JP6026585B2 - 赤外線撮像装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、赤外線撮像装置に関する。
赤外線は、暗闇中でも熱源から輻射され、可視光よりも煙、霧に対して透過性が高いという特長を有するので、赤外線撮像は、昼夜にかかわらず可能である。また、赤外線撮像は、被写体の温度情報をも得ることができるので、防衛分野をはじめ監視カメラや火災検知カメラのように広い応用範囲を有する。
近年、冷却機構を必要としない「非冷却型赤外線撮像装置」の開発が盛んになってきている。非冷却型すなわち熱型の赤外線撮像装置は、波長10μm程度の入射赤外線を吸収構造により熱に変換した上で、この微弱な熱により生じる感熱部の温度変化をなんらかの熱電変換手段により電気信号に変換する。非冷却型の赤外線撮像装置は、この電気信号を読み出すことで赤外線画像情報を得る。
例えば、一定の順方向電流を与えることにより温度変化を電圧変化に変換するシリコンpn接合を用いた赤外線センサが知られている。この赤外線センサは、半導体基板としてSOI(Silicon on Insulator)基板を用いることによって、シリコンLSI製造プロセスを用いて量産することができるという特長がある。また、熱電変換手段であるシリコンpn接合の整流特性を利用して、行選択の機能を実現しているので画素構造が極めてシンプルに構成できるという特長もある。
赤外線センサの性能を表す指標のひとつは、赤外線センサの温度分解能を表現するNETD(Noise Equivalent Temperature Difference(等価雑音温度差))である。NETDを小さくすること、すなわち、雑音に相当する赤外線センサの温度差を小さくすることが重要である。そのためには信号の感度を高くすること、および雑音を低減することが必要である。
また、熱電変換素子は入射赤外線による温度上昇以外の温度成分、すなわち半導体基板の温度や通電時の自己加熱温度にも敏感であるため、これら「オフセット温度」を補正するために参照画素が導入されている。
従来の参照画素は、赤外線検出画素と同じように半導体基板温度の影響を反映するが、赤外線検出画素とは自己加熱温度が異なっている。この自己加熱温度の差異は入射赤外線による信号よりも遥かに大きいため、これを補正する必要がある。
特開2010−32410号公報
本実施形態は、赤外線検出画素と参照画素における自己加熱温度差の影響を小さくすることのできる赤外線撮像装置を提供する。
本実施形態による赤外線撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板の表面の一部に設けられ、第1凹部を有する参照画素と、前記半導体基板の表面の一部に設けられ、第2凹部を有し赤外線を検出する赤外線検出画素と、を備え、前記参照画素は、前記第1凹部が設けられていない前記半導体基板の一部の領域と直接接続され、かつ前記第1凹部内に設けられ熱を電気信号に変換する第1熱電変換素子を含む第1熱電変換部を含み、前記赤外線検出画素は、前記第2凹部内に設けられ第2熱電変換素子を含む第2熱電変換部を含む。
一実施形態による非冷却型赤外線撮像装置の回路図。 図2(a)、2(b)は、一実施形態に係る赤外線検出画素を示す平面図および断面図。 図3(a)、3(b)は、一実施形態に係る参照画素を示す平面図および断面図。 図4(a)、4(b)は、赤外線検出画素および参照画素それぞれにおける自己加熱量を示すグラフ。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
一実施形態による非冷却型赤外線撮像装置(以下、赤外線センサともいう)を図1に示す。本実施形態の赤外線センサは、半導体基板上に設けられた撮像領域を備えている。この撮像領域には、例えば1行2列に配列された2個の参照画素11、11と、2行2列に配列された赤外線検出画素12ij(i,j=1、2)とが設けられている。なお、撮像領域は通常、より多くの画素を備えているが、ここでは、便宜的に3行2列の画素、すなわち参照画素および赤外線検出画素を備えているとする。各画素は熱電変換素子となるpn接合(ダイオード)を含むが、詳細な構造は後述する。
参照画素11、11のそれぞれの第1端子(pn接合のアノード側の端子)は行選択線45に接続される。また、参照画素11、11の第2端子(pn接合のカソード側の端子)はそれぞれ、垂直信号線(以下単に、信号線ともいう)44、44に接続される。第1行の赤外線検出画素1211、1212のそれぞれの第1端子(pn接合のアノード側の端子)は行選択線45に接続される。そして、赤外線検出画素1211、1212の第2端子(pn接合のカソード側の端子)はそれぞれ、垂直信号線44、44に接続される。第2行の赤外線検出画素1221、1222のそれぞれの第1端子(pn接合のアノード側の端子)は行選択線45に接続される。そして、赤外線検出画素1221、1222の第2端子(pn接合のカソード側の端子)はそれぞれ、垂直信号線44、44に接続される。
行選択線45、45、45はそれぞれ行選択回路5に接続され、この行選択回路5によって1行ずつ順番に選択されてバイアス電圧Vdが印加される。信号線44(i=1、2)の一端子が負荷トランジスタ41を介して電源Vssに接続され、他の端子が結合容量22を介して差動増幅器20の正側入力端子に接続される。負荷トランジスタ41、41は、飽和領域で動作し、それらのゲートに印加されるゲート電圧GL1に応じて、選択されている行の画素に定電流を供給する。即ち、負荷トランジスタ41は、定電流源として作用する。負荷トランジスタ41、41のソース電圧をVd0とする。
差動増幅器20(i=1、2)は、負側入力端子に電圧V2が印加され、出力端子が読み出しトランジスタ32を介して読み出し線33に接続される。読み出しトランジスタ32(i=1、2)は、ゲートに列選択回路6からの選択信号を受けることによりオンする。
また、差動増幅器20(i=1、2)の正側入力端子と出力端子との間にフィードバックスイッチ23とフィードバック容量24が並列に接続される。そして、結合容量22(i=1、2)、差動増幅器20、フィードバックスイッチ23、およびフィードバック容量24が差動クランプ回路を構成する。後述するように、この差動クランプ回路は、対応する信号線に接続された参照画素から出力される信号をホールドし、上記対応する信号線に接続された赤外線検出画素を選択した際に、差分信号を増幅する。
行選択回路5がバイアス電圧Vdを選択した行に印加すると、選択した行に接続された参照画素または赤外線検出画素のpn接合に直列電圧Vd―Vd0が印加されることになる。例えば、行選択線45が選択されれば参照画素11、11のpn接合に直列電圧Vd―Vd0が印加され、行選択線45が選択されれば赤外線検出画素1211、1212のpn接合に直列電圧Vd―Vd0が印加され、行選択線45が選択されれば赤外線検出画素1221、1222のpn接合に直列電圧Vd―Vd0が印加される。非選択行の画素のpn接合は、すべて逆バイアスされているので、非選択の行選択線は信号線44、44から分離されている。即ち、pn接合は、画素選択機能を担っているといってもよい。
赤外線非受光時の垂直信号線44、44の電位をVslと定義する。赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)は、赤外線を受光すると、画素温度が上昇する。それにより、垂直信号線44、44の電位はVslよりも高くなる。例えば、被写体温度が1K(ケルビン)変化すると、赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)の温度は約5mK変化する。熱電変換効率を10mV/Kとすると、垂直信号線44、44の電位は約50μVだけ上昇する。これは、バイアス電圧Vdに比べて非常に小さい。
赤外線を受光すると、垂直信号線44、44の電位はVd−(Vf0−Vsig−Vsh)となる。ここで、Vf0は赤外線を全く受光していないときのpn接合の順方向電圧、Vsigは赤外線を赤外線検出画素の後述する熱電変換部の温度上昇に基づく電圧信号である。Vshはpn接合に電流を流した際に発生するジュール熱による電圧変化である。自己加熱量は以下式(1)で表される。
Figure 0006026585
ここで、Iは負荷トランジスタ41、41の動作点できまる電流量、Vはpn接合の順方向電圧、tは電流が流れ始めてからの経過時間、CthおよびGthはそれぞれ赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)の熱容量、熱コンダクタンスである。これらについては後述する。tがCth/Gthであらわされる値よりも十分に小さい場合、式(1)は下記の式(2)で近似され、時間に比例して温度が上昇することになる。
Figure 0006026585
図2(a)に赤外線検出画素12ij(i,j=1、2)の平面図を示す。図2(b)に、図2(a)の切断線A−A線に沿って切断した赤外線検出画素12ij(i,j=1、2)の断面図を示す。赤外線検出画素12ij(i,j=1、2)は、SOI基板に形成されるセル160を備えている。SOI基板は、支持基板181と、埋め込み絶縁層(BOX層)182と、シリコン単結晶からなるSOI(Silicon-On-Insulator)層と、を有し、表面部分に凹部185が形成されている。凹部185は、支持基板181の一部を除去することによって形成される。
セル160は、熱電変換部161と、この熱電変換部161を凹部185の上方に支持する支持構造部167a、167bとを備えている。熱電変換部161は、直列に接続された複数の(図2(a)では2個)ダイオード162と、これらのダイオード162を接続する配線163と、これらのダイオード162および配線163を覆うように形成された赤外線吸収膜164とを備えている。
支持構造部167aは、一端が対応する垂直信号線に接続され他端が直列に接続されたダイオードからなる直列回路の一端に接続される接続配線168aと、この接続配線168aを覆う絶縁膜169aとを備えている。他方の支持構造部167bは、一端が対応する行選択線に接続され他端が直列に接続されたダイオードからなる直列回路の他端に接続される接続配線168bと、この接続配線168bを覆う絶縁膜169bとを備えている。
赤外線吸収膜164は入射された赤外線によって発熱する。ダイオード162は、赤外線吸収膜164で発生した熱を電気信号へ変換する。支持構造167a、167bは、熱電変換部161の周囲を取り巻くように細長く形成されている。これにより、熱電変換部161は、SOI基板からほぼ断熱された状態でSOI基板上に支持される。
このような構造を有することにより、赤外線検出画素12ij(i,j=1、2)は、入射赤外線に応じて発生した熱を蓄熱し、この熱に基づいた電圧を信号線44または44に出力することができる。行選択線45または45からのバイアス電圧Vdは、配線168bを介して熱電変換部161へ伝達される。熱電変換部161を通過した信号は、配線168aを介して垂直信号線44または44に伝達される。
図3(a)に参照画素11(i=1、2)の平面図を示す。図3(b)に、図3(a)の切断線A−A線に沿って切断した参照画素11(i=1、2)の断面図を示す。参照画素11(i=1、2)は、SOI基板に形成されるセル160aを備えている。SOI基板は、支持基板181と、埋め込み絶縁層(BOX層)182と、シリコン単結晶からなるSOI(Silicon-On-Insulator)層と、を有し、表面部分に凹部185aが形成されている。凹部185aは、支持基板181の一部を除去することによって形成される。
セル160aは、埋め込み絶縁層182上に形成された熱電変換部161aを備えている。熱電変換部161aは、直列に接続された複数の(図2(a)では2個)ダイオード162aと、これらのダイオード162aを接続する配線163aと、これらのダイオード162aおよび配線163aを覆うように形成された赤外線吸収膜164aとを備えている。直列に接続されたダイオードからなる直列回路の一端は配線165aを介して垂直信号線に接続され、上記直列回路の他端は配線165bを介して行選択線に接続される。
配線165a、165bは、ともに凹部185aが形成されていない領域に形成される。
熱電変換部161aの下方に凹部185aが設けられているが、この熱電変換部161aは埋め込み絶縁層182を介して凹部185aが形成された領域以外の埋め込み絶縁層182およびその上に形成された絶縁膜164に接続している。このため、熱電変換部161aは、赤外線検出画素の熱電変換部161と異なり、細長い支持構造部によって凹部185aの上方に支持する必要がない。すなわち、赤外線検出画素の熱電変換部161と異なり、細長い支持構造部によって断熱されていない。このため、赤外線による発熱は、赤外線検出画素に比べて何桁も小さく、無視できる。すなわち、参照画素においては、断熱性の指標である熱コンダクタンスGthが、赤外線検出画素よりも遥かに大きく、熱が逃げやすいことになる。
熱コンダクタンスGthは、温度が1K異なる2つの熱浴の間に熱伝導体がある場合に、何Wのエネルギーが移動するかを表すため、単位はW/Kである。熱コンダクタンスGthは熱伝導を担う材料、すなわち支持構造167a、167bを構成する接続配線168a、168bおよび絶縁膜169a、169bの熱伝導率κ(W/(K・m))と、断面積S(m)、ならびに長さL(m)を用いて、Gth=κS/L(W/K)と表される。すなわち、断面積が大きく、短い構造ほど、熱コンダクタンスが大きくなる。
一方、熱容量Cthは、ある物体を1K温めるために何Jのエネルギーが必要であるかを表す指標であり、単位はJ/Kである。熱容量Cthは材料の比熱c(J/kg)と、材料の体積V(m)と、材料の密度d(kg/m)から、Cth=c・d・Vと表される。
赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)の熱コンダクタンスGth_IMGおよび熱容量Cth_IMGは、
th_IMG=κ・S/L
th_IMG=c・d・Lc・Wc・Hc (3) と表される。ここで、Sは支持構造部167a、167bの断面積を表し、Lは支持構造部167a、167bの長さを表し、Lc、Wcはそれぞれ熱電変換部161の長さおよび幅を表し、Hcは熱電変換部161の高さを表し埋め込み絶縁膜182の厚さを含んでいる。なお、κ、c、dはそれぞれ、支持構造部167a、167bの熱伝導率、比熱、密度を表す。
参照画素11(i=1,2)の熱コンダクタンスGth_TBおよび熱容量Cth_TBは、
th_TB=κ・STB/LTB
th_TB=c・d・Lc・WcTB・Hc (4)と表される。ここで、STB、LTBはそれぞれ、熱電変換部161aと配線165a、165bとの接続部166の断面積および長さを表し、Lc、WcTBはそれぞれ熱電変換部161aの長さおよび幅を表し、Hcは熱電変換部161aの高さを表し埋め込み絶縁膜182の厚さを含んでいる。なお、κ、c、dはそれぞれ、熱電変換部161aと配線165a、165bとの接続部166の熱伝導率、比熱、密度を表す。
参照画素11(i=1,2)においては、熱電変換部161aの幅WcTBが赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)の熱電変換部161の幅Wcに比べて小さくなるように、凹部185aの平面パターンが設計されている。
したがって、参照画素の熱コンダクタンスは赤外線検出画素の熱コンダクタンスに比べて小さく、熱容量も赤外線検出画素の熱容量に比べて小さくなる。すなわち以下の不等式を満たす。
th_TB<Gth_IR
th_TB<Cth_IMG
図4(a)、4(b)に、赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)と、参照画素11(i=1,2)それぞれにおける、自己加熱量のグラフを示す。図4(a)は、参照画素11(i=1,2)の熱容量Cth_TBが赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)の熱容量Cth_IMGと等しい場合、すなわちセル160、160aの面積が等しくなるように設計された場合の自己加熱を示している。通電が始まってから、各画素の温度は式(1)に従って上昇する。赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)に関しては熱コンダクタンスGth_IMGが非常に小さく、Cth_IMG/Gth_IMGで表される比が大きいため、熱時定数が大きく、短時間の通電では式(2)に従って温度が上昇する。これに対して、参照画素11(i=1,2)に関しては熱コンダクタンスGth_TBが赤外線検出画素の熱コンダクタンスに比べて大きいため、式(1)に示すように、時間の経過に従って温度上昇率は緩やかになる。この場合、通電が終了した時刻において、両画素の自己加熱温度上昇は異なっている。この差分は、例えば1μAの電流を印加している場合100mK程度のオーダーになり、被写体温度変化に対する信号よりも2桁程度大きくなる。
しかし、参照画素11(i=1,2)の熱容量Cth_TBを赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)の熱容量Cth_IMGよりも小さく設計された場合、すなわち本実施形態のように、セル160aの面積がセル160の面積より小さく設計された場合、図4(b)に示すように、自己加熱温度を通電終了時間で一致させることができる。このとき各画素の設計パラメータは以下式を満たしていれば良い。
Figure 0006026585
赤外線検出画素12ij(i,j=1,2)および参照画素11(i=1,2)は同じ電流、電圧条件で動作させるため、I、Vは等しい。したがって以下の式が成り立てばよい。
Figure 0006026585
th_IMGおよびGth_TBはそれぞれ赤外線検出画素および参照画素の熱コンダクタンスを示し、Cth_IMGおよびCth_TBはそれぞれ赤外線検出画素および参照画素のセルの熱容量を示し、tselは画素通電時間であり、前述の式(3)(4)に従う。熱容量Cth_IMGおよびCth_TBはそれぞれのセルの体積に比例するため、厚みが同じであれば面積比を調整することによって、任意の熱容量Cth比に設計することができる。なお、式(5)を満たすように設計した場合でも製造プロセスなどの精度により式(5)の等式からずれが生じることがある。この場合でも、式(5)の左辺および右辺のうちの一方の値が、他方の値の0.9〜1.1倍の範囲にあれば、おなじような効果を得ることができる。
次に、赤外線信号の読み出し方法を説明する
本実施形態においては、図1に示すように、赤外線検出画素の一つの列の信号線に1個の参照画素が接続され、参照画素と赤外線検出画素は別の行に存在している。そして参照画素の行と、赤外線検出画素の行は、別の時間にバイアス電圧が印加されるため、信号を同時に比較することができない。そのため、参照画素から出力された信号をホールドし、赤外線検出画素を選択する際に差分信号のみを増幅する差動クランプ回路が用いられている。この差動クランプ回路は、結合容量22(i=1、2)、差動増幅器20(i=1、2)、フィードバックスイッチ23(i=1、2)、およびフィードバック容量24(i=1、2)を備えている。
まず、第一の期間に、参照画素11、11が接続された行選択線45に、バイアス電圧Vdを印加すると、垂直信号線44、44の電位はVd−Vf0となる。この電圧値を、ここでは例えば1.0Vとする。
このとき、フィードバックスイッチ23、23をオン(短絡)とすると、ボルテージ・フォロワ接続となって差動増幅器20、20の入力電圧V11と出力電圧Vo11が、DC電圧V2と等しくなる。ここでV2は全列の差動増幅器に与えられる任意の一定電圧であり、例えば1.5Vとする。このとき、結合容量22、22の垂直信号線44、44側の電圧は1.0V、差動増幅器20、20側の電圧は1.5Vとなる。
続いて、フィードバックスイッチ23、23をオフ(開放)すると、上記の電位関係は保たれたまま、差動増幅器20、20の入力電圧V11と出力電圧Vo11が切り離される。フィードバックスイッチ23、23をオンしてからオフするまでの期間に参照画素11、11は通電されるが、この通電時間が式(5)の時間tselとなることが重要である。
次に第二の期間に、赤外線検出画素1211、1212が接続された行選択線45に、バイアス電圧Vdを印加すると、垂直信号線44、44の電位はVd−(Vf0−Vsig)となる。この電圧値を、ここでは例えば1.001Vとする。すると、結合容量22、22の両端電位差はホールドされているため、第一の期間よりも垂直信号線44、44側の電位が0.001V高い分だけ、V11の電位が高くなり、1.501Vとなる。そのとき、差動増幅器20、20のゲインが十分に高いとすると、結合容量22、22、差動増幅器アンプ20、20、フィードバック容量24、24で構成される回路は積分回路となり、結合容量22、22の容量値をCc、フィードバック容量24、24の容量値をCfbとすると、Vo11=Cc/Cfb×Vsigと記述される。例えばCc=5pF、Cfb=0.5pFとすると、Vo11=10×0.001=0.01(V)となり、赤外線信号Vsigが10倍増幅される結果となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、赤外線検出画素と参照画素における自己加熱温度差の影響を小さくすることのできる非冷却型赤外線撮像装置を提供することができる。
なお、上記実施形態では、赤外線検出画素および参照画素の熱電変換素子として、直列に接続されたダイオードを用いたが、直列に接続された抵抗体を用いても同様の効果を得ることができる。
一実施形態による非冷却型赤外線撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板に設けられ、複数の画素がマトリクス状に配列された撮像領域であって、前記複数の画素は、少なくとも1行に配列される複数の参照画素と、残りの行に配列され入射赤外線を検出する複数の赤外線検出画素とを有し、各参照画素は前記半導体基板の表面部分に形成された第1凹部の上方に設けられた第1セルを有し、前記第1セルは入射赤外線を吸収して熱に変換する第1赤外線吸収膜と、前記第1赤外線吸収膜によって変換された熱を電気信号に変換する第1熱電変換素子とを有する第1熱電変換部を備え、各赤外線検出画素は前記半導体基板の表面部分に形成された第2凹部の上方に設けられた第2セルを有し、前記第2セルは、前記第2凹部の上方に設けられた第2熱電変換部と、前記第2熱電変換部を前記第2凹部の上方に支持する第1および第2支持構造部とを備え、前記第2熱電変換部は、前記入射赤外線を吸収して熱に変換する第2赤外線吸収膜と、前記第2赤外線吸収膜によって変換された熱を電気信号に変換する第2熱電変換素子と、を有し、前記赤外線の入射する方向からみたときの前記第1熱電変換部の面積が前記第2熱電変換部の面積よりも小さい、撮像領域と、前記撮像領域内に前記複数の画素の行に対応して設けられ、それぞれが対応する行の画素を選択する、複数の行選択線と、前記撮像領域内に前記複数の画素の列に対応して設けられ、それぞれが対応する列の画素からの電気信号を読み出すための複数の信号線と、を備え、前記第1セルの第1熱電変換部は第1および第2端子を有し、前記第1端子は第1配線を介して対応する行の行選択線に接続され、前記第2端子は第2配線を介して対応する列の信号線に接続され、前記第1および第2配線は前記第1凹部が形成されている領域には形成されず、前記第2セルの第2熱電変換部は第3および第4端子を有し、前記第3端子は前記第1支持構造部内に形成される第3配線を介して対応する行の行選択線に接続され、前記第4端子は前記第2支持構造部内に形成される4配線を介して対応する列の信号線に接続される。
また、前記赤外線検出画素の熱コンダクタンスをGth_IMG、前記第2セルの熱容量をCth_IMG、前記参照画素の熱コンダクタンスをGth_TB、前記第1セルの熱容量をCth_TB、前記赤外線検出画素および前記参照画素の通電時間をtselとすると、
Figure 0006026585
で表される式の左辺および右辺のうちの一方の値が、他方の値の0.9〜1.1倍の範囲であってもよい。
また、各信号線に対応して設けられた複数の差動クランプ回路を更に備え、前記差動クランプ回路は、一端子が対応する信号線に接続された結合容量と、前記結合容量の他の端子に正側入力端子が接続された差動増幅器と、前記差動増幅器の前記正側入力端子と前記差動増幅器の出力端子との間に設けられたフィードバック容量と、前記フィードバック容量と並列に接続されたフィードバックスイッチと、を備えていてもよい。
また、各信号線に対応して設けられた複数の読み出しトランジスタを更に備え、各読み出しトランジスタは、ソース/ドレインの一方が前記差動増幅器の出力端子に接続され、ソース/ドレインの他方が読み出し線に接続され、ゲートが列選択回路からの選択信号を受けてもよい。
また、前記赤外線検出画素と前記参照画素から得られた信号電圧の差分を増幅する差動増幅器を備えていてもよい。
また、前記第1および第2熱電変換素子は直列に接続されたダイオードであってもよい。
また、前記第1および第2熱電変換素子は直列に接続された抵抗体であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
5 行選択回路
6 列選択回路
11、11 参照画素
12ij(i,j=1,2) 赤外線検出画素
20、20 差動増幅器
22、22 結合容量
23、23 フィードバックスイッチ、
24、24 フィードバック容量
32、32 読み出しトランジスタ
33 読み出し線
41、41 負荷トランジスタ
44、44 垂直信号線(信号線)
45〜45 行選択線
160 赤外線検出画素のセル
160a 参照画素のセル
161 赤外線検出画素の熱電変換部
161a 参照画素の熱電変換部
162 ダイオード
162a ダイオード
163 配線
163a 配線
164 赤外線吸収膜
164a 赤外線吸収膜
165a、165b 接続配線
166 接続部
167a、167b 支持構造部
168a、168b 接続配線
169a、169b 絶縁膜
181 支持基板
182 埋め込み絶縁膜
185 凹部
185a 凹部

Claims (9)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の表面の一部に設けられ第1凹部と、前記第1凹部内に設けられ熱を電気信号に変換する第1熱電変換素子を含む第1熱電変換部と、を有する参照画素と、
    前記半導体基板の表面の一部に設けられ第2凹部と、前記第2凹部内に設けられ熱を電気信号に変換する第2熱電変換素子を含む第2熱電変換部と、前記第2熱電変換部を前記第2凹部の上方に支持する第1および第2支持部と、を有し赤外線を検出する赤外線検出画素と、
    それぞれが第1方向に沿って設けられた第1および第2選択線と、
    前記第1方向と交差する第2方向に沿って設けられ信号線と、
    を備え、
    前記第1熱電変換部は第1および第2端子を有し、前記第1端子は第1配線を介して前記第1選択線に接続され、前記第2端子は第2配線を介して前記信号線に接続され、前記第1および第2配線は前記第1凹部が設けられた領域には配置されず、
    前記第2熱電変換部は第3および第4端子を有し、前記第3端子は第3配線を介して前記第2選択線に接続され、前記第4端子は第4配線を介して前記信号線に接続される赤外線撮像装置。
  2. 前記第1熱電変換部の体積は前記第2熱電変換部の体積よりも小さい請求項1記載の赤外線撮像装置。
  3. 前記第2選択線は複数であって前記第2方向に配列され、
    前記信号線は複数であって前記第1方向に配列され、
    前記参照画素は複数であって前記複数の信号線に対応して前記第1方向に配列され、各参照画素の前記第1熱電変換部は前記第1端子および前記第1配線を介して前記第1選択線に接続されかつ前記第2端子および第2配線を介して対応する信号線に接続され、
    前記赤外線検出画素は複数であって前記複数の第2選択線に対応して前記第1方向に配列されるとともに前記複数の信号線に対応して前記第2方向に配列され、各赤外線検出画素の前記第2熱電変換部は前記第3端子および前記第3配線を介して対応する前記第2選択線に接続されかつ前記第4端子および前記第4配線を介して対応する信号線に接続される請求項1または2記載の赤外線撮像装置。
  4. 前記赤外線検出画素の熱コンダクタンスをGth_IMG、前記第2熱電変換部の熱容量をCth_IMG、前記参照画素の熱コンダクタンスをGth_TB、前記第1熱電変換部の熱容量をCth_TB、前記赤外線検出画素および前記参照画素の通電時間をtselとすると、
    Figure 0006026585
    で表される式の左辺および右辺のうちの一方の値が、他方の値の0.9〜1.1倍の範囲である請求項1乃至3のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
  5. 各信号線に対応して設けられた複数の差動クランプ回路を更に備え、前記差動クランプ回路は、
    一端子が対応する信号線に接続された結合容量と、
    前記結合容量の他の端子に正側入力端子が接続された差動増幅器と、
    前記差動増幅器の前記正側入力端子と前記差動増幅器の出力端子との間に設けられたフィードバック容量と、
    前記フィードバック容量と並列に接続されたフィードバックスイッチと、
    を備えている請求項1乃至4のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
  6. 各信号線に対応して設けられた複数の読み出しトランジスタを更に備え、各読み出しトランジスタは、ソース/ドレインの一方が前記差動増幅器の出力端子に接続され、ソース/ドレインの他方が読み出し線に接続され、ゲートが列選択回路からの選択信号を受ける請求項5記載の赤外線撮像装置。
  7. 前記赤外線検出画素と前記参照画素から得られた信号電圧の差分を増幅する差動増幅器を備えている請求項1乃至4のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
  8. 前記第1および第2熱電変換素子は直列に接続されたダイオードである請求項1乃至7のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
  9. 前記第1および第2熱電変換素子は直列に接続された抵抗体である請求項1乃至7のいずれかに記載の赤外線撮像装置。
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