、実施例2と同様にして9-(E,E)-HODEを定量した(図4)。その結果、定量可能範囲は4-125nMの範囲であった。ヒトの9-(E,E)-HODEの測定値は、5-50nM程度であるので、BSA-9-(E,E)-HODEを使用すれば、血漿サンプルの濃縮は不要である。また、還元と鹸化の操作は、なくても測定できる。
実施例4 他のHODE、リノール酸、アラキドン酸由来酸化生成物(hydroxyeicosatetraenoic acid : HETE)との反応性
実施例2のプロトコールに従って、9-(E,E)-HODE、9-(E,Z)-HODE、13-(E,E)-HODE、13-(Z,E)-HODE、リノール酸、5-HETE、12-HETE、15-HETEを定量した(図5)。本発明の4A91抗体は、9-(E,E)-HODEを特異的に認識することが明らかになった。
実施例5
実施例3のBSA-9-(E,E)-HODEを使用し、フィルターとしてYM100、YM50、YM30、YM10を用い、ヒト血漿サンプルを測定した。結果を表2に示す。YM100、YM50、YM30、YM10のカットオフ値は分子量で10万、5万、3万、1万である。
Figure 0006029045
サンプルを還元、けん化処理し、YM10フィルターで処理することで、LC-MS/MSとかなり近いデータが得られた。
実施例6 ELISAによる13-(E,E)-HODEの測定
実施例2のOVA-9-(E,E)-HODEに代えて、BSA-13-(E,E)-HODEを作製し、実施例2と同様にして13-(E,E)-HODEを定量した(図6)。
実施例7 他のHODE、リノール酸との反応性
実施例4に従って、9-(E,E)-HODE、9-(E,Z)-HODE、13-(E,E)-HODE、13-(Z,E)-HODE、リノール酸を定量した(図7)。本発明の1213-1抗体もしくは1213-5抗体は、13-(E,E)-HODEを特異的に認識することが明らかになった。

Claims (14)

  1. 9-(E,E)-HODEを特異的に認識し、9-(E,Z)-HODE、13-(E,E)-HODE、13-(Z,E)-HODEを実質的に認識しない抗であって、ハイブリドーマ細胞株「Hybridoma clone 4A91」(受託番号FERM P−22169)によって産生されたモノクローナル抗体である抗体
  2. 13-(E,E)-HODEを特異的に認識し、13-(Z,E)-HODE、9-(E,Z)-HODE、9-(E,E)-HODEを実質的に認識しない抗体。
  3. モノクローナル抗体である請求項2に記載の抗体。
  4. ハイブリドーマ細胞株「Hybridoma clone 1213-1」(受託番号FERM P−22170)または「Hybridoma clone 1213-5」(受託番号FERM P−22171)によって産生されたモノクローナル抗体である請求項2または3に記載の抗体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を含む、酸化ストレスに起因する疾患もしくは酸化ストレスの程度を診断するための診断剤。
  6. 請求項に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  7. 「Hybridoma clone 4A91」(受託番号FERM P−22169)、「Hybridoma clone 1213-1」(受託番号FERM P−22170)または「Hybridoma clone 1213-5」(受託番号FERM P−22171)の細胞株のハイブリドーマ。
  8. 試料中の9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの量を酸化ストレスに起因する疾患の指標とする方法であって、
    (a)ヒト由来のサンプルに請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を接触させる工程、
    (b)前記抗体に結合された9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEを検出もしくは定量する工程を含み、
    (b)において定量された、閾値レベルを上回る前記試料中の9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの量が酸化ストレスに起因する疾患の存在を示唆する指標とし、閾値レベルを下回る前記試料中の9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの量が酸化ストレスに起因する疾患の不存在を示唆する指標とする、方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を含む、9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEを特異的に検出若しくは定量するための免疫測定キット。
  10. 酸化ストレスに起因する疾患もしくは酸化ストレスの程度を診断するための請求項9に記載の免疫測定キット。
  11. 第1抗体として請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を、第2抗体として第1抗体に対する標識された抗体を有する、請求項9又は10に記載のキット。
  12. さらに9-(E,E)-HODEもしくは13-(E,E)-HODEと血清アルブミン(BSAもしくはHSA)もしくはオボアルブミン(OVA)の複合体を有する請求項9〜11のいずれかに記載のキット。
  13. 第1抗体として請求項1〜4いずれかに記載の抗体を、第2抗体として第1抗体に対する標識された抗体を用いる間接競合阻害法(ELISA 法) による9-(E,E)-HODEおよび/または13-(E,E)-HODEの免疫学的検出方法。
  14. 血清アルブミンで標識された9-(E,E)-HODEおよび/または血清アルブミンで標識された13-(E,E)-HODEをプレートに固相化する工程を含む、請求項13に記載の免疫学的検出方法。
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