図1は、本発明が好適に適用されるカラオケ装置10の構成を例示するブロック線図である。この図1に示すように、本実施例のカラオケ装置10は、中央演算処理装置であるCPU12と、読出専用メモリであるROM14と、随時書込読出メモリであるRAM16と、記憶装置であるハードディスク18と、グラフィックスチップ(グラフィックスボード)等の映像処理部20と、サウンドチップ(サウンドボード)等の音声処理部22と、操作パネル24と、表示制御部26及び入力制御部28を介して前記CPU12に接続されたタッチパネルディスプレイ30と、通信インターフェイス36と、LANインターフェイス38と、無線通信部40と、ビデオ出力端子42を介して前記映像処理部20に接続された映像表示装置であるディスプレイ44と、オーディオ入力端子46を介して前記音声処理部22に接続された音声入力装置であるマイクロフォン48と、オーディオ出力端子50を介して前記音声処理部22に接続された音声増幅装置であるアンプ52と、そのアンプ52に備えられた音声出力装置であるスピーカ54とを、備えて構成されている。
前記CPU12は、前記RAM16の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM14に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、前記カラオケ装置10における各種制御を実行する。すなわち、前記操作パネル24、タッチパネルディスプレイ30、或いは電子早見本装置68等により所定の楽曲(カラオケ演奏曲)が選曲入力された場合、その選曲入力された楽曲を前記RAM16等に設けられた予約曲テーブルに登録する選曲予約制御、その予約曲テーブルの演奏順に従って前記ハードディスク18から前記RAM16に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報(楽曲データ)を読み出す楽曲データ読出制御、楽曲の演奏進行に応じてそのRAM16から前記音声処理部22へ演奏情報を送信する演奏出力制御、その演奏出力制御に際して前記RAM16に展開された歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して前記映像処理部20へ送信する歌詞文字映像出力制御、前記演奏出力制御に際して前記映像処理部20を制御して所定の背景映像を再生させる背景映像出力制御、及びカラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させる曲間情報出力制御等の基本的な制御に加え、後述する本実施例の楽曲演奏短縮制御等の各種制御を実行する。
前記映像処理部20は、前記ディスプレイ44に表示される画面(映像)の描画に係る各種制御を行う。例えば、前記CPU12から供給されるデータに基づいてグラフィックスメモリにそのデータを書き込み、そのデータを読み出すことによって前記ビデオ出力端子42を介して前記ディスプレイ44に所定の画面を表示させる制御を行う。具体的には、前記カラオケ装置10による楽曲の演奏出力(カラオケ演奏)に際して、前記CPU12において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力させたり、前記ハードディスク18に記憶されたMPEG(Moving Picture Experts Group)データ等の背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)させたり、その背景映像の前面側に前記歌詞文字映像を合成させて前記ディスプレイ44に表示させたり、その歌詞文字映像を前記楽曲の演奏進行に応じて順次色替わり表示させる等の各種表示制御を行う。なお、本実施例においては、前記映像処理部20により前記ディスプレイ44の表示制御を行う一方、後述する表示制御部26により前記タッチパネルディスプレイ30(表示装置32)の表示制御を行う態様について説明するが、前記映像処理部20により前記タッチパネルディスプレイ30の表示制御をも行う態様も考えられる。この態様において、前記表示制御部26は必ずしも設けられなくともよい。
前記音声処理部22は、FM音源やPCM音源等の各種音源を備え、前記カラオケ装置10による音声出力に係る各種制御を行う。好適には、電子回路により音を合成し、各種音色を発生するシンセサイザ(synthesizer)を備えている。このシンセサイザは、前記ハードディスク18から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する。前記シンセサイザは、好適には、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)端子を備えたものであり、前記演奏情報は、例えばMIDI形式のデータである。そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザにより生成された音楽信号は、前記マイクロフォン48から前記オーディオ入力端子46を介して入力される利用者(演奏者)の歌声とミキシングされ、前記オーディオ出力端子50を介して前記アンプ52に供給されてそのアンプ52により増幅されて前記スピーカ54から出力される。
前記操作パネル24は、前記カラオケ装置10の利用者が歌いたい楽曲を選択したり、楽曲の演奏出力に係る音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記タッチパネルディスプレイ30は、画像(映像)を表示させると共に利用者の操作に応じて前記カラオケ装置10への操作入力を行う装置であり、そのタッチパネルディスプレイ30に所定の画像(映像)を表示させる表示装置32と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等による前記タッチパネルディスプレイ30への接触により入力を行うタッチパネル34とを、備えている。前記表示制御部26は、前記CPU12から供給される情報に基づいて前記表示装置32に表示される画面(映像)の描画を制御する映像処理部である。前記入力制御部28は、前記タッチパネル34により入力される操作入力情報を前記CPU12等に供給する入力処理部である。以上の構成を備えていることで、前記タッチパネルディスプレイ30は、前記ディスプレイ44とは別に第2の映像表示装置として機能すると共に、前記カラオケ装置10の利用者が歌いたい楽曲を選択したり、楽曲の演奏出力に係る音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための入力装置として機能する。
前記カラオケ装置10は、前記通信インターフェイス36及びネットワーク接続端子56を介して通信回線60に接続されており、同様にその通信回線60に接続された他の機器との相互間でその通信回線60を介して情報の通信が可能とされている。前記通信回線60は、例えば公衆電話回線、ADSL回線、或いは光ファイバ回線等から構成されるWWW(World Wide Web)等のインターネットに接続された広域情報通信網である。前記カラオケ装置10は、好適には、前記通信回線60を介して例えばカラオケサービス提供会社のホスト装置であるサーバ装置58(図3を参照)に接続されており、そのサーバ装置58から楽曲データ(カラオケデータ)、背景映像情報、及び曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の配信を受け付けるものである。すなわち、前記カラオケ装置10は、好適には、所定の通信回線に接続されて前記サーバ装置58との間で各種情報の送受信を行う通信カラオケ装置であるが、斯かる通信回線に接続されない非通信型のカラオケ装置等にも本発明は好適に適用される。
前記LANインターフェイス38は、前記カラオケ装置10をLAN接続端子62を介してLAN(local area network)64に接続するための接続器であり、そのように前記LAN64に接続されることで、前記カラオケ装置10は、同様に前記LAN64に接続された電子早見本装置68等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。また、前記カラオケ装置10が設置される店舗等に複数台のカラオケ装置が備えられている場合において、同様に前記LAN64に接続されたカラオケ装置相互間において情報の送受信が可能とされる。例えば、前記LAN64に接続されたアクセスポイント66を介して受信される電子早見本装置68からの選曲入力を受け付けて前記RAM16に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント66を介して前記カラオケ装置10から電子早見本装置68へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置10と電子早見本装置68との間における相互の情報のやりとりが実行される。
前記無線通信部40は、前記カラオケ装置10と前記電子早見本装置68等の入力装置との間の無線通信を行う。例えば、前記電子早見本装置68等の入力装置から送信されるリモコン信号を受信するリモコン受信部として機能する。前記カラオケ装置10と電子早見本装置68との対応付け(くくりつけ)処理は、好適には、斯かるリモコン信号(赤外線信号)により前記無線通信部40を介して行われる。すなわち、前記電子早見本装置68は、それぞれ個別のシリアル番号を有しており、前記対応付け処理においては、例えばそのシリアル番号(例えば、下4桁)及び所定の接続コードを含む信号が接続通知として前記カラオケ装置10へ送信され、前記無線通信部40によりその接続信号を受信したカラオケ装置10に対して前記電子早見本装置68が対応付けられる。そのようにして前記カラオケ装置10に対応付けられた電子早見本装置68は、そのカラオケ装置10の入力装置(遠隔操作装置)として機能し、その電子早見本装置68から送信される信号が前記CPU12に供給されることで、前記カラオケ装置10の利用者が歌いたい楽曲を選択したり、楽曲の演奏出力に係る音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための入力が受け付けられるようになっている。なお、前記対応付け処理が行われた後、前記電子早見本装置68と前記カラオケ装置10との間の通信は、前記LAN64及びアクセスポイント66等を介したLAN通信により行われる。また、本実施例においては、前記カラオケ装置10に対応付け処理の行われた電子早見本装置68等の入力装置もそのカラオケ装置10の一部を構成するものであるとして以下の説明を行う。
前記ハードディスク18には、楽曲データベース70及び遷移データベース72をはじめとする各種データベースが設けられている。この楽曲データベース70は、前記カラオケ装置10により前記楽曲の演奏出力(カラオケ演奏)を行うための多数(例えば、数万曲)の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する。図2は、この楽曲データベース70に記憶される楽曲データの一例について詳しく説明する図である。この図2に示すように、前記カラオケ装置10において出力される各楽曲に対応して前記楽曲データベース70に記憶された楽曲データは、例えば、メタデータ、演奏情報としてのMIDIデータ、及び歌詞情報としてのテロップデータを含んでいる。
前記メタデータは、例えば、各楽曲データの識別情報としての曲番号(選曲番号)、曲名、歌手名、登録日時等の情報を含んでいる。前記MIDIデータは、前記音声処理部22を介して各楽曲の演奏出力制御を行うための情報であり、例えば、複数のトラック乃至チャンネルにそれぞれ対応して演奏出力に係る楽器(演奏音)の種類と、出力される演奏音の音階及び音長等を定める楽譜情報とを、含んでいる。前記テロップデータは、前記映像処理部20を介して各楽曲の歌詞文字映像表示制御を行うための情報であり、例えば、前記楽曲データに対応する楽曲(演奏曲)の歌詞を複数に区分した各区分に相当するブロックデータB01、B02、B03、・・・、Bnnを含んでいる。以下に詳述するように、このブロックデータは、前記ディスプレイ44における歌詞文字映像の表示制御、色替わり表示制御、及び消去制御の単位となるものである。
すなわち、前記ブロックデータB01、B02、B03、・・・、Bnnは、例えば、それぞれ表示データ及び属性データを含んでいる。この表示データは、例えば、座標、変化前色コード、変化後色コード、及び文字列を含んでいる。前記座標は、前記ディスプレイ30の画面内において各ブロックにおける歌詞文字映像が表示される座標(例えば、歌詞文字映像表示位置の左上隅に対応するxy座標)を定めるものである。前記変化前色コードは、歌唱ポイントを示す色替わり表示制御(ワイプ)による色替わり前の文字色(画面内に当初表示される歌詞文字映像の文字色)を定めるものである。前記変化後色コードは、色替わり表示制御による色替わり後の文字色を定めるものである。前記文字列は、各ブロックにおける歌詞文字映像に対応するテキストデータである。また、前記属性データは、表示ステップ、消去ステップ、複数(例えば、1つのブロックデータにおいて5〜10)の変化ステップC01、C02、C03、・・・、Cmm、及び各変化ステップに対応する変化速度を含んでいる。前記表示ステップは、各ブロックにおける歌詞文字映像が画面内に表示されるタイミングを定めるものである。前記消去ステップは、各ブロックにおける歌詞文字映像が画面から消去されるタイミングを定めるものである。前記変化ステップは、各ブロックにおける歌詞文字映像の歌唱ポイントを示す色替わりタイミング(色替わり開始タイミング)を定めるものであり、そのタイミングから対応する変化速度で歌詞文字映像の色替わり表示制御が行われることを示している。前記ディスプレイ30の画面内に表示された歌詞文字映像は、前記変化ステップC01、C02、C03、・・・、Cmmにより定められるタイミング及び変化速度で順次色替わりさせられる。換言すれば、前記変化ステップは、各ブロックにおける歌詞文字映像の色替わり変化速度と、その変化速度の変更タイミングを定めるものである。
前記遷移データベース72は、遷移前の連続コードから遷移後の連続コードへの遷移確率を記憶する。図4は、この遷移データベース72の一例を示す図である。この図4に示すように、前記遷移データベース72は、例えば、前記楽曲データベース70に記憶された楽曲データのMIDIデータにおいて各トラック乃至チャンネル等に設定し得る所定の楽器(例えば、エレキギター等)に関して、多数の楽曲データ(楽曲)から統計的に求められた、遷移前の連続コードすなわち移行前のコード進行に対応する連続する複数のコード(遷移前コード進行)から、遷移後の連続コードすなわち移行後のコード進行に対応する連続する複数のコード(遷移後コード進行)への遷移確率を記憶する。例えば、エレキギター等の楽器の楽譜情報は一般にコード(例えば、1ストローク分の演奏に対応する和音)で表され、そのコード進行すなわち各楽曲において連続する複数のコードの遷移は、所定の傾向を有することが知られている。斯かる前提において、前記遷移データベース72には、前記楽曲データベース70に記憶された多数の楽曲データに関して、典型的に用いられる所定の楽器のコード進行が予め解析され、その解析結果として、前述のように遷移前の連続コードと、遷移後の連続コードと、その遷移前の連続コードから遷移後の連続コードへの遷移確率とが、相互に対応付けられて記憶されている。
前記サーバ装置58の記憶装置74には、前記カラオケ装置10を用いたカラオケサービスに係るSNSデータベース76(図3を参照)が設けられている。このSNSデータベース76は、前記通信回線60を介して前記サーバ装置58に接続された複数の前記カラオケ装置10を含む通信カラオケシステムの利用者を対象とするソーシャルネットワークサービス(Social Network Service)に係る各種情報を記憶する。このソーシャルネットワークサービスとは、例えば、予め会員登録された会員相互間に限定して情報の閲覧等のサービスを提供する会員制のコミュニティ型のウェブサイトをいう。なお、以下の説明において、ソーシャルネットワークサービスをSNSと略称する。前記SNSデータベース76は、前記通信カラオケシステムを利用する各利用者毎の、前記カラオケ装置10を用いたカラオケ演奏に関する情報を、その利用者の識別情報(ユーザID)と対応付けて記憶する記憶装置である。このSNSデータベース76には、ユーザIDにより識別される各利用者毎に、例えばその利用者の名前(ニックネーム)、生年月日、実際の年齢、性別、メールアドレス、利用者の住所又は居所に対応する地域、血液型、星座、SNSへのログイン認証に用いられるパスワード、パスワードを忘れたときのための質問及び解答、アバタ(ネット上において利用者を象徴する人型映像)に関する情報、及び利用者の歌年齢等の情報がその利用者のユーザIDと対応付けられて記憶される。この歌年齢とは、利用者の演奏曲の好みの傾向がどの程度の年代(何歳)に相当するものかを示す仮想的な年齢情報であり、対象となる利用者が前記カラオケ装置10において過去に選曲(演奏)した演奏曲に基づいて判断される値である。
また、前記SNSデータベース76には、各利用者の前記カラオケ装置10を用いたカラオケ演奏に関する情報として、例えばその利用者が過去に利用したカラオケ装置10に対応する店舗(そのカラオケ装置10が設置された店舗)に関する情報である来店履歴、その利用者が前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏において十八番曲或いはお気に入りとして登録した演奏曲(簡易な操作により選曲入力を行い得るように設定された演奏曲)に関する情報、その利用者が過去に前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏において選曲した選曲履歴(カラオケ装置10において過去に選曲された演奏曲の履歴)に関する情報、その利用者が前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏において過去に行った演奏評価の評価結果に関する情報、及びその利用者がフレンドとして登録した他の利用者に関する情報等が各利用者毎にその利用者のユーザIDと対応付けられて記憶される。ここで、前記来店履歴は、各利用者が過去に利用(来店)した店舗の店舗IDを記憶するものであってもよいし、各利用者が過去に利用(使用)したカラオケ装置10の装置IDを記憶するものであってもよい。
前記サーバ装置58は、前記通信カラオケシステムにおけるSNSに関する情報管理制御を行う。例えば、そのSNSに関する情報登録制御を行う。具体的には、前記カラオケ装置10に備えられた電子早見本装置68や、パーソナルコンピュータ或いは携帯電話機等の外部装置による入力操作に応じて、前記SNSデータベース76に新規ユーザ(利用者)の登録を行ったり、各利用者に対応してそのSNSデータベース76に記憶された十八番曲やプロフィール等の登録内容を変更(更新)したり、そのSNSデータベース76に記憶された複数の利用者をフレンドとして相互に対応付けて登録したり、そのフレンドに係る情報に基づいて各利用者の前記カラオケ装置10を用いたカラオケ演奏に関する情報の閲覧レベルを設定したりというように、前記通信カラオケシステムにおけるSNSの統括的な管理制御を行う。また、本実施例において、好適には、前記電子早見本装置68や、パーソナルコンピュータ或いは携帯電話機等の外部装置による入力操作に応じて、後述する楽曲演奏短縮制御の対象となる楽曲(好適には、その選曲番号)が、各利用者に対応して前記SNSデータベース76に記憶されるようになっている。また、好適には、前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏(楽曲の演奏出力)に係る全ての楽曲を対象として、後述する楽曲演奏短縮制御を行うか否か(楽曲の演奏短縮を実行するか否か)を、各利用者に対応して前記SNSデータベース76に設定し得るようになっている。
前記サーバ装置58は、例えば、前記カラオケ装置10に備えられた電子早見本装置68や、パーソナルコンピュータ或いは携帯電話機等の外部装置により入力される識別情報(ユーザID)に応じて、前記通信カラオケシステムにおけるSNSの利用者を認証し、その認証が正常に行われた場合にはその識別情報をもってその利用者のSNSへのログインを許可する。具体的には、前記電子早見本装置68等により識別情報であるユーザID及びパスワードが入力された場合、そのユーザIDに対応付けられて前記SNSデータベース76に記憶されたパスワードが入力されたものと一致するか否かを照会し、一致する場合には正常な認証を行う一方、一致しない場合にはエラーとする。また、好適には、前記カラオケ装置10がICチップ(無線タグ)読取装置を備えている態様において、そのICチップ読取装置によりICチップに記憶されたユーザID及びパスワードの読み取りを行い、そのユーザIDに対応付けられて前記SNSデータベース76に記憶されたパスワードが入力されたものと一致するか否かを照会し、一致する場合には正常な認証を行う一方、一致しない場合にはエラーとする。
図3は、前記カラオケ装置10のCPU12に備えられた制御機能の要部の一例を説明する機能ブロック線図である。この図3に示す演奏制御手段80は、前記カラオケ装置10による楽曲の出力(再生)を制御する。すなわち、基本的には、前記楽曲データベース70に記憶された楽曲データに基づくカラオケ演奏において、前記RAM16等の予約曲テーブルにおける上位の予約曲から順に(すなわち入力順に)、その予約曲テーブルに記憶された予約曲の選曲番号に対応する楽曲データを前記ハードディスク18の楽曲データベース70から読み出し、その楽曲データに含まれる演奏情報に基づいて演奏曲の出力を制御する。例えば、演奏情報としてのMIDIデータに基づいて、前記音声処理部22に備えられたシンセサイザによりそのMIDIデータにおける楽譜情報としての各トラックに対応する楽器の演奏音(音楽情報)を出力させ、前記アンプ52等を介して前記スピーカ54から出力させる。
歌詞文字映像表示制御手段82は、前記演奏制御手段80による楽曲データの演奏出力と併行して、その楽曲データに含まれるテロップデータに基づいて演奏曲に係る歌詞文字映像の出力を制御する。すなわち、基本的には、前記楽曲の歌詞を複数に区分した各区分に相当するブロックデータB01、B02、B03、・・・、Bnnに基づいて歌詞文字映像を生成し、各ブロックデータに定められた表示ステップに対応するタイミングで、各ブロックデータに定められた座標に対応する位置に、前記映像処理部20を介してその歌詞文字映像を前記ディスプレイ72に表示させる。また、各ブロックデータにおける変化ステップC01、C02、C03、・・・、Cmm、及び各変化ステップに対応する変化速度に基づいて、前記ディスプレイ44に表示された歌詞文字映像を順次色替わり表示制御する。また、各ブロックデータに定められた消去ステップに基づいて、前記ディスプレイ44に表示された歌詞文字映像を消去させる。
演奏短縮判定手段84は、前記演奏制御手段80による演奏出力制御の対象となる楽曲(歌詞文字映像表示制御手段82による歌詞文字映像表示制御の対象となる楽曲)の演奏短縮制御を実行するか否かを判定する。すなわち、前記演奏制御手段80による演奏出力制御の対象となる楽曲を、以下に詳述する連続コード抽出手段86及び省略区分決定手段88による制御の対象、延いてはその制御結果に基づく前記演奏出力制御手段80による楽曲演奏短縮制御の対象とするか否かを判定する。例えば、判定対象となる楽曲が、選曲主体(歌唱主体)である利用者に対応して、前記SNSデータベース76に楽曲演奏短縮制御の対象となる楽曲として記憶されているか否かに基づいて前記判定を行う。すなわち、斯かる判定が肯定される場合には、その楽曲に対応して前記演奏短縮制御を実行すると判定する。また、好適には、選曲主体である利用者に対応して、前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏に係る全ての楽曲を対象として楽曲演奏短縮制御を行う設定が前記SNSデータベース76に記憶されているか否かに基づいて前記判定を行う。すなわち、斯かる判定が肯定される場合には、その楽曲に対応して前記演奏短縮制御を実行すると判定する。また、斯かる判定は、前記SNSに対するログイン認証制御時に行われるものであってもよい。すなわち、前記カラオケ装置10に備えられた電子早見本装置68や、パーソナルコンピュータ或いは携帯電話機等の外部装置による入力操作に応じて、或いは前記カラオケ装置10に備えられたICチップ読取装置等を介してログイン認証が行われた際、そのログイン認証に係る利用者に対応して前記SNSデータベース76に記憶された情報に基づいて前記判定を行うものであってもよい。
また、前記演奏短縮判定手段84は、好適には、前記演奏制御手段80による演奏出力と併行して、音声入力装置である前記マイクロフォン48から入力される音声情報に基づいて、その演奏出力に係る楽曲の演奏短縮制御を実行するか否かを判定する。例えば、その演奏出力に係る楽曲の歌い出しにおいて前記マイクロフォン48から入力される音声情報(好適には、演奏開始以降最初に入力される音声情報)の音圧レベルが、予め定められた閾値未満である場合には、歌唱者がその楽曲を歌い慣れていないものと考えられるため、その楽曲の演奏短縮制御を実行すると判定する。また、前記演奏短縮判定手段84は、好適には、前記演奏制御手段80による演奏出力に係る楽曲の、選曲入力のための検索に要した時間に基づいて、その演奏出力に係る楽曲の演奏短縮制御を実行するか否かを判定する。例えば、その楽曲の選曲入力のために、前記電子早見本装置68等の検索操作に要した時間(楽曲の検索操作が開始されてから選曲入力が行われるまでの時間)が、予め定められた閾値以上である場合には、本当は歌いたくないのに歌わなければならないシチュエーションであるものと考えることができるため、その楽曲の演奏短縮制御を実行すると判定する。
図3に示す連続コード抽出手段86及び省略区分決定手段88は、前記演奏短縮判定手段84の判定が肯定される場合、すなわち前記演奏制御手段80による演奏出力制御の対象となる楽曲の演奏短縮制御を実行すると判定される場合に、前記演奏制御手段80によりその楽曲の短縮演奏制御を行うためのデータを作成する。換言すれば、対象となる楽曲の短縮版となる楽曲データ(演奏情報)を作成する。前記連続コード抽出手段86は、前記対象となる楽曲のテロップデータにおいて複数に区分された前記ブロックデータB01、B02、B03、・・・、Bnnに対応して、前記演奏データ(MIDIデータ)に含まれる連続する複数のコードを抽出する。好適には、斯かる演奏データにおいて定められた複数の楽器(トラック乃至チャンネル)にそれぞれ対応する楽譜情報のうち、予め定められた所定の楽器(例えば、エレキギター等)の楽譜情報から、前記ブロックデータの各区分に対応する部分に含まれる連続する複数のコードを抽出する。好適には、各区分に対応する部分に含まれる連続するコードの、先頭から所定数のコード(例えば3コード)を抽出する。また、好適には、斯かる先頭から所定数のコードに加えて、各区分に対応する部分に含まれる連続するコードの、末尾から所定数のコード(例えば3コード)を抽出する。この抽出されるコードの数は、後述するように、前記遷移データベース72に記憶された情報に基づく検索(判定)が行われ、対応する連続コードが検出されない場合にはコード数が増加させられるものであってもよい。
前記省略区分決定手段88は、前記対象となる楽曲のテロップデータにおける前記ブロックデータB01、B02、B03、・・・、Bnnの区分を単位として、その楽曲に対応する演奏データにおいて演奏出力を省略する省略区分を決定する。好適には、前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏に際して、前記ディスプレイ44において1行の歌詞文字映像として表示されるテロップデータの区分(複数のブロックデータに相当)を単位として、その楽曲に対応する演奏データにおいて演奏出力を省略する省略区分を決定する。また、好適には、前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏に際して、前記ディスプレイ44において1画面内に表示される歌詞文字映像に対応するテロップデータの区分(複数のブロックデータに相当)を単位として、その楽曲に対応する演奏データにおいて演奏出力を省略する省略区分を決定する。
前記省略区分決定手段88は、好適には、前記楽曲に対応する演奏データにおける所定の区分を、予め前記省略の対象から除外し、余の部分を対象として前記省略区分を決定する。好適には、前記楽曲に対応する演奏データにおける歌い出し部分及び歌い終わり部分については、前記省略の対象から除外する。この歌い出し部分とは、対象となる楽曲における歌唱パートすなわち歌詞文字映像の色替わり表示制御が実行される部分が開始されて以降所定時間内の部分、或いは対象となる楽曲の演奏開始後前記ディスプレイ44に最初に表示される歌詞文字映像に対応するブロックデータの区分に相当する部分である。また、前記歌い終わり部分とは、対象となる楽曲における歌唱パートが終了する時点を遡ること所定時間内の部分、或いは対象となる楽曲の演奏出力に際して前記ディスプレイ44に最後に表示される歌詞文字映像に対応するブロックデータの区分に相当する部分である。
また、前記省略区分決定手段88は、好適には、前記楽曲に対応する演奏データにおけるサビに相当する部分については、前記省略の対象から除外する。このサビとは、各楽曲データに対応する演奏曲のうち最も印象的で盛り上がるフレーズが配された部分に相当し、ブリッジ(bridge)等とも称される。好適には、前記楽曲データベース70に記憶された各楽曲データは、演奏情報としてのMIDIデータ等において、所定の演奏時間毎に、例えば、前奏に対応するイントロ(Intro)、Aメロ(Amelo)、Bメロ(Bmelo)、Cメロ(Cmelo)、フィル(Fill)、サビ、間奏、後奏、及び変拍等の演奏区間情報が定められている。前記省略区分決定手段88は、好適には、この楽曲データに予め定められた演奏区間情報に基づいて、その演奏データにおけるサビに相当する部分については、前記省略の対象から除外する。また、好適には、演奏データにおいて同一のフレーズ(旋律及び歌詞が等しい部分)が複数回(例えば2回)以上繰り返されている場合には、そのフレーズがサビに相当する部分であると判定し、前記省略の対象から除外するものであってもよい。
また、前記省略区分決定手段88は、好適には、前記楽曲に対応する演奏データにおいて、対応する歌詞を有しない部分については、前記省略の対象から除外する。換言すれば、前記楽曲に対応する演奏データにおいて、歌詞文字映像の色替わり表示制御の対象とならないテロップデータ(ブロックデータ)の区分に対応する部分については、前記省略の対象から除外する。この対応する歌詞を有しない部分(歌詞文字映像の色替わり表示制御の対象とならない部分)としては、各楽曲の前奏、間奏、及び後奏等が考えられる。すなわち、前記省略区分決定手段88は、好適には、前記楽曲に対応する演奏データにおける前奏、間奏、及び後奏に対応する部分については、前記省略の対象から除外する。
前記省略区分決定手段88は、好適には、前記連続コード抽出手段86により抽出された連続する複数のコードに基づいて、前記演奏データにおける少なくとも1区分のブロックデータに対応する区分を前記省略区分として決定する。好適には、前記遷移データベース72に記憶された関係から、前記ブロックデータの各区分に対応して前記連続コード抽出手段86により抽出された連続する複数のコードに基づいて、前記演奏データにおいて少なくとも1区分のブロックデータに対応する区分を省略した場合に、省略された区分の前後における連続コードの遷移確率が最も高くなるように前記省略区分を決定する。以下、図5を用いて斯かる省略区分の決定の具体例を説明する。
図5は、前記省略区分決定手段88による前記省略区分の決定の具体例について説明する図である。この図5に示す例では、対象となる楽曲の歌い出しに相当する部分である歌詞「風に乗って舞い上がる僕 通り過ぎる白いカモメ」に対応する部分については、前記省略の対象から除外されている。この部分は、例えば、対象となる楽曲の演奏開始後、前記ディスプレイ44の画面に最初に表示される歌詞文字映像に対応するブロックデータに相当する部分である。また、対象となる楽曲のサビに相当する部分である歌詞「見つめてると 涙が 流れて 見えない」以降の部分については、前記省略の対象から除外されている。すなわち、図5に示す例では、対象となる楽曲の歌い出し終了後、サビ開始前の歌詞ブロック(a)〜(f)に対応する区間が省略区分の決定対象となる。なお、図5に示すように、ブロックデータの各区分に対応する連続コードの抽出については、歌い出しに相当する部分及びサビに相当する部分を含め、全てのブロックデータに対応する区間において行われている。
前記歌詞ブロック(a)〜(f)に対応する区間における省略区分の決定は、例えば、以下のような処理が順次行われることにより実行される。すなわち、第1の処理として、楽曲のMIDIデータに記憶された、エレキギターやピアノ等の所定の楽器の楽譜情報において、連続するコードの頭からn(好適には、nの初期値=3)コードが抽出される。次に、第2の処理として、第1の処理において抽出された連続コードが、前記遷移データベース72に記憶された何れかの関係におけるコード進行と一致するか否かが判定される。次に、第3の処理として、第2の処理で一致するコード進行が検出されなかった場合、或いは検出された場合においても他に一致するコード進行があるか否かを判定するため、連続するコードの頭からn+1コードが抽出される。次に、第4の処理として、第3の処理において抽出された連続コードが、前記遷移データベース72に記憶された何れかの関係におけるコード進行と一致するか否かが判定される。次に、第5の処理として、第2の処理乃至第4の処理において検出されたコード進行に対応する遷移確率が参照され、コード進行の最小単位が導出される。そして、第6の処理として、前記歌詞ブロック(a)〜(f)のうち少なくとも1区分の歌詞ブロックを省略した場合に、省略された区分の前後における連続コードの遷移確率が最も高くなるように、所謂マルコフ過程により前記省略区分が決定される。
図5に示す例においては、前記歌詞ブロック(a)〜(f)に対応する各区分それぞれについて、図示するような連続コードが抽出されている。ここで、これら各区分のうちうち少なくとも1区分の歌詞ブロックを省略することを考え、図4に示す遷移データベース72を参照すると、前記歌い出しに相当する部分の末尾における歌詞「通り過ぎる白いカモメ」に対応する部分の連続コード「DonA G A F#m7」を遷移前コード進行とし、歌詞ブロック(d)の先頭における歌詞「こんなにすごい景色」に対応する部分の連続コード「Bm G A F♯m7」を遷移後コード進行とした場合の遷移確率が0.7であり最も高い。従って、図5に示すように、前記歌い出しに相当する部分の末尾における歌詞「通り過ぎる白いカモメ」に対応する部分の直後における歌詞ブロック(a)に対応する区分から、歌詞ブロック(d)の直前における歌詞ブロック(c)までの区間すなわち歌詞ブロック(a)〜(c)に対応する区間が、前記省略区分として決定される。なお、図4に示す遷移データベース72を参照すると、遷移前コード進行「D AonC# Bm7」から遷移後コード進行「DonA G A F♯m7」への遷移確率が0.8であり、前記遷移前コード進行「DonA G A F#m7」から遷移後コード進行「Bm G A F♯m7」への遷移確率0.7よりも高いが、斯かる関係に対応して省略区分を決定する場合、歌い出しの部分における歌詞「通り過ぎる白いカモメ」に対応する区分が省略区分に含まれることとなるため、斯かる区間は前記省略区間とはされない。
前記演奏制御手段80は、前記楽曲に対応する演奏データに基づいて、前記省略区分決定手段88により決定された省略区分以外の演奏出力を行う。すなわち、前記省略区分決定手段88により決定された省略区分については、前記演奏データに基づく演奏出力制御の対象から除外する。また、前記歌詞文字映像表示制御手段82は、前記楽曲に対応するテロップデータに基づいて、前記省略区分決定手段88により決定された省略区分以外の歌詞文字映像表示制御を行う。すなわち、前記省略区分決定手段88により決定された省略区分については、前記テロップデータに基づく歌詞文字映像表示制御の対象から除外する。以上の制御により、前記省略区分決定手段88により決定された省略区分を省略した、短縮版の楽曲のカラオケ演奏制御が行われる。
図6は、前記カラオケ装置10のCPU12による楽曲演奏短縮制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、短縮演奏制御の対象となる楽曲のカラオケ演奏が開始されるか否か、例えば演奏開始に係る楽曲が前記SNSデータベース76において歌唱者である利用者に対応して楽曲演奏短縮制御の対象となる楽曲として記憶されているか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、演奏開始に係る楽曲に対応する楽曲データが前記楽曲データベース70から読み出され、前記RAM16等に展開される。次に、S2′において、読み出された楽曲データ(MIDIデータ)における歌い出し部分、歌い終わり部分、サビに相当する部分、及び対応する歌詞を有しない部分が以下のステップにおける省略区分の判定の対象から除外される。次に、S3において、ブロックデータにの各区分に対応して抽出される連続コードの数に対応するnに3が代入される。次に、S4において、S2にて読み出された楽曲データにおけるブロックデータの各区分に対応して、前記演奏データにおいて連続するコードの先頭からnコードが抽出される。次に、S5において、S4にて抽出された連続コードに対応する情報(関係)が前記遷移データベース72に記憶されているか検索される。次に、S6において、S4にて抽出された連続コードに対応する遷移前コード進行及び遷移後コード進行の関係及び遷移確率に相当する情報が前記遷移データベース72において検索されたか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、S7において、nに1が加算されてn+1とされた後、S4以下の処理が再び実行されるが、S6の判断が肯定される場合には、S6′において、対象となる演奏データにおける全てのブロックデータに係るコードの抽出が完了したか否かが判断される。このS6′の判断が否定される場合には、S3以下の処理が再び実行されるが、S6′の判断が肯定される場合には、S8において、前記演奏データにおいて少なくとも1区分のブロックデータに対応する区分を省略した場合に、省略された区分の前後における連続コードの遷移確率が最も高くなるように前記省略区分が決定される。次に、S9において、S8にて決定された省略区分以外の楽曲データに対応して、演奏データ(MIDIデータ)に基づく演奏出力制御及びテロップデータに基づく歌詞文字映像表示制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。
以上の制御において、S9が前記演奏制御手段80の動作及び前記歌詞文字映像表示制御手段82の動作に、S1が前記演奏短縮判定手段84の動作に、S3、S4、及びS7が前記連続コード抽出手段86の動作に、S2′、S5、S6、及びS8が前記省略区分決定手段88の動作に、それぞれ対応する。
このように、本実施例によれば、前記楽曲の歌詞を複数に区分した各区分に相当するブロックデータB01、B02、B03、・・・、Bnnに基づいて前記歌詞文字映像の表示制御を行う歌詞文字映像表示制御手段82(S9)と、前記ブロックデータの区分を単位として、前記楽曲に対応する演奏データにおいて演奏出力を省略する省略区分を決定する省略区分決定手段88(S2′、S5、S6、及びS8)と、前記楽曲に対応する演奏データに基づいて、前記省略区分決定手段88により決定された省略区分以外の演奏出力を行う演奏制御手段80(S9)とを、備えたものであることから、歌詞文字映像を表示させるためのブロックデータを単位として、不自然にならないように演奏を省略することができる。すなわち、それとわからないように楽曲の演奏を短縮するカラオケ装置10を提供することができる。
また、前記ブロックデータの各区分に対応して、前記演奏データに含まれる連続する複数のコードを抽出する連続コード抽出手段86(S3、S4、及びS7)を備え、前記省略区分決定手段88は、その連続コード抽出手段86により抽出された連続する複数のコードに基づいて、前記演奏データにおける少なくとも1区分のブロックデータに対応する区分を前記省略区分として決定するものであるため、演奏データにおける各ブロックデータに含まれる連続コードに基づいて省略区分を決定することで、不自然にならないように演奏を省略することができる。
また、予め定められた、遷移前の連続コードから遷移後の連続コードへの遷移確率を記憶する遷移データベース72を備え、前記省略区分決定手段88は、前記遷移データベース72に記憶された関係から、前記連続コード抽出手段86により抽出された連続する複数のコードに基づいて、前記演奏データにおいて少なくとも1区分のブロックデータに対応する区分を省略した場合に、省略された区分の前後における連続コードの遷移確率が最も高くなるように前記省略区分を決定するものであるため、簡便且つ実用的な態様で、不自然にならないように演奏を省略することができる。
また、前記省略区分決定手段88は、前記楽曲に対応する演奏データにおける歌い出し部分及び歌い終わり部分については、前記省略の対象から除外するものであるため、聞き手の印象に残りやすい歌い出し部分及び歌い終わり部分を残すことで、不自然にならないように演奏を省略することができる。
また、前記省略区分決定手段88は、前記楽曲に対応する演奏データにおけるサビに相当する部分については、前記省略の対象から除外するものであるため、聞き手の印象に残りやすいサビに相当する部分を残すことで、不自然にならないように演奏を省略することができる。
また、前記省略区分決定手段88は、前記楽曲に対応する演奏データにおいて、対応する歌詞を有しない部分については、前記省略の対象から除外するものであるため、そもそも歌唱を行う必要がない前奏、間奏、及び後奏等の部分を残すことで、不自然にならないように歌唱部分の演奏を省略することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例においては、本当は歌いたくないのに歌わなければならないシチュエーションにおいて、前奏、間奏、及び後奏等を省略せずに楽曲の短縮を行う楽曲演奏短縮制御について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばカラオケボックス等において残りの演奏時間内に前記カラオケ装置10に予約された全ての予約曲を演奏しきるために、それらの楽曲を短縮する楽曲演奏短縮制御にも本発明は好適に適用される。斯かる態様においては、前記カラオケ装置10に予約された楽曲をむしろ積極的に歌いたいものと考えられるため、対象となる楽曲の前奏、間奏、後奏を短縮の対象とし、好適にはそれらを前記省略区分とする制御を行うことが望ましい。また、対象となる楽曲の演奏出力を1コーラスのみとしたり、サビのみを出力させる等の態様も考えられる。
また、前述の実施例において、前記省略区分決定手段88は、前記遷移データベース72に記憶された関係から、前記連続コード抽出手段86により抽出された連続する複数のコードに基づいて、前記演奏データにおいて少なくとも1区分のブロックデータに対応する区分を省略した場合に、省略された区分の前後における連続コードの遷移確率が最も高くなるように前記省略区分を決定するものであったが、これはあくまで本発明の好適な一実施例であり、他のアルゴリズムに基づいて前記省略区分を決定するものであってもよい。例えば、前記楽曲に対応する演奏データにおける歌い出し、歌い終わり、サビ、前奏、間奏、及び後奏等に相当する部分を除外した余の演奏部分において、前記ブロックデータの区分を単位として、対応する歌詞は異なるが旋律(例えば、コード進行)が一致する区分が繰り返されている場合、それら繰り返される複数の区分のうち最後の区分を残して余の区分を前記省略区分として決定する等の態様が考えられる。例えば、対象となる楽曲のAメロ及びBメロに同じ旋律ではあるが異なる歌詞に対応する区間がある場合、一方を省略しても不自然にはならないため、前記のように省略区分を決定することで、本発明の一応の効果を奏する。
また、前述の実施例において、前記演奏短縮判定手段84は、前記SNSデータベース76に記憶された情報に基づいて、前記演奏制御手段80による演奏出力制御の対象となる楽曲の演奏短縮制御を実行するか否かを判定するものであったが、前記SNSへのログイン認証の態様に基づいて前記演奏短縮判定手段84の判定を行うものであってもよい。例えば、前記カラオケ装置10がICチップ読取装置を備えている態様において、2種類のICチップを用いてログイン認証を可能とし、第1のICチップを用いてログイン認証が行われた場合には、前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏に係る全ての楽曲を対象として前記楽曲演奏短縮制御を行うものと判定する一方、第2のICチップを用いてログイン認証が行われた場合には、前記楽曲演奏短縮制御を行わない通常のカラオケ演奏を行うものと判定する等の態様が考えられる。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。