JP6026878B2 - ロック装置 - Google Patents
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Description
以下、具体化したロック装置の第1実施形態を図1〜図11に従って説明する。
[充電システムの概要]
図1に示すように、例えばプラグインハイブリッド車や電気自動車等の車両には、外部電源(住宅、充電スタンド等)により車両のバッテリ(図示略)を充電可能な充電システムが搭載されている。この場合、車体1の側壁には、車体1の給電口2を開閉するリッド3が、上下方向に延びる軸部4回りに回動可能に取り付けられている。軸部4には、リッド3を開き側に付勢する例えばトーションばね等からなる付勢部材5が取り付けられている。給電口2のリッドボックス6の中央位置には、受電側のコネクタとなるインレット7が設けられている。インレット7には、略円筒状のインレットハウジング8が設けられ、筒内部に端子部9が設けられている。リッドボックス6には、給電口2の周囲を照明する夜間作業用照明10や、充電中であることを通知する充電インジケータ11や、バッテリの残量を通知する電池残量計12が設けられている。なお、リッド3がロック対象物に相当する。
図1に示すように、給電口2には、リッド3のロックと充電ケーブル13のロックとの両方を実行可能なロック装置23が設けられている。即ち、本例のロック装置23は、1つのアクチュエータでリッドロック及び充電ケーブルロックの両方の動作を兼ねる一体型である。また、本例のロック装置23は、ロックを手動で行い、アンロックを電動で行う半手動型でもある。
図5(a),(b)に示すように、ロック装置23には、ロック装置23のロック状態を手動により強制解除可能とするロック強制解除機構52が設けられている。これは、ロック装置23がロック状態のとき、例えばロックモータ38やモータ周囲の回路が故障するなどしてロックモータ38が動作できなくなってしまうと、ロックモータ38を駆動源とするロック切り替えができなくなるので、これに対処するためである。
図6に示すように、ロック装置23には、ロック装置23の動作を制御するロックECU(Electronic Control Unit)60が設けられている。ロックECU60には、駆動回路61を介してロックモータ38が接続されるとともに、プラグ接続検出信号が入力されている。ロックECU60には、I/F回路62を介して夜間作業用照明10、充電インジケータ11及び電池残量計12が接続されている。ロックECU60には、I/F回路63を介してロック状態検出部64及びリッド開閉検出スイッチ65が接続されている。ロック状態検出部64は、ロック装置23がロック/アンロックのいずれの状態にあるのかを検出するものであり、例えばロックピン30のロック位置及びアンロック位置に各々配設されたセンサや、ロックモータ38の回転方向及び回転量を検出するエンコーダ等からなる。また、リッド開閉検出スイッチ65は、例えばマイクロスイッチやセンサ等からなり、例えばリッド3の開閉や、閉状態のリッド3の更に奥への押し込み等を検出する。
[充電ケーブルロック動作]
図7に示すように、リッド3が開状態のとき、インレット7に充電ケーブルが接続されていなければ、ロックピン30はアンロック位置をとるので、充電ケーブル13の接続前の充電ケーブルロックはアンロック状態をとる。よって、給電プラグ15をインレット7に挿し込むことにより、充電ケーブル13をインレット7に接続することが可能である。給電プラグ15をインレット7に最も奥まで挿し込んだ際には、ロックアーム17の爪部18がインレット7の突起21に引っ掛かる状態をとる。
図9(a)に示すように、ロックECU60は、充電ケーブルロックがロック状態のとき、充電ケーブルアンロックの開始条件が揃ったことを確認すると、ロックモータ38の回転を開始する。このとき、図9(b)に示すように、回動ピース32がアンロック方向(図9(b)の矢印L1−b方向)に回転し、アンロック案内面43が連結突41を押し上げていくことにより、ロックピン30がアンロック方向(図9(b)の矢印Z2方向)にスライド移動する。そして、図9(c)に示すように、ロックピン30がアンロック位置に位置すると当て面18aから離間し、充電ケーブルロックがアンロック状態となる。よって、ロックアーム17を開き側に回動操作することが可能となり、充電ケーブル13をインレット7から引き抜くことが可能となる。
図10に示すように、リッドロックがアンロック状態のとき、リッド3が閉操作されると、リッド3の裏面でロックボタン26が押込方向(図10の矢印X1方向)にプッシュ操作される。このとき、充電ケーブルロックのときと同様に、ロックボタン26が奥に移動するに伴い、回動ピース32のロック側への回動により、ロックピン30がロック方向(図10の矢印Z1方向)にスライド移動する。そして、ロックピン30の先端がストライカ24の係止溝25に係止すると、リッドロックがロック状態をとる。よって、閉操作したリッド3を第三者等に開けられずに済む。
図11に示すように、閉状態のリッド3は、ストライカ24の係止溝25とロックピン30との間の所定の隙間分、付勢部材49の付勢力に抗して奥に押し込み操作が可能である。そして、閉状態のリッド3を開操作するには、この隙間分、リッド3を指等によって奥にプッシュ操作する。
(1)ロックボタン26とスライダ33とを別体とすることにより、ロックボタン26をロック機構部29に対して非連結としたので、ロックボタン26を操作してロック装置23をロック状態に切り替えた後は、ロックボタン26によるロック操作が無効となる。よって、ロック状態への切り替え後、仮にロックボタン26が第三者等により操作されても、この操作がロック機構部29に影響を及ぼさないので、ロックの不正解除防止に効果が高くなる。また、ロック切り替え後、仮にロックボタン26をいたずら操作されても、この操作がロック機構部29に負荷としてかからないので、ロック機構部29の保護にもなる。
次に、第2実施形態を図12〜図16に従って説明する。なお、本例は、第1実施形態のロック装置の構成を変更した実施例であり、他の基本的な構成は同じである。よって、第1実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
図12に示すように、ロックボタン26は、略く字形状のリンク部材68を介してスライダ33に連結されている。リンク部材68の中央には、回動ピース32の軸と平行に延びる軸部69が突設され、この軸部69の軸心L2回りに回動可能にハウジング29aに取り付けられている。リンク部材68の基端には、長孔70が貫設され、この長孔70に、ロックボタン26の基端に配設されたピン状の係止突71が連結されている。リンク部材68の先端には、フック状の引掛部72が、スライダ33の上面の突起部56と当接可能に設けられている。
図12,図13(a),(b)に示すように、ロック強制解除機構52には、ロック装置23の通常のロック/アンロック動作時に、非常解除ワイヤ58を引きずらない状態で非常解除ワイヤ58を保持するワイヤ保持構造が設けられている。この場合、非常解除ワイヤ58の端部が偏平状に形成され、この端部に長孔73が貫設されている。長孔73には、スライダ33の突起部56が係止されている。通常のロック/アンロック動作時、突起部56が長孔73内を往復移動することにより、非常解除ワイヤ58に影響を及ぼさない。なお、突起部56及び長孔73が保持手段に相当する。
[ロック動作]
図14(a)に示すように、ロック装置23をロック状態に切り替えるには、ロックボタン26を初期位置から押込方向(図14(a)の矢印X1方向)にプッシュ操作する。このとき、図14(b)に示すように、ロックボタン26の押し操作に伴い、リンク部材68がロック方向(図14(b)の矢印L2−a方向)に回り、先端の引掛部72がスライダ33の突起部56を押し、スライダ33がロック方向(図14(b)の矢印Y1方向)に直線移動する。
図15(a)に示すように、ロックECU60は、ロック状態下でアンロックの開始条件が揃ったことを確認すると、ロックモータ38によって回動ピース32をアンロック方向(図15(a)の矢印L1−b方向)に回転させ、ロックピン30の連結突41をアンロック案内面43で押し上げていくことにより、ロックピン30をアンロック位置に移動させる。このとき、図15(b)に示すように、回動ピース32のアンロック側への回転に伴い、スライダ33もアンロック方向(図15(b)の矢印Y2方向)にスライド移動する。
図16(a)〜(c)に、非常解除ワイヤ58を引いてロックを強制解除するときの動作を示す。例えば、ロック装置23がロック状態のとき、ロックモータ38やその周辺回路が故障すると、回動ピース32をアンロック側に回すことができず、ロック装置23をアンロック状態に戻すことができなくなる。このときは、ロック装置23を強制的にアンロック状態に切り替えるために、ラッゲージ内で非常解除ワイヤ58を手前方向(図16(a)の矢印Y2方向)に引き操作することになる。
(7)ロックボタン26とスライダ33とを、リンク部材68を介して連結したので、ロックボタン26のプッシュ操作時の操作量を、リンク部材68によって増幅して、ロックピン30の移動量に変換することができる。よって、ロックボタン26の少ない操作でロックピン30の充分なストローク量を確保することができ、操作フィーリング確保のためにロックボタン26の操作量は少なくし、逆にロックピン30の十分な作動ストロークは確保するという、両方のニーズを確保することができる。
・各実施形態において、スマート照合は、車両ドアに配置されたアンテナから送信される電波をトリガに電子キー28と実行される無線認証でもよい。
・各実施形態において、リッドロック時のロックピン30の係止先は、ストライカ24以外の箇所としてもよい。
・各実施形態において、ロックボタン26に節度を設けてもよい。
・各実施形態において、ロック強制解除機構52は、例えば回動ピース32を手動によりアンロック側に操作する機構など、別の構造に別途変更可能である。
・各実施形態において、ロック装置23は、ロックピン30をロック/アンロックの各方向に動かすことができれば、他の構造に適宜変更可能である。例えば、ロック部材は、スライド移動するピンに限定されず、例えば回動する円柱状の部材に切り欠きを形成したものでもよい。また、ロック部材は、ロック/アンロックの各位置に回動する扇状の板材としてもよい。
・各実施形態において、強制解除操作部材は、ワイヤに限定されず、ロック機構部29のロックに関わる部品をアンロック側に引くことができれば、例えばレバー等の他の部材に変更してもよい。
・各実施形態において、伝達機構は、使用するロック装置23の構造に合わせて、適宜変更可能である。
・各実施形態において、ロック装置23は、充電ケーブルロック専用でもよいし、又はリッドロック専用でもよい。また、ロック装置23は、広義として給電口2に配設されるものであればよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
Claims (7)
- 給電口に関係するロック対象物を、当該給電口に対し取り外し不能にロック又はアンロックするロック装置において、
ロックへ切り替える際に操作する操作部と、
前記操作部が操作されると、その操作により伝達機構を介してロック部材がロックの位置に動かされ、ロック状態に切り替わるロック機構部とを備えるとともに、
前記操作部と前記伝達機構とを別体にし、前記操作部によるロックへの切り替え操作後、当該操作部を前記伝達機構と非連結とすることにより、当該操作部による操作を無効とする非連結機構を更に備えた
ことを特徴とするロック装置。 - ロックへの切り替えを前記操作部による手動で行い、アンロックへの切り替えを電動で行う切り替え動作をとる
ことを特徴とする請求項1に記載のロック装置。 - 前記操作部は、前記伝達機構を直に操作可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロック装置。 - 前記操作部は、1軸を始点に回動する動きをとるリンク部材を介して、前記伝達機構を操作可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロック装置。 - 前記非連結機構は、
前記操作部に設けられ、当該操作部の操作時に前記伝達機構に当接して該伝達機構を動作させる押込部と、
前記操作部の操作後、当該操作部を操作前の初期位置に復帰させる付勢部材と
を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のロック装置。 - 前記伝達機構を強制解除操作部材の手動操作によってアンロック方向に動かすことにより、ロックを手動により強制解除可能なロック強制解除機構を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のロック装置。 - 前記ロック強制解除機構は、前記伝達機構が通常のロック及びアンロックの動作をとる際に、当該動作をとる前記伝達機構及び前記強制解除操作部材を非連動とするように、当該強制解除操作部材を保持する保持手段を備えた
ことを特徴とする請求項6に記載のロック装置。
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