JP6028234B2 - 扉鎖錠装置 - Google Patents

Description

本発明は、配電機器や通信機器が収納される電気機器収納用箱の扉鎖錠装置に関するものである。

上記のような電気機器収納用箱の扉には、いたずら防止のために鎖錠装置が組み込まれており、鎖錠手段としてはシリンダー錠が一般的である。鎖錠機構は扉の内側に配置されており、扉を貫通させた回転ハンドルの回転軸によって鎖錠機構を操作するのであるが、シリンダー錠はこの回転ハンドルの操作を阻止し、キーによって解除しない限りは鎖錠機構を動かせないようになっている。

例えば特許文献１には、円形の回転ハンドルに鎖錠手段を組み込み、開錠操作をしなければ回転ハンドルを回転させることができない構造が開示されている。しかしこのように回転ハンドル自体にシリンダー錠等の鎖錠手段を組み込むとハンドル部分が大型化するうえ、構造が複雑となって部品点数の増加を招くなどの問題があった。

実開平６−５１４４４号公報

従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、構造が簡単でハンドル部分の大型化を招くことがなく、しかも確実な鎖錠機能を備えた扉鎖錠装置を提供することである。

上記の課題を解決するためになされた本発明の扉鎖錠装置は、扉に設けられた本体部の軸孔部に、扉の内側の鎖錠機構を操作する回転ハンドルの回転軸を挿通させた扉鎖錠装置であって、本体部は前記軸孔部の外周部にシリンダー錠が埋設される錠孔部を備え、この錠孔部には回転ハンドルの回転軸と係合してその回転を鎖錠するシリンダー錠を収納し、回転ハンドルは円形基部を備えた円板状であって、この円形基部の前記錠孔部の前面となる位置に、シリンダー錠を操作するための窓孔を有することを特徴とするものである。

請求項２のように、本体部は扉と一体に形成され、扉表面よりも内側に、軸孔と、錠孔部と、シリンダー錠の動作用凹部とを設けた構造とすることが好ましい。また請求項３のように、錠孔部に埋設したシリンダー錠は、回転ハンドルによって抜け止めされていることが好ましい。さらに請求項４のように、シリンダー錠は、回転ハンドルの回転軸と係合してその回転を鎖錠する錠カバーを備えたものであることが好ましい。

本発明の扉鎖錠装置は、扉に設けられた本体部に形成された錠孔部に回転ハンドルの回転軸と係合してその回転を鎖錠するシリンダー錠を収納した構造であるため、ハンドル部分を大型化する必要はなく、構造が簡単でコンパクトであり、しかも確実な鎖錠機能を備えたものである。

請求項２のように、本体部を扉と一体に形成し、扉表面よりも内側に、軸孔と、錠孔部と、シリンダー錠の動作用凹部とを設けた構造とすれば、扉表面からの突出がなく、美観に優れたものとなる。

請求項３のように、錠孔部に埋設したシリンダー錠を回転ハンドルによって抜け止めした構造とすれば、シリンダー錠の固定部材を必要としないため、部品点数の削減と構造の簡素化を図ることができる。

請求項４のように、シリンダー錠が回転ハンドルの回転軸と係合してその回転を鎖錠する錠カバーを備えたものとすれば、錠カバーによって鎖錠部の形状を自由に形成できるので、設計の自由度が増加することとなる。

電気機器収納用箱の鎖錠装置を示す斜視図である。 鎖錠装置を箱本体の内側から見た斜視図である。 要部の拡大斜視図である。 扉の表側から見た分解斜視図である。 扉の表側から見た分解斜視図である。 回転ハンドルの正面図である。 開錠状態における回転ハンドルの正面図である。 他の実施形態における回転ハンドルの正面図である。 更に他の実施形態における回転ハンドルの正面図である。

以下に本発明の実施形態を示す。
図１は電気機器収納用箱の鎖錠装置を示す斜視図であり、１は箱本体、２はその前面の扉である。扉２の内側の蝶番とは反対側の部分には、鎖錠機構である鎖錠片５と上下一対の鎖錠棒３，３を備えた鎖錠装置が設けられている。これらの鎖錠棒３，３の基部は回転体４の上下のアームにそれぞれ枢着されており、この回転体４を回転させることによって上下方向にスライドし、上下端が箱本体１と係合するとともに、鎖錠片５が箱本体１と係合して扉２を開けないように鎖錠するものである。

図２は鎖錠装置を箱本体１の内側から見た斜視図である。ただし扉２は省略してある。回転体４の回転軸６は扉２を貫通して表側に延びており、図４、図５に示す扉２の表側の回転ハンドル７に固定されている。８は扉２の表側に一体に設けられた本体部であり、本体部８は扉２と別体に形成することもできる。

回転ハンドル７は有底円盤状であって、円形基部１０の中心部には直径方向の把持部１１が突設されている。本体部８は回転ハンドル７の円形基部１０を嵌め込むことができる円形凹部１２を備えており、その中央に回転軸６を貫通させるための軸孔部１３が形成されている。また図４、図５に示すように、この軸孔部１３の外周部にシリンダー錠１４を収納するための錠孔部１５が連続的に形成されている。シリンダー錠１４自体は周知の円筒状のものであるが、この実施形態では錠カバー１６を被せてある。錠カバー１６は好ましくは合成樹脂製であり、シリンダー錠１４の表面を覆う円形部１７と、この円形部１７から外周方向に延びる鎖錠部１８とを備えている。錠カバー１６には回転ハンドル７が金属製のシリンダー錠１４と直接接触することを防止して摩耗を防止する効果のほか、シリンダー錠１４の前面から雨水が内部に浸入することを抑制できる効果がある。

図３に示されるように、シリンダー錠１４にも鎖錠片１９が設けられており、この鎖錠片１９を錠カバー１６の前面板に係止させて錠カバー１６と一体化している。このようにシリンダー錠１４と一体化された錠カバー１６を所要角度だけ回転させることができるように、錠孔部１５は円弧を組み合わせた形状の動作用凹部２０を備えている。なお本実施形態ではシリンダー錠１４に錠カバー１６を被せて大型化してより確実な係合を得るものとしたが、錠カバー１６は必須のものではなく、省略することもできる。

シリンダー錠１４及び錠カバー１６は錠孔部１５に収納され、その表面を回転ハンドル７の円形基部１０によって抑えられている。また回転ハンドル７は回転体４によって前方に抜けないように固定されている。このようにシリンダー錠１４の抜け止めを回転ハンドル７の円形基部１０によって行っているので、シリンダー錠１４に抜け止めを構成したり、別に構成した抜け止めを装着したりする必要がなく、構造が簡単で部品点数が少なくて済む。

図３に示されるように、回転軸６は外側に突出した係合片２１を備えており、鎖錠状態においては錠カバー１６の鎖錠部１８がこの係合片２１と当たっている。このため図３、図５の状態では回転軸６を回転させることができない。回転軸６を回転可能とするためには、シリンダー錠１４のロックを解除して回転させ、図４の状態としなければならない。

シリンダー錠１４のロック解除を可能とするため、回転ハンドル７の円形基部１０には錠孔部１５の前面位置に、シリンダー錠１４を操作するための窓孔２２を有する。図６はこの窓孔２２からシリンダー錠１４が見えている様子を示す図であり、この状態で窓孔２２から鍵を差し込み、鎖錠・開錠の操作を行うことができる。なお図６の状態でシリンダー錠１４を開錠して図７のように回転ハンドル７を回転させれば、回転軸６及び回転体４が回転して鎖錠棒３，３を後退させ、扉２を開くことができるようになる。このように回転ハンドル７を回転させると窓孔２２の位置はシリンダー錠１４のある位置から移動するため、シリンダー錠１４の操作は不可能となる。このため鎖錠状態か開錠状態かは一目で判別することができる。

上記した実施形態では窓孔２２を回転ハンドル７の回転軸６の斜め下方に配置したが、図８、図９に示す他の実施形態のように、回転ハンドル７の回転軸６の下方に配置することもできる。この場合には回転ハンドル７の把持部１１の下方を一部切欠いた形状とする。このような形状とした場合には、窓孔２２の上側に把持部１１が庇状に位置することとなり、雨水の侵入を防止することができるとともに、美観を向上させることができる。

１ 箱本体
２ 扉
３ 鎖錠棒
４ 回転体
５ 鎖錠片
６ 回転軸
７ 回転ハンドル
８ 本体部
９ 突起
１０ 円形基部
１１ 把持部
１２ 円形凹部
１３ 軸孔部
１４ シリンダー錠
１５ 錠孔部
１６ 錠カバー
１７ 円形部
１８ 鎖錠部
１９ 鎖錠片
２０ 動作用凹部
２１ 係合片
２２ 窓孔

Claims (4)

1. 扉に設けられた本体部の軸孔部に、扉の内側の鎖錠機構を操作する回転ハンドルの回転軸を挿通させた扉鎖錠装置であって、
   本体部は前記軸孔部の外周部にシリンダー錠が埋設される錠孔部を備え、この錠孔部には回転ハンドルの回転軸と係合してその回転を鎖錠するシリンダー錠を収納し、
   回転ハンドルは円形基部を備えた円板状であって、この円形基部の前記錠孔部の前面となる位置に、シリンダー錠を操作するための窓孔を有することを特徴とする扉鎖錠装置。
2. 本体部は扉と一体に形成され、扉表面よりも内側に、軸孔と、錠孔部と、シリンダー錠の動作用凹部とを設けたことを特徴とする請求項１に記載の扉鎖錠装置。
3. 前記錠孔部に埋設したシリンダー錠は、回転ハンドルによって抜け止めされていることを特徴とする請求項１に記載の扉鎖錠装置。
4. シリンダー錠は、回転ハンドルの回転軸と係合してその回転を鎖錠する錠カバーを備えたものであることを特徴とする請求項１に記載の扉鎖錠装置。

Images