JP2010258369A - 太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システム - Google Patents

太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光追尾機構における動作軸の配置や構成に応じて、太陽光電池パネルによる高い発電効率を実現させるための太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システムを得ること。
【解決手段】太陽光に追尾して太陽光電池パネル1の傾きを変化させるための動作軸を備える機構に対して、動作軸を中心とする太陽光電池パネル1の回転角度を指示するための角度指令値を生成する角度指令値生成手段21を有し、太陽光電池パネル1の受光面の法線方向を表す単位ベクトルを第1単位ベクトル、太陽光電池パネル1を基準とする太陽の方位及び高度を表す単位ベクトルを第2単位ベクトル、として、角度指令値生成手段21は、第1単位ベクトル及び第2単位ベクトルの内積が最大となる角度指令値を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システムに関する。
太陽光のエネルギーを利用する太陽光発電システムは、環境への負荷を軽減でき、安全、かつ比較的簡単に利用可能である、などの観点により注目されている。太陽光電池パネルにより太陽光のエネルギーを電力へ変換させる変換効率の向上や、低コスト化のための開発により、太陽光発電システムは、従来用いられる他の発電システムに対するコスト競争力も向上している。太陽光発電システムとしては、建物の屋上や屋根に太陽光電池パネルを敷設するもののみならず、より多くの発電量を得るために地表に大規模なサイトを設けて発電システムとして構築し、従来の発電所に近いレベルのエネルギーを供給することも始められている。
太陽は、日の出から日の入りまで天球上を移動し(時角)、また季節によって高度(太陽赤緯)が変化する。このため、太陽光電池パネルの傾きを固定すると、時刻及び季節の変化に伴って、受光面に対する太陽光の傾きが変化することとなるために、発電効率の低下が課題となる。そこで従来、発電効率の向上を目的として、太陽光に追尾して太陽光電池パネルの傾きを変化させる太陽光追尾機構の技術が提案されている。
例えば、特許文献1及び2には、太陽光から太陽の位置を検出し、太陽光電池パネルの傾きを調整させる技術が提案されている。例えば、特許文献3及び4には、緯度、経度、時刻を用いて太陽の方位及び高さを計算し、太陽光電池パネルの傾きを調整させる技術が提案されている。太陽光電池パネルは、時角に対応させて動作させる追尾軸と、太陽赤緯に対応させて動作させる傾斜軸と、を備える機構によって、傾きが調整される。例えば、特許文献5には、南北方向の動作軸回りに太陽光電池パネルを回転可能とし、太陽光の輻射熱により膨張する作動液の圧力により太陽光電池パネルを東西方向へ駆動させる技術が提案されている。
特開平10−117007号公報 特開平6−151934号公報 特開2007−281058号公報 特開2002−202817号公報 特開平6−301420号公報
特許文献1及び2の技術の場合、センサや太陽光電池パネル自身を使用して太陽光を検出することから、曇天であるときや、太陽光以外の光が入射する可能性がある環境では、太陽光電池パネルを太陽に正対させる調整が困難となる場合がある。特許文献5の技術の場合も同様に、周囲の環境による影響が及ぶ場合があり得る。
特許文献3の技術では、傾斜軸に対して追尾軸を鉛直下側に配置することにより、太陽光電池パネルを太陽に正対させる調整が可能となる。傾斜軸回りの機構系の質量及び慣性は、追尾軸の負荷となる。機構のパワーと負荷トルクの観点からすると、追尾軸は、傾斜軸に対して動作が高速、かつ負荷トルクが大きくなる。特許文献3の技術の場合、傾斜軸に対して追尾軸が鉛直上側に配置される場合に比べて、大出力のモータ等が必要となる。太陽光電池パネルを動作させる2つの動作軸を要する上、大出力のモータ等が必要となることで、高コストになることが課題となる。
特許文献5の技術の場合、太陽光電池パネルを動作させる動作軸を1つにできる一方、角速度を一定として太陽光電池パネルを動作させる場合に、発電効率が低下することが課題となる。特許文献4の場合、傾斜軸に対して追尾軸が鉛直上側に配置する構成にできる一方、角速度を一定として太陽光電池パネルを動作させる場合に、発電効率が低下することが課題となる。
本発明は、上述に鑑みてなされたものであって、太陽光追尾機構における動作軸の配置や構成に応じて、太陽光電池パネルによる高い発電効率を実現させるための太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、太陽光に追尾して太陽光電池パネルの傾きを変化させるための動作軸を備える機構に対して、前記動作軸を中心とする前記太陽光電池パネルの回転角度を指示するための角度指令値を生成する角度指令値生成手段を有し、前記太陽光電池パネルの受光面の法線方向を表す単位ベクトルを第1単位ベクトル、前記太陽光電池パネルを基準とする太陽の方位及び高度を表す単位ベクトルを第2単位ベクトル、として、前記角度指令値生成手段は、前記第1単位ベクトル及び前記第2単位ベクトルの内積が最大となる前記角度指令値を生成することを特徴とする。
本発明によれば、太陽光追尾機構における動作軸の配置や構成に応じて、太陽光電池パネルによる高い発電効率を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る太陽光発電システムの概略構成図である。 図2は、実施の形態1での説明に使用する座標系を示す図である。 図3は、比較例1における太陽光電池パネルの傾きの変化を説明する図である。 図4は、比較例2における太陽光電池パネルの傾きの変化を説明する図である。 図5は、角度指令値ξを解いた計算例を表すグラフである。 図6は、角度指令値ξに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。 図7は、角度指令値ξ、ψの計算例を表すグラフである。 図8は、角度指令値ξと、角度指令値ψの計算例とを表すグラフである。 図9は、角度指令値ξ、ψに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。 図10は、実施の形態3に係る太陽光発電システムの太陽光電池パネルの傾きの変化を説明する図である。 図11は、角度指令値ξに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。 図12は、受光面を水平にさせた状態を基本姿態とする場合の、太陽光電池パネルの傾きの変化を説明する図である。 図13は、角度指令値ξを解いた計算例を表すグラフである。 図14は、角度指令値ξに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。
以下に、図面に基づいて、本発明に係る太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システムの実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る太陽光発電システムの概略構成図である。太陽光発電システムは、太陽光電池パネル1と、太陽光追尾装置2とを備える。太陽光電池パネル1は、太陽光を受ける受光面を備える。太陽光電池パネル1は、太陽光が受光面へ入射することにより発電する。太陽光追尾装置2は、太陽光追尾機構3と、制御装置4と、を備える。太陽光追尾機構3は、太陽光に追尾して太陽光電池パネル1の傾きを変化させるための機構である。制御装置4は、太陽光追尾機構3の駆動を制御する太陽光追尾機構制御装置(太陽光追尾機構制御手段)として機能する。制御装置4は、太陽の方位及び高度に応じて、太陽光電池パネル1の受光面が太陽に正対するように、太陽光追尾機構3の駆動を制御する。
太陽光追尾機構3は、太陽光電池パネル1の傾きを変化させる追尾軸11及び傾斜軸12を備える。追尾軸11は、主に、時角に対応させて太陽光電池パネル1の傾きを変化させるための動作軸として機能する。傾斜軸12は、主に、太陽赤緯に対応させて太陽光電池パネル1の傾きを変化させるための動作軸として機能する。また、太陽光追尾機構3は、追尾軸用モータ13、傾斜軸用モータ14、追尾軸用減速器15、傾斜軸用減速器16、追尾軸フレーム17、及び傾斜軸フレーム18を備える。さらに、太陽光追尾機構3は、太陽光電池パネル1の追尾軸11回りの回転角度を検出する回転角度検出部(図示省略)と、太陽光電池パネル1の傾斜軸12回りの回転角度を検出する回転角度検出部(図示省略)とを備える。
追尾軸用モータ13は、追尾軸11を回動させる。追尾軸用減速器15は、追尾軸用モータ13の回転を減速させる。追尾軸フレーム17は、追尾軸11を中心として太陽光電池パネル1が回動可能であるように、太陽光電池パネル1を支持する。傾斜軸用モータ14は、傾斜軸12を回動させる。傾斜軸用減速器16は、傾斜軸用モータ14の回転を減速させる。傾斜軸フレーム18は、追尾軸フレーム17により支持された太陽光電池パネル1が傾斜軸12を中心として回動可能であるように、追尾軸フレーム17を支持する。さらに、太陽光追尾機構3は、追尾軸用モータ13及び傾斜軸用モータ14用のアンプ19を備える。
太陽光追尾機構3において、追尾軸11は、傾斜軸12に対して鉛直上側に搭載されている。太陽光発電システムは、追尾軸11を南北方向、傾斜軸12を東西方向にそれぞれ一致させて敷設される。太陽光発電システムは、例えば、傾斜軸フレーム18を台座として敷設される。なお、太陽光発電システムは、傾斜軸フレーム18を支持する台座を設けることとしても良い。
制御装置4は、角度指令値生成手段21、太陽位置計算手段22、及び計時手段23を備える。角度指令値生成手段21は、太陽光追尾機構3に対して、追尾軸11及び傾斜軸12を中心とする太陽光電池パネル1の回転角度を指示するための角度指令値を生成する。太陽位置計算手段22は、太陽光発電システムが敷設された場所の緯度及び経度と、時刻情報とに基づいて、太陽の方位及び高度を計算する。計時手段23は、年月日及び時刻を含む時刻情報を出力する。なお、各実施の形態において、緯度及び経度は、太陽光発電システムが敷設される場所に応じて制御装置4に設定される他、例えば、GPS機能を用いて取得することとしても良い。時刻情報は、計時手段23から得る他、例えば、電波時計を用いて取得することとしても良い。
図2は、本実施の形態での説明に使用する座標系を示す図である。xyz座標系は、水平面がxy平面であって、x軸のプラス方向を南、y軸のプラス方向を東、xy平面に垂直なz軸のプラス方向を鉛直上方向とする。x軸は、追尾軸11を表している。y軸は、傾斜軸12を表している。ベクトルiは、x軸プラス方向を表す単位ベクトルとする。ベクトルjは、y軸プラス方向を表す単位ベクトルとする。ベクトルkは、z軸プラス方向を表す単位ベクトルとする。
x軸回りにおける角度θの回転変換行列Eiθ、y軸回りにおける角度θの回転変換行列Ejθ、z軸回りにおける角度θの回転変換行列Ekθは、それぞれ式(1)、(2)、(3)のように定められる(回転変換行列については、例えば、広瀬著、「ロボット工学」、裳華房、1987年、p.5〜8、参照)。なお、角度θは、それぞれのベクトル方向に対して右ネジ回りをプラスとする。
Figure 2010258369
太陽光電池パネル1を基準とする太陽の方位及び高度を表す単位ベクトル(第2単位ベクトル)をベクトルsとすると、ベクトルsは、式(4)のように定義される。
s=Ejλiθjδ(k)
=(cos(λ)sin(δ)+cos(δ)cos(θ)sin(λ) −cos(δ)sin(θ) cos(δ)cos(θ)cos(λ)−sin(δ)sin(λ)) (4)
但し、θは、時角であって、南中を0度、東向きを−90度、西向きを90度、とする。δは、太陽赤緯であって、夏側を負、冬側を正、とする。λは、太陽光発電システムの敷設場所の緯度とする。なお、各実施の形態において、時角及び太陽赤緯は、例えば、新太陽エネルギー利用ハンドブック編集委員会編、「新太陽エネルギー利用ハンドブック」、日本太陽エネルギー学会、2001年、p.1〜7、に掲載されている式を用いて計算される。この他、時角及び太陽赤緯の計算には、従来提案されている他の近似式を用いても良い。また、時角及び太陽赤緯は、予め計算された値を補間することにより得ることとしても良い。
次に、太陽光電池パネル1の発電効率について説明する。太陽光電池パネル1の受光面の法線方向を表す単位ベクトル(第1単位ベクトル)をベクトルnとする。太陽光電池パネル1の発電に関する幾何学的効率は、ベクトルnとベクトルsとが平行であるときが最大となり、ベクトルnとベクトルsとが互いに垂直であるときが最小となる。そこで、式(5)に示すように、ベクトルnとベクトルsとの内積を、幾何学的効率ηと定義する。なお、ベクトルn及びベクトルsがいずれも単位ベクトルであるため、幾何学的効率ηの最大値は1、最小値は0、となる。
η=n・s (5)
ここで、本実施の形態により生成される角度指令値について説明する前に、本実施の形態の比較例1により生成される角度指令値について説明する。図3は、比較例1における太陽光電池パネル1の傾きの変化を説明する図である。比較例1は、傾斜軸12に対して追尾軸11が鉛直下側に配置された機構により太陽光電池パネル1の傾きを変化させる例であって、例えば、上記の特許文献3の構成に相当する。図3の(a)は、受光面を水平にさせた初期状態の太陽光電池パネル1を表す。
図3の(b)は、初期状態から、式(2)に従って、y軸回りに角度λだけ太陽光電池パネル1を回転させた第1の状態を表す。ここで、λは、太陽光電池パネル1が設置された地点の緯度とする。比較例1では、太陽光電池パネル1、追尾軸11、傾斜軸12は、かかる第1の状態を基本姿態として据え付けられるとする。
図3の(c)は、第1の状態から、式(1)に従って、追尾軸11(x軸)回りに角度ξだけ太陽光電池パネル1を回転させた第2の状態を表す。図3の(d)は、第2の状態から、式(2)に従って、傾斜軸12(y軸)回りに角度ψだけ太陽光電池パネル1を回転させた第3の状態を表す。追尾軸11を中心とする角度指令値がξ、傾斜軸12を中心とする角度指令値がψであるとして、第3の状態におけるベクトルnは、式(6)のように表される。
n=Ejψiξjλ(k)=(cos(ψ)sin(λ)+cos(λ)cos(ξ)sin(ψ) −cos(λ)sin(ξ) cos(λ)cos(ξ)cos(ψ)−sin(λ)sin(ψ)) (6)
ここで、
ξ=θ (7)
ψ=−δ (8)
とする。但し、θは、時角であって、南中を0度、東向きを−90度、西向きを90度、とする。δは、太陽赤緯であって、夏側を負、冬側を正、とする。λは、太陽光発電システムの敷設場所の緯度とする。
比較例1の場合、追尾軸11回りについては、ξには単純に時角θを計算して入力し、駆動すれば良い。傾斜軸12回りについては、ψにその日の太陽赤緯δを計算して入力し、一日の間、値を固定すれば良い。これらの角度指令値を用いることにより、太陽光電池パネル1は、基本的に、受光面が常に太陽に正対するように駆動させることができる。従って、幾何学的効率は、終日、最大値1とすることが可能となる。また、角度指令値ξ、ψはいずれも簡単に算出可能であって、角速度を一定として太陽光電池パネル1を動作させることができる。
傾斜軸12回りの機構系の質量及び慣性は、追尾軸11の負荷となる。傾斜軸12は1/4年の間に約23.5度回転させるのに対して、追尾軸11は毎時約15度回転させることから、傾斜軸12の角速度は、追尾軸11の角速度に対して極めて低速である。機構のパワーと負荷トルクの観点からすると、追尾軸11は、傾斜軸12に対して動作が高速、かつ負荷トルクが大きくなる。このことから、比較例1の場合、傾斜軸12に対して追尾軸11が鉛直上側に配置される場合に比べて、大出力のモータ等が必要となる。太陽光電池パネル1を動作させる2つの動作軸を要する上、大出力のモータ等が必要となることで、高コストになることが課題となる。
次に、本実施の形態の比較例2において生成される角度指令値について説明する。図4は、比較例2における太陽光電池パネル1の傾きの変化を説明する図である。比較例2は、傾斜軸12に対して追尾軸11が鉛直上側に配置された機構により太陽光電池パネル1の傾きを変化させる例であって、例えば、上記の特許文献2の構成を、特許文献4の技術により制御する場合とする。図4の(a)は、受光面を水平とさせた初期状態の太陽光電池パネル1を表す。
図4の(b)は、初期状態から、式(2)に従って、傾斜軸12(y軸)回りに角度ψだけ太陽光電池パネル1を回転させた第1の状態を表す。図4の(c)は、第1の状態から、式(1)に従って、追尾軸11(x軸)回りに角度ξだけ太陽光電池パネル1を回転させた第2の状態を表す。追尾軸11を中心とする角度指令値がξ、傾斜軸12を中心とする角度指令値がψであるとして、第2の状態におけるベクトルnは、式(9)のように表される。
n=Eiξjψ(k)=(cos(ξ)sin(ψ) −sin(ξ) cos(ξ)cos(ψ)) (9)
角度ψは太陽南緯に合わせることとするため、ψは式(10)のように表される。
ψ=λ−δ (10)
式(9)に式(10)を代入することにより、ベクトルnは、式(11)のように表される。
n=Eiξj(λ−δ)(k)=(−cos(ξ)sin(δ−λ) −sin(ξ) cos(δ−λ)cos(ξ)) (11)
式(11)及び式(4)を式(5)に代入して得られた幾何学的効率をηとする。幾何学的効率ηが最大となるときの角度指令値ξは、以下の式(12)をξについて解くことで得られる。
Figure 2010258369
図5は、角度指令値ξを解いた計算例を表すグラフである。この計算例における設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
月日:6月21日(夏至)
図5の(a)は、式(12)をξについて解いて得られた値のうち、太陽が地平線上に出ているときの値をプロットしたものである。朝方においてξが−90度以下となる区間と、夕方においてξが90度以上となる区間とは、計算上、太陽光電池パネル1の受光面の法線が地平線より下向きとなる状態を表している。ここでは、ξが−90度以下となる区間は−90度に、ξが90度以上となる区間は90度に設定するものとしてプロットしている。それ以外の区間のプロットは、実線で表すように、直線近似が可能である。
図5の(b)は、図5の(a)における直線近似とξとの差Δξを拡大して表したものである。図5の(b)に示すように、Δξは、時刻の経過により変化する。従って、比較例2の場合、幾何学的効率ηを最大とするには、追尾軸11回りにおける角速度は一定とはならず、時刻の経過により変化させることとなる。
図6は、角度指令値ξに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。図6の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
グラフ中、破線は、比較例2についての幾何学的効率ηの計算例を表す。実線は、上記の比較例1についての幾何学的効率ηの計算例を表している。比較例1の場合、春分、夏至、冬至のいずれも幾何学的効率ηは1となる。この場合、年間を通して幾何学的効率ηを1とすることが可能である。これに対して、比較例2の場合、幾何学的効率ηは、春分において1となる他、夏至及び冬至では低下している。このように、比較例2では、春分以外の日において、比較例1よりも幾何学的効率ηが低下する場合があることとなる。
上記の特許文献4の技術の場合、日中に太陽が移動する角度を均等に分割し、分割された角度ずつ、適当な時間間隔で太陽光電池パネル1を動作させる。また、南中の高度差についても均等に分割し、太陽光電池パネル1は、分割された角度ずつ、適当な日数間隔で太陽光電池パネル1を動作させる。比較例2の場合、追尾軸11回り、傾斜軸12回りにおける角速度を一定とすると、図6に示すように、幾何学的効率が低下してしまうこととなる。
次に、本実施の形態において角度指令値生成手段21により生成される角度指令値について説明する。角度指令値生成手段21は、傾斜軸12に対して追尾軸11が鉛直上側に配置された太陽光追尾機構3に対して、以下に説明するような演算を実行する。
式(9)及び式(4)を式(5)に代入してられた幾何学的効率をηとする。角度指令値生成手段21は、η=1とおくことで、幾何学的効率が最大となるときの角度指令値ξ(第1の角度指令値)と、角度指令値ψ(第2の角度指令値)とを計算する。
図7は、角度指令値ξ、ψの計算例を表すグラフである。図中、角度指令値ξは実線、角度指令値ψは破線により表している。図7の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
角度指令値ξは、主に時角θに対応して変化する。追尾軸11回りにおける角速度は、春分において一定となる他、春分以外では時刻の経過により変化させる。角度指令値ψは、主に太陽南緯に対応して変化する。角度指令値ψは、一日の中で時刻の経過に伴い変化させる。なお、角度指令値生成手段21による演算は、本実施の形態の計算例における設定条件以外の緯度、経度、月日の場合も、本実施の形態の計算例と同様にできる。
このように、η=1として角度指令値ξ、ψを生成することで、傾斜軸12に対して追尾軸11を鉛直上側に配置する構成において、図6の破線で表した状態から実線で表した状態へ、幾何学的効率を向上させることが可能となる。これにより、太陽光追尾機構3における動作軸の配置や構成に応じて、太陽光電池パネル1による高い発電効率を実現できるという効果を奏する。
なお、角度指令値ξ、ψは、以下のように計算しても良い。式(9)及び式(4)を式(5)に代入することで得られた幾何学的効率ηを角度指令値ξ、ψで微分して、それぞれを0とする(式(13)、(14))。
Figure 2010258369
式(13)及び式(14)を連立させて、ξ及びψについて解くことにより、幾何学的効率を最大とする角度指令値ξ、ψが生成される。なお、本実施の形態では、追尾軸11を南北方向、傾斜軸12を東西方向にそれぞれ一致させて太陽光発電システムを敷設する場合について説明したが、これに限られない。太陽光発電システムを敷設する土地や建物の状況により、追尾軸11や傾斜軸12の方角を変更せざるを得ない場合であっても、角度指令値生成手段21は、本実施の形態で説明するように角度指令値ξ、ψを生成する。制御装置4は、追尾軸11及び傾斜軸12の配置や構成に応じて、最も高い発電効率となるように太陽光追尾機構3を制御する。これにより、太陽光発電システムを敷設する状況に応じて、発電効率の低下を最小限にとどめることが可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る太陽光発電システムは、追尾軸11及び傾斜軸12の少なくとも一方について、天頂を中心とする回転角度の範囲が±90度より小さいことを特徴とする。本実施の形態に係る太陽光発電システムの概略構成は、図1に示す実施の形態1に係る太陽光発電システムの概略構成と同様である。追尾軸11及び傾斜軸12の回転角度を±90度より小さくすると、太陽光電池パネル1を回動させる範囲を小さくする分、追尾軸フレーム17及び傾斜軸フレーム18を小型にでき、コストを低減させることが可能となる。また、構成を小型にできることにより、風力による負荷が軽減され、耐久性を向上させることも可能となる。
ここでは、傾斜軸12に対して追尾軸11が鉛直上側に配置され、かつ追尾軸11の角度ξの範囲が±90度より小さい太陽光追尾機構3について、傾斜軸12に対する角度指令値ψを生成する場合を例として説明する。角度指令値生成手段21は、太陽光追尾機構3に対して、以下に説明するような演算を実行する。
追尾軸11の角度ξの範囲が±ξst(0度<ξst<90度)とする。実施の形態1で説明した式(14)に±ξstを代入し、ψについて解くことにより、幾何学的効率が最大となるときの角度指令値ψを計算する。
図8は、角度指令値ξと、角度指令値ψの計算例とを表すグラフである。図中、角度指令値ξは実線、角度指令値ψは破線により表している。図8の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
ξst=45度
図9は、角度指令値ξ、ψに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。図9の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
グラフ中、破線は、角度ξの範囲±ξstに対して、図8に示す角度指令値ψを適用する本実施の形態の場合の幾何学的効率ηの計算例を表している。図中、実線は、本実施の形態に対する比較例であって、角度ξの範囲±ξstに対して、式(10)に従い太陽南緯に合わせて一定とした角度指令値ψを適用した場合の幾何学的効率ηの計算例を表している。本実施の形態と比較例とでは、春分と不図示の秋分とでは、幾何学的効率ηは略同じとなる。夏至と冬至とでは、朝方と夕方とにおいて、比較例よりも本実施の形態のほうが幾何学的効率ηは高くなる。本実施の形態の場合、比較例の場合よりも幾何学的効率ηを向上させる効果を得ることができる。これにより、追尾軸11及び傾斜軸12の少なくとも一方の回転角度が±90度より小さく制限される太陽光追尾機構3に対して、発電効率の低下を最小限にとどめる制御が可能となる。
角度指令値生成手段21による演算は、ξstが0度から90度までのいずれの角度である場合も、本実施の形態の計算例と同様にできる。角度指令値生成手段21による演算は、傾斜軸11の角度ψの範囲が±90度より小さい場合も、本実施の形態の計算例と同様にできる。角度指令値生成手段21による演算は、本実施の形態の計算例における設定条件以外の緯度、経度、月日の場合も、本実施の形態の計算例と同様にできる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係る太陽光発電システムの太陽光電池パネル1の傾きの変化を説明する図である。本実施の形態に係る太陽光発電システムは、傾斜軸12が設けられず、動作軸として追尾軸11の1軸のみを備えることを特徴とする。本実施の形態に係る太陽光発電システムの概略構成は、傾斜軸12と、傾斜軸12を駆動させるための構成とが省略される他は、上記の実施の形態1に係る太陽光発電システムの概略構成と同様である。太陽光発電システムは、追尾軸11を南北方向に一致させて敷設される。動作軸として追尾軸11の1軸のみを備えることにより、太陽光追尾機構3を簡易かつ小型な構成にでき、コストを低減させることが可能となる。また、構成を簡易かつ小型にできることにより、風力による負荷が軽減され、耐久性を向上させることも可能となる。
図10の(a)は、受光面を水平にさせた初期状態の太陽光電池パネル1を表す。図10の(b)は、初期状態から、式(2)に従って、y軸回りに角度λだけ太陽光電池パネル1を回転させた第1の状態を表す。ここで、λは、太陽光電池パネル1が設置された地点の緯度とする。本実施の形態では、太陽光電池パネル1、追尾軸11は、かかる第1の状態を基本姿態として据え付けられている。
図10の(c)は、第1の状態から、式(1)に従って、追尾軸11(x軸)回りに角度ξだけ太陽光電池パネル1を回転させた第2の状態を表す。追尾軸11を中心とする角度指令値がξであるとして、第2の状態におけるベクトルnは、式(15)のように表される。
n=Ejλiξ(k)=(cos(ξ)sin(λ) −sin(ξ) cos(ξ)cos(λ)) (15)
式(15)及び式(4)を式(5)に代入して得られた幾何学的効率をηとする。幾何学的効率ηが最大となるときの角度指令値ξは、以下の式(16)をξについて解くことで得られる。
Figure 2010258369
式(16)をξについて解くと、以下の式(17)が得られる。
ξ=θ (17)
但し、θは、時角であって、南中を0度、東向きを−90度、西向きを90度、とする。
従って、本実施の形態に係る太陽光発電システムは、追尾軸11を南北方向に一致させ、y軸回りに角度λだけ太陽光電池パネル1を回転させた状態を基本姿態とすることにより、ξには単純に時角θを計算して入力し、駆動すれば良いこととなる。
図11は、角度指令値ξに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。幾何学的効率ηは、いずれも破線で表している。図11の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
幾何学的効率ηは、春分において終日1にできる他は、夏至及び冬至では1より低い値で終日一定となる。本実施の形態により、動作軸が追尾軸11の1軸のみである太陽光追尾機構3に対して、発電効率の低下を最小限にとどめる制御が可能となる。なお、太陽光追尾機構3は、水平に対してy軸回りに角度λだけ太陽光電池パネル1を回転させた状態を基本姿態とする場合に限られない。基本姿態における太陽光電池パネル1の回転角度は、太陽光電池パネル1が風を受ける程度や、太陽光発電システムを敷設する土地や建物の状況に応じて適宜設定することとしても良い。
基本姿態における太陽光電池パネル1の回転角度や、追尾軸11の方角を変更せざるを得ない場合であっても、角度指令値生成手段21は、追尾軸11の配置や構成に応じて、高い発電効率を実現するような角度指令値ξ生成する。制御装置4は、追尾軸11の配置や構成に応じて、最も高い発電効率となるように太陽光追尾機構3を制御する。これにより、太陽光発電システムを敷設する状況に応じて、発電効率の低下を最小限にとどめることが可能となる。
図12は、一例として、受光面を水平にさせた状態を基本姿態とする場合の、太陽光電池パネル1の傾きの変化を説明する図である。図12の(a)は、受光面を水平にさせた基本姿態の太陽光電池パネル1を表す。図12の(b)は、基本姿態から、式(1)に従って、追尾軸11(x軸)回りに角度ξだけ太陽光電池パネル1を回転させた状態を表す。角度指令値生成手段21は、太陽光追尾機構3に対して、以下に説明するような演算を実行する。
追尾軸11を中心とする角度指令値がξであるとして、太陽光電池パネル1を回転させた状態におけるベクトルnは、式(18)のように表される。
n=Eiξ(k)=(0 −sin(ξ) cos(ξ)) (18)
式(18)及び式(4)を式(5)に代入して得られた幾何学的効率をηとする。幾何学的効率ηが最大となるときの角度指令値ξは、以下の式(19)をξについて解くことで得られる。
Figure 2010258369
図13は、角度指令値ξを解いた計算例を表すグラフである。図13の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
グラフ中のプロットは、ξの計算値を表し、実線は、ξの計算値の直線近似を表す。ξの計算値には直線から外れるものがあることから、幾何学的効率ηを最大とするには、追尾軸11回りにおける角速度は一定とはならず、時刻の経過により変化させることとなる。
図14は、角度指令値ξに対する幾何学的効率ηの計算例を表すグラフである。図14の(a)、(b)、(c)は、それぞれ3月20日(春分)、6月21日(夏至)、12月22日(冬至)である場合の計算例を表している。その他の設定条件を、以下に示す。
北緯:35度45分25秒
東経:135度25分35秒
グラフ中、破線は、式(19)により計算された角度指令値ξを用いる場合の幾何学的効率ηの計算例を表す。実線は、角度指令値として、ξの計算値の直線近似を用いて、角速度を一定とする場合の計算例を表す。このように、本実施の形態により計算された角度指令値ξを用いることにより、角速度を一定とするような角度指令値ξを用いる場合に比べて、幾何学的効率ηを向上させる効果を得られる。なお、角度指令値生成手段21による演算は、本実施の形態の計算例における設定条件以外の緯度、経度、月日の場合も、本実施の形態の計算例と同様にできる。
以上のように、本発明にかかる太陽光追尾機構制御装置、太陽光追尾装置及び太陽光発電システムは、太陽光のエネルギーを利用して電力エネルギーを取り出す場合に有用である。
1 太陽光電池パネル
2 太陽光追尾装置
3 太陽光追尾機構
4 制御装置
11 追尾軸
12 傾斜軸
21 角度指令値生成手段

Claims (9)

  1. 太陽光に追尾して太陽光電池パネルの傾きを変化させるための動作軸を備える機構に対して、前記動作軸を中心とする前記太陽光電池パネルの回転角度を指示するための角度指令値を生成する角度指令値生成手段を有し、
    前記太陽光電池パネルの受光面の法線方向を表す単位ベクトルを第1単位ベクトル、前記太陽光電池パネルを基準とする太陽の方位及び高度を表す単位ベクトルを第2単位ベクトル、として、
    前記角度指令値生成手段は、前記第1単位ベクトル及び前記第2単位ベクトルの内積が最大となる前記角度指令値を生成することを特徴とする太陽光追尾機構制御装置。
  2. 時角に対応させて前記太陽光電池パネルの傾きを変化させるための前記動作軸である追尾軸と、太陽赤緯に対応させて前記太陽光電池パネルの傾きを変化させるための前記動作軸である傾斜軸と、を備える前記機構に対して、
    前記角度指令値生成手段は、前記追尾軸を中心とする前記回転角度を指示するための前記角度指令値である第1の角度指令値と、前記傾斜軸を中心とする前記回転角度を指示するための前記角度指令値である第2の角度指令値と、を生成することを特徴とする請求項1に記載の太陽光追尾機構制御装置。
  3. 前記角度指令値生成手段は、前記追尾軸が前記傾斜軸に対して鉛直上側に搭載されている前記機構に対して、前記角度指令値を生成することを特徴とする請求項2に記載の太陽光追尾機構制御装置。
  4. 前記角度指令値生成手段は、前記追尾軸及び前記傾斜軸の少なくとも一方について、天頂を中心とする前記回転角度の範囲が±90度より小さい前記機構に対して、前記角度指令値を生成することを特徴とする請求項2又は3に記載の太陽光追尾機構制御装置。
  5. 時角に対応させて前記太陽光電池パネルの傾きを変化させるための前記動作軸である追尾軸を備える前記機構に対して、
    前記角度指令値生成手段は、前記追尾軸を中心とする前記回転角度を指示するための前記角度指令値を生成することを特徴とする請求項1に記載の太陽光追尾機構制御装置。
  6. 前記太陽光電池パネルが敷設された場所の緯度及び経度と、時刻情報とに基づいて、前記太陽の方位及び高度を計算する太陽位置計算手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の太陽光追尾機構制御装置。
  7. 前記時刻情報を出力する計時手段を有することを特徴とする請求項6に記載の太陽光追尾機構制御装置。
  8. 太陽光に追尾して太陽光電池パネルの傾きを変化させるための動作軸を備える機構と、
    前記機構を制御する太陽光追尾機構制御手段と、を有し、
    前記太陽光追尾機構制御手段は、前記機構に対して、前記動作軸を中心とする前記太陽光電池パネルの回転角度を指示するための角度指令値を生成する角度指令値生成手段を備え、
    前記太陽光電池パネルの受光面の法線方向を表す単位ベクトルを第1単位ベクトル、前記太陽光電池パネルを基準とする太陽の方位及び高度を表す単位ベクトルを第2単位ベクトル、として、
    前記角度指令値生成手段は、前記第1単位ベクトル及び前記第2単位ベクトルの内積が最大となる前記角度指令値を生成することを特徴とする太陽光追尾装置。
  9. 太陽光電池パネルと、
    太陽光に追尾して前記太陽光電池パネルの傾きを変化させるための動作軸を備える機構と、
    前記機構を制御する太陽光追尾機構制御手段と、を有し、
    前記太陽光追尾機構制御手段は、前記機構に対して、前記動作軸を中心とする前記太陽光電池パネルの回転角度を指示するための角度指令値を生成する角度指令値生成手段を備え、
    前記太陽光電池パネルの受光面の法線方向を表す単位ベクトルを第1単位ベクトル、前記太陽光電池パネルを基準とする太陽の方位及び高度を表す単位ベクトルを第2単位ベクトル、として、
    前記角度指令値生成手段は、前記第1単位ベクトル及び前記第2単位ベクトルの内積が最大となる前記角度指令値を生成することを特徴とする太陽光発電システム。
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