JP6029017B2 - アース構造 - Google Patents
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Description
(1)本発明のアース構造は、前記ベース部材の片面側に、取付け用開口部が凹設されて前記ベース部材の内部に配された前記アース接続部を外部に露出させるようになっており、かつ前記アース部材は前記取付け用開口部内において前記アース部材の長手方向が前記ベース部材の長手方向に沿う向きで取付けがなされる構成とするとよい。
このような構成によれば、アース部材の長手方向をベース部材の長手方向に揃えて取付けるようにしたため、取付け用開口部の短手方向の開口幅を小さくすることができる。したがって、ベース部材の強度確保に有効となる。
上記の構成においては、ベース部材に放熱用開口部を開口させてアース用導体の一部が露出するようになっているため、アース部材に設けられたフィルタ素子が通電により発熱しても、アース接続部から伝わった熱を放熱用開口部から外部に放熱させることができる。したがって、フィルタ素子が熱によってフィルタ機能に支障を来すような事態を有効に回避することができる。
このような構成によれば、放熱用開口部が取付け用開口部と連通するため、アース用導体の放熱領域を連続させて放熱効果を高めることができる。また、ベース部材にとっては開口面積の拡張により強度低下が懸念されるが、放熱用開口部は取付け用開口部の短手方向に関する最大幅範囲内に留められるため、ベース部材にとっての必要な強度は確保される。
このような構成によれば、放熱用開口部はベース部材の長手方向に長く短手方向に細い開口形状に形成されているため、ベース部材の短手方向の肉の幅を確保し易い。したがって、放熱用開口部によって必要な放熱面積を確保しつつベース部材の強度低下も有効に回避することができる。
図1乃至図3は本発明の実施例1を示すものである。図1は自動車の車両フレームとしてのベース部材1に対して適用されたアース構造の周辺部分を示している。図1においては、ベース部材1の一部が示されており、図示左右方向を長手方向とする長尺の部材となっている。ベース部材1は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を主材料としており、例えばエポキシ樹脂等を母材に、炭素繊維を強化材として用いて成形されたものである。
図4は本発明の実施例2を示している。実施例1では本発明の受け具がスタッドボルト18であり、締め具がナット19であった。実施例2では、実施例1とは逆に、受け具をナット30にし、締め具をボルト31としたものである。実施例2におけるナット30(例えば六角ナット)はベース部材1に回り止めされた状態で埋め込み固定されている。また、ナット30の外周面には全周に沿って凹溝32が形成され、CFRPの成形肉を凹溝32内に食い込ませるようにすることで、ナット30の抜け防止が図られている。
他の構成は実施例1と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することができる。
図5は本発明の実施例3を示している。実施例3における受け具は円筒形状のスリーブ40であり、下縁に抜け止め縁41が張出し形成されている。受け具としてのスリーブ40はベース部材1内に埋め込み固定され、抜け止め縁41がベース部材1に対する引っ掛かりとなって抜けが防止されている。一方、締め具はフランジ43付きの圧入ピン42であり、この圧入ピン42はフランジ43によりアース端子13を押さえ、軸部がスリーブ40内に圧入されることによって、スリーブ40の端面との間でアース端子13及びアース用導体2を挟み込んで保持する。
他の構成は他の実施例と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することができる。
図6は本発明の実施例4を示している。本実施例4では、アース用導体2の一部長さ領域はベース部材1の内部から表面側へと屈曲して設けられてベース部材1の表面に露出しアース接続部50を構成するようになっている。したがって、実施例4においては、実施例1のような取付け用開口部4および放熱用開口部21は形成されない。他の構成は、実施例1と同様である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、フィルタ素子であるコンデンサ7をコネクタ内に組込んだ形式のノイズフィルタ3を例示した。しかし、ノイズフィルタ3自体は必ずしもコネクタ機能を必要とするものではない。ノイズフィルタ3及びアース端子13を単なるケース内に組込むようにしたものであってもよい。
(2)上記実施例1乃至3では、取付け用開口部4が放熱用開口部21を挟んで一対設けられる形態を示したが、片側のみに設けられるようにしてもよい。
(3)上記実施例ではフィルタ素子としてコンデンサ7を例示したが、フィルタ素子はコイルであってもよい。
(4)上記実施例では、ベース部材としてCFRPを主材料として形成された場合を説明したが、他の材料で形成されるようにしてもよい。要は、ベース部材がアース用導体に比較して熱伝導性の低い樹脂材で形成されればよい。
2…アース用導体
3…ノイズフィルタ(アース部材)
4…取付け用開口部
5…アース接続部
7…コンデンサ(フィルタ素子)
13…アース端子
18…スタッドボルト(受け具)
19…ナット(締め具)
20…固定部材
21…放熱用開口部
30…ナット(受け具)
31…ボルト(締め具)
40…スリーブ(受け具)
42…圧入ピン(締め具)
50…アース接続部
Claims (5)
- 片面側に取付け用開口部が凹設されたベース部材と、
可撓性導電材料よりなり、少なくとも一部領域がアース接続部として外部に露出するとともに、前記アース接続部の裏面側が前記ベース部材にて支持されたアース用導体と、
前記アース接続部に接続されるアース端子を有するアース部材と、
前記ベース部材において前記アース接続部の裏面側に埋め込み固定された受け具とこの受け具に係止し前記受け具との間で前記アース端子と前記アース用導体とを挟み込んで固定する締め具とからなる固定部材とを備えて構成されていることを特徴とするアース構造。 - 前記ベース部材の片面側には、取付け用開口部が凹設されて前記ベース部材の内部に配された前記アース接続部を外部に露出させるようになっており、
かつ前記アース部材は前記取付け用開口部内において前記アース部材の長手方向が前記ベース部材の長手方向に沿う向きで取付けがなされていることを特徴とする請求項1に記載のアース構造。 - 前記アース部材には、通電に伴って発熱しかつ前記アース端子に電気的に接続されて前記導電体に重畳されたノイズを除去可能なフィルタ素子を備える一方、
前記ベース部材は前記アース用導体に比較して熱伝導性の低い樹脂材を主成分として形成されるとともに、前記ベース部材には、前記アース用導体の一部を外部に露出させる放熱用開口部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアース構造。 - 前記アース用導体は前記ベース部材の長手方向に沿って配される一方、
前記取付け用開口部には前記放熱用開口部が連通して形成されるとともに、前記放熱用開口部は前記取付け用開口部における短手方向の最大幅範囲内に配されていることを特徴とする請求項3に記載のアース構造。 - 前記放熱用開口部は前記ベース部材の長手方向に沿う側が長くなるように形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のアース構造。
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