JP6028316B1 - ソーラパネル発電装置及びそのソーラパネル発電装置におけるソーラパネル部の傾斜角度調整方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、太陽光エネルギーを電力に変える太陽電池パネルが種々開発され、広く使われるようになっている。
そして太陽電池パネル装置を太陽光の当る場所に設置し、日の出から日没までの間に発電を行うことができる。
このような太陽電池パネルを使った太陽電池パネル発電装置は、従来、数多く提供されてきている。
これは、ソーラパネル部の角度は固定した後、更に変更できるメリットがあり、太陽光の高さに合わせて、その都度、変更することができる。
しかし、一旦固定すると変更するまでは、その角度が維持されるので、太陽の動きに合わせて、多数回、調整しなければならない難点がある。
この装置は、太陽電池を平板状に配列したソーラパネル部を仰角方向に傾動し得るようにした仰角傾動機構と、ソーラパネル部を支持して方位角方向に回動し得るようにした方位角回動機構とを備え、2枚のソーラパネル部を互いに向き合うように緩やかな角度で傾斜させた一対のソーラパネル部を2対設け、一方対のソーラパネル部と方位角方向に向き合うように配列し、他方対の1対のソーラパネル部を仰角方向に向き合うように配列し、前記一方対のソーラパネル部の出力の差を最少にするように、前記仰角傾動機構を制御する制御装置を設けたものである。
これは、自動的に太陽光の方向を検出して追尾することができる効果がある。
ところが、多数のソーラパネル部を並べて一様にその傾斜角度を変えると、相互に隣接する一方のソーラパネル部の影が他方のソーラパネル部を被う現象が生じる。
すなわち、日の出近くにおける太陽光が低い位置(角度が小さい)にある場合は、影が長くなり、隣接するソーラパネル部の上を被うことになるのである。
同様に日の入り近くにおける太陽光が低い位置(角度が小さい)にある場合にも、影が長くなり、隣接するソーラパネル部の上を被うのである。
このように日の出や日の入りにおける太陽光の影が発電効率を妨げる難点がある。
すなわち、本発明は、日の出や日の入りにおいて太陽が低い位置にある場合にも、隣接するパネルの影を極力避けて太陽光を受光でき、より効率よい発電が可能なソーラパネル発電装置及びその傾斜角度調整方法を提供するものである。
そのため太陽追従機能を十分発揮できる。
またパーツが少ないため全体が軽くなり現場での組み立てが容易に行える。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。 また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
尚、支持バー2は、ソーラパネル部1の一方側だけ示した。
すなわち−角度方向とは、逆傾斜を、また角度方向とは順傾斜を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係るソーラパネル発電装置Aは、ソーラパネル部1と、ソーラパネル部1の両端を枢支する支持バー2と、該ソーラパネル部1に垂下状に設けられた垂下部13と、垂下部13の下部を搖動させる移動バー3と、移動バー3を動かす駆動部と、よりなるものであり、太陽追従機能を有する。
移動バー3を動かすための駆動部は、電動シリンダ5が用いられており、この一端部が支持バー2に枢着され、他端部が移動バー3に枢着されている。
更に具体的にいうと、平面状で矩形の各ソーラパネル部1は、ソーラパネル本体11の周辺部下部に矩形の基台12を備えている。
そのため風通しも良く、隣接するソーラパネル部1の影による悪影響を受け難い。
そして、各ソーラパネル部1は、その片端に板状の垂下部13(詳しくは基台12に設けられている)が設けられている。
この垂下部13は、例えば、図に示すようにT字状に形成されているが、必ずしもこの形には拘束されない。
そのためソーラパネル部1は容易に傾斜角度を変えることができる。
また、各ソーラパネル部1の垂下部13の下端は移動バー3に各々枢支されている。
すなわち、移動バー3は、ソーラパネル部1の垂下部13を介し、しかも一定距離をおいて支持バー2に取り付けられていることになる。
すなわちソーラパネル部1の傾斜角度が変化するのである。
このように、ソーラパネル部1の傾斜角度(回動角度)は、容易に変えることができる。
すなわち一方側の支持バー2が他方側の支持バー2より地面等からの高さが高く設定されている。
そのためソーラパネル部1を長尺方向に傾かせることができ、その傾き方向を南側に向かせることにより、極力、太陽からの受光が効率よく行われる。
本発明のソーラパネル発電装置Aは、上述したように、バー構造(ラーメン構造)によりできているので空間が多く、風通しが極めて良好である。
そのためソーラパネル部1の加熱を極力防止することができ、また空間が多いので重量的にも極めて軽い。
なお、バー構造の材質としては、アルミ、鉄、強化プラスチック(FRP、CRP等)等が採用される。
そのため現場でボルト等の固定部品を用いてソーラパネル発電装置Aを組み付けることが可能で極めて有用である。
なお、ソーラパネル部1により発電された電力は図示しないパワーコンデショナを介して送電される。
先述したように、この電動シリンダ5は、その一端が固定した支持バー2に枢着され、他端が移動バー3に枢着されている。
電動シリンダ5を伸縮させて移動バー3を往復運動させることができ、移動バー3の動きにより、垂下部13を介してソーラパネル部1が回動する。
すなわち、各ソーラパネル部1の傾斜角度を同期させて−角度方向或いは+角度方向に動かすことができる。
電動シリンダ5の配線は支持バー2或いは枠体4に沿って配線(図示省略)され、そして図示しない制御部に接続されている。
後述するように、センサーS(S1、S2)からの信号を受け、制御部によって電動シリンダ5を駆動させ、その結果、ソーラパネル部1はパターン通りに回動して傾斜角度が変わる。
この傾斜角度の変更は、一定時間毎に段階的に行うことができる。
一つのソーラパネル部1の端部(垂下部13とは反対側)から分度メモリー板6が垂直に取り付けられている。
図4に示すように、分度メモリー板6は半円状のものでソーラパネル部1の端部に垂直に取り付けられている。
この分度メモリー板6の表面には、検出の対象となる直方体状の検出部(例えばステンレス製)が複数個、放射状に設けられている。
放射状の角度は、傾斜角度の段階的な変更単位(例えば、6.4度等)になっている。
なお、図1、図2及び図3における検出体は、概略的に示したものである。
この検出体Mは、短い短検出体M1とそれより長い長検出体M2とよりなり、分度メモリー板6にはそれらが混ざって設けられている。
一方、この分度メモリー板6に対向する位置に、センサーS(S1、S2)が、間隔を空けて上下に一対設けられている。ここではセンサーとしては、近接センサーが用いられる。
具体的には、枠体4より延設されたセンサー取付けバー41を介して、下部センサーS1と上部センサーS2とが設けられている。
例えば、下部センサーS1は順傾斜の制御に使われ、短検出体M1と長検出体M2とを感知する。また上部センサーS2は逆傾斜の制御に使われ、長検出体M2を感知する。
なお、長検出体M2は、短くして上下に間隔を置いて短検出体M1を2つ配置するようにしてもよい。
その場合、下部センサーS1は下側にある短検出体M1を感知し、上部センサーS2は上側にある短検出体M1を感知することとなる。
今、ソーラパネル部1が、ある角度を保って静止している状態で一定時間(例えば29分40秒)経過すると、その後、動き出し短時間(例えば20秒)で角度が変化していき(例えば、6.4度)、下部センサーS1で短検出体M1を確認して停止する。
そして一定時間(例えば29分40秒)経過すると、また動き出して短時間(例えば20秒)で角度が変化していき(例えば、6.4度)、下部センサーS1で更に次の短検出体M1を確認して停止する。
以下、同様に一定時間毎にそのような動作が繰り替えされる。
ソーラパネル部1の傾斜のパターンは、分度メモリー板6の各検出体の配置態様により異なる。
ソーラパネル部1の傾斜のパターンを変える場合は、分度メモリー板6をソーラパネル部1の端部より取り外し、新しい別の傾斜のパターンに対応する分度メモリー板6と交換すればよい。
分度メモリー板6はソーラパネル部1の端部に対して、例えばネジボルト等の固定具を使って着脱自在に取り付けられているので、その交換は簡単に行うことができる。
従って、傾斜のパターンを変更したい場合は、異なるタイプの分度メモリー板6に交換すればよい。
尚、その際、ソーラパネル部1の端部を支持バー2から分度メモリー板6と共に取り外すこととなる。
次に、ソーラパネル発電装置Aを使って行うソーラパネル部1の傾斜角度調整方法について説明する。
図6は、ソーラパネル部1の傾斜角度調整方法を示す工程図である。
このソーラパネル部1の傾斜角度調整方法は、基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を−角度方向に動かす逆傾斜工程、ソーラパネル部1の傾斜角度を+角度方向に動かす順傾斜工程、及びソーラパネル部1の傾斜角度を−角度方向に動かす逆傾斜工程とよりなる。
このような工程を順次経ることで太陽光を効率良く受光することができることとなる。
ここで、+角度方向とは、図3でいう右周りの方向(すなわち時計回り)であり、−角度方向とは、左周り方向(反時計回り)である。
ソーラパネル部1の傾斜角度調整方法は、逆傾斜工程→順傾斜工程→逆傾斜工程と順次経ることにより達成できる。
次にソーラパネル発電装置Aにおけるソーラパネル部1の傾斜角度調整方法をより具体的に説明する。
(1)ソーラパネル部1の傾斜角度を0角度とする第1工程(0傾斜工程)
(2)ソーラパネル部1の傾斜角度を−角度を増やす方向に一定時間毎に段階的に(連続的に)傾斜させていく第2工程(逆傾斜工程)
(3)ソーラパネル部1の傾斜角度を−角度を減らす方向に一定時間毎に段階的に傾斜させていく第3工程(順傾斜工程)
(4)ソーラパネル部1の傾斜角度を0傾斜する第4工程(0傾斜工程)
(5)ソーラパネル部1の傾斜角度を+角度を増やす方向に一定時間毎に段階的に傾斜させていく第5工程(順傾斜工程)
(6)ソーラパネル部1の傾斜角度を+角度を減らす方向に一定時間毎に段階的に傾斜させていく第6工程(逆傾斜工程)
(7)基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を0傾斜する第7工程(0傾斜工程)
尚、図において紙面垂直方向が南北方向で太陽は東から上り西に沈むとする。
次に、これらの工程について更に詳しく説明する。
(1)前日18時45分〜6時15分(30分間)0度
日の出が近くなり太陽の高さは極端に低くなる(すなわち仰角が小さい)ので、隣接するソーラパネル部1の影が長く伸びないようにする。
すなわちこの間は、太陽の高さが低いので影が長く伸びないように、基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を0度とする。
なお、参考までに、図8において太陽の影となる領域を点描写で示した。
日の入り付近の太陽が低い位置にある時間帯は、ソーラパネル部1による影が長く伸び隣接するソーラパネル部1の上を被うので、それを回避しなければならない。
順方向に傾斜させていくと太陽が高くなっていくに従がって、隣接するソーラパネル部1の影が伸びてくるので、それを避けるため逆方向に傾斜させていく。
すなわち基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を−角度を増やす方向に一定時間毎に段階的に傾斜させていく。
(2)〜(6)においては、30分毎に傾斜角度を最初は6.4度にし、次から6.4度ずつ大きくしていき、最後は32度にする。
(2)6時15分〜6時45分(30分間)6.4度
(3)6時45分〜7時15分(30分間)12.8度
(4)7時15分〜7時45分(30分間)19.2度
(5)7時45分〜8時15分(30分間)25.6度
(6)8時15分〜8時45分(30分間)32度・・・最大傾斜角
太陽が高くなっていくに従がって、隣接するソーラパネル部1の影が短くなるため、照射を効率よく受けるべく順方向に傾斜させていく。
すなわち基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を−角度を減らす方向に一定時間毎に段階的に傾斜させていく。
次のように、(7)〜(12)においては、30分毎に傾斜角度を最初は25,6度にし、次から6,4度ずつ小さくしていき、最後は6.4度にする。
(7)8時45分〜9時15分(30分間)25.6度
(8)9時15分〜9時45分(30分間)32度
(9)9時45分〜10時15分(30分間)25.6度
(10)10時15分〜10時45分(30分間)19.2度
(11)10時45分〜11時15分(30分間)12.8度
(12)11時15分〜11時45分(30分間)6.4度
太陽が一番高く、真上になるので効率よく太陽光を受光すべくソーラパネル部1の斜角度を0度とする。
すなわち基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を0傾斜に保つ。
(13)11時45分〜12時15分(30分間)0度
太陽が徐々に低くなっていくので、それに合わせて、光を効率よく受光すべく順方向に傾斜させていく。
すなわち基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を+角度を増やす方向に一定時間毎に段階的に傾斜させていく。
次のように、(14)〜(20)においては、30分毎に傾斜角度を最初は6.4度にし、次から6.4度ずつ大きくしていき、最後は44.8度(最大傾斜角)にする。
(14)12時15分〜12時45分(30分間)6.4度
(15)12時45分〜13時15分(30分間)12.8度
(16)13時15分〜13時45分(30分間)19.2度
(17)13時45分〜14時15分(30分間)25.6度
(18)14時15分〜14時45分(30分間)32度
(19)14時45分〜15時15分(30分間)38.4度
(20)15時15分〜15時45分30分間)44.8度・・・最大傾斜角
日の入り付近の太陽が低い位置(仰角10度)にある時間帯は、ソーラパネル部1による影が長く伸び隣接するソーラパネル部1の上を被うので、それを回避しなければならない。
順方向に傾斜させていくと太陽が低くなっていくにしたがって、隣接するソーラパネル部1の影が長くなるので、逆方向に傾斜させていく。
すなわち基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を+角度を減らす方向に一定時間毎段階的に傾斜させていく。
(21)〜(26)においては、30分毎に傾斜角度を最初は38.4度にし、次から、6.4度ずつ小さくしていき、最後は6.4度とする。
(21)15時45分〜16時15分(30分間)38.4度
(22)16時15分〜16時45分(30分間)32度
(23)16時45分〜17時15分(30分間)25.6度
(24)17時15分〜17時45分(30分間)19.2度
(25)17時45分〜18時15分(30分間)12.8度
(26)18時15分〜18時45分(30分間)6.4度
(27)18時45分〜翌日6時15分(30分間)0度
日の入りが近くなり太陽の高さが極端に低くなるので、隣接するソーラパネル部1の影が長く伸びないようにする。
すなわちこの間は、太陽の高さが低いので影が長く伸びないように、基台12のソーラパネル部1の傾斜角度を0度とする。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
駆動部である電動シリンダ5は、アキュームレータを使った油圧シリンダ等の採用も可能である。
また支持バー2に枢支されたソーラパネル部1の数は限定されない。
また分度メモリー板6は、視認し易い点や交換し易い点から、最前の位置にあるソーラパネル部1に取り付けるのが好ましいが、中間の位置にあるソーラパネル部1に取り付けてもよい。
また傾斜の仕方は、30分毎にするのが好ましいが、傾斜のパターンによって、それ以外の時間にすることも当然可能である。
また傾斜角度の段階的な変更単位は、6.4度で述べたが、異なる角度でも可能である。
ソーラパネル部1の傾斜角度を隣接するソーラパネル部1による影の影響を極力受けないように、ソーラパネル部1の傾斜角度を段階的に変えていく手法を採用しており、これらは太陽光を効率よく受光する技術について広く適用可能である。
11・・・ソーラパネル本体
12・・・基台
13・・・垂下部
2・・・支持バー
3・・・移動バー
4・・・枠体
41・・・センサー取付けバー
5・・・電動シリンダ
6・・・分度メモリー板
A・・・ソーラパネル発電装置
M・・・検出体
M1・・・短検出体
M2・・・長検出体
S・・・センサー
S1・・・下部センサー
S2・・・上部センサー
Claims (4)
- ソーラパネル部と、ソーラパネル部の両端を枢支する支持バーと、該ソーラパネル部に垂下して設けられた垂下部と、該垂下部の下部を搖動させる移動バーと、移動バーを動かす駆動部と、よりなり、支持バーが枠体により支持されており、
駆動部は、一端を支持バーに枢着し、他端を移動バーに枢着した電動シリンダであって、
移動バー及び垂下部はソーラパネル部の片端にのみ設けられており、
ソーラパネル部の垂下部とは反対側の端部に分度メモリー板が垂直に設けられており、該分度メモリー板に対向して該分度メモリー板を感知するセンサーが設けられており、
隣接するソーラパネル部同士の間に影防止のため一定の間隔を空けたことを特徴とするソーラパネル発電装置。 - 分度メモリー板が着脱可能となっていることを特徴とする請求項1記載のソーラパネル発電装置。
- 請求項1に記載のソーラパネル発電装置におけるソーラパネル部の傾斜角度調整方法であって、
基台のソーラパネル部の傾斜角度を−角度方向に一定時間毎に段階的に動かす逆傾斜工程、
基台のソーラパネル部の傾斜角度を+角度方向に一定時間毎に段階的に動かす順傾斜工程、
及び基台のソーラパネル部の傾斜角度を−角度方向に一定時間毎に段階的に動かす逆傾斜工程、
の各工程を順次遂行するソーラパネル部の傾斜角度調整方法。 - 一定時間が30分であることを特徴とする請求項3記載のソーラパネル発電装置におけるソーラパネル部の傾斜角度調整方法。
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