JP6026952B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、電力変換装置に関する。
従来、2つのインバータにより回転電機の電力を変換するインバータ駆動システムが知られている。例えば特許文献1では、2つのエネルギ源と2つのインバータシステムとを用い、モータを駆動している。
特開2006−23868号公報
ところで、バッテリ等である電力供給源の温度が低い場合、回生しきれない電力が多くなる。また、回転電機の温度が低いと、潤滑油等として機能する作動油の粘度が上昇するため、摩擦による損失が大きくなる。しかしながら、特許文献1のように1つの回転電機に対して2つのインバータを設ける構成において、温度低下に伴う効率低下については何ら言及されていない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力供給源および回転電機を昇温可能な電力変換装置を提供することにある。
本発明の電力変換装置は、巻線を有する回転電機の電力を変換するものであって、第1インバータ部と、第2インバータ部と、制御部と、を備える。
第1インバータ部は、巻線の各相に対応して設けられる第1スイッチング素子を有し、巻線の一端と充放電可能な第1電力供給源との間に接続される。
第2インバータ部は、巻線の各相に対応して設けられる第2スイッチング素子を有し、巻線の他端と充放電可能な第2電力供給源との間に接続される。
制御部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御し、第1電力供給源と第2電力供給源との間で充放電を行い、第1電力供給源、第2電力供給源、および、回転電機を昇温させる。
第1スイッチング素子は、高電位側に接続される第1上アーム素子(21、22、23)、および、第1上アーム素子の低電位側に接続される第1下アーム素子(24、25、26)から構成され、第2スイッチング素子は、高電位側に接続される第2上アーム素子(31、32、33)、および、第2上アーム素子の低電位側に接続される第2下アーム素子(34、35、36)から構成される。また、巻線の少なくとも1相に対応する相をスイッチング相とし、スイッチング相以外の少なくとも1相を非スイッチング相とする。
制御部は、第1上アーム素子のスイッチング相、第1下アーム素子および第2下アーム素子の非スイッチング相をオンし、第2下アーム素子のスイッチング相をスイッチングする昇圧期間と、第1上アーム素子のスイッチング相、第1下アーム素子および第2下アーム素子の非スイッチング相をオンし、第2上アーム素子のスイッチング相をスイッチングする降圧期間と、を切り替える。
本発明では、回転電機の一側に第1インバータ部および第1電力供給源が設けられ、他側に第2インバータ部および第2電力供給源が設けられる。また、制御部は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子をオンオフ作動することにより、第1電力供給源と第2電力供給源との間で電力をやり取りさせ、第1電力供給源と第2電力供給源との間で充放電させる。
第1電力供給源と第2電力供給源との間で充放電させ、回転電機、第1インバータ部、第2インバータ部、第1電力供給源、および、第2電力供給源に電流を流すと、通電に伴う内部発熱により、回転電機、第1電力供給源および第2電力供給源を昇温させることができる。これにより、低温時における第1電力供給源および第2電力供給源の出力を向上することができる。また、回転電機の作動油の温度低下に伴う粘度増加による摩擦損失を低減することができ、回転電機の効率を向上することができる。
本発明の第1実施形態による電力変換装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による昇温制御を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による昇温制御を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による昇温制御におけるスイッチング相のスイッチング状態を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態によるスイッチング相の切り替えを説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による昇温制御によるモータの温度変化を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による第1バッテリの内部インピーダンスの周波数特性および温度特性を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による充放電周波数の切り替えによる第1バッテリの温度変化を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態による昇温制御を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態による昇温制御を説明するタイムチャートである。 本発明の第3実施形態による昇温制御を説明する説明図である。 本発明の第3実施形態による昇温制御を説明するタイムチャートである。
以下、本発明による電力変換装置を図面に基づいて説明する。なお、以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態による電力変換装置を図1〜図8に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による電力変換装置1は、回転電機としてのモータ10の電力を変換するものである。
駆動装置5は、電力変換装置1、モータ10、第1電力供給源としての第1バッテリ41、第2電力供給源としての第2バッテリ42等を備える。本実施形態では、駆動装置5は、例えば電動車両に適用される。
モータ10は、図示しない駆動輪を駆動するためのトルクを発生する。本実施形態のモータ10は、駆動輪を駆動するための電動機としての機能、および、図示しないエンジンや駆動輪から伝わる運動エネルギにより駆動されて発電可能な発電機としての機能を有する、所謂モータジェネレータ(MG)であるが、本実施形態では、モータ10と呼ぶことにする。
モータ10は、3相交流の回転電機であって、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13を有する。U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13が「巻線」に対応する。以下適宜、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13を「コイル11〜13」という。また、U相コイル11に通電される電流をU相電流Iu、V相コイル12に通電される電流をV相電流Iv、W相コイル13に通電される電流をW相電流Iwといい、U相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを適宜「各相電流Iu、Iv、Iw」という。
また、モータ10には、図示しないロータの回転位置を検出する回転角センサ15が設けられる。回転角センサ15は、例えばレゾルバ等、どのようなであってもよい。回転角センサ15の検出値は、制御部60に出力され、制御部60にて各種演算に用いられる。
電力変換装置1は、第1インバータ部20、第2インバータ部30、および、制御部60等を備える。
第1インバータ部20は、3相インバータであり、コイル11〜13への通電を切り替えるべく、6つのスイッチング素子であるU1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V1下アーム素子25およびW1下アーム素子26がブリッジ接続されている。以下適宜、U1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V1下アーム素子25およびW1下アーム素子26を、「SW素子21〜26」という。本実施形態では、SW素子21〜26は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、寄生ダイオードを有している。本実施形態では、SW素子21〜26の寄生ダイオードが低電位側から高電位側へ通電可能となるように接続される。本実施形態では、SW素子21〜26が「第1スイッチング素子」に対応する。
U1上アーム素子21は、U1下アーム素子24の高電位側に接続される。U1上アーム素子21とU1下アーム素子24との接続点27は、U相コイル11の一端111に接続される。
V1上アーム素子22は、V1下アーム素子25の高電位側に接続される。V1上アーム素子22とV1下アーム素子25との接続点28は、V相コイル12の一端121に接続される。
W1上アーム素子23は、W1下アーム素子26の高電位側に接続される。W1上アーム素子23とW1下アーム素子26との接続点29は、W相コイル13の一端131に接続される。
以下適宜、高電位側に接続されるU1上アーム素子21、V1上アーム素子22およびW1上アーム素子23を「第1上アーム素子」、低電位側に接続されるU1下アーム素子24、V1下アーム素子25およびW1下アーム素子26を「第1下アーム素子」という。
第2インバータ部30は、第1インバータ部20と同様、3相インバータであり、コイル11〜13への通電を切り替えるべく、6つのスイッチング素子であるU2上アーム素子31、V2上アーム素子32、W2上アーム素子33、U2下アーム素子34、V2下アーム素子35およびW2下アーム素子36がブリッジ接続されている。以下適宜、U2上アーム素子31、V2上アーム素子32、W2上アーム素子33、U2下アーム素子34、V2下アーム素子35およびW2下アーム素子36を、「SW素子31〜36」という。本実施形態では、SW素子31〜36は、IGBTであり、寄生ダイオードを有している。本実施形態では、SW素子31〜36の寄生ダイオードが低電位側から高電位側へ通電可能となるように接続される。本実施形態では、SW素子31〜36が「第2スイッチング素子」に対応する。
U2上アーム素子31は、U2下アーム素子34の高電位側に接続される。U2上アーム素子31とU2下アーム素子34との接続点37は、U相コイル11の他端112に接続される。
V2上アーム素子32は、V2下アーム素子35の高電位側に接続される。V2上アーム素子32とV2下アーム素子35との接続点38は、V相コイル12の他端122に接続される。
W2上アーム素子33は、W2下アーム素子36の高電位側に接続される。W2上アーム素子33とW2下アーム素子36との接続点39は、W相コイル13の他端132に接続される。
以下適宜、高電位側に接続されるU2上アーム素子31、V2上アーム素子32およびW2上アーム素子を「第2上アーム素子」、低電位側に接続されるU2下アーム素子34、V2下アーム素子35およびW2下アーム素子36を「第2下アーム素子」という。
第1バッテリ41は、第1インバータ部20に接続される充放電可能な直流電源である。
第2バッテリ42は、第2インバータ部30に接続される充放電可能な直流電源である。
第1バッテリ41により印加される電圧を第1電圧値V1とし、第2バッテリ42により印加される電圧を第2電圧値V2とする。本実施形態では、第2電圧値V2は、第1電圧値以上である。詳細には、第2電圧値V2は、第1電圧値V1の2倍とする。
なお、図1において、第1バッテリ41および第2バッテリ42を1つの直流電源として記載しているが、例えば複数の直流電源を並列或いは直列に接続して構成してもよいし、例えば図示しない昇圧コンバータ等を含んで構成するようにしてもよい。
第1コンデンサ51は、第1バッテリ41と並列に接続され、第1バッテリ41からSW素子21〜26へ供給される電流、或いは、SW素子21〜26から第1バッテリ41へ供給される電流を平滑化する平滑コンデンサである。
第2コンデンサ52は、第2バッテリ42と並列に接続され、第2バッテリ42からSW素子31〜36へ供給される電流、或いは、SW素子31〜36から第2バッテリ42へ供給される電流を平滑化する平滑コンデンサである。
ここで、第1インバータ部20および第1バッテリ41組み合わせを第1系統100とし、第2インバータ部30および第2バッテリ42の組み合わせを第2系統200とすると、本実施形態では、モータ10の一側に第1系統100が設けられ、他側に第2系統200が設けられている、ということである。
制御部60は、通常のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、I/O、および、これらの構成を接続するバスライン等が備えられる。
制御部60は、SW素子21〜26、31〜36のオンオフ作動を制御することにより、駆動装置5における通電を制御し、モータ10の駆動を制御する。
例えば、低回転、低トルク域では、モータ効率を高めるべく、第2上アーム素子31〜33の全相または第2下アーム素子34〜36の全相をオンすることにより第2インバータ部30を全相同電位とし、第1インバータ部20をスイッチングすることにより、第1バッテリ41の電力によりモータ10を駆動する。
また、中回転、中トルク域では、第1上アーム素子21〜23の全相または第1下アーム素子24〜26の全相をオンすることにより第1インバータ部20を全相同電位とし、第2インバータ部30をスイッチングすることにより、第2バッテリ42の電力によりモータ10を駆動する。
さらにまた、高回転、高トルク域では、モータ出力を高めるべく、第1インバータ部20および第2インバータ部30をスイッチングする。本実施形態では、コイル11〜13に印加される電圧に応じた第1基本波に基づいて第1インバータ部20をスイッチングし、第1基本波を反転した第2基本波に基づいて第2インバータ部30をスイッチングすることにより、第1バッテリ41および第2バッテリ42を直列接続しているのに相当する状態にてモータ10を駆動する。なお、第1基本波と第2基本波とは、位相が180[°]ずれていると捉えることもできる。第1基本波と第2基本波との位相差は、第1バッテリ41と第2バッテリ42とを直列接続した状態に対応する電圧をモータ10に印加可能であれば、180[°]から多少のずれは許容されるものとし、「第1基本波を反転した第2基本波」の概念に含まれるものとする。
ところで、寒冷地等の外気温が低い状況において、第1バッテリ41および第2バッテリ42の温度が低下すると、容量が低下するため、回生しきれない電力が多くなり、第1バッテリ41および第2バッテリ42の出力が低下する。また、モータ10の潤滑油等として機能する作動油の温度が低下すると、作動油の粘度が増加し、摩擦損失が大きくなるため、モータ10の効率が悪化する。そのため、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42の温度が低い場合、これらの温度を速やかに昇温させることが望ましい。
そこで本実施形態では、モータ10の停止時において、制御部60は、SW素子21〜26、31〜36のオンオフ作動を制御し、第1バッテリ41および第2バッテリ42との間で充電と放電とを繰り返すことにより、内部発熱により、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42を昇温させる。
以下、制御部60による昇温制御について説明する。
本実施形態の昇温制御は、第1の全相通電制御とする。第1の全相通電制御において、第1系統100側を昇圧し、第2バッテリ42を充電する期間を「昇圧期間A1」といい、第2系統200側を降圧し、第1バッテリ41を充電する期間を「降圧期間B1」という。
第1の全相通電制御について、図2に基づいて説明する。なお、図2においては、制御部60等を省略した。後述の図9、図11も同様である。
第1の全相通電制御では、U相、V相およびW相のうちの1相をスイッチング相、他の2相を非スイッチング相とする。すなわち本実施形態の第1の全相通電制御は、「巻線の少なくとも1相に対応する相をスイッチング相とし、スイッチング相以外の全相を非スイッチング相とする全相通電制御」に対応する。
図2では、U相をスイッチング相、V相およびW相を非スイッチング相とする場合を例に説明する。
まず、第1の全相通電制御の昇圧期間A1について、図2(a)に基づいて説明する。
昇圧期間A1における第1インバータ部20のSW素子21〜26の作動について説明する。
制御部60は、第1インバータ部20のU1上アーム素子21、V1下アーム素子25およびW1下アーム素子26をオンする。すなわち、制御部60は、低電圧側である第1インバータ部20のスイッチング相の上アーム素子をオンし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相の下アーム素子であるU1下アーム素子24、および、非スイッチング相の上アーム素子であるV1上アーム素子22、W1上アーム素子23をオフとする。
次に、昇圧期間A1における第2インバータ部30のSW素子31〜36の作動について説明する。
制御部60は、第2インバータ部30のU2下アーム素子34のオンオフを切り替えてスイッチングする。また、制御部60は、V2下アーム素子35およびW2下アーム素子36をオンする。すなわち、制御部60は、高電圧側である第2インバータ部30のスイッチング相の下アーム素子をスイッチングし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相、非スイッチング相によらず、第2上アーム素子31〜33をオフとする。
スイッチングするU2下アーム素子34がオンのとき、図2(a)中に破線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンであるU1上アーム素子21、U相コイル11、および、U2下アーム素子34を通り、第1バッテリ41の正極から第2インバータ部30側へ電流が流れる。また、V相において、オンであるV2下アーム素子35、V相コイル12、および、V1下アーム素子25を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。W相において、V相と同様、オンであるW2下アーム素子36、W相コイル13、および、W1下アーム素子26を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。
また、スイッチングするU2下アーム素子34がオフのとき、図2(a)中に一点鎖線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンであるU1上アーム素子21、U相コイル11、および、オフであるU2上アーム素子31のダイオードを通り、第1バッテリ41側から第2バッテリ42の正極へ電流が流れ込み、第2バッテリ42が充電される。また、V相において、オンであるV2下アーム素子35、V相コイル12、および、V1下アーム素子25を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。W相において、V相と同様、オンであるW2下アーム素子36、W相コイル13、および、W1下アーム素子26を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。
続いて、第1の全相通電制御の降圧期間B1について、図2(b)に基づいて説明する。
第1の全相通電制御の降圧期間B1における第1インバータ部20のSW素子21〜26のオンオフ制御は、昇圧期間A1と同様である。
次に、降圧期間B1における第2インバータ部30のSW素子31〜36の作動について説明する。
制御部60は、第2インバータ部30のU2上アーム素子31のオンオフを切り替えてスイッチングする。また、制御部60は、V2下アーム素子25およびW2下アーム素子36をオンする。すなわち、制御部60は、高電圧側である第2インバータ部30のスイッチング相の上アーム素子をスイッチングし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相の下アーム素子であるU2下アーム素子34、非スイッチング相の上アーム素子であるV2上アーム素子32およびW2上アーム素子33をオフとする。
スイッチングするU2上アーム素子31がオンのとき、図2(b)中に破線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンされているU2上アーム素子31、U相コイル11、および、U1上アーム素子21を通り、第2バッテリ42側から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。また、V相において、オンされているV1下アーム素子25、V相コイル12、および、V2下アーム素子35を通り、第1インバータ部20側から第2バッテリ42の負極へ電流が流れ込む。W相において、V相と同様、オンされているW1下アーム素子26、W相コイル13、および、W2下アーム素子36を通り、第1インバータ部20側から第2バッテリ42の負極へ電流が流れ込む。
また、スイッチングするU2上アーム素子31がオフのとき、図2(b)中に一点鎖線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オフであるU2下アーム素子34のダイオード、U相コイル11、および、オンされているU1上アーム素子21を通り、第2バッテリ42側から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。また、V相において、オンされているV1下アーム素子25、V相コイル12、および、V2下アーム素子35を通り、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。W相において、V相と同様、オンされているW1下アーム素子26、W相コイル13、および、W2下アーム素子36を通り、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。
本実施形態では、制御部60は、スイッチング相のU1上アーム素子21をオン、非スイッチング相のV1下アーム素子25、V2下アーム素子35、W1下アーム素子26、W2下アーム素子36をオンすることにより、コイル11〜13をチョッパ回路におけるリアクトルのように機能させる。詳細には、制御部60は、非スイッチング相であるV相コイル12およびW相コイル13が並列接続され、これにスイッチング相であるU相コイル11が直列接続されたリアクトルのように機能させる。
また、本実施形態では、U2下アーム素子34をスイッチングするとき、第2インバータ部30のスイッチング相であってスイッチングしない側の素子であるU2上アーム素子31の寄生ダイオードがチョッパ回路におけるダイオードの機能を果たす。また、U2上アーム素子31をスイッチングするとき、第2インバータ部30のスイッチング相であってスイッチングしない側の素子であるU2下アーム素子34の寄生ダイオードがチョッパ回路におけるダイオードの機能を果たす。
そして、制御部60がU2下アーム素子34をスイッチングする状態とU2上アーム素子31をスイッチングする状態とを切り替えることにより、駆動装置5全体として昇降圧チョッパのように機能させる。
すなわち、制御部60は、昇圧期間A1において、U2下アーム素子34をオンオフする。U2下アーム素子34がオフされたとき、電流を維持すべく、U2下アーム素子34がオンのときにコイル11〜13に蓄えられたエネルギにより、第1バッテリ41側から印加される第1電圧値V1が第2電圧値V2まで昇圧され、第2バッテリ42が充電される。
また、制御部60は、降圧期間B1において、U2上アーム素子31をオンオフする。U2上アーム素子31がオフされたとき、電流を維持すべく、U2上アーム素子31がオンのときにコイル11〜13に蓄えられたエネルギにより、第2バッテリ42側から印加される第2電圧値V2が第1電圧値V1まで降圧され、第1バッテリ41が充電される。なお、第1バッテリ41は、第2バッテリ42よりも電圧が低いので、U2上アーム素子31のオン時にも充電状態となる。
ここで、昇圧期間A1と降圧期間B1との切り替えについて、図3に基づいて説明する。図3において、(a)はモータ10の各相電流Iu、Iv、Iw、(b)はU2上アーム素子31のスイッチング状態、(c)はU2下アーム素子34のスイッチング状態、(d)は第1バッテリ41の電流(以下、「第1バッテリ電流I1」という。)、(e)は第2バッテリ42の電流(以下、「第2バッテリ電流I2」という。)を示している。また、図3(a)において、U相電流Iuを実線、V相電流Ivを破線、W相電流Iwを一点鎖線で示した。なお、U2上アーム素子31およびU2下アーム素子34のスイッチング状態、第1バッテリ電流I1の詳細は、図4に基づいて後述する。
本実施形態では、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側への電流を正、第2インバータ部30側から第1インバータ部20側への電流を負とする。また、各電流値の絶対値が大きいほど、通電量が大きい。
通電方向や線種については、後述の図5等のタイムチャートについても同様である。
図3(a)に示すように、U2下アーム素子34がスイッチングされる昇圧期間A1において、U相電流Iuは負から正に切り替わり、U相コイル11には第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。U2上アーム素子31がスイッチングされる降圧期間B2において、U相電流Iuは正から負に切り替わり、U相コイル11には第2インバータ部30側から第1インバータ部20側へ電流が流れる。
また、昇圧期間A1において、V相電流IvおよびW相電流Iwは正から負に切り替わり、V相コイル12およびW相コイル13には第2インバータ部30側から第1インバータ部20側へ電流が流れる。降圧期間B2において、V相電流IvおよびW相電流Iwは負から正に切り替わり、V相コイル12およびW相コイル13には第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。
U相をスイッチング相、V相およびW相を非スイッチング相とする場合、V相コイル12およびW相コイル13が並列接続され、これに対しU相コイル11が直列接続された状態となるので、V相電流IvおよびW相電流Iwは略等しく、U相電流Iuの実効値は、V相電流IvおよびW相電流Iwの実効値の約2倍となる。
図3(d)に示すように、昇圧期間A1における第1バッテリ電流I1は、第1バッテリ41の正極に流入する方向から流出する方向へ切り替わり、第1バッテリ41が放電状態となる。また、降圧期間B1における第1バッテリ電流I1は、第1バッテリ41の正極から流出する方向から流入する方向へ切り替わり、第1バッテリ41が充電状態となる。
図3(e)に示すように、昇圧期間A1において、第1バッテリ電流I1が負から正に切り替わるまでの期間、および、U2下アーム素子34がオンされている期間における第2バッテリ電流I2は、ゼロである。また、第1バッテリ電流I1が負から正に切り替わると、U2下アーム素子34がオフされている期間における第2バッテリ電流I2は、第2バッテリ42の正極へ流入する方向であり、第2バッテリ42が充電状態となる。
また、降圧期間B1において、U2上アーム素子31がオフされている期間における第2バッテリ電流I2は、ゼロである。また、第2バッテリ電流I2は、U1上アーム素子がオンされている期間において、第2バッテリ42の正極から流出する方向であり、第2バッテリ42が放電状態となる。
すなわち、昇圧期間A1において、第1バッテリ41が放電状態、第2バッテリ42が充電状態となる。また、降圧期間B1において、第1バッテリ41が充電状態、第2バッテリ42が放電状態となる。そのため、昇圧期間A1と降圧期間B1とを繰り返すことにより、第1バッテリ41と第2バッテリ42との間で電力をやり取りし、充放電が繰り返される。このとき、モータ10、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第1バッテリ41、および、第2バッテリ42に電流が流れるので、通電量に応じた内部発熱により、モータ10、第1バッテリ41、および、第2バッテリ42を昇温することができる。なお、第1バッテリ41および第2バッテリ42の過充電や過放電を避けるため、昇圧期間A1と降圧期間B1とは、等しくすることが好ましいが、第1バッテリ41および第2バッテリ42の過充電や過放電が起こらない範囲であれば、昇圧期間A1と降圧期間B1とが異なっていてもよい。
ここで、U2上アーム素子31およびU2下アーム素子34のスイッチング状態と第1バッテリ電流I1の詳細を図4に基づいて説明する。図4において、(a)がU2上アーム素子31のスイッチング状態、(b)がU2下アーム素子34のスイッチング状態、(c)が第1バッテリ電流I1を示しており、図3中の対応するタイムチャートを時間軸方向に拡大したものである。また、本実施形態では、SW素子21〜26、31〜36がオンされている時間の割合をデューティとし、常時オフのときのデューティを0、常時オンのときのデューティを100とする。
まず、昇圧期間A1におけるU2下アーム素子34のスイッチング状態と第1バッテリ電流I1について説明する。
図4(b)に示すように、U2下アーム素子34は、オフされている時間よりもオンされている時間の方が長く、デューティが50より大きい。
図4(c)に示すように、第1バッテリ電流I1は、ゼロに戻った後、U2下アーム素子34がオンされている期間に絶対値が大きくなり、通電量が大きくなる。昇圧期間A1においては、第2下アーム素子34がオフされる期間に第2バッテリ42が充電されるので、第2バッテリ42を充電可能なオフ期間を確保した上で、U2下アーム素子34のオン期間が長い方が、すなわちデューティが大きい方が、通電量が大きくなる。
続いて、降圧期間B1におけるU2上アーム素子31のスイッチング状態と第1バッテリ電流I1について説明する。
図4(a)に示すように、U2上アーム素子31は、オフされている時間よりもオンされている時間の方が長く、デューティが50より大きい。
図4(c)に示すように、第1バッテリ電流I1は、ゼロに戻った後、U2上アーム素子31がオンされている期間に絶対値が大きくなり、通電量が大きくなる。降圧期間B1においては、主にU2上アーム素子31がオフされる期間に第1バッテリ41が充電されるので、第1バッテリ41を充電可能なオフ期間を確保した上で、U2上アーム素子31のオン期間が長い方が、すなわちデューティが大きい方が、通電量が大きくなる。
ここで、通電量と昇温との関係について説明する。
次の式において、第1バッテリ41の電力をW1、第1バッテリ電流I1をI1、第1バッテリ41の抵抗をR1とすると、第1バッテリ41の電力は、W1=R1×I1 2で表される。また、第1バッテリ41の内部発熱量は、第1バッテリ41の電力W1に依存するので、第1バッテリ電流I1が大きいほど、すなわち通電量が大きいほど、第1バッテリ41の内部発熱量が大きくなり、速やかに昇温可能である。
同様に、次の式において、第2バッテリ42の電力をW2、第2バッテリ電流I2をI2、第2電力供給源の抵抗をR2とすると、第2バッテリ42の電力は、W2=R2×I2 2で表される。また、第2バッテリ42の内部発熱量は、第2バッテリ42の電力W2に依存するので、第2バッテリ電流I2が大きいほど、すなわち通電量が大きいほど、第2バッテリ42の内部発熱量が大きくなり、速やかに昇温する。
上述の通り、昇圧期間A1におけるU2下アーム素子34のデューティ、および、降圧期間B1におけるU2上アーム素子31のデューティが大きいほど通電量が大きくなるので、デューティを可及的大きくすることにより、通電量が大きくなるので、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42を速やかに昇温することができる。
また同様に、モータ10についても、各相電流Iu、Iv、Iwの通電量が大きいほど、発熱量が大きくなり、速やかに昇温する。
ところで、図3(a)に示すように、スイッチング相がU相であり、非スイッチング相がV相およびW相である場合、U相電流Iuの実効値は、V相電流IvおよびW相電流Iwの実効値より大きい。そのため、スイッチング相がU相、非スイッチング相がV相およびW相である状態を継続すると、非スイッチング相であるV相コイル12およびW相コイル13と比較し、スイッチング相であるU相コイル11の温度上昇幅が大きく、温度上昇に偏りが生じる。また、U相のSW素子31、34をスイッチングすることにより、素子のスイッチング損失に偏りが生じる。
そこで本実施形態では、局所的な温度上昇や相間のスイッチング損失の偏りを低減すべく、相切替期間ごとスイッチング相と非スイッチング相とを切り替えている。
ここで、スイッチング相をU相からV相に切り替える例について説明する。
スイッチング相をV相とする場合、制御部60は、V1上アーム素子22、U1下アーム素子24、W1下アーム素子26、U2下アーム素子34、および、W2下アーム素子36をオンし、U1上アーム素子21、W1上アーム素子23、V1下アーム素子25、U2上アーム素子31、W2上アーム素子33をオフする。また、昇圧期間A1において、V2上アーム素子32をオフし、V2下アーム素子35のオンオフを切り替えてスイッチングする。さらにまた、降圧期間B1において、V2下アーム素子35をオフし、V2上アーム素子32のオンオフを切り替えてスイッチングする。
これにより、非スイッチング相であるU相コイル11とW相コイル13とが並列接続され、これに対しスイッチング相であるV相コイル12が直列接続されたリアクトルのように機能し、V2上アーム素子32またはV2下アーム素子35をスイッチングすることにより、駆動装置5全体として昇降圧チョッパのように機能する。
ここで、スイッチング相をU相からV相に切り替える場合のスイッチング状態、および、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42の電流を図5に基づいて説明する。
図5において、(a)はモータ10の各相電流Iu、Iv、Iw、(b)はU1上アーム素子21のスイッチング状態、(c)はV1上アーム素子22のスイッチング状態、(d)はU2上アーム素子31のスイッチング状態、(e)はU2下アーム素子34のスイッチング状態、(f)はV2上アーム素子32のスイッチング状態、(g)はV2下アーム素子35のスイッチング状態、(h)は第1バッテリ電流I1、(i)は第2バッテリ電流I2を示している。
本実施形態では、降圧期間B1中であって、各相電流Iu、Iv、Iwがゼロになる時間X1において、スイッチング相をU相からV相に切り替える。
具体的には、図5(b)、(c)に示すように、時間X1において、U1上アーム素子21をオンからオフとし、V1上アーム素子22をオフからオンにする。
また、時間X1において、U2上アーム素子31を降圧期間B1にオンオフを切り替えるスイッチング状態からオフにし(図5(d)参照)、U2下アーム素子34を昇圧期間A1にオンオフを切り替えるスイッチング状態からオンにする(図5(e)参照)。なお、本実施形態では、降圧期間B1中にスイッチング相を切り替えるため、切り替えタイミングである時間X1において、U2下アーム素子34はオフであるので、オフからオンにする。
さらにまた、時間X1において、V2上アーム素子32をオフから降圧期間B1にオンオフを切り替えるスイッチング状態とし(図5(f)参照)、V2下アーム素子35をオンから昇圧期間A1にオンオフを切り替えるスイッチング状態とする(図5(g)参照)。なお、本実施形態では、降圧期間B1中にスイッチング相を切り替えるため、V2下アーム素子は、時間X1にてオンからオフにする。
図5中には記載していないが、時間X1において、U1下アーム素子24をオフからオンとし、V1下アーム素子25をオンからオフとする。また、W相のSW素子23、26、33、36は、非スイッチング相である状態を継続するので、オンオフの切り替えは行われず、下アーム素子26、36がオン、上アーム素子23、33がオフの状態を継続する。
本実施形態では、各相電流Iu、Iv、Iwが0であるタイミングの時間X1にてスイッチング相を切り替えているので、図5(a)に示す各相電流Iu、Iv、Iwは、スイッチング相の切り替えに伴って急激に変化することなく、安定して通電を継続可能である。
同様に、図5(h)、(i)に示すように、第1バッテリ電流I1、および、第2バッテリ電流I2は、スイッチング相の切り替えに伴って急激に変化することなく、安定して充放電を継続可能である。
また、スイッチング相をV相とする場合、非スイッチング相であるU相コイル11とW相コイル13とが並列接続され、これに対してスイッチング相であるV相コイル12が直列接続されたような状態となる。そのため、図5(a)に示すように、V相をスイッチング相とすると、V相電流Ivの実効値は、U相電流IuおよびW相電流Iwの実効値の2倍となる。また、V相をスイッチング相としたときのV相電流Ivの実効値は、U相をスイッチング相としたときのU相電流Iuの実効値と略等しい。
同様に、スイッチング相をW相とする、非スイッチング相であるU相コイル11とV相コイル12とが並列接続され、これに対してスイッチング相であるW相コイル13が直列接続されたような状態となる。そのため、W相をスイッチング相とすると、W相電流Iwの実効値は、U相電流IuおよびW相電流Iwの実効値の2倍であり、U相をスイッチング相としたときのU相電流Iuの実効値およびV相をスイッチング相としたときのV相電流Ivの実効値と略等しい。
なお、W相をスイッチング相とする場合、制御部60は、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V2下アーム素子25、U2下アーム素子34、V2下アーム素子35をオン、U1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1下アーム素子26、U2上アーム素子31、V2上アーム素子32をオフする。また、制御部60は、昇圧期間A1において、W2上アーム素子33をオフ、W2下アーム素子36のオンオフを切り替えてスイッチングし、降圧期間B1において、W2上アーム素子33のオンオフを切り替えてスイッチングし、W2下アーム素子36をオフする。
ここで、スイッチング相の切り替えとコイル11〜13の温度上昇について、図6に基づいて説明する。図6においては、U相コイル11の温度Tuを実線、V相コイル12の温度Tvを破線、W相コイル13の温度Twを一点鎖線で示した。
ここで、スイッチング相をU相とする期間を期間Pu、V相とする期間を期間Pv、W相とする期間を期間Pwとし、期間Pu、Pv、Pwの長さは等しいものとする。本実施形態では、期間Pu、PvおよびPwが、「相切替期間」に対応する。
図6に示すように、スイッチング相がU相である期間Puにおいて、U相電流Iuの実効値はV相電流IvおよびW相電流Iwの実効値の2倍となるため、V相コイル12の温度TvおよびW相コイル13の温度Twに比べ、U相コイル11の温度Tuの上昇割合が大きい。
また、スイッチング相がV相である期間Pvにおいて、V相電流Ivの実効値はU相電流IuおよびW相電流Iwの実効値の2倍となるため、U相コイル11の温度TuおよびW相コイル13の温度Twに比べ、V相コイル12の温度Tvの上昇割合が大きい。
さらにまた、スイッチング相がW相である期間Pwにおいて、W相電流Iwの実効値はU相電流IuおよびV相電流Ivの実効値の2倍となるため、U相コイル11の温度TuおよびV相コイル12の温度Tvに比べ、W相コイル13の温度Twの上昇割合が大きい。
そのため、スイッチング相をU相、V相、W相と順次切り替えることにより、期間Pu、PvおよびPw経過後である時間X2において、U相コイル11の温度Tu、V相コイル12の温度TvおよびW相コイル13の温度Twは、略等しくなる。すなわち、スイッチング相を切り替えることにより、コイル11〜13が均等に昇温されるので、モータ10の局所的な昇温を避けることができる。
次に、第1バッテリ41および第2バッテリ42の昇温について説明する。なお、第1バッテリ41と第2バッテリ42とは、係数等は異なるものの、基本的な性質は同様であるので、ここでは第1バッテリ41を例に説明する。
まず、第1バッテリ41のインピーダンスZの周波数特性を式(1)に示す。
Z=R1+jωL+(1/jωC) ・・・(1)
式1中の記号は、R1が抵抗、jが複素単位、ωが周波数、Lがリアクタンス、Cがキャパシタンスである。本実施形態では、周波数ωは、昇圧期間A1と降圧期間B1との切り替え周波数である充放電周波数とする。
式(1)中の抵抗R1、リアクタンスL、および、キャパシタンスCは、第1バッテリ41の特性等によって決まる値であるので、インピーダンスZは、充放電周波数ωに応じて変化する。
ここで、インピーダンスZの周波数特性および温度特性を図7に示す。図7において、温度T1のときの周波数特性をL1、温度T1より高い温度である温度T2のときの周波数特性をL2で示した。
図7に示すように、インピーダンスZは、充放電周波数ωが大きくなるにつれて減少し、共振周波数を境に増加に転じる。例えば温度T1のとき、充放電周波数ωが共振周波数ω1以下にてインピーダンスZが減少し、充放電周波数ωが共振周波数ω1以上にてインピーダンスZが増加する。また、温度T2のとき、充放電周波数ωが共振周波数ω2以下にてインピーダンスZが減少し、充放電周波数ωが共振周波数ω2以上にてインピーダンスZが増加する。
また、インピーダンスZは、温度特性を有しており、温度が低いほど、インピーダンスZが大きい。すなわち、温度T1のときのインピーダンスZは、温度T2であるときと比較して大きい。また、共振周波数は、温度が低いほど大きい。すなわち、温度T1のときの共振周波数ω1は、温度T2のときの共振周波数ω2より大きい。
そこで本実施形態では、駆動装置5の温度に応じて、充放電周波数ωを可変としている。例えば、第1バッテリ41および第2バッテリ42の温度特性に応じ、駆動装置5の温度と充放電周波数ωとを対応づけたマップを予め制御部60の図示しない記憶部に記憶させておき、当該マップを参照することにより、充放電周波数ωを決定する。なお、駆動装置5の温度は、モータ10、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第1バッテリ41、または、第2バッテリ42等の温度である。また駆動装置5の温度は、複数の箇所における温度の平均値としてもよいし、外気温等としてもよい。また、図2等にて説明した通り、第2バッテリ42は、第1バッテリ41より通電量が小さく、温度が上がりにくい傾向があるため、第2バッテリ42の温度特性を優先してもよい。
温度に応じた充放電周波数ωの切り替えについて、図8に基づいて説明する。図8においては、温度Tc以下のとき、充放電周波数ωをωHとし、ωHを継続した場合を実線fh、温度Tcにて充放電周波数ωをωHより小さいωLに切り替えた場合を破線flにて示す。
図8に示すように、温度Tc以下のとき、充放電周波数ωHにて昇圧期間A1と降圧期間B1を切り替えると、第1バッテリ41の温度が上昇する。一方、第1バッテリ41の温度が上昇すると、温度上昇に伴って共振周波数が小さくなり、インピーダンスZが大きくなるため、温度上昇が緩やかになる。
そこで、温度Tcとなった時間X3にて、充放電周波数をωHからωLに切り替えると、充放電周波数ωHを継続した場合と比較し、第1バッテリ41のインピーダンスZが小さくなるので通電量が増加し、第1バッテリ41の温度上昇割合が増加する。
すなわち、駆動装置5の温度に応じ、最適な充放電周波数ωとすることにより、駆動装置5を速やかに昇温することができる。
以上詳述したように、(1)電力変換装置1は、コイル11〜13を有するモータ10の電力を変換するものであって、第1インバータ部20と、第2インバータ部30と、制御部60と、を備える。
第1インバータ部20は、コイル11〜13の各相に対応して設けられるSW素子21〜26を有し、コイル11〜13の一端111、121、131と充放電可能な第1バッテリ41との間に接続される。
第2インバータ部30は、コイル11〜13の各相に対応して設けられるSW素子31〜36を有し、コイル11〜13の他端112、122、132と充放電可能な第2バッテリ42との間に接続される。
制御部60は、SW素子21〜26、31〜36のオンオフ作動を制御し、第1バッテリ41と第2バッテリ42との間で充放電を行い、第1バッテリ41、第2バッテリ42およびモータ10を昇温させる。
本実施形態では、モータ10の一側に第1インバータ部20および第1バッテリ41が設けられ、他側に第2インバータ部30および第2バッテリ42が設けられる。また、制御部60では、SW素子21〜26、31〜36のオンオフ作動を制御することにより、第1バッテリ41と第2バッテリ42との間で電力をやり取りさせ、第1バッテリ41および第2バッテリ42を充放電させる。このとき、第1バッテリ41および第2バッテリ42の一方が充電状態となり、他方が放電状態となっている。
第1バッテリ41および第2バッテリ42を充放電させ、モータ10、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第1バッテリ41および第2バッテリ42に電流を流すと、通電に伴う内部発熱により、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42を速やかに昇温させることができる。これにより、低温時における第1バッテリ41および第2バッテリ42の出力を向上することができる。また、モータ10の作動油の温度低下に伴う粘度増加による摩擦損失を低減することができ、モータ効率を向上することができる。
(2)SW素子21〜26は、高電位側に接続される第1上アーム素子21〜23、および、第1上アーム素子21〜23の低電位側に接続される第1下アーム素子24〜26から構成される。また、SW素子31〜36は、高電位側に接続される第2上アーム素子31〜33、および、第2上アーム素子31〜33の低電位側に接続される第2下アーム素子34〜36から構成される。
ここで、コイル11〜13の少なくとも1相に対応する相をスイッチング相とし、スイッチング相以外の少なくとも1相を非スイッチング相とする。
制御部60は、第1上アーム素子21〜23のスイッチング相、第1下アーム素子24〜26および第2下アーム素子34〜36の非スイッチング相をオンし、第2下アーム素子34〜36のスイッチング相をスイッチングする昇圧期間A1と、第1上アーム素子21〜23のスイッチング相、第1下アーム素子24〜26および第2下アーム素子34〜36の非スイッチング相をオンし、第2上アーム素子31〜33のスイッチング相をスイッチングする降圧期間B1と、を切り替える。
これにより、駆動装置5は、コイル11〜13をリアクトルとする昇降圧チョッパのように機能するので、第2下アーム素子34〜36のスイッチング相がスイッチングされる昇圧期間A1において、第1バッテリ41が放電状態、第2バッテリ42が充電状態となる。また、第2上アーム素子31〜33のスイッチング相がスイッチングされる降圧期間B1において、第1バッテリ41が充電状態、第2バッテリ42が放電状態となる。
すなわち、昇圧期間A1と降圧期間B1とを繰り返し、第1バッテリ41と第2バッテリ42との間で電力をやり取りして充放電することにより、例えばモータ10の停止時であっても、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42に電流を流すことができるので、通電量に応じ、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42を昇温することができる。
(3)制御部60は、スイッチング相を相切替期間毎に切り替える。これにより、コイル11〜13の通電量を均等にすることができるので、モータ10の局所的な昇温を防ぎ、モータ10を均等に昇温可能である。
(4)制御部60は、第1バッテリ41および第2バッテリ42の充放電の切り替えに係る充放電周波数ωを温度に応じて可変とする。
第1バッテリ41および第2バッテリ42の温度特性に応じた充放電周波数ωとすることで、第1バッテリ41および第2バッテリ42のインピーダンスを小さくする。これにより、第1バッテリ41および第2バッテリ42、ひいてはモータ10の通電量が大きくなるので、モータ10、第1バッテリ41および第2バッテリ42を高効率に昇温することができる。
(5)第2バッテリにより印加される電圧の値である第2電圧値V2は、第1バッテリ41により印加される電圧の値である第1電圧値V1以上である。これにより、第1バッテリ41および第2バッテリ42を適切に充放電させることができる。
(6)また、第2電圧値V2は、第1電圧値V1の2倍以上である。これにより、例えばモータ10の駆動時、第1インバータ部20側を中性点化する場合と、第2インバータ部30側を中性点化する場合と、第1インバータ部20および第2インバータ部30を共にスイッチングする場合とを、モータ10の回転数やトルク等に応じて切り替えることにより、モータ10の効率を向上することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による電力変換装置を図9および図10に基づいて説明する。
本実施形態では、昇温制御が第1実施形態と異なっているので、この点を中心に説明する。なお、駆動装置5の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の昇温制御は、第2の全相通電制御とする。第2の全相通電制御において、第1系統100側を昇圧し、第2バッテリ42を充電する期間を「昇圧期間A2」といい、第2系統200側を降圧し、第1バッテリ41を充電する期間を「降圧期間B2」という。
第2の全相通電制御について、図9に基づいて説明する。
第2の全相通電制御では、U相、V相およびW相のうちの2相をスイッチング相、他の1相を非スイッチング相とする。すなわち本実施形態の第2の全相通電制御は、「巻線の少なくとも1相に対応する相をスイッチング相とし、スイッチング相以外の全相を非スイッチング相とする全相通電制御」に対応する。
ここでは、U相およびV相をスイッチング相、W相を非スイッチング相とする場合を例に説明する。
第2の全相通電制御の昇圧期間A2について、図9(a)に基づいて説明する。
昇圧期間A2における第1インバータ部20のSW素子21〜26の作動について説明する。
制御部60は、第1インバータ部20のU1上アーム素子21、V1上アーム素子22およびW1下アーム素子26をオンする。すなわち、制御部60は、低電位側である第1インバータ部20のスイッチング相の上アーム素子をオンし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相の下アーム素子であるU1下アーム素子24、V1下アーム素子25、および、非スイッチング相の上アーム素子であるW1上アーム素子23をオフとする。
次に、昇圧期間A2における第2インバータ部30のSW素子31〜36の作動について説明する。
制御部60は、第2インバータ部30のU2下アーム素子34およびV2下アーム素子35のオンオフを切り替えてスイッチングする。また、制御部60は、W2下アーム素子36をオンする。すなわち、制御部60は、高電位側である第2インバータ部30のスイッチング相の下アーム素子をスイッチングし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相、非スイッチング相によらず、第2上アーム素子31〜33をオフとする。
スイッチングするU2下アーム素子34およびV2下アーム素子35がオンのとき、図9(a)に破線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンされているU1上アーム素子21、U相コイル11、および、U2下アーム素子34を通り、第1バッテリ41の正極から第2インバータ部30側へ電流が流れる。V相において、U相と同様、オンされているV1上アーム素子22、V相コイル12、および、V2下アーム素子35を通り、第1バッテリ41の正極から第2インバータ部30側へ電流が流れる。また、W相において、オンされているW2下アーム素子36、W相コイル13、および、W1下アーム素子26を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。
また、スイッチングするU2下アーム素子34およびV2下アーム素子35がオフのとき、図9(a)中に一点鎖線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンであるU1上アーム素子21、U相コイル11、および、オフであるU2上アーム素子31の寄生ダイオードを通り、第1バッテリ41側から第2バッテリ42の正極に電流が流れ込み、第2バッテリ42が充電される。V相において、U相と同様に、オンであるV1上アーム素子22、V相コイル12、および、オフであるV2上アーム素子32の寄生ダイオードを通り、第1バッテリ41側から第2バッテリ42の正極に電流が流れ込み、第2バッテリ42が充電される。また、W相において、オンであるW2下アーム素子36、W相コイル13、および、W1下アーム素子26を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極に電流が流れ込む。
続いて、第2の全相通電制御の降圧期間B2について、図9(b)に基づいて説明する。
第2の全相通電制御の降圧期間B2における第1インバータ部20のSW素子21〜26のオンオフ制御は、昇圧期間A2と同様である。
次に、降圧期間B2における第2インバータ部30のSW素子31〜36の作動について説明する。
制御部60は、第2インバータ部30のU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32のオンオフを切り替えてスイッチングする。また、制御部60は、W2下アーム素子36をオンする。すなわち、制御部60は、高電位側である第2インバータ部30のスイッチング相の上アーム素子をスイッチングし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相の下アーム素子であるU2下アーム素子34、V2下アーム素子35、および、非スイッチング相の上アーム素子であるW2上アーム素子33をオフとする。
スイッチングするU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32がオンのとき、図9(b)中に破線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンであるU2上アーム素子31、U相コイル11、および、U1上アーム素子21を通り、第2バッテリ42から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。V相において、U相と同様、オンであるV2上アーム素子32、V相コイル12、および、V1上アーム素子22を通り、第2バッテリ42から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。また、W相において、オンであるW1下アーム素子26、W相コイル13、および、W2下アーム素子36を通り、第1インバータ部20側から第2バッテリ42の負極へ電流が流れ込む。
また、スイッチングするU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32がオフのとき、図9(b)に一点鎖線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オフであるU2下アーム素子34の寄生ダイオード、U相コイル11、および、オンであるU1上アーム素子21を通り、第2バッテリ42側から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。V相において、U相と同様、オフであるV2下アーム素子35の寄生ダイオード、V相コイル12、および、オンであるV1上アーム素子22を通り、第2バッテリ42側から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。また、W相において、オンであるW1下アーム素子26、W相コイル13、および、W2下アーム素子36を通り、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。
本実施形態では、制御部60は、スイッチング相のU1上アーム素子21およびV1上アーム素子22をオン、非スイッチング相のW1下アーム素子26およびW2下アーム素子36をオンとすることにより、コイル11〜13をチョッパ回路におけるリアクトルのように機能させる。詳細には、制御部60は、スイッチング相であるU相コイル11およびV相コイル12が並列接続され、これに非スイッチング相であるW相コイル13が直列接続されたリアクトルのように機能させる。
また、本実施形態では、U2下アーム素子34およびV2下アーム素子35をスイッチングするとき、第2インバータ部30のスイッチング相であってスイッチングしない側の素子であるU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32の寄生ダイオードがチョッパ回路におけるダイオードの機能を果たす。また、U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32をスイッチングするとき、第2インバータ部30のスイッチング相であってスイッチングしない側の素子であるU2下アーム素子34およびV2下アーム素子35の寄生ダイオードがチョッパ回路におけるダイオードの機能を果たす。
そして、制御部60は、U2下アーム素子34およびV2下アーム素子35をスイッチングする状態と、U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32をスイッチングする状態とを切り替えることにより、駆動装置5全体として昇降圧チョッパのように機能させる。
すなわち、制御部60は、昇圧期間A2において、U2下アーム素子34およびV2下アーム素子35をオンオフする。U2下アーム素子34およびV2下アーム素子35がオフされたとき、電流を維持すべく、U2下アーム素子34およびV2下アーム素子35がオンのときにコイル11〜13に蓄えられたエネルギにより、第1バッテリ41側から印加される第1電圧値V1が第2電圧値V2まで昇圧され、第2バッテリ42が充電される。
また、制御部60は、降圧期間B2において、U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32をオンオフする。U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32がオフされたとき、電流を維持すべく、U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32がオンのときにコイル11〜13に蓄えられたエネルギにより、第2バッテリ42側から印加される第2電圧値V2が第1電圧値V1まで降圧され、第1バッテリ41が充電される。なお、第1バッテリ41は、第2バッテリ42よりも電圧が低いので、U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32のオン時にも充電状態となる。
ここで、昇圧期間A2と降圧期間B2との切り替えについて、図10に基づいて説明する。図10において、(a)はモータ10の各相電流Iu、Iv、Iw、(b)はU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32のスイッチング状態、(c)はU2下アーム素子34およびV2下アーム素子35のスイッチング状態、(d)は第1バッテリ電流I1、(e)は第2バッテリ電流I2を示している。
図10(a)に示すように、U2下アーム素子34およびV2下アーム素子35がスイッチングされる昇圧期間A2において、U相電流IuおよびV相電流Ivは負から正に切り替わり、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。また、U2上アーム素子31およびV2上アーム素子32がスイッチングされる降圧期間B2において、U相電流IuおよびV相電流Ivは正から負に切り替わり、U相コイル11およびV相コイル12には第2インバータ部30側から第1インバータ部20側へ電流が流れる。
また、昇圧期間A2において、W相電流Iwは正から負に切り替わり、W相コイル13には第2インバータ部30側から第1インバータ部20側へ電流が流れる。降圧期間B2において、W相電流Iwは負から正に切り替わり、W相コイル13には第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。
U相およびV相をスイッチング相、W相を非スイッチング相とする場合、U相コイル11およびV相コイル12が並列接続され、これに対しW相コイル13が直列接続された状態となるので、U相電流Iuの実効値とV相電流Ivの実効値とが等しく、W相電流Iwの実効値は、U相電流IuおよびV相電流Ivの実効値の2倍となる。
図10(d)、(e)に示すように、昇圧期間A2および降圧期間B2における第1バッテリ電流I1および第2バッテリ電流I2は、第1実施形態と同様である。
すなわち、昇圧期間A2において、第1バッテリ41が放電状態、第2バッテリ42が充電状態となる。また、降圧期間B2において、第1バッテリ41が充電状態、第2バッテリ42が放電状態となる。そのため、昇圧期間A2と降圧期間B2とを繰り返すことにより、第1バッテリ41と第2バッテリ42との間で電力をやり取りし、充放電を繰り返すことにより、モータ10、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第1バッテリ41、および、第2バッテリ42に電流が流れ、通電量に応じた内部発熱により、モータ10、第1バッテリ41、および、第2バッテリ42を昇温することができる。
第1実施形態では、スイッチング相が1相、非スイッチング相が2相であるので、スッチング相の電流の実効値は、非スイッチング相の電流の実効値の2倍である。
一方、本実施形態では、スイッチング相が2相、非スイッチング相が1相であるので、非スイッチング相の電流の実効値は、スイッチング相の電流の実効値の2倍である。そのため、スイッチング相と比較し、非スイッチング相の温度上昇幅が大きくなる。また、素子のスイッチング損失に偏りが生じる。
そこで本実施形態においても、上記実施形態と同様、局所的な温度上昇や相間のスイッチング損失を低減すべく、スイッチング相および非スイッチング相を相切替期間毎に切り替えることが好ましい。これにより、モータ10の各相を均等に昇温することができる。また、各相電流Iu、Iv、Iwがゼロのときにスイッチング相を切り替えることにより、スイッチング相の切り替えに伴う急激な変化を生じさせることなく、第1バッテリ41および第2バッテリ42の充放電を継続可能である。
また、充放電周波数ωは、上記実施形態と同様とする。
これにより、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また、スイッチング相を2相にすることにより、スイッチング損失が大きくなる。スイッチング損失によっても駆動装置5が昇温されるので、より速やかにモータ10、第1バッテリ41、および、第2バッテリ42を昇温することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による電力変換装置を図11および図12に基づいて説明する。
本実施形態では、昇温制御が第1実施形態と異なっているので、この点を中心に説明する。なお、駆動装置5の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の昇温制御は、一部通電停止制御とする。すなわち、上記第1実施形態および第2実施形態の全相通電制御では、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13の全相に電流が通電されるのに対し、本実施形態の一部通電停止制御では、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13のいずれか1相に電流が通電されない。一部通電停止制御において、第1系統100側を昇圧し、第2バッテリ42を充電する期間を「昇圧期間A3」といい、第2系統200側を降圧し、第1バッテリ41を充電する期間を「降圧期間B3」という。
一部通電停止制御について、図11に基づいて説明する。
一部通電停止制御では、U相、V相およびW相のうちの1相をスイッチング相、他の1相を非スイッチング相、残りの1相を通電停止相とする。すなわち本実施形態の一部通電停止制御は、「巻線の少なくとも1相に対応する相をスイッチング相とし、スイッチング相以外の少なくとも1相を非スイッチング相とし、スイッチング相および非スイッチング相以外の全相を通電停止相とする一部通電停止制御」に対応する。
ここでは、U相をスイッチング相、V相を非スイッチング相、W相を通電停止相とする場合を例に説明する。
一部通電停止制御の昇圧期間A3について、図11(a)に基づいて説明する。
昇圧期間A3における第1インバータ部20のSW素子21〜26の作動について説明する。
制御部60は、第1インバータ部20のU1上アーム素子21およびV1下アーム素子25をオンする。すなわち、制御部60は、低電圧側である第1インバータ部20のスイッチング相の上アーム素子をオンし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相の下アーム素子であるU1下アーム素子24、および、非スイッチング相の上アーム素子であるV1上アーム素子22をオフとする。また、制御部60は、通電停止相であるW相のW1上アーム素子23およびW1下アーム素子26をオフとする。
次に、昇圧期間A3における第2インバータ部30のSW素子31〜36の作動について説明する。
制御部60は、第2インバータ部30のU2下アーム素子34のオンオフを切り替えてスイッチングする。また、制御部60は、V2下アーム素子35をオンする。すなわち、制御部60は、高電圧側である第2インバータ部30において、スイッチング相の下アーム素子をスイッチングし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相および非スイッチング相の上アーム素子であるU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32をオフとする。また、制御部60は、通電停止相であるW相のW2上アーム素子33およびW2下アーム素子36をオフとする。換言すると、制御部60は、スイッチング相、非スイッチング相、通電停止相によらず、第2上アーム素子31〜33をオフとする。
スイッチングするU2下アーム素子34がオンのとき、図11(a)に破線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンされているU1上アーム素子21、U相コイル11、および、U2下アーム素子34を通り、第1バッテリ41の正極から第2インバータ部30側へ電流が流れる。また、V相において、オンされているV2下アーム素子35、V相コイル12、および、V1下アーム素子25を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。
また、スイッチングするU2下アーム素子34がオフのとき、図11(a)に一点鎖線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンされるU1上アーム素子21、U相コイル11、および、オフであるU2上アーム素子31の寄生ダイオードを通り、第1バッテリ41側から第2バッテリ42の正極に電流が流れ込み、第2バッテリ42が充電される。また、V相において、オンされるV2下アーム素子35、V相コイル12、および、V1下アーム素子25を通り、第2インバータ部30側から第1バッテリ41の負極へ電流が流れ込む。
なお、一部通電停止制御において、U2下アーム素子34のスイッチング状態によらず、W相コイル13には電流が流れない。
続いて、一部通電停止制御の降圧期間B3について、図11(b)に基づいて説明する。
一部通電停止制御の降圧期間B3における第1インバータ部20のSW素子21〜26のオンオフ制御は、昇圧期間A3と同様である。
次に、降圧期間B3における第2インバータ部30のSW素子31〜36の作動について説明する。
制御部60は、第2インバータ部30のU2上アーム素子31のオンオフを切り替えてスイッチングする。また、制御部60は、V2下アーム素子35をオンする。すなわち、制御部60は、高電圧側である第2インバータ部30において、スイッチング相の上アーム素子をスイッチングし、非スイッチング相の下アーム素子をオンする。なお、制御部60は、スイッチング相の下アーム素子であるU2下アーム素子34、非スイッチング相の上アーム素子であるV2上アーム素子32をオフとする。また、制御部60は、通電停止相であるW相のW2上アーム素子33およびW2下アーム素子36をオフとする。
スイッチングするU2上アーム素子31がオンのとき、図11(b)に破線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オンであるU2上アーム素子31、U相コイル11、および、U1上アーム素子21を通り、第2バッテリ42から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。また、V相において、オンであるV1下アーム素子25、V相コイル12、および、V2下アーム素子35を通り、第1インバータ部20側から第2バッテリ42の負極へ電流が流れ込む。
また、スイッチングするU2上アーム素子31がオフのとき、図11(b)に一点鎖線で示す経路にて電流が流れる。すなわち、U相において、オフであるU2下アーム素子34の寄生ダイオード、U相コイル11、および、オンされているU1上アーム素子21を通り、第2バッテリ42側から第1バッテリ41の正極へ電流が流れ込み、第1バッテリ41が充電される。また、V相において、オンであるV1下アーム素子25、V相コイル12、および、V2下アーム素子35を通り、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。
なお、一部通電停止制御において、U2上アーム素子31のスイッチング状態によらず、W相コイル13には電流が流れない。すなわち、通電停止相であるW相には、昇圧期間A3および降圧期間B3を通じて、電流が流れない。
本実施形態では、制御部60は、スイッチング相のU1上アーム素子21をオン、非スイッチング相のV1下アーム素子25およびV2下アーム素子35をオンとすることにより、コイル11、12をチョッパ回路におけるリアクトルのように機能させる。詳細には、スイッチング相であるU相コイル11と、非スイッチング相であるV相コイル12とが直列接続されたリアクトルのように機能させる。
また、本実施形態では、U2下アーム素子34をスイッチングするとき、第2インバータ部30のスイッチング相であってスイッチングしない側の素子であるU2上アーム素子31の寄生ダイオードがチョッパ回路におけるダイオードの機能を果たす。また、U2上アーム素子31をスイッチングするとき、第2インバータ部30のスイッチング相であってスイッチングしない側の素子であるU2下アーム素子34の寄生ダイオードがチョッパ回路におけるダイオードの機能を果たす。
そして、制御部60は、U2下アーム素子34をスイッチングする状態と、U2上アーム素子31をスイッチングする状態とを切り替えることにより、駆動装置5全体として昇降圧チョッパのように機能させる。
すなわち、制御部60は、昇圧期間A3において、U2下アーム素子34をオンオフする。U2下アーム素子34がオフされたとき、電流を維持すべく、U2下アーム素子34がオンのときにコイル11、12に蓄えられたエネルギにより、第1バッテリ41側から印加される第1電圧値V1が第2電圧値V2まで昇圧され、第2バッテリ42が充電される。
また、制御部60は、降圧期間B3において、U2上アーム素子31をオンオフする。U2上アーム素子31がオフされたとき、電流を維持すべく、U2上アーム素子31がオンのときにコイル11、12に蓄えられたエネルギにより、第2バッテリ42側から印加される第2電圧値V2が第1電圧値V1まで降圧され、第1バッテリ41が充電される。なお、第1バッテリ41は、第2バッテリ42によりも電圧が低いので、U2上アーム素子31のオン時にも充電状態となる。
ここで、昇圧期間A3と降圧期間B3との切り替えについて、図12に基づいて説明する。図12において、(a)はモータ10の各相電流Iu、Iv、Iw、(b)はU2上アーム素子31およびV2上アーム素子32のスイッチング状態、(c)はU2下アーム素子34およびV2下アーム素子35のスイッチング状態、(d)は第1バッテリ電流I1、(e)は第2バッテリ電流I2を示している。
図12(a)に示すように、U2下アーム素子34がスイッチングされる昇圧期間A3において、U相電流Iuは負から正に切り替わり、第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。U2上アーム素子31がスイッチングされる降圧期間B3において、U相電流Iuは正から負に切り替わり、U相コイル11には第2インバータ部30側から第1インバータ部20側へ電流が流れる。
また、昇圧期間A3において、V相電流Ivは正から負に切り替わり、V相コイル12には第2インバータ部30側から第1インバータ部20側へ電流が流れる。降圧期間B3において、V相電流Ivは負から正に切り替わり、V相コイル12には第1インバータ部20側から第2インバータ部30側へ電流が流れる。
本実施形態では、U相をスイッチング相、V相を非スイッチング相としており、U相コイル11とV相コイル12とが直列接続された状態となるので、U相電流Iuの実効値と、V相電流Ivの実効値とは、等しい。
また、W相電流Iwは、昇圧期間A3および降圧期間B3を通じて略ゼロである。
図12(d)、(e)に示すように、昇圧期間A3および降圧期間B3における第1バッテリ電流I1および第2バッテリ電流I2は、第1実施形態と同様である。
すなわち、昇圧期間A3において、第1バッテリ41が放電状態、第2バッテリ42が充電状態となる。また、降圧期間B3において、第1バッテリ41が充電状態、第2バッテリ42が放電状態となる。そのため、昇圧期間A3と降圧期間B3とを繰り返すことにより、第1バッテリ41と第2バッテリ42との間で電力をやり取りし、充放電を繰り返すことにより、モータ10、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第1バッテリ41、および、第2バッテリ42に電流が流れ、通電量に応じて、モータ10,第1バッテリ41、および、第2バッテリ42を昇温することができる。
また、本実施形態では、スイッチング相が1相、非スイッチング相が1相、通電停止相が1相であるので、スイッチング相をU相、非スイッチング相をV相、通電停止相をW相とすると、スイッチング相の電流であるU相電流Iuの実効値と非スイッチング相の電流であるV相電流Ivの実効値とは等しく、通電停止相の電流であるW相電流Iwは略ゼロである。そのため、スイッチング相および非スイッチング相の温度上昇幅は略等しく、通電停止相の温度上昇幅は小さい。また、素子のスイッチング損失に偏りが生じる。
そこで本実施形態においても、上記実施形態と同様、局所的な温度上昇や相間のスイッチング損失を低減すべく、スイッチング相、非スイッチング相、および、通電停止相を相切替期間毎に切り替えることが好ましい。これにより、モータ10の各相を均等に昇温することができる。また、各相電流Iu、Iv、Iwがゼロのときにスイッチング相を切り替えることにより、切り替えに伴う急激な変化を生じさせることなく、第1バッテリ41および第2バッテリ42の充放電を継続可能である。
また、充放電周波数ωは、上記実施形態と同様とする。
これにより、上記実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態では、少なくとも1相を通電停止相とすることにより、通電停止相におけるスイッチング損失を低減することができる。
(他の実施形態)
(ア)上記第1実施形態の昇温制御は第1の全相通電制御であり、第2実施形態の昇温制御は第2の全相通電制御であり、第3実施形態の昇温制御は一部通電停止制御であった。他の実施形態では、第1の全相通電制御、第2の全相通電制御、および、一部通電停止制御を組み合わせて実行してもよい。
例えば、第1の全相通電制御または第2の全相通電制御と、一部通電停止制御とを制御切替期間毎に切り替えてもよい。すなわち、「制御部は、巻線の少なくとも1相に対応するスイッチング相とし、スイッチング相以外の全相を非スイッチング相とする全相通電制御と、巻線の少なくとも1相に対応するスイッチング相とし、スイッチング相以外の少なくとも1相を非スイッチング相とし、スイッチング相および非スイッチング相以外の全相を通電停止相とする一部通電停止制御と、を制御切替期間毎に切り替える」ということである。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また例えば、第1の全相通電制御において、U相がスイッチング相であった場合、所定時間経過後に、U相を通電停止相とする一部通電停止制御に切り替える、といった具合に、スイッチング相を切り替えることに替えて、全相通電制御と一部通電停止制御とを切り替えるように構成してもよい。
すなわち、スイッチング相、非スイッチング相、および、通電停止相は、モータの昇温状況や各SW素子の損失状況等に応じ、適宜選択および切り替え可能である。
さらにまた、スイッチング相および非スイッチング相を特定の相とし、切り替えを行わないようにしてもよい。通電停止相についても同様である。
(イ)上記実施形態では、降圧期間であって、各相電流がゼロのときに、スイッチング相、非スイッチング相、通電停止相を切り替える。他の実施形態では、昇圧期間であって、各相電流がゼロのときに、スイッチング相、非スイッチング相、通電停止相を切り替えてもよい。
(ウ)上記実施形態では、スイッチング相、非スイッチング相および通電停止相を所定の相切替期間毎に切り替える。他の実施形態では、巻線の温度を計測し、ある相の巻線の温度が所定の温度に達した場合、或いは、温度上昇幅が所定の値となった場合、スイッチング相、非スイッチング相、通電停止相を切り替えるように構成してもよい。すなわち、「相切替期間は、巻線の温度に応じて可変としてもよい」ということである。また、「スイッチング相および非スイッチング相は、巻線の温度に応じて選択される」、或いは、「スイッチング相、非スイッチング相および通電停止相は、巻線の温度に応じて選択される」と捉えることもできる。
(エ)上記実施形態では、第2電力供給源の第2電圧値は、第1電力供給源の第1電圧値よりも大きい。他の実施形態では、第2電圧値は、第1電圧値以上であればよい。第2電圧値が第1電圧値以上であれば、上述の昇圧制御により、第1電力供給源と第2電力供給源との間で電力をやり取りし、充放電を繰り返すことにより、回転電機、第1インバータ部20、第2インバータ部30、第1電力供給源、および、第2電力供給源に電流を流すことができるので、通電量に応じ、回転電機、第1電力供給源、および、第2電力供給源を昇温可能である。
なお、第1電圧値と第2電圧値とが等しい場合、昇降圧することなく第1電力供給源と第2電力供給源との間で電力をやり取り可能であるが、このような場合についても上記実施形態にて説明した「昇圧」、「降圧」の概念に含まれるものとする。
(オ)上記実施形態では、主に回転電機の停止時に実行される昇温制御について説明した。他の実施形態では、例えば、回転電機の停止時には上記昇温制御により昇温し、回転電機の駆動時には、駆動電流に加え、無効電流を通電することにより、回転電機、第1電力供給源、および、第2電力供給源を昇温させるようにしてもよい。無効電流は、回転電機の駆動トルクに影響を与えないような電流であれば、どのような電流としてもよい。
(カ)上記実施形態では、スイッチング素子はIGBTである。他の実施形態では、スイッチング素子は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。駆動装置全体として昇降圧チョッパとして作動させるべく、上記実施形態では、IGBTの寄生ダイオードをチョッパ回路におけるダイオードとして機能させる。他の実施形態では、スイッチング素子として寄生ダイオードを持たないものを用いる場合、例えばスイッチング素子ごとに別途ダイオードを設けるように構成してもよい。なお、例えばスイッチング相を切り替えない場合等、必要な箇所にダイオードを設けるようにしてもよい。
なお、第1電力供給源と第2電力供給源との間で電力をやり取りさせ、充放電させることができれば、上記実施形態の昇温制御に限らず、どのように制御してもよい。
(キ)上記実施形態では、第1インバータ部および第2インバータ部は、2レベルインバータである。他の実施形態では、第1インバータ部および第2インバータ部は、3レベル以上のインバータであってもよい。
(ク)上記実施形態では、回転電機は、電動機としての機能および発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであるが、他の実施形態では、発電機としての機能を持たない電動機であってもよいし、電動機としての機能を持たない発電機であってもよい。また、上記実施形態では、回転電機は3相交流電動機である。他の実施形態では、4相以上の回転電機であってもよい。
(ケ)上記実施形態では、回転電機は、電動車両の車両主機に適用される。他の実施形態では、回転電機は、車両補機に適用してもよいし、他の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・電力変換装置
10・・・モータ(回転電機)
11〜13・・・コイル(巻線)
20・・・第1インバータ部
21〜26・・・SW素子(第1スイッチング素子)
30・・・第2インバータ部
31〜36・・・SW素子(第2スイッチング素子)
60・・・制御部

Claims (6)

  1. 巻線(11、12、13)を有する回転電機の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
    前記巻線の各相に対応して設けられる第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)と充放電可能な第1電力供給源(41)との間に接続される第1インバータ部(20)と、
    前記巻線の各相に対応して設けられる第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、121、132)と充放電可能な第2電力供給源(42)との間に接続される第2インバータ部(30)と、
    前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のオンオフ作動を制御し、前記第1電力供給源と前記第2電力供給源との間で充放電を行い、前記第1電力供給源、前記第2電力供給源および前記回転電機を昇温させる制御部(60)と、
    を備え
    前記第1スイッチング素子は、高電位側に接続される第1上アーム素子(21、22、23)、および、前記第1上アーム素子の低電位側に接続される第1下アーム素子(24、25、26)から構成され、
    前記第2スイッチング素子は、高電位側に接続される第2上アーム素子(31、32、33)、および、前記第2上アーム素子の低電位側に接続される第2下アーム素子(34、35、36)から構成され、
    前記巻線の少なくとも1相に対応する相をスイッチング相とし、前記スイッチング相以外の少なくとも1相を非スイッチング相とすると、
    前記制御部は、
    前記第1上アーム素子の前記スイッチング相、前記第1下アーム素子および前記第2下アーム素子の前記非スイッチング相をオンし、前記第2下アーム素子の前記スイッチング相をスイッチングする昇圧期間と、
    前記第1上アーム素子の前記スイッチング相、前記第1下アーム素子および前記第2下アーム素子の前記非スイッチング相をオンし、前記第2上アーム素子の前記スイッチング相をスイッチングする降圧期間と、
    を切り替えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御部は、
    前記巻線の少なくとも1相に対応する相を前記スイッチング相とし、前記スイッチング相以外の全相を前記非スイッチング相とする全相通電制御と、
    前記巻線の少なくとも1相に対応する相を前記スイッチング相とし、前記スイッチング相以外の少なくとも1相を前記非スイッチング相とし、前記スイッチング相および前記非スイッチング相以外の全相を通電停止相とする一部通電停止制御と、
    を制御切替期間毎に切り替えることを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記スイッチング相および前記非スイッチング相を相切替期間毎に切り替えることを特徴とする請求項またはに記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記昇圧期間と前記降圧期間との切り替え周波数である充放電周波数を温度に応じて可変とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第2電力供給源により印加される電圧の値である第2電圧値は、前記第1電力供給源により印加される電圧の値である第1電圧値以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記第2電圧値は、前記第1電圧値の2倍以上であることを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
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