JP6028079B1 - 電動シャッタ開閉機 - Google Patents

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Abstract

【課題】整流回路の直流側を小型のリレーで開閉することを可能とするとともに、小型・低コストの回路で、電磁ブレーキの制動時間を短縮した電動シャッタ開閉機を提供する。【解決手段】電動シャッタ開閉機1は、ブレーキ通電回路3が、モータ通電回路2によるモータMへの通電を停止したときに、リレー接点RYB−1が閉じた状態で、先にリレー接点RYU−4,RYD−4を開き、所定時間経過後の電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに流れる電流が整流回路4のダイオードD2及びリレー接点RYB−1を通って環流している間に、リレー接点RYB−1が開くように、交流側開閉リレーRYU,RYD及び直流側開閉リレーRYBの各リレーコイルRYU−C,RYD−C、RYB−Cへの通電を行うリレーコイル通電回路6を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅、ビル、倉庫、車庫などの建築物・構築物の開口部に設置される電動シャッタを開閉する電動シャッタ開閉機に関する。
電動シャッタ開閉機としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などが公知である。なお、特許文献1及び特許文献3には、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成した電動シャッタ開閉機が開示されている。また、特許文献2には、マイクロプロセッサを含む制御回路で電気回路を構成した電動シャッタ開閉機が開示されている。
従来より、このような電動シャッタ開閉機には、シャッタ開閉用のモータとともに、モータの非通電時にシャッタが下降しないように、モータの駆動軸を制動するためのブレーキ装置が備えられている(特許文献2、特許文献3参照)。そして、このブレーキ装置としては、一般に、励磁コイルの無励磁時(非通電時)にモータの駆動軸に制動をかけ、励磁コイルの励磁時(通電時)に駆動軸の制動を解除する無励磁作動形の電磁ブレーキが用いられている。このため、電動シャッタ開閉機は、制御用の電気回路として、前記モータへの通電を行うモータ通電回路のほか、電磁ブレーキの励磁コイルへの通電を行うブレーキ通電回路を備えている。
また、電動シャッタ開閉機の電磁ブレーキには、励磁コイルが直流励磁されるものが多く採用されており、この電磁ブレーキの励磁コイルに通電する電圧としては、一般に、商用交流電源を全波整流回路または半波整流回路で整流した直流電圧が用いられている。具体的には、例えば、AC100Vを全波整流した公称DC90Vの直流電圧(ピーク電圧141Vの脈流(平滑無し))や、AC200Vを半波整流した公称DC90Vの直流電圧(ピーク電圧282Vの脈流(平滑無し))が用いられている。
さらに、そのような直流電圧の励磁コイルへの印加方法としては、大別して、整流回路の入力である交流側を開閉する方法と、整流回路の出力である直流側を開閉する方法とがある。また、この開閉用の機器としては、リレーや電磁接触器(マグネットコンタクタ)、電磁開閉器(マグネットスイッチ)のほか、トライアックやトランジスタ等の半導体スイッチが挙げられるが、ブレーキ通電回路の簡略化や小型化・低コスト化のためには、小型のリレーを使用できるのが好ましい。
ところで、小型のリレーの開閉容量や接点電圧・接点電流の最大値は、開閉する負荷がコイル等の直流誘導負荷の場合には、交流負荷の場合に比べて極端に小さいのが一般的である。このため、電磁ブレーキの励磁コイルに印加する電圧を、上述したAC100Vを全波整流したDC90VやAC200Vを半波整流したDC90Vとし、このときに電磁ブレーキの励磁コイルに流れる電流が、例えば、0.3A〜0.5A程度であった場合、このような直流電圧・電流を整流回路の直流側で開閉可能な小型のリレーを探すのは難しい。
そして、実際に、比較的開閉容量の大きなリレーを用いて、整流回路の直流側を開閉する実験を行ってみると、リレーの接点が開く際(すなわち、励磁コイルへの通電を遮断する際)に毎回、接点に大きな火花を生じて、接点に炭化物が蓄積するため、リレーの開閉寿命が短くなってしまう。
そこで、これまでは、整流回路の交流側を小型のリレーで開閉する回路をブレーキ通電回路として用いるのが通例であった。これにより、交流電圧をリレーで開閉することになるので、直流側で開閉する場合に比べてリレーの開閉容量を大きくとることができ、リレーの開閉寿命も問題にならなかった。
以下、図14及び図15を参照して、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成すると共に、ブレーキ通電回路として、整流回路の交流側を開閉する回路を採用した従来の電動シャッタ開閉機について説明する。
図14は、従来の単相100V用電動シャッタ開閉機の一例であり、この電動シャッタ開閉機のモータMは、コンデンサCと共に用いられるコンデンサラン形のAC100V用単相誘導モータである。そして、この電動シャッタ開閉機は、ブレーキ通電回路の整流回路として、4本のダイオードで全波整流回路BRを構成した全波整流回路を用いている。これにより、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cには、AC100Vを全波整流したDC90Vの直流電圧(ピーク電圧141Vの脈流)が印加される。
また、図15は、従来の三相200V用電動シャッタ開閉機の一例であり、この電動シャッタ開閉機のモータMは、AC200V用三相誘導モータである。そして、この電動シャッタ開閉機は、ブレーキ通電回路の整流回路として、2本のダイオードD1,D2で構成した半波整流回路を用いている。これにより、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cには、AC200Vを半波整流したDC90Vの直流電圧(ピーク電圧282Vの脈流)が印加される。
なお、図14及び図15において、破線内の3つのスイッチは、電動シャッタの開閉及び停止を行うための操作スイッチであり、シャッタ開動用の常開接点である上昇スイッチPBU、シャッタ閉動用の常開接点である下降スイッチPBD、及び、シャッタ停止用の常閉接点である停止スイッチPBSからなる。そして、これら3つの操作スイッチは、次述するリレーRYU,RYDとともに、モータ通電回路としての自己保持回路の一部を構成している。また、これらの操作スイッチに加えて、いずれも常閉接点である上昇リミットスイッチLSU、下降リミットスイッチLSD及び緊急停止スイッチEMSも、モータ通電回路としての自己保持回路の一部を構成している。
リレーRYUは、シャッタ開動用のリレーであり、モータMへの通電ラインを開閉するリレー接点RYU−1,RYU−2及び自己保持用のリレー接点RYU−3の3極のリレー接点、並びに、リレーコイルRYU−Cを有する。
また、リレーRYDは、シャッタ閉動用のリレーであり、リレーRYUと同様に、モータMへの通電ラインを開閉するリレー接点RYD−1,RYD−2及び自己保持用のリレー接点RYD−3の3極のリレー接点、並びに、リレーコイルRYD−Cを有する。
図14及び図15の電動シャッタ開閉機では、いずれも、モータ通電回路におけるシャッタ開動用のリレーRYU及びシャッタ閉動用のリレーRYDのリレー接点のうち、モータMへの通電ラインを開閉するリレー接点の一部(図14のRYU−1,RYD−1、図15のRYU−1,RYD−2)を、ブレーキ通電回路における整流回路の交流側を開閉するリレー接点と兼用している。
特開2007−170057号公報 特開2001−288970号公報 特開平05−149071号公報
しかしながら、以上のような整流回路の交流側を開閉する方法には、整流回路の直流側を開閉する方法に比べて、電磁ブレーキの制動時間が長くなるという問題がある。シャッタの負荷重量が比較的小さい場合には、この問題はあまり顕在化しないが、シャッタの負荷重量が大きくなると、シャッタ開閉用のモータの停止後に、電磁ブレーキによる制動が遅れて、モータの惰走角度が大きくなってしまい、シャッタがすぐに停止しないことになる。
これは、電磁ブレーキによる制動を利かせるためには、電磁ブレーキの励磁コイルを無励磁にする必要があるのに対し、整流回路の交流側を開閉する回路(図14,図15参照)の場合には、リレーの接点が開くと、それまで励磁コイルに流れていた電流が、整流回路を構成するダイオードを通って環流して、励磁コイルに流れる電流がすぐにオフにならないためである。すなわち、モータへの通電の停止と同時に、ブレーキ通電回路のリレーの接点が開いてから、励磁コイルが無励磁になるまでの時間が長いためである。なお、この回路では、このように励磁コイルに流れる電流が整流回路のダイオードを通って環流することにより、リレーがオフした際にバックサージ電圧が発生しないという特徴がある。
図16は、図15に示した従来の三相200V用電動シャッタ開閉機おける(a)電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端間電圧の測定波形、及び、(b)電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに流れる電流の測定波形を示したものである。
励磁コイルMB−Cの両端間電圧は、図16(a)に示すように、AC200Vを半波整流したピーク282Vの脈流の直流電圧(平均電圧約90V)になっている。また、励磁コイルMB−Cに流れる電流は、図16(b)に示すように、本例では、下限値0.32Aと上限値約0.64Aの間で変化する脈流の直流電流(平均電流約0.48A)になっている。
そして、図16(b)に示すように、時点t0で半波整流回路の交流側を開閉するリレー接点RYU−1またはRYD−2が開くと、励磁コイルMB−Cに流れる電流は緩やかに減少していくため、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cがすぐに無励磁にならない。本例では、時点t0でリレー接点RYU−1またはRYD−2が開いた後、励磁コイルMB−Cがほぼ無励磁状態となって、電磁ブレーキMBのアーマチュア(図示しない)が吸引前の位置に戻るまでの時間(アーマチュア釈放時間という。本例では、図16における時点t0から時点t2に相当する)に、約220msecを要している。
なお、本例では、図15に示すように、半波整流回路の電源側がモータMのU相及びV相の通電ラインに直接接続されていることにより、リレー接点RYU−1,RYU−2またはリレー接点RYD−1,RYD−2を開いてモータMへの通電を遮断した後も、モータMの巻線に発生する電圧が半波整流回路の電源側に印加される。このため、図16(a)ように、時点t0でリレー接点RYU−1またはRYD−2が開いた後にも、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに、半波整流回路により半波整流された電圧波形が生じており、励磁コイルMB−Cに流れる電流に影響を与えている。
これに対して、整流回路の直流側を開閉する回路では、リレーがオフした際にバックサージ電圧が発生する一方、このバックサージ電圧が発生している期間に、励磁コイルに流れる電流が急速に低下するので、励磁コイルを素早く無励磁状態にすることができる。このため、整流回路の交流側を開閉する回路に比べて、電磁ブレーキの制動時間を大幅に短縮することができる。
このため、シャッタの負荷重量が大きく、電磁ブレーキによる制動遅れが問題となる場合は、整流回路の直流側を開閉する回路の採用が必須となる。
図17は、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成した従来の三相200V用電動シャッタ開閉機に、ブレーキ通電回路として、整流回路の直流側を開閉する回路を適用した一例である。この図17の電動シャッタ開閉機では、図15の三相200V用電動シャッタ開閉機のシャッタ開動用のリレーRYU及びシャッタ閉動用リレーRYDのリレー接点を3極のものから4極のものに変更してリレー接点を1極増やしている。そして、その増やした4極目のリレー接点RYU−4、RYD−4を互いに並列接続して、ブレーキ通電回路における整流回路の直流側を開閉するリレー接点として用いている。これにより、シャッタ開動用またはシャッタ閉動用のリレー接点を開路して、モータへの通電を停止するのと同時に、ブレーキ通電回路の整流回路の直流側を開路させている。なお、この電動シャッタ開閉機では、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端子BL1,BL2間に、バックサージ吸収回路として、ダイオードD3とバリスタZNR7の直列回路を並列に接続している。
なお、図示しないが、本例でのアーマチュア釈放時間は、例えば、図16に示した整流回路の交流側を開閉する場合に比べて1/10程度の20msec前後となる。
しかしながら、この回路では、前述したように、リレーの接点が開く際に大きな火花を生じ、リレーの開閉寿命が短くなってしまうため、開閉用の機器として、小型のリレーを採用することが難しい。このため、開閉容量の大きい電磁接触器や電磁開閉機の採用を検討する必要があり、回路の高コスト化や大型化が問題となる。
本発明の目的は、前記課題を解決して、整流回路の直流側を小型のリレーで開閉することを可能とするとともに、小型・低コストの回路で、電磁ブレーキの制動時間を短縮した電動シャッタ開閉機を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の一態様は、電動シャッタの開閉を行うモータと、直流励磁される励磁コイルを有していて、前記励磁コイルの無励磁時に前記モータの駆動軸に制動をかけ、前記励磁コイルの励磁時に前記駆動軸の制動を解除する無励磁作動形の電磁ブレーキと、前記モータへの通電を行うモータ通電回路と、前記電磁ブレーキの前記励磁コイルへの通電を行うブレーキ通電回路と、を備えた電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路は、複数のダイオードから構成されて商用交流電源の交流電圧を全波整流または半波整流により直流電圧に変換する整流回路と、前記モータへの通電の遮断時に前記モータ通電回路による前記モータへの通電ラインから分離されるように前記商用交流電源と前記整流回路との間に設けられた第1リレー接点を開閉する交流側開閉リレーと、前記整流回路で整流された直流電圧の高圧側または低圧側の少なくともいずれか一方と前記電磁ブレーキの前記励磁コイルとの間に設けられた第2リレー接点を開閉する直流側開閉リレーと、前記モータ通電回路による前記モータへの通電を停止したときに、前記第2リレー接点が閉じた状態で、先に前記第1リレー接点を開き、所定時間経過後の前記励磁コイルに流れる電流が前記整流回路の前記ダイオード及び前記第2リレー接点を通って環流している間において、前記第2リレー接点が開くように、前記交流側開閉リレー及び前記直流側開閉リレーの各リレーコイルへの通電を行うリレーコイル通電回路と、を有する電動シャッタ開閉機である。
この電動シャッタ開閉機は、上記構成を有することで、直流側開閉リレーの第2リレー接点を開く際には、電磁ブレーキの励磁コイルに流れる電流が整流回路のダイオードを通って還流することにより、電磁ブレーキの励磁コイルの両端間の電圧差がほぼ0(全波整流回路の場合はダイオード2本分の順方向電圧のみ、半波整流回路の場合はダイオード1本分の順方向電圧のみ)になっている。このため、直流側開閉リレーの接点電圧が許容される最大値に対して十分小さくなり、接点電流のマージンも確保することができる。そして、このようにすることで、実際に直流側開閉リレーの第2リレー接点が開く際には、このリレー接点に火花が全く生じなくなる。
これにより、整流回路の直流側を開閉した場合のリレーの開閉寿命の問題を解決することができ、小型のリレーで整流回路の直流側を開閉することが可能になる。
また、上述の電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路は、前記直流側開閉リレーの前記第2リレー接点よりも前記励磁コイル側において、前記励磁コイルに対して並列接続されたバックサージ吸収回路を、さらに有する電動シャッタ開閉機としても良い。
この電動シャッタ開閉機では、直流側開閉リレーの第2リレー接点が開路した後における励磁コイルに発生するバックサージ電圧をバックサージ吸収回路により吸収することができる。
また、上述のいずれかの電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路の前記リレーコイル通電回路は、前記交流側開閉リレーの前記第1リレー接点が閉じた状態で前記整流回路の電源側に生じる交流電圧または負荷側に生じる直流電圧から、前記交流側開閉リレーのリレーコイルへの印加電圧よりも時間的に遅れた、前記直流側開閉リレーのリレーコイルへの印加電圧を生成するコイル印加電圧生成回路を含む電動シャッタ開閉機としても良い。
この電動シャッタ開閉機では、直流側開閉リレーのリレーコイルへの印加電圧を、整流回路の電源側に生じる交流電圧または負荷側に生じる直流電圧から生成するので、特に、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成した電動シャッタ開閉機に好適である。
また、前述のいずれかの電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路の前記リレーコイル通電回路は、前記モータ通電回路による前記モータへの通電を停止したときに、前記第2リレー接点が閉じた状態で、先に前記第1リレー接点を開き、所定時間経過後の前記励磁コイルに流れる電流が前記整流回路の前記ダイオード及び前記第2リレー接点を通って環流している間において、前記第2リレー接点が開くように、前記交流側開閉リレー及び前記直流側開閉リレーの各リレーコイルへの通電制御を行う制御部を含む電動シャッタ開閉機としても良い。
この電動シャッタ開閉機では、制御部によって、各リレーコイルへの通電制御を行うので、マイクロプロセッサを含む制御回路で電気回路を構成した電動シャッタ開閉機に好適である。
本発明の電動シャッタ開閉機によれば、整流回路の直流側を小型のリレーで開閉することを可能とするとともに、小型・低コストの回路で、電磁ブレーキの制動時間を短縮することができる。
第1実施形態に係る三相200V用電動シャッタ開閉機の構成を示す電気回路図。 第1実施形態において、交流側開閉リレーの第1リレー接点及び直流側開閉リレーの第2リレー接点が閉じた状態のときの励磁コイルの電流の流れを説明するための説明図。 図2の状態の後、直流側開閉リレーの第2リレー接点が閉じた状態のまま、交流側開閉リレーの第1リレー接点が開いた状態ときの励磁コイルの電流の流れを説明するための説明図。 図3の状態の後、直流側開閉リレーの第2リレー接点も開いた状態ときの励磁コイルの電流の流れを説明するための説明図。 第1実施形態における直流側開閉リレーのリレーコイルの両端間電圧の測定波形図。 第1実施形態における(a)電磁ブレーキの励磁コイルの両端間電圧の測定波形図、及び、(b)電磁ブレーキの励磁コイルに流れる電流の測定波形図。 第2実施形態に係る三相200V用電動シャッタ開閉機の構成を示す電気回路図。 第2実施形態における(a)半波整流回路の出力電圧(直流側電圧)の測定波形図、及び、(b)直流側開閉リレーのリレーコイルの両端間電圧の測定波形図。 電動シャッタ及びこれを開閉する電動シャッタ開閉機の外観全体を示す説明図。 第3実施形態に係る三相200V用電動シャッタ開閉機の構成を示す電気回路図。 第4実施形態に係る単相100V用電動シャッタ開閉機の構成を示す電気回路図。 第1実施形態の変形例を示す要部電気回路図。 第2実施形態の変形例を示す要部電気回路図。 ブレーキ通電回路として、整流回路の交流側を開閉する回路を採用した従来の単相100V用電動シャッタ開閉機の一例を示す電気回路図。 ブレーキ通電回路として、整流回路の交流側を開閉する回路を採用した従来の三相200V用電動シャッタ開閉機の一例を示す電気回路図。 図15に示した従来の三相200V用電動シャッタ開閉機における(a)電磁ブレーキの励磁コイルの両端間電圧の測定波形図、及び、(b)電磁ブレーキの励磁コイルに流れる電流の測定波形図。 従来の三相200V用電動シャッタ開閉機に、ブレーキ通電回路として、整流回路の直流側を開閉する回路を適用した一例を示す電気回路図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態に係る電動シャッタ開閉機1を図1〜図6及び図9を参照して説明する。本実施形態の電動シャッタ開閉機1は、シャッタ開閉用のモータとして、AC200V用三相誘導モータ(後述するモータM)を搭載した、三相200Vの商用交流電源で使用される三相200V用電動シャッタ開閉機である。また、本実施形態の電動シャッタ開閉機1は、後述するように、リレーによる自己保持回路で電気回路が構成されている。
なお、本実施形態では、商用交流電源の電源電圧がAC200Vである場合について説明するが、この例は一例であって、AC200Vに限定するものではない。
まず、本実施形態の電動シャッタ開閉機1の取付け状態について、図9を参照して説明する。この図9は、電動シャッタとしてのスラットカーテン106、及び、このスラットカーテン106を開閉する電動シャッタ開閉機1の外観全体を示したものである。
図9に示すように、建物の開口101は床101aと壁Wの両ガイドレール102と天井101bとの間で形成され、この開口101上の天井101bに設置されたケース103内に巻取軸104が支持されているとともに、このケース103外に、シャッタ開閉用のモータとして、AC200V用三相誘導モータであるモータMが取着されている。このモータMは、その駆動軸(図示しない)の回転(正転または逆転)を、減速機構等からなる駆動伝達系105を介して、前記巻取軸104に伝達する。また、モータMには、このモータMの前記駆動軸を制動するためのブレーキ装置として、後述する無励磁作動形の電磁ブレーキMBが一体に取り付けられている。なお、これらモータM及び電磁ブレーキMBは、本実施形態の電動シャッタ開閉機1の一部を構成している。
一方、電動シャッタとしてのスラットカーテン106は、その上端部で前記巻取軸104に巻かれ、前記開口101の両ガイドレール102間において吊下状態で支持されている。モータMの駆動軸の回転(正転または逆転)が駆動伝達系105を介して巻取軸104に伝達されることにより、スラットカーテン106は、両ガイドレール102により案内されながら、開動または閉動する。具体的には、スラットカーテン106は、シャッタ開動時には、巻取軸104に巻き取られて上昇(図9中、A方向に移動)して開口101を開き、シャッタ閉動時には、巻取軸104から引き出されて下降(図9中、B方向に移動)して開口101を閉じる。
また、前記ケース103外には、モータMに隣接して、本実施形態の電動シャッタ開閉機1の電気回路(後述する)を搭載した駆動制御ボックス107が設置されている。さらに、前記壁Wには、駆動制御ボックス107内の電気回路に接続されたスイッチボックス108が設置されている。
スイッチボックス108には、操作用スイッチとして、シャッタ開動用の常開接点である上昇スイッチPBUと、シャッタ閉動用の常開接点である下降スイッチPBDと、シャッタ停止用の常閉接点である停止スイッチPBSとが設けられている。
次に、駆動制御ボックス107内に搭載される電動シャッタ開閉機1の電気回路について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動シャッタ開閉機1は、電動シャッタとしてのスラットカーテン106(図9参照)の開閉を行うAC200V用三相誘導モータであるモータMと、このモータMの駆動軸を制動するためのブレーキ装置であり、直流励磁される励磁コイルMB−Cを有する無励磁作動形の電磁ブレーキMBと、モータMへの通電を行うモータ通電回路2と、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cへの通電を行うブレーキ通電回路3とを備えている。電磁ブレーキMBは、前述したように、モータMに一体に取り付けられており、励磁コイルMB−Cの無励磁時(非通電時)には、モータMの駆動軸に制動をかけ、励磁コイルMB−Cの励磁時(通電時)には、モータMの駆動軸の制動を解除する。
(モータ通電回路2)
まず、電動シャッタ開閉機1の電気回路のうち、モータ通電回路2について説明する。なお、このモータ通電回路2は、図15に示した従来の三相200V用電動シャッタ開閉機のモータ通電回路と同様であり、リレーによる公知の自己保持回路を構成している。
図1に示すように、モータ通電回路2は、端子台の3本の電源接続用端子(R相端子、S相端子、T相端子)が、サーキットブレーカCBを介して、三相200Vの商用交流電源(R相、S相、T相)に接続されている。そして、このモータ通電回路2は、端子台の4本のスイッチ接続用端子(B1端子、B2端子、B3端子、B4端子)に接続された前述のスイッチボックス108の各操作スイッチ(上昇スイッチPBU、下降スイッチPBD、停止スイッチPBS)のほか、いずれも常閉接点である上昇リミットスイッチLSU、下降リミットスイッチLSD及び緊急停止スイッチEMS、並びに、シャッタ開動用リレーRYU及びシャッタ閉動用リレーRYD等からなり、これらで、リレーによる自己保持回路を構成している。
シャッタ開動用リレーRYU(以下、単にリレーRYUともいう)は、各極が切換接点である4極のリレー接点RYU−1,RYU−2,RYU−3,RYU−4、及びリレーコイルRYU−Cを有している。また、シャッタ閉動用リレーRYD(以下、単にリレーRYDともいう)も同様に、各極が切換接点である4極のリレー接点RYD−1,RYD−2,RYD−3,RYD−4、及びリレーコイルRYD−Cを有している。
ただし、これらリレーRYU及びリレーRYDの各リレー接点のうち、リレーRYUのリレー接点RYU−2及びリレーRYDのリレー接点RYD−2の2極は、切換接点として使用されているが、他の6極のリレー接点は、常開接点として使用されている。
なお、本実施形態では、商用交流電源の電圧AC200Vに合わせて、リレーRYU及びリレーRYDとして、リレーコイルRYU−C,RYD−CがAC200V用のものを選択している。
また、前述の端子台の4本のスイッチ接続用端子のうち、B1端子は、停止スイッチPBSの一端に接続される一方、ヒューズFを介して商用交流電源のR相に接続している。
B2端子は、上昇スイッチPBUの一端に接続される一方、シャッタ開動用リレーRYUのリレーコイルRYU−C及び上昇リミットスイッチLSUを介して、シャッタ閉動用リレーRYDのリレー接点RYD−2の常閉接点bに接続している。
B4端子は、下降スイッチPBDの一端に接続される一方、シャッタ閉動用リレーRYDのリレーコイルRYD−C及び下降リミットスイッチLSDを介して、シャッタ開動用リレーRYUのリレー接点RYU−2の常閉接点bに接続している。
B3端子は、停止スイッチPBS、上昇スイッチPBU及び下降スイッチPBDのそれぞれの他端に共通に接続される一方、緊急停止スイッチEMSを介して、シャッタ開動用リレーRYUのリレー接点RYU−3の一端(常開接点側)及びシャッタ閉動用リレーRYDのリレー接点RYD−3の一端(常開接点側)に共通に接続されている。
また、シャッタ開動用リレーRYUのリレー接点RYU−3の他端(コモン接点側)は、B2端子及びリレーコイルRYU−Cの一端に接続し、シャッタ閉動用リレーRYDのリレー接点RYD−3の他端(コモン接点側)は、B4端子及びリレーコイルRYD−Cの一端に接続している。
なお、リレー接点RYU−3,RYD−3は、それぞれ上昇スイッチPBU、下降スイッチPBDと並列接続をなす自己保持用の常開接点である。
また、常開接点であるシャッタ開動用リレーRYUのリレー接点RYU−1は、その一端(コモン接点側)が商用交流電源のR相(端子台のR相端子)に接続し、他端(常開接点側)がモータMのU相に接続している。すなわち、リレー接点RYU−1は、商用交流電源R相とモータMのU相の間に設けられている。また、切換接点である同リレーRYUのリレー接点RYU−2は、常閉接点bが前述の通り、下降リミットスイッチLSDを介してリレーコイルRYD−Cに接続しているほか、コモン接点cが商用交流電源のT相(端子台のT相端子)に接続し、常開接点aがモータMのW相に接続している。すなわち、リレー接点RYU−2は、商用交流電源のT相とモータMのW相の間に設けられている。
さらに、常開接点であるシャッタ閉動用のリレーRYDのリレー接点RYD−1は、その一端(コモン接点側)が商用交流電源のR相(端子台のR相端子)に接続し、他端(常開接点側)がモータMのW相に接続している。すなわち、リレー接点RYD−1は、商用交流電源のR相とモータMのW相の間に設けられている。また、切換接点である同リレーRYDのリレー接点RYD−2は、常閉接点bが前述の通り、上昇リミットスイッチLSUを介してリレーコイルRYU−Cに接続しているほか、コモン接点cが商用交流電源のT相(端子台のT相端子)に接続し、常開接点aがモータMのU相に接続している。すなわち、リレー接点RYD−2は、商用交流電源のT相とモータMのU相の間に設けられている。
また、商用交流電源のS相(端子台のS相端子)は、リレー接点を介さず、モータMのV相に直接接続されている。
なお、モータMの外装及び前述の駆動制御ボックス107は、フレームグランドFGに接地されており、このフレームグランドFGと商用交流電源のS相の間には、対接地間のサージ防護デバイスとして、バリスタZNR4が接続されている。また、商用交流電源のR相とS相の間、S相とT相の間、R相とT相の間には、各相間のサージ防護デバイスとして、バリスタZNR1、ZNR2、ZNR3がそれぞれ接続されている。
次に、モータ通電回路2の動作について説明する。
まず、リレーコイルRYU−C,RYD−Cがいずれも無励磁の状態から、上昇スイッチPBUが押圧されて閉路されると、商用交流電源のR相とT相の間で、シャッタ開動用リレーRYUのリレーコイルRYU−Cが励磁される。これにより、リレー接点RYU−1が閉路し、かつ、リレー接点RYU−2のコモン接点cが常開接点aに接続するので、商用交流電源のS相とモータMのV相が常時接続されているのに加えて、商用交流電源のR相がモータMのU相に、商用交流電源のT相がモータMのW相にそれぞれ接続される。また、これと共に、上昇スイッチPBUと並列接続をなすリレー接点RYU−3が閉路するので、リレーコイルRYU−Cが励磁状態に自己保持される。
この結果、モータMが通電されて、スラットカーテン106を開動する方向に回転すると共に、自己保持運転でその回転を継続することにより、スラットカーテン106が上昇する。
そして、スラットカーテン106が所定の上昇位置まで上昇して、開口101を開放すると、スラットカーテン106により作動されて上昇リミットスイッチLSUが開路する。これにより、リレーコイルRYU−Cが無励磁となり、シャッタ開動用リレーRYUの各リレー接点が開路する。すると、モータMの回転が停止され、これと共に、リレー接点RYU−3による自己保持も解除されて、スラットカーテン106の上昇がストップする。また、停止スイッチPBSが押圧されて開路した場合や、緊急停止スイッチEMSが作動して開路した場合も、同様にスラットカーテン106の上昇がストップする。
一方、リレーコイルRYU−C,RYD−Cがいずれも無励磁の状態から、下降スイッチPBDが押圧されて閉路されると、商用交流電源のR相とT相の間で、シャッタ閉動用リレーRYDのリレーコイルRYD−Cが励磁される。これにより、リレー接点RYD−1が閉路し、かつ、リレー接点RYU−2のコモン接点cが常開接点aに接続するので、商用交流電源のS相とモータMのV相が常時接続されているのに加えて、商用交流電源のR相がモータMのW相に、商用交流電源のT相がモータMのU相にそれぞれ接続される。また、これと共に、下降スイッチPBDと並列接続をなすリレー接点RYD−3が閉路するので、リレーコイルRYD−Cが励磁状態に自己保持される。
この結果、モータMが通電されて、スラットカーテン106を閉動する方向に回転すると共に、自己保持運転でその回転を継続することにより、スラットカーテン106が下降する。
そして、スラットカーテン106が所定の下降位置まで下降して、開口101が閉じられると、スラットカーテン106により作動されて下降リミットスイッチLSDが開路する。これにより、リレーコイルRYD−Cが無励磁となり、シャッタ閉動用リレーRYDの各リレー接点が開路する。すると、モータMの回転が停止され、これと共に、リレー接点RYD−3による自己保持も解除されて、スラットカーテン106の下降がストップする。また、停止スイッチPBSが押圧されて開路した場合や、緊急停止スイッチEMSが作動して開路した場合も、同様にスラットカーテン106の下降がストップする。
なお、シャッタ閉動用リレーRYDのリレーコイルRYD−Cが励磁されているスラットカーテン106の下降中は、切換接点であるリレー接点RYD−2のコモン接点cが常閉接点bと切り離されることにより、上昇スイッチPBUが閉路しても、シャッタ開動用リレーRYUのリレーコイルRYU−Cが励磁されないようになっている。
同様に、シャッタ開動用リレーRYUのリレーコイルRYU−Cが励磁されているスラットカーテン106の上昇中は、切換接点であるリレー接点RYU−2のコモン接点cが常閉接点bと切り離されることにより、下降スイッチPBDが閉路しても、シャッタ閉動用リレーRYDのリレーコイルRYD−Cが励磁されないようになっている。
これは、公知の先行優先回路であり、スラットカーテン106の下降中に上昇スイッチPBUを閉路した場合、または、スラットカーテン106の上昇中に下降スイッチPBDが閉路した場合に、これを無視する回路になっている。
(ブレーキ通電回路3)
次に、ブレーキ通電回路3について説明する。
図1に示すように、ブレーキ通電回路3は、前述したシャッタ開動用リレーRYUのリレー接点RYU−4及びシャッタ閉動用リレーRYDのリレー接点RYD−4を有している。これらは、互いに並列接続されて、その一端(コモン接点側)が商用交流電源のR相に接続している。また、これらを開閉するためのリレーコイルRYU−C,RYD−C、自己保持用のリレー接点RYU−3,RYD−3、上昇スイッチPBU、下降スイッチPBD等からなる回路(以下、第1回路7という)も、ブレーキ通電回路3の一部になっている。
また、ブレーキ通電回路3は、2本のダイオードD1、D2からなる半波整流回路4を有しており、ダイオードD1、D2のカソード同士が互いに接続されている。また、ダイオードD1のアノードは、並列接続されたリレー接点RYU−4及びリレー接点RYD−4の他端(常開接点側)に接続しており、ダイオードD2のアノードは、商用交流電源のS相に接続している。この半波整流回路4は、リレー接点RYD−4またはリレー接点RYU−4が閉路しているときに、商用交流電源のR相とS相の間のAC200Vの交流電圧Vacを半波整流によりDC90Vの直流電圧Vdc(ピーク電圧282Vの脈流)に変換する。
なお、半波整流回路4の電源側(ダイオードD2のアノードとダイオードD1のアノードの間)及び負荷側(ダイオードD2のアノードとダイオードD1、D2のカソードの間)には、サージ防護デバイスのバリスタZNR5、ZNR6がそれぞれ接続されている。
また、リレー接点RYU−4、RYD−4は、モータ通電回路2によるモータMへの通電時(すなわち、シャッタの開動時または閉動時)には、リレーコイルRYU−CまたはリレーコイルRYD−Cが励磁されることで、リレー接点RYU−1,RYU−2またはリレー接点RYD−1,RYD−2と同時に閉路する。
一方、モータ通電回路2によるモータMへの通電の遮断時(すなわち、シャッタの停止時)には、リレー接点RYU−4、RYD−4は、リレーコイルRYU−CまたはリレーコイルRYD−Cが無励磁となることで、リレー接点RYU−1,RYU−2またはリレー接点RYD−1,RYD−2と同時に開路する。
なお、リレー接点RYU−1、RYD−1とは別にリレー接点RYU−4、RYD−4が設けられていることで、半波整流回路4の電源側は、モータMへの通電の遮断時にモータ通電回路2によるモータMへの通電ラインから完全に分離される。すなわち、リレー接点RYU−4、RYD−4は、モータMへの通電の遮断時にモータ通電回路2によるモータMへの通電ラインから分離されるように商用交流電源のR相と半波整流回路4との間に設けられている。
これにより、図16に示した従来例とは異なり、本実施形態では、モータ通電回路2によるモータへの通電の遮断後は、モータMの巻線に発生する電圧が半波整流回路4の電源側に印加されることがなく、半波整流回路4の電源側の交流電圧Vac及び半波整流回路4の負荷側の直流電圧Vdcは素早く0になる。
本実施形態では、ブレーキ通電回路3のうち、半波整流回路4が本発明の整流回路に相当する。また、シャッタ開動用リレーRYU及びシャッタ閉動用リレーRYDが、本発明の交流側開閉リレーを兼ねており、リレーRYUのリレー接点RYU−4及びリレーRYDのリレー接点RYD−4が、交流側開閉リレーの第1リレー接点に相当する。また、第1リレー接点であるリレー接点RYU−4、RYD−4を開閉するためのリレーコイルRYU−C、RYD−C等からなる第1回路7が、本発明のリレーコイル通電回路の一部に相当する。なお、本実施形態では、この第1回路7と、後述する第2回路8とにより、ブレーキ通電回路3のリレーコイル通電回路6が構成されている。
また、ブレーキ通電回路3は、常開接点のリレー接点RYB−1及びDC24V用のリレーコイルRYB−CからなるリレーRYBを有している。そして、半波整流回路4の負荷側に生じるDC90Vの直流電圧Vdc(ピーク電圧282Vの脈流)の低圧側(電圧VdcL)と電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの端子BL2との間に、リレーRYBのリレー接点RYB−1が設けられている。また、DC90Vの直流電圧Vdcの高圧側(電圧VdcH)は、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの端子BL1に接続している。すなわち、リレーRYBのリレー接点RYB−1により、半波整流回路4で整流されて励磁コイルMB−Cに通電されるDC90Vの直流電圧Vdcの低圧側が開閉される。
また、励磁コイルMB−Cの両端子BL1,BL2間には、リレー接点RYB−1が開いたときに生じるバックサージ電圧を吸収するために、ダイオードD3とバリスタZNR7を直列接続したバックサージ吸収回路5が並列に接続されている。ダイオードD3は、励磁コイルMB−Cの通常の励磁方向に対して逆方向に接続されており、これにより、バックサージ吸収回路5は、バックサージ電圧に対してのみ、バリスタZNR7に電流を流すことができる。このため、バリスタZNR7のバリスタ電圧を任意に選択することができ、本実施形態では、バリスタZNR7のバリスタ電圧を、直流電圧Vdcのピーク電圧282Vよりも低い220Vとしている。
さらに、ブレーキ通電回路3は、リレーコイル通電回路6の一部として、リレーRYBのリレーコイルRYB−Cへの通電を行う第2回路8を、半波整流回路4の電源側に有している。
第2回路8は、リレーコイルRYB−Cのほか、4本のダイオードのブリッジ回路からなる全波整流回路BR1、コンデンサC1、抵抗R1及びコンデンサC2により構成されている。なお、本実施形態では、コンデンサC1はフィルムコンデンサであり、コンデンサC2は、アルミ電解コンデンサである。
全波整流回路BR1は、その交流側入力端子の一方が、コンデンサC1を介して、リレー接点RYU−4、RYD−4とダイオードD1のアノードとの接続点(半波整流回路4の電源側のうち、商用交流電源のR相に接続される一方)に接続している。また、全波整流回路BR1の交流側入力端子の他方は、抵抗R1を介して、商用交流電源のS相とダイオードD2のアノードとの接続点(半波整流回路4の電源側の他方)に接続している。
また、全波整流回路BR1の直流側出力端子間には、コンデンサC2とリレーコイルRYB−Cが並列に接続されている。
これにより、第2回路8は、半波整流回路4の電源側に生じる交流電圧Vacを、コンデンサC1、リレーコイルRYB−Cのコイル抵抗及び抵抗R1によって交流的に分圧する分圧回路を構成する共に、分圧された交流電圧を、全波整流回路BR1により、脈流の直流電圧に変換して、リレーコイルRYB−Cに印加する。なお、分圧回路におけるコンデンサC1の容量及び抵抗R1の抵抗値は、リレーコイルRYB−Cのコイル抵抗値を考慮して、DC24V用のリレーコイルRYB−Cに適切な電圧が印加されるように、その値が決定されている。また、リレーコイルRYB−Cに並列に接続されたコンデンサC2も、その容量が適切な値に定められており、これにより、リレーコイルRYB−Cに印加される脈流の直流電圧が、上記交流電圧Vacに対して所定の遅延時間を生じる波形となっている。そして、リレーRYUのリレー接点RYU−4またはリレーRYDのリレー接点RYD−4が閉路している期間中は、上記脈流の直流電圧によってリレーコイルRYB−Cが励磁されることにより、リレー接点RYB−1も閉路している。
なお、本実施形態では、リレーコイルRYB−Cとして、DC24V用のリレーコイルを使用しているが、これは一例であって、DC24V用に限定するものではない。
また、前述したように、本実施形態の交流側開閉リレーの第1接点であるリレーRYU、RYDのリレー接点RYU−4、RYD−4は、モータ通電回路2によるモータMへの通電の遮断時に、リレーコイルRYU−CまたはリレーコイルRYD−Cが無励磁となることで、リレー接点RYU−1,RYU−2またはリレー接点RYD−1,RYD−2と同時に開路する。また、その際、半波整流回路4の電源側は、モータMへの通電ラインから完全に分離される。
一方、第2回路8においては、上述の通り、リレーコイルRYB−Cに印加される脈流の直流電圧が、半波整流回路4の電源側に生じる交流電圧Vacに対して所定の遅延時間を生じている。このため、リレー接点RYU−4、RYD−4が開路しても、リレーコイルRYB−Cはすぐに無励磁にはならず、励磁が継続されるため、リレー接点RYB−1が開路するのは、所定時間を経過した後である。すなわち、第2回路8は、半波整流回路4の電源側に生じる交流電圧Vacから、リレーRYU、RYDのリレーコイルRYU−C、RYD−Cへの印加電圧よりも時間的に遅れた、リレーRYBのリレーコイルRYB−Cへの印加電圧を生成する回路である。
本実施形態では、リレーRYBが本発明の直流側開閉リレーに相当し、リレーRYBのリレー接点RYB−1が、直流側開閉リレーの第2リレー接点に相当する。また、リレーコイル通電回路6の第2回路8が、本発明のコイル印加電圧生成回路に相当する。
(第1実施形態の作用)
さて、本実施形態の電動シャッタ開閉機1の作用を、図2〜図6を参照して説明する。便宜上、スラットカーテン106が開口101を閉じている状態から説明する。
図1に示す上昇スイッチPBUが押圧されて閉路されると、シャッタ開動用リレーRYUのリレーコイルRYU−Cが励磁されて、常開接点のリレー接点RYU−3が閉路されることにより、リレーコイルRYD−Cが励磁状態に自己保持される。
また、リレーコイルRYU−Cの励磁により、図2に示すように、常開接点のリレー接点RYU−1が閉路されるとともに、切換接点のリレー接点RYU−2が常閉接点bから常開接点aに切り換えられる。この結果、モータMが回転されて、スラットカーテン106が上昇する。
一方、図2に示すように、リレーコイルRYU−Cの励磁により、常開接点のリレー接点RYU−4(交流側開閉リレーの第1接点)も閉路される。すると、リレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cも励磁されて、リレー接点RYB−1(第2接点)が閉路され、半波整流回路4にて整流された電流Ic(すなわち、ダイオードD1に流れる電流IbまたはダイオードD2に流れる電流Ih)が電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに供給される。
なお、図2では、励磁コイルMB−Cの入力側の電流をId(=Ic)で示し、出力側の電流をIe(=Ic)で示し、リレー接点RYB−1を流れる電流をIf(=Ic)で示している。また、商用交流電源のR相からリレー接点RYU−4を通って半波整流回路4へ向かう電流をIa(=Ic)で示し、半波整流回路4から商用交流電源のS相へ向かう電流をIg(=Ic)で示している。
スラットカーテン106が上昇動作中に、上昇リミットスイッチLSU、停止スイッチPBS、または緊急停止スイッチEMSが開路すると、図3に示すように、リレーRYUのリレーコイルRYU−Cが無励磁となる。これにより、リレー接点RYU−1、RYU−3、RYU−4が開路されるとともに、リレー接点RYU−2が常開接点aから常閉接点bに切り換えられる。
この結果、モータMが停止されて、スラットカーテン106の上昇がストップする。
一方、図1に示すリレーコイル通電回路6は、リレー接点RYU−4が開路しても、その後、所定時間が経過するまでは、リレーRYBのリレーコイルRYB−Cの励磁が継続することにより、リレー接点RYB−1が閉路している。このため、リレー接点RYU−4が開路した後は、図3に示すように、半波整流回路4のダイオードD2がフライホイールダイオードとして働き、励磁コイルMB−Cに流れる電流Id’(=Ie’)がリレー接点RYB−1及びダイオードD2を通って環流する(If’=Ih’=Id’)。また、これにより、励磁コイルMB−Cの両端間に生じるバックサージ電圧がダイオードD2で吸収されるため、所定時間中は実質的にバックサージ電圧が発生せず、励磁コイルMB−Cの両端間電圧は、ほぼ0(ダイオードD2の1個分の順方向電圧のみ)になる。
さらに、所定時間が経過する間において、励磁コイルMB−Cに流れる電流Id’(=Ie’)は、ダイオードD2に電流Ih’が還流することにより(Ih’=Id’)、緩やかに減少していく。
なお、図3では、半波整流回路4からの電流をIc’で示し、端子BL1から励磁コイルMB−Cに入力される電流をId’で示している。また、励磁コイルMB−Cから流れる電流をIe’で示し、リレー接点RYB−1に流れる電流をIf’で示している。さらに、ダイオードD2に流れる電流をIh’で示している。
その後、所定時間が経過した後は、図4に示すように、リレーRYBのリレーコイルRYB−Cが無励磁となるため、リレー接点RYB−1も開路する。
ここで、このリレー接点RYB−1が開路する時点では、上述したように、ダイオードD2に電流Ih’(図3参照)が還流することにより、励磁コイルMB−Cの両端間電圧がほぼ0となっている。そして、リレー接点RYB−1が開路した後は、励磁コイルMB−Cの両端間に、端子BL1に対して端子BL2が高電位となるバックサージ電圧が発生する一方、このバックサージ電圧が発生している期間に、励磁コイルMB−Cに流れる電流Ii(=Ij)が急速に低下する。また、バックサージ電圧の大きさがバリスタZNR7のバリスタ電圧(本実施形態では220V)を超える期間では、図4に示すように、バックサージ吸収回路5に電流Ikが流れるので、バックサージ電圧の大きさがバリスタ電圧に抑えられる。
なお、図4では、端子BL1から励磁コイルMB−Cに入力される電流をIiで示し、励磁コイルMB−Cから流れる電流をIjで示している。また、バックサージ吸収回路5に流れる電流をIkで示している。
上記の動作を、直流側開閉リレーであるリレーRYBのリレーコイルRYB−Cの両端間電圧、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端間電圧、及び該励磁コイルMB−Cに流れる電流の様子で説明する。
図5は、本実施形態におけるリレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cの両端間電圧の測定波形を示したものである。なお、本例は、AC200Vの商用交流電源の電源周波数fが60Hzの場合についての測定結果である。本例では、リレーコイルRYB−Cの両端間電圧は、図1の第2回路8によって生成されることにより、下限値約14Vと上限値約27Vの間で変化する周期1/2fの脈流の直流電圧(平均電圧約20.5V)になっており、これにより、DC24V用のリレーコイルRYB−Cが励磁されている。そして、図5において、時点t0でリレー接点RYU−4(またはリレー接点RYD−4)が開路すると、リレーコイルRYB−Cの両端間電圧は0Vに向かって減少する。そして、この両端間電圧がリレーRYBの開放電圧(復帰電圧ともいう。例えば、定格電圧の10%)を下回った時点t1で、リレー接点RYB−1が開路する。前記所定時間は、リレー接点RYU−4(またはリレー接点RYD−4)が開路する時点t0からリレー接点RYB−1が開路する時点t1までの時間となる。
なお、リレーコイルRYB−Cの両端間電圧は、その後0Vを通過して負電圧となるが、全波整流回路BR1のダイオードがフライホイールダイオードとして働くため、時点t1’で約−2Vの最下電圧に達した後は、この最下電圧でクランプされた波形となっている。
また、図6は、本実施形態における(a)電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端間電圧の測定波形、及び、(b)電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに流れる電流の測定波形を示したものである。なお、本例は、図16に示した従来例と同じ電磁ブレーキMBについての測定波形を示している。
励磁コイルMB−Cの両端間電圧は、図6(a)に示すように、AC200Vを半波整流回路4で半波整流した、周期1/fでピーク電圧282Vの脈流の直流電圧(平均電圧約90V)になっている。そして、このような半波整流波形の直流電圧が励磁コイルMB−Cに印加されることにより、励磁コイルMB−Cに流れる電流は、図6(b)に示すように、本例では、図16の従来例と同じく、下限値約0.32Aと上限値約0.64Aの間で変化する脈流の直流電流(平均電流約0.48A)になっている。
そして、図6において、時点t0でリレー接点RYU−4(またはリレー接点RYD−4)が開路すると、図6(b)に示すように、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに流れる電流は、ダイオードD2を還流しながら緩やかに減少し、上記下限値(約0.32A)を下回る。さらに、励磁コイルMB−Cに流れる電流は、リレー接点RYB−1が開路する時点t1まで、そのまま緩やかに減少し続ける。
また、図6(a)に示すように、所定時間となる時点t0から時点t1までの間は、励磁コイルMB−Cに流れる電流がダイオードD2に還流することにより、励磁コイルMB−Cの両端間電圧がほぼ0(ダイオードD2の1個分の順方向電圧のみ)になっている。
そして、時点t1でリレー接点RYB−1が開路されると、図6(a)に示すように、励磁コイルMB−Cの両端間に、上述の半波整流波形と逆極性となるバックサージ電圧が発生する。なお、このバックサージ電圧は、バックサージ吸収回路5のバリスタZNR7の働きにより、本例では、約−230Vに抑えられている。また、図6(b)に示すように、上記バックサージ電圧が発生している期間中に、励磁コイルMB−Cに流れる電流は急速に低下する。これにより、図6における時点t2で、励磁コイルMB−Cがほぼ無励磁状態となって、電磁ブレーキMBの図示しないアーマチュアが吸引前の位置に戻り、モータMの駆動軸に電磁ブレーキMBによる制動がかかる。なお、本例では、図6における時点t0から時点t2までに相当するアーマチュア釈放時間は、約35msecであり、図16に示した220msecの場合に比して、大幅に短くなっている(1/6以下に短縮)。このため、電磁ブレーキの制動時間を短縮することができる。
加えて、本例では、上述したように、リレー接点RYB−1が開路する時点t1において、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端間の電圧差がほぼ0になっているので、リレー接点RYB−1の接点電圧が許容される最大値に対して十分小さくなり、接点電流のマージンも確保することができる。このため、リレー接点RYB−1が開く際には、このリレー接点RYB−1に火花が全く生じない。これにより、整流回路の直流側を開閉した場合のリレーの開閉寿命の問題を解決することができ、小型のリレーを使用することが可能となる。
なお、スラットカーテン106を下降させる場合については、上記説明中、上昇スイッチPBU、シャッタ開動用リレーRYU、リレーコイルRYU−C、リレー接点RYU−1〜4をそれぞれ下降スイッチPBD、シャッタ閉動用リレーRYD、リレーコイルRYD−C、リレー接点RYD−1〜4に読み替えるとともに、「上昇」を「下降」に読み替えれば、下降の説明となる。このため、下降についての説明は省略する。
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態の電動シャッタ開閉機1のブレーキ通電回路3は、商用交流電源のAC200Vの交流電圧を半波整流によりDC90Vの直流電圧(ピーク電圧282Vの脈流)に変換する半波整流回路4(整流回路)と、モータMへの通電の遮断時にモータ通電回路2の通電ラインから分離するように商用交流電源と半波整流回路4との間に設けられたリレー接点RYU−4、RYD−4(第1リレー接点)を開閉するリレーRYU,RYD(交流側開閉リレー)とを有する。
また、ブレーキ通電回路3は、半波整流回路4で整流されたDC90Vの直流電圧Vdcの低圧側と電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cとの間に設けられたリレー接点RYB−1(第2リレー接点)を開閉するリレーRYB(直流側開閉リレー)を有する。
また、ブレーキ通電回路3は、リレーコイル通電回路6を有する。このリレーコイル通電回路6は、モータMへの通電を停止したときに、リレー接点RYB−1(第2リレー接点)が閉じた状態で、先にリレー接点RYU−4,RYD−4(第1リレー接点)を開く。そして、所定時間経過後の励磁コイルMB−Cに流れる電流が半波整流回路4(整流回路)のダイオードD2及びリレー接点RYB−1(第2リレー接点)を通って環流している間において、リレー接点RYB−1(第2リレー接点)が開くように、リレーRYU,RYD(交流側開閉リレー)及びリレーRYB(直流側開閉リレー)の各リレーコイルRYU−C,RYD−C、RYB−Cへの通電を行う。
この結果、本実施形態の電動シャッタ開閉機1によれば、整流回路の直流側を小型のリレーで開閉することを可能とするとともに、小型・低コストの回路で、電磁ブレーキの制動時間を短縮することができる。
(2)また、ブレーキ通電回路3は、リレーRYB(直流側開閉リレー)のリレー接点RYB−1(第2リレー接点)よりも、励磁コイルMB−C側において、励磁コイルMB−Cに対して並列接続されたバックサージ吸収回路5を有する。この結果、リレー接点RYB−1が開路した後における励磁コイルMB−Cに発生するバックサージ電圧をバックサージ吸収回路5により吸収することができる。
(3)また、第2回路8(コイル印加電圧生成回路)は、リレーRYU,RYD(交流側開閉リレー)のリレー接点RYU−4,RYD−4(第1リレー接点)が閉じた状態で半波整流回路4(整流回路)の電源側に生じる交流電圧Vacから、リレーRYU,RYDのリレーコイルRYU−C,RYD−Cへの印加電圧よりも時間的に遅れた、リレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cへの印加電圧を生成している。これにより、抵抗やコンデンサ等の受動部品のみで、リレーコイルRYB−Cへの印加電圧を生成する回路を構成することができるので、本実施形態の電動シャッタ開閉機1のように、マイクロプロセッサを搭載せず、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成した場合であっても、容易に本発明を適用することができる。
なお、本実施形態の第2回路8は、本発明におけるコイル印加電圧生成回路の一例であって、同様の作用効果を奏するものであれば、その回路構成は、適宜変更が可能である。また、本実施形態の第2回路8のようなコイル印加電圧生成回路を、マイクロプロセッサを搭載した電動シャッタ開閉機に適用しても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電動シャッタ開閉機1Aを、図7及び図8(a)、図8(b)を参照して説明する。この第2実施形態の電動シャッタ開閉機1Aは、第1実施形態の電動シャッタ開閉機1と同様、シャッタ開閉用のモータとして、AC200V用三相誘導モータであるモータMを搭載した、三相200Vの商用交流電源で使用される三相200V用電動シャッタ開閉機である。
なお、第2実施形態では、第1実施形態の電動シャッタ開閉機1の構成と同一構成、または、相当する構成については、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる構成について説明する。
図7に示すように、本実施形態では、リレーコイル通電回路6Aが、第1回路7と、第2回路8Aとから構成されている。すなわち、本発明のコイル印加電圧生成回路に相当する第2回路8Aの構成が第1実施形態の第2回路8と異なっている。第2回路8A以外の他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の第2回路8Aは、半波整流回路4(整流回路)の負荷側において、ダイオードD2のアノードとカソード間に、抵抗R2とリレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cの直列回路を有するとともに、リレーコイルRYB−Cに対してそれぞれ並列に接続されたコンデンサC2とフライホイールダイオードD4とを有する。また、リレーコイルRYB−Cは、第1実施形態と同様、DC24V用である。
これにより、第2回路8Aは、半波整流回路4の負荷側に生じるDC90Vの直流電圧Vdc(ピーク電圧282Vの脈流)を、抵抗R2及びリレーコイルRYB−Cのコイル抵抗によって分圧する分圧回路を構成すると共に、分圧された脈流の直流電圧を、リレーコイルRYB−Cに印加する。なお、分圧回路における抵抗R2の抵抗値は、リレーコイルRYB−Cのコイル抵抗値を考慮して、DC24V用のリレーコイルRYB−Cに適切な電圧が印加されるように、その値が決定されている。また、リレーコイルRYB−Cに並列に接続されたコンデンサC2は、第1実施形態と同様、アルミ電解コンデンサであり、その容量が適切な値に定められている。これにより、リレーコイルRYB−Cに印加される脈流の直流電圧が、上記直流電圧Vdcに対して所定の遅延時間を生じる波形となっている。そして、リレーRYUのリレー接点RYU−4またはリレーRYDのリレー接点RYD−4が閉路している期間中は、上記脈流の直流電圧によってリレーコイルRYB−Cが励磁されることにより、リレー接点RYB−1も閉路している。
なお、前述したように、本実施形態においても、リレーコイルRYB−Cとして、DC24V用のリレーコイルを使用しているが、これは一例であって、DC24V用に限定するものではない。
上記のように構成された電動シャッタ開閉機1Aにおいても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
図8は、本実施形態における(a)半波整流回路4の出力電圧(直流側電圧)の測定波形、及び、(b)リレーRYBのリレーコイルRYB−Cの両端間電圧の測定波形を示したものである。本例では、リレーコイルRYB−Cの両端間電圧は、図7の第2回路8Aによって生成されることにより、下限値約8Vと上限値約30Vの間で変化する周期1/fの脈流の直流電圧(平均電圧約19V)になっており、これにより、DC24V用のリレーコイルRYB−Cが励磁されている。また、同図に破線で示すように、半波整流回路4の出力電圧のピークと、リレーコイルRYB−Cの両端間電圧のピークとの間には、所定の遅延時間が生じている。
このため、リレー接点RYU−4、RYD−4が開路した後も、上記遅延時間で定まる所定時間中は、リレーコイルRYB−Cの励磁が継続されて、リレー接点RYB−1の閉路が保持される。そして、所定時間が経過すると、リレーコイルRYB−Cが無励磁となり、リレー接点RYB−1が開路する。
本実施形態では、第1実施形態の(1)、(2)と同様の特徴を有するほか、第1実施形態の(3)に相当する下記の特徴を有する。
(1)第2回路8A(コイル印加電圧生成回路)は、リレーRYU,RYD(交流側開閉リレー)のリレー接点RYU−4,RYD−4(第1リレー接点)が閉じた状態で半波整流回路4(整流回路)の負荷側に生じる直流電圧Vdcから、リレーRYU,RYDのリレーコイルRYU−C,RYD−Cへの印加電圧よりも時間的に遅れた、リレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cへの印加電圧を生成している。これにより、第1実施形態と同様、本実施形態の電動シャッタ開閉機1Aのように、マイクロプロセッサを搭載せず、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成した場合であっても、容易に本発明を適用することができる。
なお、第1実施形態の第2回路8と同様、本実施形態の第2回路8Aも、本発明におけるコイル印加電圧生成回路の一例であって、同様の作用効果を奏するものであれば、その回路構成は、適宜変更が可能である。また、本実施形態の第2回路8Aのようなコイル印加電圧生成回路を、マイクロプロセッサを搭載した電動シャッタ開閉機に適用しても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る電動シャッタ開閉機1Bを、図10を参照して説明する。この第3実施形態の電動シャッタ開閉機1Bも、第1実施形態の電動シャッタ開閉機1と同様、シャッタ開閉用のモータとして、AC200V用三相誘導モータであるモータMを搭載した、三相200Vの商用交流電源で使用される三相200V用電動シャッタ開閉機である。
ただし、第1実施形態の電動シャッタ開閉機1が、リレーによる自己保持回路で電気回路が構成されていたのに対し、第3実施形態の電動シャッタ開閉機1は、マイクロプロセッサを含む制御回路で電気回路が構成されている点で異なる。
なお、第3実施形態のうち、第1実施形態と同一構成、または相当する構成については、同一符号を付す。
図10に示すように、本実施形態の電動シャッタ開閉機1Bは、制御用のマイクロプロセッサMPUのほか、主として、操作入力回路9、電源回路10、モータ通電回路2A及びブレーキ通電回路3Bを備えている。また、ブレーキ通電回路3Bは、マイクロプロセッサMPUを含むリレーコイル通電回路6Bを有している。
操作入力回路9は、スイッチボックス108の上昇スイッチPBU、下降スイッチPBD及び停止スイッチPBS、並びに、上昇リミットスイッチLSU、下降リミットスイッチLSD及び緊急停止スイッチEMSのオンオフの状態を検出すると共に、検出した各スイッチの状態をマイクロプロセッサMPUに出力する。
また、マイクロプロセッサMPUは、操作入力回路9から入力された各スイッチの状態に基づいて、モータ通電回路2A及びブレーキ通電回路3Bを制御する。
モータ通電回路2Aは、マイクロプロセッサMPUの制御により、モータMの作動によるスラットカーテン106の上昇及び下降の切換、並びに三相200Vの商用交流電源とモータMとの間の電力供給遮断が可能になっている。なお、モータ通電回路2Aは、その構成については詳述しないが、これに用いる電力供給遮断用の機器またはデバイスとしては、リレーのほか、トライアック等の半導体スイッチが挙げられる。
ブレーキ通電回路3Bは、第1実施形態のブレーキ通電回路3と同様に、2本のダイオードD1、D2からなる半波整流回路4を有している。また、半波整流回路4の電源側及び負荷側には、サージ防護デバイスのバリスタZNR5、ZNR6がそれぞれ接続されている。
さらに、ブレーキ通電回路3Bは、本発明の交流側開閉リレーとして、常開接点のリレー接点RYA−1及びDC24V用のリレーコイルRYA−CからなるリレーRYAを有している。そして、本発明の第1リレー接点であるリレー接点RYA−1は、商用交流電源のR相と半波整流回路4の電源側となるダイオードD1のアノードとの間に設けられている。また、半波整流回路4のダイオードD2のアノードは、商用交流電源のS相に接続している。
これにより、半波整流回路4は、リレー接点RYA−1(第1リレー接点)が閉路しているときに、商用交流電源のR相とS相の間のAC200Vの交流電圧Vacを半波整流によりDC90Vの直流電圧Vdc(ピーク電圧282Vの脈流)に変換する。
また、ブレーキ通電回路3Bは、本発明の直流側開閉リレーとして、第1実施形態と同様に、常開接点のリレー接点RYB−1及びDC24V用のリレーコイルRYB−CからなるリレーRYBを有している。そして、本発明の第2リレー接点であるリレー接点RYB−1は、半波整流回路4の負荷側に生じるDC90Vの直流電圧Vdc(ピーク電圧282Vの脈流)の低圧側(電圧VdcL)と電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの端子BL2との間に設けられている。さらに、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端子BL1,BL2間には、ダイオードD3とバリスタZNR7を直列接続した第1実施形態と同様のバックサージ吸収回路5が並列に接続されている。
また、ブレーキ通電回路3Bは、図10に示すように、リレーコイルRYA−C及びリレーコイルRYB−Cへの通電を行うリレーコイル通電回路6Bを有している。このリレーコイル通電回路6Bは、マイクロプロセッサMPUを含み、さらに、このマイクロプロセッサMPUの制御信号RYA−ON、RYB−ONによりオンオフが制御されるフォトカプラ11、12を有する。また、リレーコイルRYA−C、RYB−Cのそれぞれには、フライホイールダイオードD10、D11が並列に接続されている。
マイクロプロセッサMPUは、モータ通電回路2によってモータMに電力が供給されている間は、制御信号RYA−ONにより、フォトカプラ11を介してリレーRYA(交流側開閉リレー)のリレーコイルRYA−Cを励磁するように制御するとともに、制御信号RYB−ONにより、フォトカプラ12を介してリレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cを励磁するように制御する。
なお、電源回路10は、商用交流電源のR相とS相の間に接続されており、マイクロプロセッサMPU、フォトカプラ11、12、リレーコイルRYA−C、RYB−C等の各回路に、DC5VまたはDC24Vを印加する。
(第3実施形態の作用)
次に、上記のように構成された電動シャッタ開閉機1Bの作用を説明する。
上昇スイッチPBUが押圧されて閉路されると、マイクロプロセッサMPUは、操作入力回路9を介して、この上昇スイッチPBUの状態の変化を検知する。
マイクロプロセッサMPUは、前記上昇スイッチPBUの状態変化に基づいて、制御信号RYA−ON、RYB−ONを同時にオンすることにより、フォトカプラ11、12を介して、リレーRYA(交流側開閉リレー)のリレーコイルRYA−C、及びリレーRYB(直流側開閉リレー)のリレーコイルRYB−Cを励磁させる。リレーコイルRYA−C、RYB−Cの励磁により、リレー接点RYA−1、RYB−1が閉路される。これにより、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cを励磁して、モータMの駆動軸の制動を解除する。
また、合わせて、マイクロプロセッサMPUは、前記上昇スイッチPBUの状態変化に基づいて、モータ通電回路2Aに上昇のための通電信号を出力する。モータ通電回路2Aは、その上昇のための通電信号に基づいて、モータMに、商用交流電源からの電力を供給して、スラットカーテン106(図9参照)を上昇させる。
スラットカーテン106が所定の上昇位置まで上昇して、開口101を開放すると、上昇リミットスイッチLSUがスラットカーテン106により作動されて開路する。
上昇リミットスイッチLSUが開路すると、マイクロプロセッサMPUは、操作入力回路9を介してこれを検知して、モータ通電回路2Aに遮断信号を出力し、モータMへの電力の供給を遮断してモータMを停止させる。また、停止スイッチPBSが押圧されて閉路された場合も同様にして、モータMを停止させる。この結果、モータMが停止されることによりスラットカーテン106の上昇がストップする。
また、合わせてマイクロプロセッサMPUは、制御信号RYB−ONをオンにしたまま、制御信号RYA−ONをオフにすることにより、リレー接点RYB−1(第2リレー接点)が閉じた状態で、先にリレー接点RYA−1(第1リレー接点)を開く。
マイクロプロセッサMPUは、その後、予め設定した所定時間が経過するまでは、リレー接点RYB−1の閉路状態を維持する。そして、この所定時間中に、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに流れる電流が半波整流回路4のダイオードD2を還流しながら緩やかに減少すると共に、励磁コイルMB−Cの両端間電圧がほぼ0となる。
そして、マイクロプロセッサMPUは、リレー接点RYA−1が開路してから所定時間経過後の励磁コイルMB−Cの電流が半波整流回路4のダイオードD2を通って環流している間において、制御信号RYB−ONをオフにして、リレー接点RYB−1を開く。
これにより、リレー接点RYB−1が開いた後は、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端間にバックサージ電圧が発生すると共に、励磁コイルMB−Cに流れる電流が急速に低下する。その結果、励磁コイルMB−Cが無励磁となり、モータMの駆動軸に電磁ブレーキMBによる制動がかかる。
また、第1実施形態と同様、リレー接点RYB−1が開路する時点において、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cの両端間の電圧差がほぼ0になっていることにより、リレー接点RYB−1が開く際に火花を生じない。この結果、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、整流回路の直流側を小型のリレーで開閉するとともに、電磁ブレーキの制動時間を短縮することができる。
なお、スラットカーテン106を下降させる場合については、上記説明中、上昇スイッチPBU、上昇リミットスイッチLSUを、それぞれ下降スイッチPBD、下降リミットスイッチLSDと読み替えるとともに、「上昇」を「下降」に読み替えれば、下降の説明となる。このため、下降についての説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態の(1)、(2)と同様の特徴を有するほか、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態の電動シャッタ開閉機1Bでは、制御部であるマイクロプロセッサMPUによって、先にリレー接点RYA−1(第1リレー接点)を開き、所定時間経過後の電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに流れる電流がダイオードD2及びリレー接点RYB−1(第2リレー接点)を通って還流している間において、リレー接点RYB−1(第2リレー接点)が開くように、リレーコイルRYA−C、RYB−Cへの通電を行っている。このため、本実施形態の電動シャッタ開閉機1Bのように、マイクロプロセッサMPUを含む制御回路で電気回路を構成している場合には、簡易に本発明を適用することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る電動シャッタ開閉機1Cを、図11を参照して説明する。この第4実施形態の電動シャッタ開閉機1Cは、シャッタ開閉用のモータとして、コンデンサラン形のAC100V用単相誘導モータであるモータMを搭載した、単相100Vの商用交流電源で使用される単相100V用電動シャッタ開閉機である。また、その電気回路は、第3実施形態の電動シャッタ開閉機1Bと同様に、マイクロプロセッサを含む制御回路で構成されている。なお、第3実施形態の電動シャッタ開閉機1Bの構成と同一構成または相当する構成については同一符号を付して、その説明を省略する。
上述したように、本実施形態では、モータMは、コンデンサラン形のAC100V用単相誘導モータであり、図11に示すように、モータMのU相とX相に、それぞれコンデンサCのE2端子、E1端子が接続されている。
また、本実施形態の電動シャッタ開閉機1Cは、主として、第3実施形態と同様のマイクロプロセッサMPU、操作入力回路9、電源回路10のほか、第3実施形態とは一部の構成が異なるモータ通電回路2B及びブレーキ通電回路3Cを備えている。また、ブレーキ通電回路3Cは、第3実施形態と同様のリレーコイル通電回路6Bを有している。
モータ通電回路2Bは、マイクロプロセッサMPUの制御により、モータMの作動によるスラットカーテン106の上昇及び下降の切換、並びに単相100Vの商用交流電源とモータMとの間の電力供給遮断が可能になっている。なお、モータ通電回路2Bの構成については詳述しないが、これに用いる電力供給遮断用の機器またはデバイスとしては、リレーのほか、トライアック等の半導体スイッチが挙げられる。
また、本実施形態では、第3実施形態のブレーキ通電回路3Bの半波整流回路4に代えて、ブレーキ通電回路3Cに本発明の整流回路に相当する全波整流回路BRが設けられている。この全波整流回路BRは、商用交流電源のAC100Vの交流電圧を全波整流によりDC90Vの直流電圧(ピーク電圧141Vの脈流)に変換する。つまり、本実施形態では、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに通電されるDC90Vの直流電圧の波形が、ピーク電圧141Vの全波整流波形となる点で、同DC90Vの直流電圧の波形が、ピーク電圧282Vの半波整流波形となる第3実施形態とは異なる。
なお、ブレーキ通電回路3Cのうち、交流側開閉リレーであるリレーRYA及び直流側開閉リレーであるリレーRYB、並びに、リレーコイルRYA−C及びリレーコイルRYB−Cへの通電への通電を行うリレーコイル通電回路6Bの構成は、第3実施形態と同様である。また、これ以外の他の構成についても、第3実施形態と同様である。
このように、本実施形態の電動シャッタ開閉機1Cでは、商用交流電源の電源電圧の違いにより、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに通電される直流電圧の波形が第3実施形態とは異なるが、本実施形態においても第3実施形態と同様の効果を実現することができる。
以上において、本発明を第1実施形態〜第4実施形態に即して説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、第1実施形態〜第4実施形態では、本発明の整流回路である半波整流回路4または全波整流回路BRの低圧側に、直流側開閉リレーであるリレーRYBのリレー接点RYB−1を設けたが、直流側開閉リレーのリレー接点は、整流回路の高圧側に設けてもよい。また、整流回路の低圧側及び高圧側の両方に、直流側開閉リレーのリレー接点を設けてもよい。
また、第1実施形態〜第4実施形態では、バックサージ吸収回路として、ダイオードD3とバリスタZNR7の直列回路を用いたが、バックサージ吸収回路はこれに限られない。例えば、整流回路の負荷側に生じる直流電圧のピーク電圧よりもバリスタ電圧の大きいバリスタを単独で用いることもできる。また、バックサージ電圧の大きさによっては、バックサージ吸収回路を省略することもできる。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、リレーによる自己保持回路で電気回路を構成した三相200V用電動シャッタ開閉機1,1Aについて説明したが、これらの実施形態の構成を一部変更することにより、従来例として図14に示した単相100V用電動シャッタ開閉機に、本発明を適用することもできる。
具体的には、図1に示す第1実施形態の半波整流回路4を、図12に示すように、複数のダイオードにてブリッジ回路を構成した全波整流回路BRに変更すると共に、第2回路8のコンデンサC1及び抵抗R1等の定数を適宜変更した回路を、単相100V用電動シャッタ開閉機に適用してもよい。
同様に、図7に示す第2実施形態の半波整流回路4を、図13に示すように、複数のダイオードにてブリッジ回路を構成した全波整流回路BRに変更すると共に、第2回路8Aの抵抗R2等の定数を適宜変更した回路を、単相100V用電動シャッタ開閉機に適用してもよい。
なお、第3実施形態と第4実施形態との関係と同様に、これらの変形例は、第1実施形態及び第2実施形態とは、電磁ブレーキMBの励磁コイルMB−Cに通電される直流電圧の波形が異なるが、同様の作用効果を奏する。
また、単相100V及び三相200V以外の商用交流電源で使用される電動シャッタ開閉機、例えば、図示しないが、コンデンサラン型のAC200V用単相誘導モータを用いると共に、ブレーキ通電回路の整流回路に半波整流回路を用いた単相200V用電動シャッタ開閉機などに、本発明を適用することもできる。
1、1A、1B、1C…電動シャッタ開閉機、
M…モータ、MB…電磁ブレーキ、MB−C…励磁コイル、
BL1、BL2、E1、E2…端子、C…コンデンサ、
CB…サーキットブレーカ、FG…フレームグランド、
2、2A、2B…モータ通電回路、
3、3A、3B…ブレーキ通電回路、
4…半波整流回路(整流回路)、
5…バックサージ吸収回路、
6、6A、6B…リレーコイル通電回路、
7…第1回路(リレーコイル通電回路)、
8、8A…第2回路(リレーコイル通電回路、コイル印加電圧生成回路)、
9…操作入力回路、10…電源回路、 11、12…フォトカプラ、
101…開口、101a…床、101b…天井、102…ガイドレール、
103…ケース、104…巻取軸、105…駆動伝達系、
106…スラットカーテン(電動シャッタ)、
107…駆動制御ボックス、108…スイッチボックス、
B1、B2、B3、B4…スイッチ接続用端子
PBU…上昇スイッチ、PBD…下降スイッチ、PBS…停止スイッチ、
LSU…上昇リミットスイッチ、LSD…下降リミットスイッチ、
EMS…緊急停止スイッチ、
RYU…シャッタ開動用リレー(交流側開閉リレー)、
RYD…シャッタ閉動用リレー(交流側開閉リレー)、
RYU−C、RYD−C…リレーコイル、
RYU−1,RYU−2,RYU−3…リレー接点、
RYU−4…リレー接点(第1リレー接点)、
RYD−1,RYD−2,RYD−3…リレー接点、
RYD−4…リレー接点(第1リレー接点)、
RYB…リレー(直流側開閉リレー)、RYB−C…リレーコイル、
RYB−1…リレー接点(第2リレー接点)、
RYA…リレー(交流側開閉リレー)、RYA−C…リレーコイル、
RYA−1…リレー接点(第1リレー接点)、
R1、R2…抵抗、C1、C2…コンデンサ、
ZNR1〜ZNR7…バリスタ、D1、D2、D3…ダイオード、
BR1…全波整流回路、D4、D10、D11…フライホイールダイオード、
BR…全波整流回路(整流回路)、MPU…マイクロプロセッサ(制御部)。

Claims (4)

  1. 電動シャッタの開閉を行うモータと、直流励磁される励磁コイルを有していて、前記励磁コイルの無励磁時に前記モータの駆動軸に制動をかけ、前記励磁コイルの励磁時に前記駆動軸の制動を解除する無励磁作動形の電磁ブレーキと、前記モータへの通電を行うモータ通電回路と、前記電磁ブレーキの前記励磁コイルへの通電を行うブレーキ通電回路と、を備えた電動シャッタ開閉機であって、
    前記ブレーキ通電回路は、複数のダイオードから構成されて商用交流電源の交流電圧を全波整流または半波整流により直流電圧に変換する整流回路と、前記モータへの通電の遮断時に前記モータ通電回路による前記モータへの通電ラインから分離されるように前記商用交流電源と前記整流回路との間に設けられた第1リレー接点を開閉する交流側開閉リレーと、前記整流回路で整流された直流電圧の高圧側または低圧側の少なくともいずれか一方と前記電磁ブレーキの前記励磁コイルとの間に設けられた第2リレー接点を開閉する直流側開閉リレーと、前記モータ通電回路による前記モータへの通電を停止したときに、前記第2リレー接点が閉じた状態で、先に前記第1リレー接点を開き、所定時間経過後の前記励磁コイルに流れる電流が前記整流回路の前記ダイオード及び前記第2リレー接点を通って環流している間において、前記第2リレー接点が開くように、前記交流側開閉リレー及び前記直流側開閉リレーの各リレーコイルへの通電を行うリレーコイル通電回路と、を有する電動シャッタ開閉機。
  2. 請求項1に記載の電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路は、前記直流側開閉リレーの前記第2リレー接点よりも前記励磁コイル側において、前記励磁コイルに対して並列接続されたバックサージ吸収回路を、さらに有する
    電動シャッタ開閉機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路の前記リレーコイル通電回路は、前記交流側開閉リレーの前記第1リレー接点が閉じた状態で前記整流回路の電源側に生じる交流電圧または負荷側に生じる直流電圧から、前記交流側開閉リレーのリレーコイルへの印加電圧よりも時間的に遅れた、前記直流側開閉リレーのリレーコイルへの印加電圧を生成するコイル印加電圧生成回路を含む電動シャッタ開閉機。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電動シャッタ開閉機であって、前記ブレーキ通電回路の前記リレーコイル通電回路は、前記モータ通電回路による前記モータへの通電を停止したときに、前記第2リレー接点が閉じた状態で、先に前記第1リレー接点を開き、所定時間経過後の前記励磁コイルに流れる電流が前記整流回路の前記ダイオード及び前記第2リレー接点を通って環流している間において、前記第2リレー接点が開くように、前記交流側開閉リレー及び前記直流側開閉リレーの各リレーコイルへの通電制御を行う制御部を含む電動シャッタ開閉機。
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