JP6028452B2 - 水熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの流体の間で熱交換を行わせるための熱交換器及びその製造方法に関する。
従来より、ヒートポンプ式給湯装置の冷媒回路においては、例えば水と冷媒等、2つの流体の間で熱交換させるプレート型水熱交換器が用いられてきた。例えば、特許文献1(特開2003−185362号公報)には、2つの伝熱プレート同士を接合することにより作られた扁平管を積層したプレート型水熱交換器が記載されている。
ところで、水熱交換器で60度以上の高温出湯をするために、熱交換効率を上げる様々な工夫が試みられてきた。例えば、特許文献1に記載の水熱交換器では、プレートの流路を形成する面に円形のディンプルを設けることにより、流体の圧力損失を抑えつつ、有効伝熱面積の増大及び水−冷媒間の熱伝達率の向上が試みられている。
しかし、特許文献1に記載の水熱交換器のように単に円形のディンプルを設けるだけでは十分な熱伝達率の向上が得られず、さらなる工夫の必要がある。
そこで、本発明の課題は、水と冷媒との間の熱伝達性能が向上された水熱交換器を提供することである。
本発明の第1観点に係る水熱交換器は、長方形断面の水流体流路と、冷媒流体流路とを備える。水流体流路は、一対のプレス加工板の周縁を重ね合わせて形成されている。冷媒流体流路は、長方形断面の長辺側において水流体流路と接する。水流体流路には、四角以上且つ八角以下の角錐状の複数のディンプルが形成されている。ディンプルの平面頂点が水の流れの上流側及び下流側に向くようにディンプルが形成されている。
ここで、長方形とは、長方形のほか、一方向の長く伸びた六角形等及びこれらの形状の角が面取りされた形状を含む。また、角錐とは、角錐に近い形状を含み、角錐、角錐台、及びこれらの形状の角を面取りした形状を含む。
本発明の第1観点に係る水熱交換器では、ディンプルの平面頂点が水の流れの上流側に向くので、ディンプルの前方では、水との衝突部分が流れに対して鋭角となり、よどみが減り、熱伝達がよくなる。また、ディンプルの他の平面頂点が水の流れの下流側に向くので、ディンプルの後方では、水の流れとの迎え角が減少することにより、流れの剥離と渦を抑制できる。その結果、死水域が減少し、有効伝熱面積が増大し、熱伝達性能が向上する。
また、本発明の第1観点に係る水熱交換器はプレス加工板は、その長方形断面の長辺側を構成する面にディンプルとは別に凸部が形成されている。一対のプレス加工板を重ね合わせて水流体流路を形成すると、凸部同士が突き合う。
ここでは、水流体流路は、互いに突き合う凸部が形成されている一対のプレートにより形成されており、水流体流路の厚み方向の変形が抑制される。
また、本発明の第1観点に係る水熱交換器は水流体流路の幅Wと長さLとの間に、5≦L/W≦30 (式1)の関係が成り立つ。
これにより、熱伝達率がより向上する。
また、本発明の第1観点に係る水熱交換器は長方形断面の短辺側の寸法Hと、ディンプルの高さhとの間に、0.1≦h/H≦0.6 (式2)の関係が成り立つ。
これにより、熱伝達率がより向上する。
本発明の第2観点に係る水熱交換器は、第1観点に係る水熱交換器において水流体流路と冷媒流体流路とは、交互に積層されるように組み合わされて一体となっている。
ここでは、水熱交換器は、水流体流路と冷媒流体流路とが交互に積層された構成となっており、冷媒の熱を水に効率良く伝達する。
本発明の第3観点に係る水熱交換器は、第1観点又は第2観点の水熱交換器において、水流体流路を流れる水のレイノルズ数が500以上、且つ、10000以下である。
これにより、熱伝達率がより向上する。
本発明の第4観点に係る水熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかの水熱交換器において、ディンプル同士の水の流れ方向の間隔Pxとディンプルの水の流れ方向の寸法bとの間に、0.6≦Px/b≦2 (式3) の関係が成り立つ。
これにより、熱伝達率がより向上する。
本発明の第5観点に係る水熱交換器は、第1観点から第4観点のいずれかの水熱交換器において、ディンプル同士の水の流れ方向に直交する方向の間隔Pyとディンプルの水の流れ方向に直交する方向の寸法aとの間に、1.3≦Py/a≦3 (式4) の関係が成り立つ。
これにより、熱伝達率がより向上する。
本発明に係る熱交換器では、熱伝達性能を向上させることができる
本実施形態の熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置の概要を示す回路図。 冷凍装置の内部構造を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る熱交換器の構成の概要を示す概念図。 熱交換器の外観を示す部分斜視図。 図4のV−V断面図。 熱交換器の一構成部材の金属プレートを示す平面図。 図6のVII−VII断面図。 プレス加工工程を経た金属プレートを示す部分平面図。 重ね合わされた金属プレートの断面図。 流路の寸法比を模式的に示す図。 (a)互いに接合された扁平管20の断面を示す図、(b)第1組立体と第2組立体との組立工程を示す部分斜視図、(c)組立後の熱交換器を示す部分斜視図。 ディンプルが形成された凹面部を示す金属プレートの部分拡大図。 図12のXIII−XIII断面図。 第2ディンプルの断面図。 扁平管の縦断面の一部分を模式的に示す図。 第1ディンプルの間隔を示す模式図。 比較例に係る金属プレートの部分拡大図。 比較例に係る扁平管内の温度分布を示す図。 比較例に係る扁平管内の流速度分布を示す図。 本実施形態に係る扁平管内の温度分布を示す図。 本実施形態に係る扁平管内の流速度分布を示す図。 熱伝達率を比較したグラフ。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明にかかる水熱交換器の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明に係る水熱交換器は、R410A、R407C、R32などのフロン系冷媒から二酸化炭素(CO2)冷媒を含む自然冷媒を対象としているが、以下においては、R32冷媒を対象とする水熱交換器を例に挙げて説明する。
(1)ヒートポンプ式給湯装置の構成
図1には、第1実施形態に係る熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置が示されている。ヒートポンプ式給湯装置1は、温水熱源装置である冷凍装置2と、貯湯ユニット3とを備える。
冷凍装置2は、冷媒であるR32を圧縮する圧縮機4と、R32と水との間で熱交換を行うための熱交換器10と、R32の減圧手段としての膨張弁5と、外気とR32との間で熱交換を行うための空気熱交換器6とを有している。圧縮機4と熱交換器10と膨張弁5と空気熱交換器6とが接続されて、R32の循環する冷媒回路が構成される。また、貯湯ユニット3は、貯湯タンク8と、水循環ポンプ9とを備える。水熱交換器10と貯湯タンク8と水循環ポンプ9とが接続されて、水の循環する水循環回路が構成される。
図2には、冷凍装置の内部構造が模式的に示されている。図2において、断熱壁2cの右側区画が機械室2aであり、断熱壁2cの左側区画が送風機室2bである。機械室2aには、圧縮機4や膨張弁5が配置されている。送風機室2bには、モータ(図示省略)によって駆動されるファン7が配置されている。送風機室2bの下方には、断熱壁2dを隔てて熱交換器10が配置されている。熱交換器10内にて、冷媒回路を循環するR32と、水循環回路を循環する水との間で熱交換が行われる。また、図2において、空気熱交換器6は、送風機室2bの左側と背面側に配置されている。
(2)熱交換器の構成の概要
本発明の第1実施形態に係る熱交換器10は、図3〜図5に示されているように、多数の扁平管20と多数の扁平多穴管40と出入口分配管50とを含んで構成される。多数の扁平管20は、その両端の出入口部30が隣接する扁平管20の出入口部30と連通するように、積層されている。当該積層された多数の扁平管20は、第1組立体60を構成する。多数の扁平多穴管40は、その両端がそれぞれ出入口分配管50に接続され、隣接する扁平多穴管40同士の間に隙間を空けて積層されている。当該積層された多数の扁平多穴管40は、出入口分配管50と共に第2組立体70を構成する。第1組立体60と、第2組立体70とは、各扁平管20および各扁平多穴管40が交互に積層されるように組み合わされて一体となり、熱交換器10を形成している。図3〜図5には、5つの扁平管20と4つの扁平多穴管40とが交互に積層されている例が示されている。ただし、これら積層される扁平管20や扁平多穴管40の数は、要求される性能などに応じて適宜選定されるものである。また、この例では、最下段と最上段に扁平管20が配置されているが、扁平多穴管40を最下段や最上段に配置することもできる。
扁平管20には低圧の水が流れ、扁平多穴管40にはガス状のR32が流れる。扁平多穴管40には高い耐圧が要求される一方、水が流れる扁平管20には高い耐食性が要求される。そのため、高い耐圧が要求される扁平多穴管40には、多数の細い流路41が設けられている。扁平多穴管40は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ステンレス鋼などを用いて形成するのが好適である。このような細い多数の流路41を有する扁平多穴管40の形成には、アルミニウム及びアルミニウム合金の引き抜き加工や押し出し加工が好適に用いられ、このような加工を用いると安価に扁平多穴管40を製造することができる。本実施形態においては、扁平多穴管40は、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。
扁平管20の母材には、水の腐食性を考慮して、ステンレス鋼や銅合金を用いることが好ましい。ステンレス鋼の種類としては、例えば、SUS304やSUS316などがある。扁平管20をアルミニウムやアルミニウム合金からつくることもできるが、その場合には、内面に、アルマイト加工や樹脂コーティングなどの防食処理を施すことが好ましい。本実施形態においては、扁平管20は、ステンレス鋼製の金属プレート80によって構成されている。即ち、扁平管20の母材は、ステンレス鋼である。
熱交換器10は、図3に示されているように扁平管20及び扁平多穴管40が水平に配置された状態において、出入口部30として、扁平管20の右端部に配置される右側出入口部31と、左端部に配置される左側出入口部32とを含んでいる。左側出入口部32の端部や図4に示されている右側出入口部31の端部には、配管などと接続される出入口ポート34が設けられる。なお、ここでは、説明を分かり易くするために図3の状態に熱交換器10を置いた場合について説明しているが、この熱交換器10は、必ずしも図3の状態で使用されなければならないものではない。
扁平管20の側においては、水は、まず、左側出入口部32に入り、5つの扁平管20に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口部31から出る。そして、水は、扁平管20の中を流れる間に扁平多穴管40内のR32から与えられる熱で加熱される。
また、熱交換器10には、出入口分配管50として、扁平多穴管40の右端部に配置される右側出入口分配管51と、左端部に配置される左側出入口分配管52とを含んでいる。R32は、左側出入口分配管52に入り、4つの扁平多穴管40に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口分配管51から出る。そして、R32は、扁平多穴管40の中を流れる間に扁平管20内の水に熱を奪われて冷却される。
(3)扁平管の構成
扁平管20は、その両端に出入口部30を有する。扁平管20は、一対のプレス加工板である金属プレート80の周縁を重ね合わせて形成されている。
図7は、扁平管20を形成するための金属プレート80の平面図である。金属プレート80の平面形状が、左右に長い略長方形であって、第1長辺81の左右の両端部に2つの膨出部86,87が形成されている。2つの膨出部86,87は、右側膨出部86、左側膨出部87である。右側膨出部86には第1開口部91が形成され、左側膨出部87には第2開口部92が形成されている。第1開口部91及び第2開口部92は、まとめて単に開口部90と呼ぶ。
これら開口部90は、円形であって、全て同じ大きさである。また、開口部90は、第1長辺81の延長線よりも外側にはみ出して配置されている。ただし、これらの形状は、水漏れし難くするために同じ形状であればよく、円形には限られない。また、配置される位置や大きさは流量や流路に合わせて設定される。
図8は図7のVIII−VIII断面図である。図8に示されているように、金属プレート80には、凹面部95がプレス加工によって形成されている。凹面部95は、金属プレート80の外周83に沿って形成されている所定幅の周縁部84の内側の領域を占める。そして、開口部90は凹面部95に形成されている。これら開口部90は、凹面部95の中でもさらに一段深くなった凹部98に配置されている。
そして、一対の金属プレート80は、図9に示すように、凹面部95同士が対向する状態で周縁部84が重なるように接合された扁平管20を形成する。金属プレート80が重ね合わされることによって、開口部90同士が対向して配置される。これにより、出入口部30が真直ぐに形成される。金属プレート80において重なっている周縁部84がロウ付や溶接により接合されて一本の扁平管20が形成される。金属プレート80が重ね合わされると、2つの凹面部95によって水が流れる流路21が形成される。流路21は、一方の端の開口部90から他方の端の開口部90まで続いている。なお、各扁平管20は、曲げ加工されない。したがって、扁平管20は、真直ぐに延びており、その両端にある右側出入口部31と左側出入口部32との間に流路21が真直ぐに延びている。
流路21、即ち扁平管20は、図5に示すような長方形の横断面を有する。ここでは、長方形には、図5に示すような、一方向に延びた六角形をも含み、これらの形状の角を面取りした形状をも含む。当該長方形断面の長辺側が凹面部95となっており、扁平多穴管40と当該長辺側で接するようになっている。また、長手方向に沿った流路21、即ち扁平管20の断面も長方形であり、扁平管20内に形成された流路21の平面形状も図10に示すように長方形である。
ここで、扁平管20内に形成された流路21の幅をW、長さをLとすると、幅Wと長さLとの間に、
5≦L/W≦30 (式1)
の関係が成り立つことが好ましい。これにより、熱伝達率が向上する。
また、扁平管20内の流路21を流れる流体である水のレイノルズ数が500以上、且つ、10000以下であることが好ましい。これにより、熱伝達率が向上する。
また、凹面部95が形成されるプレス加工の際に、凹面部95には、後述するディンプル22が形成される。なお、ディンプル22は、図5、図7、図9、及び図11では、省略されている。
(4)扁平管と扁平多穴管との積層構造
(4−1)第1組立体
多数の扁平管20は、図11(a)に示されているように、その出入口部30が隣接する扁平管20の出入口部30と重なるように積層され、第1組立体60を形成する。扁平管20の出入口部30同士は、ロウ付又は溶接により接合される(図11(a)の符号102参照)。即ち、扁平管20の右側の出入口部30は、隣接する扁平管20の右側の出入口部30と接合され、扁平管20の左側の出入口部30は、隣接する扁平管20の左側の出入口部30と接合される。
(4−2)第2組立体
多数の扁平多穴管40は、その左端及び右端がそれぞれ前述の出入口分配管50に接合され、図11(b)に示すような第2組立体70が形成される。扁平多穴管40と出入口分配管50との接合は、ロウ付、又は、はんだ付により行われる。
(4−3)第1組立体と第2組立体との接合
第1組立体60は、図11(b)に示すように、第2組立体70の各2つの扁平多穴管40の隙間に各1つの扁平管20が挿入されるように第2組立体70と組み合わされる。即ち、各扁平多穴管40が、扁平管20の長方形断面の長辺側において扁平管20と接した状態で、扁平多穴管40と扁平管20とが交互に並ぶ。扁平管20と扁平多穴管40とは、ロウ付又はハンダ付により接合される。このようにして、図11(c)に示すような熱交換器10が形成される。
(5)ディンプル
(5−1)種類及び形状
図12は、金属プレート80の平面の一部を拡大した図である。図13は、図12の金属プレート80のXIII−XIII断面図である。なお、図13では、図12のXIII−XIII線から一番近い第1ディンプル22aのみ表しており、その他の第1ディンプル22aを省略している。
図10に示すように金属プレート80の凹面部95には、凹面部95の底面から突起した多数のディンプル22が形成されている。ディンプル22には、2種類あり、一方は、第1ディンプル22aであり、他方は、凸部或いは突き合わせディンプルとも呼ばれる第2ディンプル22bである。
(5−1−1)第1ディンプル
第1ディンプル22aは、図12及び図13に示すように、四角錐状の突起であり、金属プレート80に多数が形成されている。第1ディンプル22aは、後述するように、水への熱伝達を向上させるために設けてある。ここで、角錐とは、角錐に近い形状を含み、角錐、角錐台、及びこれらの形状の角を面取りした形状を含む。したがって、四角錐には、四角錐、四角錐台、及びこれらの形状の角を面取りした形状、等の四角錐に近い形状が含まれる。角錐、特に八角以下の角錐は、円形と比べると、平滑な面が少なく、また水と接触する面積が大きい。したがって、有効伝熱面積が大きくなり、好適である。
本発明に係る扁平管20は、内側に形成された第1ディンプル22aの平面頂点が、上流側及び下流側を向くように形成されていることを特徴とする。即ち、第1ディンプル22aの形状である四角錐の四角のうちの1つの角が水の流れに対向する方向(上流側)を向き、当該角の対角線上にある角が水の流れる方向(下流側)に向いている。後述する比較例のように角が水の流れに直交する方向を向いていると流れの剥離と渦が発生し、熱伝達率が悪くなるが、四角の平面頂点を上流側及び下流側に向けると流れの剥離と渦の発生が抑制される。これにより、第1ディンプル22aは、後述するように、水への熱伝達を向上させる。
なお、第1ディンプル22aは、図15に示すように、対向する金属プレート80に設けられた第1ディンプル22aと対向しない。金属プレート80同士を重ねあわせて扁平管20を形成しても、第1ディンプル22a同士は、互いに突き合わないように構成されている。
(5−1−2)第2ディンプル
第2ディンプル22bは、四角錐状の突起である。本実施形態では、第2ディンプル22bの四角の平面頂点は、水の流れに直交する方向を向いている。
第2ディンプル22bの突起の高さは、凹面部95の底面から、周縁部84の端面までの高さに等しく、第2ディンプル22bの突起の先端面は、周縁部84の端面に平行である。即ち、第2ディンプル22bの突起の先端面は、周縁部84の端面を延長した面に含まれる。そして、第2ディンプル22bは、図14に示すように対向する金属プレート80に設けられた第2ディンプル22bと対向し、金属プレート80同士を重ねあわせて扁平管20を形成すると、互いに突き合うように構成されている。このように、第2ディンプル22bが設けられていることにより、扁平管20は、その内側に形成された流路21が外側からの圧力により厚み方向に変形しないように、即ち、押し潰されないようになっている。第2ディンプル22bの数は、第1ディンプル22aの数よりも少ない。本実施形態においては、第2ディンプル22bは、1つの金属プレート80に、その長手方向の中央付近2箇所に2個ずつが幅方向に並んで、計4個が形成されている。
(5−2)第1ディンプルの寸法及び配置
図15は、扁平管20を水の流れ方向に切断した断面を模式的に示した図である。図中のhは、第1ディンプル22aの高さの寸法である。Hは、扁平管20の流路21の高さの寸法である。高さhと寸法Hとの間に、
0.1≦h/H≦0.6 (式2)
の関係が成り立つことが好ましい。これにより、熱伝達率が向上する。
図16は、第1ディンプル22a同士の間隔を示す図である。図中のPxは、第1ディンプル22a同士の水の流れ方向の間隔である。Pyは、第1ディンプル22a同士の水の流れ方向に直交する方向の間隔である。aは、第1ディンプル22aの水の流れ方向に直交する方向の寸法である。bは、第1ディンプル22aの水の流れ方向の寸法である。
第1ディンプル22a同士の水の流れ方向の間隔Pxは、間隔Pxと寸法bとの間に、
0.6≦Px/b≦2 (式3)
の関係が成り立つように設定されることが好ましい。これにより、熱伝達率が向上する。
また、第1ディンプル22a同士の水の流れ方向に直交する方向の間隔Pyは、間隔Pyと寸法aとの間に、
1.3≦Py/a≦3 (式4)
の関係が成り立つように設定されることが好ましい。これにより、熱伝達率が向上する。
(6)効果
(6−1)比較例
図17は、比較例に係る扁平管20’に形成されたディンプル22’を示す図である。ディンプル22’は、その形状が四角錐の突起であるが、その平面頂点は、水の流れの上流側及び下流側を向いておらず、当該四角錐の角は、水の流れに直交する方向を向いている。即ち、四角の2辺が、流れ方向に直交する方向に延びており、当該2辺は、水の流れに対向している。
(6−2)比較分析
扁平管20及び扁平管20’の温度分布をシュミレーションして解析すると図18及び図20に示すようになった。図18は、扁平管20’の温度分布を表している。図20は、扁平管20の温度分布を表している。また、扁平管20及び扁平管20’の流路速度分布をシュミレーションして解析すると図19及び図21に示すようになった。図19は、扁平管20’の流路速度分布を表している。図21は、扁平管20の流路速度分布を表している。
扁平管20’の場合、水の流れをディンプル22’の四角の辺で受けるので、ディンプル22’の水の流れとの衝突角度(水の流れ方向に対するディンプル22’の前方の辺の角度)が90度となる。そのため、ディンプル22’の前方領域F’において水の流れが淀む領域ができる。そして、前方領域F’では、温度が45.9℃以上の高温領域が生じる。また、ディンプル22’の後方では、水の流れとの迎え角(水の流れ方向に対するディンプル22’の後方の辺の角度)が90度となる。その結果、後方領域B’では、水の流れの渦が発生し、死水域が生じる。そのため、後方領域B’では、温度が45.9℃以上の大きな高温領域が生じる。高温領域の存在は、水により熱が上手く奪われていないこと、即ち水に熱が上手く伝達されていないことを示している。
一方、ディンプル22’を45℃回転させた形状をした第1ディンプル22aを有する扁平管20の場合、水の流れを第1ディンプル22aの四角の角で受ける。即ち、第1ディンプル22aの水の流れとの衝突角度θ1(図16参照)が鋭角となる。そのため、第1ディンプル22aの前方領域Fでは、水の淀みがほとんど生じず、温度が45.9℃以上の高温領域は、ほとんど存在しない。第1ディンプル22aの後方では、第1ディンプル22aの流れとの迎え角θ2(図16参照)が鋭角となり減少することで,流れの剥離と渦の発生が抑制される。そのため、後方領域Bでは、温度が45.9℃以上の高温領域が少し現れるが、ディンプル22’の後方領域B’にある高温領域よりも小さい。即ち、第1ディンプル22aを設けた扁平管20では、比較例に係る扁平管20’に比べて死水域が減少し、有効伝熱面積が増大し、熱伝達率が向上している。
上述のように、第1ディンプル22aを設けた扁平管20のほうが、ディンプル22’を設けた扁平管20’よりも熱伝達率が良いことが分かる。図22は、流速0.8m/s 時における熱伝達率を比較したグラフである。太い実線は、本発明に係る扁平管20の例を示し、それよりも細い実線は、比較例に係る扁平管20’の例を示している。点線は、ディンプル等を設けていない平滑面を有する扁平管の例を示している。本発明に係る扁平管20は、比較例に係る扁平管20’に比べて熱伝達率が3%向上している。また、扁平管20’を扁平管20と同様の熱伝達率を達成するようにディンプル22’の間隔を詰めると、圧損が扁平管20と比べて18%増加した。即ち、扁平管20には圧力損失低減効果もある。
(7)特徴
(7−1)
上記実施形態では、熱交換器10は、長方形断面を有する扁平管20と、扁平多穴管40とを備える。扁平多穴管40は、長方形断面の長辺側において扁平管20と接する。扁平管20には、四角錐状の複数の第一ディンプル22aが形成されている。第一ディンプル22aの平面頂点が水の流れの上流側及び下流側に向くように第一ディンプル22aが形成されている。
水熱交換器10では、第一ディンプル22aの平面頂点が水の流れの上流側に向くので、ディンプルの前方では、水の流れとの衝突角度θ1が鋭角となり、淀みが減り、熱伝達がよくなっている。また、第一ディンプル22aの他の平面頂点が水の流れの下流側に向くので、第一ディンプル22aの後方では、水の流れとの迎え角θ2が減少することにより、流れの剥離と渦を抑制できる。その結果、死水域が減少し、有効伝熱面積が増大し、熱伝達率、即ち熱伝達性能が向上している。
(7−2)
上記実施形態では、水熱交換器10は、扁平管20と扁平多穴管40とが交互に積層された構成となっており、冷媒の熱を水に効率良く伝達している。
(7−3)
上記実施形態では、扁平管20は、互いに突き合う第2ディンプル22bが形成されている一対の金属プレート80により形成されており、扁平管20の厚み方向の変形を抑制している。
(7−4)
上記実施形態では、扁平管20内に形成された流路21の幅Wと長さLとの間に、5≦L/W≦30 (式1)の関係が成り立つように構成されている。
これにより、熱伝達率がより向上している。
(7−5)
上記実施形態では、扁平管20の流路21の長方形断面の短辺側の寸法Hと、ディンプルの高さhとの間に、0.1≦h/H≦0.6 (式2)の関係が成り立つように構成されている。
これにより、熱伝達率がより向上している。
(7−6)
上記実施形態では、水流体流路を流れる水のレイノルズ数が500以上、且つ、10000以下となるように構成されている。
これにより、熱伝達率がより向上している。
(7−7)
上記実施形態では、第1ディンプル22a同士の水の流れ方向の間隔Pxと第1ディンプル22aの水の流れ方向の寸法bとの間に、0.6≦Px/b≦2 (式3) の関係が成り立つように構成されている。
これにより、熱伝達率がより向上している。
(7−8)
上記実施形態では、第1ディンプル22a同士の水の流れ方向に直交する方向の間隔Pyと第1ディンプル22aの水の流れ方向に直交する方向の寸法aとの間に、1.3≦Py/a≦3 (式4)の関係が成り立つように構成されている。
これにより、熱伝達率がより向上している。
(8)変形例
(8−1)A
上記実施形態では、第1ディンプル22aの形状は、四角錐状の突起であった。しかし、他の実施形態においては、第1ディンプル22aは、六角錐、又は八角錐、等の四角以上の角錐状の突起であってもよい。この場合でも、第1ディンプルの平面頂点、即ち、角錐の角が水の流れに対向するように形成することにより、比較例に係るディンプル22aよりも水への熱伝達率が向上する。また、第1ディンプルの形状は円よりも角錐状であるほうが熱伝達の観点において好適であり、したがって、八角以下の角錐状であることが好ましい。
(8−2)B
上記実施形態では、第2ディンプル22bの形状は、四角錐状の突起であり、その平面頂点は、水の流れに直交する方向を向いていた。しかし、他の実施形態においては、第2ディンプル22bの形状は、六角錐、又は八角錐、等の他の形状でもよく、その平面頂点が、水の流れの上流側及び下流側を向いていてもよい。
10 水熱交換器
20 扁平管(水流体流路)
22a 第1ディンプル(ディンプル)
22b 第2ディンプル(凸部)
40 扁平多穴管(冷媒流体流路)
80 金属プレート(プレス加工板)
84 周縁部(周縁)
特開2003−185362号公報

Claims (5)

  1. 一対のプレス加工板(80)の周縁(84)を重ね合わせて形成される、長方形断面の水流体流路(20)と、
    前記長方形断面の長辺側において前記水流体流路と接する冷媒流体流路(40)と、
    を備え、
    前記水流体流路には、四角以上且つ八角以下の角錐状の複数のディンプル(22a)が形成されており、
    前記ディンプルの平面頂点が水の流れの上流側及び下流側に向くように前記ディンプルが形成されており、
    前記プレス加工板は、その前記長方形断面の長辺側を構成する面に前記ディンプルとは別に凸部(22b)が形成されており、
    前記一対のプレス加工板を重ね合わせて前記水流体流路を形成すると、前記凸部同士が突き合い、
    前記水流体流路の幅Wと長さLとの間に、
    5≦L/W≦30 (式1)
    の関係が成り立ち、
    且つ、
    前記長方形断面の短辺側の寸法Hと、前記ディンプルの高さhとの間に、
    0.1≦h/H≦0.6 (式2)
    の関係が成り立つ、
    水熱交換器(10)。
  2. 前記水流体流路と前記冷媒流体流路とは、交互に積層されるように組み合わされて一体となっている、
    請求項1に記載の水熱交換器(10)。
  3. 前記水流体流路を流れる水のレイノルズ数が500以上、且つ、10000以下である、
    請求項1又は2に記載の水熱交換器(10)。
  4. 前記ディンプル同士の水の流れ方向の間隔Pxと前記ディンプルの前記水の流れ方向の寸法bとの間に、
    0.6≦Px/b≦2 (式3)
    の関係が成り立つ、
    請求項1〜3のいずれかに記載の水熱交換器(10)。
  5. 前記ディンプル同士の水の流れ方向に直交する方向の間隔Pyと前記ディンプルの前記水の流れ方向に直交する方向の寸法aとの間に、
    1.3≦Py/a≦3 (式4)
    の関係が成り立つ、
    請求項1〜4のいずれかに記載の水熱交換器(10)。
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